JP2015163492A - 船舶の摩擦低減装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】船舶の摩擦低減装置において、摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。【解決手段】船体の内部に設けられる気体室41と、気体室41内と船体の外方とを仕切る仕切壁と、仕切壁に設けられる船底外板27に設けられる空気吹き出し口42と、空気吹き出し口42における船体10の後方側に設けられるガイド部材としての第1ガイド板51とを設ける。これにより、気体室41から空気吹き出し口42に通って船体外部の水中に吹き出された空気は、ガイド部材51により船体の後方側に流れ、船体の外面から離れにくくなり、または広い範囲に拡散することとなり、船体の表面に適正に気泡で覆うことで摩擦抵抗低減効果を向上できる。【選択図】図4

Description

本発明は、船舶の船体に作用する摩擦抵抗を低減する船舶の摩擦低減装置に関するものである。
船舶の船体に作用する摩擦抵抗を低減する技術として、空気(気泡)を水中に吹き出して船体の表面を気泡で覆うものが知られている。例えば、下記特許文献1に記載された摩擦抵抗低減型船舶がある。
特開2013−018344号公報
上述した従来の摩擦抵抗低減型船舶では、空気を船底や船側部に設けた吹き出し口から外部に吹き出している。この場合、空気吹き出しによる摩擦抵抗の低減効果は、空気吹き出しに要するエネルギを差し引くことになるので、少ないエネルギで空気を吹き出す必要がある。また、高い摩擦抵抗低減効果を得るためには、空気を水中に吹き出した後、この空気を船体の表面から離れにくくすると共に、広い範囲に拡散する必要がある。
本発明は上述した課題を解決するものであり、摩擦抵抗低減効果を向上させることができる船舶の摩擦低減装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の船舶の摩擦低減装置は、船体の内部に設けられる気体室と、前記気体室内と前記船体の外方とを仕切る仕切壁と、前記仕切壁に設けられる空気吹き出し口と、前記空気吹き出し口における前記船体の後方側に設けられるガイド部材と、を有することを特徴とするものである。
従って、気体室から空気吹き出し口を通って船体外部の水中に吹き出された空気は、ガイド部材により船体の後方側に流れ、船体の外面から離れにくくなり、または広い範囲に拡散することとなり、船体の表面を適正に気泡により覆うことで摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記ガイド部材は、前記仕切壁の前記気体室側に前記空気吹き出し口の一部を閉塞して設けられる第1ガイド板を有することを特徴としている。
従って、気体室の空気は、空気吹き出し口を通って船体外部の水中に吹き出されるとき、第1ガイド板と空気吹き出し口の端面との空間部に引き寄せられることとなり、この空気を船体の外面に沿って効率良く流すことができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記空気吹き出し口は、前記船体の幅方向に沿って所定間隔で複数設けられ、前記第1ガイド板は、前記複数の空気吹き出し口の一部を閉塞することを特徴としている。
従って、第1ガイド板を複数の空気吹き出し口に対して設けることとなり、構造を簡素化することができると共に、製造コストを低減することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記ガイド部材は、前記仕切壁の前記船体の外方側に設けられる第2ガイド板を有することを特徴としている。
従って、気体室の空気は、空気吹き出し口を通って船体外部の水中に吹き出されるとき、仕切壁の外面と第2ガイド板の後端部との空間部に引き寄せられることとなり、この空気を船体の外面に沿って効率良く流すことができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記第2ガイド板は、前記空気吹き出し口における前記船体の後方側及び側方側に設けられることを特徴としている。
従って、気体室の空気は、空気吹き出し口を通って船体外部の水中に吹き出されるとき、仕切壁の外面と第2ガイド板の後端部との空間部だけでなく、第2ガイド板の側端部との空間部に引き寄せられることとなり、この空気を広範囲にわたって船体の外面に沿って流すことができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記第2ガイド板と前記仕切壁の外面との間に段差が設けられることを特徴としている。
従って、第2ガイド板と仕切壁との間に段差が設けられることで、空気が第2ガイド板から仕切壁に流れるとき、段差の周辺に負圧部が生成され、この負圧部により空気が引き寄せられることとなり、この空気を適正に船体の外面に沿って流すことができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記ガイド部材は、前記仕切壁の前記船体の外方側で前記空気吹き出し口から前記船体の後方側に所定距離だけ離間した位置に前記船体の幅方向に沿って設けられる空気拡散部材であることを特徴としている。
従って、気体室の空気は、空気吹き出し口を通って船体外部の水中に吹き出されると、この空気は、船体の後方側に流れ、空気拡散部材により船体における幅方向の外側に拡散することとなり、この空気を広範囲にわたって船体の外面に沿って流すことができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記空気拡散部材は、前記船体の幅方向に複数分割して設けられることを特徴としている。
従って、空気拡散部材を複数に分割することで、空気拡散部材を最適な位置だけに設けることとなり、不要な突起部を減少して摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記空気拡散部材は、前記空気吹き出し口における前記船体の後方側に分割部が設けられることを特徴としている。
従って、空気吹き出し口を通って船体外部の水中に吹き出された空気は、空気拡散部材の分割部での巻き込みにより外側に移行することとなり、空気を効率良く船体における幅方向の外側に拡散することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記空気吹き出し口は、前記船体の幅方向に沿って所定間隔で複数設けられ、前記空気拡散部材は、前記複数の空気吹き出し口の間における前記船体の後方側に分割部が設けられることを特徴としている。
従って、空気吹き出し口を通って船体外部の水中に吹き出された空気は、空気拡散部材の分割部での巻き込みにより外側に移行することとなり、空気を効率良く船体における幅方向の外側に拡散することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記空気拡散部材は、前記船体の前後方向に所定間隔で複数設けられることを特徴としている。
従って、空気拡散部材を船体の前後方向に所定間隔で複数設けることで、空気の拡散位置が増加することとなり、船体の外面に沿って流れる空気を船体の幅方向で均一化することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記空気拡散部材は、前記仕切壁から所定距離離間して設けられることを特徴としている。
従って、空気を効率良く船体における幅方向の外側に拡散することができると共に、空気拡散部材の交換を容易としてメンテナンス性を向上することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記空気拡散部材は、前記船体の外板に設けられる溶接ビード部を有することを特徴としている。
従って、空気拡散部材を溶接ビード部とすることで、構造を簡素化することができると共に、製造コストを低減することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記気体室に空気を供給する空気供給装置が設けられ、前記空気供給装置は、気泡発生室と、前記気泡発生室に水を取り込む水取込通路と、前記気泡発生室に空気を取り込む空気取込通路と、前記気泡発生室の水内で回転可能な羽根車と、前記気泡発生室内で発生した気泡を前記気体室に供給する気泡供給通路とを有することを特徴としている。
従って、気泡発生室は、水取込通路から水が取り込まれると共に、空気取込通路から空気が取り込まれ、水中で羽根車が回転すると、空気が水中に引き込まれてせん断されることで、微細な気泡が形成されることとなり、この微細な気泡が気泡供給通路から気体室に供給され、気体室から空気吹き出し口を通って船体外部の水中に水と共に吹き出されることとなる。そのため、空気を船体の外面に沿って適正に流すことができ、摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記羽根車は、ボス部と、前記ボス部の外側に配置される複数の羽根とを有し、前記ボス部は、水平をなす軸部の一端が連結され、前記軸部は、駆動モータが接続されることを特徴としている。
従って、羽根車の回転により空気を水中に引き込んでせん断することで、効率良く微細な気泡を形成することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記羽根車は、前記ボス部から放射状に延出する複数の羽根と、前記複数の羽根の外側に配置される外輪を有することを特徴としている。
従って、ボス部と外輪により複数の羽根を適正に支持することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記羽根車は、前記ボス部から径方向に延出される支持部材と、前記支持部材の外側に配置される外輪を有し、前記支持部材に前記複数の羽根が設けられることを特徴としている。
従って、ボス部に支持部材を介して外輪を支持し、この支持部材に複数の羽根を設けることで、複数の羽根を適正に支持することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記複数の羽根は、気泡の微細化を促進するための複数の孔が設けられていることを特徴としている。
従って、羽根に複数の孔を設けることで、気泡の微細化を促進することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記気泡発生室は、喫水線より上方に配置されることを特徴としている。
従って、気泡発生室を喫水線より上方に配置することで、気泡発生室に空気取込通路から空気を取り込むための動力を不要として構造を簡素化することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記仕切壁の内面に前記気体室としての前記気泡発生室が配置され、前記仕切壁に前記水取込通路としての水取込開口が形成されると共に、前記仕切壁における前記水取込開口より前記船体の後方に前記気泡供給通路としての前記空気吹き出し口が形成されることを特徴としている。
従って、仕切壁に水取込開口と空気吹き出し口を形成することで、気泡発生室に水取込開口から水を取り込むための動力を不要として構造を簡素化することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記水取込開口と前記羽根車及び前記空気吹き出し口との間の水中に堰が設けられることを特徴としている。
従って、形成した微細な気泡が水取込開口から排出されることを防止し、微細な気泡を空気吹き出し口から適正に水中に吹き出すことができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記気泡供給通路の前記空気吹き出し口は、気泡吹き出し方向の下方に向けて傾斜するように延出される第1ガイド板が設けられることを特徴としている。
従って、第1ガイド板により空気吹き出し口から適正に気泡を吹き出すことで、空気を船体の外面に沿って適正に流すことができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記水取込通路の前記水取込開口は、前記船体の前方方向の下方に向けて傾斜するように延出される第2ガイド板を有することを特徴としている。
従って、第2ガイド板により水取込開口から効率良く水を取り込むことができる。
また、本発明の船舶の摩擦低減装置は、船体の内部に設けられる気体室と、前記気体室に水を取り込む水取込通路と、前記気体室に空気を取り込む空気取込通路と、前記気体室の水内で回転可能な羽根車と、前記気体室内と前記船体の外方とを仕切る仕切壁と、前記仕切壁に設けられる空気吹き出し口と、を有することを特徴とするものである。
従って、気体室は、水取込通路から水が取り込まれると共に、空気取込通路から空気が取り込まれ、水中で羽根車が回転すると、空気が水中に引き込まれてせん断されることで、微細な気泡が形成されることとなり、この微細な気泡が空気吹き出し口を通って船体外部の水中に吹き出されることとなる。そのため、空気を船体の外面に沿って適正に流すことができ、船体の表面を適正に気泡により覆うことで摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。
また、本発明の船舶の摩擦低減装置は、船体の内部に設けられて一端部が船首に開口して他端部が船底または船側に開口する水通路と、前記船体の内部に設けられる気体室と、前記気体室に空気を供給する空気供給装置と、前記気体室内と前記水通路とを仕切る仕切壁と、前記仕切壁に設けられた空気吹き出し口と、を有することを特徴とするものである。
従って、船舶の航行時に、船首の開口から水通路内に水が取り込まれると、空気供給装置から気体室に供給された空気が空気吹き出し口から水通路内に吹き出されることとなり、この空気は、水と共に水通路を通って船底または船側の開口から外部に排出される。そのため、空気を船体の外面に沿って適正に流すことができ、船体の表面を適正に気泡により覆うことで摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記水通路は、前記船首の開口部から前記空気吹き出し口の位置まで通路面積が縮小することを特徴としている。
従って、船首の開口部から水通路内に取り込まれた水は、通路面積が縮小することで流速が上昇し、ここに空気が供給されることとなり、微細な気泡を形成することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記空気吹き出し口から吹き出された空気を微細気泡とする気泡生成部材が設けられることを特徴としている。
従って、水通路内で気泡生成部材により空気を微細気泡とすることができ、空気を適正に船体の外面に沿って流すことができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記水通路における水流速を測定する速度センサと、前記水通路における前記船底または前記船側の開口部に開口面積を調整可能な開口量調整装置と、前記速度センサの測定結果に基づいて前記開口量調整装置を作動する制御装置とが設けられることを特徴としている。
従って、水通路における水流速が低下すると、開口部の開口面積を縮小することで流速を上昇させ、水通路における水流速が上昇すると、開口部の開口面積を拡大大することで流速を低下させることとなり、水通路における水流速を一定に維持し、空気を適正に船体の外面に沿って流すことができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置によれば、船体の表面を適正に気泡により覆うことで摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。
図1は、第1実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の概略側面図である。 図2は、船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の概略底面図である。 図3は、底面に設けられた空気吹き出し口の配置を表す概略図である。 図4は、空気吹き出し口を表す船底の断面図である。 図5は、空気吹き出し口を表す船底の正面図である。 図6は、第1実施形態の変形例を表す空気吹き出し口を表す船底の正面図である。 図7は、第2実施形態の船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の断面図である。 図8は、空気吹き出し口を表す船底の正面図である。 図9は、第3実施形態の船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の断面図である。 図10は、空気吹き出し口を表す船底の正面図である。 図11−1は、第3実施形態の変形例を表す空気拡散部材の断面図である。 図11−2は、第3実施形態の変形例を表す空気拡散部材の断面図である。 図11−3は、第3実施形態の変形例を表す空気拡散部材の断面図である。 図11−4は、第3実施形態の変形例を表す空気拡散部材の断面図である。 図11−5は、第3実施形態の変形例を表す空気拡散部材の断面図である。 図12は、第4実施形態の船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の正面図である。 図13は、第4実施形態の変形例を表す船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の正面図である。 図14は、第5実施形態の船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の正面図である。 図15は、第5実施形態の変形例を表す船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の正面図である。 図16は、第5実施形態の変形例を表す船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の正面図である。 図17は、第6実施形態の船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の断面図である。 図18は、空気吹き出し口を表す船底の正面図である。 図19は、第7実施形態の船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の断面図である。 図20は、空気吹き出し口を表す船底の正面図である。 図21は、第8実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図である。 図22は、空気供給装置を表す概略構成図である。 図23は、羽根車の概略図である。 図24は、第9実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図である。 図25は、第10実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図である。 図26は、空気供給装置を表す概略構成図である。 図27は、空気供給装置の変形例を表す概略構成図である。 図28は、羽根車の第1変形例を表す正面図である。 図29−1は、羽根車の断面図である。 図29−2は、羽根車の断面図である。 図29−3は、羽根車の断面図である。 図30は、羽根車の第2変形例を表す正面図である。 図31−1は、羽根車の断面図である。 図31−2は、羽根車の断面図である。 図31−3は、羽根車の断面図である。 図32は、羽根車の第3変形例を表す正面図である。 図33は、羽根車の断面図である。 図34は、羽根車の第4変形例を表す正面図である。 図35−1は、羽根車の断面図である。 図35−2は、羽根車の断面図である。 図36は、第11実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図である。 図37は、摩擦低減装置の概略図である。 図38は、第11実施形態の変形例を表す船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図である。 図39は、第12実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図である。 図40は、第12実施形態の変形例を表す船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図である。 図41は、第13実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る船舶の摩擦低減装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の概略側面図、図2は、船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の概略底面図、図3は、底面に設けられた空気吹き出し口の配置を表す概略図である。
第1実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶は、図1及び図2に示すように、例えば、旅客船(カーフェリー)であって、船体10は、船首11と、船尾12と、船底13と、左舷(船側)14と、右舷(船側)15を有している。本実施形態では、船体10の船長方向(前後方向)をX方向、船幅方向(幅方向)をY方向、船高方向(上下方向)をZ方向として表している。そして、CLは、船体10のセンターラインを表し、WLは、船体10の満載喫水線を表している。
船体10は、船尾12側に隔壁16により機関室17が区画され、この機関室17に主機関(例えば、ディーゼルエンジン)18が配置されている。この主機関18は、推進力を伝達するプロペラ19が駆動連結されている。また、船体10は、船尾12に船体10の方向を制御する舵20が設けられている。
また、船体10は、空気供給機器室21と、船倉22と、車両甲板23と、ランプ24と、甲板暴露部25と、隔壁26と、船底外板27と、船側外板28,29とを有している。空気供給機器室21は、船倉22より船首11側に配置されている。空気供給機器室21と船倉22は、隔壁26により仕切られている。車両甲板23は、空気供給機器室21及び船倉22の床面を形成している。ランプ24は、自動車(図示略)が船倉22に乗り降りするために使用される。甲板暴露部25は、例えば、船首11の上甲板であり、空気供給機器室21の上方に配置される。
摩擦低減装置31は、空気供給装置32と、エアクーラ33と、通風筒34と、空気吸い込み口35と、空気吹き出し部36と、空気吹き出し部37と、海水取入部38と、ポンプ39とを有している。空気吹き出し部36は、左舷14(船側外板28)と、右舷15(船側外板29)に配置されている。空気吹き出し部37及び海水取入部38は、船首11側の船底13(船底外板27)に配置されている。空気供給装置32及びエアクーラ33は、空気供給機器室21に設置されている。通風筒34及び空気吸い込み口35は、甲板暴露部25に配置されている。通風筒34は、空気供給機器室21に連通され、空気供給機器室21を換気するために用いられる。空気吸い込み口35は空気供給装置32に接続されている。空気供給装置32は、エアクーラ33を介して空気吹き出し部36,37に接続されている。海水取入部38は、ポンプ39を介してエアクーラ33に接続されている。
海水取入部38と空気吹き出し部37は、例えば、船体10のセンターラインCL上に配置され、船底13における船底外板27の平坦な部分に配置されている。海水取入部38は、空気吹き出し部37より船首11側に配置されている。空気吹き出し部36は、船首11側における左舷14と右舷15の各船側外板28,29に配置されている。各空気吹き出し部36は、センターラインCLに対して対称に配置され、船首11側が接近するように斜めに配置されている。海水取入部38は、両舷14,15に設けられた空気吹き出し部36の間に配置されている。
空気供給装置32は、空気吸い込み口35から吸い込んだ空気を加圧し、その加圧空気をエアクーラ33から空気吹き出し部36,37に供給する。ポンプ39は、海水取入部38から取り入れられた海水をエアクーラ33に供給する。エアクーラ33は、海水を用いて加圧空気を冷却する。エアクーラ33は、例えば、加圧空気と海水を熱交換する熱交換器である。または、エアクーラ33は、加圧空気中に海水を散布して加圧空気を冷却するように構成してもよく、海水中に加圧空気を吹き出して加圧空気を冷却するように構成してもよい。空気吹き出し部36,37は、空気供給装置32から供給された加圧空気を水中に吹き出す。即ち、船体10の空気吹き出し部36,37から水中に空気が吹き出され、この吹き出された空気により形成される気泡が船底13の平坦部に送り出され、この気泡により船体10が覆われることで船体10の摩擦抵抗が低減される。
また、船首11側の船底13に配置された空気吹き出し部37は、図3に示すように、船体10の内部に設けられる気体室41と、この気体室41内と船体10の外方とを仕切る仕切壁としての船底外板27と、船底外板27に設けられる複数の空気吹き出し口42とを有している。気体室41は、密閉された空間であって、空気供給装置32がエアクーラ33を介して接続されている。複数の空気吹き出し口42は、気体室41から船底外板27を貫通して船体10の外方、つまり、水中に流通する通路である。この複数の空気吹き出し口42は、船底13の幅方向に沿うと共に、前後方向に2列に配置されている。即ち、複数の空気吹き出し口42は、船底13に千鳥状に配置されている。そのため、複数の空気吹き出し口42から水中に吹き出された加圧空気は、気泡となり、船底13の平坦部を後方に流れると共に幅方向に拡散する。
ここで、空気吹き出し口42の構成について詳細に説明する。図4は、空気吹き出し口を表す船底の断面図、図5は、空気吹き出し口を表す船底の正面図である。
図4及び図5に示すように、空気吹き出し口42は、船体10の前後方向(船舶の航行方向)に沿って長い楕円形状をなし、仕切壁としての船底外板27を鉛直方向に貫通しており、船体10の幅方向に所定間隔で複数設けられている。この空気吹き出し口42は、船体10の後方側にガイド部材としての第1ガイド板51が設けられている。この第1ガイド板51は、船底外板27における気体室41側に空気吹き出し口42の一部を閉塞するように設けられている。
即ち、第1ガイド板51は、矩形状をなす板材であって、船底外板27の厚さ(例えば、30〜40mm)より薄い厚さ(例えば、1〜5mm、好ましくは、1〜2mm)に形成されている。第1ガイド板51は、船底外板27の気体室41側、つまり、船底外板27の内面に溶接により固定されている。第1ガイド板51は、空気吹き出し口42における船尾12側(図4及び図5の右側)を塞ぐように配置されている。この場合、第1ガイド板51は、空気吹き出し口42の開口面積における半分以下の面積を塞ぐように配置することが好ましい。
気体室41に供給された空気は、複数の空気吹き出し口42から水中に吹き出され、気泡となって船底13の平坦部に沿って船体10の後方に流れる。このとき、空気吹き出し口42は、後方側の一部が内側から第1ガイド板51により閉塞されていることから、空気吹き出し口42の後端面42aと第1ガイド板51の下面51aとの間の空間部に空気のよどみ部Aが形成される。そのため、空気吹き出し口42から水中に吹き出された空気は、よどみ部Aに引き寄せられることとなり、引き寄せられた空気は、船底外板27の下面、つまり、船底13の外面から離れずに後方に流れることとなり、船体10の表面を気泡により適正に覆うことができる。
なお、第1ガイド板51の構成は、上述したものに限定されるものではない。図6は、第1実施形態の変形例を表す空気吹き出し口を表す船底の正面図である。
図6に示すように、空気吹き出し口42は、船体10の前後方向に沿って長い楕円形状をなし、船体10の幅方向に所定間隔で複数設けられている。この複数の空気吹き出し口42は、船体10の後方側にガイド部材としての1個の第1ガイド板52が設けられている。この第1ガイド板52は、船底外板27における気体室41側に各空気吹き出し口42の一部を閉塞するように設けられている。なお、この第1ガイド板52の作用は、第1ガイド板51と同様であることから、説明は省略する。
ここでは、船底13に配置された空気吹き出し部37について説明したが、左舷14(船側外板28)や右舷15(船側外板29)に配置された空気吹き出し部36も同様の構成となっている。
このように第1実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、船体10の内部に設けられる気体室41と、気体室41内と船体10の外方とを仕切る仕切壁としての船底外板27と、船底外板27に設けられる空気吹き出し口42と、空気吹き出し口42における船体10の後方側に設けられるガイド部材としての第1ガイド板51,52とを設けている。
従って、気体室41から空気吹き出し口42を通って船体外部の水中に吹き出された空気は、第1ガイド板51,52により船体10の後方側に流れ、船体10の外面から離れにくくなり、船体10の表面を適正に気泡により覆うことで摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。
第1実施形態の船舶の摩擦低減装置では、第1ガイド板51,52は、船底外板27の気体室41側に空気吹き出し口42の一部を閉塞して設けられている。従って、気体室41の空気は、空気吹き出し口42を通って船体外部の水中に吹き出されるとき、第1ガイド板51,52と空気吹き出し口42の端面とのよどみ部Aに引き寄せられることとなり、この空気を船体10の外面に沿って効率良く流すことができる。
第1実施形態の船舶の摩擦低減装置では、空気吹き出し口42は、船体10の幅方向に沿って所定間隔で複数設けられ、第1ガイド板52は、複数の空気吹き出し口42の一部を閉塞している。従って、第1ガイド板52を複数の空気吹き出し口42に対して設けることとなり、構造を簡素化することができると共に、製造コストを低減することができる。
[第2実施形態]
図7は、第2実施形態の船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の断面図、図8は、空気吹き出し口を表す船底の正面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図7及び図8に示すように、空気吹き出し口42は、船体10の前後方向に沿って長い楕円形状をなし、船底外板27を鉛直方向に貫通しており、船体10の幅方向に所定間隔で複数設けられている。この空気吹き出し口42は、船体10の後方側にガイド部材としての第2ガイド板53が設けられている。この第2ガイド板53は、船底外板27における船体10の外方側に設けられている。
即ち、第2ガイド板53は、矩形状をなす板材であって、船底外板27の厚さ(例えば、30〜40mm)より薄い厚さ(例えば1〜5mm、好ましくは、1〜2mm)に形成されている。第2ガイド板53は、船底外板27における船体10の外方側、つまり、船底外板27の外面に溶接により固定されている。第2ガイド板53は、空気吹き出し口42における船尾12側(図7及び図8の右側)と、左舷14及び右舷15側(図8にて上側と下側)に配置されている。
第2ガイド板53は、前端部に半円形状をなす切欠部53aが形成され、この切欠部53aは、空気吹き出し口42における後端面42aと同形状をなしている。そのため、第2ガイド板53は、船底外板27の外面側で、空気吹き出し口42における船体10の後方側及び側方側に設けられることとなる。また、第2ガイド板53は、後端部と船底外板27の外面との間に段差53cが設けられている。第2ガイド板53は、平面に対して端面が直角(または、鋭角)をなしていることから、船底外板27の外面との間に厚さ分だけの段差53cが形成される。この段差53cは、第2ガイド板53の後端部と左右の側端部に設けられている。
気体室41に供給された空気は、複数の空気吹き出し口42から水中に吹き出され、気泡となって船底13の平坦部に沿って船体10の後方に流れる。このとき、空気吹き出し口42は、後方側における船底外板27の外面に第2ガイド板53が配置されていることから、第2ガイド板53の端面と船底外板27の外面との間に段差53cが形成され、この段差53cの周辺部に負圧部Bが形成される。そのため、空気吹き出し口42から水中に吹き出された空気は、第2ガイド板53の外面を流れ、負圧部Bに引き寄せられることとなり、引き寄せられた空気は、船底外板27の下面、つまり、船底13の外面から離れずに後方に流れることとなり、船体10の表面を気泡により適正に覆うことができる。
このように第2実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、ガイド部材として、船底外板27の船体10の外方側に第2ガイド板53を設けている。
従って、気体室41の空気は、空気吹き出し口42を通って船体外部の水中に吹き出されるとき、船底外板27の外面と第2ガイド板53の後端部との負圧部Bに引き寄せられることとなり、この空気を船体10の外面に沿って効率良く流すことができる。
第2実施形態の船舶の摩擦低減装置では、第2ガイド板53は、空気吹き出し口42における船体10の後方側及び側方側に設けられている。従って、気体室41の空気は、空気吹き出し口42を通って船体外部の水中に吹き出されるとき、船底外板27の外面と第2ガイド板53の後端部との負圧部Bだけでなく、第2ガイド板53の側端部との負圧部Bに引き寄せられることとなり、この空気を広範囲にわたって船体10の外面に沿って流すことができる。
第2実施形態の船体の摩擦低減装置では、第2ガイド板53と船底外板27の外面との間に段差53cを設けている。従って、第2ガイド板53と船底外板27との間に段差53cが設けられることで、空気が第2ガイド板53から船底外板27に流れるとき、段差53cの周辺に負圧部Bが生成され、この負圧部Bにより空気が引き寄せられることとなり、この空気を適正に船体10の外面に沿って流すことができる。
[第3実施形態]
図9は、第3実施形態の船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の断面図、図10は、空気吹き出し口を表す船底の正面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図9及び図10に示すように、空気吹き出し口42は、船体10の前後方向に沿って長い楕円形状をなし、船体10の幅方向に所定間隔で複数千鳥状に設けられている。この空気吹き出し口42は、船体10の後方側にガイド部材としての空気拡散部材61が設けられている。この空気拡散部材61は、船底外板27における船体10の外方側で、空気吹き出し口42から船体10の後方側に所定距離だけ離間した位置に船体10の幅方向に沿って設けられている。
即ち、空気拡散部材61は、断面が矩形状をなす所定長さを有する板材であって、船底外板27の厚さ(例えば、30〜40mm)より薄い厚さ(例えば、1〜5mm、好ましくは、1〜2mm)に形成されている。空気拡散部材61は、船底外板27における船体10の外方側、つまり、船底外板27の外面に溶接やボルト締めなどにより固定されている。空気拡散部材61は、空気吹き出し口42における船尾12側(図9及び図10の右側)に所定距離だけ離れて配置されている。
気体室41に供給された空気は、複数の空気吹き出し口42から水中に吹き出され、気泡となって船底13の平坦部に沿って船体10の後方に流れる。このとき、空気吹き出し口42は、後方側における船底外板27の外面に空気拡散部材61が配置されている。そのため、空気吹き出し口42から水中に吹き出された空気(気泡)C1は、船底外板27の外面を後方に流れ、空気拡散部材61に衝突して乱れが生じ、拡散した空気(気泡)C2として船体10における幅方向の外側に拡散する。そして、この気泡が船体10の外面に広範囲にわたって流れ、船体10の表面を気泡により適正に覆うことができる。
また、空気吹き出し口42は、後方側における船底外板27の外面に空気拡散部材61が配置されていることから、第2実施形態とほぼ同様に、空気拡散部材61の後端面と船底外板27の外面との間に段差が形成され、後方の段差の周辺部に負圧部が形成される。そのため、空気拡散部材61に衝突して乱れが生じた空気は、船体10における幅方向の外側に拡散するとき、この負圧部に引き寄せられて船底13の外面から離れずに後方に流れることとなり、船体10の表面を気泡により適正に覆うことができる。
なお、空気拡散部材61の構成は、上述したものに限定されるものではない。図11−1から図11−5は、第3実施形態の変形例を表す空気拡散部材の断面図である。
図11−1に示すように、船底外板27の外面に固定された空気拡散部材62は、前端部が船底外板27の外面に滑らかに連続するような角度をなす傾斜面62aが形成され、後端部に船底外板27の外面に直角をなす鉛直面62bが形成されている。また、図11−2に示すように、船底外板27の外面に固定された空気拡散部材63は、前端部に流動抵抗を減少させるような湾曲面63aが形成され、後端部に船底外板27の外面に直角をなす鉛直面63bが形成されている。また、図11−3に示すように、船底外板27の外面に固定された空気拡散部材64は、前端部が船底外板27の外面に滑らかに連続するような鈍角をなす傾斜面64aが形成され、後端部に船底外板27の外面に滑らかに連続するような鈍角をなす傾斜面64bが形成されている。また、図11−4に示すように、船底外板27の外面に固定された空気拡散部材65は、前端部に流動抵抗を減少させるような湾曲面65aが形成され、後端部に船底外板27の外面に滑らかに連続するような鈍角をなす傾斜面65bが形成されている。図11−5に示すように、船底外板27の外面に固定された空気拡散部材66は、前端部及び後端部に流動抵抗を減少させるような湾曲面66a,66bが形成されている。
このように第3実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、ガイド部材として、船底外板27の船体10の外方側で空気吹き出し口42から船体10の後方側に所定距離だけ離間した位置に船体10の幅方向に沿って空気拡散部材61を設けている。そして、その空気拡散部材61の形状は、図11−1から図11−5に示す空気拡散部材62〜66のような形状としてもよい。
従って、気体室41の空気は、空気吹き出し口42を通って船体外部の水中に吹き出されると、この空気は、船体10の後方側に流れ、空気拡散部材61〜66により船体10における幅方向の外側に拡散することとなり、この空気を広範囲にわたって船体10の外面に沿って流すことができる。
[第4実施形態]
図12は、第4実施形態の船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の正面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図12に示すように、空気吹き出し口42は、船体10の前後方向に沿って長い楕円形状をなし、船体10の幅方向に所定間隔で複数千鳥状に設けられている。この空気吹き出し口42は、船体10の後方側にガイド部材としての空気拡散部材71が設けられている。この空気拡散部材71は、船底外板27における船体10の外方側で、空気吹き出し口42から船体10の後方側に所定距離だけ離間した位置に船体10の幅方向に沿って設けられている。
空気拡散部材71は、船体10の幅方向に複数分割して設けられており、空気吹き出し口42における船体10の後方側に分割部としての隙間71aが設けられている。即ち、空気吹き出し口42における船体10の後方側に空気拡散部材71がなくて隙間71aがあり、幅方向に隣接する空気吹き出し口42の間における船体10の後方側に空気拡散部材71がある。ここで、空気拡散部材71の幅L3は、空気吹き出し口42の幅L1より大きく、幅方向に隣接する空気吹き出し口42の間隔L2より小さいものとなっている。
気体室41に供給された空気は、複数の空気吹き出し口42から水中に吹き出され、気泡となって船底13の平坦部に沿って船体10の後方に流れる。このとき、空気吹き出し口42は、後方側における船底外板27の外面に空気拡散部材71が配置されている。そのため、空気吹き出し口42から水中に吹き出された空気(気泡)C1は、船底外板27の外面を後方に流れ、空気拡散部材71に衝突して乱れが生じ、拡散した空気(気泡)C2として船体10における幅方向の外側に拡散する。また、空気(気泡)C1は、空気拡散部材71の隙間71aで幅方向の外側へ巻き込みが生じ、拡散した空気(気泡)C2として船体10における幅方向の外側に拡散する。そして、この気泡が船体10の外面に広範囲にわたって流れ、船体10の表面を気泡により適正に覆うことができる。
このように第4実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、空気拡散部材71は、船体10の幅方向に複数分割して隙間71aが設けられている。従って、空気拡散部材71を複数に分割することで、空気拡散部材71を最適な位置だけに設けることとなり、不要な突起部を減少して摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。
実施形態4の船舶の摩擦低減装置では、空気拡散部材71は、空気吹き出し口42における船体10の後方側に分割部が設けられている。従って、空気吹き出し口42を通って船体外部の水中に吹き出された空気は、空気拡散部材71の分割部での巻き込みにより外側に移行することとなり、空気を効率良く船体10における幅方向の外側に拡散することができる。
なお、本実施形態では、空気拡散部材71の分割形状が上述したものに限定されるものではない。図13は、第4実施形態の変形例を表す船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の正面図である。
図13に示すように、空気吹き出し口42は、船体10の前後方向に沿って長い楕円形状をなし、船体10の幅方向に所定間隔で複数千鳥状に設けられている。この空気吹き出し口42は、船体10の後方側にガイド部材としての空気拡散部材72が設けられている。この空気拡散部材72は、船底外板27における船体10の外方側で、空気吹き出し口42から船体10の後方側に所定距離だけ離間した位置に船体10の幅方向に沿って設けられている。
空気拡散部材72は、船体10の幅方向に複数分割して設けられており、空気拡散部材72は、複数の空気吹き出し口42の間における船体10の後方側に分割部としての隙間72aが設けられている。即ち、複数の空気吹き出し口42の間における船体10の後方側に空気拡散部材72がなくて隙間72aがあり、各空気吹き出し口42における船体10の後方側に空気拡散部材72がある。
気体室41に供給された空気は、複数の空気吹き出し口42から水中に吹き出され、気泡となって船底13の平坦部に沿って船体10の後方に流れる。このとき、空気吹き出し口42は、後方側における船底外板27の外面に空気拡散部材72が配置されている。そのため、空気吹き出し口42から水中に吹き出された空気(気泡)C1は、船底外板27の外面を後方に流れ、空気拡散部材72に衝突して乱れが生じ、拡散した空気(気泡)C2として船体10における幅方向の外側に拡散する。また、空気(気泡)C1は、空気拡散部材72の隙間72aで幅方向の外側へ巻き込みが生じ、拡散した空気(気泡)C2として船体10における幅方向の外側に拡散する。そして、この気泡が船体10の外面に広範囲にわたって流れ、船体10の表面を気泡により適正に覆うことができる。
このように第4実施形態の船舶の摩擦低減装置では、空気拡散部材72は、船体10の幅方向に複数分割して隙間72aが設けられ、複数の空気吹き出し口42の間における船体10の後方側に隙間72aが設けられている。従って、空気吹き出し口42を通って船体外部の水中に吹き出された空気は、空気拡散部材72の隙間72aでの巻き込みにより外側に移行することとなり、空気を効率良く船体10における幅方向の外側に拡散することができる。
[第5実施形態]
図14は、第5実施形態の船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の正面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第5実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図14に示すように、空気吹き出し口42は、船体10の前後方向に沿って長い楕円形状をなし、船体10の幅方向に所定間隔で複数千鳥状に設けられている。この空気吹き出し口42は、船体10の後方側にガイド部材としての空気拡散部材73,74が設けられている。この空気拡散部材73,74は、船体10の前後方向に所定間隔で複数(本実施形態では、2個)設けられている。
気体室41に供給された空気は、複数の空気吹き出し口42から水中に吹き出され、気泡となって船底13の平坦部に沿って船体10の後方に流れる。このとき、空気吹き出し口42は、後方側における船底外板27の外面に空気拡散部材73,74が配置されている。そのため、空気吹き出し口42から水中に吹き出された空気(気泡)C1は、船底外板27の外面を後方に流れ、空気拡散部材73,74に衝突して乱れが生じ、拡散した空気(気泡)C2として船体10における幅方向の外側に拡散する。このとき、空気(気泡)C1は、空気拡散部材73で拡散した空気(気泡)C2となり、空気拡散部材74で再び拡散した空気(気泡)C3となり、船体10における幅方向の外側に拡散する。そして、この気泡が船体10の外面に広範囲にわたって流れ、船体10の表面を気泡により適正に覆うことができる。
このように第5実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、空気拡散部材73,74を船体10の前後方向に所定間隔で複数設けている。従って、空気の拡散位置が増加することとなり、船体10の外面に沿って流れる空気を船体10の幅方向で均一化することができる。
なお、本実施形態では、空気拡散部材73,74の形状が上述したものに限定されるものではない。図15及び図16は、第5実施形態の変形例を表す船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の正面図である。
第5実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図15に示すように、空気吹き出し口42は、船体10の前後方向に沿って長い楕円形状をなし、船体10の幅方向に所定間隔で複数千鳥状に設けられている。この空気吹き出し口42は、船体10の後方側にガイド部材としての空気拡散部材75,76が設けられている。この空気拡散部材75,76は、船体10の前後方向に所定間隔で複数(本実施形態では、2個)設けられている。また、空気拡散部材75,76は、船体10の幅方向に複数分割して隙間75a,76aが設けられている。
第5実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図16に示すように、空気吹き出し口42は、船体10の前後方向に沿って長い楕円形状をなし、船体10の幅方向に所定間隔で複数千鳥状に設けられている。この空気吹き出し口42は、船体10の後方側にガイド部材としての空気拡散部材77,78が設けられている。この空気拡散部材77,78は、船体10の前後方向に所定間隔で複数設けられ、船体10の幅方向に複数分割して設けられている。即ち、空気拡散部材77,78は、千鳥状に設けられている。また、空気拡散部材77,78は、船体10の幅方向に複数分割して隙間77a,78aが設けられている。
このように第5実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、空気拡散部材75,76,77,78を船体10の前後方向に所定間隔で複数設けると共に、船体10の幅方向に複数分割して設けている。従って、空気の拡散位置が増加することとなり、船体10の外面に沿って流れる空気を船体10の幅方向で均一化することができる。
[第6実施形態]
図17は、第6実施形態の船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の断面図、図18は、空気吹き出し口を表す船底の正面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第6実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図17及び図18に示すように、空気吹き出し口42は、船体10の前後方向に沿って長い楕円形状をなし、船体10の幅方向に所定間隔で複数千鳥状に設けられている。この空気吹き出し口42は、船体10の後方側にガイド部材としての空気拡散部材79が設けられている。この空気拡散部材79は、船体10から所定距離だけ離間して設けられている。即ち、空気拡散部材79は、複数の取付部材80により船底外板27の下面から所定隙間をもって配置されている。
気体室41に供給された空気は、複数の空気吹き出し口42から水中に吹き出され、気泡となって船底13の平坦部に沿って船体10の後方に流れる。このとき、空気吹き出し口42は、後方側における船底外板27の外面に空気拡散部材79が配置されている。そのため、空気吹き出し口42から水中に吹き出された空気(気泡)C1は、船底外板27の外面を後方に流れ、空気拡散部材79に衝突して乱れが生じ、拡散した空気(気泡)C2として船体10における幅方向の外側に拡散する。そして、この気泡が船体10の外面に広範囲にわたって流れ、船体10の表面を気泡により適正に覆うことができる。
このように第6実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、空気拡散部材79を船体10から所定距離だけ離間して設けている。従って、気体室41の空気は、空気吹き出し口42を通って船体外部の水中に吹き出されると、この空気は、船体10の後方側に流れ、空気拡散部材79により船体10における幅方向の外側に拡散することとなり、この空気を広範囲にわたって船体10の外面に沿って流すことができる。また、空気拡散部材79が船底外板27の下面から所定隙間をもって配置されていることから、空気拡散部材79の交換を容易としてメンテナンス性を向上することができる。
[第7実施形態]
図19は、第7実施形態の船舶の摩擦低減装置における空気吹き出し口を表す船底の断面図、図20は、空気吹き出し口を表す船底の正面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第7実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図19及び図20に示すように、船底外板27は、船体10の前方側の前部船底外板27aと、後方側の後部船底外板27bとが溶接により接合されて構成されている。そのため、前部船底外板27aと後部船底外板27bとの間に外方(図19にて、下方)に突出する溶接ビード部(空気拡散部材)81が形成されている。そして、この溶接ビード部81における船体10の前方側に複数の空気吹き出し口42を設けることで、溶接ビード部を空気拡散部材81として機能させる。
即ち、空気吹き出し口42は、船体10の前後方向に沿って長い楕円形状をなし、船体10の幅方向に所定間隔で複数千鳥状に設けられている。この空気吹き出し口42は、船体10の後方側にガイド部材としての空気拡散部材(溶接ビード部)81が設けられている。
このように第7実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、前部船底外板27aと後部船底外板27bとを接合して外方に突出する溶接ビード部を形成し、この溶接ビード部における船体10の前方側に複数の空気吹き出し口42を設けることで、溶接ビード部を空気拡散部材81として機能させている。従って、溶接ビード部を空気拡散部材81とすることで、構造を簡素化することができると共に、製造コストを低減することができる。
なお、本実施形態では、前部船底外板27aと後部船底外板27bとを接合する溶接ビード部を空気拡散部材81としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、船底外板の外面に溶接ビード部を設けてこれを空気拡散部材としてもよい。
[第8実施形態]
図21は、第8実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図、図22は、空気供給装置を表す概略構成図、図23は、羽根車の概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第8実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図21に示すように、摩擦低減装置101は、空気供給装置102と、空気吸い込み口35と、空気吹き出し部36と、空気吹き出し部37と、海水取入部38と、ポンプ39と、ブロア103と、開閉弁104とを有している。
空気供給装置102は、喫水線WLより下方の空間部の甲板上に設置されている。空気吸い込み口35は、甲板暴露部25に配置されており、ブロア103及び開閉弁104を介して空気供給装置102に接続されている。空気供給装置102は、空気吹き出し部36,37に接続されている。海水取入部38は、ポンプ39を介して空気供給装置102に接続されている。
空気供給装置102は、空気吹き出し部36,37の気体室に空気を供給するものであり、図22に示すように、気泡発生室111と、水取込通路112と、空気取込通路113と、羽根車114と、気泡供給通路115とを有している。気泡発生室111は、所定の容積を有する密閉された容器である。水取込通路112は、この気泡発生室111に海水を取り込む通路であって、ポンプ39が装着され、一端部が海水取入部38に連結され、他端部が気泡発生室111の下部に連結されている。空気取込通路113は、気泡発生室111に空気を取り込む通路であって、ブロア103と開閉弁104が装着され、一端部が空気吸い込み口35に連結され、他端部が気泡発生室111の上部に連結されている。
羽根車114は、気泡発生室111の海水内で回転可能であり、海水内に空気を取り込んで微細な気泡を形成するものである。羽根車114は、図23に示すように、ボス部121と、ボス部121から放射状に延出する複数の羽根122と、複数の羽根122の外側に配置される外輪123とを有している。複数の羽根122は、周方向に所定角度ごとに配置されており、ボス部121の軸心方向に傾斜している。また、羽根122は、複数の孔122aが形成されている。ボス部121は、水平をなす軸部124の一端部が連結され、軸部124は、他端部が気泡発生室111の外側まで延出されて駆動モータ125が接続されている。
また、図22に示すように、気泡供給通路115は、気泡発生室111内で発生した気泡を空気吹き出し部36,37の気体室に供給するものであって、一端部が空気吹き出し部36,37に連結され、他端部が気泡発生室111の下部に連結されている。
そのため、開閉弁104を開放した状態で、ブロア103は、空気吸い込み口35から吸い込んだ空気を加圧し、その加圧空気を空気取込通路113から気泡発生室111に供給する。また、ポンプ39は、海水取入部38から取り入れられた海水を水取込通路112から気泡発生室111に供給する。すると、気泡発生室111は、下部に海水が貯留され、上部に空気が充填される。なお、羽根車114が海水中に位置するように、開閉弁104の開度を調整することで、気泡発生室111における海水中の空気の割合が調整される。
この状態で、気泡発生室111にて、海水中で羽根車114が回転すると、上方の空気が海水中に引き込まれて一部の海面SFが低下し、海水中に引き込まれ空気がせん断されることで微細な気泡が形成される。そして、この微細な気泡は、気泡供給通路115から空気吹き出し部36,37に供給され、空気吹き出し口を通って船体外部の水中に吹き出されることとなる。即ち、船体10の空気吹き出し部36,37から水中に空気が吹き出され、この吹き出された空気により形成される気泡が船底13の平坦部に送り出され、この気泡により船体10が覆われることで船体10の摩擦抵抗が低減される。
このように第8実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、空気吹き出し部36,37に空気を供給する空気供給装置102を設け、この空気供給装置102として、気泡発生室111と、気泡発生室111に水を取り込む水取込通路112と、気泡発生室111に空気を取り込む空気取込通路113と、気泡発生室111の海水内で回転可能な羽根車114と、気泡発生室111内で発生した気泡を空気吹き出し部36,37に供給する気泡供給通路115とを設けている。
従って、気泡発生室111は、水取込通路112から水が取り込まれると共に、空気取込通路113から空気が取り込まれ、海水中で羽根車114が回転すると、空気が海水中に引き込まれてせん断されることで、微細な気泡が形成される。そして、発生した微細な気泡は、気泡供給通路115から空気吹き出し部36,37に供給され、空気吹き出し口を通って船体外部の水中に吹き出されることとなる。そのため、空気を船体10の外面に沿って適正に流すことができ、摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。
第8実施形態の船舶の摩擦低減装置では、羽根車114として、ボス部121と、ボス部121から放射状に延出する複数の羽根122と、複数の羽根122の外側に配置される外輪123とを設け、ボス部121に水平をなす軸部124の一端が連結され、軸部124の他端が気泡発生室111の外側まで延出されて駆動モータ125を接続している。従って、羽根車114の回転により空気を水中に引き込んでせん断することで、効率良く微細な気泡を形成することができる。
[第9実施形態]
図24は、第9実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第9実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図24に示すように、摩擦低減装置131は、空気供給装置102と、空気吸い込み口35と、空気吹き出し部36と、空気吹き出し部37と、海水取入部38と、ポンプ39と、開閉弁104とを有している。そして、空気供給装置102は、前述した第8実施形態で説明したものとほぼ同様の構成であるが、喫水線WLより上方の空間部の甲板上に設置されている。そのため、空気吸い込み口35と空気供給装置102とを接続する空気取込通路113は、開閉弁104だけでよく、ブロアは不要となる。
なお、この摩擦低減装置131の作用は、第8実施形態とほぼ同様であることから、説明は省略する。
このように第9実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、空気供給装置102と、空気吸い込み口35と、空気吹き出し部36と、空気吹き出し部37と、海水取入部38と、ポンプ39と、開閉弁104とを設け、空気供給装置102を喫水線WLより上方に配置している。従って、気泡発生室111に空気取込通路113から空気を取り込むための動力を不要として構造を簡素化することができる。
[第10実施形態]
図25は、第10実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図、図26は、空気供給装置を表す概略構成図、図27は、空気供給装置の変形例を表す概略構成図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第10実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図25に示すように、摩擦低減装置141は、空気供給装置142と、空気吸い込み口35と、空気吹き出し部143と、海水取入部144と、ブロア103と、開閉弁104とを有している。
空気供給装置142は、喫水線WLより下方の船底13の甲板上に設置されている。空気吸い込み口35は、甲板暴露部25に配置されており、ブロア103と開閉弁104を介して空気供給装置142に接続されている。空気供給装置142は、下部に空気吹き出し部143と海水取入部144が設けられている。
空気供給装置142は、図26に示すように、気泡発生室151と、水取込開口(水取込通路)152と、空気取込通路113と、羽根車114と、空気吹き出し口(気泡供給通路)153とを有している。気泡発生室151は、気体室を兼ねており、所定の容積を有する密閉された容器である。海水取入部144を構成する水取込開口152は、この気泡発生室151に海水を取り込む通路であって、船底13の船底外板27に形成されている。空気吹き出し部143を構成する空気吹き出し口153は、気泡発生室151内で発生した気泡を海中に吹き出すものであり、第1ガイド板153aが気泡吹き出し方向の下方の水中に向けて傾斜するように延出することで、ノズルを形成している。そのため、空気吹き出し口153は、第1ガイド板153aにより空気を船体の外面に沿って適正に流すことができる。
また、気泡発生室151は、水取込開口152と羽根車114及び空気吹き出し口153との間の水中に堰154が設けられている。
そのため、開閉弁104を開放した状態で、ブロア103は、空気吸い込み口35から吸い込んだ空気を加圧し、その加圧空気を空気取込通路113から気泡発生室151に供給する。また、海水が水取込開口152から取り入れられて気泡発生室151に供給される。すると、この状態で、気泡発生室151にて、海水中で羽根車114が回転すると、上方の空気が海水中に引き込まれてせん断されることで、微細な気泡が形成される。そして、この微細な気泡は、空気吹き出し口153を通って船体外部の水中に吹き出される。
即ち、空気吹き出し口153は、ノズルにより負圧が発生することで、気泡発生室151内の気泡と海水を外方に吐出するように作用する。そのため、海水が水取込開口152から気泡発生室151に取り込まれることとなる。また、水取込開口152と羽根車114及び空気吹き出し口153との間に堰154が設けられていることで、羽根車114の回転により形成された気泡が水取込開口152に流れず、また、水取込開口152から取り込まれた海水が直接空気吹き出し口153に流れなくなる。そして、船体10の空気吹き出し口153から水中に空気が吹き出され、この吹き出された空気により形成される気泡が船底13の平坦部に送り出され、この気泡により船体10が覆われることで船体10の摩擦抵抗が低減される。
また、本実施例の空気供給装置142はこの構成に限定されるものではない。即ち、図27に示すように、水取込開口152は、この気泡発生室151に海水を取り込む通路であって、船底13の船底外板27に形成されている。この水取込開口152は、船体10の前方方向の下方に向けて傾斜するように延出される第2ガイド板152aが設けられている。そのため、第2ガイド板152aにより水取込開口152から効率良く水を取り込むことができる。
このように第10実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、気体室としての気泡発生室151を配置し、気泡発生室151に水取込通路としての水取込開口152を形成すると共に、水取込開口152より船体10の後方に気泡供給通路としての空気吹き出し口153を形成している。
従って、船底外板27に水取込開口152と空気吹き出し口153を形成することで、気泡発生室151に水を取り込むための動力を不要として構造を簡素化することができる。
第10実施形態の船舶の摩擦低減装置では、水取込開口152と羽根車114及び空気吹き出し口153との間の水中に堰154を設けている。従って、形成した微細な気泡が水取込開口152から排出されることを防止し、微細な気泡を空気吹き出し口153から適正に水中に吹き出すことができる。
以下、気泡発生室151に設けられる羽根車の変形例について説明する。図28は、羽根車の第1変形例を表す正面図、図29−1から図29−3は、羽根車の断面図である。
図28及び図29‐1に示すように、羽根車200は、ボス部201と、ボス部201から放射状に延出する複数の羽根202と、複数の羽根202の外側に配置される外輪203とを有している。また、図28及び図29‐2に示すように、羽根車210は、ボス部211と、ボス部211から放射状に延出する複数の羽根212と、複数の羽根212の外側に配置される外輪213と、複数の羽根212の間に扇形状をなす複数の支持部材214とを有している。支持部材214は、羽根車210の回転方向及び径方向に延出する扇形状をなす平板であり、ボス部211と羽根212と外輪213を連結し、羽根車210の回転軸心方向における中間部に配置されている。また、図28及び図29‐3に示すように、羽根車220は、ボス部221と、ボス部221から放射状に延出する複数の羽根222と、複数の羽根222の外側に配置される外輪223と、複数の羽根222の間に円板形状をなす支持部材224とを有している。支持部材224は、羽根車220の回転方向及び径方向に延出する円板形状をなす平板であり、ボス部221と羽根222と外輪223を連結し、羽根車220の回転軸心方向における一方側の端部に配置されている。
図30は、羽根車の第2変形例を表す正面図、図31−1から図31−3は、羽根車の断面図である。
図30及び図31‐1に示すように、羽根車200Aは、ボス部201と、複数の羽根202と、外輪203とを有し、各羽根202に複数の孔202aが形成されている。また、図30及び図31‐2に示すように、羽根車210Aは、ボス部211と、複数の羽根212と、外輪213と、複数の支持部材214とを有し、各羽根212に複数の孔212aが形成されている。また、図30及び図31‐3に示すように、羽根車220Aは、ボス部221と、複数の羽根222と、外輪223と、支持部材224とを有し、各羽根222に複数の孔222aが形成されている。
図32は、羽根車の第3変形例を表す正面図、図33は、羽根車の断面図である。
図32及び図33に示すように、羽根車230は、ボス部231と、複数の羽根232と、外輪233と支持部材234とを有している。支持部材234は、円板形状をなし、羽根車230の回転方向及び径方向に延出する平板であり、ボス部231と外輪233を連結し、羽根車230の回転軸心方向における中間部に配置されている。そして、複数の羽根232は、放射状に延出して支持部材234の両面に固定されているものの、ボス部231との間に隙間が確保され、外輪233に接触している。
図34は、羽根車の第4変形例を表す正面図、図35−1及び図35−2は、羽根車の断面図である。
図34及び図35−1に示すように、羽根車240は、ボス部241と、複数の羽根242と、外輪243とを有している。複数の羽根242は、ボス部241から放射状に延出して先端部がフリーとなっている。また、図35−2に示すように、羽根車240Aは、ボス部241と、複数の羽根242と、外輪243とを有し、各羽根242に複数の孔242aが形成されている。
なお、各羽根車の構成は、上述したものに限らず、各種の構成を組み合わせ言構成してもよい。
[第11実施形態]
図36は、第11実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図、図37は、摩擦低減装置の概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第11実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図36及び図37に示すように、摩擦低減装置161は、水通路162と、空気供給装置163と、気体室164と、空気吹き出し口165とを有している。
水通路162は、船体10の内部に設けられて一端部が船首11に開口して他端部が船底13(または、船側14,15)に開口している。この水通路162は、船体10の前後方向に沿って配置され、船首11側に水平部が位置し、船底13側に下傾斜部が位置している。この場合、水通路162は、通路断面積が同様に設定されている。
気体室164は、密閉された空間であって、水通路162の水平部の上方に配置されている。空気供給装置163は、空気吸い込み口35から吸い込んだ空気を加圧し、その加圧空気を気体室164に供給するものである。また、気体室164は、水通路162の間の隔壁(仕切壁)に複数の空気吹き出し口165が形成されている。空気吹き出し口165は、気体室164から水通路162に貫通して水中に流通する通路である。そのため、複数の空気吹き出し口165から水通路162の水中に吹き出された加圧空気は、気泡となり、水通路162から船底13の平坦部を後方に流れると共に幅方向に拡散する。
そのため、船体10の前進により、前方の海水が水通路162の船首11側の開口から浸入し、この水通路162内を流れ、船底13側の開口から吐出される。このとき、空気供給装置163は、空気吸い込み口35から吸い込んだ空気を加圧し、その加圧空気を気体室164に供給する。すると、気体室164は、この空気を空気吹き出し口165から水通路162の水中に吹き出し、この空気が気泡となり、水通路162から船底13の平坦部を後方に流れると共に幅方向に拡散する。即ち、水通路162から流出した空気により形成される気泡が船底13の平坦部に送り出され、この気泡により船体10が覆われることで船体10の摩擦抵抗が低減される。
なお、水通路162の形状は、上述したものに限定されるものではない。図37は、第11実施形態の変形例を表す船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図である。
即ち、図37に示すように、水通路171は、船体10の内部に設けられて一端部が船首11に開口して他端部が船底13に開口している。この水通路171は、船体10の前後方向に沿って配置され、船首11側に水平部が位置し、船底13側に下傾斜部が位置している。そして、水通路171は、船首11の開口部から気体室164(空気吹き出し口)の位置まで通路面積が縮小し、船底13に開口するまでが同様の通路面積となっている。
そのため、船体10の前進により、前方の海水が水通路171の船首11側の開口から浸入し、この水通路171内を流れ、船底13側の開口から吐出される。このとき、船首11側の開口から水通路171内に取り込まれた海水は、通路面積が縮小することで流速が上昇する。そして、流速が上昇した海水に対して気体室164の空気吹き出し口165から吹き出されることで、微細な気泡が形成される。
このように第1実施形態1の船舶の摩擦低減装置にあっては、船体10の内部に設けられて一端部が船首11に開口して他端部が船底13または船側14,15に開口する水通路162,171と、船体10の内部に設けられる気体室164と、気体室164に空気を供給する空気供給装置163と、気体室164内と水通路162とを貫通する空気吹き出し口165とを設けている。
従って、船舶の航行時に、船首11の開口から水通路162,171内に海水が取り込まれると、空気供給装置163から気体室164に供給された空気が空気吹き出し口165から水通路162,171内に吹き出されることとなり、この空気は、海水と共に水通路162,171を通って船底13または船側14,15の開口から外部に排出される。そのため、空気を船体10の外面に沿って適正に流すことができ、船体10の表面を適正に気泡により覆うことで摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。
第11実施形態の船舶の摩擦低減装置では、水通路171における船首11の開口から気体室164の位置まで通路面積を下流側に向けて漸次縮小している。従って、船首11の開口から水通路171内に取り込まれた海水は、通路面積が縮小することで流速が上昇し、ここに空気が供給されることとなり、微細な気泡を形成することができる。
[第12実施形態]
図39は、第12実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第12実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図39に示すように、摩擦低減装置161は、水通路162と、空気供給装置163と、気体室164と、空気吹き出し口165とを有している。また、水通路162は、気体室164の空気吹き出し口165(図37参照)から吹き出された空気を微細気泡とする気泡生成部材としての多孔板181が設けられている。この多孔板181は、パンチングメタルや金網などにより構成される。
そのため、船体10の前進により、前方の海水が水通路162の船首11側の開口から浸入し、この水通路162内を流れ、船底13側の開口から吐出される。このとき、空気供給装置163は、空気吸い込み口35から吸い込んだ空気を加圧し、その加圧空気を気体室164に供給する。すると、気体室164は、この空気を空気吹き出し口165から水通路162の水中に吹き出し、多孔板181を通過することでこの空気が微細な気泡となり、水通路162から船底13の平坦部を後方に流れると共に幅方向に拡散する。即ち、水通路162から流出した空気により形成される気泡が船底13の平坦部に送り出され、この気泡により船体10が覆われることで船体10の摩擦抵抗が低減される。
なお、気泡生成部材は、多孔板181に限定されるものではない。図40は、第12実施形態の変形例を表す船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図である。
即ち、図40に示すように、水通路162は、気体室164の空気吹き出し口165(図37参照)から吹き出された空気を微細気泡とする気泡生成部材としての多孔球体182が設けられている。この多孔球体182は、セラミックスなどにより構成される。
そのため、気体室164の空気吹き出し口165から水通路162の水中に空気が吹き出されると、この空気が多孔球体182を通過することで、この空気が微細な気泡となり、水通路162から船底13の平坦部を後方に流れると共に幅方向に拡散する。
このように第12実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、水通路162に空気吹き出し口165から吹き出された空気を微細気泡とする気泡生成部材としての多孔板181または多孔球体182を設けている。従って、水通路162内で多孔板181または多孔球体182により空気を微細気泡とすることができ、空気を適正に船体10の外面に沿って流すことができる。
[第13実施形態]
図41は、第13実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の側面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第13実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図41に示すように、摩擦低減装置161は、水通路162と、空気供給装置163と、気体室164と、空気吹き出し口165とを有している。
また、水通路162は、船底13側の開口に開口量調整装置としての開閉板191が移動自在に支持され、駆動装置192により開閉可能となっている。駆動装置192は、必要に応じて開閉板191を移動することで、水通路162における船底13側の開口の開口面積を調整することができる。水通路162は、船底13側の開口側であって、開閉板191より上流側に速度センサ193が設けられており、検出した水通路162の流速を制御装置194に出力する。制御装置194は、速度センサ193の測定結果に基づいて駆動装置192により開閉板191を移動して水通路162の開口面積を調整する。
即ち、船速が低下し、水通路162における水流速が低下すると、開閉板191を移動して水通路162の開口面積を縮小することで流速を上昇させる。一方、船速が上昇し、水通路162における水流速が上昇すると、開閉板191を移動して水通路162の開口面積を拡大することで流速を低下させる。そのため、水通路162における水流速が一定となる。そのため、気体室164の空気吹き出し口165から水通路162の水中に吹き出した空気は、適正に気泡となって水通路162を流れ、船底13の平坦部を後方に流れると共に幅方向に拡散する。即ち、水通路162から流出した空気により形成される気泡が船底13の平坦部に送り出され、この気泡により船体10が覆われることで船体10の摩擦抵抗が低減される。
このように第13実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、水通路162における水流速を測定する速度センサ193と、水通路162における船底13または船側14,15の開口に開口面積を調整可能な開閉板191及び駆動装置192と、速度センサ193の測定結果に基づいて駆動装置192を作動する制御装置194とを設けている。
従って、水通路162における水流速が低下すると、開口の開口面積を縮小することで流速を上昇させ、水通路162における水流速が上昇すると、開口の開口面積を拡大することで流速を低下させることとなり、水通路162における水流速を一定に維持し、空気を適正に船体10の外面に沿って流すことができる。
なお、上述した第11実施形態から第13実施形態では、水通路162,171における船首11側の開口を1個としたが、複数設けて合流させたりしてもよい。また、水通路162,171における船底13側の開口を左右の船側14,15に開口してもよい。
また、上述した実施形態では、空気吹き出し口の形状を楕円形状としたが、この形状に限定されるものではなく、例えば、長円形、小判型形状、角丸四角形状、楕円形状、四角形状、ひし形状、三角形状養などとしてもよい。
10 船体
11 船首
12 船尾
13 船底
14 左舷(船側)
15 右舷(船側)
21 空気供給機器室
27 船底外板
28,29 船側外板
31,101,131,141,161 摩擦低減装置
32,102,142,163 空気供給装置
33 エアクーラ
34 通風筒
35 空気吸い込み口
36,37,143 空気吹き出し部
38,144 海水取入部
39 ポンプ
41,164 気体室
42,153,165 空気吹き出し口
51,52 第1ガイド板(ガイド部材)
53 第2ガイド板(ガイド部材)
61,62,63,64,65,66,71,72,79 空気拡散部材(ガイド部材)
71a,72a 隙間(分割部)
73,75,77 第1空気拡散部材(ガイド部材)
74,76,78 第2空気拡散部材(ガイド部材)
75a,76a,77a,78a 隙間(分割部)
81 溶接ビード部(ガイド部材)
111,151 気泡発生室
112 水取込通路
113 空気取込通路
114,200,200A,210,210A,220,220A,230,240,250 羽根車
115 気泡供給通路
121,201,211,221,231,241 ボス部
122,202,212,222,232,242 羽根
123,203,213,223,234,244 外輪
124 軸部
125 駆動モータ
152 水取込開口
152a 第2ガイド板
153a 第1ガイド板
154 堰
162,171 水通路
181,182 気泡生成部材
191 開閉板(開口量調整装置)
192 駆動装置
193 速度センサ
194 制御装置
214,224,234 支持部材
A よどみ部
B 負圧部

Claims (28)

  1. 船体の内部に設けられる気体室と、
    前記気体室内と前記船体の外方とを仕切る仕切壁と、
    前記仕切壁に設けられる空気吹き出し口と、
    前記空気吹き出し口における前記船体の後方側に設けられるガイド部材と、
    を有することを特徴とする船舶の摩擦低減装置。
  2. 前記ガイド部材は、前記仕切壁の前記気体室側に前記空気吹き出し口の一部を閉塞して設けられる第1ガイド板を有することを特徴とする請求項1に記載の船舶の摩擦低減装置。
  3. 前記空気吹き出し口は、前記船体の幅方向に沿って所定間隔で複数設けられ、前記第1ガイド板は、前記複数の空気吹き出し口の一部を閉塞することを特徴とする請求項2に記載の船舶の摩擦低減装置。
  4. 前記ガイド部材は、前記仕切壁の前記船体の外方側に設けられる第2ガイド板を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  5. 前記第2ガイド板は、前記空気吹き出し口における前記船体の後方側及び側方側に設けられることを特徴とする請求項4に記載の船舶の摩擦低減装置。
  6. 前記第2ガイド板と前記仕切壁の外面との間に段差が設けられることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の船舶の摩擦低減装置。
  7. 前記ガイド部材は、前記仕切壁の前記船体の外方側で前記空気吹き出し口から前記船体の後方側に所定距離だけ離間した位置に前記船体の幅方向に沿って設けられる空気拡散部材であることを特徴とする請求項1に記載の船舶の摩擦低減装置。
  8. 前記空気拡散部材は、前記船体の幅方向に複数分割して設けられることを特徴とする請求項7に記載の船舶の摩擦低減装置。
  9. 前記空気拡散部材は、前記空気吹き出し口における前記船体の後方側に分割部が設けられることを特徴とする請求項8に記載の船舶の摩擦低減装置。
  10. 前記空気吹き出し口は、前記船体の幅方向に沿って所定間隔で複数設けられ、前記空気拡散部材は、前記複数の空気吹き出し口の間における前記船体の後方側に分割部が設けられることを特徴とする請求項8に記載の船舶の摩擦低減装置。
  11. 前記空気拡散部材は、前記船体の前後方向に所定間隔で複数設けられることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  12. 前記空気拡散部材は、前記仕切壁から所定距離離間して設けられることを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  13. 前記空気拡散部材は、前記船体の外板に設けられる溶接ビード部を有することを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  14. 前記気体室に空気を供給する空気供給装置が設けられ、前記空気供給装置は、気泡発生室と、前記気泡発生室に水を取り込む水取込通路と、前記気泡発生室に空気を取り込む空気取込通路と、前記気泡発生室の水内で回転可能な羽根車と、前記気泡発生室内で発生した気泡を前記気体室に供給する気泡供給通路とを有することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  15. 前記羽根車は、ボス部と、前記ボス部の外側に配置される複数の羽根とを有し、前記ボス部は、水平をなす軸部の一端が連結され、前記軸部は、駆動モータが接続されることを特徴とする請求項14に記載の船舶の摩擦低減装置。
  16. 前記羽根車は、前記ボス部から放射状に延出する複数の羽根と、前記複数の羽根の外側に配置される外輪を有することを特徴とする請求項15に記載の船舶の摩擦抵抗低減装置。
  17. 前記羽根車は、前記ボス部から径方向に延出される支持部材と、前記支持部材の外側に配置される外輪を有し、前記支持部材に前記複数の羽根が設けられることを特徴とする請求項15に記載の船舶の摩擦低減装置。
  18. 前記複数の羽根は、気泡の微細化を促進するための複数の孔が設けられていることを特徴する請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の船舶の摩擦抵抗低減装置。
  19. 前記気泡発生室は、喫水線より上方に配置されることを特徴とする請求項14から請求項18のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  20. 前記仕切壁の内面に前記気体室としての前記気泡発生室が配置され、前記仕切壁に前記水取込通路としての水取込開口が形成されると共に、前記仕切壁における前記水取込開口より前記船体の後方に前記気泡供給通路としての前記空気吹き出し口が形成されることを特徴とする請求項14から請求項19のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  21. 水取込開口と前記羽根車及び前記空気吹き出し口との間の水中に堰が設けられることを特徴とする請求項20に記載の船舶の摩擦低減装置。
  22. 前記気泡供給通路の前記空気吹き出し口は、気泡吹き出し方向の下方に向けて傾斜するように延出される第1ガイド板が設けられることを特徴とする請求項20または請求項21に記載の船舶の摩擦低減装置。
  23. 前記水取込通路の前記水取込開口は、前記船体の前方方向の下方に向けて傾斜するように延出される第2ガイド板を有することを特徴とする請求項20から請求項22のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  24. 船体の内部に設けられる気体室と、
    前記気体室に水を取り込む水取込通路と、
    前記気体室に空気を取り込む空気取込通路と、
    前記気体室の水内で回転可能な羽根車と、
    前記気体室内と前記船体の外方とを仕切る仕切壁と、
    前記仕切壁に設けられる空気吹き出し口と、
    を有することを特徴とする船舶の摩擦低減装置。
  25. 船体の内部に設けられて一端部が船首に開口して他端部が船底または船側に開口する水通路と、
    前記船体の内部に設けられる気体室と、
    前記気体室に空気を供給する空気供給装置と、
    前記気体室内と前記水通路とを仕切る仕切壁と、
    前記仕切壁に設けられた空気吹き出し口と、
    を有することを特徴とする船舶の摩擦低減装置。
  26. 前記水通路は、前記船首の開口部から前記空気吹き出し口の位置まで通路面積が縮小することを特徴とする請求項25に記載の船舶の摩擦低減装置。
  27. 前記空気吹き出し口から吹き出された空気を微細気泡とする気泡生成部材が設けられることを特徴とする請求項25または請求項26に記載の船舶の摩擦低減装置。
  28. 前記水通路における水流速を測定する速度センサと、前記水通路における前記船底または前記船側の開口部に開口面積を調整可能な開口量調整装置と、前記速度センサの測定結果に基づいて前記開口量調整装置を作動する制御装置とが設けられることを特徴とする請求項25から請求項27のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
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