JP2015161525A - 車載センサ及びガスセンサ - Google Patents
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【解決手段】車載センサ1は、外筒30の外筒基端部31をグロメット4で閉塞した本体基端部2Kを有する車載センサ本体2と、グロメット4に挿通され、本体基端部2Kから車載センサ本体2の基端側GKの外部に延出するリード延出部3eを含むリード線3と、リード線3のリード延出部3eの径方向周囲を包囲するリード包囲チューブ5と、本体基端部2Kを径方向外側から包囲する第1包囲部11、及び、第1包囲部11に連なり、リード延出部3eを径方向外側から包囲する第2包囲部12を有する筒状のカバー部材10とを備え、リード包囲チューブ5は、本体基端部2K側に位置するチューブ先端部5Sの内側に、カバー部材10の第2包囲部12のうち少なくとも基端側GKの一部を収容してなる。
【選択図】図3
Description
なお、特許文献1には、このような車載センサについて、リード線を包囲するリード包囲チューブと、ケーシングの基端部からリード包囲チューブのチューブ先端部までを周囲から覆うカバー部材とをさらに設けて、雨水の水しぶきや高圧洗車の水流がかかることによってセンサ内部に水が浸入するのを防止したセンサが開示されている。
しかしながら、特許文献1の車載センサでは、センサの基端部を覆うカバー部材の内側に、センサのリード線を包囲するリード包囲チューブが位置していた。このため、リード包囲チューブに水やオイルが付着した場合には、このリード包囲チューブに付着した水やオイルが、リード包囲チューブを伝わって、カバー部材の内側に浸入し、さらに、センサ本体の内部に水やオイルが浸入するのを、適切に防止することができなかった。
これにより、カバー部材内から車載センサ本体の基端部を通じて、車載センサ本体の内部に水やオイルが浸入して、車載センサに不具合が発生することを適切に防止することができる。
また、リード包囲チューブとしては、例えば、PTFE、PFA、FEPなどを用いたフッ素樹脂チューブや、シリコーンゴムチューブ、シリコーンワニスガラス編組チューブなどが挙げられる。
このため、リード包囲チューブがリード線のリード延出部に沿って移動しても、リード包囲チューブのチューブ先端部で、カバー部材の第2包囲部のうち少なくとも基端側の一部を覆い続けることができ、カバー部材の内側へ水やオイルが浸入するのを、確実に防止することができる。
しかるに、この車載センサでは、リード包囲チューブのチューブ先端部の内側に、カバー部材の第2包囲部のうち少なくとも基端側の一部を収容している。さらに、通気フィルタは、この第2包囲部内にあるので、水やオイルが通気フィルタに付着するのを、適切に防止することができる。
通気フィルタとしては、例えば、PTFEからなり、撥水性及び通気性を有するシートを用いたものが挙げられる。
しかるに、車載センサ本体内に水やオイルが流入すると、電極等を変質させたり、高温に晒されたオイルが揮発することで基準ガスの組成変化を生じて、ガスセンサの出力に異常を生じるなどの不具合が生じるおそれがある。
このようなガスセンサとしては、例えば、被測定ガスとガス検出素子の内部(大気)の酸素濃度差から、被測定ガス中の酸素濃度を検知する酸素センサが挙げられる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1及び図2に、本実施形態に係る車載センサであるガスセンサ1を示す。このガスセンサ1は、車両の内燃機関の排気管に装着され、排気ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサである。
ガスセンサ1は、軸線AXに沿う軸線方向HJ(図中上下方向)に延びるセンサ本体2(車載センサ本体)のほか、このセンサ本体2のうち基端側GK(図中上方)の本体基端部2Kから基端側GKの外部に延出するリード線3、このリード線3のうち、センサ本体2の外部に延出したリード延出部3eの径方向周囲を包囲するリード包囲チューブ5、センサ本体2の本体基端部2Kに装着されたカバー部材10、リード線3の基端側GKの端部に取り付けられた外部コネクタ8を備える。
ガスセンサ1のセンサ本体2は、排気管に固定するためのネジ部41が外表面に形成された筒状の主体金具40を備える。また、主体金具40の先端側GS(図中下方)には、外側プロテクタ50a及び内側プロテクタ50bからなる二重の有底筒状のプロテクタ50がレーザ溶接により固設されている。一方、主体金具40の基端側GK(図中上方)には、筒状をなす金属製の外筒30がレーザ溶接により固設されている。そして、これらプロテクタ50、主体金具40及び外筒30の内側に、先端側GSが閉じて、基端側GKが開口する有底筒状で、軸線方向HJに延びる断面略U字状のガス検出素子20が、その先端部分をプロテクタ50内に突出させた状態で配置されている。
また、ガス検出素子20の有底孔21内には、内部電極層用接続部材70の先端部分が挿入されると共に、これに保持されたヒータ60が配置されている。
これにより、ガス検出素子20の内部電極層23は、基準ガス室GR内の基準ガス(大気)に接触する一方、ガス検出素子20の外部電極層24は、プロテクタ50内で、被測定ガスに接触する。このため、ガス検出素子20の内部電極層23と外部電極層24との間には、酸素濃度差に応じた起電力が発生し、被測定ガス中の酸素濃度を測定することが可能になっている。
また、外筒基端部31の内側には、後述するように、フッ素ゴム製のグロメット4が加締め固定されており、これにより、センサ本体2の本体基端部2Kとなる外筒30の外筒基端部31が、グロメット4で閉塞されている。
1,3h2(3h2は3h1と軸線AXに対して対称位置)の合計4本のリード線3が挿
通され、本体基端部2Kからセンサ本体2の基端側GKの外部に延出している。
さらに、グロメット4の中央部分には、貫通孔4cが設けられ、この貫通孔4c内に通気フィルタ6が配設されている。後述するように、この通気フィルタ6を通じて、外筒30内に、外部の大気が導入される。
センサ本体2は、前述したように、外筒30の外筒基端部31を、フッ素ゴム製のグロメット4で閉塞した本体基端部2Kを有している。具体的には、センサ本体2は、本体基端部2Kにおいて、外筒30の外筒基端部31の周方向全体を径方向内側に環状に凹ませた凹部31aを形成して、グロメット4を外筒基端部31に加締め固定している。
このため、外筒30の外部の大気が、通気フィルタ6を通じて外筒30内に導入され、ひいては、ガス検出素子20の有底孔21内に導入される。これにより、外筒30内には、基準ガス空間30vが形成され、ガス検出素子20の有底孔21内には、外筒30内の基準ガス空間30vに連通する基準ガス室GRが形成されている。
これにより、グロメット4の各所のリード線用挿通孔4hから延出したリード線3のリード延出部3e(隣接リード延出部3a)が、第2縮径包囲部14の内側に収容され、これらが第2縮径包囲部14内で纏めて基端側GKの第2円筒包囲部13内に導かれている。
なお、カバー部材10では、第2円筒包囲部13が長くされ、第2包囲部12の基端12K(第2円筒包囲部13の基端)が、リード包囲チューブ5の先端5SSの可動範囲mrよりも基端側GKに位置する形態を有している(図3参照)。このため、リード包囲チューブ5がリード線3のリード延出部3eに沿って基端側GKに移動したとしても、リード包囲チューブ5のチューブ先端部5Sが、第2円筒包囲部13の少なくとも基端側GKの一部を確実に覆うようになっている。
これにより、カバー部材10内からセンサ本体2の本体基端部2Kを通じて、センサ本体2の内部に水やオイルが浸入して、ガスセンサ1に不具合が発生することを適切に防止することができる。
このため、通気フィルタ6に水やオイルが付着すると、内外の気圧差などによって、通気フィルタ6で通過を阻止できず、水やオイルがセンサ本体2の内部に浸入するおそれがある。センサ本体2内に水やオイルが流入すると、電極等を変質させたり、高温に晒されたオイルが揮発することで基準ガスの組成変化を生じて、ガスセンサ1の出力に異常を生じるなどの不具合が生じるおそれがある。
このため、リード包囲チューブ5がリード線3のリード延出部3eに沿って移動しても、リード包囲チューブ5のチューブ先端部5Sで、カバー部材10の第2包囲部12(第2円筒包囲部13)のうち少なくとも基端側GKの一部を覆い続けることができ、カバー部材10の内側へ水やオイルが浸入するのを、確実に防止することができる。
次いで、上述の実施形態の変形形態について、図5及び図6を参照して説明する。図5に示す本変形形態で用いるカバー部材10Aは、第2円筒包囲部13に、複数の環状凸部13Tを設けている点で、実施形態で用いたカバー部材10と異なる。環状凸部13Tは、第2円筒包囲部13の外周面13mの周方向に環状に膨出している。
例えば、実施形態及び変形形態では、車載センサとして、通気フィルタ6を備えたガスセンサ1,1A(酸素センサ)を示したが、本発明における車載センサは、これに限られない。例えば、本体基端部に通気フィルタを備えていない酸素センサのほか、窒素酸化物(NOx)の濃度を検出するNOxセンサ、CO濃度を検出するCOセンサ、水素ガスを検知する水素センサなどの他のガスセンサであっても良く、また、排気ガス温度を測定する排気温度センサなど、ガスセンサ以外のセンサであっても良い。
なお、カバー部材の材質及び形状は、実施形態及び変形形態に限られず、適宜変更が可能である。カバー部材の変形例として、例えば、図7〜図9に示すカバー部材210,310,410のような形状のものが挙げられる。また、リード包囲チューブの太さ、材質及び形状も、適宜変更が可能である。
HJ 軸線方向
GS 先端側
GK 基端側
1,1A ガスセンサ(車載センサ)
2 センサ本体(車載センサ本体)
2K 本体基端部
3 リード線
3e リード延出部
3a 隣接リード延出部
4 グロメット
4c 貫通孔
5 リード包囲チューブ
5S チューブ先端部
5SS (リード包囲チューブの)先端
D1 (チューブ先端部の)内径
6 通気フィルタ
10,10A,210,310,410 カバー部材
11 第1包囲部
11K (第1包囲部の)基端
12 第2包囲部
12K (第2包囲部の)基端
13 第2円筒包囲部
14 第2縮径包囲部
15 第2先端包囲部
15K (第2先端包囲部の)基端
16 係合凸部
D2 (第2円筒包囲部の)外径
D3 (第1包囲部の)外径
20 ガス検出素子
21 有底孔
GR 基準ガス室
30 外筒
30v 基準ガス空間
31 外筒基端部
31a 凹部
40 主体金具
Claims (9)
- 外筒の外筒基端部をグロメットで閉塞した本体基端部を有する車載センサ本体と、
上記グロメットに挿通されてなり、上記本体基端部から上記車載センサ本体の基端側の外部に延出するリード延出部を含むリード線と、
上記リード線の上記リード延出部の径方向周囲を包囲するリード包囲チューブと、
筒状のカバー部材であって、
上記本体基端部を径方向外側から包囲する第1包囲部、及び、
上記第1包囲部に連なり、上記リード延出部を径方向外側から包囲する第2包囲部を有する
カバー部材と、を備え、
上記リード包囲チューブは、
上記本体基端部側に位置するチューブ先端部を有し、
上記チューブ先端部の内側に、上記カバー部材の上記第2包囲部のうち少なくとも基端側の一部を収容してなる
車載センサ。 - 請求項1に記載の車載センサであって、
前記リード包囲チューブの前記チューブ先端部は、
前記カバー部材の前記第1包囲部よりも径小である
車載センサ。 - 請求項1または請求項2に記載の車載センサであって、
前記リード包囲チューブは、
少なくとも前記チューブ先端部において、所定内径を有する円筒状であり、
前記カバー部材の前記第2包囲部は、
少なくとも基端側の一部が上記リード包囲チューブの上記チューブ先端部の内側に収容されると共に、
上記チューブ先端部の内径との径差が0.5mm以下の外径を有する円筒状で、
前記リード延出部の径方向周囲を包囲する
第2円筒包囲部を有する
車載センサ。 - 請求項3に記載の車載センサであって、
前記カバー部材の前記第2円筒包囲部は、
当該第2円筒包囲部の外周面に、上記外周面の周方向に環状に膨出し、前記リード包囲チューブの前記チューブ先端部の内周面に環状に接する環状凸部を複数有する
車載センサ。 - 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車載センサであって、
前記カバー部材の前記第2包囲部は、
前記第1包囲部の基端からまたは上記第1包囲部に連なり基端側に延びる筒状の第2先端包囲部の基端から延び、基端側に向かうほど縮径する第2縮径包囲部を有する
車載センサ。 - 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の車載センサであって、
前記カバー部材は、
前記リード線の前記リード延出部に沿う方向について生じうる前記リード包囲チューブの先端の可動範囲よりも基端側に、前記第2包囲部の基端が位置する形態を有する
車載センサ。 - 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の車載センサであって、
前記車載センサ本体は、
前記本体基端部において、前記外筒の前記外筒基端部に、上記外筒基端部の周方向の少なくとも一部を径方向内側に凹ませた凹部を形成して、前記グロメットを上記外筒基端部に加締め固定してなり、
前記カバー部材の前記第1包囲部は、径方向内側に突出して上記凹部に係合する係合凸部を有する
車載センサ。 - 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の車載センサであって、
前記グロメットは、前記外筒の内外を連通する貫通孔を有し、
上記グロメットの上記貫通孔に装着され、水の通過を阻止しつつ、上記外筒内と前記第2包囲部内との間の大気の流通を許容する通気フィルタを備える
車載センサ。 - 請求項8に記載の車載センサであって、
前記車載センサ本体は、
被測定ガス中に含まれる特定ガスを検出するガス検出素子を備え、
上記ガス検出素子は、
前記外筒内に連通する基準ガス室を内部に形成してなる
ガスセンサ。
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