JP2015155688A - 高圧ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高圧ポンプ10は、燃料吸入部20、プランジャ部30、及び調量弁装置40等を備える。調量弁装置40は、ロータリバルブ41、ステップモータ42等を備える。ロータリバルブ41は、円柱形状をなし、ポンプボディ11の筒状の収容部112に回転動可能に収容され、第1端面411及び側面413の一部を半円柱形状に切り取った切り欠き部414を有している。ロータリバルブ41は、回転に伴い、燃料吸入部20の第1吸入通路21と第2吸入通路22との間を連通させる開状態となったり、遮断する閉状態となったりする。このようなロータリバルブ41の開閉動作により、高圧ポンプ10は衝撃音を発生させずに調量、吐出、吸入の各行程を繰り返すことができる。
【選択図】図1
Description
ポンプボディは、加圧室を有する。この加圧室は、燃料供給部から燃料を加圧室に供給する燃料吸入部の吸入通路に連結する。吸入通路は、燃料供給部に接続する第1吸入通路と、加圧室に接続する第2吸入通路とを有している。この吸入通路の途中である第1吸入通路と第2吸入通路との間には、調量弁装置が設けられる。
プランジャは、ポンプボディに形成されたシリンダ内に収容され、その往復移動により加圧室内の燃料を圧縮する。燃料吐出部は、加圧室内の圧縮された燃料を吐出する燃料吐出通路を有する。この燃料吐出通路には、燃料吐出逆止弁が設置される。
ロータリバルブは、ポンプボディに形成された収容穴に回転摺動可能に収容される。また、ロータリバルブの一部には、第1吸入通路と第2吸入通路との間の燃料通路となる切り欠き部が形成される。
ステッピングモータは、ロータリバルブに連結し、ロータリバルブを回転駆動して、ロータリバルブの開閉動作を行う。即ち、ステッピングモータは、ロータリバルブを所定の角度に回転して、切り欠き部を介して第1吸入通路と第2吸入通路とが連通する開状態とし、ロータリバルブを所定の角度と異なる角度に回転して、第1吸入通路と第2吸入通路との連通が遮断される閉状態とする。
このような調量弁装置によるロータリバルブの開閉動作において、部材同士が当接することはなく、従って、部材同士の当接に起因する衝撃音が発生しないようにすることができる。
この場合、ロータリバルブの開状態で、ロータリバルブの一端面側の切り欠き部が第1吸入通路に連通し、且つロータリバルブの側面側の切り欠き部が第2吸入通路に連通する。また、ロータリバルブの閉状態で、ロータリバルブの一端面が第1吸入通路の端部に当接し、又はロータリバルブの側面が第2吸入通路の端部に当接する。
この場合、ロータリバルブの開状態で、ロータリバルブの切り欠き部の第1開口部が第1吸入通路に連通し、且つロータリバルブの切り欠き部の第2開口部が第2吸入通路に連通する。また、ロータリバルブの閉状態で、ロータリバルブの一端面が第1吸入通路の端部に当接し、又はロータリバルブの側面が第2吸入通路の端部に当接する。
この場合、ロータリバルブの一端面側の切り欠き部は、常時、燃料溜まりを介して燃料吸入部の第1吸入通路に連通している。そして、ロータリバルブの開状態で、ロータリバルブの側面側の切り欠き部が第2吸入通路に連通する。また、ロータリバルブの閉状態で、ロータリバルブの側面が第2吸入通路の端部に当接する。
この場合、ロータリバルブの切り欠き部の第1開口部は、常時、燃料溜まりを介して燃料吸入部の第1吸入通路に連通している。そして、ロータリバルブの開状態で、ロータリバルブの切り欠き部の第2開口部が第2吸入通路に連通する。また、ロータリバルブの閉状態で、ロータリバルブの側面が第2吸入通路の端部に当接する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプについて、図1〜図5に基づいて説明する。本実施形態の高圧ポンプは、エンジンに燃料を供給する燃料供給装置に用いられる。
高圧ポンプ10は、外郭を構成するポンプボディ11、並びにポンプボディ11にそれぞれ形成される燃料吸入部20、プランジャ部30、調量弁装置40、及び燃料吐出部50等を備えている。
燃料吸入部20は、ポンプボディ11に形成され、燃料供給部60に接続する第1吸入通路21と、加圧室12に接続する第2吸入通路22とを備えている。これら第1吸入通路21と第2吸入通路22との間には、調量弁装置40が設けられている。
プランジャ31は、ポンプボディ11に形成されたシリンダ内に往復移動可能に収容されている。プランジャ31の加圧室12側と反対側の下端部には、カム32が設けられ、このカム32にプランジャ31の下端部を当接させるように付勢するスプリング33が設けられている。
このため、プランジャ部30は、カム32の回転により、プランジャ31がシリンダ内を往復移動し、加圧室12に吸入された燃料を圧縮する働きをする。
ステッピングモータ42は、ECU47からの駆動制御信号を受けて、シャフト43を所定の角度だけ回転させ、ECU47からの次の駆動制御信号を受けて、シャフト43を更に所定の角度だけ回転させるというステップ動作を断続的に行う。このステッピングモータ42のステップ動作により、シャフト43に連結部材44を介して連結されるロータリバルブ41の高精度な回転位置決めが反復して行われる。
吐出通路51は、加圧室12において圧縮された高圧燃料をコモンレール部70に吐出するための燃料通路であり、吐出通路51は、一方が加圧室12に接続され、他方がコモンレール部70に接続されている。そして、吐出通路51の間に吐出逆止弁52が設置されている。
他方、加圧室12内の燃料の圧力が高くなり、スプリングの付勢力とコモンレール部70側からの外圧とに打ち勝つと、弁が弁座から解離し、吐出逆止弁52は開状態となる。その結果、加圧室12からコモンレール部70へ高圧の燃料が吐出される。
燃料供給部60は、燃料を貯留する燃料タンク61と、この燃料タンク61と燃料吸入部20の吸入通路21とを連結する低圧燃料通路62と、燃料タンク61内の燃料を汲み上げて低圧燃料通路62に送り出すフィードポンプ63を備えている。
このため、燃料タンク61内の燃料は、フィードポンプ63によって汲み出され、低圧燃料通路62、燃料吸入部20の第1吸入通路21及び第2吸入通路22、並びに調量弁装置40を通って加圧室12に供給される。
このため、加圧室12において圧縮された高圧燃料は、燃料吐出部50の吐出通路51及び吐出逆止弁52、並びに高圧燃料通路72を通ってコモンレール71に圧送され貯留される。そして、コモンレール71内に貯留された高圧燃料は、直接噴射手段73によって内燃機関のシリンダ内に直接噴射される。
(I)調量行程
図3のプランジャ31に付した矢印及び図6のタイムチャートに示すように、プランジャ31がカム32の回転により下死点aから上死点bに向かって上昇すると、加圧室12の容積が減少し、加圧室12内の燃料が圧縮されて内圧が高くなる。
上記の調量行程が進行する所定の時点において、図6のタイムチャートに示すように、ECU44からの駆動制御信号を受けてステッピングモータ42の回転角度は180度となる。即ち、ステッピングモータ42はシャフト43を180度回転させ、従ってこのシャフト43に連結されたロータリバルブ41は、上述した調量行程における回転位置から180度回転した回転位置に停止する。
図5のプランジャ31に付した矢印及び図6のタイムチャートに示すように、上死点bに達したプランジャ31がカム32の回転により上死点bから下死点aに向かって下降すると、加圧室12の容積が増加して、加圧室12内の燃料の内圧が低下する。
そして、加圧室12内の燃料の内圧が、燃料吐出部50の吐出逆止弁52のスプリングの付勢力とコモンレール部70側からの外圧との合計よりも低くなると、吐出逆止弁52が閉状態となり、加圧室12内の高圧燃料のコモンレール部70側への吐出が停止する。
このとき、図5に示すように、ロータリバルブ41は、その切り欠き部414と燃料吸入部20の第1吸入通路21及び第2吸入通路22とが連通し、開状態となる。
従来技術の高圧ポンプについて、図23〜図26を参照して説明する。
図23及び図24に示すように、従来技術の高圧ポンプにおける調量弁装置80は、ニードル81、固定コア82、可動コア83、コイル84、第1スプリング85、弁部材86、第2スプリング87、及びストッパ88等を備えている。
固定コア82及び可動コア83は、磁性材料から形成され、コイル84の径方向内側に設けられている。可動コア83は、ニードル81に一体に固定されている。第1スプリング85は、固定コア82と可動コア83との間に設けられ、固定コア82と可動コア83とを互いに離す方向に付勢する。
ストッパ88は、大径部と小径部とを有し、大径部の外壁は弁ボディ91に固定され、小径部の弁部材86側に規制面881を有している。弁部材86の第2端面862は、このストッパ88の規制面881に当接可能となっている。
(I)調量行程
カムの回転によりプランジャが下死点aから上死点bに向かって上昇すると、加圧室の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル84への通電が停止されているため、第1スプリング85に付勢されたニードル81の付勢力により弁部材86がストッパ88側に移動し、弁部材86のシート面863が弁ボディ91の弁座911から解離する。このため、弁部材86は開弁状態となる。そして、一度加圧室に吸入された低圧燃料は、燃料通路92を経由して燃料室側へ戻される。
図25のタイムチャートに示すように、プランジャが上昇する途中の所定の時期に、コイル84に駆動電流が流れ始める。このコイル84への通電の開始により、固定コア82と可動コア83との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力が所定のタイムラグをもって第1スプリング85の付勢力より大きくなると、可動コア83及びニードル81が固定コア82側に移動する。その結果、図23のA1部に示すように、可動コア83の固定コア82側端面が固定コア82の可動コア83側端面に当接する。
弁部材86が閉弁した後、加圧室の燃圧は、プランジャの上昇と共に高くなる。加圧室の燃圧が吐出部の吐出弁に作用する力が、所定の力よりも大きくなると、吐出弁が開弁する。これにより、加圧室で圧縮された加圧燃料は吐出口から吐出される。
図25のタイムチャートに示すように、カムの回転によりプランジャが上死点bから下死点aに向かって下降するとき、コイル84への通電が停止される。このため、可動コア83を固定コア82側に移動させようとする磁気吸引力が消失して、可動コア83及びニードル81は第1スプリング85の付勢力により弁部材86側に移動する。その結果、図24のB1部に示すように、ニードル81の端面が弁部材86の第1端面861に当接する。
このとき、加圧室の容積が増加し、燃料が減圧され、吐出部の吐出弁が吐出口を閉塞する。また、弁部材86のシート部が弁ボディ91の弁座から離れて開弁状態となる。これにより、燃料通路92を経由して加圧室に燃料が吸入される。
また、調量弁装置40の動作において、部材同士が当接することはなく、従って部材同士の当接に起因する衝撃音も発生しない。
本発明の第2実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプを、図7〜図9を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態による高圧ポンプの構成と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
なお、図7に示すロータリバルブ48は、第1実施形態の場合と同様に、その第1端面481がポンプボディ11の収容穴121の底面に摺接し、反対側の第2端面412が連結部材44を介してステッピングモータ42のシャフト43に連結されている。
(I)吸入行程
図8のプランジャ31に付した矢印に示すように、プランジャ31が上死点bから下死点aに向かって下降すると、加圧室12内の燃料の内圧が低下する。このとき、燃料吐出部50の吐出逆止弁52は閉状態となり、加圧室12内の高圧燃料のコモンレール部70側への吐出が停止する。
なお、ロータリバルブ48の切り欠き部484の第1開口部485は、ロータリバルブ48の回転位置の変動に拘わらず、常時、燃料溜まり49を介して燃料吸入部20の第1吸入通路21と連通している。このため、この状態で、ロータリバルブ48は開状態となる。
プランジャ31が下死点aから上死点bに向かって上昇すると、加圧室12内の燃料が圧縮されて内圧が高くなる。このとき、燃料吐出部50における吐出逆止弁52は未だ閉状態を維持している。また、ECU47からの駆動制御信号を受けてステッピングモータ42の回転角度は、上述した吸入行程における場合と同様にゼロ度となったままである。従って、ロータリバルブ48は、上述した吸入行程における場合と同様に開状態となる。
上記の調量行程が進行する所定の時点において、ECU44からの駆動制御信号を受けてステッピングモータ42の回転角度は180度となる。即ち、ロータリバルブ41は、上述した調量行程における回転位置から180度回転した回転位置に停止する。
なお、ロータリバルブ48の切り欠き部484の第1開口部485は、常時、燃料溜まり49を介して燃料吸入部20の第1吸入通路21と連通している。しかし、燃料吸入部20の第2吸入通路22のロータリバルブ48の側面483への当接により、切り欠き部484と第2吸入通路22との連通が遮断される。このため、この状態で、ロータリバルブ48は閉状態となる。
また、調量弁装置40の動作において、部材同士が当接することはなく、従って部材同士の当接に起因する衝撃音も発生しない。
本発明の第3実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプを、図10〜図16を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態による高圧ポンプの構成と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
環状切り欠き部541は、ロータリバルブ53の両端面531,532よりも軸方向内側において軸線c周りに側面533を切り取った環状の溝を成している。
側溝切り欠き部542は、軸線方向に延びるように側面533に切り込まれた溝であり、軸線cを挟んで互いに対向する位置にそれぞれ配置されている。また、側溝切り欠き部542は、環状切り欠き部541に開口する第1開口部544、及び、側面533に開口する第2開口部545を有している。
側溝連通孔543は、ロータリバルブ53を径方向に貫通した貫通孔形状を成しており、2つの側溝切り欠き部542を互いに連通させている。
凹部55は、ロータリバルブ53の側面533に形成された凹みであり、側溝切り欠き部542とは周方向に異なる位置に軸線cを挟んで互いに対向するように配置されている。
凹部連通孔56は、ロータリバルブ53を径方向に貫通した貫通孔を成しており、2つの凹部55を互いに連通させている。
なお、凹部55及び凹部連通孔56は、ロータリバルブ53内では切り欠き部54と連通していない。
このとき、ロータリバルブ53では、図12及び図13に示すように、2つのうちの一方の側溝切り欠き部542の第2開口部545が第2吸入通路22に対面することにより、当該側溝切り欠き部542は第2吸入通路22に接続される。また、ロータリバルブ53の環状切り欠き部541は、ロータリバルブ53の回転位置の変動に拘わらず、常時、燃料吸入部20の第1吸入通路21に接続されている。
よって、燃料吸入部20の第1吸入通路21と第2吸入通路22とは、環状切り欠き部541及び側溝切り欠き部542(並びに側溝貫通孔543)を介して連通しており、ロータリバルブ53は開状態である。
なお、ロータリバルブ53が開状態のとき、凹部55及び凹部連通孔56は、第1吸入通路21及びと第2吸入通路22とは連通していない。
すなわち、ロータリバルブ53が開状態のとき、ロータリバルブ53に加わる油圧バランスは軸方向及び径方向共に良好に保たれる。
また、図16に示すように、吐出行程では、加圧室12内の燃料圧力が高められており、加圧室12に接続する第2吸入通路22内の燃料は高い圧力を有している。
このため、第2吸入通路22の燃料は、ロータリバルブ53の側面に接することなく、2つの凹部55に流入する。
また、2つの凹部55は、軸線cを挟んで互いに対向する位置に配置されている。よって、2つの凹部55内の燃料からロータリバルブ53に径方向に加わる油圧は、軸線c側に向かって互いに打ち消し合うように加わる。よって、ロータリバルブ53に加わる径方向の油圧バランスは保たれる。
すなわち、ロータリバルブ53が閉状態のとき、ロータリバルブ53に加わる油圧バランスは軸方向及び径方向共に良好に保たれる。
まず、ロータリバルブ53の軸方向のバランスが保たれることにより、ステッピングモータ42に加わるスラスト荷重が抑制される。
また、ロータリバルブ53の径方向のバランスが保たれることにより、ステッピングモータ42がロータリバルブ53を回転させるために必要な回転トルクが抑制される。
例えば、図16では、第3実施形態におけるステッピングモータ42の回転トルクを実線で示し、第1実施形態におけるステッピングモータ42の回転トルクを比較例として点線で示している。図16を参照すると、吐出行程において、第3実施形態では第1実施形態よりも回転トルクが大幅に低減されていることが分かる。
本発明の第4実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプを、図17〜図20を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態及び第3実施形態による高圧ポンプの構成と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
2つの側溝切り欠き部592は、それぞれ、軸線cに平行な方向に延びるように側面573に切り込まれた溝であり、軸線cを挟んで互いに対向する位置に配置されている。また、各側溝切り欠き部592は、環状切り欠き部591に開口する第1開口部594、及び、ロータリバルブ57の側面573に開口する第2開口部595を有している。
側溝連通孔593は、ロータリバルブ57を径方向に貫通した貫通孔形状を成しており、2つの側溝切り欠き部592を互いに連通させている。
まず、図19に示すように、ロータリバルブ57が開状態のとき、2つのうちの一方の側溝切り欠き部592の第2開口部595が、第1吸入通路21に対面しており、当該側溝切り欠き部592が第1吸入通路21に接続されている。また、ロータリバルブ57の環状切り欠き部591は、ロータリバルブ57の回転位置に拘わらず、常時、第2吸入通路22に接続されている。
よって、燃料吸入部20の第1吸入通路21と第2吸入通路22とは、環状切り欠き部591及び側溝切り欠き部592(並びに側溝連通孔593)を介して連通している。
このように、燃料はロータリバルブ57の切り欠き部59を経由するとき、ロータリバルブ57の両端面571,572よりも内側を通過する。このため、ロータリバルブ57では、軸方向の片側方向にのみに油圧が加わることが避けられる。すなわち、ロータリバルブ73に加わる軸方向の油圧は、軸方向の両側に向かって内から外に互いに打ち消し合うように加わる。よって、ロータリバルブ57に加わる軸方向の油圧バランスは保たれる。
本発明の第5実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプを、図21及び図22を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態及び第3実施形態による高圧ポンプの構成と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第5実施形態における調量弁装置40の特徴は、ロータリバルブ58にバランス良く油圧が加わるように、ロータリバルブ58及び燃料吸入部20が構成されている点にある。以下では、第3実施形態との差異点について主に説明する。
なお、図21及び図22では、第2吸入通路23の途中経路の図示を省略し、実線矢印に代替して示している。
図21に示すように、ロータリバルブ58が開状態のとき、側溝切り欠き部542の第2開口部545が、第2吸入通路22,23にそれぞれ対面しており、側溝切り欠き部542は、第2吸入通路22,23にそれぞれ接続されている。また、ロータリバルブ58の環状切り欠き部541は、ロータリバルブ58の回転位置に拘わらず、常時、第1吸入通路21に接続されている。
よって、燃料吸入部20の第1吸入通路21と第2吸入通路22,23とは、環状切り欠き部541及び側溝切り欠き部542(並びに側溝貫通孔543)を介して連通している。
したがって、第5実施形態によっても、低騒音及び小型化を実現する高圧ポンプ10を提供できる。
(ア)第1実施形態では、ロータリバルブ41の閉状態において、図4に示すように、燃料吸入部20の第1吸入通路21及び第2吸入通路22の端部がロータリバルブ41の第1端面411及び側面413にそれぞれ当接している。しかし、ロータリバルブ41の閉状態は、第1吸入通路21及び第2吸入通路22のいずれか一方の端部がロータリバルブ41の切り欠き部414以外の部分に当接すればよい。この場合であっても、ロータリバルブ41の切り欠き部414と燃料吸入部20の第1吸入通路21及び第2吸入通路22のいずれかとの連通が遮断され、ロータリバルブ41は閉状態となる。
ロータリバルブ41の切り欠き部は、ロータリバルブ41の開状態において、燃料吸入部20の第1吸入通路21及び第2吸入通路22の両方と連通し、ロータリバルブ41の閉状態において、第1吸入通路21及び第2吸入通路22の少なくとも一方との連通を遮断するものであれば、他の形状であってもよい。
即ち、本発明は上記のような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
20・・・燃料吸入部、 21・・・第1吸入通路、 22・・・第2吸入通路、
31・・・プランジャ、
40・・・調量弁装置、
41、48、53、57、58・・・ロータリバルブ、
414、484、54、59・・・切り欠き部、
42・・・ステッピングモータ、
45・・・ぜんまいバネ(フェールセーフ機構)、 49・・・燃料溜まり、
50・・・吐出部、 51・・・吐出通路、 52・・・吐出逆止弁、
60・・・燃料供給部。
Claims (13)
- 加圧室(12)を有するポンプボディ(11)と、
前記ポンプボディに形成されており、燃料供給部に接続している第1吸入通路(21)及び前記加圧室に接続している第2吸入通路(22、23)を有しており、前記加圧室に前記燃料供給部(60)から燃料を供給する燃料吸入部(20)と、
前記吸入通路の途中に設けられる調量弁装置(40)と、
前記ポンプボディに形成されたシリンダ内に往復移動可能に収容され、前記加圧室内の燃料を圧縮するプランジャ(31)と、
前記加圧室内の圧縮された燃料を吐出する燃料吐出通路(51)と、前記吐出通路に設置される燃料吐出逆止弁(52)と、を有する燃料吐出部(50)と、
を備え、
前記調量弁装置は、
前記ポンプボディに形成された収容穴に回転摺動可能に収容され、前記第1吸入通路と前記第2吸入通路との間の燃料通路となる切り欠き部(414、484、54、59)が形成されているロータリバルブ(41、48、53、57、58)と、
前記ロータリバルブに連結し、前記ロータリバルブを回転駆動するステッピングモータ(42)と、
を有し、
前記ステッピングモータは、
前記ロータリバルブを所定の角度に回転して、前記切り欠き部を介して前記第1吸入通路と前記第2吸入通路とが連通する開状態とし、
前記ロータリバルブを前記所定の角度と異なる角度に回転して、前記第1吸入通路と前記第2吸入通路との連通が遮断される閉状態とするように、前記ロータリバルブの開閉動作を行うこと
を特徴とする高圧ポンプ(10)。 - 前記ロータリバルブ(41)は、円柱形状をなし、
前記切り欠き部(414)は、前記ロータリバルブの一端面(411)及び側面(413)の一部を半円柱形状に切り取った形状をなし、
前記ロータリバルブの開状態で、前記ロータリバルブの一端面側の前記切り欠き部が前記第1吸入通路(21)に連通し、且つ前記ロータリバルブの側面側の前記切り欠き部が前記第2吸入通路(22)に連通し、
前記ロータリバルブの閉状態で、前記ロータリバルブの一端面が前記第1吸入通路の端部に当接し、又は前記ロータリバルブの側面が前記第2吸入通路の端部に当接することを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。 - 前記ロータリバルブ(48)は、円柱形状をなし、
前記切り欠き部(484)は、前記ロータリバルブの一端面(481)に第1開口部(485)を有し前記ロータリバルブの側面(483)に第2開口部(486)を有する貫通孔形状をなし、
前記ロータリバルブの開状態で、前記ロータリバルブの前記切り欠き部の前記第1開口部が前記第1吸入通路(21)に連通し、且つ前記ロータリバルブの前記切り欠き部の前記第2開口部が前記第2吸入通路(22)に連通し、
前記ロータリバルブの閉状態で、前記ロータリバルブの一端面が前記第1吸入通路の端部に当接し、又は前記ロータリバルブの側面が前記第2吸入通路の端部に当接することを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。 - 前記ロータリバルブ(41)は、円柱形状をなし、
前記切り欠き部(414)は、前記ロータリバルブの一端面(411)及び側面(413)の一部を半円柱形状に切り取った形状をなし、
前記ロータリバルブの一端面と前記第1吸入通路(21)の端部との間に、前記ロータリバルブの一端面側の前記切り欠き部と前記第1吸入通路とを連通する燃料溜まりが設けられ、
前記ロータリバルブの開状態で、前記ロータリバルブの側面側の前記切り欠き部が前記第2吸入通路(22)に連通し、
前記ロータリバルブの閉状態で、前記ロータリバルブの側面が前記第2吸入通路の端部に当接することを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。 - 前記ロータリバルブ(48)は、円柱形状をなし、
前記切り欠き部(484)は、前記ロータリバルブの一端面(481)に第1開口部(485)を有し前記ロータリバルブの側面(483)に第2開口部(486)を有する貫通孔形状をなし、
前記ロータリバルブの一端面と前記第1吸入通路(21)の端部との間に、前記ロータリバルブの前記切り欠き部の前記第1開口部と前記第1吸入通路とを連通する燃料溜まり(49)が設けられ、
前記ロータリバルブの開状態で、前記ロータリバルブの前記切り欠き部の前記第2開口部が前記第2吸入通路(22)に連通し、
前記ロータリバルブの閉状態で、前記ロータリバルブの側面が前記第2吸入通路の端部に当接することを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。 - 前記ロータリバルブ(53、57、58)は、円柱形状をなし、
前記切り欠き部(54、59)は、前記ロータリバルブの両端面よりも内側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。 - 前記切り欠き部は、
前記ロータリバルブの回転軸線(c)周りに側面を環状に切り取っており、前記開状態及び前記閉状態で、前記第1吸入通路及び前記第2吸入通路のいずれか一方に連通している環状切り欠き部(541、591)と、
前記環状切り欠き部に開口する第1開口部(544、594)、及び、前記ロータリバルブの側面に開口する第2開口部(545、595)を有している少なくとも1つの側溝切り欠き部(542、592)と、を含んでおり、
前記ロータリバルブの開状態で、少なくとも1つの前記側溝切り欠き部の前記第2開口部は、前記第1吸入通路及び前記第2吸入通路のいずれか他方に連通し、
前記ロータリバルブの閉状態で、前記側溝切り欠き部の前記第2開口部は、前記ポンプボディの前記収容穴を成す壁面に覆われることを特徴とする請求項6に記載の高圧ポンプ。 - 前記側溝切り欠き部は複数であって、前記ロータリバルブの回転軸線を中心に挟んで配置されており、
前記切り欠き部は、前記ロータリバルブを径方向に貫通して前記複数の側溝切り欠き部を互いに連通させる側溝連通孔(543、593)をさらに含んでいることを特徴とする請求項7に記載の高圧ポンプ。 - 前記ロータリバルブには、
前記ロータリバルブの回転軸線を中心に挟んで配置され、前記ロータリバルブの側面に開口している複数の凹部(55)と、
前記ロータリバルブを径方向に貫通して前記複数の凹部を互いに連通させる凹部連通孔(56)と、がさらに形成されており、
前記ロータリバルブの開状態で、前記凹部は前記ポンプボディの前記収容穴を成す壁面に覆われ、
前記ロータリバルブの閉状態で、前記凹部は前記第2吸入通路に連通することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。 - 前記環状切り欠き部(591)は、前記開状態及び前記閉状態のいずれの場合にも前記第2吸入通路に連通しており、
少なくとも1つの前記側溝切り欠き部(592)の前記第2開口部は、前記ロータリバルブの開状態で、前記第1吸入通路に連通することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。 - 前記燃料吸入部は、複数の前記第2吸入通路(22、23)を有しており、
前記第2吸入通路の前記ロータリバルブ側に開口する端部(221、231)は、前記ロータリバルブの回転軸線を中心に挟んで配置されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。 - 前記ステッピングモータは、前記ステッピングモータに障害が発生した場合に、前記ロータリバルブを閉状態にするフェールセーフ機構(45)を有していることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
- 前記フェールセーフ機構は、ぜんまいバネ(45)から構成されていることを特徴とする請求項12に記載の高圧ポンプ。
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