JP2015160576A - 電車線の支持装置、及び案内軌道交通システム - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、ガイドレールのみの位置調整を行った場合、若しくはガイシ取付板のみの位置調整を行った場合、ガイドレールとガイシ取付板との相対的な位置関係が、所定の基準から逸脱してしまう可能性もある。したがって、施工精度の管理が困難になるとともに、施工工数の増加を招く可能性があった。
本発明の一態様に係る支持装置は、軌道に一体に固定された基部と、軌道を走行する車両の側部の案内輪が当接するガイドレールと、該ガイドレールを基部に固定する第一固定部と、第一固定部とは独立して接続された第二固定部と、ガイドレールに支持されるブラケットと、該ブラケットによってガイドレールに対する予め定められた相対位置に配置されるように支持されて、車両の集電部に摺接される電車線と、を備えることを特徴とする。
さらに、基部に対するガイドレールの位置調整を行った場合であっても、ガイドレールに追従して該ガイドレールに対する相対位置が固定された電車線の位置が同時に調整される。即ち、ガイドレールに対する電車線の相対的な位置関係を維持することができるため、高い精度で案内軌道を敷設することができるとともに、施工工数を削減することができる。
以下、本発明に係る支持装置1、及び案内軌道交通システムTの第一実施形態について図1と図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る案内軌道交通システムTの概要を、車両100の走行方向から見た断面図である。
図1に示すように、案内軌道交通システムTは、人荷等を積載して運搬する車両100と、車両100が走行する案内軌道99と、案内軌道99に設けられた支持装置1とを有する。
車両100は、箱体状の車両本体101と、車両本体101の下部に設けられた走行用の車輪102と、車両本体101の側面部両側に設けられた案内輪103と、案内輪103に対して上下方向に並設された集電部104と、を有する。
支持装置1は、案内軌道99の基部91に対して取り付けられた、外形視柱状の構築物である。より詳しくは、図2に示すように、支持装置1は断面視H字状のガイドレール11と、ガイドレール11に接続された断面視L字状のブラケット12と、ブラケット12の延在中途に固定支持された絶縁支持部21と、を有している。
ブラケット12は、上下方向に延在するとともに、該延在線に直交する断面の形状がL字状の柱状部材である。ブラケット12の下端は水平面に沿う平面形状をなす被固定部12B(ベースプレート12B)とされている。この被固定部12Bは後述のボルト14が挿通される貫通孔を有している。ここで、貫通孔の寸法、個数、配置は、前述の接続部11Cに設けられた貫通孔とそれぞれ対応している。
絶縁支持部21は絶縁性を有する部材で構成された棒状の部材である。絶縁支持部21は、ブラケット12に設けられた固定孔15に挿通されるとともに、一端を例えば亀の子金具等の固定具16によって固定支持されている。
絶縁支持部21の他端には、ガイシ22が設けられている。ガイシ22は公知の絶縁材料であって、その寸法や定格は設計に応じて適宜選択される。
第一電車線20Aと、第二電車線20Bとは、支持装置1、及び絶縁支持部21が基部91に対して固定された後に、絶縁支持部21の先端に設けられたガイシ22に固定されて架設される。また、第一電車線20Aと第二電車線20Bとは、その総延長にわたって互いに略平行をなすようにして設けられる。
これにより、支持装置1の施工に際して、ガイドレール11の位置と第一電車線20A、第二電車線20Bの位置をそれぞれ別個に調整、決定する必要がなくなる。これにより、案内軌道99の施工を高精度で行うことができるとともに、施工工数を削減することができる。
ここで、例えば仮にガイドレール11とブラケット12がともに第一固定部17によって基部91に固定されている場合、ガイドレール11の基部91に対する位置調整をすべく第一固定部17を操作すれば、同時にガイドレール11とブラケット12との位置関係も変化してしまう。そのため、再度ガイドレール11とブラケット12との位置調整を改めて行う必要が生じる。
即ち、ガイドレール11と第一電車線20A、第二電車線20Bとの相対的な位置関係を維持することができるため、ガイドレール11と第一電車線20A、第二電車線20Bのそれぞれの位置を別個に調整する必要がなくなり、施工工数を削減することができる。
これにより、ガイドレール11の位置のみを決定することで、車両100の案内輪103をガイドレール11に当接させるとともに、車両100の集電部104を、第一電車線20A、第二電車線20Bとにそれぞれ摺接させることができる。
これにより、電車線20がブラケット12に固定支持されるため、施工時にブラケット12に対する電車線20の位置関係を調整する必要がなくなる。加えて、電車線20とガイドレール11との位置関係にずれを生じることを抑制することができる。これにより、案内軌道99の敷設時における高い施工精度を維持することができるとともに、施工工数を削減することができる。
次に本発明の第二実施形態について図3を参照して説明する。なお、第一実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図3は、本実施形態に係る支持装置2の正面図である。図3に示すように、本実施形態に係る支持装置2では、ガイドレール11とブラケット12との間に、スペーサ13が設けられている。
次に本発明の第三実施形態について図4を参照して説明する。なお、上述の各実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図4は、本実施形態に係る支持装置3の正面図である。図4に示すように、本実施形態に係る支持装置3は、ブラケット32にケーブル支持部30が構成されている。
ケーブル支持部30は、薄板を曲折して略L字状に形成した部材であって、一端がブラケット32の中途に一体に接続されている。ブラケット32に接続された側である一端と反対側の他端は、略鉛直上方に向かって曲折されている。したがって、図4に示すように、ケーブル支持部30の他端とブラケット32の側面との間の領域にケーブルCを懸架することができる。言い換えると、ケーブルCは上方から見てケーブル支持部32と直交するようにして懸架される。
次に本発明の第四実施形態について図5を参照して説明する。なお、上述の各実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
次に本発明の第五実施形態について図6を参照して説明する。なお、上述の各実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
電車線支持部20Xは、車両100の走行方向から見た断面形状が概ね三角形をなして形成されている。より詳細には、電車線20が支持される先端部からブラケット12に向かうに従って次第に高さ方向の寸法が大きくなるように形成されている。
このような構成によれば、ブラケット12にガイシ22を固定する作業がなくなることによって、施工工数を削減することができる。加えて、部品点数が減ることから、品質管理、在庫管理などの費用を抑制することができる。
次に本発明の第六実施形態について図7を参照して説明する。なお、上述の各実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
したがって、ボルト14Eに対してこれらナット14A、14B、14C、14Dが締結される位置を変更することにより、スペーサ13と接続部11Cとの間隔を微調整することができる。
この構成によれば、ガイドレール11に対する電車線20の相対位置を当初の定められた位置から変更する要請が生じた場合であっても、ブラケット12のガイドレール11に対する固定位置を調整することで、この変更に容易に対応することができる。これにより、案内軌道99敷設後の維持管理コスト、工数を削減することができる。
(第七実施形態)
被固定部42Aは、後述のジャッキボルト24Aが挿通される長穴24Cを有している。長穴24Cは、被固定部42Aを上下方向に貫通するとともに、被固定部42Aの延在方向に沿って延びる長円状に形成されている。さらに、第一延在部42Bは、その下方に後述のボルト24Bが挿通される長穴24Dを有している。長穴24Dは、第一延在部42Bを左右方向に貫通するとともに、第一延在部42Bの高さ方向に沿って延びる長円状に形成されている。
加えて、本実施形態に係るガイドレール11は、第一フランジ11A上であって、上述の長穴24C、長穴24Dと対応する位置に、ボルト24Bが挿通される円形の貫通孔を有している。より詳細には、該貫通孔は第一フランジ11Aにおける接続部11Cよりも上側に位置する面を左右方向に貫通するように設けられている。
(第八実施形態)
さらに、ブラケット52は、高弾性のゴム等で形成された接合部材36,36を介して、一対のボルト35,35によって、ガイドレール11の第一フランジ11A、第二フランジ11Bにおける互いに対向する面に固定される。より詳しくは、一対のボルト35,35は互いに離間する方向に、一対の接合部材36,36を、左右方向に沿って互いに離間する方向に向かって押圧するようにして被固定部52Bに固定される。これにより、接合部材36,36はガイドレール11の第一フランジ11Aと第二フランジ11Bとにそれぞれ押圧されて、脱落不能に固定支持される。
ここで、第一フランジ11Aと第二フランジ11Bとに対して、接合部材36,36が当接する位置を適宜変更することで、ブラケット52の高さ方向、及び左右方向の位置を微調整することができる。
(第九実施形態)
これにより、ブラケット12がガイドレール11における接続部11Cの上側の面に対して、ボルト等の固定部材を介することなく、言わば直接的に固定されるため、予め定められたガイドレール11と第一電車線20A、第二電車線20Bとの相対位置にずれを生じる可能性が低減される。したがって、ガイドレール11の位置と第一電車線20A、第二電車線20Bの位置をそれぞれ別個に調整、決定する必要がなくなる。これにより、案内軌道99の施工を高精度で行うことができるとともに、施工工数を削減することができる。
また、上述の実施形態では、ブラケット12の断面がL字状に形成された例を説明した。しかしながら、ブラケット12の断面形状はL字状に限定されず、例えばH字状、C字状、I字状等であってもよい。
Claims (8)
- 軌道に一体に固定された基部と、
前記軌道を走行する車両の側部の案内輪が当接するガイドレールと、
該ガイドレールを前記基部に固定する第一固定部と、
前記第一固定部とは独立して接続された第二固定部と、
前記ガイドレールに支持されるブラケットと、
該ブラケットによって前記ガイドレールに対する予め定められた相対位置に配置されるように支持されて、前記車両の集電部に摺接される電車線と、
を備える電車線の支持装置。 - 前記相対位置は、前記車両の案内輪と前記電車線との位置関係に基づいて定められている請求項1に記載の電車線の支持装置。
- 前記ブラケットは、ケーブルを支持するケーブル支持部を有する請求項1又は2に記載の電車線の支持装置。
- 前記ブラケットとガイシが絶縁物によって一体的に形成されて、
前記電車線は、前記絶縁物を介して前記ガイドレールに固定支持されている請求項1又は3に記載の電車線の支持装置。 - 前記ガイドレールは、
前記基部に前記第一固定部によって固定される第一フランジと、
該第一フランジと対向配置されて前記案内輪が当接する第二フランジと、
これら第一フランジ及び第二フランジの間で、これら第一フランジ及び第二フランジを接続する接続部と、
を有し、
前記ブラケットは、
前記接続部に前記第二固定部によって固定される被固定部と、
該被固定部の前記第二フランジ側の部位から、前記接続部から離間する方向に延びる延在部と、
を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の電車線の支持装置。 - 前記第二固定部は、前記電車線の固定箇所を前記相対位置から微調整可能なように、前記ブラケットの前記ガイドレールに対する固定位置を調整可能である請求項1から5のいずれか一項に記載の電車線の支持装置。
- 前記ガイドレールと前記ブラケットとの間に介在されることで、前記電車線の固定箇所を前記相対位置から微調整するスペーサを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電車線の支持装置。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載の電車線の支持装置と、
前記車両と、
を備える案内軌道交通システム。
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