JP2015166506A - 片面に綿しか露出しないパワーネット生地を用いた下半身用衣類 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このガードルは、ポリウレタン糸Pu、ナイロン糸Nおよび綿糸Cを含む経編地で編成されたパワーネット生地を少なくとも一部に用いて、このパワーネット生地は、綿糸Cが経編みにおいて挿入組織で編成されておらず、綿糸Cがパワーネット生地の片面において実質的に全面に露出しており、この綿糸Cが露出した面側をガードルの肌側に配置したことを特徴とする。このガードルの着用時に着用者の肌側においては、パワーネット生地において綿糸が実質的に全面に露出しており、綿糸以外の繊維が着用者の肌に触れることがない。
【選択図】図4
Description
しかしながら、このようなカバリング糸を用いて編成した編地では、芯糸である弾性糸と捲糸である綿糸との伸縮性が異なり、弾性糸が伸びると捲糸である綿糸ではなく弾性糸や場合によっては編成時に使用した綿糸以外の編糸が肌に触れてしまう可能性がある。これでは、高品質の接触特性を実現することができない。
すなわち、本発明のある局面に係る下半身用衣類は、弾性糸、非伸縮性合成繊維および吸湿性繊維を含む経編地で編成されたパワーネット生地を少なくとも一部に用いた衣類であって、前記吸湿性繊維が経編みにおいて挿入組織で編成されておらず、前記吸湿性繊維が、前記パワーネット生地の片面側において実質的に全面に露出し、前記片面側を肌側に配置したことを特徴とする。
さらに好ましくは、吸湿性繊維である綿糸以外の素材が前記ガードルの着用者の肌に触れないように構成することができる。
さらに好ましくは、前記実質的に全面に露出しているとは、非伸張状態において前記パ
ワーネット生地の片面を1倍から200倍までの範囲で拡大して観察した場合に、前記吸湿性繊維以外の繊維が目視できないことを意味するように構成することができる。
さらに好ましくは、前記肌側において吸湿性繊維以外の繊維が着用者の肌に触れないように、前記片面側を肌側に配置するように構成することができる。
この衣類に用いられるパワーネット生地(経編地)は、吸湿性繊維の一例である綿糸(
図面上では符号Cで示す)を最前面の筬に配置しループを形成し(綿糸を挿入糸として使用するのでなく)、弾性糸の一例であるポリウレタン糸(図面上では符号Puで示す)および非伸縮性合成繊維の一例であるナイロン糸(図面上では符号Nで示す)とともにラッセル経編地を編成するという製造方法で編成している。この製造方法により編成されたパワーネット生地(ラッセル経編地)は、生地の表側(ラッセル編み機における表側)が綿糸で完全に覆われ、このパワーネット生地を裏使いで使用する(パワーネット生地の表側が肌側になるようにパワーネット生地を裏使いで衣類を製造する)ことにより、衣類の肌側において綿糸が実質的に全面に露出している(綿100%(実質的な100%を含む意味))状態を実現する。
図1〜図4に、本実施の形態に係るパワーネット生地の編み組織を説明するために、タテヨコ両方向に引っ張りながら(非伸張状態ではない)撮影した表面を示す図(図1)、ナイロン易染色性の染料によりナイロン糸を黒く染色した後を示す図(図2)、その拡大図(図3)および模式図(図4)を示す。これらの図1〜図4においては、(A)は肌側(綿側)であって、(B)は外側(ナイロン側)である。
これに対して、図1(B)、図2(B)、図3(B)および図4(B)に示す、外側(ナイロン側)においては、綿糸のループよりもポリウレタン糸およびナイロン糸が最も紙面手前側に配置されており、綿糸のループはポリウレタン糸およびナイロン糸よりも紙面奥側に配置され、最も紙面奥側に綿糸のループが配置されていることがわかる。
このような編み組織で編成された本実施の形態に係るパワーネット生地を非伸張状態においてこの紙面手前側の面(パワーネット生地の片面)を1倍から200倍までの範囲で拡大して観察した場合について説明する。
非伸張状態のパワーネット生地の肌側(綿側)の片面を観察した場合に、
図5(A)に示すように綿糸以外の繊維(ここではポリウレタン糸およびナイロン糸)が目視で確認できないが、外側(ナイロン側)の片面を観察した場合に、図5(B)に示すように綿糸に加えてナイロン糸が目視で確認できる
次に、図6に、本実施の形態に係るパワーネット生地を非伸張状態で電子顕微鏡で観察した結果を示す。この図6は肌側(綿側)のみを示す。また、この図6との比較のための綿100%フライス編地を電子顕微鏡で観察した結果を図7に示す。なお、これらの図6および図7の倍率は200倍程度である。
また、これらの図6を拡大して、本実施の形態に係るパワーネット生地を非伸張状態で電子顕微鏡で観察した結果を、図8に示す。この図8も肌側(綿側)のみを示す。また、この図8との比較のための綿100%フライス編地を電子顕微鏡で観察した結果を図9に
示す。なお、これらの図8および図9の倍率は1000倍程度である。
この点において、本実施の形態に係るパワーネット生地の片面において実質的に全面に綿糸が露出しているとは、非伸張状態においてパワーネット生地の片面を1倍から1000倍までの範囲で拡大して観察した場合に、綿糸以外の繊維が目視できないことを意味し、特に好ましくは1倍から200倍までの範囲で拡大して観察した場合に、綿糸以外の繊維が目視できないことを意味すると考えられる。
次に、図12〜図14を参照して、上述したパワーネット生地を少なくとも一部に用いた下半身用衣類の一例である女性用のロングガードル100、ロングガードル200、ショートガードル300(以下においてロングガードルもショートガードルも単にガードルと記載する場合がある)について説明する。
っても、ガードルを構成する上述したパワーネット生地以外の生地の種類、生地の型紙およびその縫製(ただし縫製糸は綿糸)がどのようなものであっても構わない。そのため、以下に示すガードルの構造自体は単なる例示でしかない。
図12(A)および図12(B)に示されるように、ガードル100は、大略的には、左右の身頃110と、腹部布120とを備えており、左右に略対称となっている。身頃110は、大腿部緊締部130と、股布(クロッチ)140と、大腿部被覆部150と、ウエスト部160と、裾部170と、臀部被覆部180と、臀部緊締部190(大腿部緊締部130と一体化された帯状の緊締部)とを有している。なお、緊締部は上述したように一例でしかなく、他の部分を含めて所望の緊締力が所望の位置で発現するように、上述したパワーネット生地を含めて、このガードル100が構成される。
ードル(下半身用衣類)によると、非伸張状態および着用時を模擬した伸張状態において、綿糸がパワーネット生地の片面であってガードル(下半身用衣類)の肌側の全面に実質的に露出させることができる。その結果、高い伸縮特性と高品質の接触特性とを兼ね備えたガードル(下半身用衣類)を提供することができる。
N ナイロン糸
Pu ポリウレタン糸
100、200、300 ガードル
Claims (3)
- 弾性糸、非伸縮性合成繊維および吸湿性繊維を含む経編地で編成されたパワーネット生地を少なくとも一部に用いた下半身用衣類であって、
前記吸湿性繊維が経編みにおいて挿入組織で編成されておらず、
前記吸湿性繊維が、前記パワーネット生地の片面側において実質的に全面に露出し、
前記片面側を肌側に配置したことを特徴とする下半身用衣類。 - 前記衣類は、女性用のガードルであることを特徴とする、請求項1に記載の下半身用衣類。
- 前記吸湿性繊維である綿糸以外の素材が前記ガードルの着用者の肌に触れないことを特徴とする、請求項2に記載の下半身用衣類。
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