JP2023084028A - 粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分な耐熱性、耐電解液性、耐加熱収縮性を有する粘着テープの提供。【解決手段】 基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられた粘着剤層と、を有する粘着テープであって、前記粘着剤層が、ベースポリマーと架橋剤とを反応させて得られた架橋ポリマーを含む粘着剤組成物を含み、前記架橋剤がエポキシ系架橋剤及びイソシアネート系架橋剤を含み、前記ベースポリマーの量を100質量部としたときに、前記エポキシ系架橋剤の量MEが0.01質量部超0.10質量部未満であり、前記ベースポリマーの量を100質量部としたときに、前記イソシアネート系架橋剤の量MIが0.10質量部以上であり、MI/ME>1である粘着テープ。【選択図】 なし

Description

本発明は、粘着テープに関し、特に電子部品等の固定に適した粘着テープに関する。
コンデンサ素子は、陽極箔と陰極箔とをセパレーターを介して巻き取り、円筒状の筐体に挿入して製造される。また、巻き取られた陽極、陰極及びセパレーター(コンデンサ素子)は、粘着テープによって固定(巻き止め)される場合がある。
コンデンサ素子の巻き止めに使用される粘着テープには、[1]半田リフロー後にも十分な巻き止め性能を発揮すること(耐熱性)、[2]コンデンサ内に充填される電解液に接触した状態でも十分な巻き止め性能を発揮すること(耐電解液性)等が求められる。これらの性能を満たすことで、リフロー時の熱等や電解液との接触等により粘着テープの緩みを防止し、コンデンサの性能が十分に発揮される。
特許文献1には、コンデンサ素子の巻き止めに適した粘着テープが開示されている。具体的には、特許文献1には、基材と、該基材の少なくとも片面に配置された粘着剤層とを備え、該粘着剤層が、ベースポリマーを含み、該ベースポリマーの酸価が45mgKOH/g~150mgKOH/gである粘着テープが開示されている。特許文献1には、このような粘着テープによれば、耐熱性に優れ、高温下でもコンデンサ素子を良好に巻き止め可能であることが開示されている。
特開2016-125026号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された粘着テープでは、耐熱性及び耐電解液性(熱環境及び電解液環境での接着性)並びに耐加熱収縮性が十分ではない場合があった。
そこで本発明は、十分な耐熱性、耐電解液性、耐加熱収縮性を有する粘着テープの提供を課題とする。
本発明は、鋭意研究のもと、特定の成分を含む粘着剤組成物を用いることで上記課題を解決可能なことを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、
基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられた粘着剤層と、を有する粘着テープであって、
前記粘着剤層が、ベースポリマーと架橋剤とを反応させて得られた架橋ポリマーを含む粘着剤組成物を含み、
前記架橋剤がエポキシ系架橋剤及びイソシアネート系架橋剤を含み、
前記ベースポリマーの量を100質量部としたときに、前記エポキシ系架橋剤の量Mが0.01質量部超0.10質量部未満であり、
前記ベースポリマーの量を100質量部としたときに、前記イソシアネート系架橋剤の量Mが0.10質量部以上であり、
/M>1である、粘着テープである。
前記架橋ポリマーのゲル分率が60~90%であってもよい。
前記ベースポリマーが、Tgが20℃以下である低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと、カルボキシル基含有モノマーとを含む構成モノマーを共重合して得られた共重合体であってもよい。
前記構成モノマー中、アルキル部分の炭素数が5以上の前記低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が、前記構成モノマー全量を基準として30質量%以上であってもよい。
前記構成モノマー中、アルキル部分の炭素数が5未満の前記低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が、前記構成モノマー全量を基準として10質量%以下であってもよい。
前記粘着テープは、80℃以上の熱処理に供される電子部品または電子部品構成材料の固定に用いられてもよい。
本発明によれば、十分な耐熱性、耐電解液性、耐加熱収縮性を有する粘着テープを提供することができる。このような粘着テープによれば、コンデンサ素子を含む電子部品等を適切に固定することができる。
以下、粘着剤組成物、粘着剤組成物を含む粘着テープ、粘着テープが適用されたコンデンサ素子について詳細に説明するが、本発明は以下には何ら限定されない。
また、本発明は、粘着剤組成物を製造するための原料組成物であってもよい。原料組成物は、粘着剤組成物の全部の原料を含んでいてもよいし、一部の原料を含んでいてもよい。その場合、原料組成物に含まれる原料は、適宜選択可能であり、その場合の配合量や用途、製造方法等は、粘着剤組成物についての記載に準じる。
本明細書において、複数の上限値と複数の下限値とが別々に記載されている場合、これらの上限値と下限値を自由に組み合わせて設定可能な全ての数値範囲が本明細書に記載されているものと解するべきである。
本明細書において開示された化合物に異性体が存在する場合、特に断らない限り、存在し得る全ての異性体が本発明において使用可能である。
本明細書において、含有量や配合量等について説明されたものは、特に断らない限り、揮発成分を除いた成分(固形分)についての量を示すものとする。また、本明細書において、「量」、「含有量」、「配合量」等は、矛盾のない範囲で適宜相互に読み替えることができる。
本明細書において、各モノマーのTg(ガラス転移温度)とは、各モノマーをホモポリマーとした際のTgを示す。Tgは従来公知の物性であり、例えば、各ホモポリマーについて示差走査熱量測定(DSC)を実施することで計測することができる。
本明細書において分類された各成分は、特に断らない限り、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
電子部品とは、電気製品に使用される部品であれば特に限定されない。電子部品の具体例としては、コンデンサ素子、コイル、トランス、電池、リード線等が挙げられる。電子部品構成材料とは、これらの電子部品を構成する材料である。
<<<<<粘着剤組成物>>>>>
<<<<成分>>>>
粘着剤組成物は、架橋ポリマーを含む。また、粘着剤組成物は、その他の成分を含んでいてもよい。
<<<架橋ポリマー>>>
架橋ポリマーは、ベースポリマーを架橋させて得られたものであり、換言すれば、ベースポリマーと架橋剤とを反応させて得られたものである。
<<架橋剤>>
架橋剤は、エポキシ系架橋剤とイソシアネート系架橋剤とを含むことが好ましい。エポキシ系架橋剤及びイソシアネート系架橋剤を併用することで、多段階の温度範囲で架橋反応が生じるように制御することが可能になる。より具体的には、特に、エポキシ系架橋剤とイソシアネート系架橋剤とを組み合わせることで、コンデンサ素子の巻き止め用をはじめとした電子部品止め用のテープとした際に、加熱処理(リフロー処理等)前後における粘着テープの架橋状態を適切に制御し易くなり、その結果、各温度段階で求められる粘着テープの性質を適切に制御し易くなると考えられる。粘着剤組成物は未反応の架橋剤を含んでいてもよい。
<エポキシ系架橋剤>
エポキシ系架橋剤としては、一分子中にエポキシ基を2個以上(好ましくは2~5個、より好ましくは2~4個)有する化合物を使用可能である。
エポキシ系架橋剤としては、具体的には、グリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
エポキシ系架橋剤は、三菱ガス化学社製「テトラッドX」等の市販品であってもよい。
ベースポリマーの量を100質量部としたときのエポキシ系架橋剤の量Mは、0.001質量部超、0.01質量部超、0.02質量部以上又は0.05質量部以上であることが好ましい。また、エポキシ系架橋剤の量Mは、1.0質量部未満、0.10質量部未満又は0.08質量部未満であることが好ましい。
エポキシ系架橋剤の量Mをこのような範囲とすることで、粘着剤組成物の耐熱性や耐電解液性を高めることが可能である。
イソシアネート系架橋剤を用いると共にエポキシ系架橋剤の量Mを0.10質量部未満とすることで、粘着テープの耐熱性や耐電解液性を特に高めることができる。
イソシアネート系架橋剤を用いると共にエポキシ系架橋剤の量Mを0.01質量部超とすることで、耐熱性や耐電解液性をバランスよく高めつつも粘着テープの耐加熱収縮性を特に高めることができる。
<イソシアネート系架橋剤>
イソシアネート系架橋剤としては、一分子中にイソシアネート基を2個以上(好ましくは2~5個、より好ましくは2~4個)有する化合物を使用可能である。
イソシアネート系架橋剤としては、具体的には、
トルエンジイソシアネート(TDI)、フェニレンジイソシネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、などの芳香族系の架橋剤及びこれらの水素添加物;
シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式の架橋剤;
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどのアルキレン系の架橋剤;
等が挙げられる。
イソシアネート系架橋剤は、東ソー株式会社製「コロネートL」、三井化学株式会社製「タケネートD-101E」等の市販品であってもよい。
ベースポリマーの量を100質量部としたときのイソシアネート系架橋剤の量Mは、0.01質量部以上、0.05質量部以上、0.10質量部以上、0.5質量部以上又は1.0質量部以上であることが好ましい。また、イソシアネート系架橋剤の量Mは、25質量部以下、15質量部以下、10質量部以下、5質量部以下又は3質量部以下であることが好ましい。
イソシアネート系架橋剤の量Mをこのような範囲とすることで、加熱処理(リフロー処理等)前後における粘着テープの架橋状態を適切に制御し易くなると共に、粘着剤組成物の耐熱性や耐電解液性を高めることが可能である。
イソシアネート系架橋剤の量Mを0.10質量部以上とすることで、粘着テープの耐加熱収縮性を特に高めることができる。
/Mは、1超、2以上、5以上、10以上、20以上又は25以上であることが好ましい。また、M/Mは、500以下、200以下、100以下、75以下又は50以下であることが好ましい。
/Mをこのような範囲とすることで、粘着剤組成物の耐熱性や耐電解液性を高めることが可能である。
<その他の架橋剤>
架橋剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、エポキシ系架橋剤及びイソシアネート系架橋剤以外の架橋剤(例えば、多価金属系架橋剤、ポリオール系架橋剤、ポリアミン系架橋剤等の公知の架橋剤)を含んでいてもよい。
ベースポリマーの量を100質量部としたときのその他の架橋剤の量は、10質量部以下、5質量部以下、2質量部以下、1質量部以下又は0.1質量部以下であることが好ましい。
<<ベースポリマー>>
ベースポリマーは、架橋可能な官能基(例えば、アクリロイル基等の不飽和炭素結合を含む官能基)を有するものを使用可能である。
以下、好ましいベースポリマーについて説明する。
ベースポリマーは、複数の共重合可能なモノマー(構成モノマーとする。)を共重合させて得られた共重合体であることが好ましい。
<構成モノマー>
構成モノマーは、低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを含むことが好ましい。また、構成モノマーは、カルボキシル基含有モノマーを含むことが好ましい。構成モノマーとしてこのようなモノマーを使用することにより、粘着剤組成物の耐熱性や耐電解液性をバランスよく高めることが可能である。
構成モノマーは、その他のモノマーを含んでいてもよい。
(低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー)
低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、ホモポリマーとした際のTgが、20℃未満であり、好ましくは、0℃未満、-20℃未満又は-50℃未満である。Tgの下限値は特に限定されないが、例えば-90℃又は-80℃である。
低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA、Tg:-70℃、アルキル部分の炭素数8)、アクリル酸イソノニル(INA、Tg:-58℃、アルキル部分の炭素数9)、アクリル酸ブチル(BA、Tg:-55℃、アルキル部分の炭素数4)、アクリル酸ラウリル(LA、Tg:-23℃、アルキル部分の炭素数12)、メタクリル酸ラウリル(LMA、Tg:-65℃、アルキル部分の炭素数12)、アクリル酸イソステアリル(ISA、Tg:-18℃、アルキル部分の炭素数:18)等が挙げられる。
構成モノマーは、アルキル部分の炭素数が5以上、6以上又は8以上の低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを含むことが好ましい。なお、この炭素数の上限は特に限定されないが、例えば、30、25又は20等とすればよい。
構成モノマー中、アルキル部分の炭素数が5以上の低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量は、構成モノマー全量を基準として30質量%以上、45質量%以上又は60質量%以上であることが好ましい。
アルキル部分の炭素数が5以上の低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量をこのような範囲とすることで、粘着剤組成物の耐熱性や耐電解液性をバランスよく高めることが可能である。
構成モノマーは、アルキル部分の炭素数が5未満の低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを含んでいてもよい。
構成モノマー中、アルキル部分の炭素数が5未満の低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量は、構成モノマー全量を基準として、15質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、2質量%以下、1質量%未満又は0.1質量%未満であることが好ましい。
アルキル部分の炭素数が5未満の低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量をこのような範囲とすることで、粘着剤組成物の耐熱性や耐電解液性をバランスよく高めることが可能である。
(カルボキシル基含有モノマー)
カルボキシル基含有モノマーは、カルボキシル基と、他の構成モノマーと共重合するための官能基(不飽和炭素結合を有する官能基であり、例えばビニル基)と、を有する。カルボキシル基含有モノマーは、典型的には、カルボキシル基と不飽和炭素結合を有する官能基とを1つずつ有する。
カルボキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート、2-アクリロイロキシエチル-コハク酸、2-アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-アクリロイロキシエチル-フタル酸等が挙げられる。
構成モノマーにおいて、カルボキシル基含有モノマーの含有量は、構成モノマー全量を基準として、0.5質量%以上、1質量%以上、2質量%以上又は3質量%以上であることが好ましく、15質量%以下、10質量%以下、8質量%以下又は7質量%以下であることが好ましい。
カルボキシル基含有モノマーの含有量をこのような範囲とすることで、粘着剤組成物のプローブタック、耐熱性、耐電解液性等を高めることが可能である。
(その他のモノマー)
構成モノマーは、高Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステル、Tgが-20℃以上である脂環基含有(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリルアミド誘導体から選択される1種以上を含んでいてもよい。
高Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、Tgが20℃以上又は50℃以上となるモノマーである。Tgの上限値は特に限定されないが、例えば200℃、190℃又は180℃である。
高Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びTgが-20℃以上である脂環基含有(メタ)アクリル酸エステルは、アルキル部分又は脂環基の炭素数が5以上、6以上又は8以上であることが好ましい。なお、この炭素数の上限は特に限定されないが、例えば、30、25又は20等である。脂環基は、単環構造であっても多環構造であってもよい。
高Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸イソボルニル(IBOA、Tg:97℃、アルキル部分の炭素数:10)、メタクリル酸イソボルニル(IBOMA、Tg:180℃、アルキル部分の炭素数:10)等が挙げられる。
Tgが-20℃以上である脂環基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸シクロヘキシル(CHA、Tg:15℃、脂環基の炭素数:6)、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA、Tg:66℃、脂環基の炭素数6)、アクリル酸ジシクロペンタニル(Tg:120℃、脂環基の炭素数:10)、メタクリル酸ジシクロペンタニル(Tg:175℃、脂環基の炭素数:10)等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド誘導体は、(メタ)アクリルアミドの末端水素原子が他の置換基で置換された化合物である。
(メタ)アクリルアミド誘導体としては、アクリロイルモルフォリン(ACMO、Tg:145℃、アクリルアミド誘導体)、ジエチルアクリルアミド(DEAA、Tg:81℃、アクリルアミド誘導体)、ジメチルアクリルアミド(DMAA、Tg:119℃、アクリルアミド誘導体)、イソプロピルアクリルアミド(NIPAM、Tg:134℃、アクリルアミド誘導体)、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA、Tg:134℃、アクリルアミド誘導体)等が挙げられる。
高Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステル、Tgが-20℃以上である脂環基含有(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリルアミド誘導体の含有量は、構成モノマー全量を基準として、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上とすることができ、また、30質量%以下又は25質量%以下とすることができる。
構成モノマーは、更に別のモノマーを含んでいてもよい。その場合、別のモノマーの含有量は、構成モノマー全量を基準として、10質量%以下、5質量%以下又は1質量%以下であることが好ましい。
<ベースポリマーの重量平均分子量>
ベースポリマーの重量平均分子量は、100,000以上、200,000以上、300,000以上又は500,000以上であることが好ましく、また、3,000,000以下、2,000,000以下、1,500,000以下又は1,000,000以下であることが好ましい。
ベースポリマーの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算分子量から求めたものである。
<ベースポリマーのTg>
ベースポリマーのTgは、-10℃以下、-20℃以下又は-30℃以下であることが好ましく、また、-80℃以上、-70℃以上、-60℃以上又は-50℃以上であることが好ましい。
ベースポリマーのTgは、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定してもよいし、構成モノマーの種類及び割合から理論値を算出してもよい。
<<<架橋ポリマーのゲル分率>>>
架橋ポリマーのゲル分率は、通常、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上又は95質量%以上とすることができる。
ここで、粘着組成物及び粘着テープを、電子部品止め用(特に、コンデンサ素子巻き止め用)とし、加熱処理(例えば、リフロー処理)に供される用途とした場合、その加熱処理前後でゲル分率が変化する場合がある。特に、架橋剤がエポキシ系架橋剤とイソシアネート系架橋剤とを含むことで、加熱処理(例えば、リフロー処理)前には比較的低いゲル分率の状態を維持する一方で、加熱処理(リフロー処理)後には比較的高いゲル分率とすることができる。このように、本実施形態に係る粘着組成物、粘着テープ若しくはコンデンサ素子が、加熱処理前であるか、又は、加熱処理後であるかによって、架橋ポリマーの好ましいゲル分率が異なる場合がある。
粘着剤組成物が加熱処理に供される場合、架橋ポリマーのゲル分率は、50質量%以上、60質量%以上又は70質量%以上であることが好ましく、また、95質量%以下、90質量%以下又は85質量%以下であることが好ましい。
加熱処理によって十分な架橋が完了した粘着組成物(例えば、リフロー処理によって基板に組み付けられた状態のコンデンサ素子中の粘着組成物等)においては、架橋ポリマーのゲル分率は、70質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上又は95質量%であることが好ましい。このゲル分率の上限値は、特に限定されないが、98質量%又は99質量%とすることができる。
より具体的には、粘着剤組成物が加熱処理に供される場合、粘着剤組成物における架橋ポリマーのゲル分率をGfとし、200℃で1h時間加熱した後の粘着剤組成物における架橋ポリマーのゲル分率をGfとした場合に、Gfが50質量%以上、60質量%以上又は70質量%以上であり、Gfが70質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上又は95質量%であり、Gf/Gfが、1.00超、1.05以上、1.10以上、1.15以上又は1.20以上であることが好ましい。このような範囲とすることで、加熱処理(例えば、リフロー処理)に供される電子部品止め用の粘着テープに特に適した粘着剤組成物とすることができる。
架橋ポリマーのゲル分率をこのような範囲とすることで、粘着剤組成物の耐熱性や耐電解液性をバランスよく高めることが可能である。
ゲル分率は、モノマーの種類、架橋剤の種類及び架橋剤の量、熱処理の温度及び時間等によって調整することができる。
<<<その他の成分>>>
粘着剤組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の成分を含むことができる。その他の成分としては、充填剤(例えば、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、カーボンブラックなど)、界面活性剤、有機顔料、無機顔料、安定剤、シランカップリング剤、スペーサー粒子、粘着付与剤、可塑剤などの公知の添加剤が挙げられる。
また、粘着剤組成物の製造時には、作業性を向上させるために、溶媒等が添加される場合がある。製造時に配合され得るこのような溶媒等は、粘着剤組成物に残存していてもよいが、溶媒が除去されていることが好ましい。
<<<<<粘着テープ>>>>>
粘着テープは、基材と、基材の少なくとも片面に設けられた粘着剤層とを有する。
粘着テープの幅は、適用対象(例えば、電子部品)のサイズ等を考慮して、適宜調整すればよい。
粘着テープは、例えば、長尺状に形成され、必要に応じて軸芯に巻き取られた状態で提供されてもよいし、テープ状に裁断される前のフィルム状のものとして提供されてもよい。
粘着テープは、基材の両面に粘着剤層を有する両面テープであってもよい。
<<<<粘着剤層>>>>
粘着剤層は、前述の粘着剤組成物からなる。
粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、例えば、2~100μm、5~50μm、10~40μm又は12~35μmとすることができる。
<<<<基材>>>>
基材は、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜選択できるが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)及び植物繊維からなる群より選択された少なくとも一種からなることが好ましい。
粘着テープをアルミ電解コンデンサ用等とする場合、耐加水分解性の観点から、基材が、ポリプロピレン(PP)及び/又はポリフェニレンサルファイド(PPS)からなることが好ましい。
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)は、合成樹脂フィルムであってもよいし、合成樹脂繊維であってもよい。
基材が合成樹脂繊維及び植物繊維からなる場合、抄くことで形成されたものであってもよい。
また、基材が合成樹脂フィルムからなる場合、耐熱性を向上させるという観点から、延伸フィルム(例えば、一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルム)であることが好ましい。
基材の厚さは、特に限定されないが、例えば、5~100μm又は9~50μmとすることができる。
基材層の表面には、適宜の表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、粘着剤層との密着性を向上させるためのコロナ処理や、基材の粘着剤層と接触しない面に実施される剥離処理等が挙げられる。
<<<<その他の層>>>>
粘着テープは、従来公知のその他の層を含んでいてもよい。その他の層としては、例えば、基材と粘着剤層との接着性を高めるプライマー層や、粘着剤層に接触するように設けられ、使用時には除去されるセパレーター層等が挙げられる。なお、生産性や環境負荷を考慮すると、直巻き(ノンセパレーター)であることが好ましい。
<<<<<粘着剤組成物及び粘着テープの製造方法>>>>>
粘着剤組成物及び粘着テープは、従来公知の方法に従って製造することができる。
粘着剤組成物は、以下の手順により製造可能である。
先ず、ベースポリマーと架橋剤とを含み、必要に応じて、その他の添加剤や溶媒を含む原料組成物を調製する(原料調製工程)。
次に、原料組成物を加熱し、溶媒を除去するとともに、ベースポリマーを架橋し、粘着剤組成物を得る(架橋工程)。
また、粘着テープは、以下の手順により製造可能である。
先ず、ベースポリマーと架橋剤とを含み、必要に応じて、その他の添加剤や溶媒を含む原料組成物を調製する(原料調製工程)。
次に、原料組成物を基材上に塗工する(塗工工程)。
次に、原料組成物を加熱することで、溶媒を除去するとともに、ベースポリマーを架橋し、粘着テープを得る(架橋工程)。
また、必要に応じて、切断及び巻き取り等を行う(加工工程)。
予めフィルム状等に形成した粘着剤層を基材に積層させることで、粘着テープを製造してもよい。
原料組成物が含有可能な溶媒としては、特に限定されず、従来公知の溶媒を使用可能である。
ここで、前述したように、架橋工程においては粘着剤組成物中に未反応の架橋剤が残存する温度及び時間にて架橋反応を止め、粘着テープを電子部品止め用として適用した後の加熱処理において残りの未反応の架橋剤を反応させる処理とすることが好ましい。この場合、架橋工程における加熱条件は、例えば、80℃未満の加熱としたり、30~60℃の加熱とすることができる。加熱時間は、例えば、24~168時間とすることができる。
架橋工程は、粘着剤組成物中に未反応の架橋剤が残存しない程度の温度条件にて実施されてもよい。この場合、架橋工程における加熱条件は、例えば、80℃以上、100℃以上、120℃以上、150℃以上又は200℃以上の加熱としたり、200~280℃の加熱とすることができる。加熱時間は、例えば、1~60分とすることができる。
架橋工程において、溶媒の除去と架橋とを同時に実施してもよいし、溶媒の除去と架橋とを別々に実施してもよい。
<<<<用途>>>>
本実施形態に係る粘着剤組成物及び粘着テープは、種々の用途に使用することができるが、電子部品止め用(電子部品又は電子部品構成材料の固定用)とすることが好ましい。
本実施形態に係る粘着剤組成物及び粘着テープは、特に、電解液に接触した状態や高熱環境に曝された後であっても、十分な耐熱性及び耐電解液性を有するという点で、コンデンサ巻き止め用(特に、アルミコンデンサ巻き止め用)とすることが最適である。
より具体的には、複数の薄膜電極(陽極箔及び陰極箔)を、必要に応じてセパレーター又は電解紙を介して捲回して構成された巻回体と、巻回体を巻き止めする(巻回体の外周部に貼付して薄膜電極を固定する)粘着テープと、電解液と、を含むコンデンサ素子(特に、アルミ電解コンデンサ素子)とすることができる。
ここで、コンデンサ素子を基板等に備え付けた後に、加熱処理(リフロー処理や導電性接着剤を硬化させるための加熱処理)が実施されることがある。この際に、コンデンサ素子も加熱環境に曝される。本実施形態に係るコンデンサ素子は、このような加熱処理が実施されていないコンデンサ素子、及び、このような加熱処理が実施された後のコンデンサ素子、のいずれであってもよい。
前述した通り、このような加熱処理を実施する場合には、加熱処理前の粘着剤組成物の好ましいゲル分率と、加熱処理後の粘着剤組成物の好ましいゲル分率とが異なる場合がある。具体的には、加熱処理を実施する前のコンデンサ素子においては、粘着剤組成物における架橋ポリマーのゲル分率をGfとし、加熱処理を実施した後の粘着剤組成物における架橋ポリマーのゲル分率をGfとした場合に、Gfが50質量%以上、60質量%以上又は70質量%以上であることが好ましく、Gfが70質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上又は95質量%であることが好ましく、Gf/Gfが、1.00超、1.05以上、1.10以上、1.15以上又は1.20以上であることが好ましい。
このような加熱処理における加熱温度は、コンデンサ素子以外の部品(例えば、はんだ)等によっても異なるが、例えば、80℃以上、120℃以上、150℃以上又は200℃以上等とすることができる。換言すれば、本実施形態に係る粘着剤組成物及び粘着テープは、80℃以上、120℃以上、150℃以上又は200℃以上の環境で使用されることに適した粘着剤組成物及び粘着テープである。
このような加熱処理における加熱時間は、例えば、5分以上、10分以上、30分以上、1時間以上とすることができる。
本実施形態に係る粘着剤組成物及び粘着テープのその他の用途としては、耐熱性及び耐電解液性に優れるという観点から、Liイオン2次電池の電極絶縁用等として使用することもできる。
なお、コンデンサ素子以外の電子部品も、リフローによる高熱環境に曝され、且つ、コンデンサ素子から滲み出た電解液等に暴露され得る。そのため、本実施形態に係る粘着剤組成物及び粘着テープは、電子部品止め用(電子部品又は電子部品構成材料の固定用)の範囲内における、コンデンサ素子巻き止め用以外の用途にも好ましく使用することができる。
また、粘着剤組成物及び粘着テープをコンデンサ素子巻き止め用とした場合、径が小さいほど基材の反発力による端末剥がれへの影響が大きくなる。そのため、小径のコンデンサ程、高い粘着性能が求められる。本実施形態に係る粘着剤組成物及び粘着テープは、優れた粘着性を有するため、小径のコンデンサ素子(例えば、直径4-20mmのコンデンサ素子)用とすることが可能である。
<<<<<本発明の好ましい形態>>>>>
以下、本発明の好ましい形態について、具体的に説明する。
<<<<形態1>>>>
本形態1は、ベースポリマーと架橋剤とを反応させて得られた架橋ポリマーを含む粘着剤組成物であって、
前記ベースポリマーが、Tgが20℃以下である低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと、カルボキシル基含有モノマーとを含む構成モノマーを共重合して得られた共重合体であり、
前記構成モノマー中、アルキル部分の炭素数が5以上の前記低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が、前記構成モノマー全量を基準として30質量%以上であり、
前記構成モノマー中、アルキル部分の炭素数が5未満の前記低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が、前記構成モノマー全量を基準として10質量%以下であり、
前記架橋剤がエポキシ系架橋剤及びイソシアネート系架橋剤を含み、
前記ベースポリマーの量を100質量部としたときに、前記エポキシ系架橋剤の量Mが0.10質量部未満である
ことを特徴とする、粘着剤組成物である。
また、本形態1は、基材と前記基材の少なくとも片面に設けられた粘着剤層とを有し、前記粘着剤層が前記粘着剤組成物を含む、粘着テープである。
前記粘着テープは、80℃以上の環境にて使用されてもよい。
前記粘着テープは、電子部品又は電子部品構成材料の固定に用いられてもよい。
前記粘着テープは、コンデンサ素子巻き止め用であってもよい。
本形態1によれば、優れた耐熱性及び耐電解液性を有する粘着剤組成物が提供される。このような粘着剤組成物を使用して得られる粘着テープによれば、コンデンサ素子を含む電子部品等を適切に固定することができる。
<<<<形態2>>>>
本形態2は、
基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられた粘着剤層と、を有する粘着テープであって、
前記粘着剤層が、ベースポリマーと架橋剤とを反応させて得られた架橋ポリマーを含む粘着剤組成物を含み、
前記架橋剤がエポキシ系架橋剤及びイソシアネート系架橋剤を含み、
前記ベースポリマーの量を100質量部としたときに、前記エポキシ系架橋剤の量Mが0.01質量部超0.10質量部未満であり、
前記ベースポリマーの量を100質量部としたときに、前記イソシアネート系架橋剤の量Mが0.10質量部以上である、粘着テープである。
前記架橋ポリマーのゲル分率が60~90%であってもよい。
前記ベースポリマーが、Tgが20℃以下である低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと、カルボキシル基含有モノマーとを含む構成モノマーを共重合して得られた共重合体であってもよい。
前記構成モノマー中、アルキル部分の炭素数が5以上の前記低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が、前記構成モノマー全量を基準として30質量%以上であってもよい。
前記構成モノマー中、アルキル部分の炭素数が5未満の前記低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が、前記構成モノマー全量を基準として10質量%以下であってもよい。
前記粘着テープは、80℃以上の熱処理に供される電子部品又は電子部品構成材料の固定に用いられてもよい。
本形態2によれば、十分な耐熱性、耐電解液性、耐加熱収縮性を有する粘着テープを提供することができる。このような粘着テープによれば、コンデンサ素子を含む電子部品等を適切に固定することができる。
<<<<形態3>>>>
本形態3は、
複数の薄膜電極を巻回して構成された巻回体と、前記巻回体を巻き止めする粘着テープと、電解液と、を含むコンデンサ素子であって、
前記粘着テープは、基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられた粘着剤層と、を有し、
前記粘着剤層が、ベースポリマーと架橋剤とを反応させて得られた架橋ポリマーを含む粘着剤組成物を含み、
前記架橋剤がエポキシ系架橋剤及びイソシアネート系架橋剤を含む、コンデンサ素子である。
前記ベースポリマーが、Tgが20℃以下である低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと、カルボキシル基含有モノマーとを含む構成モノマーを共重合して得られた共重合体であってもよい。
前記構成モノマー中、アルキル部分の炭素数が5以上の前記低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が、前記構成モノマー全量を基準として30質量%以上であってもよい。
前記構成モノマー中、アルキル部分の炭素数が5未満の前記低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が、前記構成モノマー全量を基準として10質量%以下であってもよい。
前記架橋ポリマーのゲル分率が85%以上であってもよい。
前記コンデンサ素子は、アルミ電解コンデンサであってもよい。
本形態3によれば、巻き止め性が高められたコンデンサ素子を提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらには何ら限定されない。
<<<<粘着テープの製造>>>>
以下の手順に基づいて、粘着テープを製造した。
基材として二軸延伸ポリフェニレンサルファイドフィルム[商品名「トレリナ3040」(厚さ:16μm)、東レ(株)製、両面コロナ処理]を用いた。
必要に応じて、基材の一方の面上に、プライマーを塗布し、乾燥させた。
他方の面上に長鎖アルキル系剥離剤を塗布し、乾燥させた(乾燥後の塗布量5mg/m)。
次いで、基材のプライマー塗布面に、ベースポリマーと架橋剤と溶媒とを含む原料組成物を塗布し、100℃にて3分間加熱し、溶媒を除去し、所定の厚さである粘着剤組成物からなる粘着剤層を形成した。
なお、架橋に際しては、50℃にて72時間加熱し、ベースポリマーの架橋を完了させた。
各例は、使用した粘着剤組成物を変更した粘着テープである。
各例で使用した、ベースポリマーの構成モノマーの種類及び架橋剤の種類、並びに、それらの配合量(固形分の質量部)を表に示す。
一部の粘着テープについては、基材へのプライマー塗布を実施しなかった。
表中、テトラッド(登録商標)Xは三菱ガス化学社製のエポキシ系架橋剤であり、ナーセム(登録商標)Alは日本化学産業株式会社製の金属系架橋剤であり、コロネート(登録商標)Lは東ソー株式会社製のポリイソシアネート系の架橋剤である。
表中に示されたTgは、従来公知の物性であり、例えば、各ホモポリマーについて示差走査熱量測定(DSC)を実施することで計測することができ、表中に示された炭素数は側鎖の炭素数を示している。
<<<ゲル分率>>>
粘着剤をTHFに溶解させ、室温環境下で24時間静置し、その後、200メッシュの金属製メッシュを用いて、ゲル分を分離した。分離したゲル分を乾燥させてその質量を測定した。得られた値を当初THFに溶かした粘着剤の質量で除したものをゲル分率とした。
<<<加熱後ゲル分率>>>
粘着剤を、200℃の環境下で1時間加熱した粘着剤とした以外は、ゲル分率の評価方法と同様に評価した。
<<<重量平均分子量>>>
株式会社島津製作所製GPC装置(LC-20)を用いて、サンプル濃度0.2wt%(THF溶液)、サンプル注入量100μl、溶離液THF、流速1.0ml/min、カラムTOSOH TSK-GMHXL(2本)、検出器 示差屈折計(RI)で評価した。なお、分子量はポリスチレン換算値とした。
<<<<評価>>>>
各実施例及び比較例に係る粘着テープについて、プローブタック、端末剥がれ及び加熱収縮率の評価を行った。評価結果を表1-4に、各評価における評価基準を表5に示す。
<<<プローブタック>>>
ASTM D2979に準拠する方法で、NSプローブタックテスター(ニチバン株式会社製)を用いて、円柱状接触子(プローブ)の直径5mm、押圧100gf/cm、接触時間;1秒、引剥速度;10mm/secの条件下で試験した。
<<<端末剥がれ評価1>>>
<<評価方法>>
5℃の雰囲気下で2mmφのSUS棒に、粘着テープ(幅5mm)を50mm巻き付けて評価用試料を作製した。該評価用試料を23℃のγ-ブチルラクトンに12時間浸漬させ、粘着テープ端末の剥がれた長さを確認した。なお、γ-ブチルラクトンは、電解液として多用される溶剤である。
<<<端末剥がれ評価2>>>
<<評価方法>>
5℃の雰囲気下で2mmφのSUS棒に、粘着テープ(幅5mm)を50mm巻き付けて評価用試料を作製した。該評価用試料を105℃のγ-ブチルラクトンに12時間浸漬させ、粘着テープ端末の剥がれた長さを確認した。なお、γ-ブチルラクトンは、電解液として多用される溶剤である。
<<<加熱収縮率評価>>>
<<評価方法>>
アルミパネルに貼付した粘着テープの自背面に、評価用粘着テープ(幅5mm)を50mm貼り付けて評価用試料を作製した。該評価用試料を260℃のオーブンで1時間加熱し、粘着テープの収縮率を下記式に基づいて算出した。
収縮率(%)=(1-加熱後のテープ長さ/加熱前のテープ長さ)×100
Figure 2023084028000001
Figure 2023084028000002
Figure 2023084028000003
Figure 2023084028000004
Figure 2023084028000005
表から理解されるように、形態1に係る粘着剤組成物乃至は粘着テープである例1-21、23-31、33-41は、23℃端末剥がれ、及び、105℃端末剥がれの両方がC評価以上であり、且つ、23℃端末剥がれ、及び、105℃端末剥がれの少なくとも一つがB評価以上であり、優れた耐熱性及び耐電解液性を有することが理解される。
また、表から理解されるように、形態2に係る粘着テープである例1-27、29-32、34-41は、D評価がないことから、耐熱性、耐電解液性、耐加熱収縮性のバランスに優れることが理解される。
更に、表から理解されるように、例1-41は、23℃端末剥がれ、及び、105℃端末剥がれにおいてD評価がないことから、耐熱性、耐電解液性のバランスに優れることが理解される。即ち、これらの粘着テープが適用された形態3に係るコンデンサ素子は、高い巻き止め性を有する(高い信頼性を有する)ことが理解される。

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられた粘着剤層と、を有する粘着テープであって、
    前記粘着剤層が、ベースポリマーと架橋剤とを反応させて得られた架橋ポリマーを含む粘着剤組成物を含み、
    前記架橋剤がエポキシ系架橋剤及びイソシアネート系架橋剤を含み、
    前記ベースポリマーの量を100質量部としたときに、前記エポキシ系架橋剤の量Mが0.01質量部超0.10質量部未満であり、
    前記ベースポリマーの量を100質量部としたときに、前記イソシアネート系架橋剤の量Mが0.10質量部以上であり、
    /M>1である
    ことを特徴とする、粘着テープ。
  2. 前記架橋ポリマーのゲル分率が60~90%である、請求項1記載の粘着テープ。
  3. 前記ベースポリマーが、Tgが20℃以下である低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと、カルボキシル基含有モノマーとを含む構成モノマーを共重合して得られた共重合体であり、
    前記構成モノマー中、アルキル部分の炭素数が5以上の前記低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が、前記構成モノマー全量を基準として30質量%以上であり、
    前記構成モノマー中、アルキル部分の炭素数が5未満の前記低Tg(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が、前記構成モノマー全量を基準として10質量%以下である、請求項1又は2記載の粘着テープ。
  4. 80℃以上の熱処理に供される電子部品または電子部品構成材料の固定に用いられる、請求項1~3のいずれか一項記載の粘着テープ。

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