JP2015155528A - 両面粘着シート - Google Patents

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Shigeki Watanabe
茂樹 渡辺
中山 直樹
Naoki Nakayama
直樹 中山
正人 廣西
Masato Hironishi
正人 廣西
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Abstract

【課題】接着信頼性に優れた両面粘着シートを提供する。
【解決手段】発泡体基材と、該発泡体基材の第一面に設けられた第一粘着剤層と、第二面に設けられた第二粘着剤層とを含む両面粘着シートが提供される。上記発泡体基材はその厚さが1000μm以下であり、厚さ方向(VD)の平均気泡径に対する幅方向(CD)の平均気泡径の比で表されるアスペクト比(CD/VD)が3以下であり、幅方向(CD)の平均気泡径に対する流れ方向(MD)の平均気泡径の比で表されるアスペクト比(MD/CD)が1より大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、発泡体基材を備えた両面粘着シートに関する。
一般に、粘着剤(感圧接着剤ともいう。以下同じ。)は、室温付近の温度域において柔らかい固体(粘弾性体)の状態を呈し、圧力により簡単に被着体に接着する性質を有する。このような性質を活かして、粘着剤は、例えば基材の両面に粘着剤層を設けた基材付き両面粘着シートの形態で、様々な分野において接合や固定などの目的で広く利用されている。
上記基材付き両面粘着シートにおける基材としては一般に、プラスチックフィルム、不織布、紙などの他に、気泡構造を有する発泡体などを用いることができる。上記発泡体を用いた両面粘着シート(発泡体基材付き両面粘着シート)は、気泡構造を有しないプラスチックフィルム、あるいは不織布等、を基材とする両面粘着シートに比べて、衝撃吸収性、凹凸追従性、防水性、シール性等の点で有利なものとなり得る。このため、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット型パソコン、ノートパソコン等の携帯型電子機器における部品の接合や固定等にも好ましく適用することができる。発泡体基材付き両面粘着シートに関する技術文献として特許文献1、2が挙げられる。
特開2010−155969号公報 国際公開第2005/007731号
ところで、両面粘着シートには被着体との優れた接着性能が求められる。一方、近年、製品の小型化、軽量化等の観点から、部品の接合等に用いられる両面粘着シートの細幅化が要求されている。上記両面粘着シートを携帯型電子機器における表示パネルの固定等に使用する場合には、表示パネルの大画面化、デザイン自由度向上の観点から、該両面粘着シートの細幅化は特に有意義である。しかしながら、細幅化した両面粘着シートは、被着体との接着面積の低下等により、被着体からの剥がれが生じやすくなる場合があった。そのため、細幅でも充分な部材固定性能を得るために、両面粘着シートのさらなる性能向上が求められている。
そこで本発明は、より優れた接着信頼性を持つ両面粘着シートを提供することを目的とする。
ここに開示される両面粘着シートは、発泡体基材と、該発泡体基材の第一面に設けられた第一粘着剤層と、該発体基材の第二面に設けられた第二粘着剤層とを含む。上記発泡体基材はその厚さが1000μm以下である。また上記発泡体基材は、該発泡体基材の厚さ方向(VD)の平均気泡径に対する該発泡体基材の幅方向(CD)の平均気泡径の比で表されるアスペクト比(CD/VD)が3以下であり、該発泡体基材の幅方向(CD)の平均気泡径に対する該発泡体基材の流れ方向(MD)の平均気泡径の比で表されるアスペクト比(MD/CD)が1より大きい。かかる構成の両面粘着シート(発泡体基材付き両面粘着シート)は、優れた押圧接着力を示すものとなり得る。押圧接着力の向上は、接着信頼性の向上に寄与し得る。
ここに開示される両面粘着シートの好ましい一態様において、上記両面粘着シートは、その厚さが100μm以上500μm以下である。かかる両面粘着シートは、優れた押圧接着力に加え、優れた耐衝撃性を示すものとなり得る。
ここに開示される両面粘着シートの好ましい一態様において、前記発泡体基材は、ポリオレフィン系発泡体基材である。かかる発泡体基材を含む両面粘着シートは、良好な耐衝撃性、および防水性を示すものとなり得る。
ここに開示される両面粘着シートの好ましい一態様において、前記発泡体基材としては、例えば25%圧縮強度が50kPa以上であるものを好ましく用いることができる。かかる発泡体基材を含む両面粘着シートは、より良好な耐衝撃性を示すものとなり得る。
ここに開示される両面粘着シートは、優れた押圧接着力を示し、さらに防水性、耐衝撃性に優れることから、例えば、携帯型電子機器の部品接合に用いられる両面粘着シートとして好適である。
一実施形態に係る両面粘着シートの構成を示す模式的断面図である。 例1で用いた基材AをCDとVDに平行する平面で切断したときの断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したときの写真である。 例3で用いた基材CをCDとVDに平行する平面で切断したときの断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したときの写真である。 押圧接着力を測定する際に用いる評価用サンプルを示す説明図である。 押圧接着力の測定方法を示す説明図である。 耐衝撃性を評価する際に用いる評価用サンプルを示す説明図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、製品として実際に提供される本発明の粘着シートのサイズや縮尺を正確に表したものではない。
この明細書において「粘着剤」とは、前述のように、室温付近の温度域において柔らかい固体(粘弾性体)の状態を呈し、圧力により簡単に被着体に接着する性質を有する材料をいう。ここでいう粘着剤は、「C. A. Dahlquist, “Adhesion : Fundamental and Practice”, McLaren & Sons, (1966) P. 143」に定義されているとおり、一般的に、複素引張弾性率E(1Hz)<10dyne/cmを満たす性質を有する材料(典型的には、25℃において上記性質を有する材料)である。また、粘着剤の「ベースポリマー」とは、該粘着剤に含まれるゴム状ポリマー(室温付近の温度域においてゴム弾性を示すポリマー)のうちの主成分(すなわち、該ゴム状ポリマーの50重量%以上を占める成分)をいう。
ここに開示される両面粘着シート(テープ状等の長尺状の形態であり得る。)は、発泡体基材と、その発泡体基材の第一面および第二面にそれぞれ設けられた第一粘着剤層および第二粘着剤層とを含んで構成されている。例えば、図1に示す断面構造を有する形態の両面粘着シートであり得る。この両面粘着シート1は、シート状の発泡体基材15と、その基材15の両面にそれぞれ支持された第一粘着剤層11および第二粘着剤層12とを備える。より詳しくは、基材15の第一面15Aおよび第二面15B(いずれも非剥離性)に、第一粘着剤層11および第二粘着剤層12がそれぞれ設けられている。使用前(被着体への貼り付け前)の両面粘着シート1は、図1に示すように、前面17Aおよび背面17Bがいずれも剥離面である剥離ライナー17と重ね合わされて渦巻き状に巻回された形態であり得る。かかる形態の両面粘着シート1は、第二粘着剤層12の表面(第二粘着面12A)が剥離ライナー17の前面17Aにより保護され、また第一粘着剤層11の表面(第一粘着面11A)が剥離ライナー17の背面17Bにより保護されている。あるいは、第一粘着面11Aおよび第二粘着面12Aが、2枚の独立した剥離ライナーによりそれぞれ保護された形態であってもよい。
剥離ライナーとしては、慣用の剥離紙等を使用することができ、特に限定されない。例えば、プラスチックフィルムや紙等のライナー基材の表面に剥離処理層を有する剥離ライナー;フッ素系ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン等)やポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)のような低接着性材料からなる剥離ライナー;等を用いることができる。上記剥離処理層は、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離処理剤により上記ライナー基材を表面処理して形成されたものであり得る。
ここに開示される両面粘着シートは、通常、その総厚みが1500μm以下の態様で好ましく実施され得る。上記両面粘着シートの総厚みは、典型的には50μm以上800μm以下、好ましくは100μm以上500μm以下、より好ましくは110μm以上400μm以下、さらに好ましくは120μm以上300μm以下、例えば130μm以上280μm以下とすることができる。両面粘着シートの総厚みを上述した上限値以下にすることにより、製品の薄膜化、小型化、軽量化、省資源化等の点で有利となり得る。また、両面粘着シートの総厚みを上述した下限値以上にすることにより、優れた耐衝撃性や防水性を示すものとなり得る。
ここで、両面粘着シートの総厚みとは、一方の粘着面から他方の粘着面までの厚みをいい、図1に示す例では、第一粘着面11Aから第二粘着面12Aまでの厚みtをいう。したがって、例えば、被着体への貼付け前において粘着面が剥離ライナーで保護された形態の両面粘着シートであっても、該剥離ライナーの厚さは、ここでいう両面粘着シートの厚みには含めないものとする。
<発泡体基材>
ここに開示される技術において、発泡体基材とは、気泡(気泡構造)を有する部分を備えた基材であって、典型的には、薄い層状の発泡体(発泡体層)を構成要素として含む基材をいう。上記発泡体基材は、1層または2層以上の発泡体層のみにより実質的に構成された基材であってもよい。特に限定するものではないが、ここに開示される技術における発泡体基材としては単層(1層)のものを好ましく採用し得る。
発泡体基材の厚さは、該両面粘着シートの強度や柔軟性、使用目的等に応じて適宜設定することができる。所望の粘着特性を発揮し得る粘着剤層の厚みを確保しやすいという観点から、通常は、発泡体基材の厚さを1000μm以下とすることが適当であり、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、例えば250μm以下、典型的には200μm以下である。厚さ180μm以下の発泡体基材を用いてもよい。また、両面粘着シートの耐衝撃性や耐反撥性等の観点からは、発泡体基材の厚さを30μm以上とすることが適当であり、好ましくは50μm以上、より好ましくは60μm以上(例えば80μm以上)である。ここでいう耐反撥性とは、上記両面粘着シートを被着体の表面形状(曲面、段差のある表面等であり得る。)に沿って弾性変形させた際に、該両面粘着シートが元の形状に戻ろうとする反撥力に抗して、該両面粘着シートを上記弾性変形させた形状に保持する性能(すなわち、両面粘着シートの反撥力に耐える性能)のことをいう。
発泡体基材の材質は特に制限されない。通常は、プラスチック材料の発泡体(プラスチック発泡体)により形成された発泡体層を含む発泡体基材が好ましい。プラスチック発泡体を形成するためのプラスチック材料(ゴム材料を包含する意味である。)は、特に制限されず、公知のプラスチック材料の中から適宜選択することができる。プラスチック材料は、1種を単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
プラスチック発泡体の具体例としては、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体等のポリオレフィン系樹脂発泡体;ポリエチレンテレフタレート発泡体、ポリエチレンナフタレート発泡体、ポリブチレンテレフタレート発泡体等のポリエステル系樹脂発泡体;ポリ塩化ビニル発泡体等のポリ塩化ビニル系樹脂発泡体;酢酸ビニル系樹脂発泡体;ポリフェニレンスルフィド樹脂発泡体;ポリアミド(ナイロン)樹脂発泡体、全芳香族ポリアミド(アラミド)樹脂発泡体等のアミド系樹脂発泡体;ポリイミド系樹脂発泡体;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)発泡体;ポリスチレン発泡体等のスチレン系樹脂発泡体;ポリウレタン樹脂発泡体等のウレタン系樹脂発泡体;等が挙げられる。また、プラスチック発泡体として、ポリクロロプレンゴム発泡体等のゴム系樹脂発泡体を用いてもよい。
好ましい発泡体として、ポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、ポリオレフィン系発泡体ともいう。)が例示される。上記ポリオレフィン系発泡体を構成するプラスチック材料(すなわちポリオレフィン系樹脂)としては、公知または慣用の各種のポリオレフィン系樹脂を特に限定なく用いることができる。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン触媒系直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。このようなポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
ここに開示される技術における発泡体基材の好適例としては、耐衝撃性、防水性等の観点から、ポリエチレン系樹脂の発泡体から実質的に構成されるポリエチレン系発泡体基材、ポリプロピレン系樹脂の発泡体から実質的に構成されるポリプロピレン系発泡体基材等が挙げられる。ここで、ポリエチレン系樹脂とは、エチレンを主モノマー(すなわち、モノマーのなかの主成分)とする樹脂を指し、HDPE、LDPE、LLDPE等のほか、エチレンの共重合割合が50重量%を超えるエチレン−プロピレン共重合体やエチレン−酢酸ビニル共重合体等を包含し得る。同様に、ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンを主モノマーとする樹脂を指す。ここに開示される技術における発泡体基材としては、ポリエチレン系発泡体基材を好ましく採用し得る。
上記プラスチック発泡体(典型的にはポリオレフィン系発泡体)の製造方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法により製造され得る。例えば、上記プラスチック材料、もしくは上記プラスチック発泡体の成形工程、架橋工程および発泡工程を含む方法により製造し得る。また、必要に応じて延伸工程を含み得る。
上記プラスチック発泡体を架橋させる方法としては、例えば、有機過酸化物などを用いる化学架橋法、または電離性放射線を照射する電離性放射線架橋法などが挙げられ、これらの方法は併用され得る。上記電離性放射線としては、電子線、α線、β線、γ線などが例示される。上記電離性放射線の線量は、目的とする架橋度、柔軟性など、上記プラスチック発泡体に要求される物性を得るために適宜調整することができる。
上記発泡体基材(例えばポリオレフィン系発泡体基材)の平均気泡径(真球換算)は、特に限定されないが、通常は、10μm以上500μm以下であることが好ましく、より好ましくは15μm以上300μm以下、さらに好ましくは20μm以上200μm以下、例えば25μm以上100μm以下であることが好ましい。上記発泡体基材の平均気泡径(真球換算)を10μm以上とすることにより、耐衝撃性が向上する傾向がある。一方、上記発泡体基材の平均気泡径(真球換算)を500μm以下にすることにより、防水性が向上する傾向がある。
ここで本明細書において上記発泡体基材の平均気泡径(真球換算)は、下記のようにして測定される値をいうものとする。すなわち、該発泡体基材の任意の切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したのち、その画像を画像処理ソフトで二値化処理して気泡部分とそれ以外の部分(例えばプラスチック樹脂部分)とに分離し、上記気泡部分について個々の気泡面積を測定する。次に、この気泡面積を真円面積に換算した場合の個々の直径の平均値を算出し、これを発泡体基材の平均気泡径(真球換算)とする。SEMとしては、日立ハイテクノロジーズ社製の装置名「S−4800」、またはその相当品を使用することができる。画像処理ソフトとしては、アメリカ国立衛生研究所製の製品名「IMAGE J」、またはその相当品を使用することができる。
上記発泡体基材の平均気泡径(真球換算)は、通常、上記発泡体基材の厚さの50%以下であることが適当であり、30%以下(例えば10%以下)であることが好ましい。上記発泡体基材の平均気泡径(真球換算)を発泡体基材の厚さの50%以下とすることにより、防水性がより向上する傾向がある。
本明細書において、上記発泡体基材の流れ方向(MDともいう。以下、同じ。)とは、該発泡体基材製造工程における押出方向を指す。特に限定するものではないが、上記発泡体基材がテープ状等の長尺状の形態であった場合には、該発泡体基材のMDは、通常、その長尺方向に一致する。また、該発泡体基材の幅方向(CDともいう。以下、同じ。)とは、上記MDに直交しかつ上記発泡体基材の表面に沿った方向のことを指す。また、上記発泡体基材の厚さ方向(VDともいう。以下、同じ)とは、該発泡体基材の表面に対して直交する方向、すなわち上記MDと上記CDのそれぞれに直交する方向のことを指す。
本明細書において、上記発泡体基材に含まれる気泡の形状を示す指標として、下記式(1)で示されるように、該発泡体基材の厚さ方向(VD)の平均気泡径に対する該発泡体基材の幅方向(CD)の平均気泡径の比で表される「アスペクト比(CD/VD)」、および、下記式(2)で示されるように、該発泡体基材の幅方向(CD)の平均気泡径に対する該発泡体基材の流れ方向(MD)の平均気泡径の比で表される「アスペクト比(MD/CD)」を用いる。
アスペクト比(CD/VD)=CDの平均気泡径/VDの平均気泡径 (1)
アスペクト比(MD/CD)=MDの平均気泡径/CDの平均気泡径 (2)
ここで本明細書において、「MDの平均気泡径」は以下のようにして測定されるものと定義する。
すなわち、上記発泡体基材をそのCDにおけるほぼ中央部において、MDおよびVDに平行する平面(すなわち垂線の向きがCDと一致するような平面)に沿って切断し、その切断面の中央部を上記走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影する。
次に、撮影した画像をA4サイズの用紙上に印刷し、画像上にMDに平行する長さ60mmの直線を一本、描く。このとき、60mmの直線上に気泡が10〜20個程度存在するように、上記の電子顕微鏡での拡大倍率を調整する。
上記直線上に存在する気泡数を目視により数え、下記式(3)に基づいて上記発泡体基材におけるMDの平均気泡径とする。
MDの平均気泡径(μm)=60(mm)×10/(気泡数(個)×拡大倍率) (3)
さらに、「CDの平均気泡径」は以下のようにして測定されるものと定義する。
すなわち、上記発泡体基材をCDおよびVDに平行する平面(すなわち垂線の向きがMDと一致するような平面)に沿って切断し、その切断面の中央部を上記走査型電子顕微鏡にて撮影する。
次に、撮影した画像をA4サイズの用紙上に印刷し、画像上にCDに平行する長さ60mmの直線を一本、描く。このとき、60mmの直線上に気泡が10〜20個程度存在する様に、上記の電子顕微鏡での拡大倍率を調整する。
上記直線上に存在する気泡数を目視により数え、下記式(4)に基づいて上記発泡体基材におけるCDの平均気泡径とする。
CDの平均気泡径(μm)=60(mm)×10/(気泡数(個)×拡大倍率) (4)
また、「VDの平均気泡径」は以下のようにして測定されるものと定義する。
すなわち、上記CDの平均気泡径を算出する際と同様の要領で、上記発泡体基材をCDおよびVDに平行する平面に沿って切断し、その切断面を上記走査型電子顕微鏡にて撮影し、得られた画像を印刷する。次に画像上に、VDに平行し、かつCDに4等分するような3本の直線を、それぞれ両面粘着シートの一方の表面から他方の表面まで描く。各直線の長さを測定し、これらの合計値を算出する。また上記直線上に存在する気泡数を目視により数え、下記式(5)に基づいて上記発泡体基材におけるVDの平均気泡径とする。
VDの平均気泡径(μm)=画像上における3本の直線の長さの合計(mm)×10/(気泡数(個)×拡大倍率) (5)
なお、直線を描くにあたっては、できるだけ直線が気泡に点接触することなく貫通した状態となるようにする。一部の気泡が直線に点接触してしまう場合には、この気泡を1個として数える。さらに、直線の両端部が気泡を貫通することなく、気泡内に位置した状態となる場合には、この気泡を0.5個として数える。
上記、MD、CD、およびVDの各方向の平均気泡径は、例えば、発泡体基材の製造工程(発泡工程、延伸工程等)の条件や、発泡体基材の組成(発泡剤の使用量等)を調整することにより制御することができる。特に限定するものではないが、上記発泡体基材が、プラスチック成型体を押出機により延伸することにより長尺状の形態にしたものである場合、通常、該発泡体基材に含まれる気泡の最長の平均気泡径を示す方向が、該発泡体基材の長尺方向(すなわちMD)に一致する傾向がある。
上記発泡体基材は、そのアスペクト比(CD/VD)が3以下であることが好ましい。上記アスペクト比(CD/VD)は、より好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.5以下、例えば2.3以下であることが好ましい。また上記アスペクト比(CD/VD)は1より大きいことが好ましく、より好ましくは1.3以上、典型的には1.5以上、例えば1.7以上であることが好ましい。上記アスペクト比(CD/VD)を上述した上限値以下とすることにより、上記発泡体基材を備えた両面粘着シートは高い押圧接着力を示し得る。このように押圧接着力が向上する一つの要因としては、上記発泡体基材の気泡形状を上述するアスペクト比(CD/VD)の範囲となるように制御することにより、両面粘着シートを厚さ方向に押し出す時の応力を上記発泡体基材においてより多く分散させることが可能であるためと考えられる。また、上記アスペクト比(CD/VD)を上述した下限値より大きくすることにより、上記発泡体基材を用いた両面粘着シートの柔軟性が増す傾向があり、凹凸追従性、耐衝撃性が向上し得る。
上記発泡体基材は、そのアスペクト比(MD/CD)が1より大きいことが好ましい。上記アスペクト比(MD/CD)は、より好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.6以上、典型的には2以上、例えば2.3以上であることが好ましい。また、上記アスペクト比(MD/CD)は5以下であることが好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3.5以下、例えば3以下であることが好ましい。上記アスペクト比(MD/CD)を上述した下限値より大きくすることにより、上記発泡体基材を用いた両面粘着シートの取扱性が向上し得る。また、上記アスペクト比(MD/CD)を上述した上限値以下とすることにより、上記発泡体基材を用いた両面粘着シートの防水性が向上し得る。
上記発泡体基材の密度(見掛け密度)は、特に限定されないが、例えば0.2g/cm以上0.6g/cm以下であることが好ましい。上記発泡体基材の密度は、より好ましくは0.25g/cm以上0.55g/cm以下であり、さらに好ましくは0.3g/cmより大きく0.5g/cm以下(例えば0.35g/cm以上0.5g/cm以下)である。密度を0.2g/cm以上とすることにより、発泡体基材の強度(ひいては両面粘着シートの強度)の向上、耐衝撃性や取扱性の向上が達成される傾向にある。一方、密度を0.6g/cm以下とすることにより、凹凸追従性、耐反撥性、防水性が向上する傾向にある。なお、発泡体基材の密度(見掛け密度)は、例えば、JIS K 6767に準拠する方法により測定することができる。
上記発泡体基材(例えばポリオレフィン系発泡体基材)の引張強さ(引張強度)は、特に限定されない。例えば、流れ方向(MD)の引張強さが1MPa以上30MPa以下(より好ましくは2MPa以上20MPa以下、さらに好ましくは2.5MPa以上10MPa以下、典型的には3MPa以上7MPa以下)であることが好ましい。また、幅方向(CD)の引張強さが1MPa以上30MPa以下(より好ましくは3MPa以上20MPa以下、さらに好ましくは4MPa以上15MPa以下、典型的には4.5MPa以上10MPa以下)であることが好ましい。上述した下限値以上の引張強さとすることにより、部品回収のために両面粘着シートを引きはがす際に、基材(ひいては両面粘着シート)が千切れることなく容易に剥離させられる等、優れた取扱性(リワーク性)を示し得る。一方、上述した上限値以下の引張強さとすることにより、耐衝撃性や凹凸追従性が向上し得る。発泡体基材の引張強さ(流れ方向の引張強さ、幅方向の引張強さ)は、JIS K 6767に準拠して測定される。上記発泡体基材の引張強さは、例えば、架橋度や密度等により制御することができる。
上記発泡体基材(例えばポリオレフィン系発泡体基材)の25%圧縮強度は、特に限定されないが、例えば、50kPa以上1000kPa以下であることが好ましい。上記発泡体基材の25%圧縮強度は、より好ましくは60kPaより大きく1000kPa以下、75kPa以上1000kPa以下、75kPa以上500kPa以下、さらに好ましくは80kPa以上500kPa以下、典型的には90kPa以上300kPa以下、例えば100kPa以上250kPa以下であることが好ましい。ここで上記発泡体基材の25%圧縮強度とは、該発泡体基材を約25mmの厚さとなるように積み重ねて平板で挟み込み、それを当初の厚さの25%に相当する厚さ分だけ圧縮したときの荷重、すなわち該基材の厚さが当初厚さの75%になるまで圧縮したときの荷重をいう。25%圧縮強度を50kPa以上とすることにより、両面粘着シートの耐衝撃性が向上する傾向があり、また、加工時の寸法安定性が向上し得る。一方、25%圧縮強度を1000kPa以下とすることにより、耐反撥性や凹凸追従性が向上し得る。発泡体基材の25%圧縮強度は、JIS K 6767に準拠して測定される。上記発泡体基材の25%圧縮強度は、例えば、架橋度や密度等により制御することができる。
上記発泡体基材(例えばポリオレフィン系発泡体基材)の90℃におけるMDの加熱寸法変化率(90℃加熱寸法変化率(MD))は、特に限定されないが、例えば、−10%以上10%以下であることが好ましい。上記発泡体基材の90℃加熱寸法変化率(MD)は、より好ましくは−5%以上5%以下、さらに好ましくは−4%以上4%以下である。90℃加熱寸法変化率(MD)を上述する範囲内とすることにより、高温環境下(例えば40℃〜90℃)においても上記発泡体基材を備えた両面粘着シートの膨張・収縮が抑制され、優れた接着信頼性を示し得る。
上記発泡体基材(例えばポリオレフィン系発泡体基材)の90℃におけるCDの加熱寸法変化率(90℃加熱寸法変化率(CD))は、特に限定されないが、例えば、−10%以上10%以下であることが好ましい。上記発泡体基材の90℃加熱寸法変化率(CD)は、より好ましくは−5%以上5%以下、さらに好ましくは−4%以上4%以下である。90℃加熱寸法変化率(CD)を上述する範囲内とすることにより、高温環境下(例えば40℃〜90℃)においても上記発泡体基材を備えた両面粘着シートの膨張・収縮が抑制され、優れた接着信頼性を示し得る。
発泡体基材のMDおよびCDの90℃加熱寸法変化率は、加熱温度を90℃とした点以外はJIS K 6767に準拠して測定される。
上記発泡体基材(例えばポリオレフィン系発泡体基材)の架橋度は、特に限定されないが、例えば10%以上50%以下であることが好ましい。上記発泡体基材の架橋度は、より好ましくは20%以上45%以下であり、さらに好ましくは30%以上40%以下(例えば32%以上40%以下)である。
ここで本明細書において架橋度とは、以下のように測定して求められる値をいう。すなわち、測定対象の発泡体基材から約100mgの試験片を採取し、試験片の重量A(mg)を精秤する。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm中に浸潰して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過する。金網上の不溶解分を採取して真空乾燥し、該不溶解分の重量B(mg)を精秤する。得られた値から、下記式(6)により架橋度を算出する。
架橋度(%)=(B/A)×100 (6)
上記発泡体基材には、必要に応じて、充填剤(無機充填剤、有機充填剤等)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、界面活性剤等の各種添加剤が配合されていてもよい。
ここに開示される技術における発泡体基材は、該発泡体基材を備える両面粘着シートにおいて所望の意匠性や光学特性(例えば、遮光性、光反射性等)を発現させるために、着色されていてもよい。この着色には、公知の有機または無機の着色剤を、1種を単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
例えば、ここに開示される両面粘着シートを遮光用途に用いる場合、発泡体基材の可視光透過率は、特に限定されないが、後述の両面粘着シートの可視光透過率と同様に、0%以上15%以下であることが好ましく、より好ましくは0%以上10%以下である。また、ここに開示される両面粘着シートを光反射用途に用いる場合、発泡体基材の可視光反射率は、両面粘着シートの可視光反射率と同様に、20%以上100%以下が好ましく、より好ましくは25%以上100%以下である。
発泡体基材の可視光透過率は、分光光度計(例えば、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の分光光度計、型式「U−4100」)を用いて、波長550nmにおいて、発泡体基材の一方の面側から照射して他方の面側に透過した光の強度を測定することにより求めることができる。発泡体基材の可視光反射率は、上記分光光度計を用いて、波長550nmにおいて、発泡体基材の一方の面に照射して反射した光の強度を測定することにより求めることができる。なお、両面粘着シートの可視光透過率や可視光反射率も、同様の方法により求めることができる。
ここに開示される両面粘着シートを遮光用途に用いる場合、上記発泡体基材は黒色に着色されていることが好ましい。黒色としては、L*a*b*表色系で規定されるL*(明度)で、35以下(例えば、0〜35)が好ましく、より好ましくは30以下(例えば、0〜30)である。なお、L*a*b*表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、特に限定されないが、両方とも−10〜10(より好ましくは−5〜5、さらに好ましくは−2.5〜2.5)の範囲であることが好ましい。例えば、a*およびb*がいずれも0または略0であることが好ましい。
なお、本明細書において、L*a*b*表色系で規定されるL*、a*、b*は、色彩色差計(例えば、ミノルタ社製の色彩色差計、商品名「CR−200」)を用いて測定することにより求められる。なお、L*a*b*表色系は、国際照明委員会(CIE)が1976年に推奨した色空間であり、CIE1976(L*a*b*)表色系と称される色空間のことを意味している。また、L*a*b*表色系は、日本工業規格では、JIS Z 8729に規定されている。
発泡体基材を黒色に着色する際に用いられる黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等)、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライト等)、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素等を用いることができる。コストや入手性の観点から好ましい黒色着色剤として、カーボンブラックが例示される。黒色着色剤の使用量は特に限定されず、所望の光学特性を付与できるように適宜調整した量とすることができる。
ここに開示される両面粘着シートを光反射用途に用いる場合、上記発泡体基材は白色に着色されていることが好ましい。白色としては、L*a*b*表色系で規定されるL*(明度)で、87以上(例えば、87〜100)が好ましく、より好ましくは90以上(例えば、90〜100)である。L*a*b*表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、例えば、両方とも−10〜10(より好ましくは−5〜5、さらに好ましくは−2.5〜2.5)の範囲であることが好ましい。例えば、a*およびb*がいずれも0または略0であることが好ましい。
発泡体基材を白色に着色する際に用いられる白色着色剤としては、例えば、酸化チタン(ルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン等の二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム等)、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、硫化亜鉛、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、燐酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、加水ハロイサイト等の無機系白色着色剤や、アクリル系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、アミド系樹脂粒子、ポリカーボネート系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、尿素−ホルマリン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子等の有機系白色着色剤等が挙げられる。白色着色剤の使用量は特に限定されず、所望の光学特性を付与できるように適宜調整した量とすることができる。
発泡体基材の表面には、必要に応じて、適宜の表面処理が施されていてもよい。この表面処理は、例えば、隣接する材料(例えば粘着剤層)に対する密着性を高めるための化学的または物理的な処理であり得る。かかる表面処理の例としては、コロナ放電処理、クロム酸処理、オゾン曝露、火炎曝露、紫外線照射処理、プラズマ処理、下塗剤(プライマー)の塗付等が挙げられる。
ここに開示される技術において、発泡体基材の第一面、および第二面に設けられた第一粘着剤層、および第二粘着剤層に含まれる粘着剤の種類は特に限定されない。該粘着剤としては、例えばアクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系、シリコーン系、ポリアミド系、フッ素系等の各種ポリマー(粘着性ポリマー)から選択される1種または2種以上をベースポリマーとして含む粘着剤であり得る。好ましい一態様では、上記粘着剤層の主成分がアクリル系粘着剤である。ここに開示される技術は、実質的にアクリル系粘着剤からなる粘着剤層を備えた両面粘着シートの形態で好ましく実施され得る。
ここで「アクリル系粘着剤」とは、アクリル系ポリマーをベースポリマー(ポリマー成分のなかの主成分、すなわち50重量%以上を占める成分)とする粘着剤を指す。「アクリル系ポリマー」とは、一分子中に少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(以下、これを「アクリル系モノマー」ということがある。)を主構成単量体成分(モノマーの主成分、すなわちアクリル系ポリマーを構成するモノマーの総量のうち50重量%よりも多くを占める成分)とするポリマーを指す。また、本明細書中において「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基を包括的に指す意味である。同様に、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートを包括的に指す意味である。
上記アクリル系ポリマーは、典型的には、アルキル(メタ)アクリレートを主構成単量体成分とするポリマーである。上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記式(7)で表される化合物を好適に用いることができる。
CH=C(R)COOR (7)
ここで、上記式(7)中のRは水素原子またはメチル基である。Rは炭素原子数1〜20のアルキル基である。粘着特性に優れた粘着剤が得られやすいことから、Rが炭素原子数2〜14(以下、このような炭素原子数の範囲をC2−14と表わすことがある。)のアルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。C2−14のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、等が挙げられる。
好ましい一態様では、アクリル系ポリマーの合成に使用するモノマーの総量のうち、凡そ50重量%以上(典型的には50重量%以上99.9重量%以下)、より好ましくは70重量%以上(典型的には70重量%以上99.9重量%以下)、例えば凡そ85重量%以上(典型的には85重量%以上99.9重量%以下)が、上記式(7)におけるRがC2−14のアルキル(メタ)アクリレート(より好ましくはC4−10のアルキル(メタ)アクリレート。特に好ましくは、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートの一方または両方)から選択される一種または二種以上により占められる。このようなモノマー組成から得られたアクリル系ポリマーによると、良好な粘着特性を示す粘着剤が形成されやすいので好ましい。
特に限定するものではないが、ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマーとしては、水酸基(−OH)を有するアクリル系モノマーが共重合されたものを好ましく用いることができる。水酸基を有するアクリル系モノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルアクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。かかる水酸基含有アクリル系モノマーは、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
このような水酸基含有アクリル系モノマーが共重合されたアクリル系ポリマーによると、粘着力と凝集力とのバランスに優れ、再剥離性に優れた粘着剤が得られやすいので好ましい。特に好ましい水酸基含有アクリル系モノマーとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。例えば、上記ヒドロキシアルキル基におけるアルキル基が炭素原子数2〜4の直鎖状であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを好ましく使用し得る。
このような水酸基含有アクリル系モノマーは、アクリル系ポリマーの合成に使用するモノマーの総量のうち凡そ0.001重量%以上10重量%以下の範囲で使用されることが好ましい。このことによって、上記粘着力と凝集力とをより高レベルでバランスさせた両面粘着シートが実現され得る。水酸基含有アクリル系モノマーの使用量を凡そ0.01重量%以上5重量%以下(例えば0.05重量%以上2重量%以下)とすることにより、さらに良好な結果が達成され得る。あるいは、ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマーは、水酸基含有アクリル系モノマーが共重合されていないものであってもよい。
ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマーには、本発明の効果を顕著に損なわない範囲で、上記以外のモノマー(その他モノマー)が共重合されていてもよい。かかるモノマーは、例えば、アクリル系ポリマーのガラス転移温度の調整、粘着性能(例えば剥離性)の調整等の目的で使用することができる。例えば、粘着剤の凝集力や耐熱性を向上させ得るモノマーとして、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステル類、芳香族ビニル化合物等が挙げられる。また、アクリル系ポリマーに架橋基点となり得る官能基を導入し、あるいは接着力の向上に寄与し得るモノマーとして、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルエーテル類等が挙げられる。例えば、上記その他モノマーとしてカルボキシル基含有モノマーが共重合されたアクリル系ポリマーが好ましい。
スルホン酸基含有モノマーとしては、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム等が例示される。
リン酸基含有モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートが例示される。
シアノ基含有モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が例示される。
ビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等が例示される。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、その他の置換スチレン等が例示される。
また、カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が例示される。
酸無水物基含有モノマーとしては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、上記カルボキシル基含有モノマーの酸無水物体等が挙げられる。
アミド基含有モノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等が例示される。
アミノ基含有モノマーとしては、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が例示される。
イミド基含有モノマーとしては、シクロへキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロへキシルマレイミド、イタコンイミド等が例示される。
エポキシ基含有モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が例示される。
ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等が例示される。
このような「その他モノマー」は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよいが、全体としての含有量は、アクリル系ポリマーの合成に使用するモノマーの総量のうち凡そ40重量%以下(典型的には、0.001重量%以上40重量%以下)とすることが好ましく、凡そ30重量%以下(典型的には0.01重量%以上30重量%以下、例えば0.1重量%以上10重量%以下)とすることがより好ましい。上記その他モノマーとしてカルボキシル基含有モノマーを用いる場合、その含有量は、上記モノマー総量のうち例えば0.1重量%以上10重量%以下とすることができ、通常は0.2重量%以上8重量%以下、例えば0.5重量%以上5重量%以下とすることが適当である。また、上記その他モノマーとしてビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)を用いる場合、その含有量は、上記モノマー総量のうち例えば0.1重量%以上20重量%以下とすることができ、通常は0.5重量%以上10重量%以下とすることが適当である。
上記アクリル系ポリマーの共重合組成は、該ポリマーのガラス転移温度(Tg)が−15℃以下(典型的には−70℃以上−15℃以下)となるように設計されていることが適当であり、好ましくは−25℃以下(例えば−60℃以上−25℃以下)、より好ましくは−40℃以下(例えば−60℃以上−40℃以下)である。アクリル系ポリマーのTgが高すぎると、該アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含む粘着剤の粘着力(例えば、低温環境下における粘着力、粗面に対する粘着力等)が低下しやすくなることがあり得る。アクリル系ポリマーのTgが低すぎると、上記粘着剤の曲面接着性が低下したり、再剥離性が低下(たとえば、糊残りが発生)しやすくなったりすることがあり得る。
アクリル系ポリマーのTgは、モノマー組成(すなわち、該ポリマーの合成に使用するモノマーの種類や使用量比)を適宜変えることにより調整することができる。ここで、アクリル系ポリマーのTgとは、該ポリマーを構成する各モノマーの単独重合体(ホモポリマー)のTgおよび該モノマーの重量分率(重量基準の共重合割合)に基づいてフォックス(Fox)の式から求められる値をいう。ホモポリマーのTgとしては、公知資料に記載の値を採用するものとする。
ここに開示される技術では、上記ホモポリマーのTgとして、具体的には以下の値を用いるものとする。
2−エチルヘキシルアクリレート −70℃
ブチルアクリレート −55℃
エチルアクリレート −22℃
メチルアクリレート 8℃
メチルメタクリレート 105℃
シクロヘキシルメタクリレート 66℃
酢酸ビニル 32℃
スチレン 100℃
アクリル酸 106℃
メタクリル酸 228℃
上記で例示した以外のホモポリマーのTgについては、「Polymer Handbook」(第3版、JohnWiley&Sons,Inc、1989年)に記載の数値を用いるものとする。
「Polymer Handbook」(第3版、JohnWiley&Sons,Inc、1989年)にも記載されていない場合には、以下の測定方法により得られる値を用いるものとする。
具体的には、温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却管を備えた反応器に、モノマー100重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部及び重合溶媒として酢酸エチル200重量部を投入し、窒素ガスを流通させながら1時間攪拌する。このようにして重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し10時間反応させる。次いで、室温まで冷却し、固形分濃度33重量%のホモポリマー溶液を得る。次いで、このホモポリマー溶液を剥離ライナー上に流延塗付し、乾燥して厚さ約2mmの試験サンプル(シート状のホモポリマー)を作製する。この試験サンプルを直径7.9mmの円盤状に打ち抜き、パラレルプレートで挟み込み、粘弾性試験機(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、機種名「ARES」)を用いて周波数1Hzのせん断歪みを与えながら、温度領域−70℃〜150℃、5℃/分の昇温速度でせん断モードにより粘弾性を測定し、せん断損失弾性率G”のピークトップ温度に相当する温度(G”カーブが極大となる温度)をホモポリマーのTgとする。
ここに開示される技術における粘着剤は、該粘着剤のせん断損失弾性率G”のピークトップ温度が−10℃以下(典型的には−40℃以上−10℃以下)となるように設計されていることが好ましい。例えば、上記ピークトップ温度が−35℃以上−15℃以下となるように設計された粘着剤が好ましい。せん断損失弾性率G”のピークトップ温度は、厚さ1mmのシート状の粘着剤を、直径7.9mmの円盤状に打ち抜き、パラレルプレートで挟み込み、上記粘弾性試験機(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、機種名「ARES」)を用いて周波数1Hzのせん断歪みを与えながら、温度領域−70℃〜150℃、5℃/分の昇温速度でせん断モードにより損失弾性率G”の温度依存性を測定し、そのピークトップに相当する温度(G”カーブが極大となる温度)を求めることにより把握することができる。
なお、アクリル系ポリマーのせん断損失弾性率G”のピークトップ温度は、該アクリル系ポリマーのモノマー組成(すなわち、該ポリマーの合成に使用するモノマーの種類や使用量比)を適宜変えることにより調整することができる。粘着剤のせん断損失弾性率G”のピークトップ温度は、アクリル系ポリマーのモノマー組成(すなわち、該ポリマーの合成に使用するモノマーの種類や使用量比)や、後述する粘着付与剤の使用の有無、使用する場合における種類や使用量等を適宜変えることにより調整することができる。
かかるアクリル系ポリマーを得る方法は特に限定されず、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法等の、アクリル系ポリマーの合成手法として知られている各種の重合方法を適宜採用することができる。例えば、溶液重合法を好ましく用いることができる。溶液重合を行う際のモノマー供給方法としては、全モノマー原料を一度に供給する一括仕込み方式、連続供給(滴下)方式、分割供給(滴下)方式等を適宜採用することができる。重合温度は、使用するモノマーおよび溶媒の種類、重合開始剤の種類等に応じて適宜選択することができ、例えば20℃〜170℃(典型的には40℃〜140℃)程度とすることができる。
溶液重合に用いる溶媒は、公知ないし慣用の有機溶媒から適宜選択することができる。例えば、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類(典型的には芳香族炭化水素類);酢酸エチル、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素類;1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルカン類;イソプロピルアルコール、1−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の低級アルコール類(例えば、炭素原子数1〜4の一価アルコール類);tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類;メチルエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;等から選択されるいずれか1種の溶媒、または2種以上の混合溶媒を用いることができる。全圧1気圧における沸点が20℃以上200℃以下(より好ましくは、25℃以上150℃以下)の範囲にある有機溶媒(混合溶媒であり得る。)の使用が好ましい。
重合に用いる開始剤は、重合方法の種類に応じて、公知ないし慣用の重合開始剤から適宜選択することができる。例えば、アゾ系重合開始剤を好ましく使用し得る。アゾ系重合開始剤の具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が挙げられる。
重合開始剤の他の例としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、過酸化水素等の、過酸化物系開始剤;フェニル置換エタン等の、置換エタン系開始剤;芳香族カルボニル化合物;等が挙げられる。重合開始剤のさらに他の例として、過酸化物と還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤が挙げられる。かかるレドックス系開始剤の例としては、過酸化物とアスコルビン酸との組み合わせ(過酸化水素水とアスコルビン酸との組み合わせ等)、過酸化物と鉄(II)塩との組み合わせ(過酸化水素水と鉄(II)塩との組み合わせ等)、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ、等が挙げられる。
このような重合開始剤は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、全モノマー成分100重量部に対して0.005重量部以上1重量部以下(典型的には0.01重量部以上1重量部以下)程度の範囲から選択することができる。
かかる溶液重合によると、アクリル系ポリマーが有機溶媒に溶解した態様の重合反応液が得られる。ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマーとしては、上記重合反応液または該反応液に適当な後処理を施したものを好ましく用いることができる。典型的には、後処理を施した後のアクリル系ポリマー含有溶液を適当な粘度(濃度)に調整して使用する。あるいは、溶液重合方法以外の重合方法(例えば、エマルション重合、光重合、バルク重合等)を利用してアクリル系ポリマーを合成し、該重合体を有機溶媒に溶解させて溶液状に調製したものを用いてもよい。
ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマーは、その重量平均分子量(Mw)が小さすぎると、粘着剤の凝集力が不足して被着体表面への糊残りを生じやすくなり、あるいは曲面接着性が低下しやすくなる場合があり得る。一方、Mwが大きすぎると、被着体に対する粘着力が低下しやすくなることがあり得る。粘着性能と再剥離性とを高レベルでバランスさせるためには、Mwが10×10以上500×10以下の範囲にあるアクリル系ポリマーが好ましい。Mwが20×10以上400×10以下(例えば30×10以上300×10以下)のアクリル系ポリマーによると、より良好な結果が実現され得る。ここでMwとは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により得られた標準ポリスチレン換算の値をいう。
ここに開示される技術における粘着剤組成物は、粘着付与樹脂を含む組成であり得る。粘着付与樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ロジン系、テルペン系、炭化水素系、エポキシ系、ポリアミド系、エラストマー系、フェノール系、ケトン系等、の各種粘着付与樹脂を用いることができる。このような粘着付与樹脂は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
ロジン系粘着付与樹脂の具体的としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の未変性ロジン(生ロジン);これらの未変性ロジンを水添化、不均化、重合等により変性した変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、その他の化学的に修飾されたロジン等);その他の各種ロジン誘導体;等が挙げられる。上記ロジン誘導体の例としては、未変性ロジンをアルコール類によりエステル化したもの(すなわち、ロジンのエステル化物)、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)をアルコール類によりエステル化したもの(すなわち、変性ロジンのエステル化物)等のロジンエステル類;未変性ロジンや変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン類;ロジンエステル類を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類;未変性ロジン、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)、不飽和脂肪酸変性ロジン類または不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類におけるカルボキシル基を還元処理したロジンアルコール類;未変性ロジン、変性ロジン、各種ロジン誘導体等のロジン類(特に、ロジンエステル類)の金属塩;ロジン類(未変性ロジン、変性ロジン、各種ロジン誘導体等)にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジンフェノール樹脂;等が挙げられる。
テルペン系粘着付与樹脂の例としては、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体などのテルペン系樹脂;これらのテルペン系樹脂を変性(フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性等)した変性テルペン系樹脂;等が挙げられる。上記変性テルペン系樹脂の例としては、テルペン−フェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂等が挙げられる。
炭化水素系粘着付与樹脂の例としては、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂(スチレン−オレフィン系共重合体等)、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂等の各種の炭化水素系の樹脂が挙げられる。脂肪族系炭化水素樹脂としては、炭素原子数4〜5程度のオレフィンおよびジエンから選択される一種または二種以上の脂肪族炭化水素の重合体等が例示される。上記オレフィンの例としては、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン等が挙げられる。上記ジエンの例としては、ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン等が挙げられる。芳香族系炭化水素樹脂の例としては、炭素原子数8〜10程度のビニル基含有芳香族系炭化水素(スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、メチルインデン等)の重合体等が挙げられる。脂肪族系環状炭化水素樹脂の例としては、いわゆる「C4石油留分」や「C5石油留分」を環化二量体化した後に重合させた脂環式炭化水素系樹脂;環状ジエン化合物(シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ジペンテン等)の重合体またはその水素添加物;芳香族系炭化水素樹脂または脂肪族・芳香族系石油樹脂の芳香環を水素添加した脂環式炭化水素系樹脂;等が挙げられる。
ここに開示される技術では、上記粘着付与樹脂として、軟化点(軟化温度)が凡そ100℃以上(好ましくは凡そ120℃以上、より好ましくは凡そ135℃以上、例えば140℃以上)であるものを好ましく使用し得る。また、上述した下限値以上の軟化点を持つテルペンフェノール樹脂を好ましく使用し得る。かかる粘着付与樹脂によると、より耐反撥性に優れた両面粘着シートが実現され得る。粘着付与樹脂の軟化点の上限は特に制限されず、例えば凡そ200℃以下(典型的には凡そ180℃以下)とすることができる。なお、ここでいう粘着付与樹脂の軟化点は、JIS K 5902およびJIS K 2207のいずれかに規定する軟化点試験方法(環球法)によって測定された値として定義される。
粘着付与樹脂の使用量は特に制限されず、目的とする粘着性能(接着力等)に応じて適宜設定することができる。例えば、固形分基準で、アクリル系ポリマー100重量部に対して、粘着付与樹脂を凡そ10重量部以上100重量部以下(より好ましくは15重量部以上80重量部以下、さらに好ましくは20重量部以上60重量部以下)の割合で使用することが好ましい。
上記粘着剤組成物には、必要に応じて架橋剤が用いられていてもよい。架橋剤の種類は特に制限されず、公知ないし慣用の架橋剤(例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、アミン系架橋剤等)から適宜選択して用いることができる。架橋剤は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。架橋剤の使用量は特に制限されず、例えば、アクリル系ポリマー100重量部に対して凡そ10重量部以下(例えば凡そ0.005重量部以上10重量部以下、好ましくは凡そ0.01重量部以上5重量部以下)程度の範囲から選択することができる。
上記粘着剤組成物は、必要に応じて、レベリング剤、架橋助剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料、染料等)、帯電防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の、粘着剤組成物の分野において一般的な各種の添加剤を含有するものであり得る。このような各種添加剤については、従来公知のものを常法により使用することができ、特に本発明を特徴づけるものではないので、詳細な説明は省略する。
剥離ライナーとしては、両面粘着シートの分野において周知ないし慣用のものを適宜選択して用いることができる。例えば、ライナー基材の表面に剥離処理が施された構成の剥離ライナーを好適に用いることができる。この種の剥離ライナーを構成するライナー基材(剥離処理対象)としては、各種の樹脂フィルム類、紙類、布類、ゴムシート類、発泡体シート類、金属箔、これらの複合体(例えば、紙の両面にオレフィン系樹脂がラミネートされた積層構造のシート)等を適宜選択して用いることができる。上記剥離処理は、公知または慣用の剥離処理剤(例えば、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等の剥離処理剤)を用いて常法により行うことができる。また、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリエチレン/ポリプロピレン混合物)、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン)等の低接着性のライナー基材を、該ライナー基材の表面に剥離処理を施すことなく剥離ライナーとして用いてもよい。あるいは、かかる低接着性のライナー基材に剥離処理を施したものを用いてもよい。
粘着剤組成物の塗付は、例えば、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター等の、公知ないし慣用のコーターを用いて行うことができる。特に限定するものではないが、粘着剤組成物の塗付量は、乾燥後において(すなわち固形分基準で)例えば凡そ5μm以上150μm以下の厚さ(片面当たりの厚さ)の粘着剤層が形成される程度の量とすることができる。両面粘着シートの軽量化および/または薄型化と粘着性能を高レベルでバランスさせる観点からは、上記片面当たりの粘着剤層の厚さを凡そ10μm以上110μm以下とすることが適当であり、凡そ15μm以上100μm以下(より好ましくは20μm以上75μm以下、例えば20μm以上50μm以下、典型的には20μm以上35μm以下)とすることが好ましい。架橋反応の促進、製造効率向上等の観点から、粘着剤組成物の乾燥は加熱下で行うことが好ましい。通常は、例えば凡そ40℃〜120℃程度の乾燥温度を好ましく採用することができる。
発泡体基材上に粘着剤層を形成する方法としては、従来公知の種々の方法を適用し得る。例えば、上記粘着剤組成物を発泡体基材に直接塗付する方法(直接法)、適当な剥離面上に上記粘着剤組成物を塗付して該剥離面上に粘着剤層を形成し、その粘着剤層を発泡体基材に貼り合せて転写する方法(転写法)等が挙げられる。これらの方法を組み合わせて用いてもよい。また、第一粘着剤層と第二粘着剤層とで異なる方法を採用してもよい。溶媒を含む粘着剤組成物を用いる場合には、架橋反応の促進、製造効率向上等の観点から、該粘着剤組成物を加熱下で乾燥させることが好ましい。
粘着剤層の合計厚み(第一粘着剤層の厚さと、第二粘着剤層の厚さとの合計値)は、特に限定されないが、例えば、10μm以上300μm以下とすることができる。粘着性能の観点から、通常は、粘着剤層の合計厚みを20μm以上とすることが適当であり、好ましくは30μm以上、より好ましくは40μm以上である。また、所望の特性を発揮し得る発泡体基材の厚みを確保しやすいという観点から、通常は、粘着剤層の合計厚みを250μm以下とすることが適当であり、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下、例えば70μm以下である。
第一粘着剤層の厚みと第二粘着剤層の厚みとは、同一の厚みであってもよく、相互に異なる厚みであってもよい。通常は、両粘着剤層の厚みが概ね同程度である構成を好ましく採用し得る。また各粘着剤層は、単層および多層のいずれの形態を有していてもよい。
ここに開示される両面粘着シートは、本発明の効果を大きく損なわない範囲で、発泡体基材および粘着剤層以外の層(中間層、下塗り層等。以下「他の層」ともいう。)をさらに含んでもよい。例えば、発泡体基材といずれか一方または両方の粘着剤層との間に上記他の層が設けられていてもよい。このような構成の両面粘着シートでは、上記他の層の厚みは両面粘着シートの総厚み(すなわち、一方の粘着面から他方の粘着面までの厚み)に含まれる。
ここに開示される技術の好ましい一態様によると、押圧接着力が45N/cm以上(より好ましくは60N/cm以上、典型的には75N/cm以上、例えば80N/cm以上)の性能を示す両面粘着シートが提供され得る。このように押圧接着力の高い両面粘着シートは、例えば細幅化した該両面粘着シートと被着体とを貼り合わせた場合であっても、内部応力による剥がれが生じにくく、接着信頼性に優れるので好ましい。
上記押圧接着力は、横59cm、縦113cm、幅1mmの窓枠状(「額縁状」ともいう)の両面粘着シートにより、ステンレス鋼板(SUS板)とガラス板とを5kgのローラを1往復させる圧着条件で貼り合わせることによって評価用サンプルを作製し、この評価用サンプルにおいて上記ガラス板を10mm/分の負荷速度で内部から外部に向かってガラス板の厚み方向に押圧して、ガラス板とSUS板とが分離するまでの間に観測される最大応力として定義される。より詳しくは、上記押圧接着力は、後述する実施例に記載の手順により測定することができる。
ここに開示される技術の他の好ましい一態様によると、後述する実施例に記載の方法で行われる耐衝撃性評価において、室温(23℃)において18回落下させ、その後、低温(−5℃)において60回落下させた後にも剥がれが認められないレベルの耐衝撃性を示す両面粘着シートが実現され得る。
ここに開示される技術の他の好ましい一態様によると、後述する実施例に記載の方法で行われるステンレス鋼(SUS304BA)に対する180°剥離試験において、ピール強度(剥離強度)が15N/20mm以上(より好ましくは16N/20mm以上、さらに好ましくは17N/20mm以上)の性能を示す両面粘着シートが提供され得る。このようにSUS304BAに対するピール強度が高い両面粘着シートは、被着体と良好な接着性能を示すため好ましい。
ここに開示される両面粘着シートは、所望の光学特性(透過率、反射率等)を有するものであり得る。例えば、遮光用途に用いられる両面粘着シートは、可視光透過率が0%以上15%以下(より好ましくは0%以上10%以下)であることが好ましい。また、光反射用途に用いられる両面粘着シートは、可視光反射率が20%以上100%以下(より好ましくは25%以上100%以下)であることが好ましい。両面粘着シートの光学特性は、例えば、上述のように発泡体基材を着色すること等により調整することができる。
ここに開示される両面粘着シートは、金属の腐食防止等の観点から、ハロゲンフリーであることが好ましい。両面粘着シートがハロゲンフリーであることは、例えば、この両面粘着シートが電気・電子部品の固定に用いられ得る場合において、有利な特徴となり得る。また、燃焼時におけるハロゲン含有ガスの発生を抑制し得るので、環境負荷軽減の観点からも好ましい。ハロゲンフリーの両面粘着シートは、ハロゲン化合物を発泡体基材や粘着剤の原料として意図的に用いないこと、ハロゲン化合物を意図的に配合しない発泡体基材を用いること、添加剤を用いる場合にハロゲン化合物由来の添加剤を用いないこと、等の手段を単独で、あるいは適宜組み合わせて採用することにより得ることができる。
ここに開示される両面粘着シートは、特に限定されないが、例えば、SUS、アルミニウム等の金属材料;ガラス、セラミックス等の無機材料;ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂材料;天然ゴム、ブチルゴム等のゴム材料;およびこれらの複合素材等からなる被着体に対して用いることができる。
ここに開示される両面粘着シートは、優れた押圧接着力を示し、接着信頼性が高いものとなり得る。また、ここに開示される両面粘着シートは、発泡体基材を含むことから防水性、凹凸追従性、シール性、耐反撥性に優れたものとなり得る。したがって、このような特長を生かして、電子機器用途、例えば、携帯型電子機器(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型パソコン、ノートパソコン等)の表示部を保護する保護パネル(レンズ)固定用、携帯電話のキーモジュール部材固定用、テレビのデコレーションパネル固定用、パソコンのバッテリーパック固定用、デジタルビデオカメラのレンズ防水用等の用途に好ましく適用され得る。特に好ましい用途として、携帯型電子機器に好ましく使用され得る。例えば、このような携帯型電子機器において、表示部を保護する保護パネル(レンズ)と筐体とを接合する用途等に好適である。
なお、本明細書における「レンズ」は、光の屈折作用を示す透明体及び光の屈折作用のない透明体の両方を含む概念である。つまり、本明細書における「レンズ」には、屈折作用がない、単なる携帯型電子機器の表示部を保護する保護パネルも含まれる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り重量基準である。
以下の説明において、重量平均分子量(Mw)は次のようにして測定した。
粘着剤組成物を130℃で2時間乾燥させた後、テトラヒドロフラン(THF)に12時間浸漬してTHF可溶分を溶出させ、該THF可溶分を0.1g/リットルの濃度で含むTHF溶液を調製した。このTHF溶液を平均孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した濾液につきGPCを行って、THF可溶分の重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)を求めた。GPC装置としては、東ソー株式会社製品、機種名「HLC−8320GPC」(カラム:TSKgel GMH−H(S))を使用した。
両面粘着シート(例1〜例4)のサンプルは、それぞれ次のようにして作製した。
(例1)
[アクリル系ポリマーの作製]
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器、滴下ロートを備えた反応容器内において、n−ブチルアクリレート100部と、アクリル酸5部と、重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.2部とを、トルエンを溶媒として溶解させた。その後、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、反応容器内の液温を60℃付近に保って約6時間重合反応を行い、アクリル系ポリマーを得た。得られた溶液中のアクリル系ポリマーは重量平均分子量Mwが55×10であった。
[粘着剤組成物の作製]
次に、上記アクリル系ポリマー溶液(不揮発分)100部に対し、粘着付与樹脂としてテルペンフェノール樹脂(荒川化学工業株式会社製、製品名「タマノル803L」)30部と、テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製、製品名「YSポリスターS145」)10部とを添加し、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名「コロネートL」)1部と、エポキシ系架橋剤(三菱瓦斯化学株式会社製、製品名「テトラッドC」)0.03部とを加えてアクリル系粘着剤組成物を作製した。
発泡体基材としてポリエチレン樹脂製発泡体シート(以下「基材A」という。)を用意した。上記基材Aの厚みは150μmであり、25%圧縮強度は108kPaであり、流れ方向の引張強さ(引張強度(MD))は3.18MPaであり、幅方向の引張強さ(引張強度(CD))は5.50MPaであった。上記基材Aに含まれる気泡の流れ方向(MD)、幅方向(CD)、厚み方向(VD)の各平均気泡径と、それらの比であるアスペクト比(CD/VD)およびアスペクト比(MD/CD)を、上述した測定方法により測定ならびに算出したところ、上記基材Aのアスペクト比(CD/VD)は2.3であり、アスペクト比(MD/CD)は2.6であった。図2に上記基材AをCDとVDに平行する平面(すなわち垂線の向きがMDと一致するような平面)で切断したときの断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したときの写真を示す。
上記粘着剤組成物を、市販の剥離ライナー(住化加工紙株式会社製、製品名「SLB−80W3D」)の一方の面に、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗付し、100℃で2分間乾燥させて粘着剤層を形成した。次に、上記粘着剤層を、上記基材Aの一方の表面に貼り合わせることにより、片面粘着シートを得た。
次に、上記粘着剤組成物を上記と同じ剥離ライナーの一方の面に、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗付し、100℃で2分間乾燥させて粘着剤層を形成した。その粘着剤層を、上記片面粘着シートにおける発泡体基材の他方の表面に貼り合わせた。その後、得られた構造体を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間養生した。このようにして総厚みが200μmである両面粘着シート(例1)を得た。
(例2)
上記基材Aの代わりに基材Bを使用すること以外は、上記例1の両面粘着シートの作製と同様にして、総厚みが150μmである両面粘着シート(例2)を得た。
ここで基材Bは、その厚みは100μmであり、25%圧縮強度は149kPaであり、流れ方向の引張強さ(引張強度(MD))は4.62MPaであり、幅方向の引張強さ(引張強度(CD))は7.51MPaであった。上記基材Bは、そのアスペクト比(CD/VD)は1.9であり、アスペクト比(MD/CD)は2.8であった。
(例3)
上記基材Aの代わりに基材Cを使用すること以外は、上記例1の両面粘着シートの作製と同様にして、総厚みが200μmである両面粘着シート(例3)を得た。
ここで基材Cは、その厚みは150μmであり、25%圧縮強度は150kPaであり、流れ方向の引張強さ(引張強度(MD))は9.50MPaであり、幅方向の引張強さ(引張強度(CD))は8.20MPaであった。上記基材Cは、そのアスペクト比(CD/VD)は9.0であり、アスペクト比(MD/CD)は0.7であった。図3に上記基材CをCDとVDに平行する平面(すなわち垂線の向きがMDと一致するような平面)で切断したときの断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したときの写真を示す。
(例4)
上記基材Aの代わりに基材Dを使用すること以外は、上記例1の両面粘着シートの作製と同様にして、総厚みが150μmである両面粘着シート(例4)を得た。
ここで基材Dは、その厚みは100μmであり、25%圧縮強度は75kPaであり、流れ方向の引張強さ(引張強度(MD))は1.99MPaであり、幅方向の引張強さ(引張強度(CD))は2.97MPaであった。上記基材Dは、そのアスペクト比(CD/VD)は4.3であり、アスペクト比(MD/CD)は0.9であった。
上記例1〜例4の両面粘着シートを作製するのに用いた基材の厚さ、種類、見かけ密度、架橋度、平均気泡径アスペクト比(CD/VD、およびMD/CD)、25%圧縮強度、引張強さ(MDおよびCD)、90℃加熱寸法変化率(MDおよびCD)を表1にまとめた。また、上記基材の両面に形成された粘着剤層の厚さ、および上記両面粘着シートの総厚さについて表1にまとめた。
<評価試験>
(1)押圧接着力
両面粘着シートを、図4に示すような横59mm、縦113mm、幅1mmの窓枠状(額縁状)にカットして、窓枠状両面粘着シートを得た。この窓枠状両面粘着シートを用いて、横59mm、縦113mm、厚み1mmのガラス板(コーニング社製Gorillaガラスを使用した。以下、同じ。)と、中央部に直径15mmの貫通孔を有するステンレス鋼板(SUS板)(横70mm、縦130mm、厚み2mm)とを、5kgのローラを1往復させて圧着することにより貼り合わせて、評価用サンプルを得た。
図4は、上記評価用サンプルの概略図であって、(a)は上面図、(b)はA−A’断面図である。図4において、符号21はSUS板、符号2は窓枠状両面粘着シート、符号22はガラス板、符号21AはSUS板21に設けられた貫通孔を示している。
これらの評価用サンプルを、万能引張圧縮試験機(装置名「引張圧縮試験機、TG−1kN」ミネベア(株)製)にセットした。そして、SUS板の貫通孔に丸棒を通過させ、この丸棒を10mm/分の速度で下降させることにより、ガラス板をSUS板から離れる方向に押圧した。そして、ガラス板とSUS板とが分離するまでの間に観測された最大応力を押圧接着力(単位:N/cm)として測定した。なお、測定は23℃、50%RHの環境下で行った。
図5は、押圧接着力の測定方法を示す概略断面図であり、符号21はSUS板、符号2は窓枠状の両面粘着シート、符号22はガラス板、符号23は丸棒、符号24は支持台を示す。評価用サンプルは、引張圧縮試験機の支持台24に図5に示すように固定され、評価用サンプルのガラス板22は、SUS板21の貫通孔21Aを通過した丸棒23により押圧される。なお、上記押圧接着力測定において、SUS板21は、ガラス板22が丸棒23で押圧されることにより加わる負荷によって撓んだり破損したりすることはなかった。
(2)ピール強度試験(対SUS304BA)
両面粘着シートの一方の粘着面に厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼り合わせ、これを幅20mm、長さ100mmのサイズにカットして測定サンプルを作製した。
23℃、50%RHの環境下にて、上記測定サンプルの他方の粘着面を露出させ、該他方の粘着面をステンレス鋼板(SUS304BA板)の表面に、2kgのローラを1往復させて圧着した。これを同環境下に30分間放置した後、上記万能引張圧縮試験機を使用して、JIS Z 0237に準じて、引張速度300mm/分、剥離角度180度の条件で剥離し、このときの平均荷重を測定することにより、ピール強度(「剥離強度」ともいう。単位:N/20mm幅)を求めた。
(3)耐衝撃性(室温および低温)
両面粘着シートを、図6に示すような横59mm、縦113mm、幅1mmの窓枠状(額縁状)にカットして、窓枠状両面粘着シートを得た。この窓枠状両面粘着シートを用いて、第一のPC板(ポリカーボネート板;横70mm、縦130mm、厚み2mm)と第二のPC板(横59mm、縦113mm、厚み0.55mm)とを、5kgのローラを1往復させる条件で圧着することにより貼り合わせて、評価用サンプルを得た(図6(a)(b)参照)。
図6は、上記評価用サンプルの概略図であって、(a)は上面図、(b)はそのB−B’断面図である。図6において、符号31は第一のPC板、符号3は窓枠状の両面粘着シート、符号32は第二のPC板を示している。
これらの評価用サンプルの、第一のPC板の背面(第二のPC板と貼り合わされた面とは反対側の面)に、160gの錘を取り付けた。上記錘付きの評価用サンプルにつき、室温(23℃)において、1.2mの高さからコンクリート板に18回自由落下させる落下試験を行った。このとき、上記評価用サンプルの6面が順次下方となるように、落下の向きを調節した。すなわち、6面につきそれぞれ1回の落下パターンを3サイクル行った。
そして、1回落下させる毎に、第一のPC板と第二のPC板との間に剥がれが生じたか否かを目視で確認し、剥がれが生じるまでの落下回数を、室温(23℃)での耐衝撃性として評価した。18回落下させた後にも剥がれが認められなかった場合には「18回以上」または「>18」と表示した。
上述した室温での耐衝撃性試験において、18回落下させた後にも剥がれが認められなかったサンプルについては、引き続き、低温(−5℃)における耐衝撃性試験を行った。すなわち室温での耐衝撃性試験の試験後における評価用サンプルを、−5℃の環境下において、1.2mの高さからコンクリート板に自由落下させる落下試験を行い、1回落下させる毎に、第一のPC板と第二のPC板との間に剥がれが生じたか否かを目視で確認し、剥がれが生じるまでの落下回数を、低温(−5℃)での耐衝撃性として評価した。このとき、上記評価用サンプルの6面につきそれぞれ1回の落下パターンを10サイクル行い、60回落下させた後にも剥がれが認められなかった場合には「60回以上」または「>60」と表示した。
例1〜例4の両面粘着シートにおける上述した評価の結果は、上記表1に示す。
上記表1に示されるように、発泡体基材のアスペクト比(CD/VD)が3以下であり、アスペクト比(MD/CD)が1より大きい発泡体基材を備えた両面粘着シート例1および例2は、両面粘着シート例3および例4と比べて、高い押圧接着力を示すことが明らかとなった。また、例1および例2の両面粘着シートは優れたピール強度を示した。加えて、例1および例2の両面粘着シートは、室温(23℃)および低温(−5℃)において高い耐衝撃性を示した。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 両面粘着シート
11 第一粘着剤層
11A 第一粘着面
12 第二粘着剤層
12A 第二粘着面
15 発泡体基材
15A 第一面
15B 第二面
17 剥離ライナー
17A 剥離ライナーの前面
17B 剥離ライナーの背面
2 両面粘着シート
21 ステンレス鋼(SUS)板
21A 貫通孔
22 ガラス板
23 丸棒
24 支持台
3 両面粘着シート
31,32 ポリカーボネート板

Claims (5)

  1. 発泡体基材と、
    前記発泡体基材の第一面に設けられた第一粘着剤層と、
    前記発泡体基材の第二面に設けられた第二粘着剤層とを含み、
    前記発泡体基材は、その厚さが1000μm以下であり、
    前記発泡体基材は、前記発泡体基材の厚さ方向(VD)の平均気泡径に対する前記発泡体基材の幅方向(CD)の平均気泡径の比で表されるアスペクト比(CD/VD)が3以下であり、
    前記発泡体基材は、前記発泡体基材の幅方向(CD)の平均気泡径に対する前記発泡体基材の流れ方向(MD)の平均気泡径の比で表されるアスペクト比(MD/CD)が1より大きい、両面粘着シート。
  2. 前記両面粘着シートは、その厚さが100μm以上500μm以下である、請求項1に記載の両面粘着シート。
  3. 前記発泡体基材は、ポリオレフィン系発泡体基材である、請求項1または2に記載の両面粘着シート。
  4. 前記発泡体基材は、その25%圧縮強度が50kPa以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載の両面粘着シート。
  5. 携帯型電子機器の部品を接合するために用いられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の両面粘着シート。
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