JP2015153663A - 全固体電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも簡便で精度良く位置合わせして電極体を積層することができる全固体電池の製造方法を提供する。【解決手段】(A)正極活物質層及び正極集電体層を含む1以上の正極体を提供する工程、(B)負極活物質層及び負極集電体層を含み、正極体に対して外形寸法が異なる1以上の負極体を提供する工程、(C)1以上の正極体及び1以上の負極体のうち、少なくとも外形寸法がより小さい電極体の少なくとも一部を、電極体の外形寸法を大きくして正極体の外形寸法と負極体の外形寸法とを近づけるように、固体電解質層で覆う工程、(D)少なくとも一方が固体電解質層で覆われた1以上の正極体及び1以上の負極体を、固体電解質層が間に配置されるように交互に積層して、積層体を形成する工程、並びに(E)1以上の正極体及び1以上の負極体を、それぞれの外周部の少なくとも2箇所を基準として位置合わせを行い、積層体をプレスすることを含む、全固体電池の製造方法。【選択図】図19

Description

本発明は、全固体電池の製造方法に関する。
近年、二次電池は、パソコン、ビデオカメラ、及び携帯電話等の電源として、あるいは自動車や電力貯蔵用の電源として、なくてはならない重要な構成要素となってきている。
二次電池の中でも特にリチウムイオン二次電池は、他の二次電池よりも容量密度が高く、高電圧での動作が可能という特徴を有している。そのため、小型軽量化を図りやすい二次電池として情報関連機器や通信機器に使用されており、近年、低公害車としての電気自動車やハイブリッド自動車用の高出力且つ高容量のリチウムイオン二次電池の開発が進められている。
リチウムイオン二次電池またはリチウム二次電池には、正極層及び負極層と、これらの間に配置されるリチウム塩を含む電解質とが備えられ、電解質は、非水系の液体又は固体によって構成される。電解質に非水系の液体電解質が用いられる場合には、電解液が正極層の内部へと浸透するため、正極層を構成する正極活物質と電解質との界面が形成されやすく、性能を向上させやすい。ところが、広く用いられている電解液は可燃性であるため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止等の安全性を確保するためのシステムを搭載する必要がある。これに対し、液体電解質を固体電解質に変えて、電池を全固体化した全固体電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられており、開発が進められている。
このような全固体電池であって、正極と負極との間に配置された多孔質層を有する単位電池素子において、単位電池素子の外縁部の少なくとも一部が、正極及び/または負極の外縁部にて形成され、多孔質層が外形寸法の大きい方の電極からはみ出さない構造が提案されている(特許文献1)。
特開2001−006741号公報
特許文献1によれば、正極及び/または負極の外縁部を位置決め部位として使用することができるが、正極及び負極のうちいずれかの外形寸法が小さい場合、外形寸法が小さい電極の位置合わせが難しく、外形寸法が小さい電極の位置ずれが起こらないように積層しようとすると、そのための設備が複雑になり時間を要する、といった問題があった。
したがって、従来よりも簡便で精度良く位置合わせして電極体を積層することができる全固体電池の製造方法が望まれている。
本発明は、(A)正極活物質層及び正極集電体層を含む1以上の正極体を提供する工程、
(B)負極活物質層及び負極集電体層を含み、正極体に対して外形寸法が異なる1以上の負極体を提供する工程、
(C)1以上の正極体及び1以上の負極体のうち、少なくとも外形寸法がより小さい電極体の少なくとも一部を、電極体の外形寸法を大きくして1以上の正極体の外形寸法と1以上の負極体の外形寸法とを近づけるように、固体電解質層で覆う工程、
(D)少なくとも一方が固体電解質層で覆われた1以上の正極体及び1以上の負極体を、固体電解質層が間に配置されるように交互に積層して、積層体を形成する工程、並びに
(E)1以上の正極体及び1以上の負極体を、それぞれの外周部の少なくとも2箇所を基準として位置合わせを行い、積層体をプレスして、全固体電池を作製する工程、
を含む、全固体電池の製造方法である。
本発明によれば、従来よりも簡便で精度良く位置合わせして電極体を積層することができる全固体電池の製造方法を提供することができる。
図1は、従来の一般的な全固体電池の製造プロセスを説明する断面模式図である。 図2は、従来の一般的な全固体電池の断面模式図である。 図3は、従来の一般的な全固体電池の製造プロセスの断面模式図である。 図4は、正極活物質層及び正極集電体層を、それぞれ1層ずつ含む正極体の断面模式図である。 図5は、2層の正極活物質層の間に1層の正極集電体層を挟んだ合計3層の積層構造を有する正極体の断面模式図である。 図6は、負極活物質層及び負極集電体層を、それぞれ1層ずつ含む負極体の断面模式図である。 図7は、2層の負極活物質層の間に1層の負極集電体層を挟んだ合計3層の積層構造を有する負極体の断面模式図である。 図8は、外形寸法が異なる正極体及び負極体の形状を説明する上面模式図である。 図9は、外形寸法がより小さい正極体の主表面の両面を、正極体の外形寸法が大きくなるように固体電解質層で覆ったものの断面模式図である。 図10は、外形寸法がより小さい正極体の主表面の一部を、正極体の外形寸法が大きくなるように固体電解質層で覆ったものの断面模式図である。 図11は、外形寸法がより小さい電極体の一部を外形寸法が大きくなるように固体電解質層で覆い且つ電極体の他方の面上に固体電解質層を配置したものの断面模式図である。 図12は、外形寸法がより小さい正極体の両面を、正極体の外形寸法が大きくなるように固体電解質層で覆ったものの断面模式図である。 図13は、外形寸法がより大きい電極体の主表面の両面に固体電解質層を配置した電極体の断面模式図である。 図14は、外形寸法がより大きい電極体の主表面の片面に固体電解質層を配置した電極体の断面模式図である。 図15は、正極体の外形寸法が負極体の外形寸法より小さい場合であって、正極体及び負極体の主表面の両面を、外形寸法が大きくなるように固体電解質層で覆った態様を例示する断面模式図である。 図16は、図9に示すような突出部を形成するように電極体の主表面の両面を固体電解質層で覆う方法の一例を示す断面模式図である。 図17は、図10に示すような突出部を形成するように電極体の主表面の一部を固体電解質層で覆う方法の一例を示す断面模式図である。 図18は、図12に示すような突出部を形成するように電極体の主表面の両面を固体電解質層で覆う方法の一例を示す断面模式図である。 図19は、工程(D)及び(E)の一例を表す断面模式図である。 図20は、工程(D)及び(E)の一例を表す断面模式図である。 図21は、工程(D)及び(E)の一例を表す断面模式図である。 図22は、位置合わせ治具のガイドに接するように配置した正極集電タブを有する正極体の上面図である。
従来、全固体電池において、正極層と負極層の外形寸法が異なる構造が提案されており、例えば、硫化物全固体電池において負極活物質にカーボン系の材料を用いる場合、正極層の端部でリチウムが析出することを抑制するため、正極層の外形寸法を負極層の外形寸法よりも小さくする構造が提案されている。また正極層と負極層との間の短絡を抑制するために、外形寸法が異なる構造が提案されている。
このような正極層の外形寸法と負極層の外形寸法とが異なる構成を有する全固体電池の製造方法として、例えば、図1に示すように、正極層1の外形寸法を負極層2の外形寸法よりも小さくして、正極層1及び正極集電体4と、負極集電体5、負極層2、及び固体電解質層3とを積層することが提案されている。図1は、正極層1、負極層2、固体電解質層3、正極集電体4、及び負極集電体5を含み、正極層1の外形寸法が負極層2の外形寸法よりも小さい従来の一般的な全固体電池の製造プロセスを説明する断面模式図である。
この場合、外周部を位置合わせ部位として使用すると、図2に示すように、正極集電体4及び正極層1が、負極集電体5、負極層2、及び固体電解質層3の中央部に配置されず、正極層1と負極層3との間で短絡が起きやすくなる。外形寸法が小さい正極層1及び正極集電体4を、負極集電体5、負極層2、及び固体電解質層3の中央部に配置しようとすると、積層面に平行方向(矢印の方向)に位置ずれが起きやすく、また、中央部に配置するための設備が複雑になり時間を要する、といった問題があった。
さらに、図1に示すように、正極層1及び正極層1よりも外形寸法が大きい負極層2をそれぞれ2つ以上含む積層構造を有する電池を作製する場合、図3に示すように、積層体を積層面に垂直方向から観察すると、積層体の内部に配置された正極層1は負極層2に隠れて見えないため、位置合わせが難しく、積層時に位置ずれが起きやすい。図3に示すように正極層1の位置が積層面に平行方向にずれると、全固体電池100を積層面に対して垂直方向に拘束するときに圧力が加わる範囲が、破線の内部に限定され、全固体電池100の出力低下等の原因となる。
上記のような正極層及び負極層が非同一の大きさを有する全固体電池の課題に対し、本発明者は鋭意研究を行い、正極体または負極体のうち少なくとも外形寸法がより小さい電極体の少なくとも一部を、電極体の外形寸法を大きくして正極体及び負極体の外形寸法が近づくように、固体電解質層で覆い、少なくとも一方が固体電解質層で覆われた正極体及び負極体を、固体電解質層が間に配置されるように交互に積層して、少なくとも一方が固体電解質層で覆われた正極体及び負極体のそれぞれの外周部の対応する少なくとも2箇所を基準として位置合わせしてプレスすることを含む、全固体電池の作製方法を見出した。
本発明は、(A)正極活物質層及び正極集電体層を含む1以上の正極体を提供する工程、(B)負極活物質層及び負極集電体層を含み、正極体に対して外形寸法が異なる1以上の負極体を提供する工程、(C)1以上の正極体及び1以上の負極体のうち、少なくとも外形寸法がより小さい電極体の少なくとも一部を、電極体の外形寸法を大きくして1以上の正極体の外形寸法と1以上の負極体の外形寸法とを近づけるように、固体電解質層で覆う工程、(D)少なくとも一方が固体電解質層で覆われた1以上の正極体及び1以上の負極体を、固体電解質層が間に配置されるように交互に積層して、積層体を形成する工程、並びに(E)1以上の正極体及び1以上の負極体を、それぞれの外周部の少なくとも2箇所を基準として位置合わせを行い、積層体をプレスして、全固体電池を作製する工程、を含む、全固体電池の製造方法を対象とする。本発明により、正極体及び負極体を、従来よりも簡便で精度良く位置合わせして積層した全固体電池を得ることができる。
以下、本発明に係る方法を、図面を参照しながら説明する。
図4に、本発明に係る方法に含まれる工程(A)の一例を表す断面模式図を示す。工程(A)は、正極活物質層11及び正極集電体層12を含む1以上の正極体10を提供することを含む。
正極体10は、正極活物質層11及び正極集電体層12を、それぞれ1層以上含み、外形寸法13を有する積層体である。図4に、正極活物質層11及び正極集電体層12を、それぞれ1層ずつ含む正極体10の断面模式図を示し、図5に、2層の正極活物質層11の間に1層の正極集電体層12を挟んだ合計3層の積層構造を有する正極体10の断面模式図を示す。
正極体10は、好ましくは、図5に示すような対称構造を有し、正極集電体層12の両面上に、実質的に同じ厚みを有する正極活物質層11を有する。正極集電体層12の両面上に形成される正極活物質層11が互いに同じ厚みであれば、正極活物質層11を構成する層の数は異なっていてもよい。正極体10が対称構造を有することにより、正極体10の反りを抑制しやすくなる。正極体10が図4に示すような非対称構造を有する場合、正極体10の反りを抑制するために、金属板等の剛性が高い集電体を用いることが好ましい。
図6に、本発明に係る方法に含まれる工程(B)の一例を表す断面模式図を示す。工程(B)は、負極活物質層21及び負極集電体層22を含み、正極体10に対して外形寸法が異なる1以上の負極体20を提供することを含む。
負極体20は、負極活物質層21及び負極集電体層22を、それぞれ1層以上含み、外形寸法23を有する積層体である。図6に、負極活物質層21及び負極集電体層22を、それぞれ1層ずつ含む負極体20の断面模式図を示し、図7に、2層の負極活物質層21の間に1層の負極集電体層22を挟んだ合計3層の積層構造を有する負極体20の断面模式図を示す。
負極体20は、好ましくは、図7に示すような対称構造を有し、負極集電体層22の両面上に、実質的に同じ厚みの負極活物質層21を有する。負極集電体層22の両面上に形成される負極活物質層21が互いに同じ厚みであれば、負極活物質層21を構成する層の数は異なっていてもよい。負極体20が対称構造を有することにより、負極体20の反りを抑制しやすくなる。負極体20が図6に示すような非対称構造を有する場合、負極体20の反りを抑制するために、金属板等の剛性が高い集電体を用いることが好ましい。
正極集電体層12の両面上に形成される正極活物質層11が同じ厚みを有すること、及び負極集電体層22の両面上に形成される負極活物質層21が同じ厚みを有することは、それぞれ、両面上に形成された電極活物質層の厚みの差が、厚みが小さい方を基準として好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内、さらに好ましくは1%以内、さらにより好ましくは実質的に0%であることを意味する。
図4〜図7は、正極体10の外形寸法13が負極体20の外形寸法23よりも小さい場合を例示したものであり、正極体10の外形寸法13が負極体20の外形寸法23より大きくてもよい。
正極体10及び負極体20は、好ましくは多角形状または円状の相似形状である。正極体10及び負極体20が多角形状である場合、正極体10及び負極体20は、より好ましくは実質的に正多角形状または4つの角が実質的に90°である四角形状であり、さらに好ましくは正方形状である。正極体10及び負極体20が円状である場合、正極体10及び負極体20は、より好ましくは実質的に真円状である。
正極体10の外形寸法13及び負極体20の外形寸法23は、例えば、正極体10の外形寸法が、負極体20の外形寸法の50〜99%、または76〜97%となるような大きさを有することができる。
工程(A)で提供される正極体に含まれる正極活物質層11、及び工程(B)で提供される負極活物質層21は、それぞれ、基材上に形成して準備することができる。
正極活物質層11及び負極活物質層21の基材上への形成は、スラリー塗工プロセス、ブラスト法、エアロゾルデポジション法、コールドスプレー法、スパッタリング法、気相成長法、または溶射法等を用いて行うことができ、スラリー塗工プロセスが簡便なプロセスで正極活物質層11及び負極活物質層21を得ることができ、好ましく用いられる。
基材は、正極活物質層11及び負極活物質層21をその上に形成することができるものであれば特に制限されるものではなく、正極集電体12または負極集電体22として用いられ得る金属集電体、フィルム状の柔軟性を有する基材、硬質基材等を用いることができ、例えば金属箔、金属板、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、テフロン(登録商標)等の基材を用いることができる。
正極活物質層11は、好ましくは正極集電体12を基材として用いて形成され、負極活物質層21は、好ましくは負極集電体22を基材として用いて形成される。この場合、集電体の両面上に電極活物質層を形成して電極体を得ることができる。また、集電体の両面上に電極活物質層を形成した後、プレスを行ってもよく、集電体の両面上に電極活物質層を形成して電極体を得て、工程(C)で、電極体と固体電解質層とを組み合わせた後にプレスを行ってもよい。集電体以外の基材上に電極活物質層を形成する場合、基材から電極活物質層を剥離して集電体上に配置するか、または基材上の電極活物質層を集電体上に転写して、電極体を得ることができる。
正極集電体12の材料としては、導電性を有し正極集電体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばSUS、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、チタン、およびカーボン等を挙げることができ、SUS及びアルミニウムが好ましい。さらに、正極集電体12の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
負極集電体22の材料としては、導電性を有し負極集電体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばSUS、銅、ニッケル、およびカーボン等を挙げることができ、SUS及び銅が好ましい。さらに、負極集電体22の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
正極集電体層12及び負極集電体層22には、それぞれ、正極タブ及び負極タブが接続され得る。
正極集電体12及び負極集電体22の厚みは、特に限定されるものではなく、例えば10〜500μm程度の厚みの金属箔を用いることができる。
スラリー塗工プロセスとしては、ダム式スラリーコーター、ドクターブレード法、グラビヤ転写法、リバースロールコータ等が挙げられる。このようなスラリー塗工プロセスにより、正極活物質を含むスラリー及び負極活物質を含むスラリーを基材上に塗工及び乾燥して、正極活物質層11及び負極活物質層21を得ることができる。
正極活物質層11は、正極活物質を含み、所望により、固体電解質、導電助剤、及びバインダーを含んでもよい。負極活物質層21もまた、負極活物質を含み、所望により、固体電解質、導電助剤、及びバインダーを含んでもよい。
したがって、正極活物質を含むスラリーは、正極活物質を含み、所望により、固体電解質、導電助剤、及びバインダーを含んで調製され、負極活物質を含むスラリーは、負極活物質を含み、所望により、固体電解質、導電助剤、及びバインダーを含んで調製され得る。
正極活物質を含むスラリー及び負極活物質を含むスラリーの調製に用いる溶媒は、正極活物質及び負極活物質の性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、例えば炭化水素系有機溶媒のヘプタン、トルエン、ヘキサン等が挙げられ、好ましくは脱水処理して水分含有量を低くした炭化水素系有機溶媒が用いられる。
本発明において、正極活物質層11及び負極活物質層21に含まれる活物質材料としては、全固体電池の電極活物質として利用可能な材料を用いることができる。活物質材料として、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn24)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/32、Li1+xMn2-x-yy4(Mは、Al、Mg、Co、Fe、Ni、及びZnから選ばれる1種以上の金属元素)で表される組成の異種元素置換Li−Mnスピネル、チタン酸リチウム(LixTiOy)、リン酸金属リチウム(LiMPO4、MはFe、Mn、Co、またはNi)、酸化バナジウム(V25)及び酸化モリブデン(MoO3)等の遷移金属酸化物、硫化チタン(TiS2)、グラファイト及びハードカーボン等の炭素材料、リチウムコバルト窒化物(LiCoN)、リチウムシリコン酸化物(LixSiyz)、リチウム金属(Li)、リチウム合金(LiM、Mは、Sn、Si、Al、Ge、Sb、またはP)、リチウム貯蔵性金属間化合物(MgxMまたはNySb、MはSn、Ge、またはSb、NはIn、Cu、またはMn)等、並びにこれらの誘導体が挙げられる。
本発明において、正極活物質と負極活物質には明確な区別はなく、2種類の充放電電位を比較して、充放電電位が貴な電位を示すものを正極に、卑な電位を示すものを負極に用いて、任意の電圧の電池を構成することができる。
本発明において、正極活物質層11及び負極活物質層21に含まれ得る固体電解質の材料としては、全固体電池の固体電解質として利用可能な材料を用いることができる。例えば、例えば、Li2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Li2S−P25、LiI−Li2S−B23、Li3PO4−Li2S−Si2S、Li3PO4−Li2S−SiS2、LiPO4−Li2S−SiS、LiI−Li2S−P25、LiI−Li3PO4−P25、若しくはLi2S−P25等の硫化物系固体電解質、Li2O−B23−P25、Li2O−SiO2、Li2O−B23、若しくはLi2O−B23−ZnO等の酸化物系非晶質固体電解質、Li1.3Al0.3Ti0.7(PO43、Li1+x+yxTi2-xSiy3-y12(Aは、AlまたはGa、0≦x≦0.4、0<y≦0.6)、[(B1/2Li1/21-zz]TiO3(Bは、La、Pr、Nd、またはSm、CはSrまたはBa、0≦z≦0.5)、Li5La3Ta212、Li7La3Zr212、Li6BaLa2Ta212、若しくはLi3.6Si0.60.44等の結晶質酸化物、Li3PO(4-3/2w)w(w<1)等の結晶質酸窒化物、またはLiI、LiI−Al23、Li3N、若しくはLi3N−LiI−LiOH等を用いることができる。硫化物系固体電解質が、優れたリチウムイオン伝導性を有する点で好ましく用いられる。また、本発明の固体電解質として、リチウム塩を含むポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリフッ化ビニリデン、またはポリアクリロニトリル等の半固体のポリマー電解質も使用することができる。また、非晶質の硫化物系固体電解質を例えば約140〜220℃で熱処理してガラスセラミックスとしたものを固体電解質として用いることもできる。
正極活物質層11及び負極活物質層21に固体電解質を含有させる場合、電極活物質と固体電解質との混合比率は、特に限定されないが、例えば、電極活物質:固体電解質の体積比率を20:80〜90:10、または40:60〜70:30にすることができる。
正極活物質層11に硫化物系固体電解質を含有させる場合、正極活物質と硫化物系固体電解質との界面に高抵抗層が形成され難くすることにより、電池抵抗の増加を防止しやすい形態にする観点から、正極活物質は、イオン伝導性酸化物で被覆されていることが好ましい。正極活物質を被覆するリチウムイオン伝導性酸化物としては、例えば、一般式LixAOy(Aは、B、C、Al、Si、P、S、Ti、Zr、Nb、Mo、Ta又はWであり、x及びyは正の数である。)で表される酸化物を挙げることができる。具体的には、Li3BO3、LiB2、Li2CO3、LiAlO2、Li4SiO4、Li2SiO3、Li3PO4、Li2SO4、Li2TiO3、Li4Ti512、Li2Ti25、Li2ZrO3、LiNbO3、Li2MoO4、Li2WO4等を例示することができる。また、リチウムイオン伝導性酸化物は、複合酸化物であってもよい。
正極活物質を被覆する複合酸化物としては、上記リチウムイオン伝導性酸化物の任意の組み合わせを採用することができ、例えば、Li4SiO4−Li3BO3、Li4SiO4−Li3PO4等を挙げることができる。
また、正極活物質の表面をイオン伝導性酸化物で被覆する場合、イオン伝導性酸化物は、正極活物質の少なくとも一部を被覆してればよく、正極活物質の全面を被覆していても良い。また、正極活物質を被覆するイオン伝導性酸化物の厚さは、例えば、0.1nm以上100nm以下であることが好ましく、1nm以上20nm以下であることがより好ましい。なお、イオン伝導性酸化物の厚さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて測定することができる。
正極活物質層及び負極活物質層に含まれ得るバインダーの材料としては、特に制限されず、ポリテトラフルオロエチレン、ポリブタジエンゴム、水素添加ブチレンゴム、スチレンブタジエンゴム、多硫化ゴム、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等を用いることができる。
正極活物質層及び負極活物質層はそれぞれ、所望により導電助材粒子を含んでもよい。導電助材粒子としては、特に制限されるものではなく、黒鉛、カーボンブラック等を用いることができる。
プレス前の正極活物質層及び負極活物質層の厚みは、それぞれ、1.5〜3000μmが好ましく、7.5〜300μmがより好ましい。プレス前の正極活物質層及び負極活物質層の厚みが上記範囲にあることにより、プレス後の正極活物質層及び負極活物質層の厚みを、それぞれ、好ましくは1μm〜1mm、より好ましくは5μm〜100μmにすることができる。
本発明に係る方法で用いられる電極体は、必要とする電池の特性等に応じて、例えば1〜3000cm2、または10〜1000cm2等の任意の面積となる外形寸法、及び20〜2500μm、または50〜300μm等の任意の厚みを有することができる。
図9に、本発明に係る方法に含まれる工程(C)の一例を表す模式図を示す。工程(C)は、1以上の正極体及び1以上の負極体のうち、少なくとも外形寸法がより小さい電極体の少なくとも一部を、電極体の外形寸法を大きくして1以上の正極体の外形寸法と1以上の負極体の外形寸法とを近づけるように、固体電解質層30で覆うことを含む。
工程(C)において、1以上の正極体及び1以上の負極体のうち、少なくとも外形寸法がより小さい電極体の少なくとも一部を、電極体の外形寸法を大きくして1以上の正極体の外形寸法と1以上の負極体の外形寸法とを近づけるように、固体電解質層で覆うことにより、工程(D)で正極体及び負極体を積層し、工程(E)で位置合わせを行うときに、正極体10及び負極体20を、簡便で精度良く位置合わせして電極体を積層することができる。
本願において、「外形寸法がより小さい」とは、図8に示すように、例えば円盤状の正極体10及び負極体20を接するように配置したとき、一方の電極体の外形寸法が他方の電極体の外形寸法よりも小さく、一方の電極体の外周が全て他方の電極体の面内に入る大きさをいう。「外形寸法がより大きい」とは、一方の電極体の外形寸法が他方の電極体の外形寸法よりも大きく、一方の電極体の外周が全て他方の電極体の面内に入らない大きさをいう。外形寸法とは、図8に示すように、投影した寸法である。
図9は、外形寸法がより小さい正極体10の主表面15の両面を、外形寸法13を大きくするように固体電解質層30で覆ったものの断面模式図であり、図10は、外形寸法がより小さい正極体10の主表面15の一部を、外形寸法13を大きくするように固体電解質層30で覆ったものの断面模式図である。固体電解質層30は、電極体の主表面(積層したときに外形寸法が異なる他方の電極体と接する面)の両面に密着していれば、電極体の側面部33には密着していなくてもよく、側面部33には電極体と固体電解質層との間に空間を形成してもよい。電極体の少なくとも一部を固体電解質層30で覆う際、集電体の一部または集電体に接続した集電タブを固体電解質層30の外部に引き出すように覆うことができる。電極体の反りを抑制するために、図9に示すように、固体電解質層を対称形に形成することが好ましい。
工程(C)において、少なくとも外形寸法がより小さい電極体の外形寸法を大きくして正極体の外形寸法と負極体の外形寸法とを近づけるために、図9及び図10に示すように、少なくとも外形寸法がより小さい電極体の少なくとも一部を、突出部32を電極体の側面部33の少なくとも2箇所に形成するように、固体電解質層30で覆うことができる。突出部32は、電極体を覆うように配置した固体電解質層30の端部(外周部)で形成することができる。
図11に示すように、図10に示した固体電解質層30で一部を覆われた電極体に、さらに固体電解質層31を配置して電極体の全面を覆ってもよい。固体電解質層31の外形寸法は電極活物質層11と同じかそれ以上であり、外形寸法13と同じかそれ以下であることができる。
また、少なくとも外形寸法がより小さい電極体の外形寸法を大きくして正極体の外形寸法と負極体の外形寸法とを近づけるために、図12に示すように、固体電解質層30を折り畳むようにして、少なくとも外形寸法がより小さい電極体の少なくとも一部を、突出部32を電極体の側面部33の少なくとも1箇所に形成するように、覆ってもよい。この場合、固体電解質層30の側面部33には折り返し部34が形成される。同様にして、少なくとも外形寸法がより小さい電極体の全面を、固体電解質層30で覆う場合、折り返し部34以外の固体電解質層30の端部(固体電解質層30の外周部であり、電極体10の左側及び紙面に垂直方向)に突出部32が形成される。折り返し部34も所定の厚みを有するため、突出部32だけでなく折り返し部34の厚みの分も、電極体の外形寸法を大きくすることができる。例えば突出部32を固体電解質層30の端部(外周部)であって紙面に垂直方向の手前側に形成した場合、突出部32と折り返し部34の2箇所を基準として位置合わせを行うことができる。外形寸法がより小さい電極体を、外形寸法がより大きい電極体の中央部に位置合わせすることをより容易にするために、突出部32を電極体の側面部33の少なくとも2箇所に形成することが好ましい。このように、固体電解質層を用いて任意の方法で、外形寸法がより小さい電極体の外形寸法を大きくすることができる。
工程(C)においては、正極体10及び負極体20のうち、外形寸法がより大きい電極体には、固体電解質層を配置してもよく配置しなくてもよい。外形寸法がより大きい電極体に固体電解質層を配置する場合、図13及び図14に示すように外形寸法がより大きい電極体の外形寸法を変えないように電極体の両面または片面に固体電解質層31を配置してもよく、または図9〜図12に示すものと同様に、外形寸法がより大きい電極体の外形寸法を大きくするように、固体電解質層で覆ってもよい。
工程(C)において、外形寸法がより大きい電極体に固体電解質層を配置しない場合、正極体10と負極体20との間に固体電解質層を介在させるために、図9、11、及び12に示すように、外形寸法がより小さい電極体の主表面の両面を、外形寸法が大きくなるように固体電解質層30で覆うことが好ましい。工程(C)で図10に示すような一部が固体電解質層30で覆われた外形寸法がより小さい電極体を形成する場合(積層したときに外形寸法がより大きい電極体と接する面の一部が固体電解質層30で覆われていない電極体を形成する場合)、工程(D)において正極体10と負極体20を積層する際に、別途固体電解質層を準備して、正極体10と負極体20との間に固体電解質層を配置することができる。
工程(C)において、図9及び11〜13に示すような態様で外形寸法がより大きい電極体の両面の全面に固体電解質層を配置する場合、図9〜図13に例示するように、外形寸法がより小さい電極体の一部を外形寸法が大きくなるように固体電解質層30で覆えばよい。
また、固体電解質層30の強度が十分に高い場合は、図10に示すように、外形寸法がより小さい電極体の一部を外形寸法が大きくなるように固体電解質層30で覆ってもよいが、固体電解質層30の強度があまり高くない場合、図9、11、及び12に示すように、突出部32を2層の固体電解質層30の端部で形成するように、外形寸法がより小さい電極体の両面を外形寸法が大きくなるように固体電解質層30で覆うことが好ましい。突出部32を2層の固体電解質層30の端部で形成することによって、突出部32の強度をより高くすることができる。突出部32を、2層の固体電解質層30をプレスして形成することがより好ましく、例えば図9及び12に示すような構造が好ましい。
工程(C)において、1以上の正極体及び1以上の負極体の外形寸法が近づくようにする限りにおいて、図9〜図12に示した態様と同様に、外形寸法がより大きい電極体の少なくとも一部を、固体電解質層30で覆ってもよい。また、図13及び14に示すように、外形寸法がより大きい電極体の主表面25の片面または両面に固体電解質層31を配置してもよい。図13は、外形寸法がより大きい電極体の主表面25の両面に固体電解質層31を配置した電極体の断面模式図であり、図14は、外形寸法がより大きい電極体の主表面25の片面に固体電解質層31を配置した電極体の断面模式図である。
工程(C)においては、例えば図15に示すように、正極体10及び負極体20の両方の主表面の両面を、それぞれの外形寸法が大きくなるように、固体電解質層30で覆ってもよい。図15は、正極体10の外形寸法が負極体20の外形寸法より小さい場合であって、正極体10及び負極体20の主表面の両面を、それぞれの外形寸法が大きくなるように、固体電解質層30で覆った態様を例示する断面模式図である。
工程(C)において、少なくとも外形寸法がより小さい電極体の少なくとも一部を固体電解質層で覆うことにより、正極体10の外形寸法13及び負極体20の外形寸法23の差を、外形寸法がより大きい電極体の外形寸法を基準として、好ましくは20%以内、より好ましくは10%以内、さらに好ましくは5%以内、さらにより好ましくは1%以内、さらにより好ましくは実質的に0%にすることができる。上記のような範囲内に正極体10と負極体20との外形寸法差を小さくすることによって、正極体10及び負極体20の位置ずれをより小さくすることができる。
図9〜図15では、正極体10及び負極体20のうち、外形寸法がより小さい正極体10の少なくとも一部を、正極体10の外形寸法を大きくして正極体10の外形寸法と負極体20の外形寸法とが近づくように、固体電解質層30で覆う場合を例示している。負極体20の外形寸法が正極体10の外形寸法より小さい場合は、少なくとも外形寸法がより小さい負極体20の少なくとも一部を固体電解質層30で覆う。
工程(C)で用いられる固体電解質層は、基材上に形成して準備することができる。固体電解質層の基材上への形成は、正極活物質層及び負極活物質層を形成する場合と同様の方法で行うことができ、スラリー塗工プロセスが簡便なプロセスで固体電解質層を得ることができ、好ましく用いられる。また、下記に記載するように、骨格材として用いられる補強材を含んで固体電解質層を形成する場合、補強材に固体電解質を含むスラリーを含浸し乾燥して固体電解質層を得ることができる。
基材は、固体電解質層をその上に形成することができるものであれば特に制限されるものではなく、正極活物質層及び負極活物質層の形成に用いられ得るものと同様の材料を用いることができ、例えばAl箔等の基材を用いることができる。また、図13及び14に示すように、電極体の外形寸法を変えないように電極体の主表面の両面または片面に固体電解質層を配置する場合、電極体上に固体電解質層を直接配置してもよい。
スラリー塗工プロセスとしては、ダム式スラリーコーター、ドクターブレード法、グラビヤ転写法、リバースロールコータ等が挙げられる。このようなスラリー塗工プロセスにより、固体電解質を含むスラリーを基材上に塗工及び乾燥して、固体電解質層を得ることができる。
固体電解質層は固体電解質を含み、所望により補強材(骨格材)及びバインダーを含んでもよい。固体電解質層は好ましくは補強材を含む。補強材を含んで固体電解質層を形成することにより、固体電解質層の強度を高めることができ、位置合わせをより容易に行うことができる。したがって、固体電解質を含むスラリーは、固体電解質を含み、所望により、補強材及びバインダーを含んで調製され得る。
固体電解質層に含まれる固体電解質の材料として、正極活物質層11及び負極活物質層21に含まれ得る固体電解質として挙げた材料を用いることができ、好ましくは、固体電解質層に含まれる固体電解質材料と正極活物質層11及び負極活物質層21に含まれ得る固体電解質材料とは同じである。
固体電解質層に含まれ得るバインダーの材料としては、正極活物質層及び負極活物質層と同じものが挙げられ、特に制限されない。
固体電解質層に含まれ得る補強材は、骨格材として固体電解質層の強度を向上することができ、固体電解質を含んでリチウムイオン伝導性を有し且つ電気絶縁性を有する材料であれば特に限定されない。補強材として、例えば、固体電解質を充填することができる孔を有するフィルムまたはメッシュ材が挙げられ、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、及びポリプロピレン(PP)のメッシュ材が挙げられる。
例えば、空孔率が30〜95体積パーセントで厚みが5〜100μmのポリプロピレン(PP)のメッシュ材に、固体電解質を含むスラリーを含浸し乾燥して固体電解質層を得ることができる。補強材に固体電解質を含むスラリーを含浸し乾燥する際、補強材と同じ厚みで固体電解質層が形成されるようにスラリーを含浸し乾燥してもよく、固体電解質層の厚み方向の内部に補強材が配置されるようにスラリーを含浸し乾燥してもよい。
固体電解質を含むスラリーの調製に用いる溶媒は、固体電解質の性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、例えば炭化水素系有機溶媒のヘプタン、トルエン、ヘキサン等が挙げられ、好ましくは脱水処理して水分含有量を低くした炭化水素系有機溶媒が用いられる。
プレス前の固体電解質層の厚みは、1〜300μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。プレス前の固体電解質層の厚みが上記範囲にあることにより、プレス後の固体電解質層の厚みを、好ましくは1μm〜150μm、より好ましくは5〜15μmにすることができ、固体電解質層を貫通する正極層及び負極層の間の短絡を防止することができる。
図9に示すような突出部32を形成するように電極体の両面を固体電解質層30で覆う方法として、図16に示すように、電極体よりも大きな外形寸法を有する固体電解質層30を電極体の両面上に配置して、電極体を固体電解質膜30で挟むように積層して固定したものをラミネート等の包装材に入れ真空引きした後、冷間静水等方圧プレス(CIP)等の等方圧プレスにてプレスする方法が挙げられる。電極体の両面上に配置する固体電解質膜30は、柔軟性を有する基材とともに配置して、プレス後に基材を剥がしてもよい。
外形寸法がより小さい電極体を覆うために用いられる固体電解質層の外形寸法は、所望の外形寸法13に応じて選択することができ、外形寸法がより大きい電極体と同じ外形寸法を有することが好ましい。外形寸法がより大きい電極体を外形寸法が大きくなるように固体電解質層で覆う場合、外形寸法がより小さい電極体を覆うために用いられる固体電解質層の外形寸法は、外形寸法がより大きい電極体を覆うために用いられる固体電解質層と同じ外形寸法を有することが好ましい。
上記のように、プレス後の電極活物質層の厚みは例えば約1mm以下であり、集電体の厚みは例えば約500μm以下と薄いため、等方圧プレスにてプレスした後の固体電解質層の外形寸法は、プレス前の固体電解質層の外形寸法に対して大きく減少することはなく、プレス前の固体電解質層の外形寸法と実質的に同じである。すなわち、例えば図9に例示する電極体の側面部33に配置される固体電解質層30の折り部分による固体電解質層30の外形寸法の減少を考慮しなくてもよい。
したがって、外形寸法がより小さい電極体を覆うために用いられる固体電解質層の外形寸法を、外形寸法がより大きい電極体と同じ外形寸法にするか、外形寸法がより大きい電極体を外形寸法が大きくなるように固体電解質層で覆う場合、外形寸法がより大きい電極体を覆うために用いられる固体電解質層と同じ外形寸法を有することが好ましい。なお、図16は、突出部32を形成するように、正極活物質層11よりも大きな外形寸法を有する固体電解質層を配置した場合の模式図であるが、各層の厚みを大きく記載しているため、縦横比が実際のものとは異なる。
具体的には、外形寸法がより小さい電極体を覆うために用いられる固体電解質層の外形寸法は、電極体の外形寸法よりも好ましくは1〜20mm大きい(片側で0.5〜10mm大きい)、より好ましくは1〜4mm大きい(片側で0.5〜2mm大きい)。
図10に示すような突出部32を形成するように電極体の一部を固体電解質層30で覆う方法として、図17に示すように、剛体基板50上に電極体及び電極体よりも大きな外形寸法を有する固体電解質層30を配置して固定したものをラミネート等の包装材に入れ真空引きした後、上記と同様の等方圧プレスにてプレスする方法が挙げられる。
図12に示すような突出部32及び折り返し部34を形成するように電極体の両面を固体電解質層30で覆う方法として、図18に示すように、固体電解質層30を折り畳んで電極体を覆うように配置して固定したものをラミネート等の包装材に入れ真空引きした後、上記と同様の等方圧プレスにてプレスする方法が挙げられる。
静水等方圧プレス(CIP)のプレス圧力及び保持時間は、電極体の主表面に固体電解質層を接着させ、好ましくは電極体に含まれる電極活物質層の緻密化も行うことができる任意の圧力及び保持時間にすることができ、プレス圧力は、好ましくは50〜1000MPa、より好ましくは80〜600MPaにすることができ、プレス圧力の保持時間は、好ましくは10秒〜5分、より好ましくは30秒〜2分である。
固体電解質層30は、集電体の一部または集電体に接続した電極タブを引き出すようにして、電極体を覆うことができる。固体電解質層30から集電体の一部または集電体に接続した電極タブを引き出す部分は、超音波溶着することにより密閉することができる。
本発明に係る方法に含まれる工程(D)は、少なくとも一方が固体電解質層で覆われた1以上の正極体及び1以上の負極体を、固体電解質層が間に配置されるように交互に積層して、積層体を形成することを含む。
本発明に係る方法に含まれる工程(E)は、1以上の正極体及び1以上の負極体を、それぞれの外周部の少なくとも2箇所を基準として位置合わせを行い、積層体をプレスして、全固体電池を作製することを含む。
図19に、工程(D)及び(E)の一例を表す断面模式図を示す。図19は、工程(D)及び(E)において、正極体の外形寸法が負極体の外形寸法よりも小さい場合に、突出部32を形成するように固体電解質層30で主表面の両面を覆った3つの正極体10と、主表面の両面に固体電解質層31を配置した3つの負極体20とを、固体電解質層が間に配置されるように交互に積層して積層体を形成し、3つの正極体10及び3つの負極体20を、それぞれの外周部の少なくとも2箇所を基準として位置合わせして、積層体をプレスする実施態様を例示する断面模式図である。例えば、図19に破線で示した基準のいずれか一方と紙面に垂直方向の手前または奥の基準(図示せず)を用いて位置合わせを行うことができる。
図20に、工程(D)及び(E)において、正極体の外形寸法が負極体の外形寸法よりも小さい場合に、突出部32を形成するように固体電解質層30で主表面の両面を覆った3つの正極体10と、固体電解質層を含まない3つの負極体20とを、固体電解質層が間に配置されるように交互に積層して積層体を形成し、3つの正極体10及び3つの負極体20を、それぞれの外周部の少なくとも2箇所を基準として位置合わせして、積層体をプレスする実施態様を例示する断面模式図を示す。例えば、図20に破線で示した基準のいずれか一方と紙面に垂直方向の手前または奥の基準(図示せず)を用いて位置合わせを行うことができる。
図21に、工程(D)及び(E)において、正極体の外形寸法が負極体の外形寸法よりも小さい場合に、突出部32を形成するように固体電解質層30で主表面の両面を覆った3つの正極体10と、突出部32を形成するように固体電解質層30で主表面の両面を覆った3つの負極体20とを、固体電解質層が間に配置されるように交互に積層して積層体を形成し、3つの正極体10及び3つの負極体20を、それぞれの外周部の少なくとも2箇所を基準として位置合わせして、積層体をプレスする実施態様を例示する断面模式図を示す。例えば、図21に破線で示した基準のいずれか一方と紙面に垂直方向の手前または奥の基準(図示せず)を用いて位置合わせを行うことができる。
本発明に係る方法において、正極体10及び負極体20の積層数は、それぞれ1以上であり、正極体10及び負極体20をそれぞれ、好ましくは2以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上、さらにより好ましくは50以上積層することができる。正極体10及び負極体20の積層数の上限は、特に制限されないが、それぞれ例えば500以下にすることができる。
工程(D)においては、正極体10と負極体20とを、固体電解質層が間に配置されるように交互に積層する。したがって、例えば、図10に記載されるような電極体の主表面の一部が露出している電極体を用いる場合、もう一方の電極体としては図13に記載されるような主表面の両面に固体電解質層が配置された電極体を用いることができ、また図14に記載されるような片面に固体電解質層が配置された電極体を用いて、正極体10と負極体20とを、固体電解質層が間に配置されるように交互に積層すればよい。また別途固体電解質層を準備して、正極体10と負極体20とを、固体電解質層が間に配置されるように交互に積層してもよい。
図19〜図21に例示するような積層体を作製する場合、電極体10の各層は互いに同じ構造を有してもよく異なる構造を有してもよい。電極体20の各層も同様に、互いに同じ構造を有してもよく異なる構造を有してもよい。例えば、積層体の内部に配置される電極体は、図5または図7に記載されるような2層の電極活物質層で集電体を挟んだ3層構造を有し、最外層となる電極体は、図4または図6に記載されるような1層の電極活物質層及び1層の集電体の2層構造を有してもよい。
工程(E)において位置合わせの基準とする箇所は、図22に示すように、正極体10及び負極体20のそれぞれの外周部の少なくとも2箇所である。図22は、位置合わせ治具のガイド40に接するように配置した正極体10及び負極体20を含む積層体の上面図である。図22は、正極体10が最上層に配置された積層体の例を示している。負極体20が最上層に配置されてもよい。図22において、正極体10は正極集電タブ14を有し、負極体20は負極集電タブ24を有する。図22において、正極集電タブ14及び負極集電タブ24は同じ向きに配置されているが、ガイド40に当たらなければ異なる向きに配置されてもよい。図22に示すように、正極体10及び負極体20のそれぞれの外周部の対応する少なくとも2箇所を基準として位置合わせすることにより、正極体10及び負極体20の位置ずれを容易に小さくすることができる。
正極体10及び負極体20のそれぞれの外周部の3箇所を基準として位置合わせしてもよく、4箇所以上を基準として位置合わせしてもよい。
位置合わせは、図22に示すようなガイドを有する位置合わせ治具を用いて容易に行うことができる。例えば、正極体10及び負極体20のそれぞれの外周部の対応する2箇所を基準として位置合わせする場合、正極体10及び負極体20のそれぞれの外周部の2箇所に接する2つのガイド40を有する位置合わせ治具を用いることができる。位置合わせ治具は、3つ以上のガイド40を有してもよく、位置合わせ治具のガイド40は固定式または可動式であってもよい。位置合わせ治具は、位置合わせ後に電極体を固定する固定部を有してもよい。図22に示すような2つのガイド40を備える位置合わせ治具を用いて、正極体10及び負極体20を位置合わせする場合、例えば、最初に1つのガイド40に正極体10及び負極体20を接するようにして位置合わせを行い、次いで、もう一方のガイド40に正極体10及び負極体20を接するようにして位置合わせを行ってもよく、あるいは、2つのガイドに同時に正極体10及び負極体20を接するようにして位置合わせを行ってもよい。正極体10及び負極体20をガイド40にあてて位置合わせを行うとき、正極体10及び負極体20がガイド40に当たるように、正極体10及び負極体20をガイド40に向かって反対側から押してもよくまたは位置合わせ治具を傾けて振動させてもよい。
工程(E)において、1以上の正極体10及び1以上の負極体20を位置合わせした積層体をプレスして、全固体電池を作製する。
正極体10及び負極体20を位置合わせした積層体を、位置合わせ治具から金型に移してプレスしてもよく、または位置合わせ治具が金型を兼ねている場合、位置合わせ治具ごと積層体をプレスしてもよい。
プレスは、市販の加圧装置を用いて行うことができ、一軸プレスまたは冷間静水等方圧プレス(CIP)等の等方圧プレスを行うことができる。
プレス方法の好ましい態様として、図19〜図21に例示するような積層面に垂直方向にプレスする一軸プレスが挙げられ、加熱しながら一軸プレスすることがより好ましい。加熱しながら一軸プレスする方法は、各層の密着性向上及び緻密化を良好に促進することができ、また、加圧時間を比較的短くすることができ、産業上有利である。図19〜図21に例示したような積層体に、加熱したプレス板(例えば金属板)をあてて、及び/または図19〜図21に例示したような積層体を入れた金型を加熱して、積層体の積層面に対して垂直方向にプレスすることができる。
一軸プレスのプレス圧力は、図19〜図21に例示したような積層体を接着して全固体電池を作製することができる任意の圧力にすることができる。例えば、積層体の各層同士を接着させるために、プレス圧力は、好ましくは50〜1000MPa、より好ましくは80〜600MPaにすることができる。一軸プレスのプレス温度は、プレス装置のプレス板(例えば金属板)を加熱することにより、及び/または積層体を入れる金型を加熱することにより、任意の温度に調節することができ、プレス温度は好ましくは80〜160℃である。一軸プレスのプレス圧力の保持時間は、プレス板(例えば金属板)及び/または金型から積層体に温度が伝わり、積層体を接着して全固体電池を作製することができる任意の時間にすることができ、好ましくは10秒〜5分、より好ましくは30秒〜2分である。
プレス方法の別の好ましい態様として冷間静水等方圧プレス(CIP)等の等方圧プレスが挙げられる。正極体及び負極体を位置合わせした積層体を、ラミネート等の包装材に入れ真空引きした後、冷間静水等方圧プレス(CIP)にてプレスすることができる。冷間静水等方圧プレス(CIP)の条件は、工程(C)と同様の条件にすることができる。
なお、本発明に係る方法は、工程(A)〜(E)を、別個の工程で行う態様、または連続して行う態様、または同時に行う態様を含む。また、本発明に係る方法は、例えば工程(B)の後に工程(A)を行う態様、工程(B)及び(C)の後に工程(A)及び(C)を行う態様、並びに工程(A)〜(C)を同時に行い、少なくとも一方が固体電解質層で覆われた正極体及び負極体を提供する態様を含む。また、本発明に係る方法は、工程(D)及び(E)において、1以上の正極体及び1以上の負極体を位置合わせしながら積層する態様を含む。
本発明に係る方法は、好ましくは、工程(A)〜(E)を繰り返して、2以上の全固体電池を作製すること、並びに(F)作製した2以上の全固体電池を積層し、積層した2以上の全固体電池のそれぞれの外周部の少なくとも2箇所を基準として位置合わせしてプレスすること、を含む。この場合、1以上の正極体及び1以上の負極体を含む積層体をプレスして一体化した全固体電池を、さらに工程(F)において、積層及び位置合わせしてプレスすることによって、一度に全ての層を積層及び位置合わせしてプレスする場合よりも、正極体10及び負極体20の位置ずれをより小さくすることができる。
例えば6つの正極体10及び6つの負極体20を含む全固体電池を作製する場合、工程(A)〜(E)を繰り返して、2つの正極体10及び2つの負極体20を含む全固体電池を3つ作製し、さらに工程(F)において、3つの全固体電池を積層及び位置合わせしてプレスすることによって、6つの正極体10及び6つの負極体20を含む全固体電池を得ることができる。
本発明に係る方法は、より好ましくは、工程(A)〜(E)を繰り返して、1つの正極体10及び1つの負極体20を含む2以上の単電池を作製すること、並びに(F)作製した2以上の単電池を積層し、積層した2以上の単電池のそれぞれの外周部の少なくとも2箇所を基準として位置合わせしてプレスすること、を含む。この場合、正極体10及び負極体20の位置ずれをさらに小さくした全固体電池を得ることができる。
例えば6つの正極体10及び6つの負極体20を含む全固体電池を作製する場合、工程(A)〜(E)を繰り返して、1つの正極体10及び1つの負極体20を含む単電池を6つ作製し、さらに工程(F)において、6つの単電池を積層及び位置合わせしてプレスすることによって、6つの正極体10及び6つの負極体20を含む全固体電池を得ることができる。
上記のように、本発明に係る方法によれば、正極体及び負極体の積層時の位置ずれを従来よりも容易に小さくすることができる。本発明に係る方法によれば、正極体及び負極体を1つずつ含む単電池を作製する場合においても正極体及び負極体の位置合わせを容易に行うことができ、さらには、正極体及び負極体をそれぞれ2層以上含む積層構造を有する全固体電池を作製する場合にも、正極体及び負極体の位置合わせを容易に行うことができる。
全固体電池を包む電池ケースとしては、全固体電池で使用可能な公知のラミネートフィルム等を用いることができる。そのようなラミネートフィルムとしては、樹脂製のラミネートフィルムや、樹脂製のラミネートフィルムに金属を蒸着させたフィルム等を例示することができる。
全固体電池は、円筒型、角型、ボタン型、コイン型、または扁平型等、所望の形状をとることができ、これらに限定されるものではない。
本発明を実施する形態として、下記に実施形態1〜3を例示する。実施形態1〜3は例示を目的として示すものであり、本発明の範囲は、実施形態1〜3に限定されるものではない。
(実施形態1)
正極体の作製
平均粒径4μmのLiCo1/3Ni1/3Mn1/32正極活物質粒子、正極活物質粒子100重量部に対して固形分比率で、固体電解質として33.5重量部の平均粒径0.8μmのLiI−Li2S−P25系ガラスセラミックス、導電助剤として3重量部のVGCF、及びバインダーとして1.5重量部の水素添加ブチレンゴムをヘプタン中に分散させることができる。分散媒をサンプル瓶に入れ、超音波ホモジナイザー(エスエムテー社製、UH−50)で30秒間混合して、振とう器(柴田科学社製、TTM−1)で30分間混合してスラリーを得ることができる。そのスラリーを、厚み20μmのAl箔上に4面アプリケーター(太佑機材製)を用いて塗工し、乾燥させる。さらにAl箔の反対面にも、同様にスラリーを塗工及び乾燥して、図5に示すような正極体10を作製することができる。
負極体の作製
負極活物質として天然黒鉛系カーボン(三菱化学製)、並びに負極活物質100重量部に対して固形分比率で、固体電解質として73重量部のLiI−Li2S−P2S系ガラスセラミックス、及びバインダーとして2.5重量部の水素添加ブチレンゴムをヘプタン中に分散させることができる。分散媒をサンプル瓶に入れ、超音波ホモジナイザーで30秒間混合して、振とう器で30分間混合してスラリーを得ることができる。そのスラリーを、厚み10μmのCu箔上に4面アプリケーターを用いて塗工し、乾燥させることができる。さらにCu箔の反対面にも、同様にスラリーを塗工及び乾燥して、図7に示すような負極体20を作製することができる。
固体電解質層の作製
固体電解質としてLiI−Li2S−P25系ガラスセラミックス、及び固体電解質100重量部に対して固形分比率で、バインダーとして1重量部の水素添加ブチレンゴムをヘプタン中に分散させることができる。分散媒をサンプル瓶に入れ、超音波ホモジナイザーで30秒間混合して、振とう器で30分間混合してスラリーを得ることができる。調製した固体電解質層用スラリーを、補強材であるポリプロピレン(PP)のメッシュ材に含浸し乾燥して固体電解質層を得ることができる。
全固体電池の作製
作製した負極体20の両面に固体電解質層31を積層して、600MPaの圧力で一軸プレスを行い、所定の寸法に打ち抜き、図13に示すような固体電解質層31を有する負極体20を得ることができる。
作製した正極体10を、固体電解質層31を有する負極体20よりも小さい外形寸法に打ち抜き、また、作製した固体電解質層を、固体電解質層31を有する負極体20と同じ外形寸法に打ち抜くことができる。図16に示すように、打ち抜いた正極体を、打ち抜いた固体電解質層30の中央部に配置し、正極体を固体電解質層30で挟むように積層したものを、包装材に入れ真空引きした後、600MPaの圧力で冷間静水等方圧プレス(CIP)を行い、図9に示すような固体電解質層30で全面が覆われ突出部32を有する正極体10を得ることができる。
図19に示すように、3つの固体電解質層30で覆われた正極体10及び3つの固体電解質層31を有する負極体20を交互に積層し、図22に示すような2つのガイドを有する位置合わせ治具を用いて、固体電解質層30で覆われた正極体10及び固体電解質層31を有する負極体20の外周部の2箇所を基準として位置合わせを行い、120℃、100MPa、3分間、一軸プレスを行い、固体電解質層30で覆われた正極体10及び固体電解質層31を有する負極体20を接着して、全固体電池を作製することができる。
全固体電池の封入
作製した全固体電池を、正極タブ及び負極タブを備え、内面が樹脂でコーティングされたアルミニウムのラミネートセル内に封入することができる。
(実施形態2)
固体電解質層を配置せずに、負極体を600MPaの圧力で一軸プレスして、所定の寸法に打ち抜き、図7に示すような構造を有する負極体20を得ること以外は、実施形態1と同様にして、全固体電池を得ることができる。図20に示すように、3つの固体電解質層30で覆われた正極体10及び3つの負極体20を交互に積層し、図22に示すような2つのガイドを有する位置合わせ治具を用いて、固体電解質層30で覆われた正極体10及び負極体20の外周部の2箇所を基準として位置合わせを行い、120℃、100MPa、3分間、一軸プレスを行い、固体電解質層30で覆われた正極体10及び負極体20を接着して、全固体電池を作製することができる。
(実施形態3)
負極体を所定の外形寸法に打ち抜き、また、固体電解質層をより大きい外形寸法に打ち抜き、図16に示す態様と同様にして、打ち抜いた負極体を、打ち抜いた固体電解質層の中央部に配置し、負極体を固体電解質層で挟むように積層したものを、ラミネートの包装材に入れ真空引きした後、600MPaの圧力で冷間静水等方圧プレス(CIP)を行い、図9と同様の構造を有する固体電解質層30で覆われた負極体20を得ること以外は、実施形態1と同様にして、全固体電池を得ることができる。この場合、図15に示すように、正極体10の外形寸法を実施形態1及び2よりも大きくなるように、突出部32を大きくする。そして、図21に示すように、3つの固体電解質層30で覆われた正極体10及び3つの固体電解質層30で覆われた負極体20を交互に積層し、図22に示すような2つのガイドを有する位置合わせ治具を用いて、固体電解質層30で覆われた正極体10及び固体電解質層30で覆われた負極体20の外周部の2箇所を基準として位置合わせを行い、120℃、100MPa、3分間、一軸プレスを行い、固体電解質層30で覆われた正極体10及び固体電解質層30で覆われた負極体20を接着して、全固体電池を得ることができる。
100 全固体電池
1 正極層
2 負極層
3 固体電解質層
4 正極集電体
5 負極集電体
10 正極体
11 正極活物質層
12 正極集電体
13 正極体の外形寸法
14 正極集電タブ
15 正極体の主表面
20 負極体
21 負極活物質層
22 負極集電体
23 負極体の外形寸法
24 負極集電タブ
25 負極体の主表面
30 固体電解質層
31 固体電解質層
32 突出部
33 電極体の側面部
34 折り返し部
40 ガイド
50 剛体基板

Claims (5)

  1. (A)正極活物質層及び正極集電体層を含む1以上の正極体を提供する工程、
    (B)負極活物質層及び負極集電体層を含み、前記正極体に対して外形寸法が異なる1以上の負極体を提供する工程、
    (C)前記1以上の正極体及び前記1以上の負極体のうち、少なくとも外形寸法がより小さい電極体の少なくとも一部を、前記電極体の外形寸法を大きくして前記1以上の正極体の外形寸法と前記1以上の負極体の外形寸法とを近づけるように、固体電解質層で覆う工程、
    (D)少なくとも一方が前記固体電解質層で覆われた前記1以上の正極体及び前記1以上の負極体を、固体電解質層が間に配置されるように交互に積層して、積層体を形成する工程、並びに
    (E)前記1以上の正極体及び前記1以上の負極体を、それぞれの外周部の少なくとも2箇所を基準として位置合わせを行い、前記積層体をプレスして、全固体電池を作製する工程、
    を含む、全固体電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法を繰り返して、2以上の前記全固体電池を作製すること、並びに
    (F)前記2以上の全固体電池を積層し、前記積層した2以上の全固体電池のそれぞれの外周部の少なくとも2箇所を基準として位置合わせを行い、プレスすること、
    を含む、全固体電池の製造方法。
  3. 請求項1に記載の製造方法を繰り返して、1つの前記正極体及び1つの前記負極体を含む2以上の単電池を作製すること、
    (F)前記2以上の単電池を積層し、前記積層した2以上の単電池のそれぞれの外周部の少なくとも2箇所を基準として位置合わせを行い、プレスすること、
    を含む、請求項2に記載の全固体電池の製造方法。
  4. 前記工程(A)で提供される前記正極体の外形寸法が、前記工程(B)で提供される前記負極体の外形寸法よりも小さい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の全固体電池の製造方法。
  5. 前記プレスすることが、加熱しながら一軸プレスすることを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の全固体電池の製造方法。
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