JP2015156343A - 面状発熱体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記面状発熱体は、導電性繊維11を発熱糸として含む織編物で構成された発熱部12と、この発熱部12を通電するための少なくとも一対の電極部13とで構成されている。導電性繊維11は、導電剤を含有および/または担持している有機繊維であり、電極部13は、前記織編物の所望の位置に縫い込まれた第1の金属繊維で構成された第1の電極部14と、この第1の金属繊維を覆っている第2の金属繊維で構成された第2の電極部16とで構成されている。
【選択図】図1
Description
前記導電性繊維が、導電剤を含有および/または担持している有機繊維であり、
前記電極部が、前記織編物の所望の位置に縫い込まれた第1の金属繊維で構成された第1の電極部と、第1の金属繊維を覆い、第1の金属繊維と通電可能な第2の金属繊維で構成された第2の電極部とで構成されている面状発熱体である。
また、図2(b)に示すように、第1の金属繊維は、発熱部12に対して縫い込まれているため、発熱部12の内部にも存在している。そして、第2の金属繊維は、第1の金属繊維を覆うため、発熱部12表面において、第1の金属繊維の延出方向に沿って配設されている。
発熱部は、導電性繊維を発熱糸として含む織編物で構成されている。導電性繊維は、織編物を構成するための少なくとも一本の織編糸として用いられている。
導電性繊維としては、導電剤をその内部に含有および/またはその外部に担持している有機繊維が用いられる。
有機繊維に対して導電性を付与するための導電剤としては、面状発熱体として発熱可能な導電性を付与できる限り特に限定されず、有機系導電剤(例えば、ポリチオフェン系、ポリアセチレン系、ポリアニリン系、ポリピロール系など)であってもよいが、高い導電性を付与する観点から無機系導電剤が好ましい。導電剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
電極部は、織編物の所望の位置に縫い付けられた第1の金属繊維と、この第1の金属繊維を覆っている第2の金属繊維とで構成されている。
第1の金属繊維は、発熱部を形成する織編物に対して、縫い込むことができる限り特に制限されず、各種金属繊維であってもよい。例えば、金属繊維を構成する金属としては、銅、銀、金、クロム、ニッケル、コバルト、鉄、マグネシウム、アルミニウム、白金、スズ、亜鉛、マンガン、タングステン、ステンレスなどが挙げられる。これらの金属は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。また、合金として用いられる場合、例示した金属に加え、これらの金属以外の元素(例えばケイ素)を含んでいてもよい。
本縫いの場合、縫目長(縫目の幅)は、例えば、1〜6mm程度であってもよく、好ましくは2〜5mm程度であってもよい。第2の金属繊維と組み合わせて用いることにより、比較的本縫いの縫目長が広幅である場合であっても、金属繊維と発熱部との間で接触不良が発生するのを抑制することが可能である。
第2の金属繊維は、第1の金属繊維を覆い、第1の金属繊維に対する通電可能な状態で、発熱部上に形成されている。第2の金属繊維により第1の金属繊維を覆うことにより、第2の金属繊維は、第2の電極部として作用することが可能である。これにより、本発明の面状発熱体では、第1の電極部において、第1の金属繊維が発熱部内部の導電性繊維に接触して通電できるだけでなく、第2の電極部において、第2の金属繊維が発熱部表面において第1の金属繊維とともに通電することが可能となり、電極部の導電特性を向上させることができる。
さらに、第2の金属繊維が第1の金属繊維を覆って、通電可能であるため、第1の金属繊維が断線した場合であっても、第2の金属繊維側により通電を確保することができ、電極部の耐久性を向上させることができる。
例えば、好ましい金属帯状物としては、平織金属線、平編金属線であってもよく、流通性の観点から、平編金属線が好ましい。また、金属線は、素線であってもよいが、耐腐食性、はんだ性を良好にする観点から金属めっき(例えば、スズめっき、銀めっき、ニッケルめっきなど)された金属線であるのが好ましい。
具体的には、このような金属帯状物としては、平編銅線[例えば、平編銅素線、平編金属めっき銅線(例えば平編スズめっき銅線、平編銀めっき銅線、平編ニッケルめっき銅線など)など]が挙げられる。
第2の金属繊維は、第1の金属繊維を個別に覆っていればよいが、第1の金属繊維が複数集まって第1の電極部を形成している場合、一本の第2の金属繊維により、第1の電極部全体を覆っているのが好ましい。
また、第2の金属繊維表面の金属が露出している箇所では、さらに給電手段との接続端子などをはんだ付けすることも可能である。
このような面状発熱体は、その長さが長い場合であっても面内での発熱性を均一に保持することが可能であり、図1に示す長手方向Lにおいて、面状発熱体の長さは、例えば、1m以上(例えば1m〜30m程度)であってもよく、2m以上であってもよく、または2.5m以上であってもよい。面状発熱体の長さは、用途や電極部の構成などに応じて適宜設定することが可能である。
得られた発熱体の電極部について、サーモグラフィ(フリアーシステムズ社製「FLIR i5」)を用いて、発熱状態および発熱分布を目視により確認した。
クラレリビング社製「CNTEC」240T48(240dtex, 950Ω/cm)を緯糸に配置し、ポリエステル加工糸(クラレトレーディング(株)製、167dtex/48フィラメント)を経糸に配置して、平織組織で緯糸密度60本/インチの織物を得た。
第1の金属繊維として、ステンレス金属糸(日本精線(株)製、「ナスロン」品番12-100/3、平均繊維径0.35φmm)を用意し、得られた織物に対し、経糸方向つまり、緯糸に直交する方向に、ミシンにより縫目長さを4mmとして本縫いにより縫い込んで、織物の両端に、2本の第1の電極部(第1の金属繊維間の幅700mm、各第1の金属繊維の長さ3000mm)を形成した。
第2の金属繊維として、平編スズめっき銅線(田中電線(株)製、「平編スズメッキ銅線」、幅2.7mm、厚み0.7mm)を用意し、前記第1の電極部を形成している各第1の金属繊維を覆うよう、発熱体の一方の面に配置し、この平編スズめっき銅線を通常の縫糸により縫い付けて、織物に固定し、面状発熱体を製造した。
第2の金属線を設けないこと以外は、実施例1と同様にして面状発熱体を作製した。
得られた面状発熱体では、給電手段との接続部から離れるにしたがって、発熱性が低減し、面内で均一な発熱挙動を示すことができなかった。また、電極部分に局部的な発熱が観察された。
11・・・導電性繊維
12,22・・・発熱部
13,23・・・電極部
14,24・・・第1の金属繊維で形成された第1の電極部
16,26・・・第2の金属繊維で形成された第2の電極部
17,27・・・給電手段
18,28・・・電極
19・・・テープ
Claims (8)
- 導電性繊維を発熱糸として含む織編物で構成された発熱部と、この発熱部を通電するための少なくとも一対の電極部とで構成された面状発熱体であって、
前記導電性繊維が、導電剤を含有および/または担持している有機繊維であり、
前記電極部が、前記織編物の所望の位置に縫い込まれた第1の金属繊維で構成された第1の電極部と、第1の金属繊維を覆い、第1の金属繊維と通電可能な第2の金属繊維で構成された第2の電極部とで構成されている面状発熱体。 - 請求項1の面状発熱体において、第1の金属繊維が、本縫い、千鳥縫い、単環縫い、二重環縫い、縁かがり縫い、および偏平縫いからなる群から選択される少なくとも1種の縫目により第1の電極部を形成している面状発熱体。
- 請求項1または2の面状発熱体において、第1の電極部が、第2の金属繊維の帯状物により覆われている面状発熱体。
- 請求項2の面状発熱体において、第2の金属繊維が、糸で発熱部に抑え止めされている面状発熱体。
- 請求項1〜4のいずれか一項の面状発熱体において、導電性繊維が、カーボンナノチューブを担持している有機繊維である面状発熱体。
- 請求項1〜5のいずれか一項の面状発熱体において、第1の金属繊維がステンレス糸であり、第2の金属繊維が平編銅線である面状発熱体。
- 請求項1〜6のいずれか一項の面状発熱体において、第2の電極部に対して、接続端子がはんだ付けされている面状発熱体。
- 請求項1〜7のいずれか一項の面状発熱体において、陽極と陰極が少なくとも一対配設され、互いが略平行に配置されている面状発熱体。
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