JP2015155216A - 車両用シート - Google Patents

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JP2015155216A JP2014029993A JP2014029993A JP2015155216A JP 2015155216 A JP2015155216 A JP 2015155216A JP 2014029993 A JP2014029993 A JP 2014029993A JP 2014029993 A JP2014029993 A JP 2014029993A JP 2015155216 A JP2015155216 A JP 2015155216A
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Abstract

【課題】運転席でも適用可能な車両用シートを得る。【解決手段】一対のスライドレール24のうち車両幅方向内側に配置されたスライドレール24の前部側には、一対のスライドレール24の内側に前ラック56が車両前後方向に沿って配設されている。この前ラック56は、回動シート14が、当該回動シート14のスライド範囲内の車両前後方向前部に配置された、いわゆるフロント位置58にある状態で、回転テーブル28に設けられたギヤ34と噛合可能とされている。これにより、回動シート14がフロント位置58にあった場合であっても、回動シート14の回動に伴って当該回動シート14は車両前後方向後方側へスライドさせることができるため、ステアリング66が邪魔にならない。つまり、運転席12でも適用させることができる。【選択図】図7−1

Description

本発明は、車両用シートに関する。
下記特許文献1には、シートの回転とスライドを連動させた車両用シートに関する技術が開示されている。具体的には、リヤ位置(車両前後方向後部位置)にあるシートをそのまま回転させると、シートがセンタピラーと向き合い乗員が乗降できない場合があるため、当該リヤ位置において、シートの回転と車両前後方向前方へのスライドとを連動させるという技術である。
特開平10−329591号公報
しかしながら、この先行技術では、シートがフロント位置(車両前後方向前部位置)にある場合については開示されていないため、フロント位置からリヤ位置まで位置調整させる必要のある運転席での適用が難しい。
本発明は上記事実を考慮し、運転席でも適用可能な車両用シートを得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車両用シートは、車両前後方向に所定量スライド可能に設けられると共に、乗員が着座するシートクッションの前端部が車両前後方向前方側を向く車両走行位置と前記シートクッションの前端部がサイドドア側を向く車両乗降位置との間を回動可能に支持されたシート本体と、前記シート本体が車両前後方向へのスライド範囲内の車両前後方向前部に配置された状態では、当該シート本体の前記車両走行位置から前記車両乗降位置への回動移動に伴ってシート本体を車両前後方向後方側へスライドさせ、前記シート本体が前記スライド範囲内の車両前後方向後部に配置された状態では、当該シート本体の前記車両走行位置から前記車両乗降位置への回動移動に伴ってシート本体を車両前後方向前方側へスライドさせる回動スライド機構と、を有している。
請求項1記載の本発明に係る車両用シートでは、シート本体が、車両前後方向に所定量スライド可能に設けられると共に、シートクッションの前端部が車両前後方向前方側を向く車両走行位置と、シートクッションの前端部がサイドドア側を向く車両乗降位置と、の間を回動可能に支持されている。
ここで、シート本体が車両前後方向へのスライド範囲内の車両前後方向前部(いわゆるフロント位置)にある場合、シート本体を車両走行位置から車両乗降位置へそのまま回動させようとすると、降車時にステアリングが邪魔になってしまう。このため、本発明では、シート本体がフロント位置に配置された状態では、回動スライド機構によって、当該シート本体の車両走行位置から車両乗降位置への回動移動に伴って、シート本体が車両前後方向後方側へスライドするようになっている。なお、ここでの「スライド範囲内の車両前後方向前部」は、シート本体のスライド範囲内の車両前後方向最前部となる、いわゆるフロントモースト位置に限らず、回動スライド機構によって、シート本体の回動移動に伴って当該シート本体が車両前後方向後方側へスライドする領域をいう。
また、シート本体が当該スライド範囲内の車両前後方向後部(いわゆるリヤ位置)にある場合、シート本体を車両走行位置から車両乗降位置へそのまま回動させると、降車時にいわゆるセンタピラーが邪魔になってしまう。このため、本発明では、シート本体がリヤ位置に配置された状態では、回動スライド機構によって、当該シート本体の車両走行位置から車両乗降位置への回動移動に伴って、シート本体が車両前後方向前方側へスライドするようになっている。なお、ここでの「スライド範囲内の車両前後方向後部」は、シート本体のスライド範囲内の車両前後方向最後部となる、いわゆるリヤモースト位置に限らず、回動スライド機構によって、シート本体の回動移動に伴って当該シート本体が車両前後方向前方側へスライドする領域をいう。
請求項2記載の本発明に係る車両用シートは、請求項1記載の本発明に係る車両用シートにおいて、前記回動スライド機構は、前記シート本体のスライド範囲内の車両前後方向前部において車両前後方向に沿って配置された前ラックと、前記シート本体の回動と共に回転し、当該シート本体が車両前後方向前部に配置された状態で前記前ラックに噛合されるギヤと、前記シート本体のスライド範囲内の車両前後方向後部において、前記ギヤを間において前記前ラックの反対側に車両前後方向に沿って配置され、前記シート本体が車両前後方向後部に配置された状態で当該ギヤが噛合する後ラックと、を含んで構成されている。
請求項2記載の本発明に係る車両用シートでは、回動スライド機構は、前ラックとギヤと後ラックとを含んで構成されている。前ラックは、シート本体のスライド範囲内の車両前後方向前部において、車両前後方向に沿って配置されている。一方、ギヤはシート本体の回動と共に回転し、当該シート本体がフロント位置にある場合、当該ギヤは前ラックに噛合されるようになっている。このため、フロント位置にあるシート本体を車両走行位置から車両乗降位置へ回動させると、ギヤが回転し、当該ギヤを介して前ラックに沿って、シート本体が車両前後方向後方側へスライドする。
また、シート本体のスライド範囲内の車両前後方向後部において、ギヤを間において前ラックの反対側には後ラックが車両前後方向に沿って配置されている。この後ラックには、シート本体がリヤ位置にある場合、当該ギヤは後ラックに噛合されるようになっている。このため、リヤ位置にあるシート本体を車両走行位置から車両乗降位置へ回動させると、ギヤが回転し、当該ギヤを介して後ラックに沿って、シート本体が車両前後方向前方側へスライドする。
請求項3記載の本発明に係る車両用シートは、請求項2記載の本発明に係る車両用シートにおいて、車両前後方向に沿った前記前ラックと前記後ラックとの間には、前記シート本体を前記車両走行位置から前記車両乗降位置へ回動させる際に前記ギヤが当該前ラック又は後ラックと噛合しない非噛合領域が設けられている。
請求項3記載の本発明に係る車両用シートでは、車両前後方向に沿った前ラックと後ラックとの間に、ギヤが前ラック又は後ラックと噛合しない非噛合領域が設けられている。この非噛合領域では、シート本体を車両走行位置から車両乗降位置へ回動させる際に当該シート本体の回動移動に伴うスライド移動はない。つまり、シート本体が、車両乗降位置へ回動させた状態でステアリングもセンタピラーも邪魔にならない位置にある場合は、当該シート本体を車両前後方向に沿ってスライドさせる必要はないため、この領域を非噛合領域として設定する。そして、ギヤが非噛合領域にある場合は、シート本体はそのまま回動することになる。
請求項4記載の本発明に係る車両用シートは、請求項2又は請求項3記載の本発明に係る車両用シートにおいて、前記前ラック及び前記後ラックを前記ギヤに対して接離させる接離機構と、前記シート本体が前記車両乗降位置へ配置されかつサイドドアが閉止された状態で、前記前ラック又は前記後ラックを前記ギヤから離間させるように前記接離機構を制御する制御装置と、を有している。
請求項4記載の本発明に係る車両用シートでは、前ラック及び後ラックは、接離機構によってギヤに対して接離可能に設けられている。そして、シート本体が車両乗降位置へ配置されかつサイドドアが閉止された状態で、制御装置によって当該前ラック又は後ラックがギヤから離間するように制御されている。すなわち、乗員の車両乗車時には、前ラック又は後ラックはギヤから離間している。
請求項1記載の本発明に係る車両用シートは、シート本体がフロント位置に配置された状態で、当該シート本体の車両走行位置から車両乗降位置への回動移動に伴って、シート本体を車両前後方向後方側へスライドさせることができるため、運転席でも適用させることができる、という優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用シートは、モータ等による駆動装置を用いた場合と比較して低コストで実施することができる、という優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両用シートは、シート本体において、車両前後方向の位置によっては当該シート本体を車両前後方向に沿ってスライドさせない領域が設けられているため使い勝手が良い、という優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車両用シートは、シート本体に着座した乗員が車両走行前に最適なポジションを探す際、前ラック、後ラック及びギヤに拘束されることなく、当該シート本体を車両前後方向に沿って自由に移動させることができる、という優れた効果を有する。
本実施の形態に係る車両用シートが適用された車両を示す右斜め前方側から見た斜視図である。 本実施の形態に係る車両用シートの構成を示す、図4の2−2線に沿って切断したときの断面図である。 本実施の形態に係る車両用シートのシートスライドロック又はロック解除状態を説明するための動作図である。 本実施の形態に係る車両用シートがフロント位置にあり、かつサイドドアが閉止された状態を示す平面図である。 本実施の形態に係る車両用シートがフロント位置にあり、かつサイドドアが開放された状態を示す平面図である。 本実施の形態に係る車両用シートにおける制御装置の構成を示すブロック図である。 (A)〜(C)は、本実施の形態に係る車両用シートの作用を説明するための平面図であり、フロント位置にある車両用シートの車両走行位置から車両乗降位置までの動作を示している。 (D)、(E)は、本実施の形態に係る車両用シートの作用を説明するための平面図であり、車両用シートの車両乗降位置における動作を示している。 (A)〜(C)は、本実施の形態に係る車両用シートの作用を説明するための平面図であり、リヤ位置にある車両用シートの車両走行位置から車両乗降位置までの動作を示している。 (A)〜(C)は、本実施の形態に係る車両用シートの作用を説明するための平面図であり、非噛合領域にある車両用シートの車両走行位置から車両乗降位置までの動作を示している。 (A)〜(C)は、本実施の形態に係る車両用シートの作用を説明するための平面図であり、車両用シートの車両乗降位置から車両走行位置までの動作を示している。 (D)〜(F)は、本実施の形態に係る車両用シートの作用を説明するための平面図であり、車両用シートの車両走行位置における動作を示している。 (A)〜(C)は、本実施の形態に係る車両用シートの作用を説明するための平面図であり、フロント位置にある車両用シートの車両走行位置から車両乗降位置へ移動する途中までの動作を示している。 本実施の形態に係る車両用回動シートにおいて、車両走行位置から車両乗降位置までの作用を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態に係る車両用回動シートにおいて、車両乗降位置から車両走行位置までの作用を説明するためのフローチャートである。
次に、図面を用いて、本発明の実施の形態に係る車両用シートについて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側、矢印UPは車両上方側、矢印RHは車両右方向、矢印LHは車両左方向をそれぞれ示している。
(車両用シートの構成)
まず、本発明の実施の形態に係る車両用シートの構成について説明する。図1に示されるように、本実施の形態に係る車両用シートは、車両10における車両幅方向右側を運転席12とするシート本体としての回動シート14に適用されている。この回動シート14は、乗員が着座するシートクッション16と、着座する乗員の上体を支持するシートバック18と、を含んで構成されている。
図2に示されるように、車体フロア20には、車両前後方向に沿って延在された一対のシートスライド22が車両幅方向に沿って配置されている。このシートスライド22の上部には、車両前後方向に沿って延在されたスライドレール24がそれぞれ設けられている。このスライドレール24の延在方向に沿ってスライド部材26がスライド可能に設けられている。
スライド部材26には、スライドレール24に対してスライド可能に係合された脚部26Aが設けられており、当該脚部26Aの上端部には、後述する回転テーブル28を回転可能に支持するベース部26Bが設けられている。回転テーブル28の上には、回動シート14が固定されており、脚部26Aを介してスライド部材26がスライドレール24の延在方向に沿ってスライドすることによって、回動シート14が車両前後方向に沿ってスライドする(後述する)。
また、ベース部26Bの中央部には貫通穴30が形成されており、当該貫通穴30内には回転テーブル28を回転可能に支持する軸部32が挿通されている。軸部32の先端部には回動スライド機構の一部を構成するギヤ34が取付けられており、回転テーブル28及び軸部32を介して当該ギヤ34は回転する。
なお、回転テーブル28とベース部26Bとの間には、例えば、図示しないベアリングやコロなどが配設され、回転テーブル28が回転する際の摺動抵抗が小さくなるように設定されている。このため、回転テーブル28及びベース部26Bの形状については、これらの適用に応じて適宜変更可能である。
回動シート14は、図7(A)に示されるように、シートクッション16の前端部16Aが車両前後方向前方側を向く車両走行位置Pと、図7(D)に示されるように、シートクッション16の前端部16Aがサイドドア52側を向く車両乗降位置Qとの間を回動可能とされている。そして、車両走行位置Pや車両乗降位置Qでは、図示しないストッパが設けられており、回転テーブル28の回転が規制されるようになっている。
ここで、図2に示されるように、ベース部26Bには、例えば、回動用ソレノイド36が配設されている。回動用ソレノイド36は、当該回動用ソレノイド36の動作を制御する制御装置38(図6参照)と電気的に接続されている。
回動用ソレノイド36は、通電されないOFFの状態では、当該回動用ソレノイド36を構成する回動用ロックピン40がケース42から突出するようになっている。回動用ロックピン40がケース42から突出した状態で、当該回動用ロックピン40は回転テーブル28と係合するようになっている。このように、回動用ロックピン40が回転テーブル28に係合されることによって、シート回動ロック状態とされ、回動シート14はスライド部材26に対して回動不能とされる。
この状態で、回動用ソレノイド36が通電されONの状態になると、回動用ロックピン40はケース42内へ引き込まれる。これにより、当該回動用ロックピン40は回転テーブル28との係合状態が解除され、シート回動ロック解除状態とされて、回動シート14はスライド部材26に対して回動可能とされる。
以上のことから、本実施形態では、図7(A)に示されるように、回動シート14が車両走行位置Pにある場合、回動用ソレノイド36は通電されないOFFの状態(シート回動ロック状態)となるように設定される必要がある。そして、回動シート14を回動させる際に、回動用ソレノイド36は通電されるONの状態(シート回動ロック解除状態)となるように設定される。
このため、例えば、図6に示されるように、制御装置38にはシフトレバー44が電気的に接続されており、シフトレバー44のポジション位置を示す信号が入力されるようになっている。そして、シフトレバー44をパーキングレンジ(以下、「Pレンジ」という)へ移動させると、所定の信号が当該制御装置38へ入力され、回動用ソレノイド36は通電されシート回動ロック解除状態とされるようになっている。
また、図2に示されるように、スライドレール24にはスライド用ロックピン46が係合可能とされている。当該スライド用ロックピン46がスライドレール24に形成された被係合部(図示省略)に係合されることによって、シートスライドロック状態とされ、回動シート14はスライドレール24に対して車両前後方向に沿った移動が規制される。
ここで、図3に示されるように、シートクッション16の下方側には、スライドレバー48が設けられている。このスライドレバー48を手動により上方側へ引き上げることによって、スライド用ロックピン46とスライドレール24における被係合部との係合状態が解除され、シートスライドロック解除状態とされるようになっている。
そして、スライド用ロックピン46とスライドレール24との係合状態が解除されることで、回動シート14はスライドレール24に沿って車両前後方向(矢印方向)にスライド可能とされる。なお、図2と図3とでスライド用ロックピン46の向きが異なるが、図面の見やすさを考慮して、図3以外では、スライド用ロックピン46の向きは図2に合わせて図示する。
本実施形態では、上記のように、スライド用ロックピン46のロック又はロック解除が手動によりなされるという以外に、制御装置38(図6参照)により制御されるようになっている。具体的には、スライド用ロックピン46は、スライド用ソレノイド50の一部を構成しており、当該スライド用ソレノイド50が制御装置38と電気的に接続されている。
スライド用ソレノイド50は、通電されないOFFの状態では、図4に示されるように、当該スライド用ロックピン46がケース(図示省略)から突出するようになっている。スライド用ロックピン46がケースから突出した状態で、当該スライド用ロックピン46はスライドレール24と係合するようになっている。このように、スライド用ロックピン46がスライドレール24に係合されることによって、シートスライドロック状態とされ、回動シート14はスライドレール24に対して車両前後方向に沿ったスライド移動が規制される。
この状態で、スライド用ソレノイド50が通電されONの状態になると、図5に示されるように、スライド用ロックピン46はケース内へ引き込まれる。これにより、当該スライド用ロックピン46はスライドレール24との係合状態が解除され、シートスライドロック解除状態とされて、回動シート14はスライドレール24に沿って車両前後方向にスライド可能とされる。
そして、本実施形態では、例えば、サイドドア52には当該サイドドア52の開閉を感知するドア開閉センサ54(図6参照)が設けられている。このドア開閉センサ54は制御装置38と電気的に接続されており、サイドドア52が閉止された状態では、スライド用ソレノイド50は通電されないOFFの状態(シートスライドロック状態)となるように設定されている。そして、サイドドア52が開放されると、スライド用ソレノイド50は通電されONの状態(シートスライドロック解除状態)となるように設定されている。
また、本実施形態では、図4に示されるように、一対のスライドレール24のうち車両幅方向内側に配置されたスライドレール24の前部側には、一対のスライドレール24の内側に前ラック56が車両前後方向に沿って配設されている。この前ラック56は、回動シート14が、当該回動シート14のスライド範囲内の車両前後方向前部に配置された、いわゆるフロント位置58にある状態で、回転テーブル28に設けられたギヤ34と噛合可能とされている(後述する)。
回動シート14が回動すると、回転テーブル28に設けられた軸部32を介してギヤ34が回転することになる。図7(B)、(C)に示されるように、当該ギヤ34が前ラック56に噛合された状態では、前ラック56の歯部56Aを介して、ギヤ34は回転しながら車両前後方向後方側へ移動する。つまり、回動シート14は回動しながら車両前後方向後方側へスライドすることになる。
また、一対のスライドレール24のうち車両幅方向外側に配置されたスライドレール24の後部側には、一対のスライドレール24の内側に後ラック60が車両前後方向に沿って配設されている。すなわち、ギヤ34を間において前ラック56の反対側に後ラック60は配置されている。この後ラック60は、回動シート14が、図8(A)に示されるように、当該回動シート14のスライド範囲内の車両前後方向後部に配置された、いわゆるリヤ位置62にある状態で、ギヤ34と噛合可能とされている。
回動シート14が回動すると、回転テーブル28の軸部32を介してギヤ34が回転することになる。図8(B)、(C)に示されるように、当該ギヤ34が後ラック60に噛合された状態では、後ラック60の歯部60Aを介して、ギヤ34は回転しながら車両前後方向前方側へ移動する。つまり、回動シート14は回動しながら車両前後方向前方側へスライドすることになる。
ここで、前ラック56及び後ラック60は、接離機構65(図6参照)によって、ギヤ34に対して車両幅方向に沿って接離可能とされている。例えば、接離機構65として、図示はしないが、リンク機構により前ラック56と後ラック60を複数のリンクで連結し、当該リンクを屈伸させるようにすることで、前ラック56及び後ラック60を互いに接離させるようにする。
そして、この接離機構65は制御装置38(図6参照)と電気的に接続されている。この制御装置65によって、サイドドア52が開放されると、リンクを屈曲させて前ラック56及び後ラック60をギヤ34側へ近接させ、サイドドア52が閉止されると、リンクを伸ばして前ラック56及び後ラック60をギヤ34から離間させるように設定されている。
また、図9(A)に示されるように、車両前後方向に沿った前ラック56と後ラック60との間には、ギヤ34が前ラック56及び後ラック60と噛合しない非噛合領域Aが設けられている。この非噛合領域Aにギヤ34が配置された状態では、回動シート14が回動してもギヤ34は空転することになる。すなわち、回動シート14はその場で回動する。なお、当該非噛合領域Aでは、回動シート14は車両前後方向に沿ったスライド移動も可能である。
(車両用シートの作用・効果)
次に、本実施の形態に係る車両用シートの作用・効果について説明する。
図2、図6及び図7(A)〜(E)を参照して、図12に示すフローチャートに基づいて本実施形態における降車時の基本的な動作の一例について説明する。
本実施形態では、例えば、運転席12側の回動シート14に着座している乗員が車両10を停車させると、ステップ100において、シフトレバー44がPレンジへ移動したか否かの判断がなされる。ステップ100において、シフトレバー44がPレンジへ移動したと判断されると、ステップ102へ移行する。
ステップ102では、回動用ソレノイド36が通電(ON)される。これにより、回動用ロックピン40はケース42内へ引き込まれ、回転テーブル28のロック状態が解除(シート回動ロック解除)され、回動シート14は回動可能な状態となる。次に、ステップ104では、サイドドア52が開放されたか否かの判断がなされる。ステップ104において、サイドドア52が開放されたと判断されると、ステップ106へ移行する。
ステップ106では、スライド用ソレノイド50が通電(ON)される。これにより、スライド用ロックピン46はケース内へ引き込まれ、回動シート14のロック状態が解除(シートスライドロック解除)され、回動シート14はスライドレール24に沿って車両前後方向にスライド可能な状態となる。すなわち、この回動シート14は、回動可能であると共に、スライドレール24に沿って車両前後方向にスライド可能とされる。
次に、ステップ108では、接離機構65によって、前ラック56及び後ラック60が車両幅方向に沿って互いに近接する方向へ移動し、ギヤ34と噛合可能な位置に配置される(図7(B)参照)。なお、このステップ106とステップ108は、略同時になされるように設定されても良い。
この状態で、回動シート14を回動させることによって、回動シート14は、図7(A)に示す車両走行位置Pから図7(D)に示す車両乗降位置Qへ回動する(後述する)。図7(D)に示されるように、回動シート14が車両乗降位置Qへ移動すると、乗員は回動シート14から容易に退座することができる。
そして、ステップ110において、サイドドア52が閉止されたか否かが判断される。ステップ110において、サイドドア52が閉止されたと判断されると、ステップ112へ移行する。ステップ112では、接離機構65によって、前ラック56及び後ラック60が車両幅方向に沿って互いに離間する方向へ移動し、ギヤ34と噛合不能な位置に配置される(図7(E)参照)。
次に、ステップ114では、スライド用ソレノイド50が通電されない(OFF)状態となる。これにより、スライド用ロックピン46がケース(図示省略)から突出し、回動シート14はロック状態(シートスライドロック状態)とされ、スライドレール24に対して車両前後方向に沿った移動が規制される。なお、このステップ112とステップ114とは、略同時になされるように設定されても良い。
以上のように、本実施形態では、回動シート14は、図7(A)に示す車両走行位置Pと、図7(E)に示す車両乗降位置Qとの間を回動可能とされている。つまり、車両10に対して乗員が乗車又は降車する際、回動シート14は車両乗降位置Qに配置されることになるため、乗員の乗降性が向上する。
次に、図2、図6及び図10(A)〜(F)を参照して、図13に示すフローチャートに基づいて本実施形態における乗車時の基本的な動作の一例について説明する。
乗員が乗車するとき、ステップ120において、サイドドア52が開放されたか否かの判断がなされる。ステップ120において、サイドドア52が開放されたと判断されると、ステップ122へ移行する。ステップ122では、スライド用ソレノイド50が通電(ON)される。これにより、スライド用ロックピン46はケース内へ引き込まれ、スライドレール24とのロック状態が解除(シートスライドロック解除)される。これにより、回動シート14はスライドレール24に沿って車両前後方向にスライド可能とされる。
そして、ステップ124において、接離機構65によって、前ラック56及び後ラック60が車両幅方向に沿って互いに近接する方向へ移動し、ギヤ34と噛合可能な位置に配置される(図10(A)参照)。なお、ステップ122とステップ124とは、略同時になされるように設定されても良い。図10(A)に示されるように、乗員が回動シート14から退座した状態では、ギヤ34は前ラック56又は後ラック60と噛合しない非噛合領域Aに設けられているため、回動シート14は、車両乗降位置Qから車両走行位置P(図10(C)参照)へ回動する際、その場で回動する。このため、閉止された状態のサイドドア52が開放された状態で、回動シート14が車両乗降位置Qにある場合、ステップ122及びステップ124はスキップするように制御されても良い。
次に、ステップ126において、サイドドア52が閉止されたか否かが判断される。ステップ126において、サイドドア52が閉止されたと判断されると、ステップ128へ移行する。そして、ステップ128では、接離機構65によって、前ラック56及び後ラック60が車両幅方向に沿って互いに離間する方向へ移動し、ギヤ34と噛合不能な位置に配置される(図10(D)参照)。
次に、ステップ130では、スライド用ソレノイド50が通電されない(OFF)状態となり、スライド用ロックピン46がケース(図示省略)から突出し、回動シート14はロック状態(シートスライドロック状態)とされ、スライドレール24に対して車両前後方向に沿った移動が規制される。なお、このステップ128とステップ130とは、略同時になされるように設定されても良い。
ここで、スライド用ロックピン46は、図3に示されるように、スライドレバー48を上方側へ引き上げることによって、ロック解除されるようになっているため、図10(E)、(F)に示されるように、回動シート14を車両前後方向にスライドさせることは可能である。
次に、ステップ132において、回動用ソレノイド36が通電されない(OFF)状態となり、回動用ロックピン40がケース42から突出し、回転テーブル28にロック(シート回動ロック)され、回動シート14はスライド部材26に対して回動不能とされる。この状態で、車両10は走行可能な状態となる。
次に、本実施の形態に係る回動シートにおける作用について説明する。まず、図7(A)に示されるように、車両10の停車時において、回動シート14がフロント位置58にある場合について説明する。
図7(A)に示されるように、回動シート14がフロント位置58にあるとき、回動シート14の軸部32に設けられたギヤ34は、前ラック56と車両幅方向に対向する位置に配置され、前ラック56と噛合可能とされる。車両10を停車させ、シフトレバー44(図6参照)をPレンジへ移動させると、回動用ロックピン40(図2参照)が回転テーブル28に係合された状態が解除される。これにより、回動シート14は回動可能とされる。
次に、図7(B)に示されるように、サイドドア52を開放させると、スライド用ロックピン46がスライドレール24に係合された状態が解除される。これにより、回動シート14は車両前後方向にスライド可能とされる。このとき、前ラック56及び後ラック60がギヤ34側へ近接し、前ラック56がギヤ34と噛合する。
この状態で、図7(B)〜(D)に示されるように、回動シート14を車両走行位置Pから車両乗降位置Qへ回動させると、ギヤ34が回転し、当該ギヤ34を介して前ラック56に沿って、回動シート14が車両前後方向後方側へスライドする。
なお、図7(D)では、ギヤ34は非噛合領域Aに配置されることになる。ここでは、ギヤ34は前ラック56との噛合状態が解除されているため、回動シート14はその場で回動可能となるが、スライド用ロックピン46がスライドレール24に係合された状態が解除されているため、当該非噛合領域Aでは、車両前後方向に沿ったスライドも可能である。
以上のように、本実施形態によれば、図7(A)に示されるように、回動シート14がフロント位置にあった場合であっても、図7(B)〜図7(D)に示されるように、回動シート14の回動に伴って当該回動シート14は車両前後方向後方側へスライドするため、ステアリング66が邪魔にならない。つまり、運転席12でも適用させることができる。
また、サイドドア52がいわゆるヒンジドアの場合、サイドドア52における車両前後方向前側では、ロッカ68(図1参照)との離間距離が小さいため、回動シート14をフロント位置58で回動させると、乗員は降車し難くなる。しかし、本実施形態では、フロント位置58において、回動シート14の回動に伴って当該回動シート14は車両前後方向後方側へスライドするため、乗降性が向上する。
さらに、本実施形態では、車両走行位置P(図7(A)参照)から車両乗降位置Q(図7(D)参照)へ回動シート14を回動させた後、前ラック56及び後ラック60をギヤ34から離間させるようにしている。すなわち、乗員の車両乗車時には、前ラック56及び後ラック60はギヤ34から離間している。したがって、回動シート14に着座した乗員が車両走行前に最適なポジションを探す際、前ラック56、後ラック60及びギヤ34に拘束されることなく、当該回動シート14を車両前後方向に沿って自由に移動させることができる。
また、前ラック56及び後ラック60は、常時ギヤ34が噛合された状態ではないため、前ラック56又は後ラック60に常時ギヤ34が噛合された状態と比較してこれらの部材の長寿命化を図ることができる。また、本実施形態では、車両走行時において、前ラック56又は後ラック60とギヤ34とは噛合されないため、これらの部材間の干渉による異音の発生を防止することができる。
なお、上述のように、図7(D)では、ギヤ34は非噛合領域Aに配置されている。図7(A)に示されるように、車両10の停車時において、回動シート14がフロント位置58にあったとしても、図8(A)や図11(A)に示されるように、それ以外の位置にあったとしても、ギヤ34が非噛合領域Aに配置された状態ではこれらに違いはない。このため、以下の説明では、回動シート14が車両乗降位置Qへ移動してからは、車両10の停車時における回動シート14の位置に関係なく、図7(D)、(E)を利用する。
ここで、いわゆるフロント位置58(リヤ位置62も略同じ)について、本実施形態では、前ラック56の長さによってその領域が異なることになる。つまり、本発明では、回動シート14の車両走行位置Pから車両乗降位置Qへの回動移動に伴って当該回動シート14を車両前後方向後方側へスライドさせる領域をいう。このため、一般的な表現としてシートのスライド範囲内の車両前後方向最前部となる、いわゆるフロントモースト位置(リヤモースト位置も略同じ)に限らず、本実施形態では、回動シート14に設けられたギヤ34が前ラック56に噛合される領域をいう。つまり、回動シート14の回動移動に伴って当該回動シート14が車両前後方向に沿ってスライドする領域をいう。
したがって、例えば、図11(A)に示されるように、車両10の停車時において、回動シート14が図7(A)で示すフロント位置58よりも車両後方側に配置されているが、ギヤ34が前ラック56に噛合されているため、この場合もフロント位置58となる。但し、この場合は、図7(A)〜(C)と比較して、図11(A)〜(C)に示されるように、回動シート14の回動移動に伴ってスライドするスライド量は小さくなる。
次に、図8(A)に示されるように、車両10の停車時において、回動シート14がリヤ位置62にある場合について説明する。
図8(A)に示されるように、回動シート14がリヤ位置62にあるとき、回動シート14の軸部32に設けられたギヤ34は、後ラック60と車両幅方向に対向する位置に配置され、後ラック60と噛合可能とされる。車両10を停車させ、シフトレバー44(図6参照)をPレンジへ移動させると、回動用ロックピン40(図2参照)が回転テーブル28に係合された状態が解除される。これにより、回動シート14は回動可能とされる。
次に、図8(B)に示されるように、サイドドア52を開放させると、スライド用ロックピン46がスライドレール24に係合された状態が解除され、回動シート14は車両前後方向にスライド可能とされる。このとき、前ラック56及び後ラック60がギヤ34側へ近接し、後ラック60がギヤ34と噛合する。
この状態で、図8(B)、(C)及び図7(D)に示されるように、回動シート14を車両走行位置Pから車両乗降位置Qへ回動させると、ギヤ34が回転し、当該ギヤ34を介して後ラック60に沿って、回動シート14が車両前後方向前方側へスライドする。
本実施形態によれば、図8(A)に示されるように、回動シート14がリヤ位置62にあった場合であっても、図8(B)、(C)及び図7(D)に示されるように、回動シート14の回動に伴って当該回動シート14は車両前後方向前方側へスライドするため、降車時にセンタピラー70が邪魔にならない。
次に、図9(A)に示されるように、車両10の停車時において、回動シート14がスライド範囲内の中央部にある場合について説明する。
図9(A)に示されるように、回動シート14がスライド範囲内の中央部にあるときは、ギヤ34は非噛合領域Aに配置されている。この場合、ギヤ34は前ラック56及び後ラック60に噛合されないため、回動シート14はその場で回動する。
回動シート14がスライド範囲内の中央部にある場合は、本来、乗員の乗降性に対して良好となる位置に設定されている。このため、回動シート14の回動時に車両前後方向に沿ってスライドさせる必要がないので、回動シート14はそのまま回動することになる。つまり、本実施形態では、車両前後方向の位置によっては当該回動シート14を車両前後方向に沿ってスライドさせない領域(非噛合領域A)が設けられている。これにより、さらに使い勝手が良くなる。
ここで、本実施形態では、特に言及はしていないが、図2に示す回転テーブル28について、乗員自身によって回動させるようにしても良いが、例えば、正転・逆転回転可能なステッピングモータ(図示省略)によって回動させるようにしても良い。一例として、当該ステッピングモータを回転テーブル28に接続させ、インストルメントパネル(図示省略)やサイドドア52(図4参照)に当該ステッピングモータに接続されたモータ用操作スイッチを配設し、モータ用操作スイッチをONの状態にすることによって、ステッピングモータを回動させるようにしても良い。
(その他の実施形態)
本実施形態では、図9(A)に示されるように、ギヤ34が前ラック56及び後ラック60に噛合されない非噛合領域Aが設けられるように設定されているが、当該非噛合領域Aは必ずしも必要ではなく、回動シート14を回動させるとき、当該ギヤ34は常に前ラック56又は後ラック60と噛合されるようにしても良い。
また、本実施形態では、図6に示されるように、回動用ロックピン40及びスライド用ロックピン46がそれぞれ制御装置38を介して電子制御されるようにしているが、これらのピンは必ずしも電子制御される必要はなく、手動でロック又はロック解除するようにしても良いのは勿論のことである。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
10 車両
12 運転席
14 回動シート(シート本体)
16 シートクッション
16A 前端部
34 ギヤ(回動スライド機構)
38 制御装置
52 サイドドア
56 前ラック(回動スライド機構)
58 フロント位置(スライド範囲内の車両前後方向前部)
60 後ラック(回動スライド機構)
62 リヤ位置(スライド範囲内の車両前後方向後部)
65 接離機構
A 非噛合領域
P 車両走行位置
Q 車両乗降位置

Claims (4)

  1. 車両前後方向に所定量スライド可能に設けられると共に、乗員が着座するシートクッションの前端部が車両前後方向前方側を向く車両走行位置と前記シートクッションの前端部がサイドドア側を向く車両乗降位置との間を回動可能に支持されたシート本体と、
    前記シート本体が車両前後方向へのスライド範囲内の車両前後方向前部に配置された状態では、当該シート本体の前記車両走行位置から前記車両乗降位置への回動移動に伴ってシート本体を車両前後方向後方側へスライドさせ、前記シート本体が前記スライド範囲内の車両前後方向後部に配置された状態では、当該シート本体の前記車両走行位置から前記車両乗降位置への回動移動に伴ってシート本体を車両前後方向前方側へスライドさせる回動スライド機構と、
    を有する車両用シート。
  2. 前記回動スライド機構は、
    前記シート本体のスライド範囲内の車両前後方向前部において車両前後方向に沿って配置された前ラックと、
    前記シート本体の回動と共に回転し、当該シート本体が車両前後方向前部に配置された状態で前記前ラックに噛合されるギヤと、
    前記シート本体のスライド範囲内の車両前後方向後部において、前記ギヤを間において前記前ラックの反対側に車両前後方向に沿って配置され、前記シート本体が車両前後方向後部に配置された状態で当該ギヤが噛合する後ラックと、
    を含んで構成されている請求項1に記載の車両用シート。
  3. 車両前後方向に沿った前記前ラックと前記後ラックとの間には、前記シート本体を前記車両走行位置から前記車両乗降位置へ回動させる際に前記ギヤが当該前ラック又は後ラックと噛合しない非噛合領域が設けられている請求項2に記載の車両用シート。
  4. 前記前ラック及び前記後ラックを前記ギヤに対して接離させる接離機構と、
    前記シート本体が前記車両乗降位置へ配置されかつサイドドアが閉止された状態で、前記前ラック又は前記後ラックを前記ギヤから離間させるように前記接離機構を制御する制御装置と、
    を有する請求項2又は請求項3に記載の車両用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105667568A (zh) * 2016-03-21 2016-06-15 福建星辉婴童用品有限公司 一种便于前后调节的童车椅座

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