JP2810642B2 - 小型滑走艇の抵抗抑制装置および抵抗抑制方法 - Google Patents
小型滑走艇の抵抗抑制装置および抵抗抑制方法Info
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- JP2810642B2 JP2810642B2 JP7267908A JP26790895A JP2810642B2 JP 2810642 B2 JP2810642 B2 JP 2810642B2 JP 7267908 A JP7267908 A JP 7267908A JP 26790895 A JP26790895 A JP 26790895A JP 2810642 B2 JP2810642 B2 JP 2810642B2
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T70/00—Maritime or waterways transport
- Y02T70/10—Measures concerning design or construction of watercraft hulls
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- Exhaust Silencers (AREA)
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船底の摩擦抵抗を
減少させて最大船速のアップや加速性能の向上を図るこ
とができるとともに、旋回時の横滑りを抑制できる小型
滑走艇の抵抗抑制装置および抵抗抑制方法に関する。
減少させて最大船速のアップや加速性能の向上を図るこ
とができるとともに、旋回時の横滑りを抑制できる小型
滑走艇の抵抗抑制装置および抵抗抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】パー
ソナルウオータークラフトのような小型滑走艇におい
て、摩擦抵抗を減少させて最大船速のアップや加速性能
の向上を図るため、種々の装置が開発されつつある。そ
の1つとして船底へ空気を導入する方式が考えられてい
る(実開平3−19796号参照)。
ソナルウオータークラフトのような小型滑走艇におい
て、摩擦抵抗を減少させて最大船速のアップや加速性能
の向上を図るため、種々の装置が開発されつつある。そ
の1つとして船底へ空気を導入する方式が考えられてい
る(実開平3−19796号参照)。
【0003】しかしながら、この方式では、放出される
空気により、旋回時にも船底の摩擦抵抗が減少するた
め、横滑りが生じやすい。
空気により、旋回時にも船底の摩擦抵抗が減少するた
め、横滑りが生じやすい。
【0004】本発明は上述のような実情に鑑みてなされ
たもので、簡単な構成により船底の摩擦抵抗を減少させ
て最大船速のアップや加速性能の向上を図ることができ
るとともに、旋回時の横滑りを抑制できる小型滑走艇の
抵抗抑制装置および抵抗抑制方法を提供することを目的
とする。
たもので、簡単な構成により船底の摩擦抵抗を減少させ
て最大船速のアップや加速性能の向上を図ることができ
るとともに、旋回時の横滑りを抑制できる小型滑走艇の
抵抗抑制装置および抵抗抑制方法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の一構成に係る小型滑走艇の抵抗抑制装置
は、船底における接水面を形成する部分に設けられて気
体を水中に放出する放出口と、気体を上記放出口に導く
放出ダクトと、上記放出ダクトを通過する気体の流量を
制御する制御弁と、操向装置と連動して作動し、操向装
置の回動量の増大に応じて上記制御弁の開度を小さくす
るよう駆動する弁駆動手段とを備えたものである。この
構成によれば、放出ダクトに取り込まれた気体が船底の
放出口から水中に放出されるので、放出される気体の層
が船底と外部水流との間に介在して、船底における摩擦
抵抗が減少する。また、操向装置の回動量が増大する旋
回時には、操向装置に連動する弁駆動手段が制御弁の開
度を小さくするので、放出気体による船底の摩擦抵抗の
減少が抑えられ、旋回時の横滑りを抑制することができ
る。
に、本発明の一構成に係る小型滑走艇の抵抗抑制装置
は、船底における接水面を形成する部分に設けられて気
体を水中に放出する放出口と、気体を上記放出口に導く
放出ダクトと、上記放出ダクトを通過する気体の流量を
制御する制御弁と、操向装置と連動して作動し、操向装
置の回動量の増大に応じて上記制御弁の開度を小さくす
るよう駆動する弁駆動手段とを備えたものである。この
構成によれば、放出ダクトに取り込まれた気体が船底の
放出口から水中に放出されるので、放出される気体の層
が船底と外部水流との間に介在して、船底における摩擦
抵抗が減少する。また、操向装置の回動量が増大する旋
回時には、操向装置に連動する弁駆動手段が制御弁の開
度を小さくするので、放出気体による船底の摩擦抵抗の
減少が抑えられ、旋回時の横滑りを抑制することができ
る。
【0006】ここで、上記弁駆動手段は、上記制御弁の
支持軸にねじりばねを介して回転連結されたロータと、
上記操向装置と連動して上記ロータを回転させる伝達手
段とを備えたものとしてもよい。これにより、伝達手
段、ロータおよびねじりばねを介して操向装置の回動が
制御弁の支持軸に伝えられ、制御弁の開度が小さくな
る。操向装置の回動量の範囲は、制御弁が全閉となる回
動量を越えても、それ以上の操向装置の回動量はねじり
ばねで吸収されるので、操向装置をわずかに回動させた
だけで、制御弁を全閉にすることができる。
支持軸にねじりばねを介して回転連結されたロータと、
上記操向装置と連動して上記ロータを回転させる伝達手
段とを備えたものとしてもよい。これにより、伝達手
段、ロータおよびねじりばねを介して操向装置の回動が
制御弁の支持軸に伝えられ、制御弁の開度が小さくな
る。操向装置の回動量の範囲は、制御弁が全閉となる回
動量を越えても、それ以上の操向装置の回動量はねじり
ばねで吸収されるので、操向装置をわずかに回動させた
だけで、制御弁を全閉にすることができる。
【0007】本発明の一構成に係る小型滑走艇の抵抗抑
制方法は、船底における接水面を形成する部分に放出口
を設け、この放出口から気体を水中に放出させる方法で
あって、操向装置の回動量の増大に応じて上記気体の放
出量を減少させるよう制御するものである。この構成に
よれば、船底の放出口から水中に気体を放出するので船
底における摩擦抵抗が減少し、操向装置の回動量が増大
する旋回時には、上記気体の放出量が減少するので、船
底における摩擦抵抗の減少が抑えられ、横滑りの抑制を
図ることができる。
制方法は、船底における接水面を形成する部分に放出口
を設け、この放出口から気体を水中に放出させる方法で
あって、操向装置の回動量の増大に応じて上記気体の放
出量を減少させるよう制御するものである。この構成に
よれば、船底の放出口から水中に気体を放出するので船
底における摩擦抵抗が減少し、操向装置の回動量が増大
する旋回時には、上記気体の放出量が減少するので、船
底における摩擦抵抗の減少が抑えられ、横滑りの抑制を
図ることができる。
【0008】上記構成の抵抗抑制装置または抵抗抑制方
法において、上記気体として、空気または船体推進用エ
ンジンの排ガスを利用できる。
法において、上記気体として、空気または船体推進用エ
ンジンの排ガスを利用できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態であ
る抵抗抑制装置を備えた小型滑走艇の側面図を示す。こ
の小型滑走艇の船体は上部のデッキ1と下部のハル2と
を、それぞれのフランジ部F同士で接合することにより
形成されている。デッキ1には操向ハンドル15が取り
付けられ、その後方にシート16が装着されている。船
尾部の船底には水ジェット推進機25が装着されてお
り、船内の推進用エンジン24により駆動されて船体を
推進させる。また、船底には、船体の前後方向に延びる
複数本のスプレーストリップ3が突出して形成されてい
る。
に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態であ
る抵抗抑制装置を備えた小型滑走艇の側面図を示す。こ
の小型滑走艇の船体は上部のデッキ1と下部のハル2と
を、それぞれのフランジ部F同士で接合することにより
形成されている。デッキ1には操向ハンドル15が取り
付けられ、その後方にシート16が装着されている。船
尾部の船底には水ジェット推進機25が装着されてお
り、船内の推進用エンジン24により駆動されて船体を
推進させる。また、船底には、船体の前後方向に延びる
複数本のスプレーストリップ3が突出して形成されてい
る。
【0010】図2の裏面図に示すように、前記船底の、
走行時に接水面となる領域Rの一部、例えば船底に設け
られた水ジェット推進機25の水吸込口26の左右両側
方には、空気を水中に放出する放出口4がそれぞれ設け
られている。船体内には、図1に示すように、例えばデ
ッキ1の前面の両側方で前方へ開口する吸込口33aか
ら、船体走行時のラム圧を利用して船体外部の空気を取
り込みエンジン室23に導くラムエアダクト33が設け
られるとともに、エンジン室23内に放出ダクト5が設
けられ、この放出ダクト5でエンジン室23内の空気を
吸引して、船底に設けた上記放出口4に導くようになっ
ている。上記ラムエアダクト33の導出口33bは、エ
ンジン24におけるキャブレター24aに近接した位置
に配置され、ラムエアダクト33で取り込まれた船体外
部の空気が直接、キャブレター24aに当たるようにさ
れている。これにより、キャブレター24aに外部の新
鮮な空気が供給されるので、エンジン出力が向上する。
走行時に接水面となる領域Rの一部、例えば船底に設け
られた水ジェット推進機25の水吸込口26の左右両側
方には、空気を水中に放出する放出口4がそれぞれ設け
られている。船体内には、図1に示すように、例えばデ
ッキ1の前面の両側方で前方へ開口する吸込口33aか
ら、船体走行時のラム圧を利用して船体外部の空気を取
り込みエンジン室23に導くラムエアダクト33が設け
られるとともに、エンジン室23内に放出ダクト5が設
けられ、この放出ダクト5でエンジン室23内の空気を
吸引して、船底に設けた上記放出口4に導くようになっ
ている。上記ラムエアダクト33の導出口33bは、エ
ンジン24におけるキャブレター24aに近接した位置
に配置され、ラムエアダクト33で取り込まれた船体外
部の空気が直接、キャブレター24aに当たるようにさ
れている。これにより、キャブレター24aに外部の新
鮮な空気が供給されるので、エンジン出力が向上する。
【0011】また、水中への上記放出口4の位置と、放
出ダクト5の吸込口5aの位置とは、図3(A)に示す
ように、中心線CLを境にして互いに逆の側方に変位さ
せてある。これにより、後述するように、船体1が横に
大きく傾いても、放出ダクト5を通って水が船内に侵入
しないようにしてある。
出ダクト5の吸込口5aの位置とは、図3(A)に示す
ように、中心線CLを境にして互いに逆の側方に変位さ
せてある。これにより、後述するように、船体1が横に
大きく傾いても、放出ダクト5を通って水が船内に侵入
しないようにしてある。
【0012】上記放出ダクト5の下端から放出口4まで
の放出経路は、図4(A)に示すように、船底壁8に一
体形成されて船底に開口する導出ダクト6と、放出口4
を有するカバー7とで構成されている。すなわち、上記
導出ダクト6は、上記放出ダクト5に連結されるダクト
部6aと下端開口部6bとを有し、その下端開口部6b
にビス10でカバー7が着脱可能に取り付けられる。ビ
ス10によるカバー7の取付けは、ビス10をカバー7
のビス挿通孔31(図4(B))に挿通させ、放出ダク
ト5における下端開口部6bの周縁に埋込まれたナット
32にねじ込むことにより行われる。
の放出経路は、図4(A)に示すように、船底壁8に一
体形成されて船底に開口する導出ダクト6と、放出口4
を有するカバー7とで構成されている。すなわち、上記
導出ダクト6は、上記放出ダクト5に連結されるダクト
部6aと下端開口部6bとを有し、その下端開口部6b
にビス10でカバー7が着脱可能に取り付けられる。ビ
ス10によるカバー7の取付けは、ビス10をカバー7
のビス挿通孔31(図4(B))に挿通させ、放出ダク
ト5における下端開口部6bの周縁に埋込まれたナット
32にねじ込むことにより行われる。
【0013】このように、導出ダクト6を船底壁8に一
体形成することにより、放出口4の設置部分での水密処
理が行われる。さらに、前記導出ダクト6のダクト部6
aは、船体静止時(乗員搭乗状態)の吃水WLよりも上
方に延ばされており、放出ダクト5との連結部から船内
に水が侵入しないようにしてある。また、前記カバー7
は容易に取外しできるので、放出口4内の砂詰まりなど
の処理を行うことができるとともに、船底の断面形状に
合わせてカバー7を自在に交換設定できる。
体形成することにより、放出口4の設置部分での水密処
理が行われる。さらに、前記導出ダクト6のダクト部6
aは、船体静止時(乗員搭乗状態)の吃水WLよりも上
方に延ばされており、放出ダクト5との連結部から船内
に水が侵入しないようにしてある。また、前記カバー7
は容易に取外しできるので、放出口4内の砂詰まりなど
の処理を行うことができるとともに、船底の断面形状に
合わせてカバー7を自在に交換設定できる。
【0014】前記カバー7における放出口4の外部水流
Wの上流側縁部4aは、放出口4に外部水流Wの増速に
伴う負圧領域を形成するよう、船底壁8よりも若干下方
へ進出させてある。また、放出口4の外部水流下流側縁
部4bは、外部水流Wの剥離に伴う負圧領域を形成する
よう、船底壁8よりも若干上方へ変位させてある。これ
により、放出口4は船底から後方または斜め後方へ向か
って開口することになり、導出ダクト6から船底下方に
向けて導かれた空気が、偏向されて(偏向角θ=60〜
120°)、放出口4から後方または斜め後方へ向けて
放出される。このため、船尾が上がらない姿勢で走行が
可能となる。上記偏向角θは、120度を越えると空気
が放出口4から後方へ円滑に放出されにくくなるので好
ましくなく、60度未満では、船尾が上がった走行姿勢
となり、好ましくない。
Wの上流側縁部4aは、放出口4に外部水流Wの増速に
伴う負圧領域を形成するよう、船底壁8よりも若干下方
へ進出させてある。また、放出口4の外部水流下流側縁
部4bは、外部水流Wの剥離に伴う負圧領域を形成する
よう、船底壁8よりも若干上方へ変位させてある。これ
により、放出口4は船底から後方または斜め後方へ向か
って開口することになり、導出ダクト6から船底下方に
向けて導かれた空気が、偏向されて(偏向角θ=60〜
120°)、放出口4から後方または斜め後方へ向けて
放出される。このため、船尾が上がらない姿勢で走行が
可能となる。上記偏向角θは、120度を越えると空気
が放出口4から後方へ円滑に放出されにくくなるので好
ましくなく、60度未満では、船尾が上がった走行姿勢
となり、好ましくない。
【0015】また、放出口4の外部水流上流側縁部4a
および外部水流下流側縁部4bの作用により、放出口4
の部分に負圧領域ができるので、放出口4自身が導出ダ
クト6からの空気を吸引して水中に放出する機能も担う
ことになり、放出効果がより大きくなる。
および外部水流下流側縁部4bの作用により、放出口4
の部分に負圧領域ができるので、放出口4自身が導出ダ
クト6からの空気を吸引して水中に放出する機能も担う
ことになり、放出効果がより大きくなる。
【0016】図1に示した放出ダクト5の途中には、そ
の放出ダクト5を通過する空気の流量を制御するバタフ
ライ弁からなる制御弁59が設けられ、この制御弁59
の開度調整は弁駆動手段60によって行われる。上記制
御弁59は、図5(B)に示すように、放出ダクト5
に、その軸心に対して直交する方向に貫通させて回転自
在に取り付けた支持軸59aと、この支持軸59aに固
定されて回転し、放出ダクト5内の通路面積を増減させ
る円板状の弁体59bとで構成される。
の放出ダクト5を通過する空気の流量を制御するバタフ
ライ弁からなる制御弁59が設けられ、この制御弁59
の開度調整は弁駆動手段60によって行われる。上記制
御弁59は、図5(B)に示すように、放出ダクト5
に、その軸心に対して直交する方向に貫通させて回転自
在に取り付けた支持軸59aと、この支持軸59aに固
定されて回転し、放出ダクト5内の通路面積を増減させ
る円板状の弁体59bとで構成される。
【0017】上記弁駆動手段60は、図1に示す操向装
置58と連動して作動し、操向装置58の回動量の増大
に応じて上記制御弁59の開度を小さくするよう駆動す
るものであり、図5(A),(B)に示すように、上記
制御弁59の支持軸59aにねじりばね61を介して回
転連結された従動側ロータ62と、上記操向装置58と
連動して上記従動側ロータ62を回転させる伝達手段6
3とで構成される。
置58と連動して作動し、操向装置58の回動量の増大
に応じて上記制御弁59の開度を小さくするよう駆動す
るものであり、図5(A),(B)に示すように、上記
制御弁59の支持軸59aにねじりばね61を介して回
転連結された従動側ロータ62と、上記操向装置58と
連動して上記従動側ロータ62を回転させる伝達手段6
3とで構成される。
【0018】また、上記伝達手段63は、図5(A)に
示すように、上記操向装置58のハンドル軸58aに固
定された駆動側ロータ64と、この駆動側ロータ64と
上記従動側ロータ62とを連結するワイヤー65などか
らなる。なお、上記伝達手段63は左右1対の放出ダク
ト5の制御弁59に対応させて1対用意されており、対
応する1対の駆動側ロータ64が、図1のように操向装
置58のハンドル軸58aに対して、上下2段に連結さ
れている。
示すように、上記操向装置58のハンドル軸58aに固
定された駆動側ロータ64と、この駆動側ロータ64と
上記従動側ロータ62とを連結するワイヤー65などか
らなる。なお、上記伝達手段63は左右1対の放出ダク
ト5の制御弁59に対応させて1対用意されており、対
応する1対の駆動側ロータ64が、図1のように操向装
置58のハンドル軸58aに対して、上下2段に連結さ
れている。
【0019】また、図5(D)のように、上記制御弁5
9の支持軸59aと、従動側ロータ62の軸62aと
は、回転連結軸66を介して相対回転自在に連結されて
おり、従動側ロータ62の回動力は、ねじりばね61を
介して制御弁59の支持軸59aに伝達される。従動側
ロータ62に、制御弁59が放出ダクト5を全閉する以
上の回動量が、伝達手段63を介して操向装置58から
伝達されても、制御弁59を全閉する回動量を越えた従
動側ロータ62の回動は、上記ねじりばね61によって
吸収される。したがって、操向装置58の回動量の全範
囲のうち、僅かな範囲を回動させただけで、ただちに制
御弁59を全開させることができる。
9の支持軸59aと、従動側ロータ62の軸62aと
は、回転連結軸66を介して相対回転自在に連結されて
おり、従動側ロータ62の回動力は、ねじりばね61を
介して制御弁59の支持軸59aに伝達される。従動側
ロータ62に、制御弁59が放出ダクト5を全閉する以
上の回動量が、伝達手段63を介して操向装置58から
伝達されても、制御弁59を全閉する回動量を越えた従
動側ロータ62の回動は、上記ねじりばね61によって
吸収される。したがって、操向装置58の回動量の全範
囲のうち、僅かな範囲を回動させただけで、ただちに制
御弁59を全開させることができる。
【0020】前記構成において、ラムエアダクト33に
よりラム圧を利用して船体外部の空気がエンジン室23
内に取り込まれるので、エンジン室23内の換気が効果
的に行われる。これにより、エンジン24の出力がアッ
プする。一方、エンジン室23内の空気は放出ダクト5
に導かれて船底の放出口4から後方または斜め後方に向
けて水中に放出されるので、船底と外部水流Wとの間に
介在する放出空気により、船底での摩擦抵抗を抑制する
ことができる。したがって、最大船速のアップや加速性
能の向上を図ることができる。また、船底にできる空気
領域は、速度、姿勢、旋回に応じて自動的に変形するの
で、空気領域を理想的な形状に保つことができる。
よりラム圧を利用して船体外部の空気がエンジン室23
内に取り込まれるので、エンジン室23内の換気が効果
的に行われる。これにより、エンジン24の出力がアッ
プする。一方、エンジン室23内の空気は放出ダクト5
に導かれて船底の放出口4から後方または斜め後方に向
けて水中に放出されるので、船底と外部水流Wとの間に
介在する放出空気により、船底での摩擦抵抗を抑制する
ことができる。したがって、最大船速のアップや加速性
能の向上を図ることができる。また、船底にできる空気
領域は、速度、姿勢、旋回に応じて自動的に変形するの
で、空気領域を理想的な形状に保つことができる。
【0021】また、図3(A)に示したように、放出口
4の位置と、放出ダクト5の吸込口5aの位置とが中心
線CLを境にして互いに逆の側方に変位させてあるの
で、図3(B)に示すように、船体が傾いて一方の放出
ダクト5Aの吸込口5Aaが吃水WLより低くなって
も、放出口4Aは吃水WLより高くなり、放出ダクト5
Aからエンジン室23内に水が侵入することはない。こ
のとき、他方の放出ダクト5Bの放出口4B5吃水WL
よりも低くなるが、その吸込口5Baは吃水WLより高
くなるので、放出ダクト5B内の水が吸込口5Baから
エンジン室23内に侵入することもない。
4の位置と、放出ダクト5の吸込口5aの位置とが中心
線CLを境にして互いに逆の側方に変位させてあるの
で、図3(B)に示すように、船体が傾いて一方の放出
ダクト5Aの吸込口5Aaが吃水WLより低くなって
も、放出口4Aは吃水WLより高くなり、放出ダクト5
Aからエンジン室23内に水が侵入することはない。こ
のとき、他方の放出ダクト5Bの放出口4B5吃水WL
よりも低くなるが、その吸込口5Baは吃水WLより高
くなるので、放出ダクト5B内の水が吸込口5Baから
エンジン室23内に侵入することもない。
【0022】また、旋回時には、操向装置58の回動量
の増大に応じて、弁駆動手段60が制御弁59の開度を
図5(C)に鎖線で示すように小さくするよう駆動する
ので、放出口4から水中へ放出される空気の放出量が制
限され、放出空気による船底の摩擦抵抗の減少が抑制さ
れる。これにより、旋回時に船体が横滑りするのを抑制
することができる。
の増大に応じて、弁駆動手段60が制御弁59の開度を
図5(C)に鎖線で示すように小さくするよう駆動する
ので、放出口4から水中へ放出される空気の放出量が制
限され、放出空気による船底の摩擦抵抗の減少が抑制さ
れる。これにより、旋回時に船体が横滑りするのを抑制
することができる。
【0023】なお、上記実施形態では、エンジン室23
内の空気を放出口4から放出させる場合を示したが、ラ
ムエアダクト33の下流端を延長して放出ダクト5に接
続し、ラムエアダクト33から取り込まれる船外空気
を、直接、放出ダクト5に導入して放出口4から放出さ
せるようにしてもよい。また、エンジン24の排ガスを
放出ダクト5に導入して放出口4から水中に放出するよ
うにしてもよい。さらには、図1に鎖線で示すように放
出ダクト5の吸込口5aを、例えばデッキ1のシート台
1aの側部に開口させ、船体外部の空気を放出ダクト5
に導入して放出口4から水中に放出するようにしてもよ
い。
内の空気を放出口4から放出させる場合を示したが、ラ
ムエアダクト33の下流端を延長して放出ダクト5に接
続し、ラムエアダクト33から取り込まれる船外空気
を、直接、放出ダクト5に導入して放出口4から放出さ
せるようにしてもよい。また、エンジン24の排ガスを
放出ダクト5に導入して放出口4から水中に放出するよ
うにしてもよい。さらには、図1に鎖線で示すように放
出ダクト5の吸込口5aを、例えばデッキ1のシート台
1aの側部に開口させ、船体外部の空気を放出ダクト5
に導入して放出口4から水中に放出するようにしてもよ
い。
【0024】また、上記実施形態における放出口4の位
置として、例えば、図2に示した船底中心寄りのスプレ
ーストリップ3の終端3aの後方を選んでもよく、この
場合には、スプレーストリップ3の終端3aの後方に生
じる負圧を、放出口4から放出する気体で減少させて圧
力抵抗を減少させることができ、摩擦抵抗の減少と併せ
て、効果的に最大船速のアップや加速性能の向上を図る
ことができる。勿論、船底外側寄りのスプレーストリッ
プ3の終端が船尾STよりも前方に位置している場合、
このスプレーストリップ3の後端の後方に放出口を設け
ても、同様な効果が得られる。
置として、例えば、図2に示した船底中心寄りのスプレ
ーストリップ3の終端3aの後方を選んでもよく、この
場合には、スプレーストリップ3の終端3aの後方に生
じる負圧を、放出口4から放出する気体で減少させて圧
力抵抗を減少させることができ、摩擦抵抗の減少と併せ
て、効果的に最大船速のアップや加速性能の向上を図る
ことができる。勿論、船底外側寄りのスプレーストリッ
プ3の終端が船尾STよりも前方に位置している場合、
このスプレーストリップ3の後端の後方に放出口を設け
ても、同様な効果が得られる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明の一構成に係る小
型滑走艇の抵抗抑制装置または抵抗抑制方法によれば、
船底の放出口から気体を水中に放出させるとともに、操
向装置の回動量の増大に応じて上記気体の放出量を減少
させるよう制御するようにしたため、直進時には船底の
放出口から水中に気体を放出することによって船底にお
ける摩擦抵抗を減少させて最大船速のアップや加速性能
の向上を達成できる一方で、操向装置を回動させる旋回
時には、上記気体の放出量が減少するので、船底におけ
る摩擦抵抗の減少が抑えられて横滑りの抑制を図ること
ができる。
型滑走艇の抵抗抑制装置または抵抗抑制方法によれば、
船底の放出口から気体を水中に放出させるとともに、操
向装置の回動量の増大に応じて上記気体の放出量を減少
させるよう制御するようにしたため、直進時には船底の
放出口から水中に気体を放出することによって船底にお
ける摩擦抵抗を減少させて最大船速のアップや加速性能
の向上を達成できる一方で、操向装置を回動させる旋回
時には、上記気体の放出量が減少するので、船底におけ
る摩擦抵抗の減少が抑えられて横滑りの抑制を図ること
ができる。
【図1】本発明の一実施形態に係る抵抗抑制装置を備え
た小型滑走艇の側面図である。
た小型滑走艇の側面図である。
【図2】同小型滑走艇の裏面図である。
【図3】(A)は同小型滑走艇の横断面図、(B)はそ
の傾斜状態を示す横断面図である。
の傾斜状態を示す横断面図である。
【図4】(A)は同小型滑走艇における放出口部分の縦
断面図、(B)は放出口を設けたカバーの斜視図であ
る。
断面図、(B)は放出口を設けたカバーの斜視図であ
る。
【図5】(A)は同小型滑走艇における弁駆動手段の平
面図、(B)は制御弁の正面図、(C)は制御弁の側面
図、(D)は制御弁と従動側ロータとの連結構造を示す
部分破断正面図である。
面図、(B)は制御弁の正面図、(C)は制御弁の側面
図、(D)は制御弁と従動側ロータとの連結構造を示す
部分破断正面図である。
4…放出口、5…放出ダクト、58…操向装置、59…
制御弁、59a…支持軸、60…弁駆動手段、61…ね
じりばね、62…従動側ロータ、63…伝達手段。
制御弁、59a…支持軸、60…弁駆動手段、61…ね
じりばね、62…従動側ロータ、63…伝達手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63B 1/38
Claims (5)
- 【請求項1】 船底における接水面を形成する部分に設
けられて気体を水中に放出する放出口と、 気体を上記放出口に導く放出ダクトと、 上記放出ダクトを通過する気体の流量を制御する制御弁
と、 操向装置と連動して作動し、操向装置の回動量の増大に
応じて上記制御弁の開度を小さくするよう駆動する弁駆
動手段とを備えた小型滑走艇の抵抗抑制装置。 - 【請求項2】 請求項1において、上記弁駆動手段は、
上記制御弁の支持軸にねじりばねを介して回転連結され
たロータと、上記操向装置と連動して上記ロータを回転
させる伝達手段とを備えている小型滑走艇の抵抗抑制装
置。 - 【請求項3】 請求項1または2において、上記気体は
空気または船体推進用エンジンの排ガスである小型滑走
艇の抵抗抑制装置。 - 【請求項4】 船底における接水面を形成する部分に放
出口を設け、この放出口から気体を水中に放出させる方
法であって、操向装置の回動量の増大に応じて上記気体
の放出量を減少させるよう制御する小型滑走艇の抵抗抑
制方法。 - 【請求項5】 請求項4において、上記気体として、空
気または船体推進用エンジンの排ガスを用いる小型滑走
艇の抵抗抑制方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7267908A JP2810642B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 小型滑走艇の抵抗抑制装置および抵抗抑制方法 |
US08/707,702 US5787829A (en) | 1995-09-05 | 1996-09-04 | Apparatus and method for suppressing drag for small planing watercraft |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7267908A JP2810642B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 小型滑走艇の抵抗抑制装置および抵抗抑制方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0986484A JPH0986484A (ja) | 1997-03-31 |
JP2810642B2 true JP2810642B2 (ja) | 1998-10-15 |
Family
ID=17451296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7267908A Expired - Fee Related JP2810642B2 (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-20 | 小型滑走艇の抵抗抑制装置および抵抗抑制方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2810642B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6133805B2 (ja) * | 2014-02-28 | 2017-05-24 | 三菱重工業株式会社 | 船舶の摩擦低減装置 |
JP2015200195A (ja) * | 2014-04-04 | 2015-11-12 | 株式会社マキタ | 作業機 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0513895U (ja) * | 1991-08-05 | 1993-02-23 | 修 井上 | 船舶の航行抵抗低減機構 |
-
1995
- 1995-09-20 JP JP7267908A patent/JP2810642B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0986484A (ja) | 1997-03-31 |
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