JP2015153827A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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隆博 井上
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Masashi Tsukihara
政志 月原
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Kohei Miyoshi
晃平 三好
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Abstract

【課題】高電流を供給した場合であっても局所的な電流集中が抑制された半導体発光素子を実現する。
【解決手段】 本発明の半導体発光素子は、p型又はn型のいずれか一方の導電型の第一半導体層、第一半導体層の上層に形成された活性層、及び活性層の上層に形成された、第一半導体層とは異なる導電型の第二半導体層を含む半導体層を有して構成され、第一半導体層の下層に形成された第一電極及び第二電極と、第二半導体層の下方であって、活性層が形成されていない領域の少なくとも一部に形成され、第二半導体層と電気的に接続された第三電極とを有し、第二電極は第一電極よりも第三電極に近い位置に形成され、第二電極と第一半導体層との界面における接触抵抗が、第一電極と第一半導体層との界面における接触抵抗よりも高い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板上に、p型半導体層、活性層及びn型半導体層を含む半導体層を有してなる半導体発光素子に関する。また、本発明はこのような半導体発光素子の製造方法に関する。
図10は従来の半導体発光素子100の構造を示す模式的な図面である。図10において、(a)は一方の主面(ここでは「上面」とする。)側から見たときの模式的な平面図であり、(b)は(a)内におけるA−A線で切断したときの模式的な断面図である。また、(c)は(a)とは反対側の主面(ここでは「底面」とする。)側から見たときの模式的な平面図である。
半導体発光素子100は、p型半導体層31、活性層33及びn型半導体層35を含む半導体層30が基板11上に実装されることで形成されている。図10(a)に示される面側、すなわちn型半導体層35側が半導体発光素子100の光取り出し方向である。
n型半導体層35の下層には活性層33とn側電極41が形成されており、n側電極41は、活性層33が下層に形成されていないn型半導体層35の下層の一部領域に形成されている。n側電極41は接合層43を介して基板11に連結されている。
活性層33の下層にはp型半導体層31が形成されており、p型半導体層31の下層にはp側電極101が形成されている。p側電極101は金属材料で構成されており、活性層33から基板11の方向に向かって射出された光をn型半導体層35側に反射させることができる。p側電極101は、接合層15を介して基板11に連結されている。
基板11を介してn側電極41及びp側電極101の間に電圧が印加されると、p側電極101、p型半導体層31、活性層33、n型半導体層35及びn側電極41によって構成される電流経路上を電流が流れる。このとき、活性層33が発光しn型半導体層35の上方へと光が取り出される。
特開平11−220171号公報
近年、半導体発光素子は従来よりも更に高い光出力が要求されるようになってきており、これに伴って、高い電流を供給しても安定的に高出力の光を発光する素子が求められている。
本発明者の鋭意研究により、従来の構成では、高い電流を注入した場合、p側電極101のうちのn側電極41に近い位置とn側電極41との間に電流が集中することが分かった。図11は、図10(b)の図面に、電流の流れを模式的に付加したものであり、電流量を矢印の線の太さで表現している。
図11のように電流がp側電極101内の特定の領域とn側電極41の間に集中して流れることで、活性層33内の特定の領域にのみ集中して電流が流れる。これにより、活性層33内のうち、n側電極41に近い箇所のみが強く発光し、それ以外の箇所があまり発光せず光取り出し効率が低下してしまう。
更に、上記のように特定の経路上に電流が集中することで、半導体層30内の特定の箇所に集中して流れることとなり、当該特定の箇所の温度が上昇して、劣化、割れ又は溶融等が生じ、素子寿命が短くなることが分かった。
上記の課題に鑑み、本発明は、高電流を供給した場合であっても局所的な電流集中が抑制された半導体発光素子を実現することを目的とする。
本発明は、p型又はn型のいずれか一方の導電型の第一半導体層、前記第一半導体層の上層に形成された活性層、及び前記活性層の上層に形成された、前記第一半導体層とは異なる導電型の第二半導体層を含む半導体層を有してなる半導体発光素子であって、
前記第一半導体層の下層に形成された第一電極及び第二電極と、
前記第二半導体層の下方であって、前記活性層が形成されていない領域の少なくとも一部に形成され、前記第二半導体層と電気的に接続された第三電極とを有し、
前記第二電極は前記第一電極よりも前記第三電極に近い位置に形成され、
前記第二電極と前記第一半導体層との界面における接触抵抗が、前記第一電極と前記第一半導体層との界面における接触抵抗よりも高いことを特徴とする。
なお、本明細書において、ある層Aの「上層」又は「上方」に別の層Bが形成されるという表現は、素子を回転させたり上下を反転させることで、層Aの上層又は上方に層Bが位置する構成を含む趣旨である。同様に、本明細書において、ある層Aの「下層」又は「下方」に別の層Bが形成されるという表現は、素子を回転させたり上下を反転させることで、層Aの下層又は下方に層Bが位置する構成を含む趣旨である。
上記の構成によれば、第一半導体層の下層に形成される電極として、第一半導体層との界面の接触抵抗が異なる第一電極と第二電極が設けられる。そして、第一半導体層との界面の接触抵抗の高い第二電極は、第二電極よりも第一半導体層との界面の接触抵抗の低い第一電極と比較して、第三電極に近い位置に配置される。このため、第一電極及び第二電極と第三電極との間に電圧が印加されると、第二電極と第三電極の間よりも、第一電極と第三電極の間を電流が流れやすくなる。この結果、第三電極から離れた領域に電流を流しやすくなるため、活性層内の広い範囲を発光させることができ、光取り出し効率が向上する。
上記の構成において、第一半導体層をp型半導体層、第二半導体層をn型半導体層としても構わない。この場合、第一電極及び第二電極は「p側電極」に対応し、第三電極は「n側電極」に対応する。更に、p側電極のうち、第一電極が「第一p側電極」に対応し、第二電極が「第二p側電極」に対応する。
このとき、p側電極として、p型半導体層との界面の接触抵抗が異なる第一p側電極と第二p側電極が設けられる。そして、p型半導体層との界面の接触抵抗の高い第二p側電極は、第二p側電極よりもp型半導体層との界面の接触抵抗の低い第一p側電極と比較して、n側電極に近い位置に配置される。このため、p側電極とn側電極との間に電圧が印加されると、第二p側電極よりも、第一p側電極からn側電極に向かって電流が流れやすくなる。この結果、n側電極から離れた領域に電流を流しやすくなるため、活性層内の広い範囲を発光させることができ、光取り出し効率が向上する。
更にこの結果、半導体層内を流れる電流の領域が拡がるため、従来の素子と比較して、半導体層内の特定の箇所の温度が集中的に上昇するということがない。これにより、素子の長寿命化が実現できる。
上記構成において、半導体発光素子が基板を有し、導電性の接合層を介して基板上の実装パターンと前記第三電極、並びに基板上の実装パターンと前記第一電極及び前記第二電極との間での電気的接続が確保されているものとしても構わない。上記構成によれば、いわゆる「フリップチップ構造」の半導体発光素子に対しても、局所的な電流集中を抑制し、光取り出し効率の向上と素子の長寿命化が図られる。
ここで、少なくとも前記第一半導体層及び前記活性層を貫通し、前記第二半導体層に達する凹部を有し、
前記第二電極は、前記凹部の少なくとも一部の外側面を取り囲むように形成され、
前記第三電極は、前記活性層、前記第一半導体層、及び前記第二電極との間の絶縁状態を保持した状態で前記凹部内に挿入して配置されているものとしても構わない。
上記構成によれば、いわゆる「ビア構造」の半導体発光素子に対しても、局所的な電流集中を抑制し、光取り出し効率の向上と素子の長寿命化が図られる。
ここで、前記第一電極及び前記第二電極は、前記活性層からの射出光を反射させる材料で構成することができる。より具体的には、前記第一電極及び前記第二電極は、Ag、Al、Ni、Ti、又はPtを含有する金属材料で構成することができる。
上記構成に加えて、前記第一電極及び前記第二電極の下層に、前記活性層からの射出光を反射させる材料で形成された反射層を有し、
前記第一電極及び前記第二電極が前記活性層からの射出光を透過させる材料で構成されるものとしても構わない。より具体的には、前記第一電極及び前記第二電極をITOを含有する材料で構成することができる。
なお、上記半導体発光素子において、主面に平行な方向に関し、前記第二半導体層の前記第三電極と接触する面の幅をD、前記第二電極の幅をdとすると、
0.25D≦d≦D
の関係を満たす構成とすることができる。
上記関係を満たすように半導体発光素子を形成することで、活性層内を流れる電流量を十分に確保しながらも、電流を主面に平行な方向に拡げる効果を最大限発揮できる。
また、本発明は、上記構成を有した半導体発光素子の製造方法であって、
成長基板を準備する工程(a)と、
前記成長基板上に、前記第二半導体層の一部領域、及び前記第一半導体層を露出した状態で前記半導体層を形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後、前記第二半導体層の露出面の少なくとも一部領域に前記第三電極を形成する工程(c)と、
前記工程(b)の後、前記第一半導体層の露出面の一部領域に前記第一電極を形成するための材料膜を成膜した後、コンタクトアニールを施して前記第一電極を形成する工程(d1)と、
前記工程(d1)の後、前記第一半導体層の露出面の少なくとも一部領域であって前記第一電極よりも前記第三電極に近い位置に、前記第二電極を形成するための材料膜を成膜した後、前記工程(d1)よりも低温度でコンタクトアニールを施して前記第二電極を形成する工程(d2)と、
前記成長基板を剥離する工程(e)とを有することを特徴とする。
コンタクトアニールを行う際、オーミック接触を形成する場合と比較してアニール温度を低くすることで、オーミック接触時よりも半導体層との接触抵抗を高くすることができる。このため、上記方法のように、工程(d2)において、第一電極を形成する工程(d1)よりもアニール温度を低くしてコンタクトアニールを実行することで、半導体層との接触抵抗が第一電極よりも高い第二電極が形成される。この第二電極は、第一電極よりも第三電極に近い位置に形成される。従って、上記方法によれば、半導体層を流れる電流を主面方向に拡げる効果が得られ、特定の箇所における電流の集中が緩和された半導体発光素子が製造できる。
なお、第三電極を形成する工程(c)において、コンタクトアニールを実行する場合には、工程(c)におけるアニール温度を工程(d2)よりも高い温度とし、且つ工程(d2)よりも工程(c)を先に実行するものとしても構わない。
上記方法において、
前記工程(d1)及び前記工程(d2)で成膜される材料膜がITOであり、
前記工程(d2)の実行後、前記第一電極及び前記第二電極に跨るように、金属材料膜を成膜後、前記工程(d2)と同等以下の温度でコンタクトアニール処理を行って反射層を形成する工程(d3)を有し、
前記工程(d3)の実行後に、前記工程(e)を実行するものとしても構わない。
上述したように、コンタクトアニールを行う際、オーミック接触を形成する場合と比較してアニール温度を低くすることで、オーミック接触時よりも半導体層との接触抵抗を高くすることができるが、これは金属材料の場合のみならずITOにおいても同様である。
従って、上記方法においても、第三電極に近い位置においては、接触抵抗の高い第二電極が第一半導体層と接触し、第三電極から離れた位置では接触抵抗が第二電極よりも低い第一電極が第一半導体層と接触する。このため、半導体層を流れる電流を主面方向に拡げる効果が得られ、特定の箇所における電流の集中が緩和された半導体発光素子が製造できる。
更に、上記方法によれば、第一電極及び第二電極の下層に反射層を形成することができる。このため、第一電極及び第二電極として、光透過性を有するITOで形成した場合であっても、活性層から第一電極及び第二電極に向かって射出された光は、これら第一電極及び第二電極を透過した後、その下層に形成されている反射層で反射される。よって、光取り出し効率を向上しながら、特定の箇所における電流の集中が緩和された半導体発光素子が製造できる。
また、本発明は、上記構成を有した半導体発光素子の製造方法であって、
成長基板を準備する工程(a)と、
前記成長基板上に、前記第二半導体層の一部領域、及び前記第一半導体層を露出した状態で前記半導体層を形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後、前記第二半導体層の露出面の少なくとも一部領域に前記第三電極を形成する工程(c)と、
前記工程(b)の後、前記第一半導体層の露出面の一部領域に、最上層にPtを含む多層構造を有する材料膜を成膜した後、コンタクトアニールを施して前記第一電極を形成する工程(d1)と、
前記工程(d1)の後、前記第一半導体層の露出面の少なくとも一部領域であって前記第一電極よりも前記第三電極に近い位置に、Ptの膜厚を前記工程(d1)よりも薄膜として最上層にPtを含む多層構造を有する前記材料膜を成膜した後、コンタクトアニール処理を行って前記第二電極を形成する工程(d2)と、
前記成長基板を剥離する工程(e)とを有することを特徴とする。
本発明者の鋭意研究により、最上層にPtを含む金属材料膜を形成してコンタクトアニールを行う場合、オーミック接触を形成する場合と比較してPtの膜厚を薄くすることで、オーミック接触時よりも半導体層との接触抵抗を高くできることが分かった。このため、上記方法のように、工程(d2)において、第一電極を形成する工程(d1)よりもPtの膜厚を薄膜として材料膜を成膜した後、コンタクトアニールを実行することで、第一電極よりも半導体層との接触抵抗が高い第二電極を形成できる。このため、本方法によっても、半導体層を流れる電流を主面方向に拡げる効果が得られ、特定の箇所における電流の集中が緩和された半導体発光素子が製造できる。
また、本発明は、上記構成を有した半導体発光素子の製造方法であって、
成長基板を準備する工程(a)と、
前記成長基板上に前記第一半導体層を露出した状態で前記半導体層を形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後、前記第一半導体層の露出面上に、一以上の島状領域を除いて前記第一電極を形成するための材料膜を成膜した後、コンタクトアニールを施して前記第一電極を形成する工程(d1)と、
前記工程(d1)の後、前記島状領域内で露出した前記第一半導体層上に、前記島状領域内を完全には覆わず外縁部に前記第二電極を形成するための材料膜を成膜した後、前記工程(d1)よりも低温度でコンタクトアニールを施して前記第二電極を形成する工程(d2)と、
前記工程(d2)の後に、前記第二電極に囲まれた位置における前記第一半導体層の露出面に対して、前記第二半導体層が露出するまでエッチングして溝部を形成する工程(f)と、
前記工程(f)の後に、前記第二電極と電気的に絶縁した状態で前記溝部内に前記第三電極を形成する工程(g)と、
前記成長基板を剥離する工程(e)とを有することを特徴とする。
上記方法によれば、第三電極に近い箇所における第三電極の外縁部には、半導体層との接触抵抗の高い第二電極が形成され、その外側に、第二電極よりも半導体層との接触抵抗の低い第一電極が形成される。従って、本方法によっても、半導体層を流れる電流を主面方向に拡げる効果が得られ、特定の箇所における電流の集中が緩和された半導体発光素子が製造できる。特に、この方法は、「ビア構造」を示す半導体発光素子に適用することができる。
上記方法において、
前記工程(d1)及び前記工程(d2)で成膜される材料膜がITOであり、
前記工程(d2)の実行後、前記第一電極及び前記第二電極に跨るように、金属材料膜を成膜後、前記工程(d2)と同等以下の温度でコンタクトアニール処理を行って反射層を形成する工程(d3)を有し、
前記工程(d3)の実行後に、前記工程(f)を実行するものとしても構わない。
また、本発明は、上記構成を有した半導体発光素子の製造方法であって、
成長基板を準備する工程(a)と、
前記成長基板上に前記第一半導体層を露出した状態で前記半導体層を形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後、前記第一半導体層の露出面上に、一以上の島状領域を除いて最上層にPtを含む多層構造を有する材料膜を成膜した後、コンタクトアニールを施して前記第一電極を形成する工程(d1)と、
前記工程(d1)の後、前記島状領域内で露出した前記第一半導体層上に、前記島状領域内を完全には覆わず外縁部にPtの膜厚を前記工程(d1)よりも薄膜として最上層にPtを含む多層構造を有する前記材料膜を成膜した後、コンタクトアニールを施して前記第二電極を形成する工程(d2)と、
前記工程(d2)の後に、前記第二電極に囲まれた位置における前記第一半導体層の露出面に対して、前記第二半導体層が露出するまでエッチングして溝部を形成する工程(f)と、
前記工程(f)の後に、前記第二電極と電気的に絶縁した状態で前記溝部内に前記第三電極を形成する工程(g)と、
前記成長基板を剥離する工程(e)とを有することを特徴とする。
この方法によっても、半導体層を流れる電流を主面方向に拡げる効果が得られ、特定の箇所における電流の集中が緩和された半導体発光素子が製造でき、特に本方法は、「ビア構造」を有する半導体素子の製造方法に適用できる。
なお、上記方法において、
前記工程(g)は、
前記溝部の底面は露出させたままで内側面を覆うように絶縁層を形成する工程(g1)と、
前記工程(g1)の後に、露出した前記溝部の底面及び前記絶縁層で囲まれた内側領域を覆うように導電性材料を蒸着して前記第三電極を形成する工程(g2)とを有するものとしても構わない。
本発明の半導体発光素子によれば、局所的な電流集中が抑制され、光取り出し効率が高く、長寿命を示す高出力デバイスが実現される。また、本発明の半導体発光素子の製造方法によれば、前記高出力デバイスを製造することができる。
第一実施形態の半導体発光素子の構造を模式的に示す図面である。 半導体発光素子の第一実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の第一実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の第一実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の第一実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の第一実施形態の模式的な工程図の一部である。 半導体発光素子の第一実施形態の模式的な工程図の一部である。 コンタクトアニール温度によって接触抵抗が制御できることを説明するための図である。 Ptの膜厚によって接触抵抗が制御できることを説明するための図である。 第二実施形態の半導体発光素子の構造を模式的に示す図面である。 コンタクトアニール温度によって接触抵抗が制御できることを説明するための図である。 半導体発光素子の第二実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の第二実施形態の製造工程図の一部である。 第三実施形態の半導体発光素子の構造を模式的に示す図面である。 半導体発光素子の第三実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の第三実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の第三実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の第三実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の第三実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の第三実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の第三実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の第三実施形態の製造工程図の一部である。 従来の半導体発光素子の構造を模式的に示す図面である。 従来の半導体発光素子に電流を流したときの様子を模擬的に示した図面である。
本発明の半導体発光素子及びその製造方法につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
[第一実施形態]
本発明の半導体発光素子の第一実施形態の構成及びその製造方法について説明する。
〈構造〉
図1は、第一実施形態の半導体発光素子を模式的に示す図面である。図1において、(a)は一方の主面(ここでは「上面」とする。)側から見たときの模式的な平面図であり、(b)は(a)内におけるA−A線で切断したときの模式的な断面図である。また、(c)は(a)とは反対側の主面(ここでは「底面」とする。)側から見たときの模式的な平面図である。以下では、(a)を上面とし、(c)を底面として説明するが、これは説明の便宜上の定義である。
また、以下の図において、図10に示した半導体発光素子100と同一の要素については同一の符号を付している。
本実施形態における半導体発光素子1は、p型半導体層31、活性層33、及びn型半導体層35を含む半導体層30が基板11上に実装された構造である。本実施形態並びに以下の実施形態においても、半導体発光素子1は基板11上に実装されているものとして説明するが、基板11上に実装する前段階の素子についても本発明の想定の範囲内である。
本実施形態、並びに後述する第二実施形態及び第三実施形態においては、p型半導体層31が「第一半導体層」に対応し、n型半導体層35が「第二半導体層」に対応する。
活性層33はp型半導体層31の上層に形成され、n型半導体層35は活性層33の上層に形成されている。n型半導体層35の下層において、活性層33が形成されていない領域の少なくとも一部にはn側電極41が形成されている。
製造方法の項において後述されるが、n型半導体層35の下層に位置する活性層33及びp型半導体層31の一部が除去されることで、n型半導体層35の下層の一部領域が露出している。図1(b)に示すように、n型半導体層35は、下層に活性層33及びp型半導体層31が形成される厚膜の第一部位35aと、第一部位35aに比べ薄膜の第二部位35bとを有する。第二部位35bの下層には、活性層33及びp型半導体層31が形成されておらず、n側電極41が形成されている。
n側電極41の下層には、接合層43の材料(例えばハンダ材料)の拡散を防止するための保護層42が形成されており、保護層42の下層には接合層43が形成されている。接合層43及び保護層42はいずれも導電性であり、基板11上に形成された実装パターンとn側電極41との間の電気的な接続が確保されている。
p型半導体層31の下層には、第一p側電極23及び第二p側電極25が形成されている。第二p側電極25は、第一p側電極23よりもn側電極41に近い位置に形成されている。そして、第一p側電極23及び第二p側電極25の下層には、接合層15の材料の拡散を防止するための保護層17が形成されており、保護層17の下層には接合層15が形成されている。接合層15及び保護層17はいずれも導電性であり、基板11上に形成された実装パターンと第一p側電極23及び第二p側電極25との間の電気的な接続が確保されている。
第二p側電極25は、p型半導体層31との界面における接触抵抗が、第一p側電極23よりも高くなるように形成されている。このように、第一p側電極23と第二p側電極
25とで、p型半導体層31との界面における接触抵抗に差を設ける方法については、製造方法の説明を行う際に後述される。
本実施形態、並びに後述する第二実施形態及び第三実施形態においては、第一p側電極23が「第一電極」に対応し、第二p側電極25が「第二電極」に対応し、n側電極41が「第三電極」に対応する。
以下、各要素の詳細な構成の一例について説明する。
基板11は、例えばCuW、W、Mo等の導電性基板、又はSi等の半導体基板で構成される。なお、図1(b)に示すように、n側電極41と電気的に接続される領域と、第一p側電極23及び第二p側電極25と電気的に接続される領域との間は、絶縁性が確保されている。この絶縁性の確保の方法は、パターニングによって実現することができる。
接合層15及び接合層43は、例えばAu−Sn、Au−In、Au−Cu−Sn、Cu−Sn、Pd−Sn、Sn等で構成される。この接合層15及び接合層43は、基板11と別の基板(後述する成長基板61)とを接合する際、両者の密着性を確保するための層として機能している。
保護層17は、例えばPt系の金属(TiとPtの合金)、W、Mo、Ni等で構成される。後述するように、接合層15を介した接合の際、接合層15を構成する材料が第一p側電極23及び第二p側電極25に拡散して、これらの電極における反射率が落ちることによる光取り出し効率の低下を防止する機能を果たしている。なお、図1(b)では、接合層43を構成する材料がn側電極41に拡散するのを防止する目的で、保護層42も設けられている。ただし、半導体発光素子1において、保護層17及び保護層42は必ずしも必須の要素ではなく、これらが設けられていない構成とすることもできる。
p型半導体層31は、例えばGaN、AlGaN等で構成され、Mg、Be、Zn、又はC等のp型不純物がドープされている。
活性層33は、例えばInGaNからなる発光層とAlGaNからなる障壁層が周期的に繰り返されて構成される。これらの層はアンドープでもp型又はn型にドープされていても構わない。
n型半導体層35は、例えばAlGaNで構成される層(電子供給層)とGaNで構成される層(保護層)を含む多層構造で構成される。少なくとも保護層には、Si、Ge、S、Se、Sn、又はTe等のn型不純物がドープされている。
なお、「AlGaN」という記述は、AlGa1−mN(0<m<1)という記述と同義であり、AlとGaの組成比の記述を単に省略して記載したものであって、AlとGaの組成比が1:1である場合に限定する趣旨ではない。「InGaN」という記述についても同様である。以下においても上記にならって記載される。
n側電極41は、上述したようにn型半導体層35の下層であって、活性層33が形成されていない領域の少なくとも一部領域に形成されている。n側電極41は、例えばCr−Auで構成される。
第一p側電極23は、例えばAg系の金属(NiとAgの合金)、Al、又はRh等を含む金属材料で構成することができる。また、第二p側電極25も、例えばAg系の金属(NiとAgの合金)、Al、又はRh等を含む金属材料で構成することができ、第一p側電極23と同一の材料で構成することができる。本実施形態では、第一p側電極23及び第二p側電極25が共にNi/Agの多層構造体で形成されているものとして説明する。
第一p側電極23及び第二p側電極25は、活性層33から射出される光を反射させることのできる導電性の材料で構成されている。ここで、上述したように、n側電極41から離れた位置に形成されている第一p側電極23は、第一p側電極23よりもn側電極41に近い位置に形成されている第二p側電極25よりも、p型半導体層31との界面における接触抵抗が低い。例えば、第一p側電極23とp型半導体層31との界面においてオーミック接触が形成され、第二p側電極25とp側半導体層31との界面においてショットキー接触が形成されているものとしても構わない。また、両界面ともにショットキー接触が形成されているが、第一p側電極23とp型半導体層31との界面における接触抵抗が、第二p側電極25とp側半導体層31との界面における接触抵抗より低い構成としても構わない。
〈作用〉
半導体発光素子1に対して、基板11に形成された実装パターンを介して、n側電極41と、第一p側電極23及び第二p側電極25との間に電圧が印加された場合を想定する。上述したように、半導体発光素子1においては、第二p側電極25とp型半導体層31との界面の接触抵抗が、第一p側電極23とp型半導体層31との界面の接触抵抗よりも高い。このため、第二p側電極25とp型半導体層31との界面を経由してn側電極41に向かう電流は、第一p側電極23とp型半導体層31との界面を経由してn側電極41に向かう電流よりも流れにくい構成となっている。
従って、n側電極41から離れた位置に形成された第一p側電極23から、半導体層30を経由してn側電極41に達する電流が流れやすくなり、n側電極41に近い箇所での電流集中が緩和される。この結果、半導体発光素子1が高出力デバイスとして利用される場合すなわち高電流が供給される場合においても、基板11の主面に平行な方向に関して活性層33内の広い範囲に電流を流すことができるので、発光効率及び光取り出し効率を向上させることができる。また、この構成によれば、半導体層30内の所定の箇所に電流が集中して高温になることが防止されるので、従来に比べて長寿命の素子が実現される。
なお、本実施形態の構成によれば、第一p側電極23及び第二p側電極25の双方ともに活性層33から射出される光を反射させることのできる導電性の材料で構成されている。よって、活性層33から基板11の側に向かって放出された光を、第一p側電極23及び第二p側電極25で反射させて、取り出し面があるn型半導体層35側へと導くことができるので、高い光取り出し効率が実現される。
ここで、図1(b)に示すように、n側電極41と接触するn型半導体層35の面(n側電極41形成領域)の幅をDとし、第二p側電極25の幅をdとすると、0.25D≦d≦Dの関係を示すように、素子を設計するものとしても構わない。d<0.25Dの場合、第二p側電極25の幅が狭くなりすぎるため、基板11の主面に平行な方向に電流を拡げる効果が十分に発揮されず、依然としてn側電極41に近い箇所に電流が集中する傾向が見られる場合がある。一方、d>Dの場合、p型半導体層31の下層に形成される電極(p側電極)について、p型半導体層31との接触抵抗が高い領域が広くなりすぎる。この結果、活性層33に十分な電流を供給するためには印加電圧を高くする必要が生じるため、同一の発光光量を実現させるために必要な電圧が高くなり、効率が低下する可能性がある。
なお、本発明者の鋭意研究によれば、図1に示す半導体発光素子1において、n側電極41形成領域の幅をDとし、第二p側電極25の幅をdとしたときに、0.25D≦dとなるように素子を設計することで、電流を主面に平行な方向に拡げる機能を十分に確保できることが分かった。
〈第一の製造方法〉
次に、半導体発光素子1の第一の製造方法の一例につき、図2A〜図2Fに示す模式的な製造工程図、及び図3を参照して説明する。なお、以下で説明する製造条件や膜厚等の寸法はあくまで一例であって、これらの数値に限定されるものではない。
なお、図2A〜図2Fにおいても、図1と同様に、(a)は一方の主面(ここでは「上面」とする。)側から見たときの模式的な平面図であり、(b)が(a)の図面上のA−A線で切断したときの模式的な断面図であり、(c)は(a)とは反対側の主面(ここでは「底面」とする。)側から見たときの模式的な平面図である。
(ステップS1)
まず、成長基板61を準備する。より具体的には、成長基板61としてc面サファイア基板を準備して、これに対してクリーニングを行う。このクリーニングは、より具体的には、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相蒸着)装置の処理炉内に成長基板61(c面サファイア基板)を配置し、処理炉内に流量が10slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を例えば1150℃に昇温することにより行われる。
本ステップS1が工程(a)に対応する。
(ステップS2)
図2Aに示すように、成長基板61上にエピタキシャル層39を形成する。このステップS2は例えば以下の手順により行われる。
(アンドープ層36の形成)
成長基板61の表面に、GaNよりなる低温バッファ層を形成し、更にその上層にGaNよりなる下地層を形成する。これらの低温バッファ層及び下地層がアンドープ層36に対応する。
具体的なアンドープ層36の形成方法は、例えば以下の通りである。まず、МОCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を480℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量がそれぞれ5slmの窒素ガス及び水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が50μmol/minのトリメチルガリウム(TMG)及び流量が250000μmol/minのアンモニアを処理炉内に68秒間供給する。これにより、成長基板61の表面に、厚みが20nmのGaNよりなる低温バッファ層を形成する。
次に、MOCVD装置の炉内温度を1150℃に昇温する。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が100μmol/minのTMG及び流量が250000μmol/minのアンモニアを処理炉内に30分間供給する。これにより、低温バッファ層の表面に、厚みが1.7μmのGaNよりなる下地層を形成する。
(n型半導体層35の形成)
次に、アンドープ層36の上層にn型半導体層35を形成する。n型半導体層35の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
まず、引き続き炉内温度を1150℃とした状態で、MOCVD装置の炉内圧力を30kPaとする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が94μmol/minのTMG、流量が6μmol/minのトリメチルアルミニウム(TMA)、流量が250000μmol/minのアンモニア及び流量が0.013μmol/minのテトラエチルシランを処理炉内に60分間供給する。これにより、例えばAl0.06Ga0.94Nの組成を有し、Si濃度が5×1019/cmで、厚みが2μmのn型半導体層35がアンドープ層36の上層に形成される。
なお、この後、TMAの供給を停止すると共に、それ以外の原料ガスを6秒間供給することにより、n型AlGaN層の上層に、厚みが5nm程度のn型GaNよりなる保護層を有するn型半導体層35を実現してもよい。
上記の説明では、n型半導体層35に含まれるn型不純物をSiとする場合について説明したが、n型不純物としては、Si以外にGe、S、Se、Sn又はTe等を用いることができる。
(活性層33の形成)
次に、n型半導体層35の上層に、例えばInGaNで構成される発光層及びn型AlGaNで構成される障壁層が周期的に繰り返されてなる活性層33を形成する。
具体的には、まずMOCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を830℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が1slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が10μmol/minのTMG、流量が12μmol/minのトリメチルインジウム(TMI)及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に48秒間供給するステップを行う。その後、流量が10μmol/minのTMG、流量が1.6μmol/minのTMA、0.002μmol/minのテトラエチルシラン及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に120秒間供給するステップを行う。以下、これらの2つのステップを繰り返すことにより、厚みが2nmのInGaNよりなる発光層及び厚みが7nmのn型AlGaNよりなる障壁層が15周期繰り返されてなる活性層33が、n型半導体層35の上層に形成される。
(p型半導体層31の形成)
次に、活性層33の上層に、例えばAlGaNで構成されるp型半導体層31を形成する。p型半導体層31の具体的な形成方法は例えば以下の通りである。
具体的には、MOCVD装置の炉内圧力を100kPaに維持し、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が25slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を1025℃に昇温する。その後、原料ガスとして、流量が35μmol/minのTMG、流量が20μmol/minのTMA、流量が250000μmol/minのアンモニア及びp型不純物をドープするための流量が0.1μmol/minのビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を処理炉内に60秒間供給する。これにより、活性層33の表面に、厚みが20nmのAl0.3Ga0.7Nの組成を有する正孔供給層を形成する。その後、TMAの流量を4μmol/minに変更して原料ガスを360秒間供給することにより、厚みが120nmのAl0.13Ga0.87Nの組成を有する正孔供給層を形成する。これらの正孔供給層によりp型半導体層31が形成される。このp型半導体層31のp型不純物濃度は、例えば3×1019/cm程度である。
なお、その後、TMAの供給を停止すると共に、CpMgの流量を0.2μmol/minに変更して原料ガスを20秒間供給することにより、厚みが5nm程度で、p型不純物濃度が1×1020/cm程度のp型コンタクト層を形成してもよい。この場合、p型半導体層31にはこのp型コンタクト層も含まれる。
このようにして成長基板61上に、アンドープ層36、n型半導体層35、活性層33、及びp型半導体層31からなるエピタキシャル層39が形成される。
(ステップS3)
ステップS2で得られたウェハに対して活性化処理を行う。より具体的には、RTA(Rapid Thermal Anneal:急速加熱)装置を用いて、窒素雰囲気下中650℃で15分間の活性化処理を行う。
(ステップS4)
図2Bに示すように、n型半導体層35の一部上面が露出するまで、p型半導体層31及び活性層33を、ICP装置を用いたドライエッチングによって除去する。なお、本ステップS4において、n型半導体層35についても一部エッチング除去しても構わない。
図2B(a)に示すように、ステップS4を経て、成長基板61上にp型半導体層31及びn型半導体層35が露出した半導体層が形成される。ステップS2〜ステップS4が工程(b)に対応する。
(ステップS5)
図2Cに示すように、露出しているn型半導体層35の上面の少なくとも一部の領域にn側電極41を形成する。n側電極41の形成方法の一例としては、膜厚100nmのCrと膜厚0.5〜3μmのAuを蒸着した後、窒素雰囲気中で250℃、1分間程度のアニール処理を行う。このステップS5が工程(c)に対応する。
(ステップS6)
図2Dに示すように、露出しているp型半導体層31の上面のうち、n側電極41から離れた領域上に第一p側電極23を形成する。第一p側電極23の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
p型半導体層31の上面の所定領域に、導電性材料で構成された材料膜を成膜する。例えばスパッタ装置にてp型半導体層31の上面の所定の領域に膜厚150nmのAg及び膜厚30nmのNiを成膜する。なお、この材料膜として、p型半導体層31との密着性を高めるために、Ag層の下層に膜厚1.5nm程度のNiを成膜しても構わない。
その後、RTA装置等を用いてドライエア又は不活性ガス雰囲気中で400℃〜550℃(例えば400℃)、60秒〜300秒間のコンタクトアニール処理を行って、第一p側電極23を形成する。不活性ガス雰囲気でアニールをした場合、マイグレーションによるp型半導体層31側へのAgの拡散を少なくすることができるため、ドライエア雰囲気の場合よりも更にショットキー効果を高めることができる。
ステップS6においては、第一p側電極23とp型半導体層31の界面がオーミック接触を実現するような条件でコンタクトアニール処理をするのが好適である。これにより、第一p側電極23とp型半導体層31の界面の接触抵抗を十分小さくすることができる。ただし、前記界面において完全なオーミック接触が実現できていなくても構わない。
ステップS6が工程(d1)に対応する。
(ステップS7)
図2Eに示すように、露出しているp型半導体層31の上面、すなわち第一p側電極23よりはn側電極41に近い位置におけるp型半導体層31の上面に第二p側電極25を形成する。第二p側電極25の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
ステップS6と同様に、スパッタ装置にてp型半導体層31の上面の所定の領域に膜厚150nmのAg及び膜厚30nmのNiからなる材料膜を成膜する。その後、RTA装置等を用いてドライエア又は不活性ガス雰囲気中で、ステップS6よりも低温、例えば290℃〜350℃程度(例えば300℃)、60秒〜300秒間のコンタクトアニール処理を行う。上記の温度条件下で形成された第二p側電極25は、p型半導体層31との界面における接触抵抗が第一p側電極23よりも高くなる。
このステップS7は、工程(d2)に対応する。
以下、図3を参照して、コンタクトアニール温度によって接触抵抗が制御できることを説明する。図3は、模擬的に形成した検証用素子と、その検証用素子におけるアニール温度と抵抗率の関係を示すグラフである。図3(a)に示す検証用素子70は、p型AlGaN層71上に、膜厚150nmのAg層72を形成し、その上層に膜厚30nmのNi層73を形成して構成されている。このAg層72とNi層73によって、ステップS6及びステップS7で成膜される材料膜が模擬されている。
図3(b)は、p型AlGaN層71上にAg層72及びNi層73を蒸着し、異なるアニール温度でコンタクトアニール処理を行った後、検証用素子70の抵抗率を測定してアニール温度との関係をグラフ化したものである。図3(b)において、アニール温度が400℃のときは、500Ωm程度の値が示されているが、これは接触していない箇所の抵抗が表示されているものであって、接触部分における抵抗はほぼ0でオーミック接触が実現されている。なお、450℃の場合も400℃と同等の抵抗率が実現されており、オーミック接触が実現されていることが分かる。
これに対し、アニール温度が350℃の場合は、アニール温度が400℃の場合よりも接触抵抗が高くなっており、アニール温度を300℃とすると更に接触抵抗が高くなっている。このことから、アニール温度を低くすることで、p型AlGaN層71とAg層72をショットキー接触とすることができ、且つその温度を低くすることで接触抵抗を高くできることが分かる。
なお、ステップS6及びステップS7を比較すると、ステップS6よりもステップS7の方が、アニール温度が低く設定されている。つまり、コンタクトアニール処理を実行する際のアニール温度が高い工程から順に実行する必要がある。これは、仮にステップS6とステップS7の順番を入れ替えた場合、ステップS7の実行後に、ステップS7よりもアニール温度の高いステップS6を実行すると、ステップS6の実行中にステップS7で形成された第二p側電極25とp型半導体層31との接触箇所が高温下に置かれる結果、接触抵抗が低下する可能性があるためである。
なお、図2Eでは、第一p側電極23と第二p側電極25が成長基板61の主面に平行な方向に接触しているように図示されているが、この記載は両電極の間に隙間が形成されるようにステップS7を実行する内容を本発明の範囲から排除する趣旨ではない。すなわち、第一p側電極23と第二p側電極25が、成長基板61の主面に平行な方向に離間して形成されていても構わない。
(ステップS8)
第一p側電極23及び第二p側電極25の上面に跨るように保護層17を形成し、n側電極41の上層に保護層42を形成する。その後、保護層17の上面に接合層15を形成し、保護層42の上面に接合層43を形成する(図2F参照)。
より詳細には、電子線蒸着装置(EB装置)にて、膜厚100nmのTiと膜厚200nmのPtを3周期成膜することで保護層17及び保護層42を形成する。更にその後、保護層17の上面(Pt表面)に、膜厚10nmのTiを蒸着させた後、Au80%Sn20%で構成されるAu−Snハンダを膜厚3〜6μm蒸着させることで接合層15を形成する。同様に、保護層42の上面(Pt表面)に、膜厚10nmのTiを蒸着させた後、Au80%Sn20%で構成されるAu−Snハンダを膜厚3〜6μm蒸着させることで接合層43を形成する。
(ステップS9)
次に、成長基板61とは別に準備された基板11を、接合層15及び接合層43を介して成長基板61に接合する(図2F参照)。一例としては、280℃の温度、0.2MPaの圧力下で成長基板61と基板11とを接合する。なお、基板11の上層にも接合層(15,43)の材料の拡散防止のための保護層を予め形成しておき、この保護層と接合層15及び接合層43とを接触させて接合するものとしても構わない。基板11としては、上述したようにCuW、W、Mo等の導電性基板、又はSi等の半導体基板を利用することができる。
(ステップS10)
次に、成長基板61を剥離する。より具体的には、成長基板61を上に、基板11を下に向けた状態で、成長基板61側からKrFエキシマレーザを照射して、成長基板61とエピタキシャル層の界面を分解させることで成長基板61の剥離を行う。
成長基板61としてサファイア基板を利用する場合、サファイアはレーザが通過する一方、その下層のGaN(アンドープ層36)はレーザを吸収するため、この界面が高温化してGaNが分解される。これによって成長基板61が剥離される。
その後、ウェハ上に残存しているGaN(アンドープ層36)を、塩酸等を用いたウェットエッチング、又はICP装置を用いたドライエッチングによって除去し、n型半導体層35を露出させる。なお、本ステップS10においてアンドープ層36が除去される(図1参照)。このステップS10が工程(e)に対応する。
以上、ステップS1〜S10を経て、図1に示す半導体発光素子1が形成される。
なお、上述した製造方法では、ステップS6において第一p側電極23を形成する際に成膜した材料膜、及びステップS7において第二p側電極25を形成する際に成膜した材料膜を、全て共通の材料膜とした。しかし、活性層33からの射出光を反射させることのできる材料であって、アニール温度に応じてp型半導体層31との接触箇所における接触抵抗を制御できる材料であれば、どのような材料を用いても構わない。
なお、第一p側電極23及び第二p側電極25を形成する際に成膜した材料膜として、上記のような反射機能を有しない材料としても構わない。ただし、上述した製造方法によって製造される半導体発光素子1と比べて反射機能が低下するため、光取り出し効率を更に高めるという観点からは、全ての材料膜について活性層33からの射出光を反射させることのできる材料とするのが好ましい。
また、本実施形態において、接合層15を第一p側電極23及び第二p側電極25の双方に跨るように形成したが、第一p側電極23の上方にのみ接合層15を形成しても構わない。
〈第二の製造方法〉
次に、本実施形態の半導体発光素子1の第二の製造方法の一例につき説明する。なお、第一の製造方法と共通する箇所については、その旨を記載して適宜省略する。
まず、第一の製造方法と同様に、ステップS1〜S5を実行する。
(ステップS6A)
図2Dに示すように、露出しているp型半導体層31の上面のうち、n側電極41から離れた領域上に第一p側電極23を形成する。第一p側電極23の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
第一の製造方法とは異なり、ここでは、当該材料膜として、Ag/Ni/Ti/Ptの多層膜を用いる。より具体的には、例えばスパッタ装置にて、p型半導体層31の上面の所定の領域に、膜厚130nmのAg、膜厚30nmのNi、膜厚20nmのTi、及び膜厚30nmのPtを成膜する。なお、この材料膜として、p型半導体層31との密着性を高めるために、Ag層の下層に膜厚1.5nm程度のNiを成膜しても構わない。
その後、RTA装置等を用いてドライエア又は不活性ガス雰囲気中で400℃〜550℃(例えば450℃)、60秒〜300秒間のコンタクトアニール処理を行い、第一p側電極23を形成する。このステップS6Aは工程(d1)に対応する。
(ステップS7A)
図2Eに示すように、露出しているp型半導体層31の上面、すなわち第一p側電極23よりはn側電極41に近い位置におけるp型半導体層31の上面に第二p側電極25を形成する。第二p側電極25の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
第一の製造方法とは異なり、ここでは、ステップS6Aと同様に、Ag/Ni/Ti/Ptの多層膜を用いる。より具体的には、例えばスパッタ装置にて、p型半導体層31の上面の所定の領域に、膜厚130nmのAg、膜厚30nmのNi、膜厚20nmのTi、及びステップS6Aよりも薄膜の膜厚10nmのPtを成膜する。なお、この材料膜として、p型半導体層31との密着性を高めるために、Ag層の下層に膜厚1.5nm程度のNiを成膜しても構わない。
その後、RTA装置等を用いてドライエア又は不活性ガス雰囲気中で400℃〜550℃(例えば450℃)、60秒〜300秒間のコンタクトアニール処理を行う。ステップS6Aと比べて、最上層に形成されたPtの膜厚が薄膜であるため、ステップS6Aと同等のアニール温度でコンタクトアニールを行なっても、導電性材料とp型半導体層31との間にはショットキー接触が形成される。これにより、第一の製造方法におけるステップS7と同様に、第一p側電極23よりもp型半導体層31との界面の接触抵抗が高い第二p側電極25が形成される。このステップS7Aが工程(d2)に対応する。
以下、図4を参照して、最上層のPtの膜厚によって接触抵抗が制御できることを説明する。図4は、模擬的に形成した検証用素子と、その検証用素子におけるアニール温度と抵抗率の関係を示すグラフである。図4(a)に示す検証用素子70aは、p型AlGaN71上に、膜厚1.5nmのNi層73aが形成され、Ni層73aの上層には膜厚150nmのAg層72が形成され、Ag層72の上層には膜厚30nmのNi層73が形成され、Ni層73の上層には膜厚20nmのTi層74が形成され、Ti層74の上層にはPt層75が形成されている。なお、検証用素子70aは、素子分離絶縁層76によって隣接する2素子が電気的に分離されているが、素子分離絶縁層76を形成せずに単に2素子を空間的に分離した状態で形成しても構わない。
図4(b)は、異なる膜厚でPt層75を成膜した後、所定のアニール条件でコンタクトアニール処理を行った後、プローブ77を用いて隣接する2素子間の抵抗を測定し、当該測定された抵抗とPt層75の膜厚との関係をグラフ化したものである。なお、具体的には、550℃の雰囲気下で2分間、及び500℃の雰囲気下で2分間の各アニール条件の下で、それぞれPt層75の膜厚と検証用素子70aの抵抗値の関係を図4(b)のグラフに示している。
図4(b)によれば、どのアニール条件の場合でも、Pt層75の膜厚を30nmとしたときに抵抗値が最小値となっている。この時点においてAg層72とP型AlGaN層71との接触箇所にはオーミック接触が形成されている。そして、Pt層75の膜厚を20nm、10nmと薄膜とするに連れ、抵抗値が大きくなっている。これは、Pt層75の厚みが薄くなることで、大気中の酸素がTi層74に取り込まれやすくなる結果、Ti酸化物が形成されることでショットキーバリアを形成しているものと考えられる。なお、Pt層75の膜厚を50nmとした場合には抵抗値が上昇しているが、これは膜厚の増加に伴うNi層73への酸素供給濃度の低下に起因したものと考えられる。
つまり、第二の製造方法によれば、第一の製造方法と異なり、アニール温度を共通にしながらも、p側電極(23,25)と半導体層30(p型半導体層31)との界面における接触抵抗を制御することが可能となる。なお、上述した方法では、導電性材料を構成する最上層のPt層の膜厚を制御することで接触抵抗を制御したが、上記の考察によれば、アニール時における雰囲気の酸素濃度を調整することでも接触抵抗を制御することが可能であると考えられる。
なお、図4では、P型AlGaN層71の上層にNi層73aを備えた検証用素子70aを用いて抵抗値の測定を行ったが、Ni層73aを備えない構成としても構わない。
ステップS7Aの実行後は、第一の製造方法と同様にステップS8〜S10を順次実行する。これにより、図1に示す半導体発光素子1が形成される。
なお、この第二の製造方法では、ステップS6A及びステップS7Aにおいて、最上層のPtの膜厚を変化させる一方、アニール温度は共通としたが、第一の製造方法と同様にアニール温度についても異ならせるものとしても構わない。
[第二実施形態]
本発明の半導体発光素子の第二実施形態の構成及びその製造方法について説明する。なお、第一実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付している。
〈構造〉
図5は、第二実施形態の半導体発光素子を模式的に示す図面である。図5においても、図1と同様に、(a)は一方の主面(ここでは「上面」とする。)側から見たときの模式的な平面図であり、(b)は(a)内におけるA−A線で切断したときの模式的な断面図である。また、(c)は(a)とは反対側の主面(ここでは「底面」とする。)側から見たときの模式的な平面図である。
第二実施形態の半導体発光素子1aは、第一実施形態の半導体発光素子1に加えて、導電性の反射層18を更に備えている点が異なる。この反射層18は、活性層33から射出される光を反射する機能を有する導電性材料であり、第一p側電極23及び第二p側電極25の下層に形成されている。
また、本実施形態において、第一p側電極23及び第二p側電極25は、活性層33
から射出される光を透過する性質を有する導電性酸化膜(例えばITO)で形成されている。なお、第一実施形態と同様に、第二p側電極25とp型半導体層31との界面における接触抵抗は、第一p側電極23とp型半導体層31との界面における接触抵抗よりも高くなっている。
他の構成要素は第一実施形態の半導体発光素子1と共通であるため、説明を割愛する。
〈作用〉
半導体発光素子1aに対して、基板11に形成された実装パターンを介して、n側電極41と、第一p側電極23及び第二p側電極25との間に電圧が印加された場合を想定する。本実施形態の半導体発光素子1aにおいても、第二p側電極25とp型半導体層31との界面の接触抵抗が、第一p側電極23とp型半導体層31との界面の接触抵抗よりも高いので、第二p側電極25とp型半導体層31との界面を経由してn側電極41に向かう電流は、第一p側電極23とp型半導体層31との界面を経由してn側電極41に向かう電流よりも流れにくい構成となっている。
従って、n側電極41から離れた位置に形成された第一p側電極23から、半導体層30を経由してn側電極41に達する電流が流れやすくなり、n側電極41に近い箇所での電流集中が緩和される。この結果、半導体発光素子1が高出力デバイスとして利用される場合、すなわち高電流が供給される場合においても、基板11の主面に平行な方向に関し、活性層33内の広い範囲に電流を流すことができるので、発光効率及び光取り出し効率を向上させることができる。また、この構成によれば、半導体層30内の所定の箇所に電流が集中して高温になることが防止されるので、従来に比べて長寿命の素子が実現される。
また、本実施形態の構成では、第一p側電極23及び第二p側電極25の双方が透光性を有しているものの、その下層には導電性の反射層18が設けられている。よって、活性層33から基板11の側に向かって放出された光は、第一p側電極23及び第二p側電極25を通過した後、その下層の反射層18において反射させてn型半導体層35側へと導くことができる。従って、第一実施形態の半導体発光素子1と同様に、本実施形態の半導体発光素子1aにおいても高い光取り出し効率が実現される。
以上のように、本実施形態では、第一p側電極23及び第二p側電極25の双方をいずれもITO等の透光性を示す材料で形成した上で、光取り出し効率を高める目的で反射層18を第一p側電極23及び第二p側電極25の下層に設ける構成とした。しかし、このことは、第一p側電極23及び第二p側電極25をいずれもITO等の光透過性の材料で形成しながらも、反射層18を備えない構成を本発明から排除する趣旨ではない。無論、反射層18を備えた場合の方が、備えない場合に比べて光取り出し効率が向上する点において好ましい。
〈製造方法〉
次に、半導体発光素子1aの製造方法の一例につき、図2A〜図2E、図6、及び図7A〜図7Bを参照して説明する。なお、第一実施形態の半導体発光素子1の製造方法と共通する内容については、その旨を記載して適宜説明を割愛する。
まず、第一実施形態と同様の方法により、ステップS1〜S5を実行する(図2A〜図2C参照)。
(ステップS6B)
ステップS6及びステップS6Aと同様に、図2Dに示すように、露出しているp型半導体層31の上面のうち、n側電極41から離れた領域上に第一p側電極23を形成する。第一p側電極23の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
ここでは、スパッタ装置にてp型半導体層31の上面の所定の領域に膜厚100〜200nm程度のITOからなる材料膜を成膜する。その後、RTA装置等を用いてドライエア又は不活性ガス雰囲気中で、例えば400℃〜550℃程度(例えば400℃)、60秒〜300秒間のコンタクトアニール処理を行うことで、第一p側電極23を形成する。不活性ガス雰囲気でコンタクトアニールを行った場合、ドライエア雰囲気の場合よりもITOの透過率を高めることができるため、光取り出し効率を更に高める観点からは好適である。
本ステップS6Bは、工程(d1)に対応する。
(ステップS7B)
ステップS7及びステップS7Aと同様に、図2Eに示すように、露出しているp型半導体層31の上面、すなわち第一p側電極23よりはn側電極41に近い位置におけるp型半導体層31の上面に第二p側電極25を形成する。第二p側電極25の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
ここでは、ステップS6Bと同様に、スパッタ装置にてp型半導体層31の上面の所定の領域に膜厚100〜200nm程度のITOからなる材料膜を成膜する。その後、RTA装置等を用いてドライエア又は不活性ガス雰囲気中で、ステップS6Bよりも低温、例えば290℃〜350℃程度(例えば300℃)、60秒〜300秒間のコンタクトアニール処理を行う。上記の温度条件下で形成された第二p側電極25は、第一p側電極23とp型半導体層31との間よりも高い接触抵抗となる。
このステップS7Bは、工程(d2)に対応する。
以下、図6を参照して、ITOを形成する場合においてもコンタクトアニール温度によって接触抵抗が制御できることを説明する。図6は、模擬的に形成した検証用素子と、その検証用素子におけるアニール温度と抵抗率の関係を示すグラフである。図6(a)に示す検証用素子70bは、p型AlGaN層71上に、膜厚150nmのITO層78が形成されており、素子分離絶縁層76によって隣接する2素子が電気的に分離されている。なお、検証用素子70bは、素子分離絶縁層76によって隣接する2素子が電気的に分離されているが、素子分離絶縁層76を形成せずに単に2素子を空間的に分離した状態で形成しても構わない。
図6(b)は、p型AlGaN層71上にITO層78を蒸着し、異なるアニール温度でコンタクトアニール処理を行った後、プローブ77を用いて隣接する2素子間の抵抗を測定し、アニール温度との関係をグラフ化したものである。また、図6(c)は、アニール条件を異ならせて形成された各検証用素子70bに対する電流電圧特性をグラフにしたものである。
ここでは、200℃、400℃、600℃、700℃及び800℃の5種類の異なる温度条件でコンタクトアニールを行なっている。また、比較のために、ITO層78を蒸着した後にコンタクトアニールを行わなかった場合の結果も載せている。
図6(b)及び(c)によれば、アニール温度が400℃以上の場合には、p型AlGaN層71とITO層78の間でオーミック接触が形成されていることが分かる。一方、アニール温度が200℃の場合、及びコンタクトアニール処理を行わなかった場合には、p型AlGaN層71とITO層78の間でショットキー接触が形成されていることが分かる。なお、図6(b)において、アニール温度が400℃の場合と600℃の場合を比較すると、アニール温度が400℃の方が少し接触抵抗が高くなっている。そしてアニール温度が200℃の場合と400℃の場合を比較すると、アニール温度が200℃の方が極めて接触抵抗が高くなっている。
従って、ステップS6Bにおいて、ITOで構成される材料膜を成膜した後、コンタクトアニール処理を400℃〜550℃程度の温度条件で実行することで、p型半導体層31との界面においてオーミック接触を示す第一p側電極23が形成される。更に、ステップS7Bにおいて、ITOで構成される材料膜を成膜した後、ステップS6Bよりも低い温度条件、例えば上述した290℃〜350℃程度の温度条件でコンタクトアニール処理を実行することで、p型半導体層31との界面でショットキー接触が形成され、p型半導体層31との界面における接触抵抗が、第一p側電極23よりも高い第二p側電極25が形成される。
(ステップS8A)
第一p側電極23及び第二p側電極25の上面に跨るように反射層18を形成する(図7A参照)。この反射層18は、上述したように活性層33から射出される光を反射する機能を有する導電性材料であり、例えば、n側電極41と同一の材料で構成することができる。
すなわち、具体的には、膜厚150nmのAg及び膜厚30nmのNiを成膜した後、ステップS7Bにおけるアニール温度と同等以下の温度でコンタクトアニール処理を実行して、反射層18を形成する。この反射層18は、第一p側電極23及び第二p側電極25との間で密着性が確保できればよいため、ステップS6Bほどの高温でコンタクトアニールを実行する必要はない。
このステップS8Aは工程(d3)に対応する。
(ステップS8B)
反射層18の上層に、第一実施形態のステップS8と同様の方法で保護層17を形成する。また、n側電極41の上層に保護層42を形成する。その後、保護層17の上面に接合層15を形成し、保護層42の上面に接合層43を形成する(図7B参照)。
(ステップS9〜S10)
以下は、第一実施形態と同様にステップS9〜S10を実行し、図5に示す半導体発光素子1aが形成される。
[第三実施形態]
本発明の半導体発光素子の第三実施形態の構成及びその製造方法について説明する。なお、第一実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付している。
〈構造〉
図8は、第二実施形態の半導体発光素子を模式的に示す図面である。図8において、(a)は一方の主面(ここでは「上面」とする。)側から見たときの模式的な平面図であり、(b)は(a)内におけるA−A線で切断したときの模式的な断面図である。また、(c)は(a)とは反対側の主面(ここでは「底面」とする。)側から見たときの模式的な平面図である。
図8に示す半導体発光素子1bは、いわゆる「ビア構造」と呼ばれるタイプの素子に対応する。半導体層30内において、一部領域にp型半導体層31及び活性層33を貫通してn型半導体層35に達する溝部が設けられており、当該溝部内を充填するようにn側電極41が形成されている。n側電極41の外側面には絶縁層54が形成されており、n側電極41と第二p側電極25との間の絶縁性が確保されている。
第二p側電極25は中空の筒形状を有しており、第二p側電極25の内側を貫通するようにn側電極41が形成されている。つまり、n側電極41の外側に第二p側電極25が形成されている。そして、この第二p側電極25の更に外側に第一p側電極23が形成されている。つまり、本実施形態においても、第一実施形態と同様に、第二p側電極25が、第一p側電極23よりもn側電極41に近い位置に配置されている。
そして、第一実施形態と同様に、第二p側電極25とp型半導体層31との界面の接触抵抗が、第一p側電極23とp型半導体層31との界面の接触抵抗よりも高い。このため、n側電極41から離れた位置に形成された第一p側電極23から、半導体層30を経由してn側電極41に達する電流が流れやすくなり、n側電極41に近い箇所での電流集中が緩和される。
この結果、半導体発光素子1が高出力デバイスとして利用される場合、すなわち高電流が供給される場合においても、基板11の主面に平行な方向に関し、活性層33内の広い範囲に電流を流すことができるので、発光効率及び光取り出し効率を向上させることができる。また、この構成によれば、半導体層30内の所定の箇所に電流が集中して高温になることが防止されるので、従来に比べて長寿命の素子が実現される。
なお、本実施形態の半導体発光素子1bにおいても、保護層17及び保護層42は必ずしも必須の要素ではなく、これらの一方又は双方が設けられていない構成とすることもできる。また、絶縁層54は、n側電極41と第二p側電極25の間の絶縁性を確保するために設けられたものであるが、両者間の絶縁性が確保されていれば絶縁層54は必ずしも設ける必要はない。
〈第一の製造方法〉
次に、半導体発光素子1bの第一の製造方法の一例につき、図2A、図9A〜図9Hに示す模式的な製造工程図を参照して説明する。図9A〜図9Fにおいても、図8と同様に、(a)は一方の主面(ここでは「上面」とする。)側から見たときの模式的な平面図であり、(b)が(a)の図面上のA−A線で切断したときの模式的な断面図であり、(c)は(a)とは反対側の主面(ここでは「底面」とする。)側から見たときの模式的な平面図である。
また、以下で説明する製造条件や膜厚等の寸法はあくまで一例であって、これらの数値に限定されるものではない。また、第一実施形態及び第二実施形態と共通する内容についてはその旨を記載して詳細な説明を割愛する。
まず、図2Aに示すように、第一実施形態のステップS1〜S3を実行する。
(ステップS11)
図9Aに示すように、p型半導体層31の上面の所定の箇所に第一p側電極23を形成する。具体的には、p型半導体層31の上面のうち、一以上の島状領域以外の領域に対して選択的に第一p側電極23を形成する。このステップS11を経たウェハは、p型半導体層31が島状に露出した領域と、第一p側電極23が露出した領域を上面に有する。第一p側電極23の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
まず、第一p側電極23を形成しない領域に対応したp型半導体層31の上面の領域に、パターニングによってレジストを塗布する。このレジストを塗布する領域は、後にn側電極41を形成する領域及びn側電極41に近くて電流が集中しやすい領域に対応する。その後、レジストの上面を含む全面に、例えばスパッタ装置にて膜厚150nmのAg及び膜厚30nmのNiを成膜する。なお、この材料膜として、p型半導体層31との密着性を高めるために、Ag層の下層に膜厚1.5nm程度のNiを成膜しても構わない。
次に、レジストをリフトオフした後、RTA装置等を用いてドライエア又は不活性ガス雰囲気中で400℃〜550℃(例えば400℃)、60秒〜300秒間のコンタクトアニール処理を行って、第一p側電極23を形成する。不活性ガス雰囲気でアニールをした場合、マイグレーションによるp型半導体層31側へのAgの拡散を少なくすることができるため、ドライエア雰囲気の場合よりも更にショットキー効果を高めることができる。
このステップS11が工程(d1)に対応する。
(ステップS12)
ステップS11を経て、p型半導体層31の上面が島状に露出されている。ここで、図9Bに示すように、当該島状に露出したp型半導体層31の上面のうち、一部の上面を露出させたまま、ステップS11で形成された第一p側電極23の内側面を覆うように第二p側電極25を形成する。このステップS12を経たウェハは、p型半導体層31が島状に露出した領域と、当該露出したp型半導体層31を取り囲むように第二p側電極25が露出した領域と、第一p側電極23が露出した領域を上面に有する。第二p側電極25の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
まず、第二p側電極25を形成しない領域に対応したp型半導体層31の上面、及び第一p側電極23の上面に、パターニングによってレジストを塗布する。このレジストを塗布する領域は、後にn側電極41を形成する領域と第一p側電極23の領域に対応する。その後、レジストの上面を含む全面に、例えばスパッタ装置にて膜厚150nmのAg及び膜厚30nmのNiを成膜する。なお、この材料膜として、p型半導体層31との密着性を高めるために、Ag層の下層に膜厚1.5nm程度のNiを成膜しても構わない。
次に、レジストをリフトオフした後、RTA装置等を用いてドライエア又は不活性ガス雰囲気中で、ステップS11よりも低温、例えば290℃〜350℃程度(例えば300℃)、60秒〜300秒間のコンタクトアニール処理を行って第二p側電極25を形成する。第一実施形態において上述したように、上記の温度条件下で形成された第二p側電極25は、第一p側電極23とp型半導体層31との間よりも高い接触抵抗となる。
このステップS12が工程(d2)に対応する。
(ステップS13)
図9Cに示すように、ステップS12を経て露出しているp型半導体層31の面に対してエッチングを行ってn型半導体層35の上面を露出させる。
具体的には、ステップS12の時点で形成された第一p側電極23及び第二p側電極25の上面に対して、パターニングによってレジスト51を塗布する。その後、このレジスト51をマスクとして、n型半導体層35の一部上面が露出するまで、p型半導体層31及び活性層33を、ICP装置を用いたドライエッチングによって除去する。なお、本ステップS13において、n型半導体層35についても一部エッチング除去しても構わない。本ステップS13によって、溝部52が形成される。
本ステップS13が工程(f)に対応する。
(ステップS14)
まず、ステップS13において形成されていたレジスト51をリフトオフする。その後、図9Dに示すように、溝部52の底面の中央部及び第一p側電極23の上面に、パターニングによってレジスト53を形成する。すなわち、溝部52の底面においてレジスト53の外周にn型半導体層35の上面を露出させた状態とする。その後、全面に絶縁層54を形成する(図9D参照)。絶縁層54としてはSiO2、SiN、Zr、AlN、Al等を用いることができる。
その後、図9Eに示すようにレジスト53をリフトオフする。このとき、溝部52の内側面及び第二p側電極25の上面に絶縁層54が形成される。このステップS14が工程(g1)に対応する。
(ステップS15)
第二p側電極25の上層に形成された絶縁層54の上面、及び第一p側電極23の上面に、パターニングによってレジスト55を形成する。その後、溝部52を充填するように、導電性材料を形成してn側電極41を形成する(図9F参照)。n側電極41の形成方法の一例としては、膜厚100nmのCrと膜厚0.5〜3μmのAuを蒸着した後、窒素雰囲気中で250℃、1分間程度のアニール処理を行う。その後、レジスト55をリフトオフする(図9G参照)。このステップS15が工程(g2)に対応する。
ステップS14及びステップS15によって、溝部52内に第二p側電極25と電気的に絶縁した状態でn側電極41が形成される(工程(g)に対応)。
(ステップS16)
露出している第一p側電極23の上面に保護層17を形成し、露出しているn側電極41の上層に保護層42を形成する。その後、保護層17の上面に接合層15を形成し、保護層42の上面に接合層43を形成する。保護層17及び保護層42の形成方法、並びに接合層15及び接合層43の形成方法については、第一実施形態のステップS8と同様の方法を採用することができる。
(ステップS17)
次に、成長基板61とは別に準備された基板11を、接合層15及び接合層43を介して成長基板61に接合する(図9H参照)。ステップS17は、第一実施形態のステップS9と同様の方法を採用することができる。
(ステップS18)
次に、成長基板61を剥離する。第一実施形態のステップS10と同様に、成長基板61を上に、基板11を下に向けた状態で、成長基板61側からKrFエキシマレーザを照射して、成長基板61とエピタキシャル層の界面を分解させることで成長基板61の剥離を行う。その後、ウェハ上に残存しているGaN(アンドープ層36)を、塩酸等を用いたウェットエッチング、又はICP装置を用いたドライエッチングによって除去し、n型半導体層35を露出させる。なお、本ステップS18においてアンドープ層36が除去される(図8参照)。このステップS18が工程(e)に対応する。
なお、ステップS16において、保護層17を第一p側電極23の上面にのみ形成したが、ステップS15の終了時点において第二p側電極25の一部の上面が露出している場合には、この露出した第二p側電極25の上面にも保護層17を形成するものとしても構わない。
〈第二の製造方法〉
第一p側電極23を形成するステップS11、及び第二p側電極25を形成するステップS12として、第一実施形態の第二の製造方法におけるステップS6A及びステップS7Aと同様の方法を用いることができる。すなわち、ステップS11及びステップS12において成膜する材料膜としてAg/Ni/Ti/Ptの多層膜を用いると共に、ステップS12において成膜される材料膜の最上層のPt層の膜厚を、ステップS11において成膜される材料膜の最上層のPt層の膜厚よりも薄膜とする。詳細な説明は割愛する。
〈別構成〉
第二実施形態で上述した構成のように、第一p側電極23及び第二p側電極25を活性層33から射出される光を透過する機能を有する導電性材料で構成し、これらの電極の下層に反射層18を設ける構成としても構わない。
この場合、第一p側電極23を形成するステップS11、及び第二p側電極25を形成するステップS12として、第二実施形態のステップS6B及びステップS7Bと同様の方法を用いることができる。すなわち、ステップS11及びステップS12において成膜する材料膜としてITO等の透光性の材料とすると共に、ステップS12におけるアニール温度を、ステップS11におけるアニール温度よりも低温にする。そして、ステップS15の終了後、すなわち図9Gの状態から、第二実施形態のステップS8Aと同様の方法で反射層18を形成した後にステップS16を行うものとすればよい。詳細な説明は割愛する。
ただし、図9Gの状態においては、反射層18をn側電極41の形成箇所以外の上面に形成すると、絶縁層54の上面に形成された反射層18がn側電極41の側面と接触して、n側電極41と第一p側電極23又は第二p側電極25とが短絡するおそれがある。このため、本実施形態の構成においては、第一p側電極23の上面にのみ反射層18を形成するものとすることができる。また、第一p側電極23の上面に加えて第二p側電極25の上方、すなわち絶縁層54の上面にも反射層18を形成する場合には、n側電極41の外側面に接触しないようにパターニングされたレジストを用いて反射層18を形成するのが好ましい。
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
〈1〉 第一p側電極23及び第二p側電極25として、活性層33から射出される光を反射させることのできる材料膜を用いる場合、この材料膜は活性層33から射出される光の波長に応じて適宜選択されるものとして構わない。例えば、活性層33からの光が波長350nm未満の深紫外光の領域である場合には、第一p側電極23及び第二p側電極25を形成する材料として、Alを含む材料とすることができる。また、活性層33からの光が波長350nm以上590nm以下の領域、すなわち紫外光〜黄色光の領域である場合には、第一p側電極23及び第二p側電極25を形成する材料として、Agを含む材料とすることができる。また、活性層33からの光が590nmを超える領域、すなわち橙色光〜赤外光領域である場合には、第一p側電極23及び第二p側電極25を形成する材料として、Ag、Cu、又はAuを含む材料とすることができる。
〈2〉 上述した第一、第二、及び第三実施形態において、p型半導体層とn型半導体層の位置を逆転させても構わない。すなわち、本発明の半導体発光素子を、n型半導体層、n型半導体層の上層に形成された活性層、及び活性層の上層に形成されたp型半導体層を含む半導体層を有してなる半導体発光素子として構成しても構わない。このとき、この半導体発光素子は、n型半導体層の下層に形成された第一n側電極及び第二n側電極と、p型半導体層の下方であって、活性層が形成されていない領域の少なくとも一部に形成され、p型半導体層と電気的に接続されたp側電極とを有し、第二n側電極は第一n側電極よりもp側電極に近い位置に形成され、第二n側電極とn型半導体層との界面における接触抵抗が、第一n側電極とn型半導体層との界面における接触抵抗よりも高いことを特徴とする。
上記構成においても、p側電極とn側電極との間に電圧が印加されると、p側電極から、第二n側電極よりも第一n側電極に向かって電流が流れやすくなる。この結果、p側電極から離れた領域に電流を流しやすくなるため、活性層内の広い範囲を発光させることができ、光取り出し効率が向上する。なお、このような素子は、適宜順序を異ならせることで上述した各実施形態の方法と同様の方法によって製造することができる。
1,1a,1b : 半導体発光素子
11 : 基板
15 : 接合層
17 : 保護層
18 : 反射層
23 : 第一p側電極
25 : 第二p側電極
30 : 半導体層
31 : p型半導体層
33 : 活性層
35 : n型半導体層
35a : n型半導体層の第一部位
35b : n型半導体層の第二部位
36 : アンドープ層
39 : エピタキシャル層
41 : n側電極
42 : 保護層
43 : 接合層
51 : レジスト
52 : 溝部
53 : レジスト
54 : 絶縁層
61 : 成長基板
70,70a,70b : 検証用素子
71 : p型AlGaN層
72 : Ag層
73,73a : Ni層
74 : Ti層
75 : Pt層
76 : 素子分離絶縁膜
77 : プローブ
78 : ITO層
100 : 従来の半導体発光素子
101 : p側電極
103 : p側パッド電極
110 : 従来の半導体発光素子

Claims (14)

  1. p型又はn型のいずれか一方の導電型の第一半導体層、前記第一半導体層の上層に形成された活性層、及び前記活性層の上層に形成された、前記第一半導体層とは異なる導電型の第二半導体層を含む半導体層を有してなる半導体発光素子であって、
    前記第一半導体層の下層に形成された第一電極及び第二電極と、
    前記第二半導体層の下方であって、前記活性層が形成されていない領域の少なくとも一部に形成され、前記第二半導体層と電気的に接続された第三電極とを有し、
    前記第二電極は前記第一電極よりも前記第三電極に近い位置に形成され、
    前記第二電極と前記第一半導体層との界面における接触抵抗が、前記第一電極と前記第一半導体層との界面における接触抵抗よりも高いことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 少なくとも前記第一半導体層及び前記活性層を貫通し、前記第二半導体層に達する凹部を有し、
    前記第二電極は、前記凹部の少なくとも一部の外側面を取り囲むように形成され、
    前記第三電極は、前記活性層、前記第一半導体層、及び前記第二電極との間の絶縁状態を保持した状態で前記凹部内に挿入して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記第一半導体層はp型半導体層であり、前記第二半導体層はn型半導体層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記第一電極及び前記第二電極は、前記活性層からの射出光を反射させる材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記第一電極及び前記第二電極が、Ag、Al、Ni、Ti、又はPtを含有する金属材料で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子。
  6. 前記第一電極及び前記第二電極の下層に、前記活性層からの射出光を反射させる材料で形成された反射層を有し、
    前記第一電極及び前記第二電極は、前記活性層からの射出光を透過させる材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  7. 前記第一電極及び前記第二電極がITOを含有する材料で構成されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体発光素子。
  8. 請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    成長基板を準備する工程(a)と、
    前記成長基板上に、前記第二半導体層の一部領域、及び前記第一半導体層を露出した状態で前記半導体層を形成する工程(b)と、
    前記工程(b)の後、前記第二半導体層の露出面の少なくとも一部領域に前記第三電極を形成する工程(c)と、
    前記工程(b)の後、前記第一半導体層の露出面の一部領域に前記第一電極を形成するための材料膜を成膜した後、コンタクトアニールを施して前記第一電極を形成する工程(d1)と、
    前記工程(d1)の後、前記第一半導体層の露出面の少なくとも一部領域であって前記第一電極よりも前記第三電極に近い位置に、前記第二電極を形成するための材料膜を成膜した後、前記工程(d1)よりも低温度でコンタクトアニールを施して前記第二電極を形成する工程(d2)と、
    前記成長基板を剥離する工程(e)とを有することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  9. 前記工程(d1)及び前記工程(d2)で成膜される材料膜がITOであり、
    前記工程(d2)の実行後、前記第一電極及び前記第二電極に跨るように、金属材料膜を成膜後、前記工程(d2)と同等以下の温度でコンタクトアニール処理を行って反射層を形成する工程(d3)を有し、
    前記工程(d3)の実行後に、前記工程(e)を実行することを特徴とする請求項8に記載の半導体発光素子の製造方法。
  10. 請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    成長基板を準備する工程(a)と、
    前記成長基板上に、前記第二半導体層の一部領域、及び前記第一半導体層を露出した状態で前記半導体層を形成する工程(b)と、
    前記工程(b)の後、前記第二半導体層の露出面の少なくとも一部領域に前記第三電極を形成する工程(c)と、
    前記工程(b)の後、前記第一半導体層の露出面の一部領域に、最上層にPtを含む多層構造を有する材料膜を成膜した後、コンタクトアニールを施して前記第一電極を形成する工程(d1)と、
    前記工程(d1)の後、前記第一半導体層の露出面の少なくとも一部領域であって前記第一電極よりも前記第三電極に近い位置に、Ptの膜厚を前記工程(d1)よりも薄膜として最上層にPtを含む多層構造を有する前記材料膜を成膜した後、コンタクトアニール処理を行って前記第二電極を形成する工程(d2)と、
    前記成長基板を剥離する工程(e)とを有することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  11. 請求項2に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    成長基板を準備する工程(a)と、
    前記成長基板上に前記第一半導体層を露出した状態で前記半導体層を形成する工程(b)と、
    前記工程(b)の後、前記第一半導体層の露出面上に、一以上の島状領域を除いて前記第一電極を形成するための材料膜を成膜した後、コンタクトアニールを施して前記第一電極を形成する工程(d1)と、
    前記工程(d1)の後、前記島状領域内で露出した前記第一半導体層上に、前記島状領域内を完全には覆わず外縁部に前記第二電極を形成するための材料膜を成膜した後、前記工程(d1)よりも低温度でコンタクトアニールを施して前記第二電極を形成する工程(d2)と、
    前記工程(d2)の後に、前記第二電極に囲まれた位置における前記第一半導体層の露出面に対して、前記第二半導体層が露出するまでエッチングして溝部を形成する工程(f)と、
    前記工程(f)の後に、前記第二電極と電気的に絶縁した状態で前記溝部内に前記第三電極を形成する工程(g)と、
    前記成長基板を剥離する工程(e)とを有することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  12. 前記工程(d1)及び前記工程(d2)で成膜される材料膜がITOであり、
    前記工程(d2)の実行後、前記第一電極及び前記第二電極に跨るように、金属材料膜を成膜後、前記工程(d2)と同等以下の温度でコンタクトアニール処理を行って反射層を形成する工程(d3)を有し、
    前記工程(d3)の実行後に、前記工程(f)を実行することを特徴とする請求項11に記載の半導体発光素子の製造方法。
  13. 請求項2に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    成長基板を準備する工程(a)と、
    前記成長基板上に前記第一半導体層を露出した状態で前記半導体層を形成する工程(b)と、
    前記工程(b)の後、前記第一半導体層の露出面上に、一以上の島状領域を除いて最上層にPtを含む多層構造を有する材料膜を成膜した後、コンタクトアニールを施して前記第一電極を形成する工程(d1)と、
    前記工程(d1)の後、前記島状領域内で露出した前記第一半導体層上に、前記島状領域内を完全には覆わず外縁部にPtの膜厚を前記工程(d1)よりも薄膜として最上層にPtを含む多層構造を有する前記材料膜を成膜した後、コンタクトアニールを施して前記第二電極を形成する工程(d2)と、
    前記工程(d2)の後に、前記第二電極に囲まれた位置における前記第一半導体層の露出面に対して、前記第二半導体層が露出するまでエッチングして溝部を形成する工程(f)と、
    前記工程(f)の後に、前記第二電極と電気的に絶縁した状態で前記溝部内に前記第三電極を形成する工程(g)と、
    前記成長基板を剥離する工程(e)とを有することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  14. 前記工程(g)は、
    前記溝部の底面は露出させたままで内側面を覆うように絶縁層を形成する工程(g1)と、
    前記工程(g1)の後に、露出した前記溝部の底面及び前記絶縁層で囲まれた内側領域を覆うように導電性材料を蒸着して前記第三電極を形成する工程(g2)とを有することを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
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