JP2015158020A - 着色紙及び着色紙の製造方法 - Google Patents
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本発明に係る多層基紙は、多層構造を有する、即ち複数の紙層を有する基紙である。多層基紙としては、2層以上の紙層を有する限り特に限定されないが、例えば表層及び裏層を有する基紙、表層、中層及び裏層を有する基紙、表層、複数の中層及び裏層を有する基紙等が挙げられる。
ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の機械パルプや漂白処理した機械パルプ;
所謂白物系と言われるチラシ古紙、オフィス古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される上白系古紙パルプ;
などが挙げられる。
表層は上述の原料パルプの中で上白系古紙パルプと針葉樹晒クラフトパルプとを合わせて80%以上の割合で含有するとよい。これにより、当該着色紙の機械的強度や白色度の向上を図ることに加えて、着色料及び撥水剤を多層基紙の表面に容易に定着させることができる。また、当該着色紙は、針葉樹晒クラフトパルプを含有することによる紙質強度と、塗工層を有する上白系古紙パルプを含有することによる緻密な平坦性とを確保できる。特に、塗工層を有する上白系古紙パルプ由来の顔料や填料成分による多層基紙表面の密度向上により、着色料を含有する塗液の不用意な紙層中への浸透を制御し、着色料を多層基紙表面に留め、着色筋や着色むらの発生等を抑制できる。
中層の原料パルプとしては、特に限定されないが、上述の原料パルプ以外に表層の色目に影響を与えない範囲で、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)等の広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)等の針葉樹クラフトパルプ(NKP)等の化学パルプ;
ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の機械パルプ;
茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙、更紙古紙等から製造される古紙パルプ;が挙げられる。これらの中で、着色紙の用途展開に対応した紙の強度及び加工性を確保する観点から段ボール古紙パルプが好ましい。
裏層中に含有される原料パルプとしては、特に限定されないが、上述の中層に用いられる原料パルプが挙げられる。これらの中で、裏面側からの美粧性を確保する効果及び表層と同様の観点から、上白系古紙パルプと針葉樹晒クラフトパルプとを組み合わせた原料パルプが好ましい。
当該着色紙は塗液を多層基紙の表面にロッドコーターにて塗工することで得られる。
着色料を含有する塗液を多層基紙の表面に塗工すること、即ち着色料を多層基紙の表面に外添することで、着色料が多層基紙内部のみに存在する場合と比べて、当該着色紙表面を美麗とし、美粧性を向上させることができる。
上記着色料は、染料を含む。染料は顔料に比べ安価であり、また多層基紙の表面に塗工する場合、着色筋や着色むらが生じ難い。従って簡便なロッドコーターによる製造方法により、安価に当該着色紙表面の美粧性を向上させることができる。
着色料として染料に加えて顔料を併用することで、当該着色紙表面の美粧性を向上させることもできる。
撥水剤と着色料とを含有する塗液を予め混合分散し多層基紙の表面にロッドコーターにて塗工することで、撥水剤及び着色料が基紙を均一に被覆する。このため、撥水剤の有する撥水効果を用いて水の多層基紙の表面への含侵を抑制することができ、その結果、着色料の多層基紙表面から水への染み出しを抑制することができる。さらに、着色料と撥水剤とは両者共に多層基紙の表面に存在し易いため、両者が内添されている場合と比べて、撥水剤が直接的かつ効果的に着色料に作用することができる。
塗工層は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の塗工用助剤を任意に含有することができる。
当該着色紙の製造方法は、染料を含む着色料を含有する塗液を多層基紙の少なくとも片面にロッドコーターを用いて塗工する工程(塗工工程)を備える着色紙の製造方法であって、上記多層基紙の表層が上白系古紙パルプと針葉樹晒クラフトパルプとを含有し、上記塗液が撥水剤をさらに含有し、上記塗工工程前に上記着色料と撥水剤とを混合分散処理する工程(分散処理工程)とをさらに備え、上記撥水剤(C)の上記着色料(D)に対する含有割合(C:D)が固形分換算で1:3以上1:1以下であり、上記塗液の塗工量が固形分換算で0.3g/m2以上10g/m2以下であることを特徴とする着色紙の製造方法である。
塗工工程の前に、原料パルプを抄紙する工程(抄紙工程)と、
塗工工程の後に、塗工した多層基紙を乾燥する工程(乾燥工程)とを任意に備えていてもよい。
本工程では、原料パルプを抄紙することで、基紙を得ることができる。また、基紙を多層に抄紙することで、基紙を多層構造とすることもできる。
本工程では、上記着色料と撥水剤とを混合分散処理する。具体的には着色料と撥水剤とを含む塗工液を機械的攪拌することにより、着色料と撥水剤とを均一に分散させる。分散処理に使用する装置としては、ニーダー、ディスパーザー等を挙げることができる。
本工程では、染料さらには顔料を含む着色料と撥水剤とを含有する塗液を多層基紙の少なくとも片面にロッドコーターを用いて塗工することで、塗工した多層基紙を得ることができる。このように塗工設備として簡便なロッドコーターを用いることで、過大な塗工設備の投資を必要とせず既存の設備に付加でき、原料パルプに着色料を含ませる場合と異なり着色料の歩留りが高く、塗液を変えることで容易に色目を変更可能になり、本発明の課題である着色筋、着色むら及び不慮の湿潤が生じた際の色落ちが生じ難く、様々な用途で幅広く用いることができる、美粧性に優れた外観を呈する着色紙の提供が可能となる。
本工程では、塗工した多層基紙を乾燥することで、当該着色紙を得ることができる。
当該着色紙は着色筋、着色むら、不慮の湿潤が生じた際の色落ちが生じ難く、美粧性に優れた外観を呈する着色紙である。特に、当該着色紙は不慮の湿潤が生じた際の色落ちが生じ難い。そのため、当該着色紙の熱水抽出pHとしては、6.0以上が好ましく、6.2以上がより好ましい。熱水抽出pHが上記下限未満であると、撥水剤及び着色剤中に含まれる酸性成分が水中に多量に溶出するおそれがある。他方、当該着色紙の熱水抽出pHとしては、8.0以下が好ましく、7.8以下がより好ましい。熱水抽出pHが上記上限を超えると、撥水剤及び着色剤中に含まれる塩基性成分が水中に多量に溶出してしまうおそれがある。
着色紙の性能は、JIS−P−3902:2005「段ボール用ライナ」に準拠して判定した。
坪量(g/m2)は、JIS−P−8124:1998「紙及び板紙−坪量の測定方法」に準拠して測定した。
熱水抽出pHは、JIS−P−8133:1998「紙,板紙及びパルプ−水抽出液 pHの試験方法」に準拠して測定した。
実施例及び比較例で得られた着色紙の脱色を目視によって、次の評価基準に従い評価した。具体的には、コッブ試験器を用いて、着色紙サンプルと水100mLとが接した状態で着色紙サンプルを120秒間静置させた。次いで、着色紙にろ紙を置いて水分を拭き取り、着色紙の脱色を目視で確認した。
◎:着色紙の脱色がない。
○:着色紙の脱色があるが、それが目立たない。
△:着色紙の脱色がやや目立つ。
×:着色紙の脱色が目立つ。
実施例及び比較例で得られた着色紙の外観を目視によって、次の評価基準に従い評価した。
◎:着色筋、着色むらがない。
○:着色筋、着色むらがあるが、それが目立たない。
△:着色筋、着色むらがやや目立つ。
×:着色筋、着色むらが目立つ。
原料パルプとして上白系古紙パルプと針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)とを50:50の質量比率で配合し、表層及び裏層用パルプスラリーを得た。さらに、原料パルプとして断ボール古紙パルプを配合し、中層用パルプスラリーを得た。
実施例2から実施例9、比較例1から比較例4は、実施例1の原料等を表1及び表2のようにしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
Claims (3)
- 染料を含む着色料を含有する塗液を多層基紙の少なくとも片面にロッドコーターを用いて塗工してなる着色紙であって、
上記多層基紙の表層が上白系古紙パルプと針葉樹晒クラフトパルプとを含有し、
上記塗液が撥水剤をさらに含有し、
上記撥水剤(C)の上記着色料(D)に対する含有割合(C:D)が固形分換算で1:3以上1:1以下であり、
上記塗液の塗工量が固形分換算で0.3g/m2以上10g/m2以下であることを特徴とする着色紙。 - 熱水抽出pHが6.0以上8.0以下である請求項1に記載の着色紙。
- 染料を含む着色料を含有する塗液を多層基紙の少なくとも片面にロッドコーターを用いて塗工する工程を備える着色紙の製造方法であって、
上記多層基紙の表層が上白系古紙パルプと針葉樹晒クラフトパルプとを含有し、
上記塗液が撥水剤をさらに含有し、
上記塗工工程前に上記着色料と撥水剤とを混合分散処理する工程とをさらに備え、
上記撥水剤(C)の上記着色料(D)に対する含有割合(C:D)が固形分換算で1:3以上1:1以下であり、
上記塗液の塗工量が固形分換算で0.3g/m2以上10g/m2以下であることを特徴とする着色紙の製造方法。
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