JP2012061670A - インクジェット用葉書 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、着色された宛名面のカール適性とインクジェット印字適性に優れ、かつ、オフセット印刷でのインキ着肉性に優れ、湿し水汚れによるトラブルが改善されたインクジェット用葉書を提供する。
【解決手段】本発明は、木材パルプ繊維からなる支持体の片面にバックコート層を設けたインクジェット用葉書において、バックコート液が、乾燥時に成膜性を有する高分子材料と、水溶性高分子電解質と、界面活性剤と、サイズ剤と、前記有彩色とするための着色剤とを必須成分として含有し、界面活性剤の質量%/サイズ剤の質量%、界面活性剤とサイズ剤との合計の固形分濃度(質量%)、水溶性高分子電解質の固形分濃度(質量%)及びバックコート液の塗布量を所定の範囲内とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、支持体の表面に1層以上のインク受容層を設け、裏面に少なくとも着色されたバックコート層を設けたインクジェット用記録シートから作製したインクジェット用葉書に関する。
近年、インクジェットプリンターやプロッターの進歩によってフルカラーで、しかも高精細な画像が容易に得られるようになってきた。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によってインクの微小液滴を飛翔させて、紙などの記録用紙に付着させ、画像・文字などの記録を行うものである。インクジェットプリンター又はプロッターは、コンピューターによって作成した文字、各種図形などの画像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途において近年急速に普及している。特に、多色インクジェット方式によって形成されるカラー画像は、製版方式による多色印刷及びカラー写真方式による印画と比較しても、遜色無い記録を得ることが可能であり、更に作成部数が少ない用途においては、印刷技術や写真技術によるよりも安価で済むことから広く応用されつつある。
インクジェット用紙は、インク吸収性、色彩再現性などを要求され、使用する顔料、接着剤及び各種添加剤に工夫がなされている。顔料としては、吸収性を得るために多孔性の合成顔料を使用することが多く、しかも、インクジェット画像の色彩性を鮮明にするために、白色度を上げ、微妙な色度の調整がなされるのが通常である。
インクジェット用紙の中でも、葉書用紙においては、通信面ではインクジェット記録方式によるフルカラー印字がなされ、宛名面ではインクジェット記録方式によるモノクロ印字とオフセット印刷がなされる。
さらに、インクジェット用葉書において、目視にて容易に認識できる程度に着色された記録用紙も市場に出始めてきている。着色されたインクジェット用紙を製造する場合は、先ず着色の均一性を確保することと、インクジェット印字適性を維持することが技術的に困難な点である。特に、従来技術においては、原紙の地合不均一に起因するインク吸収むら、塗工処理工程での塗工斑発生などの問題がある。結果として、均一なインク着色性を実現していない。また、インクジェット印字適性については、着色顔料に含有される分散剤の影響などによって、インク吸収むらなどが発生する事例があり、その改善が課題となっている。
特に、宛名面においては、通信面よりも塗工量が少ないため、インクジェット印字適性を維持することが難しい。そして、着色の均一性の確保は、塗工量の絶対量が少ないと難しいが、塗工量の制御だけではその制御幅が小さいので、更に難しいといえる。ただし、宛名面の塗工層が吸収性能を有する顔料を含まず、更にその塗工量が少ないと、経済的に有利なばかりでなく、断裁時での塗工層の脱落が少ないので、オフセット印刷、インクジェット印字での紙粉トラブルが解消される。そして、オフセット印刷での耐刷力も優れたものとなる。
さて、インクジェット葉書に着色する利点としては、葉書用紙自体に色による種々の感覚や印象を付与できる。例えば、暑中見舞いの用途では、清冽で冷涼な印象を与える淡い青色に着色するなどの加工が可能である。さらに、通信面と宛名面で色に差異を生じさせることによって、表裏の識別を容易にするなどの性能を新たに付与することが可能となる。表裏面に色をもたせれば、単色よりは、バリエーションも多くなり、ファッション性にも優れたものとなる。
そして、宛名面の塗工は、通信面の塗工による葉書用紙のカール修正の役割をも担う。特許文献1は、インクジェット記録層の裏面に顔料とバインダーを主成分とするバックコート層を設けることを特徴とした技術であり、該顔料の平衡水分を規定することで、カール適性を向上させたものである。
特開平6−171206号公報
本発明は、少なくとも宛名面が着色されたインクジェット用葉書において、該宛名面のカール適性とインクジェット印字適性に優れ、かつ、オフセット印刷でのインキ着肉性に優れ、そして、湿し水汚れによるトラブルが改善されたインクジェット用葉書を提供することにある。
本発明に係るインクジェット用葉書は、木材パルプ繊維からなる支持体の片面に、顔料とバインダーとを主成分とするインク受容層を設け、該インク受容層を設けた面とは反対の面に、有彩色のバックコート液を塗布してバックコート層を設けたインクジェット用葉書において、該バックコート液が、乾燥時に成膜性を有する高分子材料(成膜性高分子)と、水溶性高分子電解質と、界面活性剤と、サイズ剤と、前記有彩色とするための着色剤とを必須成分として含有し、前記界面活性剤と前記サイズ剤との質量%比率(前記界面活性剤の質量%/前記サイズ剤の質量%)が0.048を超え、0.091未満であり、前記界面活性剤と前記サイズ剤との合計の固形分質量%が0.280質量%を超え、0.503質量%未満であり、前記水溶性高分子電解質の固形分質量%が0.355質量%を超え、0.760質量%未満であり、かつ、前記バックコート液の塗布量が固形分質量で0.08g/mを超え、0.33g/m未満であることを特徴とする。
本発明に係るインクジェット用葉書では、前記バックコート層が、多孔性顔料を含有していないことが好ましい。断裁紙粉が少なく、紙粉トラブルを解消でき、オフセット印刷での耐刷力も優れたものとなる。
本発明に係るインクジェット用葉書では、前記界面活性剤が、ポリエーテルポリオールの骨格をその構造に有することが好ましい。ポリエーテルポリオールの骨格をその構造に有する界面活性剤を用いることで、サイズ剤と着色剤との溶解又は分散の均一性が向上する。
本発明に係るインクジェット用葉書では、前記サイズ剤が中性であり、前記水溶性高分子電解質がカチオン性高分子電解質であることが好ましい。中性サイズ剤を用いることで、鮮明で滲みの無い筆記品質が得られ、かつ、着色する場合には色むらが発生することは無い。カチオン性高分子電解質を用いることで、鮮明で滲みの無いインクジェット印字が得られ、かつ、その印字は、耐水性に優れる。
本発明のインクジェット用葉書は、顔料とバインダーとを主成分とするインク受容層を設けた通信面のインクジェット印字適性に優れていることは勿論のこと、その裏面である宛名面が均一に着色されていて、デザイン性に富んだものであり、インクジェットプリンターによる印字の滲みが無い特性を有するほか、枚葉オフセット印刷においても、インキ着肉性に優れ、湿し水の汚れによる印刷トラブルが無い商品である。
次に本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
支持体は、繊維分として木材パルプ繊維からなる。木材パルプ繊維としては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)などの化学パルプ、グランドパルプ、加圧式砕木パルプ、リファイナー砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミメカニカルパルプ、ケミグランドパルプ等の機械パルプ、脱墨パルプ等の古紙パルプなどの木材パルプを含む。フレッシュな晒パルプの場合は、環境を考慮し、ECFパルプかTCFパルプが望ましい。白色度などの品質面を考慮すると、ECFパルプが最適である。また、紙料には、必要に応じて従来公知の填料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤などの各種添加剤を1種類以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種抄紙機にて紙匹を形成し、その後乾燥させて支持体を得ることができる。特に、インク吸収性に優れた支持体を使用することが望ましい。
支持体の構造としては、単層と多層のどちらでもよい。適宜目的に応じて設計変更が可能である。そして、多層である場合には、表裏で非対称構造とさせることも可能である。特に3層以上で構成する場合には、中層に古紙を適用し、環境対応やコストダウンを可能にすることが出来る。また、不透明度改善のため、中層に各種顔料や染料で着色するということも製造上可能である。また、各層の紙力剤や填料の添加率を調整することで、後加工適性も自由にコントロールできるメリットもある。なお、本発明では、片面が主にインクジェット記録用の通信面、その裏面が、枚葉オフセット印刷とインクジェット記録とがなされる宛名面の構成となっている。例えば、このような構成の場合には、支持体のフルカラー記録でのインクジェット印字が主になされる通信面側は宛名面側よりもサイズ剤を少なく、填料を多くするといったインク吸収性を向上させる方策も可能である。また、インクジェット印字と枚葉オフセット印刷とがなされる宛名面側での支持体については、反対に、枚葉オフセット印刷に耐えられる紙面強度を確保するために、インクジェット印字適性を維持するような条件の範囲内にて、通信面側よりもサイズ剤を多く、填料を少なくするといった方策も可能である。
支持体の表面には、紙面強度を付与するなどを目的に、サイズプレス、ゲートロール、サイザーなどの装置を用いて、澱粉、ポリアクリルアマイド、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースの少なくともいずれか1種を塗布してもよい。
次に、通信面側(インク受容層)を構成する事項につき、詳述する。
インク受容層に用いる顔料として、合成非晶質シリカ、焼成クレー、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、天然ゼオライト、合成ゼオライト、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、各種層間化合物、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト等の白色無機顔料のほか、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、各種マイクロカプセル等の有機顔料も使用することができる。以上のうちでも、高いインク吸収性から、合成シリカが好適に使用される。
本発明のインクジェットのインク受容層には、次のようなバインダーを用いてもよい。例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレン酢酸ビニル、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアマイドなどである。
インク受容層には、インクジェットインクの定着性と発色性とを向上させるために、カチオン性樹脂を主成分とする次に列記するインク定着剤を用いることが好ましい。このようなカチオン性インク定着剤としては、ポリエチレンイミン、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジメチルアミンアンモニアエピクロルヒドリンなどである。
本発明のインクジェットのインク受容層に用いる塗工液には、顔料、バインダーのほか、必要に応じて、着色顔料、着色染料、分散剤、消泡剤、pH調整剤、湿潤剤、保水剤、粘度調整剤、架橋剤、離型剤、防腐剤、柔軟剤、ワックス、導電防止剤、帯電防止剤、サイズ剤、耐水化剤、可塑剤、蛍光増白剤、還元剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、脱臭剤、防炎剤、忌避剤、防錆剤などを適宜使用できる。
なお、着色顔料をインク受容層に含有させる場合、着色顔料はノニオン性のものが好ましい。インク受容層を設けるための塗工液には、インク定着剤などのイオン性が強い助剤を使用するため、イオン性を有する着色顔料は凝集し易く、色むらの原因となる。
インク受容層を設けるための塗工液に関しては、公知一般の塗工機、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、リップコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ダイコーター、チャンブレックスコーター、チップブレード−コーター、ラボスケールでのスピニングコーターなどが使用できる。そして、塗工液を支持体の通信面に塗工する。また、塗工時は、塗工層構造を制御する目的で常圧、減圧、加圧のいずれの状態を選んでも構わない。
インク受容層の乾燥塗工量は、5〜15g/mが好ましい。5g/mに満たないと、インク受容層である塗工層が、支持体表面を完全に覆うことが難しく、塗工層によるインク吸収性が不十分となり、吸収むらが発生するおそれがある。また、乾燥塗工量が15g/mを超えると、インク受容層と支持体間の接着強度が実用に耐えられないレベルとなり、粉落ちと呼ばれる支持体からの塗工層の脱落、剥離等が発生し、重大な問題となるおそれがある。インク吸収性に優れていても、その後の後加工でのトラブルは、顧客の信用を失墜させるほか、多大な経済的損失を被ることになる。
塗工後の乾燥方式としては、熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥むらが挙げられるが、本発明においては、特に限定されるものではない。バインダーマイグレーションや、塗工層構造の制御を目的に、適宜適切に乾燥条件(乾燥温度、乾燥温度勾配、乾燥時間など)を変更し適用してよい。
また、インク受容層の表面の平滑性を制御する目的で、必要に応じてキャレンダー処理を行ってもよい。キャレンダーは、スーパーキャレンダー、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダーなどが挙げられる。
次に宛名面側(バックコート層)を構成する事項につき、詳述する。バックコート層の役割としては、一般的に、カール調整、摩擦の軽減、美観的な特性の付与、各種印刷適性向上、印字適性向上などが挙げられる。
バックコート層を有彩色とするために着色剤を含有させる。着色剤としては、着色顔料又は着色染料であり、これらを併用してもよい。着色剤の含有量は、求める色彩の濃度に応じた量とする。着色顔料又は着色染料は、ノニオン性が好ましい。バックコート層を設けるための塗布液には、水溶性高分子電解質であるインク定着剤などのイオン性が強い助剤を使用するため、イオン性を有する着色顔料又は着色染料は凝集し易く、色むらの原因となる。
バックコート層に含有させる界面活性剤の作用としては、後述のサイズ剤と着色顔料又は着色染料との分散又は溶解を均一にし、バックコート層が支持体上に塗布された後で、着色にむらを生じさせないことが挙げられる。また、インクジェット印字に際し、インク吸収速度を上げられる利点がある。この界面活性剤も、色むらの観点から、ノニオン性が好ましい。また、界面活性剤は、ポリエーテルポリオールの骨格をその構造に有するタイプが好ましい。ポリエーテルポリオールの骨格をその構造に有するタイプとしては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどがある。ポリエーテルポリオールの骨格をその構造に有すると、サイズ剤と着色剤との溶解又は分散の均一性がより向上する。
バックコート層に含有させるサイズ剤の作用としては、宛名面でのインクジェット印字又はペン書きに際し、インク滲みを抑制する効果が挙げられる。また、枚葉オフセット印刷に際し、インキ着肉性を向上するほか、湿し水の汚れを抑制することから、印刷作業性をも向上できる。サイズ剤は、中性が望ましい。中性サイズ剤以外の、例えばカチオンサイズ剤を用いると、着色剤と反応して色の凝集発生とそれに伴う着色均一性を損なうおそれがある。
バックコート層に含有させる水溶性高分子電解質は、カチオン性であることが望ましい。これは、インクジェットインクの発色性、定着性を付与させるものであり、カウンターイオンとして必要である。カチオン性高分子電解質としては、ポリエチレンイミン、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジメチルアミンアンモニアエピクロルヒドリンである。
乾燥時に成膜性を有する高分子材料としては、通常バインダーとして使用されている樹脂があり、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレン酢酸ビニル、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアマイドなどである。バックコート液中における高分子材料の固形分濃度(質量%)は、0.040〜0.050が好ましく、0.045〜0.048がより好ましい。乾燥後のバックコート層中の含有量は、4.0〜6.0質量%が好ましく、4.2〜5.6質量%がより好ましい。バックコート液中における高分子材料の固形分濃度(質量%)が0.040未満であると、オフセット印刷において、紙面の強度が確保できずに耐刷力の点で劣り、かつ、インクジェット印字において、印字品質で劣る。これは、特にインクの定着が悪くなるためのインク滲みの劣化である。また、バックコート液中における高分子材料の固形分濃度(質量%)が0.050を超えると、インクジェット印字において、印字品質で劣る。これは、特にインクの吸収性が悪くなるための印字品質の劣化である。
バックコート層に含有させる界面活性剤、サイズ剤、水溶性高分子電解質はそれぞれに効果が異なり、これらの配合比率の組合せ次第で、得られる特性のバランスが様々に変化するが、着色の均一性、インクジェット印字適性、枚葉オフセット印刷適性(作業性)を考慮した場合、バックコート液中における界面活性剤とサイズ剤との質量%比率(界面活性剤の質量%/サイズ剤の質量%)が0.048を超え、0.091未満とする。好ましくは0.070以上0.090以下とし、更に好ましくは0.075以上0.085以下とする。該質量%比率(界面活性剤の質量%/サイズ剤の質量%)が0.048以下であると、着色均一性が損なわれたり、インクジェット印字品質が悪化するおそれがあり、0.091以上であると、ペン書きサイズ度が低くなったり、インクジェット印字品質が悪化する。さらに、バックコート液の泡立ちが悪くなるおそれがある。
そして、界面活性剤の比率が高く、バックコート液中における界面活性剤の固形分濃度(質量%)は、2.800を超え、3.820未満が好ましく、2.500〜3.500がより好ましい。バックコート液中における界面活性剤の固形分濃度(質量%)が3.820以上であると、インク滲みが悪化し、枚葉オフセット印刷での湿し水が汚れ易くなるおそれがある。反対に、界面活性剤の固形分濃度(質量%)が2.800以下であると、塗布面の均一性が損なわれる(はじき、色斑などが発生)おそれがある。サイズ剤の比率が高く、バックコート液中におけるサイズ剤の固形分濃度(質量%)は、30.0を超え、43.0未満が好ましく、35.0〜40.0がより好ましい。バックコート液中におけるサイズ剤の固形分濃度(質量%)が43.0以上であると、インク吸収が不足するようになり、これもインク滲みが悪くなるおそれがある。反対に、サイズ剤の比率が低く、サイズ剤の固形分濃度(質量%)が30.0以下であると、ペン書きの滲みが悪くなるおそれがある。
添加量については、それぞれの薬品の絶対量が低過ぎると、個々の薬品で得られる効果が十分に享受できない。反対に、絶対量が多過ぎても、塗布液の泡立ちによる操業性が悪化したり、印刷時での湿し水汚れが酷くなり印刷適性も悪化したりする。バックコート液中における界面活性剤の添加量は、0.022質量%を超え、0.043質量%未満の範囲が最適であり、より好ましくは、0.025質量%以上0.040質量%以下である。界面活性剤の添加量が0.043質量%以上であると、インクジェット印字品質が悪化したり、バックコート液の泡立ちが悪くなったりするおそれがある。界面活性剤の添加量が0.022質量%以下であると、着色均一性が損なわれるおそれがある。また、サイズ剤の添加量は、0.237質量%を超え、0.474質量%未満の範囲が最適であり、より好ましくは0.360〜0.460質量%であり、更に好ましくは、0.380質量%以上0.440質量%以下である。サイズ剤の添加量が0.474質量%以上であると、インクジェット印字品質が悪化するなどのおそれがある。サイズ剤の添加量が0.237質量%以下であると、ペン書きサイズ度が低くなり筆記品質が劣るおそれがある。
バックコート層に含有させる界面活性剤と中性サイズ剤との合計の固形分濃度(質量%)が0.280を超え、0.503未満とする。好ましくは、0.39〜0.50質量%の範囲であり、更に好ましくは、0.40〜0.45質量%の範囲である。界面活性剤と中性サイズ剤との合計の固形分濃度(質量%)が0.503以上であると、バックコート液の泡立ちが悪くなったり、インクジェット印字品質が悪化したりするなどのおそれがあり、0.280以下であると、着色均一性が損なわれたり、インクジェット印字品質、ペンによる筆記性が悪化したりするおそれがある。
バックコート層に含有させる水溶性高分子電解質の添加量の最適な範囲は、0.355質量%を超え、0.760質量%未満であり、より好ましくは、0.400〜0.700質量%であり、更に好ましくは、0.450質量%以上0.650質量%以下である。水溶性高分子電解質の添加量が0.760質量%以上であると、インクジェット印字適性には良好なものの、枚葉オフセット印刷での湿し水が汚れ易くなるおそれがある。反対に、その添加量が0.355質量%以下であると、インクジェット印字での滲みや耐水性が悪くなるおそれがある。また、水溶性高分子電解質、界面活性剤とサイズ剤との合計添加量に対する水溶性高分子電解質の質量%比率は、本発明において、0.50〜0.64の範囲内にあることが望ましく、より好ましくは、0.55〜0.60の範囲内である。
バックコート液で、インク吸収を有する顔料を含有させる技術もあるが、本発明の技術と異なり、インクジェット印字適性は優良ではあるものの、枚葉オフセット印刷でのコートピック、版汚れ、湿し水の汚れによる耐刷力の低下、印刷品位の悪化が懸念される。その後のギロチン断裁などでの後加工においても、塗工層の脱落等で紙粉発生トラブル発生の可能性が高まる。インクジェットプリンターでの搬送性不良にも繋がるほか、特に、インクジェット用の塗工層は、シリカ(珪酸分)を含むことが一般的であるため、断裁紙粉が増加することによる作業環境への汚染は好ましいものではない。さらに、インク吸収性能を有する顔料の使用は、バインダー成分も相応に使用せざるを得なくなるため、経済的に不利益でもある。したがって、インクジェット印字適性、枚葉オフセット印刷適性などを総合的に鑑み、宛名面では、インク吸収性を有する無機顔料、具体的には多孔質顔料を使用しない方がよいといえる。多孔質顔料としては、例えば合成非晶質シリカ、焼成クレー、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、天然ゼオライト、合成ゼオライト、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、各種層間化合物、カオリン、タルクなどの白色無機顔料である。
バックコート層を設けるための塗布液に関しては、公知一般の塗工機、例えば、エアーナイフコーター、スプレーコーターなどが使用できる。そして、塗布液を乾燥塗布量で3〜5g/mとなるように支持体の宛名面に塗工する。
バックコート層の乾燥塗布量は0.08g/mを超え、0.33g/m未満とし、好ましくは0.10〜0.30g/m、より好ましくは0.15〜0.25g/mとする。0.08g/m以下であると、カール適性が悪くなり、インクジェット印字適性、枚葉オフセット印刷のインキ着肉性に劣るようになる。反対に、0.33g/m以上の場合には、カール適性が悪くなり、インクジェット印字でのインク吸収性に劣るようになり、枚葉オフセット印刷での湿し水が汚れ易くなってくる。
塗布後の乾燥方式としては、熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥などが挙げられるが、本発明においては、特に限定されるものではない。バインダーマイグレーション、塗工層構造などの制御を目的に、適宜適切に乾燥条件(乾燥温度、乾燥温度勾配、乾燥時間など)を変更し、適用してよい。
また、バックコート層の表面の平滑性を制御する目的で、必要に応じてキャレンダー処理を行ってもよい。キャレンダーは、スーパーキャレンダー、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダーなどが挙げられる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。
(実施例1)
<原紙の作製>
LBKP100部(カナディアンスタンダードフリーネス:CSF=500ml)のパルプスラリーに、パルプに対し、カチオン澱粉1.0部、タルク5.0部、酸性ロジンサイズ剤0.2部、液体硫酸バンド1.0部を添加し、調製した紙料を円網式抄紙機で抄紙し、坪量180g/mの原紙を得た。
<サイズプレス塗工>
前記原紙上に固形分濃度6%の酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コンスターチ社製)をサイズプレスによって乾燥塗工量が片面当たり1.5g/mとなるようにオンマシンで両面に塗布し、シリンダードライヤーで乾燥し、支持体を得た。
<インク受容層の塗工液の調製>
平均粒子径7μmの合成非晶質シリカ(商品名:サイロジェットP407、グレースデビソン社製)100部と水とを混合し、カウレス分散機にて固形分濃度で26%のシリカスラリーを調製した。このシリカスラリーにポリビニルアルコール15部(商品名:PVA−117、クラレ社製)、カチオン性高分子電解質15部(商品名:スミレッズレジンSR1001、住友化学社製)、エチレン酢酸ビニル系樹脂35部(商品名:AD−13、昭和高分子社製)を順次、添加・攪拌し、更に水を添加し、固形分濃度で25%の塗工液を得た。
<インク受容層の形成>
サイズプレス処理を行った支持体のインクジェット記録面に得られた塗工液を乾燥塗工量が10g/mとなるように、オンマシンでエアーナイフコーター塗工し、エアードライヤーで熱風乾燥した。
<バックコート液の調製>
ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製)、カチオン性高分子電解質(商品名:パピオゲンP−105、センカ社製)、ノニオン性界面活性剤(商品名:HSK−1、倉庫精練社製)、中性サイズ剤(商品名:N−PPS、荒川化学工業社製)、青色着色顔料(商品名:TB520 Blue、大日精化社製)を順次、添加・攪拌した。そして、水を添加、濃度調整した後に、固形分濃度で約0.99%の塗工液を得た。なお、でき上がりバックコート液のそれぞれの固形分濃度は、次に示すとおりである。
PVA−117 0.047%
P−105 0.533%
HSK−1 0.032%
N−PPS 0.360%
TB520 Blue 0.018%
<バックコート層の形成>
サイズプレス処理を行った支持体のインクジェット記録面と反対面に得られたバックコート液を乾燥塗布量が0.20g/mとなるように、オンマシンでエアーナイフコーター塗工し、エアードライヤーで熱風乾燥した。
<平滑処理>
ソフトカレンダーを用いて、線圧294N/cm、25℃、2ニップ1パスの条件で表面処理を行った。
(実施例2)
バックコート液について、中性サイズ剤を0.460%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.22g/mであった。
(実施例3)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0.400%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.17g/mであった。
(実施例4)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0.700%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.23g/mであった。
(実施例5)
バックコート液について、乾燥塗布量を0.1g/mとした以外は、実施例1と同様とした。
(実施例6)
バックコート液について、乾燥塗布量を0.3g/mとした以外は、実施例1と同様とした。
(実施例7)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質の代わりに両性高分子電解質(商品名:ニッシンフロックB2133(アクリルアミド・アクリル酸共重合体)、日進産業社製)0.533%、ノニオン性界面活性剤の代わりにアニオン性界面活性剤(商品名:ラテムルAD−25(ラウリル硫酸アンモニウム)、花王ケミカルズ社製)0.032%、中性サイズ剤の代わりにアニオン性サイズ剤(商品名:ハーサイズLX−530、ハリマ化成社製)0.360%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.22g/mであった。
(比較例1)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0.760%、ノニオン性界面活性剤を0.043%、中性サイズ剤を0.460%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.27g/mであった。
(比較例2)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0.760%、ノニオン性界面活性剤を0.032%、中性サイズ剤を0.360%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.24g/mであった。
(比較例3)
バックコート液について、ノニオン性界面活性剤を0.043%、中性サイズ剤を0.360%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.20g/mであった。
(比較例4)
バックコート液について、ノニオン性界面活性剤を0.043%、中性サイズ剤を0.460%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.22g/mであった。
(比較例5)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0.760%、ノニオン性界面活性剤を0.022%、中性サイズ剤を0.237%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.22g/mであった。
(比較例6)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0.355%、ノニオン性界面活性剤を0.022%、中性サイズ剤を0.237%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.14g/mであった。
(比較例7)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0.760%、ノニオン性界面活性剤を0%、中性サイズ剤を0%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.17g/mであった。
(比較例8)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0%、ノニオン性界面活性剤を0.043%、中性サイズ剤を0質量%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.02g/mであった。
(比較例9)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0%、ノニオン性界面活性剤を0%、中性サイズ剤を0.460%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.11g/mであった。
(比較例10)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0.760%、ノニオン性界面活性剤を0.043%、中性サイズ剤を0%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.17g/mであった。
(比較例11)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0.760%、ノニオン性界面活性剤を0%、中性サイズ剤を0.460%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.26g/mであった。
(比較例12)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0%、ノニオン性界面活性剤を0.043%、中性サイズ剤を0.474%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.12g/mであった。
(比較例13)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0.760%、ノニオン性界面活性剤を0.043%、中性サイズ剤を0.237%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.22g/mであった。
(比較例14)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0.760%、ノニオン性界面活性剤を0.022%、中性サイズ剤を0.460%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.26g/mであった。
(比較例15)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0.355%、ノニオン性界面活性剤を0.043%、中性サイズ剤を0.460%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.19g/mであった。
(比較例16)
バックコート液について、カチオン性高分子電解質を0%、ノニオン性界面活性剤を0%、中性サイズ剤を0%とした以外は、実施例1と同様とした。バックコート層の乾燥塗布量は、0.01g/mであった。
(比較例17)
バックコート液について、塗布量を0.08g/mとした以外は、実施例1と同様とした。
(比較例18)
バックコート液について、塗布量を0.33g/mとした以外は、実施例1と同様とした。
<宛名面のインクジェット印字滲み>
インクジェットプリンター(EPSON社製 EP−801A)を用い、宛名面にブラックインクだけで、文字を印字した。インク滲みを目視評価した。
○:良好(実用可)、○:やや良好(実用下限)、△:やや不良(実用不可)、×:不良(実用不可)
<宛名面のインクジェット印字耐水性>
インクジェットプリンター(EPSON社製 EP−801A)を用い、宛名面にブラックインクだけで、文字を印字した。印字部に水滴0.5mLを1滴垂らし、自然乾燥後のインクの滲み出しを目視評価した。
○:良好(実用可)、○:やや良好(実用下限)、△:やや不良(実用不可)、×:不良(実用不可)
<宛名面の着色均一性及びはじき>
宛名面の着色の均一性、はじきなどを目視評価した。
○:良好(実用可)、○:やや良好(実用下限)、△:やや不良(実用不可)、×:不良(実用不可)
<宛名面のペン書きサイズ度>
JAPAN TAPPI No.12:2000(板紙−サイズ度試験方法−ペン書き法)に従って評価した。
○:良好(実用可)、○:やや良好(実用下限)、△:やや不良(実用不可)、×:不良(実用不可)
<宛名面の湿し水濁度評価>
通信面を耐水テープにてシーリングし、宛名面を露出させた5cm×5cmのサンプルを8個分準備した。これを50mLの湿し水(IF212:PS湿し水、エッチ液(0.8質量%)とIF211:PS湿し水、添加液(1.2質量%)との混合水溶液、いずれもFUJIFILM社製)に浸し、5分後の湿し水の濁度を、光学的測定試験機(COH400、日本電色社製)を用い測定した。浸漬前の濁度を原点とし、浸漬後の濁度の程度を印刷時の湿し水の汚れやすさの指標とし、評価した。
○:0.5未満(実用可)、○:0.5以上0.6未満(実用下限)、△:0.6以上0.8未満(実用不可)、×:0.8以上(実用不可)
※ 単位:濁度・・・ヘイズ
<バックコート液泡立試験>
メスシリンダに500mLのバックコート液を入れ、そこに、ディフューザーストーンを経由させ、空気を小形ポンプで送り込むことによって泡立てさせた。空気を送り込む前の液位を原点とし、空気を40秒間送り込んだ後に静置させ、1分間後の状態での液位上昇を、泡立ち易さの指標とし評価した。
○:0.8以上(実用可)、○:0.6以上0.8未満(実用下限)、△:0.4以上0.6未満(実用不可)、×:0.4未満(実用不可)
※ 単位:比重・・・g/mL
Figure 2012061670
Figure 2012061670
前記結果から明らかなように、実施例で得られたインクジェット用葉書は、宛名面にて良好なインクジェット印字適性を有すると共に、均一な色調の色味付けがされており、デザイン性に富むものであった。さらに、湿し水の濁度試験結果から、オフセット印刷時の版汚れが少なく、印刷作業性に優れるものといえる。そして、バックコート液の塗布においては、泡立ちが少なく、長期塗工適性にも優れているといえる。
比較例1と2は、カチオン性高分子電解質の添加量が多く宛名面の湿し水濁度に劣った。かつ、界面活性剤と中性サイズ剤との絶対量も多く、バックコート液の泡立ちに劣るようになった。比較例3と4は、中性サイズ剤に対する界面活性剤の比率が高く、バックコート液の泡立ちが劣り、またインクジェット印字の耐水性も悪くなった。比較例5は、界面活性剤と中性サイズ剤との添加量が少なく、着色均一性とはじきに劣った。また、ペン書きサイズ度も劣った。さらに、カチオン性高分子電解質の添加量が多く、湿し水の濁度も悪かった。比較例6は、界面活性剤と中性サイズ剤と、カチオン性高分子電解質との添加量が少なく、インクジェット印字と耐水性、着色均一性とはじき、ペン書きサイズ度に劣った。比較例7は、界面活性剤と中性サイズ剤とを無添加とし、かつ、カチオン性高分子電解質を多く添加したので、着色均一性とはじき、ペン書きサイズ度、更に湿し水の濁度に劣った。比較例8は、中性サイズ剤とカチオン性高分子電解質とを無添加としたので、インクジェット印字と耐水性、ペン書きサイズ度に劣った。比較例9は、界面活性剤とカチオン性高分子電解質とを無添加としたので、インクジェット印字と耐水性、着色均一性とはじきに劣った。比較例10は、中性サイズ剤を無添加とし、界面活性剤とカチオン性高分子電解質とを多く添加したので、ペン書きサイズ度に劣り、湿し水の濁度とバックコート液の泡立ちが悪かった。比較例11は、界面活性剤を無添加とし、中性サイズ剤とカチオン性高分子電解質とを多く添加したので、着色均一性とはじきに劣り、湿し水の濁度が悪かった。比較例12は、カチオン性高分子電解質を無添加とし、界面活性剤と中性サイズ剤とを多く添加したので、インクジェット印字と耐水性、バックコート液の泡立ちが劣った。比較例13は、界面活性剤とカチオン性高分子電解質との添加量が多く、かつ、中性サイズ剤の添加量が少ないので、ペン書きサイズ度、湿し水の濁度、バックコート液の泡立ちが劣った。比較例14は、界面活性剤の添加量が少なく、かつ、カチオン性高分子電解質の添加量が多いので、着色均一性とはじきに劣り、湿し水の濁度が悪かった。比較例15は、界面活性剤の添加量が多く、かつ、カチオン性高分子電解質の添加量が少ないので、インクジェット印字と耐水性、バックコート液の泡立ちが劣った。比較例16は、界面活性剤、中性サイズ剤、カチオン性高分子電解質ですべて無添加としたので、インクジェット印字と耐水性、着色均一性とはじき、ペン書きサイズ度に劣った。比較例17は、バックコート液の塗布量が少な過ぎて、インクジェット印字と耐水性に劣った。比較例18は、反対にバックコート液の塗布量が多過ぎて、インクジェット印字と耐水性に劣った。

Claims (4)

  1. 木材パルプ繊維からなる支持体の片面に、顔料とバインダーとを主成分とするインク受容層を設け、該インク受容層を設けた面とは反対の面に、有彩色のバックコート液を塗布してバックコート層を設けたインクジェット用葉書において、
    該バックコート液が、乾燥時に成膜性を有する高分子材料と、水溶性高分子電解質と、界面活性剤と、サイズ剤と、前記有彩色とするための着色剤とを必須成分として含有し、前記界面活性剤と前記サイズ剤との質量%比率(前記界面活性剤の質量%/前記サイズ剤の質量%)が0.048を超え、0.091未満であり、前記界面活性剤と前記サイズ剤との合計の固形分濃度が0.280質量%を超え、0.503質量%未満であり、前記水溶性高分子電解質の固形分濃度が0.355質量%を超え、0.760質量%未満であり、かつ、前記バックコート液の塗布量が固形分質量で0.08g/mを超え、0.33g/m未満であることを特徴とするインクジェット用葉書。
  2. 前記バックコート層が、多孔性顔料を含有していないことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用葉書。
  3. 前記界面活性剤が、ポリエーテルポリオールの骨格をその構造に有することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット用葉書。
  4. 前記サイズ剤が中性であり、前記水溶性高分子電解質がカチオン性高分子電解質であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のインクジェット用葉書。
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