JP2015164397A - 積層鉄心及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層鉄心の各鉄心片の積層強度を確保すると共に、磁気的効率のよい、損失の少ない積層鉄心及びその製造方法を提供する。【解決手段】第1、第2のかしめ部20、16は、それぞれ平面視して長方形で、底部及びこれに連接して対向配置される傾斜部を有するV形かしめとし、第1のかしめ部20のかしめ深さを第2のかしめ部16のかしめ深さより浅くして、積層方向に隣り合う鉄心片12の第1のかしめ部20の凹部と凸部の噛合面積Aを、積層方向に隣り合う第2のかしめ16の凹部16aと凸部16bの噛合面積Bより小さくした。【選択図】図1

Description

本発明は一定形状の鉄心片をかしめ積層して形成する小型モータ用の積層鉄心、分割積層鉄心を含む積層鉄心(インナーロータ型のモータ、アウターロータ型のモータを含む)及びその製造方法に関する。
小型モータ用の積層鉄心、又は環状の鉄心片を複数に分割した分割鉄心片をかしめ積層した分割タイプの積層鉄心(特に、固定子積層鉄心)は、例えば、特許文献1、2に記載されているように、積層方向に隣接する鉄心片間の結合力を得るために、対応する領域に通常の環状の鉄心片より多い数のかしめ部を形成しており、結合力の強化を図るため、磁束密度の高い磁極部にも1又は2以上のかしめ部を形成している。この場合、図5(A)、(B)に示すように、磁極軸片部60に形成されているかしめ部61、分割ヨーク片部62に形成されているかしめ部63、64、65の全てが同一形状のかしめ部となっている(特許文献1、2においても同様)。
そして、図5(C)に示すように、積層方向に隣し合う一方の鉄心片67に形成されているかしめ部61(63〜65も同様)の凸部68が、隣り合う他方の鉄心片67のかしめ部61の凹部70に嵌入しているので、上下方向に接する鉄心片67に導通回路が形成される。この導通回路は磁束の方向に直交しているので、この部分に渦電流が発生し、結果として渦電流損が発生する。なお、図5(A)において、72は分割積層鉄心、73はインナーロータ型の固定子積層鉄心を示す。
図5(D)はアウターロータ型の固定子積層鉄心75を示すが、磁極部76に形成されているかしめ部77と、ヨーク部78に形成されているかしめ部79が同一大きさ、同一形状となっている。特に、小型モータにおいては、磁極部にかしめ部が形成されておらず、幅狭のヨーク部(即ち、磁束密度の高い部分)にかしめ部が形成されている。
特開2008−113498号公報 特開2008−206262号公報
以上のように従来は、磁束密度の高い場所と磁束密度の低い場所について、同一のかしめ部を形成していたので、磁束密度の高い場合では、発生する渦電流も大きくなり、過大な渦電流損が発生し、電力のロスを招く他、鉄心の温度上昇も激しくなるという問題があった。更には、かしめ部を形成することによって、磁束を通過する部分が減少し、鉄心が飽和に近くなるという問題もあった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、積層鉄心の各鉄心片の積層強度を確保すると共に、磁気的効率のよい、損失の少ない積層鉄心及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る積層鉄心は、かしめ積層される各鉄心片を通過する磁束密度が他の領域より大きい領域に形成される第1のかしめ部と、前記他の領域に形成される第2のかしめ部を有する積層鉄心において、前記第1、第2のかしめ部は、それぞれ平面視して長方形で、底部及びこれに連接して対向配置される傾斜部を有するV形かしめとし、前記第1のかしめ部のかしめ深さを前記第2のかしめ部のかしめ深さより浅くして、積層方向に隣り合う前記鉄心片の前記第1のかしめ部の凹部と凸部の噛合面積Aを、積層方向に隣り合う前記第2のかしめ部の凹部と凸部の噛合面積Bより小さくした。この場合、A=(0.3〜0.81)Bとするのが好ましい。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記第1のかしめ部の長手方向が磁束通過方向に向いているのが好ましい。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記第1のかしめ部の形状を前記第2のかしめ部の形状(長さ、幅、深さのいずれか1以上)より小さくして、前記第1のかしめ部の噛合面積Aを前記第2のかしめ部の噛合面積Bより小さくすることもできる。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記第1のかしめ部の厚みは、前記第2のかしめ部の厚みより薄くなって、前記第1のかしめ部の噛合面積Aを前記第2のかしめ部の噛合面積Bより小さくすることも可能である。
そして、第2の発明に係る積層鉄心の製造方法は、鉄心片に該鉄心片を通過する磁束密度が他の領域より大きい領域に形成される第1のかしめ部と、前記他の領域に形成される第2のかしめ部を形成した後、前記鉄心片を前記第1、第2のかしめ部を介して積層する積層鉄心の製造方法において、
前記第1、第2のかしめ部を、それぞれ平面視して長方形で、底部及びこれに連接して対向配置される傾斜部を有するV形かしめとし、前記第1のかしめ部のかしめ深さを前記第2のかしめ部のかしめ深さより浅くして、積層方向に隣り合う前記鉄心片の前記第1のかしめ部の凹部と凸部の噛合面積Aを、積層方向に隣り合う前記第2のかしめ部の凹部と凸部の噛合面積Bより小さくしている。
第2の発明に係る積層鉄心の製造方法において、前記第1のかしめ部が形成される領域は、予めコイニングされてその部分の厚みが他の部分より薄くなっているのが好ましい。これによって、第1のかしめ部の噛合面積Aが減少する。
この場合は、コイニングして厚みを元の厚みの0.7〜0.81程度とするのがよい。
本発明に係る積層鉄心及びその製造方法においては、積層方向に隣り合う鉄心片の、通過する磁束密度が他の領域より大きい領域に形成される第1のかしめ部の凹部と凸部の噛合面積Aを、他の領域に形成されている第2のかしめ部の凹部と凸部の噛合面積Bより小さくしたので、積層される鉄心片を流れる渦電流が減少して鉄心(積層鉄心)に発生する損失が減少し、鉄心が飽和状態になることも防止できる。
また、他の領域に形成された第2のかしめ部は従来通り、又は従来より大きい凹部と凸部との噛合面積Bを有するので、積層鉄心の強度を十分保つことができる。
更に、第1のかしめ部をV形かしめとし、その長手方向を磁束方向に向けると、その部分の磁気抵抗も減少し、積層鉄心の磁気的特性が向上する。この場合、第1のかしめ部の形状、クリアランス(幅)を第2のかしめ部より小さく或いは狭めるのがよい。なお、噛合部の接触力に強弱を付けることで、接触状態を変えることができる。
(A)は並べて配置された分割積層鉄心の平面図、(B)は同分割積層鉄心の断面図である。 (A)、(B)は本発明の第1の実施の形態に係る積層鉄心のかしめ部の説明図である。 (A)は本発明の第2の実施の形態に係る積層鉄心のかしめ部の説明図、(B)は本発明の第3の実施の形態に係る積層鉄心のかしめ部の説明図である。 かしめ部の深さと鉄損の関係を示すグラフである。 (A)は従来例に係る積層鉄心の平面図、(B)は同積層鉄心に用いる分割積層鉄心の平面図、(C)は同分割積層鉄心のP−P´断面図、(D)は従来例に係るアウターロータ式モータの固定子積層鉄心の平面図である。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る積層鉄心10は、分割積層鉄心11を複数組集めて環状にしてインナー型ロータを用いたモータの固定子積層鉄心(図5に示す固定子積層鉄心73とかしめ部を除いて同一の形状をしている)として使用するものである。分割積層鉄心11は、複数枚の鉄心片12の磁極軸片部13に形成された第1のかしめ部14と分割ヨーク片部15に形成された複数の第2のかしめ部16とによって連結(かしめ積層)されている。第1、第2のかしめ部14、16は、それぞれ図2(A)、(B)に示すように、平面視して長方形で、底部及びこれに連接され対向配置される傾斜部を有するV形かしめである。図2(B)で示すように、第2のかしめ部16は、平面視して長手方向の長さL、幅Wを有し、下側突出部17の高さがHとなっている。
一方、図2(A)に示すように、磁極軸片部13に形成され、上に凹部14a下に凸部14bを有する第1のかしめ部14は、同様に上に凹部16a、下に凸部16bを有する第2のかしめ部16に比較して、長手方向の長さL1が短く(例えば、0.5L〜0.9L)、下側突出部18の高さ(即ち、かしめ深さに対応する)H1が例えば、0.4H〜0.9Hと小さくなっている。なお、図2(A)に斜線で第1のかしめ部14の下側突出部18の断面形状を示し、破線で第2のかしめ部16の断面形状を示している。これによって、上下の鉄心片12に形成された第1のかしめ部14の凹部14aと凸部14bの噛合面積Aが、第2のかしめ部16の凹部16aと凸部16bの噛合面積Bの0.3〜0.81倍程度となり、第2のかしめ部16に比較して小さくすることができ、上下の鉄心片12間に生じる渦電流の量を減らすことができる。第1のかしめ部14の接触面積(噛合面積)Aが第2のかしめ部16の接触面積Bの0.3倍未満であると、第1のかしめ部14のかしめ力が欠如し、第2のかしめ部16だけで、かしめ力を満足しなければいけないため、締結力が強すぎて鉄心片が変形してしまう。また、接触面積Aが0.81倍を超えると渦電流の減少を大きく期待できないからである。
分割ヨーク片部15に形成される第2のかしめ部16は、従来通りであるが、分割ヨーク片部15の磁束密度は、磁極軸片部13の磁束密度より小さく、第2のかしめ部16で発生する渦電流損の絶対量は少なく、分割ヨーク片部15はかしめ強度を重要視する必要がある。
この実施の形態においては、第1のかしめ部14の長手方向は磁極軸片部13を通過する磁束の方向に一致させている。これによって、磁極軸片部13を通過する磁束をできる限り横切らないようにして、鉄心の磁気効率を向上させている。
なお、通過する磁束の磁気抵抗を減らすため、第1のかしめ部14の幅W1を、分割ヨーク片部15に形成される第2のかしめ部16の幅Wより小さくすることもできる。この場合、実用上、0.5W<W1<0.95Wとするのがよい。なお、この場合は上下隣り合う鉄心片12の接触面積は第1のかしめ部14の断面積(即ち、噛合面積)によって決定される。これによって、磁束が通過する部分も増加し、鉄心が飽和状態から遠のくことになる。
この実施の形態において、磁極軸片部13と分割ヨーク片部15の連結部分にもかしめ部20が形成されている。このかしめ部20は第2のかしめ部16と同一方向を向いているが、磁極軸片部13側に設ける場合は、第1のかしめ部14と同一向きとしその形状を小さくし、分割ヨーク片部15内に設ける場合は、形状は第2のかしめ部16と同一でよいが、向きの選択は通過する磁気抵抗を考慮して小さくなる方向とするのがよい。
続いて、図3(A)に示す本発明の第2の実施の形態に係る積層鉄心の磁極軸片部に形成されているかしめ部(第1のかしめ部)21は、かしめ部21の幅W3、長さL3が第2のかしめ部16の幅W、長さLより小さくなって、かしめ部21の下側突出部(凸部)22の高さは第2のかしめ部16の高さHと同一となっている。図3(A)、(B)に破線で第2のかしめ部16の形状を示す。なお、かしめ部21の幅W3=(0.4〜0.9)W、L3=(0.4〜0.9)Lとなっているのが実用上好ましい。これによって、かしめ力は多少低下するが、隣り合う鉄心片の凹部に凸部が嵌入して形成される噛合面積Aが、第2のかしめ部16に形成される噛合面積Bより大幅に減少する。
次に、図3(B)に示す本発明の第3の実施の形態に係る積層鉄心の磁極軸片部に形成されているかしめ部(第1のかしめ部)23について説明する。かしめ部23がプレス成形される前に、かしめ部23が形成される領域がコイニング加工によって薄肉となっている。そして、かしめ部23が形成される領域の厚みを薄くした後、通常のかしめ加工が行われている。これによって、かしめ部23の肉厚は、第2のかしめ部16より薄くなって、上下隣り合うかしめ部23の噛合面積Aが、他の部分に形成されるかしめ部16の噛合面積Bの0.4〜0.81倍程度となっている。従って、隣り合う鉄心片間に発生する渦電流が軽減する。
次に、本発明の作用、効果を確認した実施例について説明する。
板厚0.3mmの鉄心片に、複数の同一形状の深さ0.22mmのかしめ部を形成し(図5参照)、全てのかしめ部の形状を同一とした場合、鉄損値が5.6Wあったのに対し、磁束が多く流れる箇所(即ち、磁極軸片部)のかしめ深さを0.12mmとした場合、鉄損値を5.1Wに低減することができた。
また、同一の鉄心片を用いて、磁束が多く流れる箇所のかしめ深さを0.05mmとすると、鉄損値を4.7Wまで低減することかできた。しかしながら、かしめ部のかしめ深さを0.05mmより浅くすると、積層鉄心として必要な強度や形状品質(平行度、直角度等)を損なってしまう。なお、以上の鉄心片を用いて、かしめ深さと鉄損との関係を調べると、表1及び図4に示す通りであった。
Figure 2015164397
前記第1〜第3の実施の形態に係る積層鉄心に使用したかしめ部を組合わせて使用する場合も、発明は適用される。また、前記実施の形態において、磁極軸片部のかしめ部の形状を他の部分により小さくすることについて説明したが、例えば、ヨーク片部(特に、小型モータ)であっても、磁束密度の高い部分(例えば、ヨーク片部と磁極軸片部の境界部分)に本発明を適用することもできる。この場合、かしめ部を除く鉄心片(又は積層鉄心)の断面を通過する磁束が飽和しない範囲で使用するのが好ましい。
10:積層鉄心、11:分割積層鉄心、12:鉄心片、13:磁極軸片部、14、:かしめ部、14a:凹部、14b:凸部、15:分割ヨーク片部、16:かしめ部、16 a:凹部、16 b:凸部、17、18:下側突出部、20:かしめ部、21:かしめ部、22:下側突出部、23:かしめ部
本発明は一定形状の鉄心片をかしめ積層して形成する小型モータ用の積層鉄心、分割積層鉄心を含む積層鉄心(インナーロータ型のモータ、アウターロータ型のモータを含む)及びその製造方法に関する。
小型モータ用の積層鉄心、又は環状の鉄心片を複数に分割した分割鉄心片をかしめ積層した分割タイプの積層鉄心(特に、固定子積層鉄心)は、例えば、特許文献1、2に記載されているように、積層方向に隣接する鉄心片間の結合力を得るために、対応する領域に通常の環状の鉄心片より多い数のかしめ部を形成しており、結合力の強化を図るため、磁束密度の高い磁極部にも1又は2以上のかしめ部を形成している。この場合、図5(A)、(B)に示すように、磁極軸片部60に形成されているかしめ部61、分割ヨーク片部62に形成されているかしめ部63、64、65の全てが同一形状のかしめ部となっている(特許文献1、2においても同様)。
そして、図5(C)に示すように、積層方向に隣し合う一方の鉄心片67に形成されているかしめ部61(63〜65も同様)の凸部68が、隣り合う他方の鉄心片67のかしめ部61の凹部70に嵌入しているので、上下方向に接する鉄心片67に導通回路が形成される。この導通回路は磁束の方向に直交しているので、この部分に渦電流が発生し、結果として渦電流損が発生する。なお、図5(A)において、72は分割積層鉄心、73はインナーロータ型の固定子積層鉄心を示す。
図5(D)はアウターロータ型の固定子積層鉄心75を示すが、磁極部76に形成されているかしめ部77と、ヨーク部78に形成されているかしめ部79が同一大きさ、同一形状となっている。特に、小型モータにおいては、磁極部にかしめ部が形成されておらず、幅狭のヨーク部(即ち、磁束密度の高い部分)にかしめ部が形成されている。
特開2008−113498号公報 特開2008−206262号公報
以上のように従来は、磁束密度の高い場所と磁束密度の低い場所について、同一のかしめ部を形成していたので、磁束密度の高い場合では、発生する渦電流も大きくなり、過大な渦電流損が発生し、電力のロスを招く他、鉄心の温度上昇も激しくなるという問題があった。更には、かしめ部を形成することによって、磁束を通過する部分が減少し、鉄心が飽和に近くなるという問題もあった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、積層鉄心の各鉄心片の積層強度を確保すると共に、磁気的効率のよい、損失の少ない積層鉄心及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る積層鉄心は、かしめ積層される各鉄心片の分割ヨーク片部において、通過する磁束密度が他の領域より大きい領域に形成される第3のかしめ部と、前記他の領域に形成される第2のかしめ部を有する積層鉄心において、前記第2のかしめ部及び前記第3のかしめ部は平面視して長方形のV形かしめからなって、前記第2のかしめ部は前記分割ヨーク片部の半径方向外側に形成され、前記第3のかしめ部は前記磁極軸片部と前記分割ヨーク片部の連結部分で、前記分割ヨーク片部の半径方向内側に前記第2のかしめ部と平行に形成されている。
そして、第2の発明に係る積層鉄心の製造方法は、鉄心片の分割ヨーク片部に、通過する磁束密度が他の領域より大きい領域に形成される第3のかしめ部と、前記他の領域に形成される第2のかしめ部を形成した後、前記鉄心片を前記第3、第2のかしめ部を介して積層する積層鉄心の製造方法において、
前記第2のかしめ部及び前記第3のかしめ部は平面視して長方形のV形かしめとし、前記第2のかしめ部は前記分割ヨーク片部の半径方向外側に形成され、前記第3のかしめ部は前記磁極軸片部と前記分割ヨーク片部の連結部分で、前記分割ヨーク片部の半径方向内側に前記第2のかしめ部と平行に形成する。
本発明に係る積層鉄心及びその製造方法においては、分割ヨーク片部の半径方向内側に第3のかしめ部を、半径方向外側に第2のかしめ部を設けたので、積層される鉄心片を流れる渦電流が減少して鉄心(積層鉄心)に発生する損失が減少し、鉄心が飽和状態になることも防止できる。
更に、第2、第3のかしめ部をV形かしめとし、その長手方向を磁束方向に向けると、その部分の磁気抵抗も減少し、積層鉄心の磁気的特性が向上する。
(A)は並べて配置された分割積層鉄心の平面図、(B)は同分割積層鉄心の断面図である。 (A)、(B)は本発明の第1の実施の形態に係る積層鉄心のかしめ部の説明図である。 (A)は本発明の第2の実施の形態に係る積層鉄心のかしめ部の説明図、(B)は本発明の第3の実施の形態に係る積層鉄心のかしめ部の説明図である。 かしめ部の深さと鉄損の関係を示すグラフである。 (A)は従来例に係る積層鉄心の平面図、(B)は同積層鉄心に用いる分割積層鉄心の平面図、(C)は同分割積層鉄心のP−P´断面図、(D)は従来例に係るアウターロータ式モータの固定子積層鉄心の平面図である。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る積層鉄心10は、分割積層鉄心11を複数組集めて環状にしてインナー型ロータを用いたモータの固定子積層鉄心(図5に示す固定子積層鉄心73とかしめ部を除いて同一の形状をしている)として使用するものである。分割積層鉄心11は、複数枚の鉄心片12の磁極軸片部13に形成された第1のかしめ部14と分割ヨーク片部15に形成された複数の第2のかしめ部16とによって連結(かしめ積層)されている。第1、第2のかしめ部14、16は、それぞれ図2(A)、(B)に示すように、平面視して長方形で、底部及びこれに連接され対向配置される傾斜部を有するV形かしめである。図2(B)で示すように、第2のかしめ部16は、平面視して長手方向の長さL、幅Wを有し、下側突出部17の高さがHとなっている。
一方、図2(A)に示すように、磁極軸片部13に形成され、上に凹部14a下に凸部14bを有する第1のかしめ部14は、同様に上に凹部16a、下に凸部16bを有する第2のかしめ部16に比較して、長手方向の長さL1が短く(例えば、0.5L〜0.9L)、下側突出部18の高さ(即ち、かしめ深さに対応する)H1が例えば、0.4H〜0.9Hと小さくなっている。なお、図2(A)に斜線で第1のかしめ部14の下側突出部18の断面形状を示し、破線で第2のかしめ部16の断面形状を示している。これによって、上下の鉄心片12に形成された第1のかしめ部14の凹部14aと凸部14bの噛合面積Aが、第2のかしめ部16の凹部16aと凸部16bの噛合面積Bの0.3〜0.81倍程度となり、第2のかしめ部16に比較して小さくすることができ、上下の鉄心片12間に生じる渦電流の量を減らすことができる。第1のかしめ部14の接触面積(噛合面積)Aが第2のかしめ部16の接触面積Bの0.3倍未満であると、第1のかしめ部14のかしめ力が欠如し、第2のかしめ部16だけで、かしめ力を満足しなければいけないため、締結力が強すぎて鉄心片が変形してしまう。また、接触面積Aが0.81倍を超えると渦電流の減少を大きく期待できないからである。
分割ヨーク片部15に形成される第2のかしめ部16は、従来通りであるが、分割ヨーク片部15の磁束密度は、磁極軸片部13の磁束密度より小さく、第2のかしめ部16で発生する渦電流損の絶対量は少なく、分割ヨーク片部15はかしめ強度を重要視する必要がある。
この実施の形態においては、第1のかしめ部14の長手方向は磁極軸片部13を通過する磁束の方向に一致させている。これによって、磁極軸片部13を通過する磁束をできる限り横切らないようにして、鉄心の磁気効率を向上させている。
なお、通過する磁束の磁気抵抗を減らすため、第1のかしめ部14の幅W1を、分割ヨーク片部15に形成される第2のかしめ部16の幅Wより小さくすることもできる。この場合、実用上、0.5W<W1<0.95Wとするのがよい。なお、この場合は上下隣り合う鉄心片12の接触面積は第1のかしめ部14の断面積(即ち、噛合面積)によって決定される。これによって、磁束が通過する部分も増加し、鉄心が飽和状態から遠のくことになる。
この実施の形態において、磁極軸片部13と分割ヨーク片部15の連結部分にも第3のかしめ部20が形成されている。この第3のかしめ部20は第2のかしめ部16と同一方向を向いているが、磁極軸片部13側に設ける場合は、第1のかしめ部14と同一向きとしその形状を小さくし、分割ヨーク片部15内に設ける場合は、形状は第2のかしめ部16と同一でよいが、向きの選択は通過する磁気抵抗を考慮して小さくなる方向とするのがよい。
続いて、図3(A)に示す本発明の第2の実施の形態に係る積層鉄心の磁極軸片部に形成されているかしめ部(第1のかしめ部)21は、かしめ部21の幅W3、長さL3が第2のかしめ部16の幅W、長さLより小さくなって、かしめ部21の下側突出部(凸部)22の高さは第2のかしめ部16の高さHと同一となっている。図3(A)、(B)に破線で第2のかしめ部16の形状を示す。なお、かしめ部21の幅W3=(0.4〜0.9)W、L3=(0.4〜0.9)Lとなっているのが実用上好ましい。これによって、かしめ力は多少低下するが、隣り合う鉄心片の凹部に凸部が嵌入して形成される噛合面積Aが、第2のかしめ部16に形成される噛合面積Bより大幅に減少する。
次に、図3(B)に示す本発明の第3の実施の形態に係る積層鉄心の磁極軸片部に形成されているかしめ部(第1のかしめ部)23について説明する。かしめ部23がプレス成形される前に、かしめ部23が形成される領域がコイニング加工によって薄肉となっている。そして、かしめ部23が形成される領域の厚みを薄くした後、通常のかしめ加工が行われている。これによって、かしめ部23の肉厚は、第2のかしめ部16より薄くなって、上下隣り合うかしめ部23の噛合面積Aが、他の部分に形成されるかしめ部16の噛合面積Bの0.4〜0.81倍程度となっている。従って、隣り合う鉄心片間に発生する渦電流が軽減する。
次に、本発明の作用、効果を確認した実施例について説明する。
板厚0.3mmの鉄心片に、複数の同一形状の深さ0.22mmのかしめ部を形成し(図5参照)、全てのかしめ部の形状を同一とした場合、鉄損値が5.6Wあったのに対し、磁束が多く流れる箇所(即ち、磁極軸片部)のかしめ深さを0.12mmとした場合、鉄損値を5.1Wに低減することができた。
また、同一の鉄心片を用いて、磁束が多く流れる箇所のかしめ深さを0.05mmとすると、鉄損値を4.7Wまで低減することかできた。しかしながら、かしめ部のかしめ深さを0.05mmより浅くすると、積層鉄心として必要な強度や形状品質(平行度、直角度等)を損なってしまう。なお、以上の鉄心片を用いて、かしめ深さと鉄損との関係を調べると、表1及び図4に示す通りであった。
Figure 2015164397
前記第1〜第3の実施の形態に係る積層鉄心に使用したかしめ部を組合わせて使用する場合も、発明は適用される。また、前記実施の形態において、磁極軸片部のかしめ部の形状を他の部分により小さくすることについて説明したが、例えば、ヨーク片部(特に、小型モータ)であっても、磁束密度の高い部分(例えば、ヨーク片部と磁極軸片部の境界部分)に本発明を適用することもできる。この場合、かしめ部を除く鉄心片(又は積層鉄心)の断面を通過する磁束が飽和しない範囲で使用するのが好ましい。
10:積層鉄心、11:分割積層鉄心、12:鉄心片、13:磁極軸片部、14、:かしめ部、14a:凹部、14b:凸部、15:分割ヨーク片部、16:かしめ部、16a:凹部、16b:凸部、17、18:下側突出部、20:かしめ部、21:かしめ部、22:下側突出部、23:かしめ部

Claims (5)

  1. かしめ積層される各鉄心片を通過する磁束密度が他の領域より大きい領域に形成される第1のかしめ部と、前記他の領域に形成される第2のかしめ部を有する積層鉄心において、前記第1、第2のかしめ部はヨーク片部内に平行に形成され、それぞれ平面視して長方形で、底部及びこれに連接して対向配置される傾斜部を有するV形かしめとし、前記第1のかしめ部のかしめ深さを前記第2のかしめ部のかしめ深さより浅くして、積層方向に隣り合う前記鉄心片の前記第1のかしめ部の凹部と凸部の噛合面積Aを、積層方向に隣り合う前記第2のかしめ部の凹部と凸部の噛合面積Bより小さくし、しかも、前記第1のかしめ部の長手方向が磁束通過方向を向いていることを特徴とする積層鉄心。
  2. 請求項1記載の積層鉄心において、前記第1のかしめ部の形状を、前記第2のかしめ部の形状より小さくして、前記第1のかしめ部の噛合面積Aを前記第2のかしめ部の噛合面積Bより小さくしていることを特徴とする積層鉄心。
  3. 請求項1記載の積層鉄心において、前記第1のかしめ部の厚みは、前記第2のかしめ部の厚みより薄くなって、前記第1のかしめ部の噛合面積Aを前記第2のかしめ部の噛合面積Bより小さくしていることを特徴とする積層鉄心。
  4. 鉄心片に該鉄心片を通過する磁束密度が他の領域より大きい領域に形成される第1のかしめ部と、前記他の領域に形成される第2のかしめ部を形成した後、前記鉄心片を前記第1、第2のかしめ部を介して積層する積層鉄心の製造方法において、
    前記第1、第2のかしめ部はヨーク片部内に平行に形成され、それぞれ平面視して長方形で、底部及びこれに連接して対向配置される傾斜部を有するV形かしめとし、前記第1のかしめ部のかしめ深さを前記第2のかしめ部のかしめ深さより浅くして、積層方向に隣り合う前記鉄心片の前記第1のかしめ部の凹部と凸部の噛合面積Aを、積層方向に隣り合う前記第2のかしめ部の凹部と凸部の噛合面積Bより小さくし、しかも、前記第1のかしめ部の長手方向が磁束通過方向を向いていることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  5. 請求項4記載の積層鉄心の製造方法において、前記第1のかしめ部が形成される領域は、予めコイニングされてその部分の厚みが他の部分より薄くなっていることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
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