JP2015157451A - 積層体の製造方法、積層体、および粘着層付き透明面材 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便で、大量に製造することが容易な積層体の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の積層体の製造方法の一つの態様は、透明面材と、透明面材の少なくとも一方の面に形成された粘着層と、を備える粘着層付き透明面材を準備する工程と、大気圧雰囲気下で、粘着層付き透明面材と被貼合体とを、粘着層と被貼合体の被貼合面とを接触させた状態で積層する工程と、積層された粘着層付き透明面材と被貼合体とを、大気圧より低い減圧雰囲気下に配置する工程と、前記減圧雰囲気下で所定時間保持後、積層された粘着層付き透明面材と被貼合体とを、大気圧雰囲気下に配置する工程と、を有することを特徴とする。【選択図】図7
Description
本発明は、積層体の製造方法、積層体、および粘着層付き透明面材に関する。
たとえば、表示パネル等の表示デバイスに、粘着層付き透明面材を貼合し、透明面材と表示デバイスとが積層された表示装置のような積層体が知られている。
このような積層体を製造する方法としては、たとえば、減圧雰囲気下で2枚の基板を接触させた後に真空チャンバーを大気解放することで、基板間の領域の気圧と、外部の気圧との差圧を利用して2枚の基板を貼り合せる方法が知られている(たとえば、特許文献1)。
しかし、上記のような方法では、たとえば、真空チャンバー等の減圧装置内に、2枚の基板を接触させるための移動機構等の設備を設ける必要があるため、積層体を製造するための設備にコストがかかるという問題があった。また、減圧装置内を減圧雰囲気下にした後に、減圧装置内の移動機構によって2枚の基板を接触させる必要があるため、積層体の製造に手間がかかり、一度に大量の積層体を製造することは困難であるという問題があった。
本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて成されたものであって、簡便で、大量に製造することが容易な積層体の製造方法、および積層体を提供することを目的の一つとする。また、そのような積層体の製造方法に適した粘着層付き透明面材を提供することを目的の一つとする。
本発明の積層体の製造方法の一つの態様は、透明面材と、前記透明面材の少なくとも一方の面に形成された粘着層と、を備える粘着層付き透明面材を準備する工程と、大気圧雰囲気下で、前記粘着層付き透明面材と被貼合体とを、前記粘着層と前記被貼合体の被貼合面とを接触させた状態で積層する工程と、積層された前記粘着層付き透明面材と前記被貼合体とを、大気圧より低い減圧雰囲気下に配置する工程と、前記減圧雰囲気下で所定時間保持後、積層された前記粘着層付き透明面材と前記被貼合体とを、大気圧雰囲気下に配置する工程と、を有することを特徴とする。
前記粘着層は、光硬化性を有し、前記大気圧雰囲気下に配置する工程の後に、前記粘着層に光を照射する工程をさらに有する製造方法としてもよい。
前記大気圧雰囲気下に配置する工程の後における前記粘着層と前記被貼合体との密着力は、0.05N/25mm以上、0.4N/25mm以下である製造方法としてもよい。
前記粘着層の35℃における貯蔵せん断弾性率は、500Pa以上、100kPa以下である製造方法としてもよい。
前記被貼合体は、表示デバイスである製造方法としてもよい。
本発明の積層体の一つの態様は、透明面材と、前記透明面材の少なくとも一方の面に形成された粘着層と、前記粘着層を挟んで前記透明面材と積層された被貼合体と、を備え、前記粘着層と前記透明面材との密着力は、0.05N/25mm以上、0.4N/25mm以下であることを特徴とする。
本発明の粘着層付き透明面材の一つの態様は、透明面材と、前記透明面材の少なくとも一方の面に形成された粘着層と、を備え、前記粘着層を被貼合体に貼合した際における前記粘着層と前記被貼合体との密着力は、0.05N/25mm以上、0.4N/25mm以下であることを特徴とする。
本発明の一つの態様によれば、簡便で、大量に製造することが容易な積層体の製造方法が提供される。また、本発明の一つの態様によれば、そのような積層体の製造方法に適した積層体、および粘着層付き透明面材が提供される。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更できる。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更できる。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
本明細書における「透明」とは、面材と表示パネルの表示面とを粘着層を介して、空隙なく貼合した後に、表示パネルの表示画像の全体または一部が光学的な歪を受けることなく面材を通して視認できる様態を意味する。したがって、表示パネルから面材に入射する光の一部が面材により吸収、反射されたり、または光学的な位相の変化などによって、面材の可視光透過率が低いものであっても、面材を通して光学的な歪なく表示パネルの表示画像を視認できれば、「透明」であるということができる。
本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
本発明書における「厚さ」とは、マイクロゲージまたはレーザー変位計等を用いた測定方法により測定された厚さを意味する。また、「平均厚さ」とは、10箇所について測定された厚さの平均値とする。
本発明書における「厚さ」とは、マイクロゲージまたはレーザー変位計等を用いた測定方法により測定された厚さを意味する。また、「平均厚さ」とは、10箇所について測定された厚さの平均値とする。
<粘着層付き透明面材>
図1は、本実施形態の粘着層付き透明面材の一例を示す平面図である。図2は、図1におけるA−A断面図である。
粘着層付き透明面材1は、図1および図2に示すように、保護板(透明面材)10と、保護板10の表面の周縁部に形成された遮光印刷部12と、遮光印刷部12が形成された側の保護板10の表面に形成された粘着層18と、を有する。図示例の粘着層付き透明面材1は、さらに、粘着層18の表面を覆う剥離可能な保護フィルム16と、粘着層18を取り囲むように形成された堰状部20と、を有する。堰状部20は、粘着層付き透明面材1の製造時において、たとえば、保護板10上に粘着層18の形成材料が塗布される際の枠として機能する部材である。
図1は、本実施形態の粘着層付き透明面材の一例を示す平面図である。図2は、図1におけるA−A断面図である。
粘着層付き透明面材1は、図1および図2に示すように、保護板(透明面材)10と、保護板10の表面の周縁部に形成された遮光印刷部12と、遮光印刷部12が形成された側の保護板10の表面に形成された粘着層18と、を有する。図示例の粘着層付き透明面材1は、さらに、粘着層18の表面を覆う剥離可能な保護フィルム16と、粘着層18を取り囲むように形成された堰状部20と、を有する。堰状部20は、粘着層付き透明面材1の製造時において、たとえば、保護板10上に粘着層18の形成材料が塗布される際の枠として機能する部材である。
[保護板]
保護板10は、透明な平板である。保護板10の平面視形状は、特に限定されず、保護板10が貼着される表示パネル、または表示パネルが設けられた表示装置等の形状に応じて適宜設定できる。保護板10の平面視形状は、図1においては、たとえば、矩形状である。
保護板10は、表示パネルの画像表示面側に設けられて表示パネルを保護する。保護板10の材質としては、ガラス板、または透明樹脂板が挙げられる。表示パネルからの射出光や反射光に対して透明性が高い点はもちろん、耐光性、低複屈折性、高い平面精度、耐表面傷付性、高い機械的強度を有する点からも、保護板10の材質は、ガラス板が最も好ましい。後述する光硬化性樹脂組成物を硬化させるための光を充分に透過させる点でも、ガラス板が好ましい。
保護板10は、透明な平板である。保護板10の平面視形状は、特に限定されず、保護板10が貼着される表示パネル、または表示パネルが設けられた表示装置等の形状に応じて適宜設定できる。保護板10の平面視形状は、図1においては、たとえば、矩形状である。
保護板10は、表示パネルの画像表示面側に設けられて表示パネルを保護する。保護板10の材質としては、ガラス板、または透明樹脂板が挙げられる。表示パネルからの射出光や反射光に対して透明性が高い点はもちろん、耐光性、低複屈折性、高い平面精度、耐表面傷付性、高い機械的強度を有する点からも、保護板10の材質は、ガラス板が最も好ましい。後述する光硬化性樹脂組成物を硬化させるための光を充分に透過させる点でも、ガラス板が好ましい。
ガラス板の材料としては、ソーダライムガラス等のガラス材料が挙げられ、鉄分がより低く、青みの少ない高透過ガラス(白板ガラス)がより好ましい。安全性を高めるために表面材として強化ガラスを用いてもよい。特に薄いガラス板を用いる場合には、化学強化を施したガラス板を用いることが好ましい。
透明樹脂板の材料としては、透明性の高い樹脂材料(ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等)が挙げられる。
透明樹脂板の材料としては、透明性の高い樹脂材料(ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等)が挙げられる。
保護板10には、粘着層18との界面接着力を向上させるために、表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、保護板10の表面をシランカップリング剤で処理する方法、フレームバーナーによる酸化炎によって酸化ケイ素の薄膜を形成する方法等が挙げられる。
保護板10には、表示画像のコントラストを高めるために、粘着層18が形成された側とは反対側の表面に反射防止層を設けてもよい。反射防止層は、保護板10の表面に無機薄膜を直接形成する方法、反射防止層を設けた透明樹脂フィルムを保護板10に貼合する方法によって設けることができる。
また、目的に応じて、保護板10の一部または全体を着色したり、保護板10の表面の一部または全体を磨りガラス状にして光を散乱させたり、保護板10の表面の一部または全体に微細な凹凸等を形成して透過光を屈折または反射させたりしてもよい。また、着色フィルム、光散乱フィルム、光屈折フィルム、光反射フィルム等を、保護板10の表面の一部または全体に貼着してもよい。
保護板10の厚さは、機械的強度、透明性の点から、ガラス板の場合は通常0.3mm〜25mmである。屋内で使用するテレビ受像機、PC用ディスプレイ等の用途では、表示装置の軽量化の点から、1mm〜6mmが好ましく、屋外に設置する公衆表示用途では、3mm〜20mmが好ましい。化学強化ガラスを用いる場合は、ガラスの厚さは、強度の点で、0.5mm〜1.5mm程度が好ましい。透明樹脂板の場合は、1mm〜10mmが好ましい。
[遮光印刷部]
遮光印刷部12は、枠状に形成された、加飾印刷部である。遮光印刷部12は、表示パネルの画像表示領域以外が保護板10側から視認できないようにして、表示パネルに接続されている配線部材等を隠蔽する。遮光印刷部12は、粘着層18が形成される側である保護板10の上面10a、またはその反対側である保護板10の下面10bに形成できる。図1に示す例では、遮光印刷部12は、上面10aに形成されている。遮光印刷部12と画像表示領域との視差を低減する点では、遮光印刷部12は、粘着層18が形成される側である保護板10の上面10aに形成されることが好ましい。保護板10がガラス板の場合、遮光印刷部12に黒色顔料を含むセラミック印刷を用いると遮光性が高く好ましい。
遮光印刷部12は、枠状に形成された、加飾印刷部である。遮光印刷部12は、表示パネルの画像表示領域以外が保護板10側から視認できないようにして、表示パネルに接続されている配線部材等を隠蔽する。遮光印刷部12は、粘着層18が形成される側である保護板10の上面10a、またはその反対側である保護板10の下面10bに形成できる。図1に示す例では、遮光印刷部12は、上面10aに形成されている。遮光印刷部12と画像表示領域との視差を低減する点では、遮光印刷部12は、粘着層18が形成される側である保護板10の上面10aに形成されることが好ましい。保護板10がガラス板の場合、遮光印刷部12に黒色顔料を含むセラミック印刷を用いると遮光性が高く好ましい。
遮光印刷部が、粘着層が形成された側の反対側の下面10bに形成される場合、遮光印刷部をあらかじめ設けた透明フィルムを保護板に貼合することで形成することもできる。保護板に貼合される面の透明フィルムの周縁部に遮光印刷部を設け、その裏面、すなわち表示装置の最表面に反射防止層を設けたフィルムを保護板に貼合してもよい。表示パネルの配線部材等が、表示パネルを観察する側からは視認できない構造である場合や、表示装置の筺体等の他の部材により隠蔽される場合、または、表示パネル以外の被貼合体と粘着層付き透明面材とを貼合する場合には、遮光印刷部を保護板に形成しない場合もある。
[粘着層]
粘着層18は、保護板10の上面10aに形成されている。
粘着層18の厚さh2は、平均厚さで0.03mm〜2mmが好ましく、0.1mm〜0.8mmがより好ましい。粘着層18の厚さh2が0.03mm以上であれば、保護板10側からの外力による衝撃等を粘着層18が効果的に緩衝して、表示パネルを保護できる。また、後述する積層体の製造の際、被貼合体と粘着層付き透明面材1との間に粘着層18の厚さh2を超えない異物が混入しても、粘着層18の厚さh2が大きく変化することがなく、光透過性能への影響が少ない。粘着層18の厚さh2が2mm以下であれば、表示装置の全体の厚さが不要に厚くならない。
粘着層18は、保護板10の上面10aに形成されている。
粘着層18の厚さh2は、平均厚さで0.03mm〜2mmが好ましく、0.1mm〜0.8mmがより好ましい。粘着層18の厚さh2が0.03mm以上であれば、保護板10側からの外力による衝撃等を粘着層18が効果的に緩衝して、表示パネルを保護できる。また、後述する積層体の製造の際、被貼合体と粘着層付き透明面材1との間に粘着層18の厚さh2を超えない異物が混入しても、粘着層18の厚さh2が大きく変化することがなく、光透過性能への影響が少ない。粘着層18の厚さh2が2mm以下であれば、表示装置の全体の厚さが不要に厚くならない。
粘着層18の、35℃における貯蔵せん断弾性率は、500Pa以上、100kPa以下が好ましい。粘着層18の前記貯蔵せん断弾性率の上限値は25kPaがより好ましく、12kPaがさらに好ましい。貯蔵せん断弾性率が500Pa以上であれば、粘着層18の形状を維持しやすい。また、粘着層18の厚さh2が比較的厚い場合であっても、粘着層全体で厚さを均一に維持でき、粘着層付き透明面材1と被貼合体とを貼合する際に、被貼合体と粘着層18との界面に空隙が発生しにくいため好ましい。
一方、貯蔵せん断弾性率が100kPa以下であると、大気圧雰囲気下にて粘着層付き透明面材1と被貼合体とを貼合した際に、粘着層付き透明面材1の粘着層18と被貼合体との貼合界面に残存する気泡が、減圧脱気後処理によって外部へぬけやすい。
[保護フィルム]
保護フィルム16には、粘着層18と強固に密着しないことが求められる。よって、保護フィルム16としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等の密着性の比較的低い基材フィルムの片面が粘着面とされた自己粘着性保護フィルムが好ましい。
保護フィルム16には、粘着層18と強固に密着しないことが求められる。よって、保護フィルム16としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等の密着性の比較的低い基材フィルムの片面が粘着面とされた自己粘着性保護フィルムが好ましい。
保護フィルム16の粘着面の粘着力は、アクリル板に対する剥離速度300mm/分での180度剥離試験における50mm幅の試験体にて0.01N〜0.1Nが好ましく、0.02N〜0.06Nがさらに好ましい。粘着力が0.01N以上あると支持面材への貼着が可能であり、0.1N以下であると支持面材から保護フィルム16を剥離させることが容易である。
保護フィルム16の好適な厚さは、用いる樹脂により異なるが、ポリエチレン、ポリプロピレン等の比較的柔軟なフィルムを用いる場合には0.04mm〜0.2mmが好ましく、0.06mm〜0.1mmがさらに好ましい。0.04mm以上であると粘着層18から保護フィルム16を剥離する際に保護フィルム16の変形を抑えることができ、0.2mm以下であると剥離時に保護フィルム16が撓みやすく剥離させることが容易である。
また、保護フィルム16の粘着面とは反対側の裏面に背面層を設け、粘着層18からの剥離をさらに容易にすることもできる。背面層にも、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等の密着性の比較的低いフィルムを用いることが好ましい。さらに剥離を容易にするために、粘着層18に悪影響を与えない範囲において、シリコーンなどの離型剤を塗布することもできる。また、保護フィルムの一部に、外部から気体(酸素ガス、窒素ガス、水蒸気等)が保護フィルム16を透過して粘着層18に混入するのを防止するバリア層を設けるとより好ましい。
本実施形態の粘着層付き透明面材1は、たとえば、表示パネル等の表示デバイスに貼合した際に、密着力が、たとえば、0.05N/25mm以上、0.4N/25mm以下となるものである。密着力の計測方法については、後述する。
<粘着層付き透明面材の製造方法>
以下に、本発明の実施形態に係る粘着層付き透明面材の製造方法について説明する。
本実施形態の粘着層付き透明面材1の製造方法は、遮光印刷部形成工程と、堰状部形成工程と、樹脂層形成工程と、平坦化工程と、粘着層形成工程と、を有する。
以下に、本発明の実施形態に係る粘着層付き透明面材の製造方法について説明する。
本実施形態の粘着層付き透明面材1の製造方法は、遮光印刷部形成工程と、堰状部形成工程と、樹脂層形成工程と、平坦化工程と、粘着層形成工程と、を有する。
まず、遮光印刷部形成工程は、保護板10の上面10a上に遮光印刷部12を形成する工程である。
保護板10の上面10aの周縁部に、黒色等の遮光性を有する加飾印刷を施し、遮光印刷部12を形成する。加飾印刷の方法としては、たとえば、保護板10がガラスである場合には、セラミック印刷法を用いることができる。
該工程により、遮光印刷部12が形成される。
保護板10の上面10aの周縁部に、黒色等の遮光性を有する加飾印刷を施し、遮光印刷部12を形成する。加飾印刷の方法としては、たとえば、保護板10がガラスである場合には、セラミック印刷法を用いることができる。
該工程により、遮光印刷部12が形成される。
次に、堰状部形成工程は、堰状部20を遮光印刷部12上に形成する工程である。
堰状部形成工程は、保護板10の上面10a上における周縁部に堰状部20の形成材料である第2樹脂組成物を塗布する塗布工程と、塗布された第2樹脂組成物を硬化する硬化工程と、を有する。
堰状部形成工程は、保護板10の上面10a上における周縁部に堰状部20の形成材料である第2樹脂組成物を塗布する塗布工程と、塗布された第2樹脂組成物を硬化する硬化工程と、を有する。
図3(A)は、堰状部形成工程の手順を示す平面図、図3(B)は、図3(A)におけるB−B断面図である。
図3(A),(B)に示すように、塗布された第2樹脂組成物の内縁が、遮光印刷部12の内縁12aより外側に位置するようにして、遮光印刷部12上に第2樹脂組成物を枠状に塗布する。該工程により、未硬化の堰状部が形成される(塗布工程)。塗布する方法は、特に限定されず、たとえば、インクジェット方式、ダイコート方式、ディスペンサ方式、スクリーン印刷方式等を選択できる。
図3(A),(B)に示すように、塗布された第2樹脂組成物の内縁が、遮光印刷部12の内縁12aより外側に位置するようにして、遮光印刷部12上に第2樹脂組成物を枠状に塗布する。該工程により、未硬化の堰状部が形成される(塗布工程)。塗布する方法は、特に限定されず、たとえば、インクジェット方式、ダイコート方式、ディスペンサ方式、スクリーン印刷方式等を選択できる。
[第2樹脂組成物]
以下に、堰状部20形成用の第2樹脂組成物について具体的に説明する。
塗布される第2樹脂組成物の粘度は、500Pa・s〜3000Pa・sが好ましく、800Pa・s〜2500Pa・sがより好ましく、1000Pa・s〜2000Pa・sがさらに好ましい。粘度が500Pa・s以上であれば、未硬化の堰状部の形状を比較的長時間維持でき、未硬化の堰状部の厚さを充分に維持できる。粘度が3000Pa・s以下であれば、未硬化の堰状部を塗布によって形成できる。
以下に、堰状部20形成用の第2樹脂組成物について具体的に説明する。
塗布される第2樹脂組成物の粘度は、500Pa・s〜3000Pa・sが好ましく、800Pa・s〜2500Pa・sがより好ましく、1000Pa・s〜2000Pa・sがさらに好ましい。粘度が500Pa・s以上であれば、未硬化の堰状部の形状を比較的長時間維持でき、未硬化の堰状部の厚さを充分に維持できる。粘度が3000Pa・s以下であれば、未硬化の堰状部を塗布によって形成できる。
また、未硬化の堰状部を形成する第2樹脂組成物の塗布時の粘度が500Pa・sより小さい場合であっても、第2樹脂組成物が光硬化性樹脂組成物である場合には、塗布の直後に光を照射することで、光照射後の第2樹脂組成物の粘度を上述の好ましい範囲とすればよい。塗布の容易さからは、第2樹脂組成物の塗布時の粘度が500Pa・s以下である方が好ましく、200Pa・s以下が更に好ましい。
なお、本明細書において第2樹脂組成物および後述する第1樹脂組成物41の粘度は、25℃においてE型粘度計を用いて測定した値を用いる。
なお、本明細書において第2樹脂組成物および後述する第1樹脂組成物41の粘度は、25℃においてE型粘度計を用いて測定した値を用いる。
堰状部20を構成する第2樹脂組成物は、光硬化性樹脂組成物であってもよく、熱硬化性樹脂組成物であってもよい。低温で硬化でき、かつ硬化速度が速い点、および、低粘度の第2樹脂組成物を塗布直後の光照射により高粘度化できることから、硬化性化合物および光重合開始剤(C)を含む光硬化性樹脂組成物が好ましい。
第2樹脂組成物としては、粘度を前記範囲に調整しやすい点から、前記硬化性化合物として、硬化性基を有し、かつ数平均分子量が30000〜100000であるオリゴマー(A)と、硬化性基を有し、かつ分子量が125〜600であるモノマー(B)とを含み、モノマー(B)の割合が、オリゴマー(A)とモノマー(B)との合計(100質量%)のうち、15質量%〜50質量%であるものが好ましい。塗布直後の光照射により、粘度を前記範囲に調整する場合には、前記モノマー(B)の割合が、オリゴマー(A)とモノマー(B)との合計(100質量%)のうち、30質量%〜70質量%であるものが好ましい。
オリゴマー(A)の硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられる。
硬化速度が速い点および透明性の高い堰状部が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基から選ばれる基が好ましい。
オリゴマー(A)は、樹脂組成物の硬化性、堰状部の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり平均1.8〜4個有するものが好ましい。また、オリゴマー(A)としては、ウレタン結合を有するウレタンオリゴマー、ポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、ウレタン鎖の分子設計等によって硬化後の樹脂の機械的特性、保護板または表示パネルとの密着性等を幅広く調整できる点から、ウレタンオリゴマーが好ましい。オリゴマー(A)は1種でも2種以上用いてもよい。
硬化速度が速い点および透明性の高い堰状部が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基から選ばれる基が好ましい。
オリゴマー(A)は、樹脂組成物の硬化性、堰状部の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり平均1.8〜4個有するものが好ましい。また、オリゴマー(A)としては、ウレタン結合を有するウレタンオリゴマー、ポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、ウレタン鎖の分子設計等によって硬化後の樹脂の機械的特性、保護板または表示パネルとの密着性等を幅広く調整できる点から、ウレタンオリゴマーが好ましい。オリゴマー(A)は1種でも2種以上用いてもよい。
モノマー(B)の硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられる。硬化速度が速い点および透明性の高い堰状部が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基から選ばれる基が好ましい。
モノマー(B)は、保護板または表示パネルと堰状部との密着性や後述する各種添加剤の溶解性の点から、水酸基を有するモノマーを含むことが好ましい。具体的には、水酸基数1〜2、炭素数3〜8のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアクリレート、または、ヒドロキシメタアクリレート(2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート等)が好ましく、4−ヒドロキシブチルアクリレート、または、2−ヒドロキシブチルメタクリレートが特に好ましい。モノマー(B)も1種でも2種以上用いてもよい。
モノマー(B)は、保護板または表示パネルと堰状部との密着性や後述する各種添加剤の溶解性の点から、水酸基を有するモノマーを含むことが好ましい。具体的には、水酸基数1〜2、炭素数3〜8のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアクリレート、または、ヒドロキシメタアクリレート(2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート等)が好ましく、4−ヒドロキシブチルアクリレート、または、2−ヒドロキシブチルメタクリレートが特に好ましい。モノマー(B)も1種でも2種以上用いてもよい。
光重合開始剤(C)としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾインまたはベンゾインエーテル系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、キノン系等の光重合開始剤が挙げられる。吸収波長域の異なる2種以上の光重合開始剤(C)を併用することによって、硬化時間をさらに速めたり、未硬化の堰状部における表面硬化性を高めることができる。塗布直後の光照射により、光硬化性樹脂組成物の粘度を前記好ましい範囲に調整する場合には、吸収波長域の異なる2種以上の光重合開始剤(C)を併用することが特に好ましい。
さらに、樹脂組成物に非硬化性オリゴマー(D)を加えてもよい。非硬化性オリゴマー(D)は、樹脂層形成用光硬化性樹脂組成物の硬化時に組成物中の硬化性化合物と硬化反応しない、1分子当たり0.8〜3個の水酸基を有するオリゴマーである。1分子あたりの水酸基は2〜3個がより好ましい。また、非硬化性オリゴマー(D)の水酸基1個あたりの数平均分子量(Mn)は400〜8000が好ましい。非硬化性オリゴマー(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
次に、枠状に形成された未硬化の堰状部を硬化させる(硬化工程)。未硬化の堰状部を構成する第2樹脂組成物が光硬化性を有する場合には、たとえば、光源(紫外線ランプ、高圧水銀灯、UV−LED等)から紫外線または短波長の可視光を照射することにより、未硬化の堰状部を硬化させる。
また、未硬化の堰状部を構成する第2樹脂組成物が熱硬化性を有する場合には、加熱することで、未硬化の堰状部を硬化させる。
以上の工程により、堰状部形成工程が終了し、堰状部20が形成される。
また、未硬化の堰状部を構成する第2樹脂組成物が熱硬化性を有する場合には、加熱することで、未硬化の堰状部を硬化させる。
以上の工程により、堰状部形成工程が終了し、堰状部20が形成される。
次に、樹脂層形成工程は、粘着層18の形成材料である第1樹脂組成物41を塗布することで、樹脂層42aを形成する工程である。
図4(A)は、樹脂層形成工程の手順を示す平面図、図4(B)は、図4(A)におけるC−C断面図、図4(C)は、樹脂層形成工程が終了した直後を示した断面図である。
図4(A)は、樹脂層形成工程の手順を示す平面図、図4(B)は、図4(A)におけるC−C断面図、図4(C)は、樹脂層形成工程が終了した直後を示した断面図である。
図4(A),(B)に示すように、ダイコーティング装置40を用いて、第1樹脂組成物41をダイコート方式により塗布する。
ダイコーティング装置40は、保護板10の上方に配置されている。ダイコーティング装置40と保護板10との相対位置は水平方向に移動可能となっている。ダイコーティング装置40と保護板10との相対位置の移動は、ダイコーティング装置40を動かしてもよく、保護板10を動かしてもよい。本実施形態においては、ダイコーティング装置40に対して保護板10を動かす場合について説明する。
ダイコーティング装置40は、保護板10の上方に配置されている。ダイコーティング装置40と保護板10との相対位置は水平方向に移動可能となっている。ダイコーティング装置40と保護板10との相対位置の移動は、ダイコーティング装置40を動かしてもよく、保護板10を動かしてもよい。本実施形態においては、ダイコーティング装置40に対して保護板10を動かす場合について説明する。
ダイコーティング装置40は、図4(B)に示すように、断面視で略5角形状である。ダイコーティング装置40の平面視短手方向(図4(A)における左右方向)の中心には、スリット部40aが設けられている。
スリット部40aは、ダイコーティング装置40の長手方向(図4(A)における上下方向)に延在している。スリット部40aから、未硬化の第1樹脂組成物41が吐出される。
なお、ダイコーティング装置は上記形態に限らず公知の形態を適宜使用することが出来る。
スリット部40aは、ダイコーティング装置40の長手方向(図4(A)における上下方向)に延在している。スリット部40aから、未硬化の第1樹脂組成物41が吐出される。
なお、ダイコーティング装置は上記形態に限らず公知の形態を適宜使用することが出来る。
保護板10を移動装置33上に設置し、第1樹脂組成物41が塗布される方向(図4(B)における右方向)と逆方向(図4(B)における左方向)に保護板10を移動させる。これにより、ダイコーティング装置40の保護板10に対する相対位置を、保護板10の長手方向(図4(B)の左右方向)の一方の端部近傍から、他方の端部近傍まで移動させ、保護板10上に第1樹脂組成物41を塗布する。
移動装置33としては、保護板10を移動できる範囲内において、特に限定されず、いかなる公知の移動装置を用いることもできる。たとえば、図4(A),(B)においては、移動装置33は、ベルトコンベアーである。
移動装置33としては、保護板10を移動できる範囲内において、特に限定されず、いかなる公知の移動装置を用いることもできる。たとえば、図4(A),(B)においては、移動装置33は、ベルトコンベアーである。
第1樹脂組成物41を塗布する領域は、堰状部20と保護板10の上面10aとで形成された凹部45の内側とする。図4(C)に示すように、堰状部20と、形成された樹脂層42aと、の間に隙間44が形成されるように第1樹脂組成物41を塗布する。言いかえると、第1樹脂組成物41が堰状部20と接触しないようにして、第1樹脂組成物41を塗布する。隙間44は、樹脂層42aの外周を囲んで形成される。
ダイコーティング装置40から吐出される第1樹脂組成物41の量は、形成される樹脂層42aの塗布直後の厚さh3が、堰状部20の厚さh1よりも大きくなるように調節する。樹脂層42aの厚さh3は、隙間44の幅(樹脂層42aと堰状部20との距離)に応じて設定できる。次の平坦化工程において樹脂層42aが平坦化された際に、後述する平坦化された樹脂層42bの厚さが、前述したように、堰状部20の厚さh1と略等しくなるか、やや小さくなるように樹脂層42aの厚さh3を調節することが好ましい。
該工程により、図4(C)に示すように、堰状部20との間に隙間44が形成され、堰状部20の厚さよりも、厚さが大きい第1樹脂組成物41からなる樹脂層42aが形成される。
[第1樹脂組成物]
以下に、粘着層形成用の第1樹脂組成物41について具体的に説明する。
第1樹脂組成物41の粘度は、0.05Pa・s〜50Pa・sが好ましく、1Pa・s〜20Pa・sがより好ましい。粘度が0.05Pa・s以上であれば、後述するモノマー(B')の割合を抑えることができ、粘着層18の物性の低下が抑えられる。また、粘度が50Pa・s以下であれば、粘着層18に空隙が残留しにくい。
以下に、粘着層形成用の第1樹脂組成物41について具体的に説明する。
第1樹脂組成物41の粘度は、0.05Pa・s〜50Pa・sが好ましく、1Pa・s〜20Pa・sがより好ましい。粘度が0.05Pa・s以上であれば、後述するモノマー(B')の割合を抑えることができ、粘着層18の物性の低下が抑えられる。また、粘度が50Pa・s以下であれば、粘着層18に空隙が残留しにくい。
第1樹脂組成物41としては、次の平坦化工程において、加熱されることで粘性が低下する特性を有するものを用いる。また、第1樹脂組成物41は、低温で硬化でき、かつ硬化速度が速い点から、硬化性化合物および光重合開始剤(C')を含む光硬化性樹脂組成物が好ましい。
第1樹脂組成物41としては、粘度を前記範囲に調整しやすい点から、前記硬化性化合物として、硬化性基を有し、かつ数平均分子量が1000〜100000であるオリゴマー(A')の1種以上と、硬化性基を有し、かつ分子量が125〜600であるモノマー(B')の1種以上とを含み、モノマー(B')の割合が、オリゴマー(A')とモノマー(B')との合計(100質量%)のうち、40質量%〜80質量%であるものが好ましい。
オリゴマー(A')の硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられ、硬化速度が速い点および透明性の高い粘着層18が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基から選ばれる基が好ましい。
モノマー(B')の硬化性基としては、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられ、硬化速度が速い点および透明性の高い粘着層18が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基から選ばれる基が好ましい。
モノマー(B')としては、第1樹脂組成物41の硬化性、粘着層18の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり1〜3個有するものが好ましい。
モノマー(B')としては、第1樹脂組成物41の硬化性、粘着層18の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり1〜3個有するものが好ましい。
光重合開始剤(C')としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾインまたはベンゾインエーテル系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、キノン系等の光重合開始剤が挙げられる。
さらに、第1樹脂組成物41は、非硬化性オリゴマー(D')を含んでいてもよい。非硬化性オリゴマー(D')は、未硬化の第1樹脂組成物41を硬化させる際に組成物中の硬化性化合物と硬化反応しない、1分子当たり0.8〜3個の水酸基を有するオリゴマーである。1分子あたりの水酸基は2〜3個がより好ましい。また、非硬化性オリゴマー(D')の水酸基1個あたりの数平均分子量(Mn)は400〜8000が好ましい。非硬化性オリゴマー(D')は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
次に、平坦化工程は、樹脂層42aを加熱することにより樹脂層42aの厚さを平坦化させる工程である。
図5(A)は、平坦化工程の手順を示す平面図、図5(B)は、図5(A)におけるD−D断面図である。
樹脂層42aを所定時間加熱し、樹脂層42aの粘性を低下させる。これにより、樹脂層42aは濡れ広がり、隙間44に流入する。濡れ広がった樹脂層42aは、堰状部20によって堰き止められ、樹脂層42aの端部形状は、堰状部20の内側面20aに沿った形状となる。また、樹脂層42aの粘性が低下することにより、樹脂層42aの厚さが均一化される。
該工程により、図5(A),(B)に示すように、隙間44は消失し、樹脂層42aは、平坦化された樹脂層42bとなる。
図5(A)は、平坦化工程の手順を示す平面図、図5(B)は、図5(A)におけるD−D断面図である。
樹脂層42aを所定時間加熱し、樹脂層42aの粘性を低下させる。これにより、樹脂層42aは濡れ広がり、隙間44に流入する。濡れ広がった樹脂層42aは、堰状部20によって堰き止められ、樹脂層42aの端部形状は、堰状部20の内側面20aに沿った形状となる。また、樹脂層42aの粘性が低下することにより、樹脂層42aの厚さが均一化される。
該工程により、図5(A),(B)に示すように、隙間44は消失し、樹脂層42aは、平坦化された樹脂層42bとなる。
次に、粘着層形成工程は、粘着層18を形成する工程である。
粘着層形成工程は、半硬化工程と、保護フィルム貼着工程と、本硬化工程と、を有する。
半硬化工程は、平坦化された樹脂層42bを半硬化させる工程である。
図6(A)は、半硬化工程を示す平面図、図6(B)は、図6(A)におけるE−E断面図である。
粘着層形成工程は、半硬化工程と、保護フィルム貼着工程と、本硬化工程と、を有する。
半硬化工程は、平坦化された樹脂層42bを半硬化させる工程である。
図6(A)は、半硬化工程を示す平面図、図6(B)は、図6(A)におけるE−E断面図である。
図6(A),(B)に示すように、平坦化された樹脂層42bを半硬化させ、半硬化状態の樹脂層43を形成する。半硬化させる方法としては、たとえば、樹脂層42bを構成する第1樹脂組成物41が、光硬化性樹脂である場合には、光源(紫外線ランプ、高圧水銀灯、UV−LED等)から紫外線または短波長の可視光を照射する方法を選択できる。具体的には、たとえば、光を照射する時間を本硬化に要する時間よりも短くする、本硬化に用いる光よりも強度の小さい光を照射する、等により、第1樹脂組成物41を半硬化させる。
該工程により、半硬化し、外形状が保持された、半硬化状態の樹脂層43が形成される。
該工程により、半硬化し、外形状が保持された、半硬化状態の樹脂層43が形成される。
ここで「半硬化」とは、図1および図2に示す粘着層付き透明面材1が有する粘着層18の重合度を目標とする重合度とした場合に、目標とする重合度までは重合させることなく硬化処理を終えることを意味している。言い換えると、「半硬化」とは、樹脂層42bを重合(硬化)させたが、粘着層付き透明面材1が有する粘着層18の重合度までは重合(硬化)が進行していないことを意味している。
粘着層18の重合度(目標とする重合度)に達するまで重合させることを仮に「本硬化」とすると、重合の途中段階は「半硬化」の状態であると言え、粘着層18の重合度までは重合が進行していない層であることを示している。
粘着層18の重合度(目標とする重合度)に達するまで重合させることを仮に「本硬化」とすると、重合の途中段階は「半硬化」の状態であると言え、粘着層18の重合度までは重合が進行していない層であることを示している。
保護フィルム貼着工程は、保護フィルム16を半硬化状態の樹脂層43上に貼着する工程である。
保護フィルム16の貼着方法は、特に限定されない。たとえば、保護板10をローラーで移動させ、ロール状に巻かれた保護フィルム16を半硬化状態の樹脂層43上に貼着する方法を選択できる。
該工程により、保護フィルム16が半硬化状態の樹脂層43に貼着され、半硬化状態の樹脂層43が保護フィルム16で覆われた状態となる(図1および図2参照。)。
保護フィルム16の貼着方法は、特に限定されない。たとえば、保護板10をローラーで移動させ、ロール状に巻かれた保護フィルム16を半硬化状態の樹脂層43上に貼着する方法を選択できる。
該工程により、保護フィルム16が半硬化状態の樹脂層43に貼着され、半硬化状態の樹脂層43が保護フィルム16で覆われた状態となる(図1および図2参照。)。
本硬化工程は、半硬化状態の樹脂層43を本硬化させる工程である。
半硬化状態の樹脂層43を本硬化させる方法は、半硬化工程において、樹脂層42bを半硬化させた方法と同様とできる。光を照射する時間や、照射する光の強度等の条件は、半硬化状態の樹脂層43を本硬化できる条件とする。
該工程により、半硬化状態の樹脂層43は、本硬化される。
以上の工程により、粘着層形成工程が終了し、粘着層18が形成される。
半硬化状態の樹脂層43を本硬化させる方法は、半硬化工程において、樹脂層42bを半硬化させた方法と同様とできる。光を照射する時間や、照射する光の強度等の条件は、半硬化状態の樹脂層43を本硬化できる条件とする。
該工程により、半硬化状態の樹脂層43は、本硬化される。
以上の工程により、粘着層形成工程が終了し、粘着層18が形成される。
以上に示した遮光印刷部形成工程から粘着層形成工程により、本実施形態の粘着層付き透明面材1が製造される。
なお、上記説明した粘着層付き透明面材の製造方法は、一例であり、他の製造方法を用いて粘着層付き透明面材を製造してもよい。
他の粘着層付き透明面材の製造方法としては、たとえば、粘着層としてOCA(Optically Clear Adhesive)用途のゲルシート状の両面粘着フィルムや一般的に用いられるOCAフィルムよりも弾性率の低い(25℃におけるせん断弾性率1×104Pa以下)粘着フィルム等を保護板に貼着することによって、粘着層付き透明面材を製造する方法や、堰状部の内側に第1樹脂組成物を塗布した後に、減圧雰囲気下において保護フィルムを貼り合わせ、その後大気圧解放する方法等を選択できる。
他の粘着層付き透明面材の製造方法としては、たとえば、粘着層としてOCA(Optically Clear Adhesive)用途のゲルシート状の両面粘着フィルムや一般的に用いられるOCAフィルムよりも弾性率の低い(25℃におけるせん断弾性率1×104Pa以下)粘着フィルム等を保護板に貼着することによって、粘着層付き透明面材を製造する方法や、堰状部の内側に第1樹脂組成物を塗布した後に、減圧雰囲気下において保護フィルムを貼り合わせ、その後大気圧解放する方法等を選択できる。
また、第1樹脂組成物41として熱硬化性樹脂を用いた場合には、光を照射して未硬化の堰状部を硬化させた後に、加熱する工程を設けて第1樹脂組成物41を硬化させてもよいし、第1樹脂組成物41が硬化するまで常温環境下に配置してもよい。加熱して第1樹脂組成物41を硬化させる場合には、平坦化工程において、所定時間、樹脂層42aを静置することにより、樹脂層42aの厚さを平坦化させてもよい。
<積層体の製造方法>
次に、上記説明した粘着層付き透明面材1を被貼合体に貼合し、積層体を製造する方法について説明する。
図7は、本実施形態における積層体の製造方法の一例を示すフローチャートである。図8(A)〜(D)および図9(A),(B)は、本実施形態における積層体の製造方法の一例の手順を示す図である。図8(A)〜(D)は、断面図である。図9(A),(B)は、平面図である。図8(A)〜(D)および図9(A),(B)においては、遮光印刷部12および堰状部20の図示を省略している。
次に、上記説明した粘着層付き透明面材1を被貼合体に貼合し、積層体を製造する方法について説明する。
図7は、本実施形態における積層体の製造方法の一例を示すフローチャートである。図8(A)〜(D)および図9(A),(B)は、本実施形態における積層体の製造方法の一例の手順を示す図である。図8(A)〜(D)は、断面図である。図9(A),(B)は、平面図である。図8(A)〜(D)および図9(A),(B)においては、遮光印刷部12および堰状部20の図示を省略している。
なお、以下の説明においてはXYZ座標系を設定し、このXYZ座標系を参照しつつ各部材の位置関係を説明する。この際、保護板の主面と垂直な方向をZ軸方向、平面視における保護板の外形の一辺と平行な方向をY軸方向(図9(A),(B)参照。)、Z軸方向およびY軸方向と直交する方向をX軸方向とする。本実施形態においては、Z軸方向は鉛直方向である。
本実施形態の表示装置の製造方法は、図7に示すように、粘着層付き透明面材準備工程S1と、積層工程S2と、減圧工程S3と、大気圧解放工程S4と、を備える。
まず、粘着層付き透明面材準備工程S1は、図8(A)に示すように、保護フィルムが剥離された粘着層付き透明面材4を準備する工程である。
上記の粘着層付き透明面材1を準備し、保護フィルム16を剥離する。
粘着層付き透明面材1は、上記説明した製造方法等を用いて製造してもよいし、あらかじめ製造されたものを準備してもよい。
上記の粘着層付き透明面材1を準備し、保護フィルム16を剥離する。
粘着層付き透明面材1は、上記説明した製造方法等を用いて製造してもよいし、あらかじめ製造されたものを準備してもよい。
この工程により、保護フィルム16が剥離された粘着層付き透明面材4が得られる。なお、以下の説明においては、保護フィルム16が剥離された粘着層付き透明面材4を、単に粘着層付き透明面材4と称する。
次に、積層工程S2は、図8(B)に示すように、粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを積層する工程である。
大気圧雰囲気下で、粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを、粘着層18と被貼合体50の被貼合面50aとが接触した状態で積層する。
被貼合体50としては、特に限定されず、たとえば、表示パネル等の表示デバイスである。
大気圧雰囲気下で、粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを、粘着層18と被貼合体50の被貼合面50aとが接触した状態で積層する。
被貼合体50としては、特に限定されず、たとえば、表示パネル等の表示デバイスである。
粘着層18と被貼合体50とを積層させる方法は、特に限定されず、たとえば、粘着層付き透明面材4を、被貼合体50の鉛直方向上方(+Z側)から被貼合体50に向けて降下させる方法を選択できる。
粘着層付き透明面材4と被貼合体50との積層状態は、粘着層18と被貼合体50の被貼合面50aとが接触している範囲内において、特に限定されず、保護板10と被貼合体50との間に圧縮力が加えられていてもよいし、加えられていなくてもよい。
本実施形態においては、粘着層付き透明面材4と被貼合体50とは、鉛直方向(Z軸方向)に積層されているため、保護板10と被貼合体50との間には、保護板10の自重の分だけ圧縮力が加えられている。
本実施形態においては、粘着層付き透明面材4と被貼合体50とは、鉛直方向(Z軸方向)に積層されているため、保護板10と被貼合体50との間には、保護板10の自重の分だけ圧縮力が加えられている。
図9(A)は、積層工程S2によって粘着層付き透明面材4と被貼合体50とが積層された後の粘着層付き透明面材4および被貼合体50を示している。積層工程S2は、大気圧雰囲気下で行われるため、粘着層18と被貼合面50aとの間には空気が入りやすい。そのため、図8(B)および図9(A)に示すように、粘着層18と被貼合面50aとの界面に、気泡60が生じやすい。気泡60は、粘着層18と被貼合面50aとによって封止されている。
この工程により、積層された状態の粘着層付き透明面材4と被貼合体50とが得られる。
この工程により、積層された状態の粘着層付き透明面材4と被貼合体50とが得られる。
次に、減圧工程S3は、図8(C)に示すように、積層された粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを減圧雰囲気下に配置する工程である。減圧工程S3は、積層工程S2において生じた気泡60を除去することを目的として行われる。
本実施形態においては、減圧装置70を用いて減圧雰囲気を形成する。
減圧装置70は、チャンバー71と、チャンバー71内に設けられた下定盤72と、チャンバー71に接続された真空ポンプ73と、を備える。
本実施形態においては、減圧装置70を用いて減圧雰囲気を形成する。
減圧装置70は、チャンバー71と、チャンバー71内に設けられた下定盤72と、チャンバー71に接続された真空ポンプ73と、を備える。
積層された粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを、チャンバー71内に搬送し、下定盤72に設置する。そして、真空ポンプ73によってチャンバー71内の空気を吸引し、チャンバー71の内部を大気圧より小さい減圧雰囲気とする。チャンバー71内の減圧雰囲気の圧力は、たとえば、10Pa〜100Paである。
図8(C)に示す例では、被貼合体50が下定盤72側(−Z側)となるようにして、積層された粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを設置しているが、これに限られない。本実施形態においては、積層された粘着層付き透明面材4と被貼合体50とが、減圧装置70内に配置される範囲内において、どのような状態で配置されてもよく、保護板10が下定盤72側となるように配置してもよいし、被貼合面50aが鉛直方向と平行になるようにして配置してもよい。
図9(B)は、減圧雰囲気下に配置された後の粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを示す平面図である。
図9(B)に示すように、減圧されることによって、積層工程S2によって生じた気泡60の平面視(XY面視)におけるサイズが拡大し、粘着層18の外側へと移動する。そして、気泡60は、粘着層18の外部と連通した状態の気泡61となる。このとき、積層工程S2で封止されていた空気の一部は粘着層18の外部へと排出され、残りの一部は気泡61として粘着層18内に残留した状態となる。
図9(B)に示すように、減圧されることによって、積層工程S2によって生じた気泡60の平面視(XY面視)におけるサイズが拡大し、粘着層18の外側へと移動する。そして、気泡60は、粘着層18の外部と連通した状態の気泡61となる。このとき、積層工程S2で封止されていた空気の一部は粘着層18の外部へと排出され、残りの一部は気泡61として粘着層18内に残留した状態となる。
気泡60の拡大および移動は、大気圧雰囲気下で形成された気泡60内の圧力と、減圧装置70内の減圧雰囲気の圧力との差によって生じる。ここで、粘着層18と被貼合体50との密着力が小さいほど、圧力差が小さくても気泡60の拡大および移動が生じやすい。そのため、粘着層18と被貼合体50との密着力が小さいほど、減圧工程S3において形成する減圧雰囲気の圧力を大きくしても、気泡60を外部と連通した状態とできる。
粘着層18と被貼合体50との密着力は、粘着層18の形成材料だけでなく、貼合される被貼合体50、より詳細には、被貼合体50の被貼合面50aの形成材料によっても変化する。たとえば、製造する積層体が液晶ディスプレイであるような場合には、被貼合体50は表示パネルであり、被貼合面50aは偏光板の表面である。被貼合面50aが偏光板の表面である場合においては、被貼合面50aがガラスであるときに比べて、粘着層18との密着力が小さくなる。
また、粘着層18と被貼合体50との密着力が小さい場合であっても、粘着層18の弾性率が大きい場合には、粘着層18が変形しにくく、気泡60の拡大および移動が阻害されやすい。そのため、積層時における粘着層18の弾性率は、500Pa〜100kPaであることが好ましい。
積層された粘着層付き透明面材4と被貼合体50とが減圧雰囲気下に配置される時間、すなわち、減圧工程S3の処理時間は、粘着層18と被貼合面50aとの界面に密閉された気泡60が外部と連通する時間である範囲内において、特に限定されない。減圧工程S3の処理時間は、たとえば、0.5分間〜5分間である。粘着層18と被貼合体50との密着力が小さいほど、気泡60が拡大および移動する速度は大きくなるため、減圧工程S3の処理時間は短くできる。
次に、大気圧解放工程S4は、積層された粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを大気圧雰囲気下に再び配置する工程である。
図示しないリークバルブを開放して、チャンバー71内に空気を流入させ、チャンバー71内を大気圧雰囲気に戻す。減圧雰囲気下に置かれた後の積層された粘着層付き透明面材4と被貼合体50とが大気圧雰囲気下に配置されると、保護板10と被貼合体50とが大気圧雰囲気によって押し合わされ、外部と連通していた気泡61を外部へと押し出す。
この工程により、粘着層18と被貼合面50aとの間に生じていた気泡61が排出され、粘着層付き透明面材4と被貼合体50とが貼合される。
図示しないリークバルブを開放して、チャンバー71内に空気を流入させ、チャンバー71内を大気圧雰囲気に戻す。減圧雰囲気下に置かれた後の積層された粘着層付き透明面材4と被貼合体50とが大気圧雰囲気下に配置されると、保護板10と被貼合体50とが大気圧雰囲気によって押し合わされ、外部と連通していた気泡61を外部へと押し出す。
この工程により、粘着層18と被貼合面50aとの間に生じていた気泡61が排出され、粘着層付き透明面材4と被貼合体50とが貼合される。
以上の工程により、本実施形態の積層体の製造方法の製造工程が終了し、粘着層18内の気泡が消失した積層体5が製造される。積層体5は、たとえば、被貼合体50として表示デバイスを選択した場合においては、表示装置である。
本実施形態において、積層体5における保護板10と被貼合体50との密着力は、たとえば、0.05N/25mm以上、0.4N/25mm以下である。密着力の計測方法については、後述する。
本実施形態によれば、粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを大気圧雰囲気下で積層した後に、積層された粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを減圧雰囲気下に配置する。そのため、減圧装置70内に、粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを移動させて積層するための移動装置等を設ける必要がない。したがって、本実施形態によれば、積層体5を製造するための設備を簡略化でき、コストを低減できる。
また、本実施形態によれば、粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを大気圧雰囲気下で積層すればよく、積層する方法も特に限定されない。そのため、本実施形態によれば、積層体の製造が簡便である。
また、本実施形態によれば、大気圧雰囲気下で、複数の粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを積層させた後に、それらをまとめて減圧雰囲気下に配置することで、複数の粘着層付き透明面材4と被貼合体50とを一度に貼合し、複数の積層体5を製造することが可能である。したがって、本実施形態によれば、大量の積層体5を製造することが容易である。
また、本実施形態によれば、粘着層付き透明面材4と被貼合体50との積層を大気圧雰囲気下で行うため、粘着層18と被貼合体50との間に異物が混入した場合や、積層位置がずれたような場合に、一度、粘着層付き透明面材4を剥離して、異物の除去や、積層位置の調整を行った後、再度、積層し直すことが容易である。
また、たとえば、積層体の密着力が、0.4N/25mmより大きく、6N/25mm以下である場合には、大気圧解放工程S4の直後に粘着層18と被貼合体50との間に気泡が残留しているような場合であっても、気泡は、一定時間経過後に粘着層18に吸収され、縮小または消失する。
しかし、このように粘着層18の内部に気泡が吸収される場合においては、長期保管や、高温保管した際に、粘着層18内に吸収された気泡が再発する虞がある。
しかし、このように粘着層18の内部に気泡が吸収される場合においては、長期保管や、高温保管した際に、粘着層18内に吸収された気泡が再発する虞がある。
これに対して、本実施形態の積層体によれば、密着力が、たとえば、0.05N/25mm以上、0.4N/25mm以下である。密着力がこのような数値範囲である場合においては、大気圧解放工程S4の直後、すなわち、積層された粘着層付き透明面材4と被貼合体50とが大気圧雰囲気下に配置された直後に、粘着層18と被貼合体50との間の気泡60が外部に排出され、消失する。そのため、本実施形態によれば、粘着層18内に気泡が吸収されることが抑制され、気泡の再発を抑制することができる。
また、密着力が、0.05N/25mm以上、0.4N/25mm以下である場合には、一度貼合した被貼合体50を剥離することが容易である。すなわち、本実施形態の積層体によれば、リワーク性を向上できる。
また、本実施形態の粘着層付き透明面材によれば、被貼合体と貼合した際における密着力が、0.05N/25mm以上、0.4N/25mm以下となる。そのため、本実施形態の粘着層付き透明面材によれば、本実施形態の積層体の製造方法に用いた場合に、上述したように、気泡が粘着層に吸収されることが抑制されつつ、消失するため、信頼性に優れた積層体を得ることができる。
なお、本実施形態においては、以下の製造方法を採用することもできる。
本実施形態において、粘着層18が光硬化性を有している場合には、大気圧解放工程S4の後に、粘着層18に紫外線等の光を照射する工程を設けてもよい。これにより、粘着層18が硬化し、積層体5における保護板10と被貼合体50との接着性を向上させることができる。したがって、この製造方法によれば、積層体5を、たとえば、高温保管するような場合における信頼性を向上できる。
また、上記説明においては、被貼合体50に貼合する粘着層付き透明面材4として、片面に粘着層18が形成されているものを用いたが、これに限られない。本実施形態の積層体の製造方法においては、たとえば、粘着層付き透明面材として、両面に粘着層が形成されたものを用いることもできる。
図10は、両面に粘着層が形成された粘着層付き透明面材100を示す断面図である。
粘着層付き透明面材100は、たとえば、表示パネル等の被貼合体を、その表示面が外側を向くように店舗のショーウインドウ、オフィスの壁面ガラス等に貼合する用途に用いられる。
粘着層付き透明面材100は、たとえば、表示パネル等の被貼合体を、その表示面が外側を向くように店舗のショーウインドウ、オフィスの壁面ガラス等に貼合する用途に用いられる。
粘着層付き透明面材100は、図10に示すように、保護板120と、遮光印刷部130と、保護板120の下面120aに形成された第1の粘着層140と、保護板120の上面120bに形成された第2の粘着層150と、第1の粘着層140の表面に貼着された第1の保護フィルム160と、第2の粘着層150の表面に貼着された第2の保護フィルム170と、を備えている。
保護板120および遮光印刷部130は、上記説明した実施形態の保護板10と同様である。第1の保護フィルム160および第2の保護フィルム170は、上記説明した実施形態の保護フィルム16と同様である。
第1の粘着層140は、粘着層付き透明面材100を、たとえば、ショーウインドウ等の透明支持体と貼合するための粘着層である。第1の粘着層140の形成材料は、上記説明した実施形態の粘着層18と同様とできる。
第2の粘着層150は、粘着層付き透明面材100を、たとえば、表示パネル等の被貼合体と貼合するための粘着層である。第2の粘着層150の形成材料は、上記説明した実施形態の粘着層18と同様とできる。
第1の粘着層140の形成材料と、第2の粘着層150の形成材料とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
第2の粘着層150は、粘着層付き透明面材100を、たとえば、表示パネル等の被貼合体と貼合するための粘着層である。第2の粘着層150の形成材料は、上記説明した実施形態の粘着層18と同様とできる。
第1の粘着層140の形成材料と、第2の粘着層150の形成材料とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以下に、粘着層付き透明面材100を用いた場合における、本実施形態の積層体の製造方法について説明する。
図11(A),(B)は、粘着層付き透明面材100を用いた積層体の製造方法について説明するための断面図である。図11(A),(B)においては、たとえば、X軸方向が鉛直方向である。図11(A),(B)においては、遮光印刷部130、第1の粘着層140および第2の粘着層150の図示を省略している。
図11(A),(B)は、粘着層付き透明面材100を用いた積層体の製造方法について説明するための断面図である。図11(A),(B)においては、たとえば、X軸方向が鉛直方向である。図11(A),(B)においては、遮光印刷部130、第1の粘着層140および第2の粘着層150の図示を省略している。
まず、図11(A)に示すように、粘着層付き透明面材100における第1の保護フィルム160および第2の保護フィルム170を剥離し、保護フィルムが剥離された粘着層付き透明面材110を得る(粘着層付き透明面材準備工程)。なお、以下の説明においては、保護フィルムが剥離された粘着層付き透明面材110を、単に粘着層付き透明面材110と称する。
次に、大気圧雰囲気下において、被貼合体180と、粘着層付き透明面材110と、透明支持体300と、をこの順で積層する(積層工程)。図示は省略するが、被貼合体180は、第2の粘着層150を介して保護板120と積層され、透明支持体300は、第1の粘着層140を介して保護板120と積層されている。積層方法は、特に限定されない。
被貼合体180は、たとえば、表示パネル等の表示デバイスであり、透明支持体300は、たとえば、ショーウインドウ等である。
被貼合体180は、たとえば、表示パネル等の表示デバイスであり、透明支持体300は、たとえば、ショーウインドウ等である。
次に、粘着層付き透明面材110と被貼合体180とを覆うようにして透明支持体300に減圧装置200を設置する。
減圧装置200は、本体部210と、真空ポンプ250と、を備える。
本体部210は、側板部220と、天板部230と、を備える箱状部材である。側板部220の透明支持体300側(−Z側)の端部は、透明支持体300とシール部材を介して接触している。本体部210と透明支持体300とによって密閉空間240が形成されている。
減圧装置200は、本体部210と、真空ポンプ250と、を備える。
本体部210は、側板部220と、天板部230と、を備える箱状部材である。側板部220の透明支持体300側(−Z側)の端部は、透明支持体300とシール部材を介して接触している。本体部210と透明支持体300とによって密閉空間240が形成されている。
本体部210は、密閉空間240が減圧された際に、天板部230が変形するように設計されている。これは、密閉空間240が減圧された際に天板部230が変形しないように設計されていると、減圧によって透明支持体300が変形し、破損してしまうおそれがあるためである。天板部230が変形するように設計する方法としては、本体部210の形成材料の剛性を調整してもよいし、天板部230の板厚を調整してもよい。
真空ポンプ250は、本体部210の側板部220に排気管を介して接続されている。
真空ポンプ250によって、密閉空間240内の空気を吸引し、密閉空間240内を大気圧より小さい減圧雰囲気とする(減圧工程)。減圧雰囲気の圧力は、上記説明した実施形態と同様に、たとえば、10Pa〜100Paである。
真空ポンプ250によって、密閉空間240内の空気を吸引し、密閉空間240内を大気圧より小さい減圧雰囲気とする(減圧工程)。減圧雰囲気の圧力は、上記説明した実施形態と同様に、たとえば、10Pa〜100Paである。
密閉空間240内が減圧されると、図11(B)に示すように、天板部230が本体部210の内側(−Z側)に凹むように変形し、天板部の平面視(XY面視)中央が被貼合体180と接触する。このとき、被貼合体180と天板部230との距離W1が大きいと、天板部230の変形量が大きくなるとともに、透明支持体300も変形する虞があり、減圧装置200および透明支持体300が破損してしまう虞がある。そのため、被貼合体180と天板部230との距離W1は、天板部230が内側(−Z側)に凹むように変形したときに、被貼合体180と接する程度に狭く設計することが好ましい。
密閉空間240内を減圧雰囲気で、たとえば、0.5分間〜5分間保持した後、図示しないリークバルブによって、密閉空間240内に外部の空気を流入させ、密閉空間240内を大気圧雰囲気に戻す(大気圧解放工程)。
以上により、透明支持体300と、粘着層付き透明面材110と、被貼合体180とが貼合された積層体が得られる。
以上により、透明支持体300と、粘着層付き透明面材110と、被貼合体180とが貼合された積層体が得られる。
積層体を例1から例13まで製造し、それぞれについて、密着力(N/25mm)および貯蔵せん断弾性率(kPa)の計測、および気泡消失性の評価を行った。
なお、以下に示す実施例は一例であり、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、以下に示す実施例は一例であり、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<粘着層付き透明面材>
[保護板]
保護板としては、長さ100mm、幅100mm、厚さ1.3mmのソーダライムガラスを用いた。保護板の表面に対しては、高圧水洗洗浄と、アセトン拭きと、を実施した。
[保護板]
保護板としては、長さ100mm、幅100mm、厚さ1.3mmのソーダライムガラスを用いた。保護板の表面に対しては、高圧水洗洗浄と、アセトン拭きと、を実施した。
[保護フィルム]
保護フィルムとしては、長さ130mm、幅130mm、厚さ0.75mmの保護フィルム(三井化学東セロ社製、ピュアテクトVLH−9)を用いた。保護フィルムは、長さ100mm、幅100mm、厚さ3mmのソーダライムガラスからなる支持面材に、保護フィルムの粘着面が支持面材に接するようにゴムロールを用いて貼着した。
保護フィルムとしては、長さ130mm、幅130mm、厚さ0.75mmの保護フィルム(三井化学東セロ社製、ピュアテクトVLH−9)を用いた。保護フィルムは、長さ100mm、幅100mm、厚さ3mmのソーダライムガラスからなる支持面材に、保護フィルムの粘着面が支持面材に接するようにゴムロールを用いて貼着した。
[第1樹脂組成物]
分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:4000)と、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルジイソシアネートとをモル比4:5で混合し、錫触媒の存在下で、70℃で反応させてプレポリマーを得た。得られたプレポリマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレートをモル比1:2で加えて70℃で反応させ、ウレタンアクリレートオリゴマー(A−1)(以下、「オリゴマー(A−1)」と記す。)を得た。オリゴマー(A−1)の硬化性官能基の数は2個、数平均分子量は約24000、25℃における粘度は約830Pa・sであった。
分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:4000)と、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルジイソシアネートとをモル比4:5で混合し、錫触媒の存在下で、70℃で反応させてプレポリマーを得た。得られたプレポリマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレートをモル比1:2で加えて70℃で反応させ、ウレタンアクリレートオリゴマー(A−1)(以下、「オリゴマー(A−1)」と記す。)を得た。オリゴマー(A−1)の硬化性官能基の数は2個、数平均分子量は約24000、25℃における粘度は約830Pa・sであった。
オリゴマー(A−1)の40質量部と、2−ヒドロキシブチルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステル HOB)の20質量部と、n−ドデシルメタクリレートの40質量部と、を均一に混合し、100質量部の樹脂混合物を得た。100質量部の樹脂混合物に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE 819)の0.3質量部、および2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤、東京化成社製)の0.04質量部、およびn−ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤、花王社製、チオカルコール20)を表1に示す組成比にて均一に溶解させて、ベース組成物P−1,P−2,P−3,P−4を得た。ベース組成物P−1〜P−4は、それぞれ連鎖移動剤の含有量が異なる。
次に、ベース組成物P−1〜P−4と非硬化性オリゴマー(i)とを、表2の組成比にて均一に混合し、容器にいれたまま解放状態で減圧装置内に設置した。減圧装置内を約20Paに減圧して10分保持することで脱泡処理を行い、例1〜例9における第1樹脂組成物を得た。非硬化性オリゴマー(i)としては、オリゴマー(A−1)の合成時に用いたものと同一の、分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:4000)を用いた。
例1の第1樹脂組成物は、表2に示すように、ベース組成物P−1を80%、非硬化性オリゴマーを20%の割合で混合したものである。
例2の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−1を70%、非硬化性オリゴマーを30%の割合で混合したものである。
例3の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−1を50%、非硬化性オリゴマーを50%の割合で混合したものである。
例4の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−1を40%、非硬化性オリゴマーを60%の割合で混合したものである。
例5の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−2を70%、非硬化性オリゴマーを30%の割合で混合したものである。
例6の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−2を60%、非硬化性オリゴマーを40%の割合で混合したものである。
例7の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−3を80%、非硬化性オリゴマーを20%の割合で混合したものである。
例8の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−4を100%としたものである。
例9の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−4を90%、非硬化性オリゴマーを10%の割合で混合したものである。
例2の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−1を70%、非硬化性オリゴマーを30%の割合で混合したものである。
例3の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−1を50%、非硬化性オリゴマーを50%の割合で混合したものである。
例4の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−1を40%、非硬化性オリゴマーを60%の割合で混合したものである。
例5の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−2を70%、非硬化性オリゴマーを30%の割合で混合したものである。
例6の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−2を60%、非硬化性オリゴマーを40%の割合で混合したものである。
例7の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−3を80%、非硬化性オリゴマーを20%の割合で混合したものである。
例8の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−4を100%としたものである。
例9の第1樹脂組成物は、ベース組成物P−4を90%、非硬化性オリゴマーを10%の割合で混合したものである。
[第2樹脂組成物]
分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:4000)と、ヘキサメチレンジイソシアネートとをモル比6:7で混合し、ついでイソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製、IBXA)で希釈した後、錫触媒の存在下で、70℃で反応させてプレポリマーを得た。得られたプレポリマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレートをモル比1:2で加えて70℃で反応させ、30質量%のイソボルニルアクリレートで希釈されたウレタンアクリレートオリゴマー(A’−2)(以下、「オリゴマー(A’−2)」と記す。)を得た。オリゴマー(A’−2)の硬化性官能基の数は2個、数平均分子量は55000、60℃における粘度は580Pa・sであった。
分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:4000)と、ヘキサメチレンジイソシアネートとをモル比6:7で混合し、ついでイソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製、IBXA)で希釈した後、錫触媒の存在下で、70℃で反応させてプレポリマーを得た。得られたプレポリマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレートをモル比1:2で加えて70℃で反応させ、30質量%のイソボルニルアクリレートで希釈されたウレタンアクリレートオリゴマー(A’−2)(以下、「オリゴマー(A’−2)」と記す。)を得た。オリゴマー(A’−2)の硬化性官能基の数は2個、数平均分子量は55000、60℃における粘度は580Pa・sであった。
オリゴマー(A’−2)の90質量部と、2−ヒドロキシブチルアクリレート(共栄社化学社製、ライトエステルHOB)の10質量部とを均一に混合して混合物を得た。該混合物の100質量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE 184)の0.9質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE 819)の0.1質量部、および2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤、東京化成社製)の0.04質量部を均一に混合した。この混合液を容器に入れたまま解放状態で減圧装置内に設置した。減圧装置内を約20Paに減圧して10分保持することで脱泡処理を行い、第2樹脂組成物を得た。
<粘着層付き透明面材の製造方法>
(例1〜例9)
まず、透明面材の外周縁から約2mmの位置の全周にわたって、幅約1mm、塗布厚さ約0.6mmとなるように第2樹脂組成物をディスペンサにて枠状に塗布した。
(例1〜例9)
まず、透明面材の外周縁から約2mmの位置の全周にわたって、幅約1mm、塗布厚さ約0.6mmとなるように第2樹脂組成物をディスペンサにて枠状に塗布した。
次に、ケミカルランプ(日本電気社製、FL15BL、ピーク波長:365nm、照射強度:2mW/cm2)からの紫外線および450nm以下の可視光を30秒間、透明面材上に枠状に塗布した第2樹脂組成物に均一に照射した。これにより第2樹脂組成物が増粘し、未硬化の堰状部が形成された。
未硬化の堰状部の内側の領域に、第1樹脂組成物を、ディスペンサを用いて総質量が3.6gとなるように複数個所に供給した。第1樹脂組成物を供給する間、未硬化の堰状部に決壊などの破損個所はなく、未硬化の堰状部の形状は維持されていた。
次に、透明面材を、一対の定盤の昇降装置が設置されている減圧装置内の下定盤の上に、第1樹脂組成物が塗布された面が上になるように平置し、減圧装置内の上定盤の下面に静電チャックを用いて保護フィルムが貼着された支持面材を保持させた。このとき、支持面材の保護フィルム貼着面と第1樹脂組成物の塗布面が相対するように配置した。
減圧装置内を密封状態として、減圧装置内の圧力が約40Paとなるまで排気した。減圧装置内の昇降装置にて上下の定盤を接近させ、透明面材と、保護フィルムが貼着された支持面材とを、第1樹脂組成物を介して2kPaの圧力で圧着し、10秒間保持させて貼合した。
貼合後、減圧装置内を大気圧雰囲気に戻し、未硬化の堰状部(第2樹脂組成物)および第1樹脂組成物に、支持面材側から、ケミカルランプ(日本電気社製、FL15BL、ピーク波長:365nm、照射強度:2mW/cm2)を用いて紫外線および450nm以下の可視光を10分間、均一に照射した。これにより、未硬化の堰状部および第1樹脂組成物を硬化し、硬化した堰状部および粘着層を形成した。
照射強度は、照度計(ウシオ電機社製、紫外線強度計ユニメーターUIT−101)を用いて測定した。粘着層の厚さは、0.4mmでほぼ均一であった。
照射強度は、照度計(ウシオ電機社製、紫外線強度計ユニメーターUIT−101)を用いて測定した。粘着層の厚さは、0.4mmでほぼ均一であった。
その後、支持面材を保護フィルムから剥離することによって、保護フィルムが貼設された例1〜例9の粘着層付き透明面材が得られた。
(例10、例11)
例10および例11の粘着層付き透明面材は、例1〜例9の粘着層付き透明面材に対して、用いた第1樹脂組成物が2液混合仕様の熱硬化性シリコーン樹脂である点において異なる。
例10においては、第1樹脂組成物として、東レダウコーニング社製の樹脂組成物(商品名:SE1885)を用いた。例11においては、第1樹脂組成物として、信越シリコーン社製の樹脂組成物(商品名:KE−1051)を用いた。
例10および例11の粘着層付き透明面材は、例1〜例9の粘着層付き透明面材に対して、用いた第1樹脂組成物が2液混合仕様の熱硬化性シリコーン樹脂である点において異なる。
例10においては、第1樹脂組成物として、東レダウコーニング社製の樹脂組成物(商品名:SE1885)を用いた。例11においては、第1樹脂組成物として、信越シリコーン社製の樹脂組成物(商品名:KE−1051)を用いた。
例10の粘着層付き透明面材の製造においては、例1〜例9の製造工程に加えて、紫外線等の照射後に、貼合された透明面材と、保護フィルムが貼着された支持面材とを70℃に加温した恒温槽に30分間配置した。これにより、第1樹脂組成物を硬化させ、樹脂層を形成した。
例11の粘着層付き透明面材の製造においては、例1〜例9の製造工程に加えて、紫外線等の照射後に、貼合された透明面材と、保護フィルムが貼着された支持面材とを室温環境下に24時間配置した。これにより、第1樹脂組成物を硬化させ、樹脂層を形成した。
例10、例11ともに、支持面材を保護フィルムから剥離することによって、保護フィルムが貼設された例10および例11の粘着層付き透明面材が得られた。
(例12、例13)
例12および例13の粘着層付き透明面材は、例1〜例9の粘着層付き透明面材に対して、粘着層として、OCA用途のゲルシート状の両面粘着フィルムの粘着層を用いた点において異なる。
例12においては、タイカ社製の両面粘着フィルム(商品名:OPTαGEL)を用いた。例13においては、3M社製のOCAテープ(番手9483、厚さ125μm)を用いた。
例12および例13の粘着層付き透明面材は、例1〜例9の粘着層付き透明面材に対して、粘着層として、OCA用途のゲルシート状の両面粘着フィルムの粘着層を用いた点において異なる。
例12においては、タイカ社製の両面粘着フィルム(商品名:OPTαGEL)を用いた。例13においては、3M社製のOCAテープ(番手9483、厚さ125μm)を用いた。
ゲルシート状の両面粘着フィルムを長さ200mm、幅120mmに切り出し、軽剥離側の保護フィルムを剥離した。保護フィルムを剥離したことにより露出した粘着面を、例1〜例9と同様の保護板に、両面粘着フィルムの短辺側からハンドラミネートで気泡を押し出すようにしながら均一に貼着した。保護板からはみ出た余分な両面粘着フィルムを切り落とした。これにより、保護フィルム、すなわち、両面粘着フィルムの重剥離側の保護フィルムが貼設された例12および例13の粘着層付き透明面材が得られた。
<積層体の製造方法>
上記のようにして得られた例1〜例13の粘着層付き透明面材を用いて、積層体を製造した。積層体の製造方法は、以下の通りである。
まず、例1〜例13の粘着層付き透明面材から保護フィルムを剥離し、粘着層が鉛直方向上方側となるように平置した。そして、粘着層の鉛直方向上方10mmの高さから被貼合体を落下させ、粘着層付き透明面材と被貼合体とを積層した。被貼合体としては、長さ70mm、幅70mm、厚さ1.1mmのソーダライムガラスを用いた。
上記のようにして得られた例1〜例13の粘着層付き透明面材を用いて、積層体を製造した。積層体の製造方法は、以下の通りである。
まず、例1〜例13の粘着層付き透明面材から保護フィルムを剥離し、粘着層が鉛直方向上方側となるように平置した。そして、粘着層の鉛直方向上方10mmの高さから被貼合体を落下させ、粘着層付き透明面材と被貼合体とを積層した。被貼合体としては、長さ70mm、幅70mm、厚さ1.1mmのソーダライムガラスを用いた。
次に、積層された粘着層付き透明面材と被貼合体とを減圧装置内に平置きし、減圧装置を密閉状態として減圧装置内の圧力が10Paの減圧雰囲気になるまで排気した。減圧雰囲気を5分間保持した後、15秒間かけて減圧装置内を大気圧雰囲気にもどした。
これにより、例1〜例13の積層体が得られた。
これにより、例1〜例13の積層体が得られた。
<密着力の計測方法>
得られた例1〜例13の積層体における密着力を計測した。
密着力の計測方法は、以下の通りとした。
得られた例1〜例13の積層体における密着力を計測した。
密着力の計測方法は、以下の通りとした。
まず、計測用粘着層付き透明面材を製造した。
計測用粘着層付き透明面材は、仮固定面材の片面にスプレー糊(3M社製、スプレーのり55)を均一に塗布し、支持フィルムを貼着した支持フィルム仮固定面材の支持フィルム側の面に、計測対象となる例1〜例13の積層体における粘着層と同様の粘着層を形成して製造した。粘着層の形成方法は、上記説明した例1〜例13の粘着層付き透明面材の製造方法と同様とした。
計測用粘着層付き透明面材は、仮固定面材の片面にスプレー糊(3M社製、スプレーのり55)を均一に塗布し、支持フィルムを貼着した支持フィルム仮固定面材の支持フィルム側の面に、計測対象となる例1〜例13の積層体における粘着層と同様の粘着層を形成して製造した。粘着層の形成方法は、上記説明した例1〜例13の粘着層付き透明面材の製造方法と同様とした。
支持フィルムは、長さ130mm、幅130mm、厚さ0.012mmのPET製フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社 テイジンテトロンフィルム)とした。
仮固定面材は、長さ100mm、幅100mm、厚さ1.7mmのソーダライムガラスとした。
仮固定面材は、長さ100mm、幅100mm、厚さ1.7mmのソーダライムガラスとした。
次に、計測用粘着層付き透明面材を、密着評価用被貼合体に貼合して、密着評価用積層体を製造した。
計測用粘着層付き透明面材と、密着評価用被貼合体とを、粘着層と密着評価用被貼合体とが接触する状態で、約40Paの減圧雰囲気下において2kPaの圧力で圧着し、10秒間保持した。その後、計測用粘着層付き透明面材と、密着評価用被貼合体とを大気圧雰囲気下に配置することによって、密着評価用被貼合体と計測用粘着層付き透明面材とが貼合された密着評価用積層体を得た。
密着評価用被貼合体は、長さ100mm、幅100mm、厚さ1.1mmのソーダライムガラスとした。
計測用粘着層付き透明面材と、密着評価用被貼合体とを、粘着層と密着評価用被貼合体とが接触する状態で、約40Paの減圧雰囲気下において2kPaの圧力で圧着し、10秒間保持した。その後、計測用粘着層付き透明面材と、密着評価用被貼合体とを大気圧雰囲気下に配置することによって、密着評価用被貼合体と計測用粘着層付き透明面材とが貼合された密着評価用積層体を得た。
密着評価用被貼合体は、長さ100mm、幅100mm、厚さ1.1mmのソーダライムガラスとした。
次に、密着評価用積層体の仮固定面材を剥離し、長さ98mm、幅25mmとなるようにカットし、評価片を得た。この評価片を用いて、密着力を計測した。
図12は、密着力の計測方法について説明するための図である。
図12に示すように、評価片510から支持フィルム500と粘着層518との一部を剥離させ、長さW2だけ支持フィルム500と密着評価用被貼合体550とが貼合された部分が残るようにした。長さW2は、30mmとした。
図12は、密着力の計測方法について説明するための図である。
図12に示すように、評価片510から支持フィルム500と粘着層518との一部を剥離させ、長さW2だけ支持フィルム500と密着評価用被貼合体550とが貼合された部分が残るようにした。長さW2は、30mmとした。
そして、支持フィルム500と粘着層518とにおける剥離した側の端部を、密着評価用被貼合体550の主面に対して90°上方に、引っ張り試験機(テンシロン、オリエンテック社)を用いて引張し、残りの部分を剥離させた。剥離させる速度は、50mm/分となるようにした。支持フィルム500および粘着層518と、密着評価用被貼合体550との剥離に要した力を密着力とした。
<貯蔵せん断弾性率の計測方法>
得られた積層体、例1〜例13の貯蔵せん断弾性率を計測した。
貯蔵せん断弾性率は、レオメーター(アントンパール社製、Physica MCR301)を用いて行った。測定周波数は、1Hzとした。
得られた積層体、例1〜例13の貯蔵せん断弾性率を計測した。
貯蔵せん断弾性率は、レオメーター(アントンパール社製、Physica MCR301)を用いて行った。測定周波数は、1Hzとした。
例1〜例9の積層体においては、用いた第1樹脂組成物を、ソーダライムガラス製のステージと測定用スピンドル(アントンパール社製、D−PP20/AL/S07)との間の0.4mmの隙間に挟持させ、窒素雰囲気下35℃でステージ下部に設置したブラックライト(日本電気社製、FL15BL)により、第1樹脂組成物に10分間、2mW/cm2の光を照射した。これにより硬化した第1樹脂組成物に、ステージ上の温度を35℃に維持した状態で1%の動的せん断歪みを印加して、貯蔵せん断弾性率を計測した。
例10の積層体においては、例1〜例9と同様に、用いた第1樹脂組成物をステージと測定用スピンドルとの隙間に挟持させ、ステージ温度を70℃に30分間保持した。これにより硬化した第1樹脂組成物に、ステージ上の温度を35℃に維持した状態で1%の動的せん断歪みを印加して、貯蔵せん断弾性率を計測した。
例11の積層体においては、例1〜例9と同様に、用いた第1樹脂組成物をステージと測定用スピンドルとの隙間に挟持させ、室温環境下に24時間配置した。これにより硬化した第1樹脂組成物に、ステージ上の温度を35℃に維持した状態で1%の動的せん断歪みを印加して、貯蔵せん断弾性率を計測した。
例12および例13においては、用いたゲルシート状の両面粘着フィルムを、例1〜11と同様のステージと測定用スピンドルとの隙間に挟持させた。このとき、ステージと測定用スピンドルとの隙間は、それぞれ用いたゲルシート状の両面粘着フィルムの厚さとなるようにした。両面粘着フィルムに、ステージ上の温度を35℃に維持した状態で1%の動的せん断歪みを印加して、貯蔵せん断弾性率を計測した。
<気泡消失性の評価方法>
気泡消失性の評価は、積層体の製造時において、減圧装置内を大気圧雰囲気に戻した直後に粘着層と被貼合体との間の気泡が消失した場合を○、減圧装置内を大気圧雰囲気に戻した後も粘着層と被貼合体との間に気泡が残留していた場合を×として行った。
気泡消失性の評価は、積層体の製造時において、減圧装置内を大気圧雰囲気に戻した直後に粘着層と被貼合体との間の気泡が消失した場合を○、減圧装置内を大気圧雰囲気に戻した後も粘着層と被貼合体との間に気泡が残留していた場合を×として行った。
以上の計測および評価によって得られた結果を、表3および図13に示す。図13において、縦軸は、貯蔵せん断弾性率(kPa)を示し、横軸は、密着力(N/25mm)を示している。図13は、両対数グラフである。図13においては、大気圧解放直後に気泡が消失した場合と、大気圧解放後、12時間以内に気泡が消失した場合と、大気圧解放後、12時間経過しても気泡が残留していた場合と、に分けて示している。大気圧解放直後に気泡が消失場合とは、上述した気泡消失性の評価で○として評価されたものであり、大気圧解放後12時間以内に気泡が消失した場合、および大気圧解放後12時間経過しても気泡が残留していた場合とは、上述した気泡消失性の評価において×として評価されたものである。
表3および図13から、積層体における密着力が、0.05N/25Nmm以上、0.4N/25mm以下で、かつ、貯蔵せん断弾性率が100kPa未満となるような場合に、上述した実施形態の積層体の製造方法を用いて、気泡が大気圧解放直後に消失し、信頼性に優れた積層体を製造できることが確かめられた。
また、表3および図13から、積層体における密着力が、0.4N/25mmより大きく、6N/25mm以下で、かつ、貯蔵せん断弾性率が100kPa未満となるような場合においては、気泡は、大気圧解放直後には消失しないものの、12時間以内に消失することが確かめられた。しかし、この場合には、粘着層に気泡が吸収されており、気泡が再発する虞がある。
1,4,100,110…粘着層付き透明面材、5…積層体、10…保護板(透明面材)、18,518…粘着層、50,180…被貼合体、50a…被貼合面、140…第1の粘着層(粘着層)、150…第2の粘着層(粘着層)
Claims (7)
- 透明面材と、前記透明面材の少なくとも一方の面に形成された粘着層と、を備える粘着層付き透明面材を準備する工程と、
大気圧雰囲気下で、前記粘着層付き透明面材と被貼合体とを、前記粘着層と前記被貼合体の被貼合面とを接触させた状態で積層する工程と、
積層された前記粘着層付き透明面材と前記被貼合体とを、大気圧より低い減圧雰囲気下に配置する工程と、
前記減圧雰囲気下で所定時間保持後、積層された前記粘着層付き透明面材と前記被貼合体とを、大気圧雰囲気下に配置する工程と、
を有することを特徴とする積層体の製造方法。 - 前記粘着層は、光硬化性を有し、
前記大気圧雰囲気下に配置する工程の後に、前記粘着層に光を照射する工程をさらに有する、請求項1に記載の積層体の製造方法。 - 前記大気圧雰囲気下に配置する工程の後における前記粘着層と前記被貼合体との密着力は、0.05N/25mm以上、0.4N/25mm以下である、請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
- 前記粘着層の35℃における貯蔵せん断弾性率は、500Pa以上、100kPa以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 前記被貼合体は、表示デバイスである、請求項1から4に記載の積層体の製造方法。
- 透明面材と、
前記透明面材の少なくとも一方の面に形成された粘着層と、
前記粘着層を挟んで前記透明面材と積層された被貼合体と、
を備え、
前記粘着層と前記透明面材との密着力は、0.05N/25mm以上、0.4N/25mm以下であることを特徴とする積層体。 - 透明面材と、
前記透明面材の少なくとも一方の面に形成された粘着層と、
を備え、
前記粘着層を被貼合体に貼合した際における前記粘着層と前記被貼合体との密着力は、0.05N/25mm以上、0.4N/25mm以下であることを特徴とする粘着層付き透明面材。
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