JP2015162924A - 筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具 - Google Patents
筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015162924A JP2015162924A JP2014035354A JP2014035354A JP2015162924A JP 2015162924 A JP2015162924 A JP 2015162924A JP 2014035354 A JP2014035354 A JP 2014035354A JP 2014035354 A JP2014035354 A JP 2014035354A JP 2015162924 A JP2015162924 A JP 2015162924A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wire harness
- band
- rod
- insertion jig
- cylindrical head
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electric Cable Installation (AREA)
- Details Of Indoor Wiring (AREA)
Abstract
【課題】筒状体が長い場合でもワイヤーハーネスを筒状体に容易に挿通できるとともに、筒状体が短い場合でもワイヤーハーネスの挿通作業を効率的に行えるようにする。【解決手段】筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具は、軸方向先端側が閉じられるとともに軸方向後方に開口し、複数の電線を含むワイヤーハーネスの端部を収容可能な凹部が形成された筒状ヘッド部と、筒状ヘッド部の先端に設けられた第1連結部とを備えて、ワイヤーハーネスに外装される筒状体に挿通可能な外形を有する電線収容部と、一端部に第1連結部と着脱自在に連結可能な第2連結部を備え、電線収容部の筒状ヘッド部の軸方向前方に延在するように筒状ヘッド部の先端部に着脱自在に取り付けられる棒状部材と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、筒状体にワイヤーハーネスを挿通するための挿通治具に関する。
それぞれの電線端に端子が取付けられた複数の電線を含むワイヤーハーネスに外装される保護部材として、グロメットやコルゲートチューブ等の筒状体が広く用いられている。
この筒状体として、軸方向に延在する切れ目が形成されていない割り無しコルゲートチューブを用いれば、軸方向に延在する切れ目が形成された割り有りコルゲートチューブを用いる場合に比べて、筒状体の製造コストを低減できるとともに、ワイヤーハーネスに外挿したコルゲートチューブの切れ目が開かないようにテープ巻きする作業が不要となり作業コストも低減できる。また、収容されたワイヤーハーネスのはみ出しを確実に防止できる。さらに、筒状体の収容空間の断面と、収容されたワイヤーハーネスの断面とを目視することで、収容空間における電線占有量を容易に確認でき、収容空間の不足等の異常に容易に気づくことができるといった利点もある。
しかし、ワイヤーハーネスの幹線などの多数本の電線を含むワイヤーハーネスを切れ目が形成されていない筒状体に挿通する場合には、筒状体に多数の電線を通過させるだけでも工数が掛かるため、筒状体の製造に関するコストメリットが損なわれる。また、収容空間において電線の絡まりや、電線が成すループへの他の電線の意図せぬくぐりが誘発されることによって、電線の詰まりによる不通過や、電線端部に圧着されている端子が電線に引っかかることによる端子の変形を生ずるといった問題もある。
切れ目が形成されていない筒状体へのワイヤーハーネスの挿通作業を容易にするための挿通治具として、特許文献1には、ワイヤーハーネスの端部に被せられることにより当該端部を収容空間に収容した状態で、グロメットに挿通されるキャップ形状の挿通治具が開示されている。
また、特許文献2には、特許文献1のキャップ形状の挿通治具と同様の形状を有するキャップ部と、キャップ部の先端において、キャップ部と一体に形成されたロッド状のグロメット挿入部とを備え、キャップ部にワイヤーハーネスを収容した状態でグロメットに挿通される挿通治具が開示されている。
しかしながら、特許文献1の挿通治具には、挿通治具よりも長尺のグロメットに対してはワイヤーハーネスの挿通が困難であるといった問題がある。また、特許文献2の挿通治具は、キャップ部と一体に形成されたロッド部を備えるので、挿通治具の長さよりも十分に短いグロメットに対しては、グロメット長さに対して必要以上に長い挿通治具をグロメットに挿入する必要が有る。このため、挿通作業の効率が低下するといった問題がある。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたもので、ワイヤーハーネスに外装される筒状体が長い場合でもワイヤーハーネスを筒状体に容易に挿通できるとともに、筒状体が短い場合でもワイヤーハーネスの挿通作業を効率的に行える挿通治具を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、第1の態様に係る筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具は、軸方向先端側が閉じられるとともに軸方向後方に開口し、複数の電線を含むワイヤーハーネスの端部を収容可能な凹部が形成された筒状ヘッド部と、前記筒状ヘッド部の先端に設けられた第1連結部とを備えて、前記ワイヤーハーネスに外装される筒状体に挿通可能な外形を有する電線収容部と、一端部に前記第1連結部と着脱自在に連結可能な第2連結部を備え、前記電線収容部の前記筒状ヘッド部の軸方向前方に延在するように前記筒状ヘッド部の先端部に着脱自在に取り付けられる棒状部材と、を備える。
第2の態様に係る筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具は、第1の態様に係る筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具であって、前記棒状部材を複数備え、前記複数の棒状部材は、他端部に前記第2連結部と着脱自在に連結可能な第3連結部をさらにそれぞれ備え、一列に連なるように着脱自在に連結されている。
第3の態様に係る筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具は、第1または第2の態様に係る筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具であって、前記電線収容部は、前記筒状ヘッド部の後端から軸方向後方に延設され、前記ワイヤーハーネスを支持する支持部と、前記支持部に一端が設けられ、前記支持部に支持された前記ワイヤーハーネスの周囲に巻回されるバンド部と、前記支持部に設けられ、前記バンド部の他端側を着脱自在に固定するバンド固定部と、を備える。
第4の態様に係る筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具は、第3の態様に係る筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具であって、前記バンド部の両主面の少なくとも一方の面に前記バンド部の幅方向にそれぞれ延在し、前記バンド部の長手方向に配列された複数の突起部が形成されることにより、前記バンド部には、それぞれ前記幅方向に延在する厚肉部と薄肉部とが前記長手方向に交互に形成されており、前記バンド固定部は、前記支持部から立設された突片と、前記筒状ヘッド部側に開口するともに前記筒状ヘッド部の軸方向に延在する隙間を隔てて互いに対向するように、前記突片から前記筒状ヘッド部側に延設されている一対の係止片と、を備え、前記バンド部の前記薄肉部が前記隙間の開口から前記隙間に挿入された状態で、前記一対の係止片のうち少なくとも一方が、前記厚肉部に係止する。
第1の態様に係る発明によれば、挿通治具は、電線収容部と、電線収容部の筒状ヘッド部の先端部に着脱自在に取り付けられる棒状部材とを備えるので、筒状体が長い場合には電線収容部と棒状部材とを連結することによってワイヤーハーネスを筒状体に容易に挿通できるとともに、筒状体が短い場合には、棒状部材を電線収容部から取り外すことによって筒状体へのワイヤーハーネスの挿通作業を効率的に行うことができる。
第2の態様に係る発明によれば、挿通治具は、一列に連なるように着脱可能に連結される複数の棒状部材を備えているので、連結される棒状部材の個数を筒状体の長さに応じて変更することにより、筒状体の長さに拘わらずワイヤーハーネスの挿通作業を効率的に行うことができる。
第3の態様に係る発明によれば、挿通治具は、支持部に支持されたワイヤーハーネスの周囲に巻回されるバンド部と、バンド部の他端側を着脱自在に固定するバンド固定部とを備える。これにより、挿通作業中にワイヤーハーネスを電線収容部により確実に固定できるので、ワイヤーハーネスの挿通作業をより効率的に行うことができる。
第4の態様に係る発明によれば、バンド部の薄肉部が一対の係止片の隙間の開口から隙間に挿入された状態で、一対の係止片のうち少なくとも一方が、バンド部の厚肉部に係止する。これにより、バンド固定部へのバンド部の着脱が容易になるととともに、ワイヤーハーネスの挿通作業中には、挿通治具が、隙間の開口側、すなわち筒状ヘッド部の軸方向前方に移動されるので、バンド固定部からのバンド部の抜けを防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図面では同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付され、下記説明では重複説明が省略される。また、各図面は模式的に示されている。
実施形態に係る挿通治具1は、電線収容部2と棒状部材3とを備えて構成されている(図1〜図3参照)。挿通治具1は、複数の電線61を含むワイヤーハーネス6をコルゲートチューブ(「筒状体」)5に挿通する作業に用いられる(図5〜図7参照)。電線収容部2および棒状部材3のそれぞれは、例えば、ポリプロピレン(PP)などの合成樹脂の一体成形部材であり、射出成形などによって成形されている。
電線収容部2は、筒状ヘッド部21と、筒状ヘッド部21の先端に設けられた枠部(「第1連結部」)41とを備えている。枠部41は、貫通孔41aを囲む枠体であり、貫通孔41aは、筒状ヘッド部21の軸方向を横切る方向に枠部41を貫通している。貫通孔41aは、後述する棒状部材3の一端に設けられた係止片(「第2連結部」)42が貫通可能な形状及び大きさに形成されており、貫通孔41aを貫通した係止片42の係止爪42bが枠部41(より詳細には、枠部41のうち前端部41b)に係止する。筒状ヘッド部21の先端部分(より正確には、先端部分のうち枠部41以外の部分)は、例えば、砲弾形のように、丸みを帯びた曲面形状に形成されることが好ましい。
筒状ヘッド部21には、その軸方向先端側が閉じられるとともに軸方向後方に開口する凹部22が形成されている。ワイヤーハーネス6の各電線61の端部には、端子62が圧着されている。凹部22は、少なくともワイヤーハーネス6の端部を収容可能な径および長さに形成されている。端子に代えて1以上の電線を含む電線束の端部に接続されるコネクタが用いられてもよいし、端部に端子、またはコネクタ等が取り付けられていない電線が用いられてもよい。
筒状ヘッド部21および支持部23のそれぞれの長さL1、L2は、例えば、30mm程度に設定される。棒状部材3の長さL3は、例えば、300mm程度に設定される。
ワイヤーハーネス6を複数の電線束に分割することなく1回の挿通作業によりコルゲートチューブ5に挿通する場合において、コルゲートチューブ5の内径が15mm以上である場合には、筒状ヘッド部21の外径D1は、コルゲートチューブ5の内径よりも3mm程度短いことが好ましい。このように筒状ヘッド部21が形成されれば、1回の挿通作業によって、多数の電線を含むワイヤーハーネスを、スムーズに挿通できる。また、コルゲートチューブ5の内径が15mm未満の場合には、筒状ヘッド部21の外径D1は、好ましくは、3mm〜15mmの範囲に設定され、より好ましくは、12mm程度に設定される。
ワイヤーハーネス6を複数の電線束に分割し、分割された各電線束を順次にコルゲートチューブ5に挿通する場合には、既に通された電線がある状態における挿通作業がより容易になるように、筒状ヘッド部21の外径D1は、コルゲートチューブ5の内径よりも3mmを越えてさらに短いことが好ましい。この場合、外径D1は、例えば、10mmに設定されることが好ましい。
また、電線収容部2は、筒状ヘッド部21の後端から軸方向後方に延設され、ワイヤーハーネス6を支持する支持部23と、支持部23に一端が設けられ、支持部23に支持されたワイヤーハーネス6の周囲に巻回されるバンド部24とを備えている。支持部23は、ワイヤーハーネス6を支持しやすいように樋状の形状を有することが好ましいが、平板であってもよい。また、電線収容部2は、バンド部24の他端側を着脱自在に固定するバンド固定部25を備えている。バンド部24も支持部23に設けられている。より詳細には、バンド部24とバンド固定部25とは、支持部23の長手方向の略同じ位置において、支持部23の幅を隔ててそれぞれ設けられている。
電線収容部2の外形は、ワイヤーハーネス6に外装されるコルゲートチューブ5に挿通可能な形状に形成されている。棒状部材3の外形もコルゲートチューブ5に挿通可能な形状に形成されている。コルゲートチューブ5は、ポリプロピレン(PP)などの合成樹脂の一体成形部材であり、筒状形状を有している。コルゲートチューブ5は、それぞれ外周面の周方向に沿う山部と谷部とが軸方向において交互に並んで形成された蛇腹構造を有している。コルゲートチューブ5は、軸方向に延在する切れ目が外周面に設けられていない割り無しコルゲートチューブである。コルゲートチューブ5への棒状部材3の挿通がより容易になるように、棒状部材3として、電線収容部2よりも細い部材が採用されることが好ましい。
棒状部材3の一端部には、係止片42が設けられている。係止片42は、棒状部材3の一端部から棒状部材3の軸方向を横切る方向に突設された突出片42aと、突出片42aの先端部から棒状部材3の他端側に向けて突設された係止爪42bとを備えている。電線収容部2の枠部41の貫通孔41aに係止片42が挿入され、貫通孔41aを係止爪42bが貫通した状態で棒状部材3が電線収容部2から離れる方向に移動すると、係止爪42bが枠部41の前端部41bに係止するとともに、前端部41bと突出片42aとが互いに当接する。これにより、電線収容部2の軸方向を横切る方向への電線収容部2と棒状部材3との相対的な移動が規制されるとともに、軸方向に沿って電線収容部2と棒状部材3とが離れる移動が規制され、棒状部材3によって電線収容部2を引っ張ることができる。枠部41から係止片42を取り外す場合には、棒状部材3を電線収容部2側に近づけた後、突出片42aの突出方向において電線収容部2と棒状部材3とを互いに離すことによって、係止片42が貫通孔41aから抜かれて、枠部41と係止片42との連結が解除される。このように、係止片42は、電線収容部2の枠部41に着脱自在に係止可能である。これにより、棒状部材3は、電線収容部2の筒状ヘッド部21の軸方向前方に延在するように筒状ヘッド部21の先端部に着脱自在に取り付けられる。
挿通治具1が、棒状部材3を複数備えてもよい。棒状部材3は、他端部に係止片42が貫通可能な形状及び大きさの貫通孔43aが形成されている。棒状部材3の他端側部分のうち貫通孔43aの周縁部(「第3連結部」)43には、他の棒状部材3の一端側に設けられた係止片42が係止可能である。具体的には、2つの棒状部材3のうち一方の他端に設けられた貫通孔43aを他方の棒状部材3の一端に設けられた係止片42が貫通するように2つの棒状部材3の一端側と他端側とが合せられることによって、係止片42の係止爪42bが貫通孔43aを貫通する。その後、2つの棒状部材3が軸方向に沿って互いに異なる方向に移動されることにより、周縁部43の他端部43bに係止爪42bが係止するとともに、他端部43bに突出片42aが当接する。これにより、2つの棒状部材3同士が連結される。これにより、2つの棒状部材3が一列に連なるように、着脱自在に連結される(図4参照)。また、連結した棒状部材3同士を連結時とは逆順で逆方向に移動させることによって連結が解除される。
挿通治具1が複数の棒状部材3を備える場合には、1つの棒状部材3の他端側の周縁部43に、他の棒状部材3の一端側の係止片42を着脱自在に係止させて棒状部材3同士を連結させる作業を順次に繰り返すことによって、複数の棒状部材3は、互い隣り合う棒状部材3同士が着脱自在に連結されて一列に連なる。図4の例では、2つの棒状部材3が連結されているが、コルゲートチューブ5の長さに応じて、連結する棒状部材3の個数を調節することにより挿通治具1を用いたワイヤーハーネス6の挿通作業が容易になる。
バンド部24は、扁平な帯状の形状を有して、支持部23と一体的に形成されている。バンド部24の幅方向は筒状ヘッド部21の軸と平行である。バンド部24は、柔軟性を有しており、支持部23に支持されたワイヤーハーネス6の外周にバンド部24を巻回すことが出来る。支持部23に取り付けられるバンド部24の一端は、薄肉に形成されている。これにより、バンド部24をワイヤーハーネス6へ巻回す作業や、ワイヤーハーネス6に巻回されたバンド部24を取り外す作業が容易になる。
バンド部24の両主面のうち支持部23に支持されたワイヤーハーネス6と接触する内周面には、複数の突起部24aが形成されている。複数の突起部24aは、バンド部24の長手方向に配列されており、各突起部24aは、バンド部24の幅方向に延在している。バンド部24のうち複数の突起部24aが形成されている各部分は、バンド部24の幅方向に延在する厚肉部であり、突起部24aが形成されていない部分は、バンド部24の幅方向に延在する薄肉部である。そして、厚肉部と薄肉部とは、バンド部24の長手方向に沿って交互に形成されている。このように、図2に示されるバンド部24は、バンド部24の内周面に複数の突起部24aが形成されることによって、バンド部24の長手方向に沿って厚肉部と薄肉部とが交互に形成されている。しかしながら、バンド部24の両主面のうち内周面と反対側の外周面に複数のバンド部24が形成されることにより、厚肉部と薄肉部とが交互に形成されてもよいし、両主面のそれぞれに複数の突起部24aが形成されることによって、厚肉部と薄肉部とが交互に形成されてもよい。すなわち、バンド部24の両主面の少なくとも一方の面にバンド部24の幅方向にそれぞれ延在し、バンド部24の長手方向に配列された複数の突起部24aが形成されることにより、バンド部24には、それぞれバンド部24の幅方向に延在する厚肉部と薄肉部とがバンド部24の長手方向に交互に形成される。
バンド固定部25は、支持部23から立設された突片26と、突片26から筒状ヘッド部21側に延設されている一対の係止片27とを備えて形成されている。一対の係止片27は、隙間29を隔てて互いに対向している。隙間29は、筒状ヘッド部21側に開口するともに、筒状ヘッド部21の軸方向に延在している。筒状ヘッド部21の軸方向において、隙間29の当該開口と反対側には、突片26があるため、隙間29に挿入されたバンド部24による筒状ヘッド部21の軸方向後方への移動は、隙間29によって規制される。隙間29の幅は、バンド部24の厚肉部の厚みよりも小さく、かつ、バンド部24の薄肉部の厚みよりも大きい。
従って、図2の例では、バンド部24の薄肉部が隙間29の筒状ヘッド部21側の開口から隙間29に挿入された状態で、一対の係止片27のうち支持部23側の係止片27がバンド部24の厚肉部に係止する。なお、複数の突起部24aがバンド部24の両主面のうち外周面に形成される場合には、一対の係止片27のうち支持部23から遠い方の係止片27が厚肉部に係止し、バンド部24の両主面のそれぞれに複数の突起部24aが形成される場合には、一対の係止片27のそれぞれが厚肉部に係止する。すなわち、一対の係止片27のうち少なくとも一方が、バンド部24の厚肉部に係止する。
次に、図5〜図7を参照しつつ、コルゲートチューブ5へのワイヤーハーネス6の挿通作業について説明する。
挿通作業の開始に先立って、予め、端部に端子62をそれぞれ圧着された各電線を含むワイヤーハーネス6が、電線収容部2の筒状ヘッド部21の凹部22に挿入されて電線収容部2に固定されている。より詳細には、ワイヤーハーネス6のうち凹部22に挿入された端部に連なる部分は、支持部23によって支持されており、この状態で、ワイヤーハーネス6の周囲に巻回されたバンド部24の他端側が、バンド固定部25によって固定されている。
コルゲートチューブ5へのワイヤーハーネス6の挿通作業においては、先ず、棒状部材3が、係止片42を備える一端側からコルゲートチューブ5に挿入され、コルゲートチューブ5を貫通する。コルゲートチューブ5が棒状部材3よりも長い場合には、コルゲートチューブ5よりも長くなるように連結された複数の棒状部材3が用いられる。
貫通した棒状部材3の一端に設けられた係止片42は、ワイヤーハーネス6を収容した電線収容部2の筒状ヘッド部21の先端部分に形成された枠部41の貫通孔41aに通され、係止片42の係止爪42bが枠部41を貫通して係止片42と棒状部材3の本体との間に枠部41が挟まれた状態となる。そして、棒状部材3が、コルゲートチューブ5側に引っ張られることにより、枠部41の前端部41bと係止片42の突出片42aとが当接するとともに、係止爪42bが前端部41bに係止する(図5、図6参照)。これにより、枠部41と係止片42とが連結されて、棒状部材3によって電線収容部2を引っ張ってコルゲートチューブ5に挿通することが出来る(図7参照)。電線収容部2の後端がコルゲートチューブ5を貫通した状態で、ワイヤーハーネス6に巻回されたバンド部24がバンド固定部25から外されて、電線収容部2からワイヤーハーネス6が取り外されて、コルゲートチューブ5へのワイヤーハーネス6の挿通作業が完了する。
図5〜図7に示されるワイヤーハーネス6の挿通作業では、棒状部材3をコルゲートチューブ5に挿通した後に、棒状部材3と電線収容部2とを連結し、棒状部材3によって電線収容部2を引っ張ることでワイヤーハーネス6がコルゲートチューブ5に挿通されている。しかしながら、予め、電線収容部2の先端に棒状部材3を連結した後に、電線収容部2と棒状部材3とを、棒状部材3の先端からコルゲートチューブ5に挿通することによってワイヤーハーネス6をコルゲートチューブ5に挿通してもよい(図8参照)。この場合には、電線収容部2の筒状ヘッド部21よりも棒状部材3が細ければ、コルゲートチューブ5への電線収容部2および棒状部材3の挿通作業がさらに容易になる。
実施形態の他の例に係る挿通治具1Aは、電線収容部2Aと棒状部材3Aとを備えている。枠部41に代えて突起部(「第1連結部」)71が筒状ヘッド部21の先端に設けられていることを除いて、電線収容部2Aは、電線収容部2と同様の構造を備えている。また、一端に係止片42に代えて凹部(「第2連結部」)72が設けられ、他端側に貫通孔43aに代えて突起部(「第3連結部」)73が設けられることを除いて、棒状部材3Aは、棒状部材3と同様の構造を備えている。突起部71、凹部72および突起部73のそれぞれの軸方向は、電線収容部2Aの筒状ヘッド部21の軸方向と同じ方向である。突起部71と凹部72とは、凹部72に突起部71が着脱可能に嵌合可能な形状および大きさに形成されている(図9参照)。より詳細には、突起部71と凹部72とは、電線収容部2と棒状部材3とが連結された状態で、棒状部材3を引っ張っても連結が解除されず、さらに強い力で互いを反対方向に引っ張ると連結が解除される強さで嵌合するように、それぞれ形成される。これにより、電線収容部2Aと棒状部材3Aとを連結することが出来る。
また、2つの棒状部材3Aを連結するために凹部72と突起部73も、凹部72に突起部73が着脱可能に嵌合可能な形状および大きさに形成されている。これにより、複数の棒状部材3Aが一列に連なるように着脱可能に連結される。連結された複数の棒状部材3Aの一端側の棒状部材3Aが電線収容部2Aと連結された状態で、棒状部材3Aによって電線収容部2Aを引っ張っても複数の棒状部材3Aの連結が解除されず、互いに隣り合う棒状部材3A同士を互いに反対方向に引っ張ると連結が解除される強さで、凹部72と突起部73とが嵌合するように、凹部72と突起部73とは形成されている。なお、突起部71、凹部72および突起部73のそれぞれの軸方向は、電線収容部2Aの筒状ヘッド部21の軸方向と同じ方向であるため、電線収容部2Aと棒状部材3Aとが連結された状態で、棒状部材3Aによる電線収容部2Aの引っ張りに加えて、棒状部材3A側から電線収容部2Aをコルゲートチューブ5内に押し込むことによって電線収容部2Aと棒状部材3Aとの連結の解除をより確実に抑制できる。また、電線収容部2Aと棒状部材3Aとの連結構造、棒状部材3A同士の連結構造として、ネジ等が採用されてもよい。
以上のように構成された実施形態に係る挿通治具1(1A)によれば、電線収容部2(2A)と、電線収容部2(2A)の筒状ヘッド部21の先端部に着脱自在に取り付けられる棒状部材3(3A)とを備える。これにより、コルゲートチューブ5が長い場合には電線収容部2(2A)と棒状部材3(3A)とを連結することによってワイヤーハーネス6をコルゲートチューブ5に容易に挿通できる。また、コルゲートチューブ5が短い場合には、棒状部材3(3A)を電線収容部2(2A)から取り外すことによってコルゲートチューブ5へのワイヤーハーネス6の挿通作業を効率的に行うことができる。
また、以上のように構成された実施形態に係る挿通治具1(1A)によれば、一列に連なるように着脱可能に連結される複数の棒状部材3(3A)を備えている。従って、連結される棒状部材3(3A)の個数をコルゲートチューブ5の長さに応じて変更することにより、コルゲートチューブ5の長さに拘わらずワイヤーハーネス6の挿通作業を効率的に行うことができる。
また、以上のように構成された実施形態に係る挿通治具1(1A)によれば、支持部23に支持されたワイヤーハーネス6の周囲に巻回されるバンド部24と、バンド部24の他端側を着脱自在に固定するバンド固定部25とを備える。これにより、挿通作業中にワイヤーハーネス6を電線収容部2(2A)により確実に固定できるので、ワイヤーハーネス6の挿通作業をより効率的に行うことができる。
また、以上のように構成された実施形態に係る挿通治具1(1A)によれば、バンド部24の薄肉部が一対の係止片27の隙間29の開口から隙間29に挿入された状態で、一対の係止片27のうち少なくとも一方が、バンド部24の厚肉部に係止する。これにより、バンド固定部25へのバンド部24の着脱が容易になるととともに、ワイヤーハーネス6の挿通作業中には、挿通治具1(1A)が、隙間29の開口側、すなわち筒状ヘッド部21の軸方向前方に移動されるので、バンド固定部25からのバンド部24の抜けを防止できる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1,1A 挿通治具
2,2A 電線収容部
21 筒状ヘッド部
22 凹部
23 支持部
24 バンド部
24a 突起部
25 バンド固定部
26 突片
27 係止片
3,3A 棒状部材
41 枠部(第1連結部)
42 係止片(第2連結部)
43 貫通孔の周縁部(第3連結部)
5 コルゲートチューブ(筒状体)
6 ワイヤーハーネス
2,2A 電線収容部
21 筒状ヘッド部
22 凹部
23 支持部
24 バンド部
24a 突起部
25 バンド固定部
26 突片
27 係止片
3,3A 棒状部材
41 枠部(第1連結部)
42 係止片(第2連結部)
43 貫通孔の周縁部(第3連結部)
5 コルゲートチューブ(筒状体)
6 ワイヤーハーネス
Claims (4)
- 軸方向先端側が閉じられるとともに軸方向後方に開口し、複数の電線を含むワイヤーハーネスの端部を収容可能な凹部が形成された筒状ヘッド部と、前記筒状ヘッド部の先端に設けられた第1連結部とを備えて、前記ワイヤーハーネスに外装される筒状体に挿通可能な外形を有する電線収容部と、
一端部に前記第1連結部と着脱自在に連結可能な第2連結部を備え、前記電線収容部の前記筒状ヘッド部の軸方向前方に延在するように前記筒状ヘッド部の先端部に着脱自在に取り付けられる棒状部材と、
を備える、筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具。 - 請求項1に記載の筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具であって、
前記棒状部材を複数備え、
前記複数の棒状部材は、他端部に前記第2連結部と着脱自在に連結可能な第3連結部をさらにそれぞれ備え、一列に連なるように着脱自在に連結されている、挿通治具。 - 請求項1または請求項2に記載の筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具であって、
前記電線収容部は、
前記筒状ヘッド部の後端から軸方向後方に延設され、前記ワイヤーハーネスを支持する支持部と、
前記支持部に一端が設けられ、前記支持部に支持された前記ワイヤーハーネスの周囲に巻回されるバンド部と、
前記支持部に設けられ、前記バンド部の他端側を着脱自在に固定するバンド固定部と、
を備える、挿通治具。 - 請求項3に記載の筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具であって、
前記バンド部の両主面の少なくとも一方の面に前記バンド部の幅方向にそれぞれ延在し、前記バンド部の長手方向に配列された複数の突起部が形成されることにより、前記バンド部には、それぞれ前記幅方向に延在する厚肉部と薄肉部とが前記長手方向に交互に形成されており、
前記バンド固定部は、
前記支持部から立設された突片と、
前記筒状ヘッド部側に開口するともに前記筒状ヘッド部の軸方向に延在する隙間を隔てて互いに対向するように、前記突片から前記筒状ヘッド部側に延設されている一対の係止片と、
を備え、
前記バンド部の前記薄肉部が前記隙間の開口から前記隙間に挿入された状態で、前記一対の係止片のうち少なくとも一方が、前記厚肉部に係止する、挿通治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014035354A JP2015162924A (ja) | 2014-02-26 | 2014-02-26 | 筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014035354A JP2015162924A (ja) | 2014-02-26 | 2014-02-26 | 筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015162924A true JP2015162924A (ja) | 2015-09-07 |
Family
ID=54185705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014035354A Pending JP2015162924A (ja) | 2014-02-26 | 2014-02-26 | 筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015162924A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021117458A1 (ja) * | 2019-12-10 | 2021-06-17 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 外装体、ワイヤーハーネス、ワイヤーハーネス配索装置、外装体の製造方法、およびワイヤーハーネスの製造方法 |
-
2014
- 2014-02-26 JP JP2014035354A patent/JP2015162924A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021117458A1 (ja) * | 2019-12-10 | 2021-06-17 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 外装体、ワイヤーハーネス、ワイヤーハーネス配索装置、外装体の製造方法、およびワイヤーハーネスの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3193197B1 (en) | Optical connector | |
JP2004194433A (ja) | ケーブルチューブ材固定継手 | |
JP4137895B2 (ja) | ノイズ吸収装置 | |
JP2017217293A (ja) | 湾曲管構造および内視鏡 | |
WO2018079271A1 (ja) | ワイヤーハーネスモジュール | |
JP2015162924A (ja) | 筒状体へのワイヤーハーネスの挿通治具 | |
JP6090141B2 (ja) | 固定部材付ワイヤーハーネス | |
JP2008040001A (ja) | 内視鏡用ガイドチューブ及び内視鏡装置、並びにチューブ曲げ加工装置 | |
JP2018191986A (ja) | ガイドワイヤ案内手段及び該ガイドワイヤ案内手段を備えたバスケット型内視鏡装置用処置具 | |
JP5600009B2 (ja) | 光ファイバ心線支持部材、光コネクタ装着機構、光コネクタ及び光ファイバ端末処理方法 | |
JP2017135877A (ja) | ワイヤハーネス外装用チューブおよびワイヤハーネス | |
JP2019204650A (ja) | 充電コネクタ | |
JP2005229752A (ja) | 結束バンドクリップ | |
JP6048472B2 (ja) | ワイヤーハーネスモジュール | |
JP2015065752A (ja) | クリップ、クリップ付ワイヤーハーネス及びクリップ付ワイヤーハーネスの製造方法 | |
JP2005200802A (ja) | 毛髪連結具および毛髪連結方法 | |
JP2019109362A (ja) | スリーブ挿通治具及びそれを用いたスリーブ挿通方法 | |
JP2002271935A (ja) | 網チューブへの電線貫通方法 | |
JP6102833B2 (ja) | コネクタカバーおよびワイヤハーネス | |
JP6040927B2 (ja) | ワイヤーハーネス製造方法 | |
KR200448320Y1 (ko) | 다단 구조를 갖는 다단헤어롯드 | |
JP2012249359A (ja) | チューブ固定構造及びチューブ固定方法 | |
JP6999999B2 (ja) | バスケット型内視鏡用処置具 | |
JP2007143848A (ja) | 内視鏡の湾曲部、内視鏡、および、湾曲部の製造方法 | |
JP5004175B2 (ja) | 内視鏡用クリップ取付具 |