JP2015158254A - 無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

無段変速機の油圧制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ベルト式の無段変速機を備えた車両において、車両減速中にエンジンを停止した場合のベルト滑りを抑制する。【解決手段】ベルト式の無段変速機の油圧制御装置であって、エンジン作動中にMOP圧を、エンジン停止中にMOP圧よりも低いEOP圧をライン圧として発生する装置と、ライン圧を調圧してプライマリプーリに出力する制御弁と、ライン圧を調圧してセカンダリプーリに出力する制御弁と、セカンダリ圧がプライマリ圧よりもα以上大きい場合に油圧差をαに維持するように作動するチェック弁と、ECUとを備える。ECUは、車両減速中にエンジン停止許可条件が成立すると、エンジン停止前にセカンダリ圧をMOP圧まで高めるとともにチェック弁を作動可能状態にする。その後のエンジン停止でセカンダリ圧が低下するとチェック弁が閉じられ、プライマリ圧はエンジン停止前の油圧に近い値に維持される。【選択図】図6

Description

本発明は、エンジンを駆動源とする車両に搭載される無段変速機の油圧制御装置に関する。
特開2011−7236号公報(特許文献1)には、エンジンとベルト式の無段変速機とを備えた車両において、エンジン停止前に無段変速機の変速比を最大変速比(最低速側の変速比)よりも高速側であってかつベルト滑りを抑制可能な変速比にすることによって、エンジン再始動時のベルト滑りを抑制する技術が開示されている。
特開2011−7236号公報
ところで、無段変速機内の油圧の発生源としては、通常、エンジンを動力源として作動する機械式オイルポンプが用いられる。そのため、エンジン停止によって無段変速機内の油圧は低下する。なお、機械式オイルポンプと電動式オイルポンプとを併せ持つ場合であっても、同様に、エンジン停止によって無段変速機内の油圧は低下するのが一般的である。すなわち、通常、電動式オイルポンプの吐出油圧は機械式オイルポンプの吐出油圧よりも低いため、エンジン停止中に電動式オイルポンプを作動させたとしても、無段変速機内の油圧はエンジン作動中よりも低下する。
したがって、車両の減速中にエンジンを停止した場合、無段変速機内の油圧が低下し、ベルト挟圧力が不足する傾向にある。そのため、エンジン停止中あるいはエンジン再始動時にベルト滑りが生じるおそれがある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、エンジンとベルト式の無段変速機とを備えた車両において、車両の減速中にエンジンを停止した場合のベルト滑りを抑制することである。
この発明に係る油圧制御装置は、エンジンを駆動力源とする車両に搭載される無段変速機の油圧制御装置である。無段変速機は、エンジンから動力が入力される第1プーリと、車両の駆動輪に動力を出力する第2プーリと、第1プーリと第2プーリとに巻き掛けられたベルトとを備える。油圧制御装置は、エンジンの停止中にエンジンの作動中よりも低い油圧をライン圧として発生するライン圧発生装置と、ライン圧を調圧した油圧を第1プーリに出力する第1制御弁と、ライン圧を調圧した油圧を第2プーリに出力する第2制御弁と、第2プーリの油圧が第1プーリの油圧よりも予め定められた値以上大きい場合に、第2プーリの油圧を第1プーリに供給して第1、第2プーリ間の油圧差を予め定められた値に維持するように作動する調圧弁と、車両の減速中にエンジンの停止条件が成立した場合、エンジンを停止する前に第2制御弁を制御して第2プーリの油圧を所定油圧とし、第2プーリの油圧を所定油圧とした後にエンジンを停止する制御装置とを備える。所定油圧は、調圧弁を作動可能な油圧であって、かつ調圧弁の作動によって第1プーリの油圧がベルトの滑りを抑制可能な値となる油圧である。
このような構成によれば、エンジンを停止する前に第2プーリの油圧を所定油圧に増加するため、調圧弁が作動して第1プーリの油圧がベルトの滑りを抑制可能な値に高められる。その後にエンジン停止を停止すると、第2プーリの油圧が低下することに伴って調圧弁が作動しなくなる(閉じられる)ため、第1プーリの油圧がベルトの滑りを抑制可能な値に近い値に維持される。その結果、車両の減速中にエンジンを停止した場合のベルト滑りを抑制することができる。
本発明によれば、エンジンとベルト式の無段変速機とを備えた車両において、車両の減速中にエンジンを停止した場合のベルト滑りを抑制することができる。
車両の概略構成を示す図である。 無段変速機の油圧回路の構成を模式的に示す図である。 ノーマルモード時の油圧回路構成を模式的に示す図である。 ガレージモード時の油圧回路構成を模式的に示す図である。 ベルト滑りが生じる原理を説明するための図(比較例)である。 ECUが行なう処理の流れを説明するための図である。 車両減速中にエンジンを停止する場合のプライマリ圧Pinおよびセカンダリ圧Poutの変化を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態による車両1の概略構成を示す図である。この車両1は、エンジン200、トルクコンバータ300、前後進クラッチ400、ベルト式の無段変速機500、減速歯車600、差動歯車装置700、駆動輪800、ECU(Electronic Control Unit)100を備える。
エンジン200の出力は、トルクコンバータ300および前後進クラッチ400を介して無段変速機500に入力される。無段変速機500の出力は、減速歯車600および差動歯車装置700に伝達され、左右の駆動輪800へ分配される。
前後進クラッチ400は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置と、フォワードクラッチ406と、リバースブレーキ410とを含む。フォワードクラッチ406が係合されかつリバースブレーキ410が解放されると、前後進クラッチ400は、前進方向の駆動力を無段変速機500に伝達する。フォワードクラッチ406が解放されかつリバースブレーキ410が係合されると、前後進クラッチ400は、後進方向の駆動力を無段変速機500に伝達する。なお、フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410の双方が解放されると、前後進クラッチ400は動力を伝達しないニュートラル状態になる。
無段変速機500は、入力軸502に設けられたプライマリプーリ504と、出力軸506に設けられたセカンダリプーリ508と、これらのプーリに巻き掛けられたベルト510とを含む。各プーリとベルト510との間の摩擦力を利用して動力伝達が行われる。
プライマリプーリ504およびセカンダリプーリ508には、それぞれ油圧シリンダが設けられる。各プーリの油圧シリンダ内の油圧が制御されることにより、各プーリの溝幅が変化する。これにより、各プーリに対するベルト510の掛かり径がそれぞれ変更され、変速比γ(=プライマリプーリ504の回転速度/セカンダリプーリ508の回転速度)が連続的に変化させられる。
車両1には、アクセル開度A(ユーザによるアクセルペダル操作量)、エンジン200の回転速度Ne、タービン軸304の回転速度Nt、車速Vなど、車両1の状態を制御するのに必要な複数のセンサ(図示せず)が備えられる。
ECU100は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵し、当該メモリに記憶された情報や各センサからの情報に基づいて、エンジン200、前後進クラッチ400、無段変速機500などの車両1の各機器を制御する。
図2は、無段変速機500の油圧回路10の構成を模式的に示す図である。
油圧回路10は、オイルパン11と、ライン圧発生装置12と、第1制御弁13と、第2制御弁14と、チェック弁15とを含む。
ライン圧発生装置12は、無段変速機500を作動させるための油圧の元圧となるライン圧PLを生成し、ライン圧PLを第1制御弁13および第2制御弁14に出力する。
本実施の形態によるライン圧発生装置12は、機械式オイルポンプ(以下「MOP」(Mechanical Oil Pump)ともいう)21と、電動式オイルポンプ(以下「EOP」(Electric Oil Pump)ともいう)22と、レギュレータバルブ23と、第1リニアソレノイドバルブ(以下「SLP」ともいう)24と、第2リニアソレノイドバルブ(以下「SLS」ともいう)25と、切替装置26とを含む。
MOP21は、エンジン200を動力源として作動する。EOP22は、ECU100からの制御信号に基づいて動作するモータを動力源として作動する。MOP21およびEOP22は、いずれもオイルパン11に貯留された油を吸入して吐出する。本実施の形態において、EOP22の吐出油圧(以下「EOP圧」ともいう)は、MOP21の吐出油圧(以下「MOP圧」ともいう)よりも小さい。
MOP21およびEOP22の吐出油圧は、レギュレータバルブ23によって調整されて、SLP24およびSLS25に供給される。
エンジン200の作動中には、MOP21が駆動されるため、ECU100によってEOP22が停止される。したがって、エンジン200の作動中には、MOP圧(より詳しくは、レギュレータバルブ23によって調整された後のMOP圧)がSLP24およびSLS25に供給される。
エンジン200の停止中には、MOP21が停止されるため、ECU100によってEOP22が駆動される。したがって、エンジン200の停止中には、EOP圧(より詳しくは、レギュレータバルブ23によって調整された後のEOP圧)がSLP24およびSLS25に供給される。
エンジン200の停止中は、レギュレーターバルブ23によって調整された油圧が低下するため、EOP22の吐出圧とレギュレーターバルブ23によって調整された油圧との間には逆流防止用のチェック弁22aが設けられている。
SLP24は、MOP圧あるいはEOP圧をECU100からの制御信号に基づいて調圧し、調圧後の油圧(以下「SLP圧」ともいう)を切替装置26に出力する。なお、SLP圧は第1制御弁13にも供給される。
SLS25は、MOP圧あるいはEOP圧をECU100からの制御信号に基づいて調圧し、調圧後の油圧(以下「SLS圧」ともいう)を切替装置26に出力する。なお、SLS圧は第2制御弁14にも供給される。
切替装置26は、SLP24から供給されるSLP圧と、SLS25から供給されるSLP圧とのうち、大きい方をライン圧PLとして第1制御弁13および第2制御弁14に出力する。
したがって、ライン圧発生装置12は、エンジン200の作動中にはMOP圧に基づくライン圧PLを生成し、エンジン200の停止中にはMOP圧よりも低いEOP圧に基づくライン圧PLを生成する。つまり、ライン圧発生装置12は、エンジン200の停止中にエンジン200の作動中よりも低い油圧をライン圧PLとして発生する。なお、以下では、主に、エンジン作動中のライン圧PLをMOP圧とし、エンジン停止中のライン圧PLをEOP圧とする場合を例示的に説明する。
第1制御弁13は、SLP24からのSLP圧をパイロット圧として作動し、ライン圧PLをSLP圧に応じた値に調圧して、プライマリプーリ504の油圧シリンダに接続される第1油路13aに出力する。したがって、第1制御弁13の出力油圧を調整する(SLP圧を調整する)ことによって、プライマリプーリ504の油圧シリンダ内の油圧(以下「プライマリ圧Pin」ともいう)が調整される。
第2制御弁14は、SLS25からのSLS圧をパイロット圧として作動し、ライン圧PLをSLS圧に応じた値に調圧して、セカンダリプーリ508の油圧シリンダに接続される第2油路14aに出力する。したがって、第2制御弁14の出力油圧を調整する(SLS圧を調整する)ことによって、セカンダリプーリ508の油圧シリンダ内の油圧(以下「セカンダリ圧Pout」ともいう)が調整される。
チェック弁15は、第1油路13aと第2油路14aとの間に設けられる。チェック弁15は、プライマリ圧Pinとセカンダリ圧Poutとの油圧差を予め定められた値αに維持するための調圧弁である。
油圧制御モードがノーマルモードである場合、チェック弁15は、第1油路13aおよび第2油路14aと切り離された作動不能状態となる。油圧制御モードがガレージモードに切り替えられた場合、チェック弁15は、第1油路13aおよび第2油路14aと接続された作動可能状態に機械的に切り替えられる。
ここで、ガレージモードとは、車両1の前後進を切替可能なモード(すなわち前後進クラッチ400の制御状態を変更可能なモード)である。ノーマルモードとは、車両1の前後進を切替不能なモード(すなわち前後進クラッチ400の制御状態を変更不能なモード)である。
ECU200は、車両1の状態に応じて油圧制御モードをノーマルモードおよびガレージモードのどちらかに切り替える。たとえば、ECU200は、車両1の進行方向を維持する場合(通常走行中)は油圧制御モードをノーマルモードにし、車両1の進行方向を切り替える場合などフォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410を制御する必要がある場合には油圧制御モードをガレージモードに切り替える。
図3は、ノーマルモード時の油圧回路構成を模式的に示す図である。ノーマルモード時には、上述のように、チェック弁15は第1油路13aおよび第2油路14aと切り離された作動不能状態となる。したがって、ノーマルモード時の油圧回路構成は、図3に示すように、チェック弁15が存在しない構成と等価である。
図4は、ガレージモード時の油圧回路構成を模式的に示す図である。ガレージモード時には、図4に示すように、チェック弁15は第1油路13aおよび第2油路14aと接続された作動可能状態となる。この作動可能状態において、セカンダリ圧Poutがプライマリ圧Pinに予め定められた値αを加えた値以上になると(すなわちPout≧Pin+αとなると)、チェック弁15は開状態となり第2油路14aから第1油路13aに油が供給される。これにより、セカンダリ圧Poutが低下するとともにプライマリ圧Pinが増加し、両者の差圧が徐々に小さくなる。そして、セカンダリ圧Poutとプライマリ圧Pinとの差圧が予め定められた値α未満になると(すなわちPout<Pin+αとなると)、チェック弁15は閉状態となり、第2油路14aと第1油路13aとが遮断される。このようにチェック弁15が作動することによって、プライマリ圧Pinとセカンダリ圧Poutとの差圧が予め定められた値αに維持される。
以上のような構成を有する車両1において、ECU100は、車両減速中にエンジン停止許可条件が成立しているか否かを判定する。本実施の形態において、エンジン停止許可条件は、アクセル開度Aが0であり、ブレーキペダル操作量が0よりも大きく、かつ車速Vがしきい値(たとえば時速数キロメートル程度)未満であり、かつ無段変速機500内の油温が予め定められたエンジン停止許可油温未満である、という条件に設定される。なお、上記のエンジン停止許可条件はあくまで例示であって、これらに限定されるものではない。
そして、ECU100は、車両減速中にエンジン停止許可条件が成立すると、燃費を向上するために、エンジン200を停止させる制御(以下「減速中アイドリングストップ制御」という)を行なう。また、減速中アイドリングストップ制御中に上述のエンジン停止許可条件が成立しなくなると、ECU100は、減速中アイドリングストップ制御を停止してエンジン200を再始動する。
しかしながら、ノーマルモードで減速中アイドリングストップ制御を実行してエンジン200を停止すると、各プーリがベルト510を挟む圧力(以下「ベルト挟圧力」という)が低下して、各プーリに対してベルト510が滑る現象(以下「ベルト滑り」という)が生じ、ベルト510の耐久性が低下するおそれがある。
図5は、ノーマルモードでエンジン200を停止した場合にベルト滑りが生じる原理を説明するための図(本願発明に対する比較例)である。ノーマルモードでエンジン200を停止した場合、ライン圧PLがMOP圧からEOP圧に低下するため、第1制御弁13の出力油圧および第2制御弁14の出力油圧もEOP圧に低下する。この影響でプライマリ圧Pinおよびセカンダリ圧Poutの双方がEOP圧まで低下するため十分なベルト挟圧力が得られず、ベルト滑りが生じるおそれがある。
特に、減速中アイドリングストップ制御を停止してエンジン200を再始動する時には、変速比γが低速側に変更されておりプライマリプーリ504に対するベルト510の掛かり径が小さくなっていることに加え、トルクコンバータ300で増幅されたエンジントルクがプライマリプーリ504に入力されるため、プライマリプーリ504でのベルト滑りが生じ易くなる。
そこで、本実施の形態によるECU200は、ノーマルモードでの車両減速中にエンジン停止許可条件が成立した場合、ECU200は、エンジン200を停止する前に第2制御弁14を制御して(すなわちSLS圧を制御して)セカンダリ圧PoutをMOP圧まで高めるとともに、油圧制御モードをガレージモードに切り替える。その後、ECU200は、エンジン200を停止する。
図6は、ノーマルモードでの車両減速中にエンジン停止許可条件が成立した場合にECU200が行なう処理の流れを説明するための図である。
エンジン停止許可条件が成立した時点では、エンジン200は未だ作動しているため、ライン圧PLはMOP圧となる。この時点で、ECU200は、図6(A)に示すように、第2制御弁14を制御してセカンダリ圧PoutをMOP圧(最大油圧)まで高めておく。
なお、増加後のセカンダリ圧Poutの値は、必ずしもMOP圧(最大油圧)である必要はなく、チェック弁15を作動可能な油圧であって、かつチェック弁15の作動によってプライマリ圧Pinがベルト滑りを抑制可能な値となる油圧であればよい。たとえば、増加後のセカンダリ圧Poutの値をMOP圧よりも低い値としてもよい。
セカンダリ圧PoutがMOP圧に高められた状態で、ECU200は、図6(B)に示すように、油圧制御モードをガレージモードに切り替える。これにより、チェック弁15が第1油路13aおよび第2油路14aと接続され、チェック弁15が作動可能状態となる。この状態において、MOP圧に高められたセカンダリ圧Poutがプライマリ圧Pinに予め定められた値αを加えた値以上であると、チェック弁15が開状態となる。これにより、プライマリ圧Pinを、セカンダリ圧Poutよりも予め定められた値α低い油圧まで高めることができる。
なお、セカンダリ圧PoutをMOP圧まで高める処理と油圧制御モードをガレージモードに切り替える処理とは、ほぼ同時に行なわれてもよいし、どちらかが優先的に行なわれてもよい。
その後、ECU200は、図6(C)に示すように、エンジン200を停止する。これにより、ライン圧はEOP圧に低下し、セカンダリ圧PoutもEOP圧に低下する。
しかしながら、セカンダリ圧Poutの低下によってセカンダリ圧Poutとプライマリ圧Pinとの差圧が予め定められた値α未満となると、チェック弁15は閉状態となり、第1油路13aから第2油路14aへの逆流が防止される。これにより、エンジン200の停止に伴ってライン圧PLがEOP圧に低下したとしても、プライマリ圧Pinを、EOP圧よりも高いエンジン停止前の油圧(MOP圧から予め定められた値αを減じた値)に近い値に維持することができる。これにより、ベルト滑りを抑制することができる。
図7は、車両減速中にエンジン200を停止する場合のプライマリ圧Pinおよびセカンダリ圧Poutの変化を示す図である。
時刻t1にてエンジン停止許可条件が成立すると、エンジン停止前にセカンダリ圧PoutがMOP圧に増加されるとともに、油圧制御モードがノーマルモードからガレージモードに切り替えられる。これにより、チェック弁15が作動し、プライマリ圧Pinがセカンダリ圧Pout(MOP圧)から予め定められた値αを減じた値まで高められる。
なお、この状態におけるプライマリ圧Pinは、セカンダリ圧Poutとチェック弁15の特性(予め定められた値α)とで決まる。そして、エンジン停止後のプライマリ圧Pinは、後述するようにエンジン停止前のプライマリ圧Pinに近い値に維持される。そのため、エンジン停止前のセカンダリ圧Poutを、MOP圧(最大油圧)に固定するのではなく無段変速機500の個体差や油温に応じて調整するようにしてもよい(一点鎖線参照)。これにより、エンジン停止後のプライマリ圧Pinを最適な値に調整することができるため、たとえばエンジン停止後のプライマリ圧Pinが過剰となって不要なアップシフトが行われることを防止することができる。
その後の時刻t2にて、エンジン200が停止されると、ライン圧がEOP圧まで低下し、これに伴ってセカンダリ圧PoutもEOP圧まで低下する。
ところが、セカンダリ圧Poutの低下によってPout<Pin−αとなると、チェック弁15が閉状態となるため、プライマリ圧Pinは、徐々には低下するものの、EOP圧よりも高い油圧に維持される。これにより、エンジン200の停止中にたとえばユーザがブレーキをかけたことによって無段変速機500の動力伝達経路に大きな負荷が加えられたとしても、ベルト滑りが抑制される。
その後の時刻t4にて、たとえばユーザがアクセルペダルを踏んだことによってエンジン停止許可条件が不成立となると、エンジン200が再始動される。この際、エンジン200から無段変速機500に大きな負荷が加えられるが、プライマリ圧Pinが高い油圧に維持されている状態であるため、ベルト滑りが抑制される。
以上のように、本実施の形態によるECU200は、車両減速中にエンジン停止許可条件が成立した場合、エンジン停止前にセカンダリ圧PoutをMOP圧まで高めるとともに油圧制御モードをガレージモードに切り替える。そのため、エンジン停止前にチェック弁15が作動してプライマリ圧Pinがセカンダリ圧Pout(MOP圧)から予め定められた値αを減じた値まで高められる。そのため、その後のエンジン停止によってライン圧PLおよびセカンダリ圧PoutがEOP圧に低下しても、プライマリ圧PinをEOP圧よりも高い値に維持することができる。これにより、車両の減速中にエンジンを停止した場合のベルト滑りを抑制することができる。
また、エンジン停止後のプライマリ圧Pinを高い値に維持可能となることによって、上述のエンジン停止許可油温を高めることができる。すなわち、本実施の形態によるエンジン停止許可条件には、無段変速機500内の油温が予め定められたエンジン停止許可油温未満であるという条件が含まれているが、これは、油温が高いと油粘度が低いために無段変速機500から漏れる油量が大きくなりエンジン再始動時のプライマリ圧Pinが不足することを考慮して、減速中アイドリングストップ制御を許容する油温に制限を設けるものである。しかしながら、本実施の形態においては、エンジン停止後のプライマリ圧Pinを高い値に維持可能であるため、エンジン停止許可油温を比較的高い値に設定することができる。これにより、減速中アイドリングストップ制御を許容する油温範囲を広げることができ、更なる燃費向上を図ることができる。
<変形例>
上述の実施の形態は、以下のように変形することができる。
(1) 上述の実施の形態では、セカンダリ圧PoutをMOP圧まで高める処理と油圧制御モードをガレージモードに切り替える処理とをエンジン停止許可条件が成立した場合に開始したが、これらの処理をエンジン停止許可条件とは異なる別の条件が成立したときに開始するようにしてもよい。たとえば、これらの処理を変速比γが最大変速比(最低速側の変速比)になった場合に開始するようにしてもよい。
(2) 車両減速中のエンジン停止後にエンジン200を再始動する際に、第1制御弁13を制御して(すなわちSLP圧を制御して)プライマリ圧Pinを通常よりも増加させるようにしてもよい。
このようにすると、エンジン200の再始動後にプライマリ圧Pinが素早く上昇するため、エンジン200の再始動中のベルト滑りをより適切に抑制することができる。
(3) 車両減速中のエンジン停止後にエンジン200を再始動する際に、第2制御弁14を制御して(すなわちSLS圧を制御して)セカンダリ圧Poutを通常よりも低下させるようにしてもよい。
このようにすると、油圧の上昇によって無段変速機500から漏れる油量を抑制でき、油量収支(無段変速機500に入力される油量と無段変速機500から漏れる油量との差)の悪化を防止できる。そのため、結果的に、セカンダリ圧Poutを素早く上昇させて、エンジン200の再始動中のベルト滑りを適切に抑制することができる。
なお、上述の実施の形態および変形例を、技術的に矛盾しない範囲で適宜組合せることも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、10 油圧回路、11 オイルパン、12 ライン圧発生装置、13 第1制御弁、13a 第1油路、14 第2制御弁、14a 第2油路、15 チェック弁、23 レギュレータバルブ、26 切替装置、100 ECU、200 エンジン、300 トルクコンバータ、304 タービン軸、308 ロックアップクラッチ、400 前後進クラッチ、406 フォワードクラッチ、410 リバースブレーキ、500 無段変速機、502 入力軸、504 プライマリプーリ、506 出力軸、508 セカンダリプーリ、510 ベルト、600 減速歯車、700 差動歯車装置、800 駆動輪。

Claims (1)

  1. エンジンを駆動力源とする車両に搭載される無段変速機の油圧制御装置であって、
    前記無段変速機は、前記エンジンから動力が入力される第1プーリと、前記車両の駆動輪に動力を出力する第2プーリと、前記第1プーリと前記第2プーリとに巻き掛けられたベルトとを備え、
    前記油圧制御装置は、
    前記エンジンの停止中に前記エンジンの作動中よりも低い油圧をライン圧として発生するライン圧発生装置と、
    前記ライン圧を調圧した油圧を前記第1プーリに出力する第1制御弁と、
    前記ライン圧を調圧した油圧を前記第2プーリに出力する第2制御弁と、
    前記第2プーリの油圧が前記第1プーリの油圧よりも予め定められた値以上大きい場合に、前記第2プーリの油圧を前記第1プーリに供給して前記第1、第2プーリ間の油圧差を前記予め定められた値に維持するように作動する調圧弁と、
    前記車両の減速中に前記エンジンの停止条件が成立した場合、前記エンジンを停止する前に前記第2制御弁を制御して前記第2プーリの油圧を所定油圧とし、前記第2プーリの油圧を前記所定油圧とした後に前記エンジンを停止する制御装置とを備え、
    前記所定油圧は、前記調圧弁を作動可能な油圧であって、かつ前記調圧弁の作動によって前記第1プーリの油圧が前記ベルトの滑りを抑制可能な値となる油圧である、無段変速機の油圧制御装置。
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