JP2015151978A - 排気浄化装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気への尿素水の噴射を継続したまま、インジェクタの目詰まりの有無を判定する排気浄化装置の制御装置を提供する。【解決手段】圧力センサ32で検出する尿素水通路18の尿素水の圧力は、尿素水ポンプ15から尿素水が吐出されているときでも、インジェクタ20からの尿素水の噴射にともなって低下する。圧力傾斜算出部33は、このインジェクタ20からの噴射によって低下する尿素水の圧力の低下を圧力傾斜として算出する。判定部34は、算出された圧力傾斜に基づいて、インジェクタ20の目詰まりの有無を判定する。【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の排気を浄化する排気浄化装置の制御装置に関する。
従来、内燃機関の排気を浄化する後処理として尿素を用いた尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)システムが公知である。尿素SCRシステムでは、排気に尿素を添加することにより、排気に含まれる窒素酸化物(NOx)を還元する。ここで、尿素は、水溶液の尿素水としてインジェクタから排気へ噴射される。このインジェクタは、尿素水に含まれる尿素の析出や尿素水の凍結によって目詰まりを生じることがある。インジェクタに目詰まりが生じると、尿素水の添加が不十分になり、NOxの浄化性能の低下を招く。そこで、特許文献1のように、尿素水通路に設けた圧力センサで検出した尿素水の圧力に基づいてインジェクタの目詰まりを判定することが提案されている。
しかしながら、特許文献1の場合、尿素水の圧力を検出するために尿素水ポンプは強制的に停止させる必要がある。そのため、インジェクタの目詰まりの判定のためには、通常の尿素水の噴射とは異なる制御を必要とする。これとともに、インジェクタの目詰まりを判定するとき、NOxを浄化するための尿素水の噴射は実行できないという問題がある。
そこで、本発明の目的は、排気への尿素水の噴射を継続したまま、インジェクタの目詰まりの有無を判定する排気浄化装置の制御装置を提供することにある。
請求項1記載の発明では、圧力傾斜算出手段は、圧力傾斜を算出する。圧力検出手段で検出する尿素水通路の尿素水の圧力は、尿素水ポンプから尿素水が吐出されているときでも、インジェクタからの尿素水の噴射にともなって低下する。圧力傾斜算出手段は、このインジェクタからの噴射によって低下する尿素水の圧力の低下を圧力傾斜として算出する。この尿素水の圧力の低下、すなわち圧力傾斜は、インジェクタから噴射される尿素水の量に相関する。これにより、判定手段は、算出された圧力傾斜に基づいて、インジェクタの目詰まりの有無を判定する。したがって、特殊な制御を必要とすることなく、排気への尿素水の噴射を継続したまま、インジェクタの目詰まりの有無を判定することができる。
請求項2記載の発明では、圧力傾斜算出手段は、インジェクタからの尿素水の噴射を開始する噴射開始時における尿素水圧力を基準圧力とする。また、圧力傾斜算出手段は、尿素水圧力の変化量を圧力傾斜として複数回算出する。このように、尿素水圧力の変化量は、インジェクタからの一回の尿素水の噴射期間中に、圧力傾斜として複数回算出される。そして、複数回算出された圧力傾斜は、平均値として算出される。判定手段は、この圧力傾斜の平均値からインジェクタの目詰まりの有無を判定する。したがって、尿素水の噴射の継続によって徐々に変化する尿素水圧力の変化量を平均化することができ、判定精度を向上することができる。
請求項3記載の発明では、圧力傾斜算出手段は、尿素水の噴射開始時から噴射終了時までの間、圧力傾斜を算出する。これにより、圧力傾斜算出手段は、噴射開始時から噴射終了時までインジェクタが尿素水を噴射している間、尿素水圧力を取得すればよい。したがって、圧力傾斜を算出するための制御を容易にすることができる。
請求項4記載の発明では、圧力傾斜算出手段は、尿素水の噴射開始時の後、圧力検出期間に圧力傾斜を算出する。圧力検出期間は、噴射開始時から尿素水の噴射を停止する噴射終了時までの間の任意の期間として設定される。インジェクタから尿素水を噴射するとき、例えば噴射開始直後や噴射終了直前などは尿素水の噴射、および尿素水圧力が不安定になりやすい。設定した圧力検出期間における尿素水圧力に基づいて圧力傾斜を算出することにより、不安定な噴射時期における尿素水の圧力の影響は低減される。したがって、外乱の影響を排除することができ、判定精度を向上することができる。
請求項5記載の発明では、判定手段は、噴射開始時において尿素水圧力が目標圧力範囲にあるとき、インジェクタの目詰まりの有無を判定する。例えば、内燃機関が運転を開始した直後や尿素水ポンプの運転が開始した直後など条件によっては、尿素水通路における尿素水圧力が目標とする目標圧力よりも過大または過小となることがある。このように尿素水圧力が目標圧力範囲にないとき目詰まりの有無を判定しても、誤判定を招くおそれがある。そこで、判定手段は、噴射開始時において尿素水圧力が目標圧力範囲にあるとき、インジェクタの目詰まりの有無を判定する。したがって、外乱の影響を排除することができ、判定精度を向上することができる。
請求項6記載の発明では、判定手段は、インジェクタの噴射期間が下限時間よりも長いとき、インジェクタの目詰まりを判定する。インジェクタの噴射期間が短い、すなわち予め設定した下限時間未満のとき、尿素水通路における尿素水圧力の変化、およびこれにもともなう圧力傾斜の精度は低下する。このように圧力傾斜が小さいとき目詰まりの有無を判定しても、誤判定を招くおそれがある。そこで、判定手段は、インジェクタの噴射期間が下限時間よりも長いとき、インジェクタの目詰まりを判定する。したがって、外乱の影響を排除することができ、判定精度を向上することができる。
請求項7記載の発明では、判定手段は、尿素水の温度が下限温度以上のとき、インジェクタの目詰まりを判定する。尿素水の温度が低い、すなわち予め設定した下限温度未満のとき、尿素水は凍結するおそれがある。このように尿素水が凍結するおそれのある温度の低いとき目詰まりの有無を判定しても、誤判定を招くおそれがある。そこで、判定手段は、尿素水の温度が下限温度よりも高いとき、インジェクタの目詰まりを判定する。したがって、尿素水の凍結の影響を排除することができ、判定精度を向上することができる。
以下、複数の実施形態による排気浄化装置の制御装置を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
図2に示す排気浄化装置10は、例えば車両に搭載されている内燃機関11から排出される排気に尿素水を添加し、排気に含まれるNOxを還元するSCRシステムを構成している。内燃機関11の排気は、排気管部材12が形成する排気通路13を経由して大気へ放出される。内燃機関11は、例えばディーゼルエンジンである。なお、排気浄化装置10は、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンやガスタービンエンジンなどに適用してもよい。また、排気浄化装置10は、車載の内燃機関11に限らず、例えば発電ユニットなどの据置型の内燃機関11に適用してもよい。
(第1実施形態)
図2に示す排気浄化装置10は、例えば車両に搭載されている内燃機関11から排出される排気に尿素水を添加し、排気に含まれるNOxを還元するSCRシステムを構成している。内燃機関11の排気は、排気管部材12が形成する排気通路13を経由して大気へ放出される。内燃機関11は、例えばディーゼルエンジンである。なお、排気浄化装置10は、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンやガスタービンエンジンなどに適用してもよい。また、排気浄化装置10は、車載の内燃機関11に限らず、例えば発電ユニットなどの据置型の内燃機関11に適用してもよい。
排気浄化装置10は、尿素水タンク14、尿素水ポンプ15、尿素水通路部16および還元触媒17を備えている。尿素水タンク14は、尿素水である尿素の水溶液を貯えている。尿素水ポンプ15は、尿素水タンク14に収容されている。尿素水ポンプ15は、電力が供給されると尿素水タンク14から吸入した尿素水を加圧して、尿素水通路部16へ吐出する。尿素水通路部16は、尿素水通路18を形成している。還元触媒17は、排気管部材12が形成する排気通路13に設けられている。
排気浄化装置10は、上記に加えてインジェクタ20を備えている。尿素水通路18は、尿素水ポンプ15と反対側の端部がインジェクタ20に接続している。尿素水ポンプ15から吐出された尿素水は、尿素水通路18を経由してインジェクタ20に供給される。インジェクタ20は、排気管部材12に設けられている。インジェクタ20は、排気管部材12を貫いて、先端が排気通路13に露出している。インジェクタ20へ供給された尿素水は、排気通路13を流れる排気へ噴射される。内燃機関11から排出された排気とインジェクタ20から噴射された尿素水とは、排気通路13において混合され、還元触媒17へ流入する。排気に含まれるNOxは、還元触媒17において尿素水に含まれる尿素と化学反応することにより還元される。
上述の排気浄化装置10は、制御装置30によって制御される。制御装置30は、図1に示すように制御ユニット31、圧力傾斜算出部33および判定部34を備えている。制御ユニット31は、CPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータで構成され、ROMに記憶されているコンピュータプログラムによって排気浄化装置10を制御する。制御ユニット31は、コンピュータプログラムを実行することにより、圧力傾斜算出部33および判定部34をソフトウェア的に実現している。これら圧力傾斜算出部33および判定部34は、ハードウェア的に実現してもよく、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現してもよい。
また、制御ユニット31は、インジェクタ20、および圧力検出手段としての圧力センサ32に接続している。圧力センサ32は、尿素水通路18に設けられ、尿素水通路18における尿素水の圧力を検出する。圧力センサ32は、検出した尿素水の圧力を電気信号として制御ユニット31へ出力する。なお、圧力センサ32は、尿素水通路18に限らず、尿素水ポンプ15の出口やインジェクタ20など、尿素水の圧力が検出可能な位置であればどこに設けてもよい。
圧力傾斜算出部33は、圧力センサ32で検出した尿素水の圧力である尿素水圧力UPSに基づいて、圧力傾斜sumUPSを算出する。インジェクタ20から尿素水が噴射されると、尿素水通路18における尿素水圧力UPSは噴射の継続とともに低下する。圧力傾斜算出部33は、この尿素水の噴射によって低下する尿素水圧力UPSの低下を圧力傾斜sumUPSとして算出する。
判定部34は、圧力傾斜算出部33で算出された圧力傾斜sumUPSに基づいて、インジェクタ20の目詰まりの有無を判断する。図3および図4に示すように、圧力センサ32で検出する尿素水圧力UPSは、インジェクタ20の開弁にともなって低下し、インジェクタ20の閉弁にともなって上昇する。これにより、尿素水の噴射が繰り返されると、尿素水圧力UPSは低下と上昇とを繰り返す。ところで、インジェクタ20から噴射される尿素水は、尿素の水溶液である。そのため、高温の排気に晒されるインジェクタ20では尿素水の水分が蒸発し、尿素水に含まれる尿素が析出する。その結果、尿素水が噴射されるインジェクタ20の図示しない噴孔には、尿素水に含まれる尿素を由来とする析出物が生じることがある。この析出物は、インジェクタ20の噴孔を塞ぎ、目詰まりの原因となる。
インジェクタ20に目詰まりが生じていないとき、インジェクタ20は規定の量の尿素水を噴射する。尿素水圧力UPSは、インジェクタ20から噴射される尿素水の量が大きいほど低下量つまり圧力の傾斜が大きくなる。そのため、インジェクタ20に目詰まりがないとき、図3に示すように圧力の傾斜は予め設定された設定圧力傾斜A以下となる。これに対し、インジェクタ20に目詰まりが生じているとき、インジェクタ20は規定の量の尿素水を噴射できない。そのため、インジェクタ20に目詰まりがあるとき、図4に示すように圧力の傾斜は設定圧力傾斜Aより大きくなる。このように、判定部34は、圧力傾斜算出部33で算出した圧力傾斜sumUPSと設定圧力傾斜Aとを比較することにより、インジェクタ20の目詰まりの有無を判定する。
圧力傾斜算出部33は、インジェクタ20から尿素水の噴射が開始されると、図3に示すようにこの噴射の開始を噴射開始時Tsと設定する。そして、圧力傾斜算出部33は、この噴射開始時Tsにおける尿素水圧力UPSを、基準圧力P1と設定する。圧力傾斜算出部33は、この基準圧力P1を基準として、尿素水圧力UPSの変化量の平均値を算出し、算出した平均値を圧力傾斜sumUPSとする。
また、第1実施形態の場合、圧力傾斜算出部33は、インジェクタ20から尿素水の噴射が開始される噴射開始時Tsから、インジェクタ20から尿素水の噴射が停止される噴射終了時Teまでの間における尿素水圧力UPSの変化量に基づいて圧力傾斜sumUPSを算出する。すなわち、圧力傾斜算出部33は、インジェクタ20から尿素水の噴射が開始されると、この尿素水の噴射が停止されるまで検出時期ごとに圧力センサ32から尿素水圧力UPSを取得する。そして、圧力傾斜算出部33は、噴射開始時Tsから噴射終了時Teまで取得した尿素水圧力UPSに基づいて圧力傾斜sumUPSを算出する。
次に、上記の構成による制御装置30の制御の流れについて図5に基づいて説明する。
制御ユニット31は、インジェクタ20から尿素水が噴射されるごとに、インジェクタ20の目詰まり有無について判定する目詰まり判定処理を実行する。すなわち、制御ユニット31は、インジェクタ20から尿素水が噴射される噴射開始時Tsになると、目詰まり判定処理を実行する。制御ユニット31は、目詰まり判定処理に移行すると、圧力傾斜算出フラグFcをクリア、すなわちFcを「0」とする(S101)。この圧力傾斜算出フラグFcは、圧力傾斜sumUPSの算出が終了したか否かを判断するためのフラグである。制御ユニット31は、圧力傾斜算出フラグFcに加えて、前回検出した尿素水圧力UPSを前回尿素水圧力tmpUPS、新たに検出した尿素水圧力UPSと前回尿素水圧力tmpUPSとから算出した圧力傾斜sumUPS、および圧力傾斜sumUPSの算出回数をカウントcntをそれぞれクリアする(S102)。すなわち、制御ユニット31は、前回尿素水圧力tmpUPSを「0」、圧力傾斜sumUPSを「0」、カウントcntを「0」とする。
制御ユニット31は、インジェクタ20から尿素水が噴射されるごとに、インジェクタ20の目詰まり有無について判定する目詰まり判定処理を実行する。すなわち、制御ユニット31は、インジェクタ20から尿素水が噴射される噴射開始時Tsになると、目詰まり判定処理を実行する。制御ユニット31は、目詰まり判定処理に移行すると、圧力傾斜算出フラグFcをクリア、すなわちFcを「0」とする(S101)。この圧力傾斜算出フラグFcは、圧力傾斜sumUPSの算出が終了したか否かを判断するためのフラグである。制御ユニット31は、圧力傾斜算出フラグFcに加えて、前回検出した尿素水圧力UPSを前回尿素水圧力tmpUPS、新たに検出した尿素水圧力UPSと前回尿素水圧力tmpUPSとから算出した圧力傾斜sumUPS、および圧力傾斜sumUPSの算出回数をカウントcntをそれぞれクリアする(S102)。すなわち、制御ユニット31は、前回尿素水圧力tmpUPSを「0」、圧力傾斜sumUPSを「0」、カウントcntを「0」とする。
圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜算出フラグFcがオン、すなわちFc=1であるか否かを判断する(S103)。圧力傾斜sumUPSをはじめて算出するとき、S101においてフラグがクリアされているので、Fc=0である。したがって、圧力傾斜算出部33は、Fc=1でないと判断し(S103:No)、尿素水圧力UPSの取得および圧力傾斜sumUPSの算出へ移行する。
圧力傾斜算出部33は、S103においてFc=1でないと判断すると(S103:No)、インジェクタ20は開弁中であるか否かを判断する(S104)。すなわち、圧力傾斜算出部33は、インジェクタ20が尿素水を噴射しているか否かを判断する。圧力傾斜算出部33は、例えばインジェクタ20を駆動する図示しない駆動制御部からインジェクタ20へ駆動信号が出力されているか否かを取得し、インジェクタ20が開弁中であるか否かを判断する。圧力傾斜算出部33は、インジェクタ20が開弁中であると判断すると(S104:Yes)、尿素水圧力UPSを取得する(S105)。具体的には、圧力傾斜算出部33は、圧力センサ32で検出した尿素水通路18における尿素水圧力UPSを、圧力センサ32から取得する。
圧力傾斜算出部33は、尿素水圧力UPSを取得すると、圧力傾斜sumUPSを算出する(S106)。具体的には、圧力傾斜算出部33は、S105で取得した尿素水圧力UPSを用いて、圧力傾斜sumUPSを、
sumUPS=sumUPS+(UPS−tmpUPS)
として算出する。圧力傾斜sumUPSをはじめて算出するとき、S102において圧力傾斜sumUPSおよび前回尿素水圧力tmpUPSはいずれも「0」にクリアされている。したがって、圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜sumUPSをはじめて算出するとき、S105において取得した尿素水圧力UPSを圧力傾斜sumUPSとする。これにより、噴射開始時Tsにおける尿素水圧力UPSに基づく圧力傾斜sumUPSは、基準圧力P1と一致する。
sumUPS=sumUPS+(UPS−tmpUPS)
として算出する。圧力傾斜sumUPSをはじめて算出するとき、S102において圧力傾斜sumUPSおよび前回尿素水圧力tmpUPSはいずれも「0」にクリアされている。したがって、圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜sumUPSをはじめて算出するとき、S105において取得した尿素水圧力UPSを圧力傾斜sumUPSとする。これにより、噴射開始時Tsにおける尿素水圧力UPSに基づく圧力傾斜sumUPSは、基準圧力P1と一致する。
圧力傾斜算出部33は、S105において取得した尿素水圧力UPSを、前回尿素水圧力tmpUPSとする(S107)。これにより、S106において次回の圧力傾斜sumUPSを算出するとき、S105で取得された尿素水圧力UPSが前回尿素水圧力tmpUPSとして用いられる。これとともに、圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜sumUPSの算出回数を示すカウントcntを「1」進める(S108)。
圧力傾斜算出部33は、S106における圧力傾斜sumUPSの算出、S107における前回尿素水圧力tmpUPSの設定、およびS108におけるカウントcntの設定が終了すると、S103へリターンする。そして、圧力傾斜算出部33は、S103において再び圧力傾斜算出フラグFcがオンであるか否かを判断する。S104〜S108の処理を行っているとき、圧力傾斜算出フラグFcがオンされていないので(S103:No)、圧力傾斜算出部33はS104においてインジェクタ20が開弁中であると判断されている間(S104:Yes)、S105〜S108の処理を繰り返す。このように、圧力傾斜算出部33は、インジェクタ20が開弁中、すなわちインジェクタ20が尿素水の噴射を開始する噴射開始時Tsから噴射を終了する噴射終了時Teまで圧力傾斜sumUPSの算出を繰り返す。
一方、圧力傾斜算出部33は、S104においてインジェクタ20が開弁中でないと判断されると(S104:No)、すなわちインジェクタ20が閉弁したと判断されると、圧力傾斜sumUPSが算出されたか否かを判断する(S109)。圧力傾斜算出部33は、例えばsumUPSが「0」であるか否かによって、圧力傾斜sumUPSが算出されたか否かを判断する。圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜sumUPSが算出されたと判断したとき(S109:Yes)、圧力傾斜算出フラグFcをオン、すなわちFc=1とする(S110)。また、圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜sumUPSが算出されていないと判断したとき(S109:No)、S103へリターンし、S103以降の処理を繰り返す。
圧力傾斜算出部33は、S110において圧力傾斜算出フラグFcをオンすると、S103へリターンする。そして、圧力傾斜算出部33は、再び圧力傾斜算出フラグFcがオンであるか否かを判断する(S103)。S110において圧力傾斜算出フラグFcは、オンすなわち「1」となっている。そこで、圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜算出フラグFcがオンであると判断し(S103:Yes)、圧力傾斜sumUPSの平均値aveUPSを算出する(S111)。圧力傾斜算出部33は、S106において算出した圧力傾斜sumUPSを、算出回数を示すカウントcntで除することにより、平均値aveUPSを、
aveUPS=sumUPS/cnt
として算出する。このように、圧力傾斜算出部33は、噴射開始時Tsにおける基準圧力P1を初期値として、尿素水圧力の低下量の平均値aveUPSを算出する。
aveUPS=sumUPS/cnt
として算出する。このように、圧力傾斜算出部33は、噴射開始時Tsにおける基準圧力P1を初期値として、尿素水圧力の低下量の平均値aveUPSを算出する。
判定部34は、S111において平均値aveUPSが算出されると、算出した平均値aveUPSが設定圧力傾斜Aより大きいか否かを判断する(S112)。第1実施形態では、設定圧力傾斜Aは、「−5.2Pa/ms」に設定されている。判定部34は、算出した平均値aveUPSが設定圧力傾斜Aより大きいとき(S112:Yes)、インジェクタ20に目詰まりがあると判定する(S113)。一方、判定部34は、算出した平均値aveUPSが設定圧力傾斜A以下のとき(S112:No)、インジェクタ20に目詰まりがないと判定する(S114)。インジェクタ20に目詰まりがないとき、圧力傾斜sumUPS、およびこれを平均した平均値aveUPSは、図3に示すように設定圧力傾斜A以下となる。一方、インジェクタ20に目詰まりがあるとき、圧力傾斜sumUPS、およびこれを平均した平均値aveUPSは、図4に示すように設定圧力傾斜Aより大きくなる。これにより、判定部34は、圧力傾斜sumUPSの平均値aveUPSと設定圧力傾斜Aとを比較して、インジェクタ20の目詰まりの有無を判定する。
第1実施形態では、圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜を算出する。圧力センサ32で検出する尿素水通路18の尿素水の圧力は、尿素水ポンプ15から尿素水が吐出されているときでも、インジェクタ20からの尿素水の噴射にともなって低下する。圧力傾斜算出部33は、このインジェクタ20からの噴射によって低下する尿素水の圧力の低下を圧力傾斜として算出する。この尿素水の圧力の低下、すなわち圧力傾斜は、インジェクタ20から噴射される尿素水の量に相関する。これにより、判定部34は、算出された圧力傾斜に基づいて、インジェクタ20の目詰まりの有無を判定する。したがって、特殊な制御を必要とすることなく、排気への尿素水の噴射を継続したまま、インジェクタ20の目詰まりの有無を判定することができる。
第1実施形態では、圧力傾斜算出部33は、インジェクタ20からの尿素水の噴射を開始する噴射開始時Tsにおける尿素水圧力を基準圧力P1とする。また、圧力傾斜算出部33は、尿素水圧力UPSの変化量を圧力傾斜sumUPSとして複数回算出する。このように、尿素水圧力UPSの変化量は、インジェクタ20からの一回の尿素水の噴射期間中に、圧力傾斜sumUPSとして複数回算出される。そして、複数回算出された圧力傾斜sumUPSは、平均値aveUPSとして算出される。判定部34は、この圧力傾斜の平均値aveUPSからインジェクタ20の目詰まりの有無を判定する。したがって、尿素水の噴射の継続によって徐々に変化する尿素水圧力の変化量を平均化することができ、判定精度を向上することができる。
第1実施形態では、圧力傾斜算出部33は、尿素水の噴射開始時Tsから噴射終了時Teまでの間、圧力傾斜の平均値aveUPSを算出する。これにより、圧力傾斜算出部33は、噴射開始時Tsから噴射終了時Teまでインジェクタ20が尿素水を噴射している間、尿素水圧力UPSを取得すればよい。したがって、圧力傾斜を算出するための制御を容易にすることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態による制御装置30について説明する。
第2実施形態の制御装置30は、電気的および機械的な構成が第1実施形態と共通するので説明を省略する。第2実施形態の制御装置30の場合、処理の流れが第1実施形態と相違するので、図6に基づいて第1実施形態との相違点を中心に説明する。
制御ユニット31は、目詰まり判定処理に移行すると、圧力傾斜算出フラグFcをクリアするとともに(S201)、前回尿素水圧力tmpUPS、圧力傾斜sumUPSおよびカウントcntをクリアする(S202)。圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜算出フラグFcがオンであるか否かを判断し(S203)、Fcがオンでないと判断すると(S203:No)、インジェクタ20は開弁中であるか否かを判断する(S204)。
第2実施形態による制御装置30について説明する。
第2実施形態の制御装置30は、電気的および機械的な構成が第1実施形態と共通するので説明を省略する。第2実施形態の制御装置30の場合、処理の流れが第1実施形態と相違するので、図6に基づいて第1実施形態との相違点を中心に説明する。
制御ユニット31は、目詰まり判定処理に移行すると、圧力傾斜算出フラグFcをクリアするとともに(S201)、前回尿素水圧力tmpUPS、圧力傾斜sumUPSおよびカウントcntをクリアする(S202)。圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜算出フラグFcがオンであるか否かを判断し(S203)、Fcがオンでないと判断すると(S203:No)、インジェクタ20は開弁中であるか否かを判断する(S204)。
圧力傾斜算出部33は、インジェクタ20が開弁中であると判断すると(S204:Yes)、インジェクタ20の開弁から予め設定した待機期間Dbが経過したか否かを判断する(S205)。すなわち、圧力傾斜算出部33は、インジェクタ20が開弁し、インジェクタ20から尿素水の噴射開始時Tsから待機期間Dbが経過したか否かを判断する。インジェクタ20が開弁した直後、すなわちインジェクタ20から尿素水が噴射された直後は、インジェクタ20から噴射される尿素水の噴射量に生じるばらつきが大きい。そのため、インジェクタ20が開弁した直後は、尿素水通路18における尿素水圧力UPSも不安定である。そこで、圧力傾斜算出部33は、尿素水の噴射が安定する待機期間Dbが経過するまで、尿素水圧力UPSの取得へ移行しない。第2実施形態の場合、待機期間Dbは、「200ms」に設定されている。
圧力傾斜算出部33は、S205において待機期間Dbが経過したと判断すると(S205:Yes)、尿素水圧力UPSを取得する(S206)。圧力傾斜算出部33は、尿素水圧力UPSを取得すると、圧力傾斜sumUPSを算出する(S207)。圧力傾斜算出部33は、S206において取得した尿素水圧力UPSを、前回尿素水圧力tmpUPSとする(S208)。これとともに、圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜sumUPSの算出回数を示すカウントcntを「1」進める(S209)。
圧力傾斜算出部33は、S207における圧力傾斜sumUPSの算出、S208における前回尿素水圧力tmpUPSの設定、およびS209におけるカウントcntの設定が終了すると、S203へリターンする。そして、圧力傾斜算出部33は、S203において再び圧力傾斜算出フラグFcがオンであるか否かを判断する。このとき、圧力傾斜算出フラグFcがオンされていないので(S203:No)、圧力傾斜算出部33は、S204においてインジェクタ20が開弁中であると判断され(S204:Yes)、かつS205において待機期間Dbが経過したと判断されると(S205:Yes)、S206からS209の処理を繰り返す。このように、圧力傾斜算出部33は、インジェクタ20が尿素水の噴射を開始する噴射開始時Tsから待機期間Dbを経過した後において、尿素水の噴射を終了する噴射終了時Teまで圧力傾斜sumUPSの算出を繰り返す。すなわち、第2実施形態の場合、待機期間Dbが経過した後から噴射終了時Teまでの間は、圧力検出期間に相当する。
一方、圧力傾斜算出部33は、S204においてインジェクタ20が開弁中でないと判断されたとき(S204:No)、およびS205において待機期間Dbが経過していないと判断されたとき(S205:No)、圧力傾斜sumUPSが算出されたか否かを判断する(S210)。圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜sumUPSが算出されたと判断したとき(S210:Yes)、圧力傾斜算出フラグFcをオンする(S211)。また、圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜sumUPSが算出されていないと判断したとき(S210:No)、S203へリターンし、S203以降の処理を繰り返す。
圧力傾斜算出部33は、S211において圧力傾斜算出フラグFcをオンすると、S203へリターンする。そして、圧力傾斜算出部33は、再び圧力傾斜算出フラグFcがオンであるか否かを判断する(S203)。圧力傾斜算出部33は、圧力傾斜算出フラグFcがオンであると判断すると(S211:Yes)、圧力傾斜sumUPSの平均値aveUPSを算出する(S212)。
判定部34は、S212において平均値aveUPSが算出されると、算出した平均値aveUPSが設定圧力傾斜Aより大きいか否かを判断する(S213)。第2実施形態では、設定圧力傾斜Aは、−5.2Pa/msに設定されている。判定部34は、算出した平均値aveUPSが設定圧力傾斜Aより大きいとき(S213:Yes)、インジェクタ20に目詰まりがあると判定する(S214)。一方、判定部34は、算出した平均値aveUPSが設定圧力傾斜A以下のとき(S213:No)、インジェクタ20に目詰まりがないと判定する(S215)。
第2実施形態では、圧力傾斜算出部33は、尿素水の噴射開始時Tsから待機期間Dbが経過すると、圧力傾斜sumUPSを算出する。待機期間Dbは、噴射開始時Tsから尿素水の噴射を停止する噴射終了時Teまでの間の任意の期間として設定される。インジェクタ20から尿素水を噴射するとき、噴射開始直後は、尿素水の噴射や尿素水圧力UPSが不安定になりやすい。設定した待機期間Dbにおける尿素水圧力UPSに基づいて圧力傾斜sumUPSを算出することにより、不安定な噴射時期における尿素水の圧力の影響は低減される。したがって、インジェクタ20からの尿素水の噴射初期における不安定な圧力変化など外乱の影響を排除することができ、判定精度を向上することができる。
なお、第2実施形態では、圧力検出期間は、上記の例に限らず、インジェクタ20の開弁から閉弁までの間に任意の期間として設定することができる。すなわち、圧力検出期間は、噴射開始時Tsから噴射終了時Teまでの間のインジェクタ20の開弁期間において、任意の割合x%の間として設定することもできる。例えばインジェクタ20の開弁期間を100%としたとき、このうち任意のx%の期間を圧力検出期間と設定してもよい。また、上述の待機期間Dbは、例えば第1実施形態のように「0min」と設定してもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態による制御装置30について説明する。
第3実施形態の制御装置30は、電気的および機械的な構成が第1実施形態と共通するので説明を省略する。第3実施形態の制御装置30の場合、処理の流れが第1実施形態と相違するので、図7に基づいて第3実施形態との相違点を中心に説明する。
判定部34は、目詰まり判定処理に移行すると、インジェクタ20が開弁を開始したか否かを判断するとともに(S301)、尿素水圧力Pxが予め設定された目標圧力範囲Ptにあるか否かを判断する(S302)。インジェクタ20から尿素水の噴射が開始される噴射開始時Tsにおいて、例えば内燃機関11が運転を開始した直後や尿素水ポンプ15が運転を開始した直後など条件によっては、尿素水通路18における尿素水圧力Pxが過大または過小となり目標圧力範囲Ptにない場合がある。このように尿素水通路18における尿素水圧力Pxが目標圧力範囲Ptにないとき、インジェクタ20から噴射される尿素水の量が不安定となり、算出する圧力傾斜sumUPSの精度が低下する。そこで、判定部34は、目詰まり判定処理に先立って、インジェクタ20が開弁したとき、尿素水圧力Pxが目標圧力範囲Ptにあるか否かを判断する。このとき、尿素水圧力Pxは、圧力センサ32によって検出した値を利用することができる。第3実施形態の場合、目標圧力範囲Ptは、「500kPa〜600kPa」に設定されている。
第3実施形態による制御装置30について説明する。
第3実施形態の制御装置30は、電気的および機械的な構成が第1実施形態と共通するので説明を省略する。第3実施形態の制御装置30の場合、処理の流れが第1実施形態と相違するので、図7に基づいて第3実施形態との相違点を中心に説明する。
判定部34は、目詰まり判定処理に移行すると、インジェクタ20が開弁を開始したか否かを判断するとともに(S301)、尿素水圧力Pxが予め設定された目標圧力範囲Ptにあるか否かを判断する(S302)。インジェクタ20から尿素水の噴射が開始される噴射開始時Tsにおいて、例えば内燃機関11が運転を開始した直後や尿素水ポンプ15が運転を開始した直後など条件によっては、尿素水通路18における尿素水圧力Pxが過大または過小となり目標圧力範囲Ptにない場合がある。このように尿素水通路18における尿素水圧力Pxが目標圧力範囲Ptにないとき、インジェクタ20から噴射される尿素水の量が不安定となり、算出する圧力傾斜sumUPSの精度が低下する。そこで、判定部34は、目詰まり判定処理に先立って、インジェクタ20が開弁したとき、尿素水圧力Pxが目標圧力範囲Ptにあるか否かを判断する。このとき、尿素水圧力Pxは、圧力センサ32によって検出した値を利用することができる。第3実施形態の場合、目標圧力範囲Ptは、「500kPa〜600kPa」に設定されている。
制御ユニット31は、判定部34においてインジェクタ20が開弁し(S301:Yes)、かつ尿素水圧力Pxが目標圧力範囲Ptにあると判断したとき(S302:Yes)、目詰まり判定処理を続行する。第3実施形態におけるS303〜S316に示す目詰まり判定処理は、第1実施形態におけるS101〜S114に示す目詰まり判定処理と同一であるので、説明を省略する。また、判定部34は、インジェクタ20が開弁していない(S301:No)、または尿素水圧力Pxが目標圧力範囲Ptにないと判断したとき(S302:No)、目詰まり判定処理を続行することなく、S301へリターンし、条件が達成されるまで待機する。
第3実施形態では、判定部34は、噴射開始時Tsにおいて尿素水圧力Pxが目標圧力範囲Ptにあるとき、インジェクタ20の目詰まりの有無を判定する。尿素水圧力Pxが目標圧力範囲Ptにないとき、目詰まりの有無は誤判定を招くおそれがある。そこで、判定部34は、噴射開始時Tsにおいて尿素水圧力Pxが目標圧力範囲Ptにあるとき、インジェクタ20の目詰まりの有無を判定する。したがって、例えば内燃機関11の始動直後や尿素水ポンプ15の不具合などの外乱の影響を排除することができ、判定精度を向上することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態による制御装置30について説明する。
第4実施形態の制御装置30は、電気的および機械的な構成が第1実施形態と共通するので説明を省略する。第4実施形態の制御装置30の場合、処理の流れが第1実施形態と相違するので、図8に基づいて第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第4実施形態におけるS401〜S410までの処理は、第1実施形態におけるS101〜S110に示す間詰まり判定処理と同一のであるので、説明を省略する。
判定部34は、S403において圧力傾斜算出フラグFcがオンであると判断されると(S403:Yes)、カウントcntに対応するカウント時間Tcが予め設定された下限時間Tmin以上であるか否かを判断する(S411)。カウントcntは、圧力傾斜sumUPSが算出されるごとに、S408において「1」ずつ増加する。圧力傾斜sumUPSを1回算出するためには、その所要時間として算出時間tが必要である。そこで、判定部34は、カウントcntに算出時間tを乗ずることによりカウント時間Tcを算出し、このカウント時間Tcが下限時間Tmin以上であるか否かを判断する。
第4実施形態による制御装置30について説明する。
第4実施形態の制御装置30は、電気的および機械的な構成が第1実施形態と共通するので説明を省略する。第4実施形態の制御装置30の場合、処理の流れが第1実施形態と相違するので、図8に基づいて第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第4実施形態におけるS401〜S410までの処理は、第1実施形態におけるS101〜S110に示す間詰まり判定処理と同一のであるので、説明を省略する。
判定部34は、S403において圧力傾斜算出フラグFcがオンであると判断されると(S403:Yes)、カウントcntに対応するカウント時間Tcが予め設定された下限時間Tmin以上であるか否かを判断する(S411)。カウントcntは、圧力傾斜sumUPSが算出されるごとに、S408において「1」ずつ増加する。圧力傾斜sumUPSを1回算出するためには、その所要時間として算出時間tが必要である。そこで、判定部34は、カウントcntに算出時間tを乗ずることによりカウント時間Tcを算出し、このカウント時間Tcが下限時間Tmin以上であるか否かを判断する。
インジェクタ20の噴射期間が短いとき、尿素水通路18における尿素水圧力UPSの変化は小さくなる。これとともに、尿素水圧力UPSに基づいて算出される圧力傾斜sumUPSも、誤差が大きくなり、精度が低下する。そのため、インジェクタ20の噴射期間が短い、すなわち下限時間Tminに達しないとき、インジェクタ20の目詰まりの判定は精度が低下する。第4実施形態の場合、下限時間Tminは「20ms」に設定されている。
判定部34は、S411においてカウント時間Tcが下限時間Tmin以上であると判断したとき(S411:Yes)、圧力傾斜sumUPSの平均値aveUPSを算出する(S412)。一方、判定部34は、S411においてカウント時間Tcが下限時間Tmin未満であると判断したとき(S411:No)、S401へリターンし、S401以降の処理を繰り返す。
第4実施形態におけるS412以降の処理は、第1実施形態のS111以降の処理と同一であるので、説明を省略する。
第4実施形態では、判定部34は、インジェクタ20の噴射期間に相当するカウント時間Tcが下限時間Tminよりも長いとき、インジェクタ20の目詰まりを判定する。したがって、短期間の尿素水の噴射にともなう外乱の影響を排除することができ、判定精度を向上することができる。
第4実施形態では、判定部34は、インジェクタ20の噴射期間に相当するカウント時間Tcが下限時間Tminよりも長いとき、インジェクタ20の目詰まりを判定する。したがって、短期間の尿素水の噴射にともなう外乱の影響を排除することができ、判定精度を向上することができる。
なお、第4実施形態では、圧力傾斜sumUPSの算出回数のカウントcntに基づいてインジェクタ20の噴射期間に相当するカウント時間Tcを算出する例について説明した。しかし、例えば制御ユニット31にタイマーを設け、このタイマーでインジェクタ20の噴射期間を直接検出する構成としてもよい。
(第5実施形態)
第5実施形態による制御装置30について説明する。
第5実施形態による制御装置30を図9に示す。第5実施形態による制御装置30は、温度検出手段としての温度センサ41を備えている。温度センサ41は、尿素水通路18に設けられ、尿素水通路18における尿素水の温度を検出する。温度センサ41は、検出した尿素水の温度を電気信号として制御ユニット31へ出力する。なお、温度センサ41は、尿素水通路18に限らず、尿素水タンク14などに設けてもよい。この場合、制御ユニット31は、尿素水タンク14の温度センサ41で検出した尿素水の温度に基づいて、尿素水通路18における尿素水の温度を推定する。また、制御ユニット31は、例えば内燃機関11の水温を検出する水温センサや、外気温を検出する外気温センサで検出した冷却水温や外気温に基づいて、尿素水通路18における尿素水の温度を推定する構成としてもよい。
第5実施形態による制御装置30について説明する。
第5実施形態による制御装置30を図9に示す。第5実施形態による制御装置30は、温度検出手段としての温度センサ41を備えている。温度センサ41は、尿素水通路18に設けられ、尿素水通路18における尿素水の温度を検出する。温度センサ41は、検出した尿素水の温度を電気信号として制御ユニット31へ出力する。なお、温度センサ41は、尿素水通路18に限らず、尿素水タンク14などに設けてもよい。この場合、制御ユニット31は、尿素水タンク14の温度センサ41で検出した尿素水の温度に基づいて、尿素水通路18における尿素水の温度を推定する。また、制御ユニット31は、例えば内燃機関11の水温を検出する水温センサや、外気温を検出する外気温センサで検出した冷却水温や外気温に基づいて、尿素水通路18における尿素水の温度を推定する構成としてもよい。
次に、第5実施形態による制御装置30の処理の流れを図10に基づいて相違点を中心に説明する。
判定部34は、目詰まり判定処理に移行すると、温度センサ41から尿素水の温度Tempを取得する(S501)。そして、判定部34は、S501で取得した尿素水の温度Tempが予め設定した下限温度Tx以上であるか否かを判断する(S502)。尿素水は、尿素の水溶液であるため、温度の低下にともなって凍結するおそれがある。このように尿素水が凍結するおそれのある尿素水の温度が低いとき、インジェクタ20の目詰まりが尿素水の凍結に起因するものか、固形物の析出によるものか判断できない。そのため、精度が低下し、目詰まりの判定に誤りを生じるおそれがある。そこで、判定部34は、尿素水の温度Tempを取得し、凍結の影響を受けるおそれがあるとき、目詰まりの判定を実施しない。第5実施形態の場合、下限温度Txは「−5℃」に設定されている。
判定部34は、目詰まり判定処理に移行すると、温度センサ41から尿素水の温度Tempを取得する(S501)。そして、判定部34は、S501で取得した尿素水の温度Tempが予め設定した下限温度Tx以上であるか否かを判断する(S502)。尿素水は、尿素の水溶液であるため、温度の低下にともなって凍結するおそれがある。このように尿素水が凍結するおそれのある尿素水の温度が低いとき、インジェクタ20の目詰まりが尿素水の凍結に起因するものか、固形物の析出によるものか判断できない。そのため、精度が低下し、目詰まりの判定に誤りを生じるおそれがある。そこで、判定部34は、尿素水の温度Tempを取得し、凍結の影響を受けるおそれがあるとき、目詰まりの判定を実施しない。第5実施形態の場合、下限温度Txは「−5℃」に設定されている。
判定部34は、S502において尿素水の温度Tempが下限温度Tx以上であると判断したとき(S502:Yes)、目詰まり判定処理を続行する。第5実施形態によるS503〜S516に示す目詰まり判定処理は、第1実施形態におけるS101〜S114に示す目詰まり判定処理と同一であるので、説明を省略する。また、判定部34は、S502において尿素水の温度Tempが下限温度Tx未満であると判断したとき(S502:Yes)、目詰まり判定処理を続行することなく、S501へリターンし、条件が達成されるまで待機する。
第5実施形態では、判定部34は、尿素水の温度Tempが下限温度Tx以上のとき、インジェクタ20の目詰まりを判定する。したがって、尿素水の凍結の影響を排除することができ、判定精度を向上することができる。
第5実施形態では、判定部34は、尿素水の温度Tempが下限温度Tx以上のとき、インジェクタ20の目詰まりを判定する。したがって、尿素水の凍結の影響を排除することができ、判定精度を向上することができる。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
上述の複数の実施形態では、制御装置30に各実施形態を個別に適用した例について説明した。しかし、複数の実施形態は、組み合わせて制御装置30に適用してもよい。
上述の複数の実施形態では、制御装置30に各実施形態を個別に適用した例について説明した。しかし、複数の実施形態は、組み合わせて制御装置30に適用してもよい。
図面中、10は排気浄化装置、11は内燃機関、13は排気通路、15は尿素水ポンプ、18は尿素水通路、20はインジェクタ、30は制御装置、32は圧力センサ(圧力検出手段)、33は圧力傾斜算出部(圧力傾斜算出手段)、34は判定部(判定手段)、41は温度センサ(温度検出手段)を示す。
Claims (7)
- 尿素水ポンプ(15)で加圧した尿素水をインジェクタ(20)から排気通路(13)を流れる排気に噴射して、排気に含まれる窒素酸化物を還元する排気浄化装置(10)の制御装置(30)であって、
前記インジェクタ(20)へ供給される尿素水が流れる尿素水通路(18)における尿素水の圧力を尿素水圧力として検出する圧力検出手段(32)と、
前記圧力検出手段(32)で検出した前記尿素水圧力に基づいて、前記インジェクタ(20)からの尿素水の噴射にともなう圧力の低下を圧力傾斜として算出する圧力傾斜算出手段(33)と、
前記圧力傾斜算出手段(33)で算出した圧力傾斜に基づいて、前記インジェクタ(20)の目詰まりの有無を判定する判定手段(34)と、
を備える排気浄化装置の制御装置。 - 前記圧力傾斜算出手段(33)は、
前記インジェクタ(20)からの尿素水の噴射が開始される噴射開始時における前記尿素水圧力を基準圧力として、前記尿素水圧力の低下量の平均値を算出し、
前記判定手段(34)は、前記尿素水圧力の低下量の平均値に基づいて前記インジェクタ(20)の目詰まりの有無を判定する請求項1記載の制御装置。 - 前記圧力傾斜算出手段(33)は、
前記インジェクタ(20)からの尿素水の噴射が開始される噴射開始時から、前記インジェクタ(20)からの尿素水の噴射が停止される噴射終了時までの間、前記圧力傾斜の平均値を算出する請求項1または2記載の制御装置。 - 前記圧力傾斜算出手段(33)は、
前記インジェクタ(20)からの尿素水の噴射が開始される噴射開始時の後、予め設定された圧力検出期間に前記圧力傾斜の平均値を算出する請求項1または2記載の制御装置。 - 前記判定手段(34)は、
前記インジェクタ(20)からの尿素水の噴射が開始される噴射開始時において、前記尿素水圧力が予め設定された目標圧力範囲にあるとき、前記インジェクタ(20)の目詰まりの有無を判定する請求項1から4のいずれか一項記載の制御装置。 - 前記判定手段(34)は、
前記インジェクタ(20)から尿素水を噴射する噴射期間が予め設定された下限時間より長いとき、前記インジェクタ(20)の目詰まりの有無を判定する請求項1から4のいずれか一項記載の制御装置。 - 前記尿素水通路(18)における尿素水の温度を検出する温度検出手段(41)をさらに備え、
前記判定手段(34)は、
前記温度検出手段(41)で検出した尿素水の温度が予め設定した下限温度以上のとき、前記インジェクタ(20)の目詰まりの有無を判定する請求項1から4のいずれか一項記載の制御装置。
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