JP2015163066A - 高甘味度甘味料の味質改善剤及び味質改善方法 - Google Patents

高甘味度甘味料の味質改善剤及び味質改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高甘味度甘味料の甘味の後引き感を改善し、苦味や雑味も低減し、さらにボディー感を付与する、高甘味度甘味料の味質改善剤、及び高甘味度甘味料の味質改善方法を提供する。
【解決手段】高甘味度甘味料にアドバンテームを共存させることで、甘味の後引き感を改善し、苦味や雑味を低減し、ボディー感を付与するなどの高甘味度甘味料の味質改善が図れる。
【選択図】なし

Description

本発明は、高甘味度甘味料の味質改善剤、及び味質改善方法に関する。
より詳細には、アドバンテームを有効成分として含有する高甘味度甘味料の味質改善剤、及び高甘味度甘味料にアドバンテームを共存させる高甘味度甘味料の味質改善方法に関する。
従来、飲食品、医薬品等の経口組成物に用いる甘味料として、砂糖(ショ糖)が、良質な甘味とボディー感(コク)を有し、保湿性、粘度の付与等の特性も優れていることから、広く利用されている。
しかし、ショ糖は良質な甘味とボディー感(コク)を有するものの、肥満や虫歯の原因となり、最近の健康志向や低カロリー志向からも敬遠されるようになってきている。
特に、飲料や菓子などの嗜好品においては、低カロリー化が進んでおり、これらについて、ショ糖と同等の良質な甘味を有し、かつ、低カロリー化できる甘味料が望まれている。
このような要望に応えるショ糖に代わる甘味料として、いわゆる高甘味度甘味料があり、これらはショ糖より強い甘味を有するため、少ない使用量で甘味を付与することができる低カロリー甘味料としての特徴を併せ持っている。
しかし、高甘味度甘味料は、ショ糖と同等の良質な甘味やボディー感(コク)を有しているものが少なく、独特の苦味、渋味、雑味などを有している、甘味の立ち上がりが遅れる、甘味が後を引く等といった欠点を持ち、甘味の質量感(ボディー感)が不足し、希薄で厚みのない甘味であるものが多い。
その中でも、スクラロースは、それらの欠点の少ない、砂糖に近い甘味質を有する高甘味度甘味料である。また、スクラロースは甘味質が優れているだけでなく、レトルト殺菌やUHT殺菌のような食品の加熱殺菌工程中でも安定であり、長期保存や缶コーヒー等の保温販売などにおける保存安定性にきわめて優れていることにより、加工食品の甘味付与に最も優れた甘味料の一種であり、広く用いられている。
しかしながら、スクラロースの味質においても、甘味の後引き感があり、若干の苦味も有しており、さらにボディー感(コク)にも欠けるところがあり、それらの改善が求められている。
スクラロースなどの高甘味度甘味料の味質を改善する方法として、種々の提案がされている。
例えば、特許文献1では、スクラロースなどの高甘味度甘味料に、香料として利用されているピロリジンやピペリジンを添加して、高甘味度甘味料の甘味の後引き感を改善し、苦味や渋味を低減し、ボディー感(コク)を増強する方法が開示されている。
また、スクラロースなどの高甘味度甘味料の甘味の後引き感を改善し、苦味などを軽減し、さらにボディー感を付与する方法として、セロオリゴ糖(特許文献2)、モルトエキス(特許文献3)、馬鈴薯由来でDEが2以上5未満であるデキストリン(特許文献4)、グルタミン酸のアンモニウム塩、マグネシウム塩又はカリウム塩などを使用する方法も提案されている(特許文献5)。
一方、N−[N−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル(以下、その一水和物を「アドバンテーム」という)は、特許文献6の表1において、化合物番号1で示されるもので、スクラロースなどと同じ高甘味度甘味料であって、スクラロースの50倍程度、ショ糖の30,000倍の甘味を有するものである。
特許文献7には、アドバンテームなどのアスパルチルジペプチドエステル誘導体と、他の高甘味度甘味料とを含有する当該誘導体の甘味質が改善された高甘味度甘味料組成物が記載され、当該誘導体の先味を強め、後味を弱めて味質を改善するために、アスパルテームやスクラロースなどの他の高甘味度甘味料を用いることが記載されている。
しかしながら、これらの特許文献のいずれにも、高甘味度甘味料にアドバンテームを共存させることで、スクラロースなどの高甘味度甘味料の味質が改善できることは、記載も示唆もされていない。
特開2013−74826号公報 特開2002−223721号公報 特開2010−246474号公報 特開平2012−130336号公報 特開平2013−31435号公報 特許第3959964号公報 WO01/025262号公報
上記の特許文献1〜5に記載の方法では、スクラロースなどの高甘味度甘味料の味質改善、特に甘味の後引き感を改善することや、苦味や雑味などを十分に低減することができず、また、ボディー感も十分に付与できないため、必ずしも好ましいものではなかった。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、スクラロースなどの高甘味度甘味料にアドバンテームを共存させることにより、高甘味度甘味料の味質、特に甘味の後引き感が改善され、苦味や雑味なども軽減され、さらにボディー感も付与できることを見出した。
本発明は下記に掲げる高甘味度甘味料の味質改善剤に関するものである。
項1.アドバンテームを有効成分として含有することを特徴とする、高甘味度甘味料の味質改善剤。
項2.高甘味度甘味料が、スクラロース、ラカンカ抽出物、アスパルテーム又はアセスルファムカリウムである、項1記載の高甘味度甘味料の味質改善剤。
項3.味質改善が、甘味の後引き感の改善、苦味又は雑味の低減、又はボディー感の付与である、項1又は2記載の高甘味度甘味料の味質改善剤。
項4.さらに、高甘味度甘味料を含有する、項1記載の高甘味度甘味料の味質改善剤。
項5.高甘味度甘味料1質量部に対して、アドバンテームを1×10−5〜2×10−3質量部含有する、項4記載の高甘味度甘味料の味質改善剤。
さらに、本発明は下記に掲げる高甘味度甘味料の味質改善方法に関するものである。
項6.高甘味度甘味料にアドバンテームを共存させることを特徴とする、高甘味度甘味料の味質改善方法。
項7.高甘味度甘味料1質量部に対して、アドバンテームを1×10−5〜2×10−3質量部共存させる、項6記載の高甘味度甘味料の味質改善方法。
項8.高甘味度甘味料が、スクラロース、ラカンカ抽出物、アスパルテーム又はアセスルファムカリウムである、項6又は7記載の高甘味度甘味料の味質改善方法。
項9.味質改善が、甘味の後引き感の改善、苦味又は雑味の低減、又はボディー感の付与である、項6〜8記載の高甘味度甘味料の味質改善方法。
従来、スクラロースなどの高甘味度甘味料においては、甘味の後引き感や、苦味や雑味などが感じられ、さらにボディー感にも欠けるという問題点があったが、高甘味度甘味料にアドバンテームを共存させることにより、これらの点が改善されて、高甘味度甘味料の甘味の後引き感が改善され、苦味や雑味なども低減され、さらにボディー感も付与される。
本発明は、アドバンテームを有効成分として含有することを特徴とする、高甘味度甘味料の味質改善剤、及び、高甘味度甘味料にアドバンテームを共存させることを特徴とする、高甘味度甘味料の味質の改善方法に関するものである。
本発明により改善される高甘味度甘味料の味質としては、高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善、苦味や雑味の低減や、高甘味度甘味料へのボディー感の付与が挙げられる。
本発明に使用されるアドバンテーム(N−[N−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステルの一水和物)は、ショ糖の30,000倍の甘味を有する高甘味度甘味料であり、味の素株式会社で開発されたもので、EUやアメリカなどでも最近甘味料として認可されており、日本においても最近食品添加物として指定され、使用が認可されたものである。
アドバンテームは、前記特許文献6の実施例1の製法に従って、製造することもできる。
特許文献7には、アドバンテームなどのアスパルチルジペプチドエステル誘導体が、甘味の発現が遅く、他の甘味料に比べても、特に甘味が持続して後引き感の強い甘味料であることが示されている。
本発明の味質改善の対象となる高甘味度甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア抽出物、ソーマチン、グリチルリチン、ネオテーム、ラカンカ(羅漢果)抽出物、サッカリン、サッカリンナトリウムなどを例示することができるが、スクラロース、ラカンカ抽出物、アスパルテーム及びアセスルファムカリウムがその対象として好ましく、スクラロースがその対象として特に好ましい。
なお、アドバンテームも高甘味度甘味料であるが、本願では、アドバンテームは上記の高甘味度甘味料の味質を改善する有効成分として、それ自体は味質改善の対象となる高甘味度甘味料には含めない。
スクラロースは、1−α−D−ガラクトピラノシル−2−β−D−フルクトフラノシド分子(D−ガラクトースとD−フルクトースとが還元基どうしで互いにグリコシド結合した非還元性二糖分子)内のフルクトース残基の1、6位およびガラクトース残基の4位の三つの水酸基が塩素分子で置換された構造の高甘味度甘味料で、砂糖の約600倍の甘味を有する。
スクラロースは、商業的に入手することができ、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスイートSU−100等を挙げることができる。
ラカンカ抽出物は、中国南部の高冷地で栽培されている「学名:Siraitia grosvenorii C.Jeffrey ex A.M.Lu & Zhi Y.Zhang(Momordica grosvenori Swingle)」というウリ科の果実の生又は乾燥したものから、水、メタノール、エタノールなどで抽出されるもので、モグロシドVを甘味の主成分(ショ糖の約300倍の甘味を有する)として含有するものである。
ラカンカ抽出物は、例えば、FD羅漢果濃縮エキスパウダー(三栄源エフ・エフ・アイ社製、モグロシドV15%及び7%含有品)などの市販品や、同社のモグロシドV50%含有品を使用することができる。
アスパルテームは、フェニルアラニンとアスパラギン酸がペプチド結合した構造を持つジペプチドであり、L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルという化学名を有し、ショ糖の約200倍の甘味度を有するものである。
アセスルファムカリウムは、6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4(3H)−オン−2,2−ジオキシドカリウムという化学名を有し、ショ糖の約200倍の甘味度を有するものである。
高甘味度甘味料の味質を改善するために高甘味度甘味料に共存させるアドバンテームの割合は、高甘味度甘味料1質量部に対して、アドバンテームを1×10−5〜2×10−3質量部、好ましくは、5×10−5〜2×10−3質量部、さらに好ましくは、1×10−4〜1.5×10−3質量部である。
高甘味度甘味料1質量部に対して、共存させるアドバンテームの量が1×10−5質量部より少ないと、高甘味度甘味料の甘味の後引き感を改善する効果や、苦味や雑味などを低減する効果が十分ではなく、ボディー感の付与も不十分であり、逆に2×10−3質量部より多いと、アドバンテームの後に残る甘味が強まり、味質改善の対象となる高甘味度甘味料自体のバランスの取れた本来の味質が損なわれるので、いずれも好ましくない。
出願人が男女8名による極限法で甘味閾値評価を行ったところ、水溶液において、アドバンテームの甘味の閾値(甘味を感じる最小量)は約0.2ppm であった。
スクラロースなどの高甘味度甘味料は、飲食品などでは通常1〜200ppm使用されることが多く、アドバンテームはその甘味の閾値以下の濃度で使用しても、高甘味度甘味料の味質を改善することができる。
本発明の高甘味度甘味料の味質改善方法においては、飲食品に高甘味度甘味料とアドバンテームを配合する時期や順序には特に制限はなく、飲食品中に高甘味度甘味料とアドバンテームが共存しておれば良い。
高甘味度甘味料にアドバンテームを共存させる例として、後記するようなアドバンテームと高甘味度甘味料とを一剤化して甘味料組成物とし、同一の飲食品中に高甘味度甘味料とアドバンテームが配合される場合や、同一の飲食品中に高甘味度甘味料とアドバンテームがそれぞれ別個に添加される場合だけでなく、必ずしも同一の飲食品中に高甘味度甘味料とアドバンテームが配合されずに異なる飲食品にそれぞれ別々に配合される場合であっても、食する時点において高甘味度甘味料とアドバンテームが共存していれば、高甘味度甘味料の味質改善効果を奏することができる。
この例としては、スクラロースなどの高甘味度甘味料を含有するヨーグルトに、別途アドバンテームを含有するソースをかけ、混ぜ合わせて食する場合などが挙げられる。
本発明の高甘味度甘味料の味質改善剤は、有効成分としてアドバンテームを含有しておれば良く、さらにこの味質改善剤には、本発明の効果を阻害しない限度において、香料、色素、酸化防止剤、保存料、ビタミン類、カルシウム類、ミネラル類などの食品添加物類を含むことができる。
この味質改善剤によれば、高甘味度甘味料本来の味質を維持しながら、甘味の後引き感を改善し、苦味や雑味などを低減し、さらにボディー感を付与して、高甘味度甘味料の味質を改善することができる。
また、本発明の高甘味度甘味料の味質改善剤を、アドバンテームと高甘味度甘味料とを一剤化して甘味料組成物とする場合は、上記の高甘味度甘味料を、高甘味度甘味料1質量部に対して、アドバンテームが1×10−5〜2×10−3質量部、好ましくは、5×10−5〜2×10−3質量部、さらに好ましくは、1×10−4〜1.5×10−3質量部となるように含有することができる。
この甘味料組成物は、高甘味度甘味料とアドバンテームが上記割合で含有されていればよく、粉末状、顆粒状、固形状、液状といった剤型を問わず、また、一剤であるか二剤であるかも問わない。
この甘味料組成物は、高甘味度甘味料とアドバンテームを粉体混合したものでもよく、また高甘味度甘味料の溶液をアドバンテームの粉末に噴霧したものでもよく、逆に高甘味度甘味料の粉末にアドバンテームの溶液を噴霧して得られたものでもよい。
また、高甘味度甘味料の溶液とアドバンテームの溶液とを混合した後、乾燥させて得られたものでもよい。
乾燥の方法にも特に制限はなく、スプレードライ、凍結乾燥など種々の方法を使用できる。
本発明の高甘味度甘味料の味質改善剤、及び高甘味度甘味料の味質改善方法が適用される経口組成物は、経口摂取される製品(可食製品)並びに口腔内利用される製品であり、例えば、飲食品やシロップ剤等の医薬品、口内清涼剤、うがい剤、歯磨き等の医薬部外品を挙げることができる。
本発明の対象となる飲食品としては、特に制限はされないが、好適には、柑橘果汁や野菜果汁等を含む果実飲料又は野菜ジュース、コーラやジンジャエール又はサイダー等の炭酸飲料、スポーツドリンク、ニアウォーター等の清涼飲料水、コーヒー、紅茶や抹茶等の茶系飲料、ココアや乳酸菌飲料等の乳飲料などの飲料一般;ヨーグルト、ゼリー、プディング及びムース等のデザート類;ケーキ、クラッカー、ビスケット、パイや饅頭等の洋菓子及び和菓子を含む焼菓子や蒸菓子、打錠菓子等の菓子類;米菓やスナック類;アイスクリームやシャーベット等の冷菓並びに氷菓;チューインガム、ハードキャンディ、ヌガーキャンデー、ゼリー等を含む糖菓一般;果実フレーバーソースやチョコレートソースを含むソース類;バタークリーム、フラワーペーストやホイップクリーム等のクリーム類;イチゴジャムやマーマレード等のジャム;菓子パン等を含むパン;焼き肉、焼き鳥、鰻蒲焼き等に用いられるタレ、トマトケチャップ、ソース、麺つゆ等の調味料一般;蒲鉾等の魚肉練り製品、ソーセージ等の食肉加工品、レトルト食品、漬け物、佃煮、珍味、惣菜並びに冷凍食品等を含む農畜水産加工品などを広く例示することができる。
さらに、以下に示す実施例から、アドバンテームは、次のような種々の効果も奏することが明らかとなった。
(1)エリスリトールのエグ味を抑制する。
(2)果汁(グレープ果汁など)の果汁感を増強する。
(3)脱脂粉乳の粉っぽさなどの不快な風味を抑制し、乳脂肪感を増強する。
(4)香料(メントール香料など)の苦味を改善し、香料(ピーチ香料など)の風味も増強する。
(5)乳原料の乳感を増強する。
(6)香辛料(トウガラシなど)の辛味を増強し、食塩の塩味も増強する。
以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
なお、以下の記載において、表2及び表5〜13の数値は、特に表示がなければ全て質量部を表し、表中の「*」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の製品を、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標をそれぞれ示す。
実施例1
0.014%のスクラロース水溶液に、アドバンテームを表1の濃度で添加し、アドバンテーム無添加区と比較して、スクラロースの味質改善効果を次のように官能評価して、結果を表1に示した。
なお、以下の実施例1〜12において、アドバンテームは味の素株式会社より入手したものを用いた。
◎:非常に味質が改善している。
○:味質が改善している。
△:やや味質が改善している。
×:無添加区と比べて効果が無い、又は異味がある。
上記の結果から、スクラロースにアドバンテームを添加することにより、スクラロースの苦味が抑制され、ボディー感(コク)も付与され、さらに、甘味の後引き感が改善されて、スッキリとした後味になることがわかる。
しかも、アドバンテームの甘味の閾値は前記のように約0.2ppm であるが、その甘味の閾値よりも低い濃度でも、スクラロースの味質を改善できることがわかる。
実施例2
表2の処方の0.023%のスクラロース含有酸糖液に、アドバンテームを表3記載の濃度で添加し、実施例1と同様に官能にて無添加区と比較して、スクラロースの味質改善効果を評価し、結果を表3に示した。
上記の結果から、スクラロース含有酸糖液においても、アドバンテームをその甘味の閾値よりも低い濃度で添加することにより、スクラロースの苦味が抑制され、ボディー感(コク)も付与され、さらに、甘味の後引き感が改善されて、スッキリとした後味になることがわかる。
実施例3
表4の各種甘味料の水溶液にアドバンテームを添加し、実施例1と同様にして官能にて無添加区と比較して、味質改善効果を評価した。
なお、各高甘味度甘味料は、砂糖6.0%添加と同等の甘味になる量を使用した。
*三栄源エフ・エフ・アイ社製、モグロシド50%含有品
上記の結果から、アドバンテームを添加することによる苦味や雑味の抑制効果、及びボディー感(コク)の付与効果は、スクラロース及びラカンカ抽出物のような高甘味度甘味料において顕著に認められ、砂糖では十分に認められないことがわかる。
実施例4
表5の処方に従い、スクラロース含有ニアウォーターを製造し、アドバンテームの効果を確認した。
(製法)
(1)1〜7を水に撹拌溶解した。
(2)(1)を93℃まで加熱し、8〜9を加え、全量を合わせ、容器に充填して、ニアウォーターを製造した。
アドバンテームを添加した実施例4のニアウォーターは、アドバンテーム無添加の比較例1のニアウォーターに比べて、スクラロースの甘味の後引き感が改善され、後味の苦味も抑制されて、ボディー感(コク)のある甘味であった。
実施例5
表6の処方に従い、スクラロース含有液状甘味料を製造し、アドバンテームの効果を確認した。
(製法)水に1〜6を溶解し、一回分使用量ずつ容器に充填した。
得られた液状甘味料を水で2倍に希釈し、官能評価したところ、アドバンテームを添加した実施例5の液状甘味料は、アドバンテームの添加量が甘味の閾値以上であるため、アドバンテームによる甘味の後引き感が増加すると思われたが、アドバンテーム無添加の比較例3の液状甘味料に比べて、甘味の後引き感が少なく、スクラロースの後味の苦味も抑制され、コクのある甘味であった。
また、アイスコーヒー150mlに対して、各液状甘味料を一回分使用量ずつ添加し、評価したところ、アドバンテームを添加した実施例5の液状甘味料を使用したアイスコーヒーは、アドバンテーム無添加の比較例3の液状甘味料を使用したアイスコーヒーに比べて、コーヒー由来とは質の異なる苦味が抑制され、甘味の後引き感が少なく、砂糖などの糖類を添加した比較例2の液状甘味料を使用したアイスコーヒーに近い風味であった。
実施例6
表7の処方に従い、ノンカロリーゼリーを製造し、アドバンテームの効果を確認した。
(製法)
(1)水に1、6、8、9の粉体混合物を加え、80℃10分間撹拌溶解した。
(2)さらに、2〜5、7、10〜12を加え撹拌した。
(3)容器に充填し、85℃30分間殺菌後、冷却固化して、ノンカロリーゼリーを製造した。
アドバンテームを添加した実施例6のノンカロリーゼリーは、アドバンテーム無添加の比較例4のノンカロリーゼリーに比べて、スクラロースの甘味の後引き感や後味の苦味が改善されていた。
さらにアドバンテームを添加することで、エリスリトールのエグ味が抑制され、グレープの果汁感も強まっていた。
実施例7
表8の処方に従い、ヨーグルトを製造し、アドバンテームの効果を確認した。
(製法)
(1)水と1に、2、3の粉体混合物を加え、70℃にて10分間撹拌溶解した。
(2)重量補正後、ホモゲナイザーにて均質化した。
(3)90℃にて10分間加熱撹拌し、殺菌した。
(4)40℃まで冷却し、40℃の恒温機でpH4.5まで発酵させた。
(5)カードを崩し冷却後、4〜7を添加して、ヨーグルトを製造した。
アドバンテームを添加した実施例7のヨーグルトは、アドバンテーム無添加の比較例5のヨーグルトに比べて、スクラロースの甘味の後引き感や後味の苦味が改善されていた。
さらにアドバンテームを添加することで、脱脂粉乳の粉っぽさなどの不快な風味が抑制され、乳脂肪感が強まっていた。
実施例8
表9の処方に従い、打錠菓子を製造し、アドバンテームの効果を確認した。
(製法)
(1)原料1〜8を粉体混合し、篩にかけた。
(2)次いで常法により打錠して、菓子を製造した。
アドバンテームを添加した実施例8の打錠菓子は、アドバンテーム無添加の比較例6の打錠菓子に比べて、アスパルテーム及びアセスルファムカリウムの雑味が改善され、より砂糖に近い甘味質であった。
さらにアドバンテームを添加することで、メントール香料の苦味が改善され、ピーチ香料の風味も強く感じられた。
実施例9
表10の処方に従い、炭酸飲料を製造し、アドバンテームの効果を確認した。
(製法)
(1)1〜7の原料を水に溶解し、シロップを作製した。
(2)得られたシロップを炭酸水と40:60の割合で混合し、容器に充填した。
(3)70℃20分間殺菌して、炭酸飲料を製造した。
アドバンテームを添加した実施例9及び実施例10の炭酸飲料は、アドバンテーム無添加の比較例7の炭酸飲料に比べて、スクラロースの甘味の後引きやアセスルファムカリウムの雑味が改善され、より砂糖に近い甘味質であった。
さらに、実施例9の炭酸飲料は甘味の切れの良いすっきりとした後味であり、実施例10の炭酸飲料はさらにコク味が付与されていた。
実施例10
表11の処方に従い、カロリーを低減したラクトアイスを製造し、アドバンテームの効果を確認した。
(製法)
(1)水と2を撹拌しながら、1、4〜11の粉体混合物を添加し、加熱撹拌した。
(2)80℃達温時に3を添加し、80℃10分間撹拌溶解した。
(3)重量補正後、ホモゲナイザー[14700kPa(150kg/cm2)]にて均質化した。
(4)5℃まで冷却後、一晩エージングを行なった。
(5)12、13を添加し、フリージング(OR:約80%)した。
(6)カップに充填し、−40℃にて硬化させて、ラクトアイスを製造した。
アドバンテームを添加した実施例11のラクトアイスは、アドバンテーム無添加の比較例8のラクトアイスに比べて、スクラロースの甘味の後引き感や後味の苦味が改善されていた。
また、水っぽさが改善され、乳感が増強していた。
実施例11
表12の処方に従い、浅漬けを製造し、アドバンテームの効果を確認した。
(製法)
(1)水に原料1〜9を溶解させ、浅漬け用調味液を作成した。
(2)得られた調味液ときゅうりを1:1で混合し、一晩漬け込んで浅漬けを製造した。
アドバンテームを添加した実施例12の浅漬けは、アドバンテーム無添加の比較例9の浅漬けに比べて、スクラロースの甘味の後引きが改善され、より砂糖に近い甘味質であった。
また、辛味や塩味も強く感じられた。
実施例12
表13の処方に従い、砂糖10%相当の甘味を付与した、砂糖とスクラロースを含む酸糖液を製造した。
各酸糖液にアドバンテームを添加し、スクラロースの味質改善効果を評価した。
男女8名の評価者で各試験系における最も比較例10に近い甘味質となるアドバンテーム濃度を評価したところ、表14に示す結果であった。
スクラロースの添加量が増えるにつれ、砂糖自体の甘味質に近づけるために、スクラロースの味質改善に必要なアドバンテームの添加量は、ほぼ比例的に増える傾向が見られた。
本発明により、スクラロースなどの高甘味度甘味料の甘味の後引き感が改善され、苦味や雑味も低減され、ボディー感も付与されるので、これらの高甘味度甘味料のさらなる使用が促進され、食品工業において特に有用である。






Claims (9)

  1. アドバンテームを有効成分として含有することを特徴とする、高甘味度甘味料の味質改善剤。
  2. 高甘味度甘味料が、スクラロース、ラカンカ抽出物、アスパルテーム又はアセスルファムカリウムである、請求項1記載の高甘味度甘味料の味質改善剤。
  3. 味質改善が、甘味の後引き感の改善、苦味又は雑味の低減、又はボディー感の付与である、請求項1又は2記載の高甘味度甘味料の味質改善剤。
  4. さらに、高甘味度甘味料を含有する、請求項1記載の高甘味度甘味料の味質改善剤。
  5. 高甘味度甘味料1質量部に対して、アドバンテームを1×10−5〜2×10−3質量部含有する、請求項4記載の高甘味度甘味料の味質改善剤。
  6. 高甘味度甘味料にアドバンテームを共存させることを特徴とする、高甘味度甘味料の味質改善方法。
  7. 高甘味度甘味料1質量部に対して、アドバンテームを1×10−5〜2×10−3質量部共存させる、請求項6記載の高甘味度甘味料の味質改善方法。
  8. 高甘味度甘味料が、スクラロース、ラカンカ抽出物、アスパルテーム又はアセスルファムカリウムである、請求項6又は7記載の高甘味度甘味料の味質改善方法。
  9. 味質改善が、甘味の後引き感の改善、苦味又は雑味の低減、又はボディー感の付与である、請求項6〜8記載の高甘味度甘味料の味質改善方法。








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