JP2015157911A - 粘着層付き透明面材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)粘着シートを表示パネルや保護板の寸法に合わせて裁断する作業が必要である。
(2)粘着シートが低弾性率であるため、寸法精度よく裁断することが難しい。
(3)表示パネルおよび保護板のいずれか一方の面材に粘着シートを貼合した後、残りの面材を粘着シートに貼合する必要がある、すなわち貼合の工程が2回必要であるため、表示パネルと保護板との貼合が煩雑である。
(4)表示パネルおよび保護板のいずれか一方の面材に粘着シートを貼合した際に、面材と粘着シートとの界面に空隙(気泡)が残存しやすい。
(5)表示パネルおよび保護板のいずれか一方の面材に粘着シートを貼合した後、残りの面材を粘着シートに貼合した際に、残りの面材と粘着シートとの界面にも空隙(気泡)が残存しやすい。
特許文献3に記載の粘着層付き透明面材は、透明面材の一方の表面に粘着層が形成された粘着層が、透明面材の表面に沿って広がる層状部と、層状部の周縁を囲む堰状部と、で構成されており、該堰状部は、層状部と近接する領域の少なくとも一部において、堰状部の厚さが層状部の厚さよりも大きくなっている。このような構成であることにより、他の面材(表示パネル等)との貼合が簡便であり、他の面材と粘着層との界面、および、透明面材と粘着層との界面に空隙が残存しにくく、他の面材の寸法に合わせて粘着層を裁断する必要もない。
(a)透明面材の表面の周縁部に、液状の堰状部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化の堰状部を形成する工程。
(b)堰状部で囲まれた領域に、液状の層状部形成用硬化性樹脂組成物を供給する工程。
(c)1kPa以下の減圧雰囲気下にて、層状部形成用硬化性樹脂組成物の上に、保護フィルムが貼着された支持面材を、保護フィルムが層状部形成用硬化性樹脂組成物に接するように重ねて、透明面材、保護フィルムおよび堰状部で層状部形成用硬化性樹脂組成物からなる未硬化の層状部が密封された積層物を得る工程。
(d)50kPa以上の圧力雰囲気下に積層物を置いた状態にて、未硬化の層状部を硬化させ、層状部および堰状部を有する粘着層を形成する工程。
(e)支持面材を保護フィルムから剥離する工程。
塗布された前記硬化性樹脂組成物上に保護フィルムを重ねる工程と、
前記保護フィルムが重なった前記硬化性樹脂組成物を、光硬化または加熱硬化により硬化させ、厚さが500μm以下の粘着層を形成する工程と、
を備える粘着層付き透明面材の製造方法を提供する。
前記透明面材上に設けられ、層状部と前記層状部の周囲を取り囲む外周部からなる粘着層と、
前記粘着層上に設けられた保護フィルムとを備え、
前記粘着層は前記透明面材上全面に亘って境界無く同じ樹脂で形成され、前記外周部の厚さは前記層状部の厚さよりも厚く、前記厚さの差が0超〜70μm以下であることを特徴とする粘着層付き透明面材を提供する。
前記硬化性樹脂組成物上に保護フィルムを重ねる工程(工程2)と、
前記保護フィルムが重なった前記硬化性樹脂組成物を、光硬化または加熱硬化により硬化させ、厚さが500μm以下の粘着層を形成する工程(工程3)と、
を備える。
本発明における透明面材については、詳しくは後述するが、ガラス板、または透明樹脂板である。工程1では、これら透明面材の少なくとも一方の表面に、液状の硬化性樹脂組成物をカーテンコート法により塗布する。
なお、透明面材の両方の表面に硬化性樹脂組成物を塗布する場合、透明面材の一方の表面について、工程1〜4を実施して、粘着層を形成してから、透明面材の他方の表面に硬化性樹脂組成物を塗布する。
カーテンコート法は、塗液を供給する方法、塗液のカーテンを形成する方法によって、
オーバーフロー型、オリフィス型、ダイフィード型、スライドホッパー型などに分類されるが、工程1ではいずれの方法を使用してもよい。
工程2では、工程1により透明面材の表面に塗布された硬化性樹脂組成物上に保護フィルムを重ねる。保護フィルムについては、詳しくは後述するが、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等からなる密着性の比較的低い基材フィルムの片面が粘着面とされた自己粘着性保護フィルムである。保護フィルムは単層のフィルムで構成されていても良いし、異なる種類のフィルムが複数層積層された多層のフィルムで構成されていても構わない。
工程1では、透明面材の表面全体に硬化性樹脂組成物が塗布されているため、透明面材と寸法が同一かまたはそれ以上の保護フィルムを選択し、該保護フィルムを硬化性樹脂組成物に重ねることで、透明面材の表面上に塗布された硬化性樹脂組成物全体が保護フィルムで覆われた状態となる。
透明面材の表面に塗布された硬化性樹脂組成物上に保護フィルムを重ねる方法は、特に限定されないが、例えば以下の手順が例示される。塗布された硬化性樹脂組成物を必要以上に押圧して、該硬化性樹脂組成物の厚さを小さくすることがないように、適切なギャップが設けられた2本ロールの間に、表面に硬化性樹脂組成物が塗布された透明面材を通過させながら、同時にその硬化性樹脂組成物上に重ねる保護フィルムを上部から供給する事により、硬化性樹脂組成物と保護フィルムを一体化するフィルムラミネータを用いる方法等がある。
硬化性樹脂組成物を予備硬化させてから工程2を実施することは、予備硬化によって内部が硬化しているので、保護フィルムを重ねてロールで一体化させていく際に、以下の利点がある。具体的には、泡を巻き込まないよう、または泡が入らないよう、ロールにある程度圧力をかけて、硬化性樹脂組成物の表面の泡を押し出すようにして一体化させても、内部硬化している樹脂の弾性変形により、ロールによる押圧が吸収されるので、樹脂の膜厚が変化する事がない。また、未硬化部の泡を押し出しながら、保護フィルムを一体化させることができるため、泡巻き込みを防止出来る点で優れている。
工程3では、工程2で保護フィルムが重なった硬化性樹脂組成物を、光硬化または加熱硬化により硬化させ、厚さが500μm以下の粘着層を形成する。
特許文献3に記載の方法の場合、透明面材の表面の周縁部に形成した堰状部で囲まれた領域に、液状の層状部形成用硬化性樹脂組成物を供給した後、層状部形成用硬化性樹脂組成物の上に保護フィルムを重ねて、透明面材、保護フィルムおよび堰状部で層状部形成用硬化性樹脂組成物からなる未硬化の層状部を密封した後、未硬化の層状部を硬化させるため、層状部形成用硬化性樹脂組成物の上に保護フィルムを重ねる操作を、1kPa以下の減圧雰囲気下で実施した後、減圧雰囲気を解除して、50kPa以上の圧力雰囲気に置いた状態で、未硬化の層状部を硬化させることが、透明面材と粘着層との界面に空隙が残存するのを抑制するために必要であった。これに対し、本発明では、透明面材の表面全面に塗布された硬化性樹脂組成物に、保護フィルムを重ねてから、該硬化性樹脂組成物を硬化させるため、全ての操作を常圧下で実施することが可能であり、透明面材と粘着層との界面に空隙が残存するのを抑制することができる。従来法では層状部形成用硬化性樹脂組成物の供給方法に伴う表面平滑性の問題(表面に凸凹が存在している)があり、そのまま保護フィルムを重ねると必然的に泡が入ってしまうため、減圧処理が必須であったが、本実施形態では、カーテンコート法で塗布した硬化性樹脂組成物表面には、泡を巻きこむと懸念されるような凹凸がそもそも存在せず、平滑なため、常圧下で保護フィルムを重ねて、泡を巻き込む心配が無いため好ましい。
本発明では、透明面材の表面全体に塗布された硬化性樹脂組成物に、保護フィルムを重ねてから、該硬化性樹脂組成物を硬化させるまでの操作を常圧下で実施するため、粘着層付き透明面材を製造する際のスループットが向上する。
なお、透明面材の硬化性樹脂組成物が塗布された面の裏面に光を照射し、透明面材を透過させて硬化性樹脂組成物に光を照射させてもよいし、保護フィルムの表面に光を照射し、保護フィルムを透過させて硬化性樹脂組成物に光を照射してもよい。透明面材の周縁部に遮光印刷が施されている場合、透明面材に反射防止層が設けられている場合、反射防止層を形成した透明樹脂フィルムが透明面材に貼付されている場合などでは、透明面材が光を透過しないため、保護フィルムの側から光を照射する。
但し、工程1において、カーテンコート法以外の方法で、硬化性樹脂組成物を塗布した場合、層状部よりも厚さが大きい外周部で、該層状部の周囲を取り囲むことができない。透明面材の表面全体に硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、たとえば、ダイコート法があるが、ダイコート法を用いて、透明面材の表面全体に硬化性樹脂組成物を塗布した場合、透明面材の進行方向手前側と奥側の2辺では、意図的に供給量等を変化させること等により外周部の厚さが層状部の厚さよりも大きくすることが出来るが、安定して再現することは困難であり、それ以外の2辺では、外周部の厚さが層状部の厚さに対して大きくならない。
工程3で形成する粘着層の厚さが500μmより大きいと、外周部の厚さと層状部の厚さとの差が70μmを超える。外周部の厚さと層状部の厚さとの差が70μmを超えると、後述する手順にしたがって、本発明の粘着層付き透明面材と表示パネルとを貼合わせた際に、粘着層と表示パネルとの界面に残存する空隙を抑制することが困難となる。
工程3で形成する粘着層の厚さが500μm以下であれば、外周部の厚さと層状部の厚さとの差が70μm以下となるため、後述する手順にしたがって、本発明の粘着層付き透明面材と表示パネルとを貼合わせた際に、粘着層と表示パネルとの界面に残存する空隙を抑制できる。
工程3で形成する粘着層の厚さは、前記した工程1における硬化性樹脂組成物の塗布厚さに対応するため省略する。なお、工程3で形成される粘着層の厚さは、200μm以上であることが強度等の観点から好ましく、300μm以上であることがより好ましい。
透明面材は、本発明の粘着層付き透明面材を用いて表示装置を製造する際に、表示パネルの画像表示側に設けられて表示パネルを保護する保護板として機能する。以下、本発明の粘着層付き透明面材を、表示パネルの保護板として使用する場合を前提として記載する。
透明樹脂板の材料としては、透明性の高い樹脂材料(ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等)が挙げられる。
また、透明面材の周縁部には、遮光印刷が施されていてもよい。このような遮光印刷は、本発明の粘着層付き透明面材を用いて表示装置を製造する際に、表示パネルの画像表示領域以外が保護板側から視認できないようにして、表示パネルに接続されている配線部材等を隠蔽する目的で施される。このような遮光印刷は、透明面材の表面のうち、粘着層1が形成される側の表面、および、その反対側の表面のいずれに形成してもよいが、遮光印刷を施した部位と画像表示領域との視差を低減する点では、粘着層が形成される側の表面に形成することが好ましい。透明面材がガラス板の場合、遮光印刷に黒色顔料を含むセラミック印刷を用いると遮光性が高く好ましい。また、粘着層が形成される側とは反対側の表面に遮光印刷を施す場合、遮光印刷があらかじめ施された透明フィルムを透明面材に貼合してもよい。透明面材に貼合される面の透明フィルムの周縁部に遮光印刷を設け、その裏面、すなわち表示装置の最表面に反射防止層を設けたフィルムを透明面材に貼合してもよい。
透明面材の大きさは、本発明の製造方法が比較的大面積の粘着層付き透明面材の製造に特に適していることから、テレビ受像機の場合、0.5m×0.4m以上が適当であり、0.7m×0.4m以上が特に好ましい。透明面材の大きさの上限は、表示パネルの大きさで決まることが多い。また、あまりに大きい表示装置は、設置等における取り扱いが困難となりやすい。透明面材の大きさの上限は、これらの制約から、通常2.5m×1.5m程度である。
モノマー(B)としては、光硬化性樹脂組成物の硬化性、形成される粘着層の機械的特性の点から、硬化性基を1分子あたり1〜3個有するものが好ましい。
保護フィルムには、形成後の粘着層と強固に密着しないことが求められる。よって、保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等からなる密着性の比較的低い基材フィルムの片面が粘着面とされた自己粘着性保護フィルムが好ましい。
図1は、本発明の粘着層付き透明面材の一例を示す断面図である。図1に示す粘着層付き透明面材1は、透明面材10と、透明面材10上全面に亘って形成された粘着層20と、粘着層20の表面を覆う、剥離可能な保護フィルム30とを有する。粘着層20は、層状部21と該層状部21の周囲を取り囲む外周部22とで構成され、該外周部22の厚さは、層状部21の厚さよりも大きくなっている。
本発明の粘着層付き透明面材1は、透明面材10上に粘着層20が設けられているため、他の面材の寸法に合わせて粘着層を裁断する必要がない。また、剥離可能な保護フィルム30により、粘着層20の表面が覆われているため、他の面材との貼合の直前まで、粘着層の形状を維持できる。
また、本発明における粘着層20は、透明面材10上全面に亘って同じ樹脂で境界なく形成されているため、層状部と該層状部の周縁を囲む堰状部と、が別の樹脂、たとえば、未硬化時の粘度や、硬化時の収縮率が異なる樹脂、で形成された特許文献3に記載の粘着層付き透明面材に対し、一度のプロセスで形成可能、かつ、層状部21と外周部22との間に境界部が形成されない点で優れている。
また、外周部22の厚さが層状部21の厚さよりも厚く、前記厚さの差が0超〜70μm以下であるため、後述する手順にしたがって、本発明の粘着層付き透明面材と表示パネルとを貼合わせた際に、粘着層と表示パネルとの界面に残存する空隙を抑制できる。
本発明の粘着層付き透明面材は、透明面材の少なくとも一方の表面に、あらかじめ粘着層が形成されているため、表示パネルとの貼合の工程が1回で済み、表示パネルとの貼合が簡便である。
粘着層を冷却する温度は、粘着層として用いる樹脂のガラス転移温度により異なるが、ガラス転移温度をせん断弾性率測定における損失弾性率の極大値を示す温度とするとき、ガラス転移温度より40℃程度高い温度以下とすることが好ましい。下限の温度は特に規定されないが、保護フィルムに用いる樹脂によっては低温時に脆くなって剥離時にフィルムが裂けるおそれがあるため、通常−30℃程度が好ましい。
表示パネルと粘着層付き透明面材とを重ね合わせた時点から減圧雰囲気を解除するまでの時間は、数時間以上の長時間であってもよいが、生産効率の点から、1時間以内が好ましく、10分以内がより好ましい。
表示パネルと粘着層付き透明面材とを貼合した後に、硬化が不完全な粘着層に再び光照射したり、加熱したりすることで粘着層の硬化を促進し、粘着層の硬化状態を安定化してもよい。
本実施例では、以下に示す透明面材、光硬化性樹脂組成物、および、保護フィルムを使用した。
(透明面材)
透明面材として、長さ513mm、幅304.5mm、厚さ1.3mmのソーダライムガラス板を使用した。該ガラスの一方の表面の周縁部に、透光部が長さ476.2mm、幅268.3mmとなるように黒色顔料を含むセラミック印刷にて額縁状に遮光印刷を施した。
分子末端をエチレンオキシドで変性した2官能のポリプロピレングリコール(水酸基価より算出した数平均分子量:4000)と、イソホロンジイソシアネートとを、4対5となるモル比で混合し、錫化合物の触媒存在下で、70℃で反応させて得られたプレポリマーに、2−ヒドロキシエチルアクリレートをほぼ1対2となるモル比で加えて70℃で反応させることによって、ウレタンアクリレートオリゴマー(以下、UA−1と記す。)を得た。UA−1の硬化性基数は2であり、数平均分子量は約24000であり、25℃における粘度は約830Pa・sであった。なお、本明細書において、オリゴマーの数平均分子量は、GPC装置(TOSOH社製、HLC−8020)を用いて求めた。また、光硬化性樹脂組成物の粘度は、E型粘度計(東機産業社製、RE−85U)にて測定した。
UA−1の40質量部、2−ヒドロキシブチルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステル HOB)の20質量部、およびn−ドデシルメタクリレートの40質量部を均一に混合し、その後、該混合物の100質量部に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE 819)の0.3質量部、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン(重合禁止剤、東京化成社製)の0.04質量部、n−ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤、花王社製、チオカルコール20)の0.5質量部、および紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、TINUVIN 109)の0.3質量部を均一に溶解させて、工程1で使用する光硬化性樹脂組成物Aを得た。
光硬化性樹脂組成物Aを容器に入れたまま開放状態で減圧装置内に設置して、減圧装置内を約20Paに減圧して10分保持することで脱泡処理を行った。光硬化性樹脂組成物Aの25℃における粘度を測定したところ、1.7Pa・sであった。
厚さ0.075mmの保護フィルム(東セロ社製、ピュアテクトVLH−9)を使用した。
透明面材の遮光印刷を施した側の表面全体に、光硬化性樹脂組成物Aをカーテンコート法により塗布した。カーテンコート法による塗布条件は、塗布液質量43g/枚、塗布速度55m/minとした。
工程1の実施後、光硬化性樹脂組成物AをUVランプ強度120mj/cm、UVランプ設置部を通過させるコンベアの速度を7.5m/minとして予備硬化させた。
予備硬化後の光硬化性樹脂組成物A上に、透明面材のサイズより大きめに保護フィルムを切り出し、透明面材の短辺の一端にフィルム一端を重ね、フィルム他端はもち上げた状態で保持した。その後、フィルムを重ねた透明面材の短辺上に貼合用ゴムロール(直径70mm×長さ600mm)を乗せ、軽くロール両端の軸に力をかけ、ロールを透明面材の光硬化性樹脂組成物Aを塗布した面(以下、樹脂塗布面とする。)に押付けながら、透明面材上にロールを回転させながら、透明面材の長手方向に押し進め、手作業でフィルムを透明面材の樹脂塗布面に一体化させた。
工程2の実施後、光硬化性樹脂組成物Aをケミカルランプ強度2mW/cm2で30分間照射し、本硬化させて粘着層を形成した。
形成された粘着層は、透明面材の4辺に沿った外周部が、他の部位(層状部)に比べて厚さが大きくなっていた。粘着層のうち、層状部の厚さは400μm(平均膜厚)であり、4辺に沿った外周部の厚さは、層状部の厚さよりも平均値で63μm大きくなっていた。
模擬表示パネルとして、長さ794mm、幅479mm、厚さ3mmのソーダライムガラス板を使用した。この模擬表示パネルを一対の定盤の昇降装置が設置されている減圧装置内の下定盤の上に、表示面が上になるように平置した。
保護フィルムを剥離した粘着層付き透明面材を、減圧装置内の昇降装置の上定盤の下面に静電チャックを用いて、粘着層面が下になり、模擬表示パネルとの距離が30mmとなるように保持させた。このとき、模擬表示パネルの表示領域全体が、粘着層付き透明面材の遮光印刷部に囲まれた透光部の領域に配置されるように、粘着層付き透明面材の保持位置を調節した。
減圧装置を密封状態として減圧装置内の圧力が約10Paとなるまで排気した。減圧装置内の昇降装置にて上下の定盤を接近させ、模擬表示パネルと粘着層付き透明面材とを粘着層を介して2kPaの圧力で圧着し、1分間保持させた。静電チャックを除電して、上定盤から粘着層付き透明面材を離間させ、約20秒で減圧装置内を大気圧に戻し、模擬表示パネルと粘着層付き透明面材とを貼合せた。
10分間静置した後に観察したところ、模擬表示パネルと粘着層との界面に微細な空隙が多数見られた。10時間放置した後に再度観察したところ、空隙はすべて消失しており、模擬表示パネルと粘着層付き透明面材とが粘着層を介して欠陥なく貼合されていた。
透明面材の遮光印刷を施した面に対し裏面全体に、光硬化性樹脂組成物Aをカーテンコート法により塗布した以外は例1と同様の手順を実施した。
形成された粘着層は、ガラス板の4辺に沿った外周部が、他の部位(層状部)に比べて厚さが大きくなっていた。粘着層のうち、層状部の厚さは400μm(平均膜厚)であり、4辺に沿った外周部の厚さは、層状部の厚さよりも平均値で63μm大きくなっていた。
例1と同様の手順で、粘着層付き透明面材と、模擬表示パネルとを貼合せた。10分間静置した後に観察したところ、模擬表示パネルと粘着層との界面に微細な空隙が多数見られた。10時間放置した後に再度観察したところ、空隙はすべて消失しており、模擬表示パネルと粘着層付き透明面材とが粘着層を介して欠陥なく貼合されていた。
工程1でのカーテンコート法による塗布条件を、塗布液重量78g/枚、塗布速度55m/minとした以外は例1と同様の手順を実施した。
形成された粘着層は、ガラス板の4辺に沿った外周部が、他の部位(層状部)に比べて厚さが大きくなっていた。粘着層のうち、層状部の厚さは700μm(平均膜厚)であり、4辺に沿った外周部の厚さは、層状部の厚さよりも平均値で108μm大きくなっていた。透明面材の端部から40mmの範囲の粘着層の厚さの測定結果の一例を図3に示した。
例1と同様の手順で、粘着層付き透明面材と、模擬表示パネルとを貼合せた。10分間静置した後に観察したところ、模擬表示パネルと粘着層との界面に微細な空隙が多数見られた。10時間放置した後に再度観察したところ、空隙は消失しておらず、模擬表示パネルと粘着層付き透明面材とが粘着層を介して欠陥なく貼合することができなかった。
工程1でのカーテンコート法による塗布条件を、前記した例3と同様にし、その後例1と同様の条件で予備硬化を行い、700μm厚さの粘着層を形成した。その700μm厚さの粘着層上に再度例3と同様の条件で塗布を行い(重ね塗り)、その後の工程は例1と同様の手順を実施した。
形成された粘着層は、ガラス板の4辺に沿った外周部が、他の部位(層状部)に比べて厚さが大きくなっていた。粘着層のうち、層状部の厚さは1400μm(平均膜厚)であり、4辺に沿った外周部の厚さは、層状部の厚さよりも平均値で136μm大きくなっていた。透明面材の端部から40mmの範囲の粘着層の厚さの測定結果の一例を図4に示した。
例1と同様の手順で、粘着層付き透明面材と、模擬表示パネルとを貼合せた。10分間静置した後に観察したところ、模擬表示パネルと粘着層との界面に微細な空隙が多数見られた。10時間放置した後に再度観察したところ、空隙は消失しておらず、模擬表示パネルと粘着層付き透明面材とが粘着層を介して欠陥なく貼合することができなかった。また、空隙の量は例3よりも多かった。
Claims (4)
- 透明面材の少なくとも一方の表面に、液状の硬化性樹脂組成物をカーテンコート法により塗布する工程と、
塗布された前記硬化性樹脂組成物上に保護フィルムを重ねる工程と、
前記保護フィルムが重なった前記硬化性樹脂組成物を、光硬化または加熱硬化により硬化させ、厚さが500μm以下の粘着層を形成する工程と、
を備える粘着層付き透明面材の製造方法。 - 前記保護フィルムを重ねる工程の前に、前記硬化性樹脂組成物を予備硬化する工程をさらに備える請求項1に記載の粘着層付き透明面材の製造方法。
- 透明面材と、
前記透明面材上に設けられ、層状部と前記層状部の周囲を取り囲む外周部からなる粘着層と、
前記粘着層上に設けられた保護フィルムとを備え、
前記粘着層は前記透明面材上全面に亘って境界無く同じ樹脂で形成され、前記外周部の厚さは前記層状部の厚さよりも厚く、前記厚さの差が0超〜70μm以下であることを特徴とする粘着層付き透明面材。 - 前記層状部の厚さが300〜500μmである、請求項3に記載の粘着層付き透明面材。
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