JP6999999B2 - バスケット型内視鏡用処置具 - Google Patents
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Description
このようなバスケット型内視鏡用処置具が記載された文献としては、例えば下記特許文献1が挙げられる。
特許文献1に記載の技術は、バスケット部を構成するワイヤを扁平なワイヤとし、バスケット部が膨縮するときに扁平面に対して垂直の方向に強い方向性を持たせることにより、膨縮するときにバスケットワイヤに粘液の付着した粘液等の外力の作用を受けにくくして結石等の捕獲を容易にすることができるものである。
特許文献2に記載の技術は、先端チップとして金属製の短筒を4本固着し、U字状に曲げ戻された2組のバスケットワイヤの曲げ戻し部近傍を前記短筒の中に1本ずつ計4本(2組)挿通することにより、複数の弾性ワイヤを先端において所望の正しい位置関係に結束して、バスケット部を予定通りの形状に膨らませることができるものである。
なお、レーザー溶着やはんだ付けによる接合についても上記と同様に高温の熱がワイヤに伝わるという課題を有しており、接着材を用いた場合は接着剤の劣化による破損という課題を有している。また、チップによりワイヤを纏めてかしめた場合は、ワイヤに対する温度の影響はないが、かしめ力の設定が困難であるとともに、ワイヤに外圧による傷ができたり破損が起きるという課題を有している。
また、前記第4の特徴のバスケット型内視鏡用処置具において、前記第2のリブは、前記太内径領域に固定されることを第5の特徴とする。
本実施例によるバスケット型内視鏡用処置具は、図1に示す如く、後端に操作部10が取り付けられる樹脂やコイル等からなる細長い可撓性シース2と、この可撓性シース2内に進退自在に挿通される操作ワイヤ3と、前記可撓性シース2の先端に配置される硬質の金属材料から成る円筒状の先端金具20と、前記操作ワイヤ3の先端に連結され、操作部10の操作により操作ワイヤ3を先端側に押す又は後端側に牽引することより可撓性シース2内から突没可能な処置部である異物破砕用のバスケット部40とを備える。
なお、本実施例においては、図1右方の操作部10側に向かう方向を後端側と呼び、図1左右方の先端チップ6に向かう方向を先端側と呼ぶ。
このように構成された本実施例によるバスケット型内視鏡用処置具は、予め患者の体腔内に挿入された内視鏡装置のチャネルを通じて患者の体腔内に挿入されて回収対象物である結石を破砕するために使用され、この施術例を図8を参照して説明する。
本実施例の特徴である先端チップ6は、従来においては例えば4本のバスケットワイヤの先端を挿入してカシメや溶接によって固定する構造であったものを、ワイヤ破損を低減し且つ製造を容易にするため、詳細は後述するが、図5(a)の如く、2本のバスケットワイヤ41及び42を折り返した状態で先端チップ6先端の開口部に挿入し、図5(b)の如く、該バスケットワイヤ41及び42の折り折り返し部41a及び42aにリブ6bを掛け、図5(c)、(d)の如く、リブ6b両端の切断し、バスケットワイヤ41及び42を先端チップ内に圧入するものであって、この詳細構造を次に説明する。
なお、図2(a)は先端チップ6の外観図、図2(b)は(a)を先端側((a)の上方向)から見た図、図2(c)は(b)のA-A断面図、図2(d)は(a)のB-B断面図、図2(e)は(a)のC-C断面図を示し、バスケットワイヤ41、42は、籠状に広がらずに閉じた状態を示す。
この内径部は、図2(c)に示す如く、後述するバスケットワイヤ41、42を纏めて保持するための所定内径の細内径領域イと、該細内径領域よりも後端側に位置し、該細内径領域イよりも径が大きく、バスケットワイヤ41、42が内部で移動可能な太内径領域ロを有する。
また、この溝6d、6dには、バスケットワイヤ41、42の各ワイヤ折り返し部41a及び42aが掛けられた略円柱状の第1のリブ6bが嵌合固定される。このリブ6bの長さは、溝6dに固定されたときに先端チップ6の外側へ突出部分が長いと体腔の内壁を傷つける可能性があるため、先端チップ6の先端部6eの直径と同程度の長さにするのが好ましい。
また、ワイヤ折り返し部41a及びワイヤ折り返し部42aより後端側の一部は、先端筒部6fに圧入されることにより、図2(d)に示すように、バスケットワイヤ41、42の外周の一部がそれぞれ先端筒部6fに接触する状態で保持される。
次に、先端チップ6の寸法を、図4を用いて説明する(バスケットワイヤ41、42、リブ6b不図示)。なお、各部材の寸法の具体例は、バスケットワイヤ41、42の径を0.35mmとして2対計4本のバスケットワイヤを用いた場合の例であるため、これに限られない。
先端部6eの先端側の内径L1は、バスケットワイヤ41、42の各折り返し部41a、42a及びリブ6bを収納するため、先端筒部6fの内径L4よりも大径となっており、例えば1.2mm程度である。
チップ外筒6cの内径L5は、先端筒部6fと嵌合するため先端筒部6fの外径と略同径となっており、例えば1.2mm程度である。
チップ外筒6cの太内径領域ロの長さL3は、前述したバスケットワイヤ41、42が移動可能な長さが必要であって、少なくとも内径L5の1、5倍~6倍程度あればよく、例えば2mm程度であり、チップ外筒6cの長さL6は例えば3mm程度である。
次に、先端チップ6に対してバスケットワイヤ41、42を取り付ける方法について図5を用いて説明する。
この組立方法は、まず、図5(a)に示すように、長尺線状の拠り線の略中央部を折り返したバスケットワイヤ41、42の後端側を、先端チップ6の先端側から後端側に向けて(図中矢印Y方向)挿入し、次に図5(b)に示すように、バスケットワイヤ41、42の各ワイヤ折り返し部41a、42aが先端チップ6から突出している状態で、折り返し部41a、42aの隙間にリブ6bを通し、先端チップ6の後端側に向かって(図中矢印Z方向)、バスケットワイヤ41、42を圧入する。
この組立方法によって本実施例による先端チップは、熱溶接によってワイヤ破損をすることがないと共に、2本の折り返し部を先端としてリブに掛けた状態でワイヤを先端チップ内に圧入するため容易に製造することができる。
なお、本実施例においては、溝6dにリブ6bを固定した後に突出部分を切断する例を示したが、これに限られず、リブ6bの長さを、先端チップ6から突出しない長さに切断してから溝6dに固定するようにしてもよい。
このように本実施例に示すバスケット型内視鏡用処置具1は、上述したように、2本のバスケットワイヤ41、42を折り返した折り返し部41a、42aを先端として略円柱状のリブ6bに掛けた状態で、ワイヤを先端チップ内に圧入するものであり、下記効果を奏する。
すなわち、本実施例によるバスケット型内視鏡用処置具1は、バスケットワイヤ41、42を窄めた状態において、先端チップ6のチップ外筒6cの内周との間に隙間6gを設けたことにより、図3(a)に示すように、バスケットワイヤ41、42(42不図示)を籠状に拡げてバスケット部40の内部に結石が挟まって動かなくなってしまった場合であっても、操作ワイヤ2を押し引き操作することにより、チップ外筒6cの内部でバスケットワイヤ41、42をX方向(バスケットワイヤ41、42が籠状に拡がる方向及び窄まる方向)に移動することができるため、結石を少しずつ動かすことが可能となり、徐々にバスケットワイヤ41、42と結石との間に隙間ができて嵌頓を解除することができる。
図6(a)は先端チップ6の外観図、図6(b)は(a)を先端側((a)の上方向)から見た図、図6(c)は(b)のD-D断面図、図6(d)は(b)のE-E断面図を示し、バスケットワイヤ41、42は、籠状に広がらずに閉じた状態を示す。
なお、先端チップの構成以外は、実施例1と同様であるため説明を省略する。
なお、操作ワイヤ41は、太内径領域ロにおいて、リブ6hを避けるようにして配置される。
図7(a)は先端チップ50の外観図、図7(b)は(a)を先端側((a)の上方向)から見た図、図7(c)は(b)のF-F断面図を示し、バスケットワイヤ41、42は、籠状に広がらずに閉じた状態を示す。
なお、先端チップの構成以外については、実施例1と同様であるため説明を省略する。
なお、本実施例に前述の実施例2を組み合わせてバスケットワイヤ41、42の各折り返し部41a,42aを掛けたリブを先端側と後端側の2箇所で固定するようにしてもよい。
6a チップ本体、6b リブ、6c チップ外筒、6d 溝、6e 先端部、
6f 先端筒部、6g 隙間、7 後端チップ、10操作部、
20 先端金具、20a 細内径部、20b 太内径部
40 バスケット部、41 バスケットワイヤ、41a ワイヤ折り返し部、
42 バスケットワイヤ、42a ワイヤ折り返し部、イ 細内径領域、ロ 太内径領域、
Claims (5)
- 長尺円筒状の可撓性シースと、
該可撓性シースの円筒内に挿通され、押し引き操作されることにより該円筒内を軸方向に進退自在な操作ワイヤと、
該操作ワイヤの先端に設けられ、複数のバスケットワイヤが弾性的に縮径または拡開するように形成されたバスケット部と、
筒状に貫通する内径部を有し、前記複数のバスケットワイヤの先端側を纏めて保持する先端チップと、
前記複数のバスケットワイヤの後端側を纏めて保持する後端チップと、
前記可撓性シースの先端に取り付けられ、前記バスケット部が設けられた操作ワイヤを挿通する先端金具と、
前記操作ワイヤを進退操作するための操作部と、
を備え、前記先端チップに向かう方向を先端側と呼び、前記操作部に向かう方向を後端側と呼ぶバスケット型内視鏡用処置具において、
前記先端チップは、前記バスケットワイヤの略中央部分を折り返して形成した折り返し部を、前記先端チップの筒軸に対して直角方向に固定される略円柱状の第1のリブに掛けて保持することを特徴とするバスケット型内視鏡用処置具。 - 前記先端チップの先端に、前記筒軸に対して直角方向に溝が形成され、該溝に前記第1のリブが固定されることを特徴とする請求項1に記載のバスケット型内視鏡用処置具。
- 前記先端チップの前記内径部が、軸方向に、バスケットワイヤを纏めて保持するための所定内径の細内径領域と、該細内径領域よりも後端側に位置し、前記細内径領域より内径が大きく前記バスケットワイヤが内部で移動可能な太内径領域とを有することを特徴とする請求項1または2に記載のバスケット型内視鏡用処置具。
- 前記バスケット部は、2本のバスケットワイヤにより構成され、
前記先端チップの後端側に、略円柱状の第2のリブが固定され、前記バスケットワイヤのうち、一方のバスケットワイヤの折り返し部が前記第1のリブに掛けられ、他方のバスケットワイヤの折り返し部が前記第2のリブに掛けられることを特徴とする請求項3に記載のバスケット型内視鏡用処置具。 - 前記第2のリブは、前記太内径領域に固定されることを特徴とする請求項4に記載のバスケット型内視鏡用処置具。
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