JP2015150812A - 配線実装構造及びその製造方法、並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

配線実装構造及びその製造方法、並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】接続配線を高精度に形成して、接続配線の断線や短絡を抑制した配線実装構造及びその製造方法、並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。【解決手段】接続配線33が、第1基体30及び第2基体10側に設けられた第1層33Aと、第1層33Aに形成された第2層33Bとを少なくとも具備し、少なくとも斜面321上に形成された接続配線33(333)において、第2層33Bの第1層33Aとは反対側の表面の表面粗さは、第1層33Aの第2層33B側の表面粗さに比べて大きい。【選択図】図4

Description

本発明は、配線と半導体素子とを接続する配線実装構造及びその製造方法、並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関する。
液滴を噴射する液体噴射ヘッドとしては、ノズル開口に連通する圧力発生室が形成された流路形成基板(第2基体)と、流路形成基板の一方面側に設けられた圧電アクチュエーターと、流路形成基板の圧電アクチュエーター側に接合された保護基板(第1基体)とを具備し、圧電アクチュエーターによって圧力発生室内の液体に圧力変化を生じさせることで、ノズル開口から液体を噴射する。
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、保護基板の流路形成基板に接合された面とは反対面に駆動回路(半導体素子)を設け、保護基板に開口部を形成して、開口部内に圧電アクチュエーターに接続された配線部を露出させ、駆動回路と圧電アクチュエーターとを、保護基板の開口部の側壁上に設けられた接続配線を介して電気的に接続するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−290232号公報
しかしながら、高さの異なる面及び段差となるその側壁上に連続して接続配線を形成する場合、接続配線をパターニングする際に用いるレジストを露光する際の光が斜面上の積層配線の表面に反射し、反射した光によって反射光が照射された領域がオーバー露光となって、レジストを所望の形状に形成することができずに、接続配線を高精度に形成することができないという問題がある。
特に、ポジ型のレジストを用いた場合には、オーバー露光によってレジストが他の領域よりも細く形成される。このため、レジストを用いて接続配線をパターニングすると、接続配線が細くなってしまい、接続配線が断線し易くなると共に接続配線の電気抵抗値が高くなってしまうという問題がある。
また、ネガ型のレジストを用いた場合には、オーバー露光によってレジストが他の領域よりも太く形成され、レジストを用いたパターニングによって接続配線が太くなってしまい、隣り合う接続配線間での短絡やマイグレーションが発生し易くなるという問題がある。
なお、このような問題は液体噴射ヘッドだけではなく、他のデバイスに用いられる配線実装構造においても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、接続配線を高精度に形成して、接続配線の断線や短絡を抑制した配線実装構造及びその製造方法、並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、第1主面と、前記第1主面と反対の裏面とされる第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間に形成される斜面と、を有する第1基体と、前記第1基体の前記第2主面と接合される第3主面と、該第3主面に形成された接続端子と、を有する第2基体と、前記第2基体の前記第3主面上の前記接続端子と電気的に接続されて、前記第1基体の前記第1主面と前記斜面とに連続して形成された接続配線と、を備え、前記接続配線が、前記第1基体及び前記第2基体側に設けられた第1層と、該第1層の前記第1基体及び前記第2基体とは反対面側に設けられた第2層とを少なくとも具備し、少なくとも前記斜面上に形成された前記接続配線において、前記第2層の前記第1層とは反対側の表面の表面粗さは、前記第1層の前記第2層側の表面粗さに比べて大きいことを特徴とする配線実装構造にある。
かかる態様では、第1層の表面粗さを第2層の表面粗さに比べて小さくすることで、第1基体や第2基体と接続配線との密着性を向上することができる。また、第2層の表面粗さを第1層の表面粗さよりも大きくすることで、接続配線をパターニングする際のレジストを露光する際に、光が接続配線の表面に反射して、反射光が照射されることでオーバー露光になるのを抑制することができる。これにより、オーバー露光による接続配線の幅が細く形成されることや、逆に接続配線が太く形成されることを抑制して、設計値に近い接続配線を高精度に形成することができる。
ここで、前記第1層の表面粗さRaが、0.01μm以下であることが好ましい。これによれば、接続配線の密着性を向上することができると共に、これよりも大きな表面粗さの第2層とすることで、レジストの露光時の光を効率的に散乱させることができる。
また、前記第1主面上に形成された前記接続配線において、前記第2層の表面粗さは、前記第1層とは反対側の表面粗さに比べて大きいことが好ましい。これによれば、第2層に実装される半導体素子や基板などの実装部品との接合強度を向上することができる。
また、本発明の他の態様は、第1主面と、前記第1主面と反対の裏面とされる第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間に形成される斜面と、を有する第1基体と、前記第1基体の前記第2主面と接合される第3主面と、該第3主面に形成された接続端子と、を有する第2基体と、前記第2基体の前記第3主面上の前記接続端子と電気的に接続されて、前記第1基体の前記第1主面と前記斜面とに連続して形成された接続配線と、を備える配線実装構造の製造方法であって、前記第1基体と前記第2基体とを接合した後、前記第1基体の前記第1主面、前記斜面及び前記第3主面上に亘って第1層と、前記第1層の前記第1基体及び前記第2基体とは反対面側に第2層を形成する工程と、該第2層の表面を粗面化する粗面化加工を行う工程と、前記第2層上にレジストを形成し、該レジストをフォトリソグラフィー法によりパターニングする工程と、パターニングした前記レジストを介して前記第1層及び前記第2層をエッチングして前記接続配線を形成する工程と、を具備することを特徴とする配線実装構造の製造方法にある。
かかる態様では、第1層の表面粗さを第2層の表面粗さに比べて小さくすることで、第1基体や第2基体と接続配線との密着性を向上することができる。また、第2層の表面粗さを第1層の表面粗さよりも大きくすることで、接続配線をパターニングする際のレジストを露光する際に、光が接続配線の表面に反射して、反射光が照射されることでオーバー露光になるのを抑制することができる。これにより、オーバー露光による接続配線の幅が細く形成されることや、逆に接続配線が太く形成されることを抑制して、設計値に近い接続配線を高精度に形成することができる。
ここで、前記粗面化加工は、ドライエッチング、ブラスト加工、及びウェットエッチングから選択される少なくとも一種であることが好ましい。これによれば、第2層の表面を容易に粗面化することができる。
さらに、本発明の他の態様は、第1主面と、前記第1主面と反対の裏面とされる第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間に形成される斜面と、を有する第1基体と、前記第1基体の前記第2主面と接合される第3主面と、該第3主面に形成された接続端子と、を有する第2基体と、前記第2基体の前記第3主面上の前記接続端子と電気的に接続されて、前記第1基体の前記第1主面と前記斜面とに連続して形成された接続配線と、を備える配線実装構造の製造方法であって、前記第1基体と前記第2基体とを接合した後、前記第1基体の前記第1主面、前記斜面及び前記第3主面上に亘ってスパッタリング法によって第1層を成膜する工程と、前記第1層の前記第1基体及び前記第2基体とは反対面側に前記第1層の表面よりも大きい表面粗さを有する第2層を成膜する工程と、前記第2層上にレジストを形成し、該レジストをフォトリソグラフィー法によりパターニングする工程と、パターニングした前記レジストを介して前記第1層及び前記第2層をエッチングして前記接続配線を形成する工程と、を具備することを特徴とする配線実装構造の製造方法にある。
かかる態様では、第1層の表面粗さを第2層の表面粗さに比べて小さくすることで、第1基体や第2基体と接続配線との密着性を向上することができる。また、第2層の表面粗さを第1層の表面粗さよりも大きくすることで、接続配線をパターニングする際のレジストを露光する際に、光が接続配線の表面に反射して、反射光が照射されることでオーバー露光になるのを抑制することができる。これにより、オーバー露光による接続配線の幅が細く形成されることや、逆に接続配線が太く形成されることを抑制して、設計値に近い接続配線を高精度に形成することができる。
ここで、前記第2層を成膜する工程では、めっきによって当該第2層を形成することが好ましい。これによれば、表面が粗面化された第2層を容易に形成することができる。
また、本発明の他の態様は、第1主面と、前記第1主面と反対の裏面とされる第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間に形成される斜面と、を有する第1基体と、前記第1基体の前記第2主面と接合される第3主面と、液体を噴射するノズル開口に連通する流路と、該流路に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、前記第3主面に設けられて前記圧力発生手段に電気的に接続された接続端子と、を有する第2基体と、前記第2基体の前記第3主面上の前記接続端子と電気的に接続されて、前記第1基体の前記第1主面と前記斜面とに連続して形成された接続配線と、を備え、前記接続配線が、前記第1基体及び前記第2基体側に設けられた第1層と、該第1層の前記第1基体及び前記第2基体とは反対面側に設けられた第2層とを少なくとも具備し、少なくとも前記斜面上に形成された前記接続配線において、前記第2層の前記第1層とは反対側の表面の表面粗さは、前記第1層の前記第2層側の表面粗さに比べて大きいことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、第1層の表面粗さを第2層の表面粗さに比べて小さくすることで、第1基体や第2基体と接続配線との密着性を向上することができる。また、第2層の表面粗さを第1層の表面粗さよりも大きくすることで、接続配線をパターニングする際のレジストを露光する際に、光が接続配線の表面に反射して、反射光が照射されることでオーバー露光になるのを抑制することができる。これにより、オーバー露光による接続配線の幅が細く形成されることや、逆に接続配線が太く形成されることを抑制して、設計値に近い接続配線を高精度に形成することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、接続配線の断線や短絡などを抑制して信頼性を向上した液体噴射装置を実現できる。
実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの要部平面図である。 実施形態1に係る接続配線を示す平面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 比較例の記録ヘッドの断面図及び平面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録装置の概略図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、インクジェット式記録ヘッドの平面図である。また、図3は図2のA−A′線断面図であり、図4は、図3の要部を拡大した図であり、図5は、保護基板の平面図である。
図示するように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド1は、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20、保護基板30、コンプライアンス基板45等の複数の部材を備える。
流路形成基板10は、ステンレス鋼やNiなどの金属、ZrOあるいはAlを代表とするセラミック材料、ガラスセラミック材料、MgO、LaAlOのような酸化物などを用いることができる。本実施形態では、流路形成基板10は、シリコン単結晶基板からなる。この流路形成基板10には、一方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12がインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向X(基準方向)と称する。また、流路形成基板10には、圧力発生室12が第1の方向Xに並設された列が複数列、本実施形態では、2列設けられている。この圧力発生室12が第1の方向Xに沿って形成された圧力発生室12の列が複数列設された列設方向を、以降、第2の方向Yと称する。さらに、第1の方向X及び第2の方向Yの双方に交差する方向を本実施形態では、第3の方向Zと称する。なお、本実施形態では、説明理解を容易にするために各方向(X、Y、Z)の関係を直交とするが、各構成の配置関係が必ずしも直交するものに限定されるべきものでないことを言及しておく。
また、流路形成基板10には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部側に、当該圧力発生室12よりも開口面積が狭く、圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を付与する供給路等が設けられていてもよい。
また、流路形成基板10の一方面側(積層方向であって−Z方向)には、連通板15とノズルプレート20とが順次積層されている。すなわち、流路形成基板10の一方面に設けられた連通板15と、連通板15の流路形成基板10とは反対面側に設けられたノズル開口21を有するノズルプレート20と、を具備する。
連通板15には、圧力発生室12とノズル開口21とを連通するノズル連通路16が設けられている。連通板15は、流路形成基板10よりも大きな面積を有し、ノズルプレート20は流路形成基板10よりも小さい面積を有する。このように連通板15を設けることによってノズルプレート20のノズル開口21と圧力発生室12とを離せるため、圧力発生室12の中にあるインクは、ノズル開口21付近のインクで生じるインク中の水分の蒸発による増粘の影響を受け難くなる。また、ノズルプレート20は圧力発生室12とノズル開口21とを連通するノズル連通路16の開口を覆うだけで良いので、ノズルプレート20の面積を比較的小さくすることができ、コストの削減を図ることができる。なお、本実施形態では、ノズルプレート20のノズル開口21が開口されて、インク滴が吐出される面を液体噴射面20aと称する。
また、連通板15には、マニホールド100の一部を構成する第1マニホールド部17と、第2マニホールド部18(絞り流路、オリフィス流路)とが設けられている。
第1マニホールド部17は、連通板15を厚さ方向(連通板15と流路形成基板10との積層方向)に貫通して設けられている。
また、第2マニホールド部18は、連通板15を厚さ方向に貫通することなく、連通板15のノズルプレート20側に開口して設けられている。
さらに、連通板15には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部に連通する供給連通路19が、圧力発生室12毎に独立して設けられている。この供給連通路19は、第2マニホールド部18と圧力発生室12とを連通する。
このような連通板15としては、ステンレスやNiなどの金属、またはジルコニウムなどのセラミックなどを用いることができる。なお、連通板15は、流路形成基板10と線膨張係数が同等の材料が好ましい。すなわち、連通板15として流路形成基板10と線膨張係数が大きく異なる材料を用いた場合、加熱や冷却されることで、流路形成基板10と連通板15との線膨張係数の違いにより反りが生じてしまう。本実施形態では、連通板15として流路形成基板10と同じ材料、すなわち、シリコン単結晶基板を用いることで、熱による反りや熱によるクラック、剥離等の発生を抑制することができる。
ノズルプレート20には、各圧力発生室12とノズル連通路16を介して連通するノズル開口21が形成されている。このようなノズル開口21は、第1の方向Xに並設され、この第1の方向Xに並設されたノズル開口21の列が第2の方向Yに2列形成されている。
このようなノズルプレート20としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)等の金属、ポリイミド樹脂のような有機物、又はシリコン単結晶基板等を用いることができる。なお、ノズルプレート20としてシリコン単結晶基板を用いることで、ノズルプレート20と連通板15との線膨張係数を同等として、加熱や冷却されることによる反りや熱によるクラック、剥離等の発生を抑制することができる。
一方、流路形成基板10の連通板15とは反対面側には、振動板50が形成されている。本実施形態では、振動板50として、流路形成基板10側に設けられた酸化シリコンからなる弾性膜51と、弾性膜51上に設けられた酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜52と、を設けるようにした。なお、圧力発生室12等の液体流路は、流路形成基板10を一方面側(ノズルプレート20が接合された面側)から異方性エッチングすることにより形成されており、圧力発生室12等の液体流路の他方面は、弾性膜51によって画成されている。
また、流路形成基板10の振動板50上には、本実施形態の圧力発生手段である、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とを有する圧電アクチュエーター300が設けられている。なお、本実施形態の圧力発生手段である圧電アクチュエーター300が駆動素子に相当する。ここで、圧電アクチュエーター300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電アクチュエーター300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極を圧力発生室12毎にパターニングして構成する。本実施形態では、第1電極60を複数の圧電アクチュエーター300に亘って連続して設けることで共通電極とし、第2電極80を圧電アクチュエーター300毎に独立して設けることで個別電極としている。もちろん、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。なお、上述した例では、振動板50が弾性膜51及び絶縁体膜52で構成されたものを例示したが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、振動板50として弾性膜51及び絶縁体膜52の何れか一方を設けたものであってもよく、また、振動板50として弾性膜51及び絶縁体膜52を設けず に、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電アクチュエーター300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
圧電体層70は、第1電極60上に形成される分極構造を有する酸化物の圧電材料からなり、例えば、一般式ABOで示されるペロブスカイト型酸化物からなることができ、鉛を含む鉛系圧電材料や鉛を含まない非鉛系圧電材料などを用いることができる。
また、圧電アクチュエーター300の第2電極80の各々には、引き出し配線であるリード電極90の一端部が接続されている。リード電極90は、第2電極80の端部から振動板50上に引き出されており、他端部が第2の方向Yで隣り合う圧電アクチュエーター300の列の間に延設されている。ここで、引き出されたリード電極90の他端部が、詳しくは後述する半導体素子である駆動回路に接続される接続端子91となっている。本実施形態では、圧電アクチュエーター300の列毎に接続端子91が本実施形態の基準方向である第1の方向Xに並設された接続端子列91Aが形成されている。すなわち、接続端子91が第1の方向Xに並設されて構成された接続端子列91Aは、第2の方向Yに2列並設されている。本実施形態では、図6に示すように、接続端子91は、圧電アクチュエーター300のピッチと同じ第2のピッチd2で第1の方向Xに並設されている。なお、本実施形態の第2のピッチd2とは、第1の方向Xで隣り合う2つの接続端子91の中心線間の距離である。すなわち、本実施形態では、リード電極90は、圧電アクチュエーター300の端部から第1の方向Xに直線上に沿って延設されている。また、このように接続端子91が設けられた流路形成基板10が第2基体に相当し、流路形成基板10の保護基板30側の面、すなわち振動板50の保護基板30側の面を第3主面101と称する。
また、流路形成基板10の圧電アクチュエーター300側の面には、流路形成基板10と略同じ大きさを有する保護基板30が接合されている。本実施形態では、保護基板30が第1基体に相当し、保護基板30の流路形成基板10と接合された面とは反対側の面を第1主面301と称し、流路形成基板10に接合される面を第2主面302と称する。すなわち、第2基体である流路形成基板10の第3主面101は、第1基体である保護基板30の第2主面302と接合されている。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。また、流路形成基板10と保護基板30との接合方法は特に限定されず、例えば、本実施形態では、流路形成基板10と保護基板30とを接着剤35を介して接合されている。
また、保護基板30は、第2主面302の側に圧電アクチュエーター300を保護して収容するための空間である保持部31を有する。保持部31は、保護基板30を厚さ方向である第3の方向Zに貫通することなく、流路形成基板10側に開口する凹形状を有する。また、保持部31は、本実施形態では、第1の方向Xに並設された圧電アクチュエーター300の列毎に独立して設けられている。すなわち、保持部31は、圧電アクチュエーター300の第1の方向Xに並設された列に亘って連続して設けられており、圧電アクチュエーター300の列毎、すなわち2つが第2の方向Yに並設されている。このような保持部31は、圧電アクチュエーター300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
また、保護基板30は、厚さ方向である第3の方向Zに貫通した本実施形態の開口部である貫通孔32を有する。貫通孔32は、第2の方向Yに並設された2つの保持部31の間に複数の圧電アクチュエーター300の並設方向である第1の方向Xに亘って連続して設けられている。すなわち、貫通孔32は、第1の方向Xに沿って溝状に形成されている。つまり、貫通孔32は、複数の圧電アクチュエーター300の並設方向に長辺を有した開口とされている。
このような貫通孔32の第2の方向Yの両側の壁面である第1側壁部321は、図4に示すように、第1主面301と第2主面302との間で傾斜して設けられた斜面となっている。すなわち、斜面である第1側壁部321は、基準方向である第1の方向Xに延在している。ここで、第1側壁部321が斜面になっているとは、第1主面301及び第2主面302に対して傾斜して設けられていることを言う。すなわち、第1側壁部321が第1主面301及び第2主面302と同じ面方向で形成されておらず、また、第1側壁部321が第1主面301及び第2主面302に直交する第3の方向Zと同じ面方向に設けられていないことを言う。つまり、第1側壁部321は、第3の方向Zに対しても傾斜して設けられている。このような第1側壁部321の傾斜角度は特に限定されないが、例えば、保護基板30をシリコン単結晶基板で形成した場合、シリコン単結晶基板の面方位にもよるが、例えば、第1側壁部321は、第2主面302に対して54.7度となる。また、第2の方向Yで相対向する2つの第1側壁部321の間隔は、第3の方向Zにおいて流路形成基板10とは離れる方向に向かって漸大して設けられている。
なお、本実施形態では、貫通孔32の第1の方向Xの両側の壁面である2つの第2側壁部322についても第1側壁部321と同様に第1主面301及び第2主面302に対して傾斜して設けられている。このように第1側壁部321と第2側壁部322とを傾斜して設けることにより、貫通孔32を例えばエッチングによって容易に高精度に形成することができる。
このような保護基板30に貫通孔32内には、流路形成基板(第2基体)10の第3主面101の一部(振動板50の一部)が露出され、その領域の中に圧電アクチュエーター300から引き出されたリード電極90の端部である接続端子91が露出して設けられている。
具体的には、リード電極90の貫通孔32の内側の領域に導出されて露出した部分が接続端子91となっている。流路形成基板10の第3主面101上に、第1の方向Xに並設された複数の接続端子91からなる群を接続端子列91Aと称する。本実施形態では、第3主面101の貫通孔32によって露出された部分(貫通孔32の内側の領域)において、2つの接続端子列91Aが第2の方向Yに並設されている。
また、本実施形態では、貫通孔32内には、圧電アクチュエーター300の第1電極60が露出して設けられている。ここで、第1電極60は、圧電アクチュエーター300の並設方向である第1の方向Xの両端部において、2列の圧電アクチュエーター300に共通して連続して設けられている。
また、保護基板30には、配線である接続配線33が形成されている。接続配線33について、さらに図6を参照して詳細に説明する。なお、図6は、接続配線を示す平面図である。
接続配線33は、第1主面301上から第1側壁部321上を介して第3主面101に設けられたリード電極90の接続端子91上にまで延設されている。具体的には、接続配線33は、リード電極90毎に設けられており、第1主面301に設けられた第1接続配線331と、第3主面101側に設けられて、リード電極90上に形成された第2接続配線332と、第1側壁部321及び接着剤35上に跨がって形成されて第1接続配線331と第2接続配線332とを接続する傾斜面配線333と、を具備する。
接続配線33は、リード電極90の接続端子91列毎に第1の方向Xに複数並設されている。本実施形態では、リード電極90の接続端子列91Aが第2の方向Yに2列設けられているため、接続配線33は、貫通孔32の第2の方向Yの両側に、接続端子列91Aに対応してそれぞれ設けられている。
ここで、第1接続配線331は、貫通孔32の第2の方向Yの両側の第1主面301上に第1の方向Xに並設されて設けられている。また、第1接続配線331は、第2の方向Yに直線上に延設されている。このような第1接続配線331の第1主面301上の一端部が、半導体素子である駆動回路200に電気的に接続される第1配線端子334となっている。第1配線端子334を有する第1接続配線331は、リード電極90の隣り合う接続端子91の第2のピッチd2よりも狭い第1のピッチd1で第1の方向Xに沿って並設されている。言い換えると、接続端子91の第2のピッチd2は、第1配線端子334の第1のピッチd1よりも広い。
第2接続配線332は、リード電極90上に、すなわち、リード電極90の流路形成基板10とは反対側の面に設けられて、リード電極90の接続端子91と電気的に接続されている。すなわち、第2接続配線332は、第2の方向Yに直線上に延設されている。このような第2接続配線332は、リード電極90と同じ第2のピッチd2で第1の方向Xに並設されている。この第2接続配線332が、リード電極90の接続端子91と電気的に接続される第2配線端子となっている。
傾斜面配線333は、第1接続配線331と第2接続配線332とを繋ぐように形成されている。傾斜面配線333は、第2接続配線332側に設けられた直線部333aと、直線部333aに連続して第1接続配線331側に設けられた傾斜部333bと、を具備する。このような直線部333aは、第2の方向Yに沿った直線上に延設されている。また、傾斜部333bは直線部333aに対して傾斜した、すなわち、第2の方向Yに対して角度θで傾斜した方向に直線上に延設されている。ここで、直線部333aは、第2のピッチd2で形成されており、傾斜部333bの第1接続配線331側の端部は、第1のピッチd1で形成されている。本実施形態では、全ての傾斜面配線333の傾斜部333bは、同じ傾斜角度で形成されており、直線部333aの第2の方向Yの長さを調整することで、直線部333aの第2のピッチd2を傾斜部333bの第1接続配線331側の端部、すなわち第1配線端子334の第1のピッチd1にピッチ変換している。
このような第1接続配線331、第2接続配線332及び傾斜面配線333は、本実施形態では、同じ幅wで形成されている。すなわち、第1接続配線331、第2接続配線332及び傾斜面配線333は、第1の方向の幅(傾斜面配線333の傾斜部333bについては延設方向に直交する方向の幅)が同じ幅wで形成されている。これにより、接続配線33の抵抗が高くなるのを抑制することができると共に、第1接続配線331、第2接続配線332及び傾斜面配線333の接続部分での断線等を抑制することができる。また、接続配線33の一部を幅広に形成すると、第1の方向Xで隣り合う接続配線33の間隔が狭くなり、短絡やマイグレーションが発生する虞がある。本実施形態では、接続配線33を同じ幅wで形成することで、断線や短絡、マイグレーションを抑制することができる。もちろん、接続配線33を構成する第1接続配線331、第2接続配線332及び傾斜面配線333の幅wを同じ幅で形成しなくてもよく、第1接続配線331、第2接続配線332及び傾斜面配線333の幅を途中で異なる幅に変更してもよい。
このような接続配線33は、流路形成基板10及び保護基板30側に設けられた最下層である密着層33Aと、密着層33A上に形成された最上層である導電層33Bとを具備する。本実施形態では、最下層である密着層33Aが、第1層に相当し、最上層である導電層33Bが第2層に相当する。
密着層33Aは、導電層33Bと流路形成基板10及び保護基板30側との密着性を向上させるためのものであり、例えば、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ニッケルクロム(NiCr)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、タングステン(W)、チタンタングステン(TiW)等が挙げられる。このような密着層33Aは、詳しくは後述するが、スパッタリング法によってその表面、すなわち、流路形成基板10及び保護基板30とは反対側の表面の表面粗さが小さく形成される。なお、スパッタリング法によって密着層33Aを形成することで、流路形成基板10の振動板50やリード電極90、保護基板30の表面との密着性を向上することができる。ちなみに保護基板30として単結晶シリコンを用いた場合には、その表面には、二酸化シリコン等の酸化膜等の保護膜を形成するのが一般的であり、密着層33Aをスパッタリング法によって形成することで、酸化膜等の保護膜との密着性を向上することができる。このように、スパッタリング法によって形成される金属膜の表面粗さRaは、一般的には、例えば、0.01μm以下である。もちろん、密着層33Aの形成方法は、スパッタリング法に限定されるものではなく、蒸着、めっき等によって形成してもよい。ただし、密着層33Aをスパッタリング法によって形成することで、より高い密着性を有する膜を形成することができる。
導電層33Bは、導電性に優れた材料、例えば、金(Au)、銅(Cu)等が挙げられる。このような導電層33Bは、密着層33Aとは反対側の表面の表面粗さが、密着層33Aの導電層33B側の表面の表面粗さに比べて大きい。このような表面粗さの大きい導電層33Bは、詳しくは後述するが、粗面化加工や、成膜時の条件(成膜方法や、出力等の調整)などによって製造することができる。なお、粗面化加工としては、イオンミリングなどのドライエッチング、サンドブラストに代表されるブラスト加工等の機械加工、ウェットエッチングなどが挙げられる。なお、これらの加工は、単独で行っても複数組み合わせて行ってもよい。また、粗面化された導電層33Bを成膜する方法としては、例えば、めっきが挙げられる。もちろん、スパッタリング法によって導電層33Bを形成する際に、温度や出力等の成膜条件を調整することでも表面粗さを調整することができる。
なお、導電層33Bの表面粗さは、詳しくは後述するが、導電層33Bをパターニングする際にマスクとしてレジストを用いるが、このレジストをフォトリソグラフィー法によってパターニングする際に用いる露光時の光源に基づいて適宜選定すればよい。すなわち、導電層33Bの表面粗さは、レジストを露光する光を散乱させることができる程度の大きさで形成すればよい。つまり、レジストを露光する光はレジストを透過して導電層33Bにまで達する。このとき、導電層33Bの表面が鏡面だと、導電層33Bの表面に反射した光は一定の方向性を有し、他の領域に照射される。他の領域には、光源から直接照射された光と、導電層33Bによって反射した光との両方が照射されて、オーバー露光してしまう。本実施形態では、導電層33Bの表面の凹凸によって露光時の光を散乱させて、導電層33Bに反射した光が他の領域に反射されるのを抑制することができる程度の大きさで形成すればよい。なお、導電層33Bを例えば、スパッタリング法によって形成すると、上述のように表面粗さRaは0.01μm以下となり、導電層33Bの表面で露光の光を散乱させることができないため、導電層33Bの表面粗さRaは、0.01μmよりも大きいのが好ましく、例えば、0.05μm以上が好適である。
このように、接続配線33の最上層である導電層33Bの表面粗さを粗くすることで、接続配線33をパターニングする際に用いるレジストの露光時のオーバー露光を抑制することができる。したがって、レジストの幅を所望の幅で、すなわち、オーバー露光によって予期せぬ幅にならないように形成することができるため、このレジストをマスクとしてパターニングされた接続配線33の幅を高精度に形成することができる。したがって、接続配線33の幅wが細く形成されることによる断線や、接続配線33の幅wが広く形成されることによる短絡やマイグレーションの発生を抑制することができる。
なお、表面が粗面化された導電層33Bは、露光時の反射光を抑制するためのものであるため、少なくとも第1側壁部321上に形成された接続配線33、すなわち、傾斜面配線333のみが行われていればよい。すなわち、第1主面301上の第1接続配線331やリード電極90上の第2接続配線332等の表面は粗面化されていなくてもよい。ただし、第1接続配線331の表面を粗面化することで、詳しくは後述するが、接続配線33の第1接続配線331上に駆動回路200を実装する際に、接続配線33の表面が粗面化されていれば、アンカー効果によって接合強度を向上することができる。本実施形態では、接続配線33の一部を選択的に粗面化するのはコストが高くなるため、接続配線33の全ての表面が粗面化されている。
このような保護基板30の第1主面301には、本実施形態の半導体素子である駆動回路200が実装されている。駆動回路200は、保護基板30の第1主面301に、少なくとも貫通孔32の一部を覆って塞ぐように配置されている。すなわち、駆動回路200は、第3の方向Zにおいて貫通孔32に相対向する位置に設けられている。このような駆動回路200は、第2の方向Yの幅が貫通孔32の第1主面301の開口幅よりも大きく、貫通孔32を第2の方向Yに跨がって配置されている。また、本実施形態では、駆動回路200は、第1の方向Xの長さが貫通孔32の第1主面301の開口長さよりも短い。そして、駆動回路200は、第1の方向Xの両側に貫通孔32の一部が露出するように、貫通孔32の略中央に配置されている。
この駆動回路200には、接続配線33の第1配線端子334に電気的に接続される端子201が設けられている。端子201は、駆動回路200の保護基板30側の面に設けられている。そして、端子201は、駆動回路200の第2の方向Yの両側に、第1の方向Xに並設されている。これにより、駆動回路200の端子201と第1配線端子334とは第3の方向Zにおいて相対向して接続されている。なお、駆動回路200の端子201には、金属バンプである接続部211が備えられており、接続部211と第1配線端子334との接続は、半田接続などの溶接、異方性導電性接着剤(ACP、ACF)、非導電性接着剤(NCP、NCF)を介在させて圧着することで確実に電気的な接続が図られる。
このように、本実施形態では、駆動回路200が、貫通孔32を第2の方向Yに跨がって配置されているため、保護基板30の第1主面301において、駆動回路200を配置するスペースをできる限り抑えることができる。これによりインクジェット式記録ヘッド1の小型化を図ることができる。
特に、本実施形態では、接続配線33によってピッチ変換を行っているため、駆動回路200を小型化することができる。したがって、保護基板30上の駆動回路200を配置するスペースをさらに減少させることができ、インクジェット式記録ヘッド1のさらなる小型化を図ることができる。
また、駆動回路200は、貫通孔32を第2の方向Yに跨がって設けられているため、貫通孔32によって剛性が低下した保護基板30を駆動回路200によって補強することができる。
さらに、駆動回路200は、第1の方向Xにおいて、貫通孔32よりも短いため、第1の方向Xにおいて、駆動回路200の両側で貫通孔32が外部と連通して貫通孔32内の放熱を行うことができる。したがって、駆動回路200や接続配線33からの発熱が貫通孔32内にこもるのを抑制することができる。
なお、このような流路形成基板10、保護基板30、連通板15及びノズルプレート20の接合体には、複数の圧力発生室12に連通するマニホールド100を形成するケース部材40が固定されている。ケース部材40は、平面視において上述した連通板15と略同一形状を有し、保護基板30に接合されると共に、上述した連通板15にも接合されている。具体的には、ケース部材40は、保護基板30側に流路形成基板10及び保護基板30が収容される深さの凹部41を有する。この凹部41は、保護基板30の流路形成基板10に接合された面よりも広い開口面積を有する。そして、凹部41に流路形成基板10等が収容された状態で凹部41のノズルプレート20側の開口面が連通板15によって封止されている。これにより、流路形成基板10及び保護基板30とケース部材40との間には第3マニホールド部42が画成されている。そして、連通板15に設けられた第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18と、ケース部材40によって画成された第3マニホールド部42と、によって本実施形態のマニホールド100が構成されている。
なお、ケース部材40の材料としては、例えば、樹脂や金属等を用いることができる。ちなみに、ケース部材40として、樹脂材料を成形することにより、低コストで量産することができる。
また、連通板15の第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18が開口する面には、コンプライアンス基板45が設けられている。このコンプライアンス基板45が、第1マニホールド部17と第2マニホールド部18の液体噴射面20a側の開口を封止している。このようなコンプライアンス基板45は、本実施形態では、封止膜46と、固定基板47と、を具備する。封止膜46は、可撓性を有する薄膜(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やステンレス鋼(SUS)等により形成された厚さが20μm以下の薄膜)からなり、固定基板47は、ステンレス鋼(SUS)等の金属等の硬質の材料で形成される。この固定基板47のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部48となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜46のみで封止された可撓部であるコンプライアンス部49となっている。
なお、ケース部材40には、マニホールド100に連通して各マニホールド100にインクを供給するための導入路44が設けられている。また、ケース部材40には、保護基板30の第1主面301を露出させて駆動回路200を内部に収容する接続口43が設けられている。駆動回路200を駆動させる信号及び電源の外部からの供給は、可撓性基板等を接続口43内に挿入して実装し、接続口43内で駆動回路200と電気的に接続する、又は保護基板30上に形成された図示しない配線等を介して接続される。
このような構成のインクジェット式記録ヘッド1では、インクを噴射する際に、インクが貯留された液体貯留手段から導入路44を介してインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで流路内部をインクで満たす。その後、駆動回路200からの信号に従い、圧力発生室12に対応する各圧電アクチュエーター300に電圧を印加することにより、圧電アクチュエーター300と共に振動板50をたわみ変形させる。これにより、圧力発生室12内の圧力が高まり所定のノズル開口21からインク滴が噴射される。
ここで、このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図7〜図11を参照して説明する。なお、図7〜図10は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す断面図であり、図11は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの比較例を示す断面図及び平面図である。
まず、図7(a)に示すように、予め保持部31及び貫通孔32が形成された保護基板30を、予め圧電アクチュエーター300及びリード電極90等が形成された流路形成基板10に接着剤35を介して接合する。
次に、図7(b)に示すように、保護基板30の第1主面301、第1側壁部321及び流路形成基板10の第3主面101上の全面に亘って、密着層33Aと導電層33Bとを形成する。本実施形態では、ニッケルクロム(NiCr)からなる密着層33Aをスパッタリング法によって形成した。このように密着層33Aをスパッタリング法によって形成することで、保護基板30、流路形成基板10等との密着性を向上することができる。また、本実施形態では、金(Au)からなる導電層33Bをスパッタリング法によって形成した。なお、導電層33Bの成膜方法は、スパッタリング法に限定されず、例えば、蒸着法、めっき等を用いてもよい。
次に、図7(c)に示すように、導電層33Bの表面を粗面化する粗面化加工を行う。粗面化加工としては、イオンミリングなどのドライエッチング、サンドブラストに代表されるブラスト加工等の機械加工、ウェットエッチングなどが挙げられる。これにより、導電層33Bの表面は、密着層33Aの表面に比べて粗面化される。
次に、図8(a)に示すように、流路形成基板10と保護基板30との導電層33B上に亘ってレジスト400を形成する。
次に、図8(b)に示すように、レジスト400をフォトリソグラフィー法によってパターニングする。具体的には、図示しない露光マスクを介してレジストを露光し、現像することで露光された領域を除去することでパターニングする。すなわち、本実施形態のレジストはポジ型であり、露光されると現像液に対して溶解性が増大し、露光された領域が除去されてパターニングされる。
このようにレジスト400をパターニングする際に、露光する光はレジストを通過して、導電層33Bの表面にまで達する。このとき、図10に示すように、導電層33Bの表面が粗面化されているため、導電層33Bの表面で光は散乱する。したがって、導電層33Bの表面に反射した光が他の領域に集中することがなく、レジスト400のオーバー露光を抑制することができる。
これに対して、例えば、導電層33Bの表面が鏡面、すなわち、表面粗さRaが0.01μm以下で形成されている場合、図11(a)に示すように、導電層33Bの表面に反射した光は、一定の方向性を持って反射する。この反射角度は、第1側壁部321の角度によって決まる。つまり、第3の方向Zから光を照射すると、傾斜して設けられた一方の第1側壁部321上の導電層33B、つまり傾斜面配線333となる導電層33Bの表面に反射して、他方の第1側壁部321上の傾斜面配線333となる導電層33Bや、第2接続配線332となる領域に反射した光が照射される。図11(b)において、傾斜面配線333となる導電層33Bに反射された光の照射領域をSで表している。このように照射領域Sには、光源から照射された光と、導電層33Bに反射された光との両方が照射されるため、光の露光量が他の領域、すなわち、領域S以外の領域よりも多くなってしまう。このようにオーバー露光された領域Sでは、レジスト400の露光部の幅が大きくなり、現像することで他の領域よりも広い幅が除去される。したがって、オーバー露光されたレジスト400によって接続配線33をパターニングにより形成すると、領域Sにおいて、接続配線33は、細く形成されてしまう。
ちなみに、ネガ型のレジストを用いた場合には、オーバー露光によって接続配線33は、その幅が太く(幅広に)形成される。接続配線33が設計値よりも幅広に形成されると、隣り合う接続配線33の間隔が設計値よりも狭くなり、接続配線33同士の短絡やマイグレーションが発生する虞がある。
本実施形態では、オーバー露光を抑制することで、接続配線33を所望の幅で、すなわち、設計値に限りなく近い値で高精度に形成することができる。したがって、接続配線33の断線や短絡、マイグレーションの発生を抑制することができる。
次に、図8(c)に示すように、パターニングされたレジストを用いて導電層33B及び密着層33Aをエッチングによりパターニングする。例えば、本実施形態の金(Au)からなる導電層33Bは、ヨウ素系のエッチング液を用いたウェットエッチングによりパターニングした。また、ニッケルクロム(NiCr)からなる密着層33Aは、硝酸系又は塩酸系のエッチング液を用いたウェットエッチングによりパターニングした。なお、導電層33B及び密着層33Aのエッチングは、ウェットエッチングに限定されず、ドライエッチングであってもよい。
次に、図8(d)に示すように、流路形成基板10に圧力発生室12を形成する。本実施形態では、流路形成基板10の第3主面101とは反対面側から異方性エッチング(ウェットエッチング)することで、圧力発生室12を形成した。
次に、図9(a)に示すように、流路形成基板10の第3主面101とは反対面側に、ノズル連通路16、第1マニホールド部17、第2マニホールド部18等が形成された連通板15と、ノズル開口21が形成されたノズルプレート20とを接合する。
次に、図9(b)に示すように、保護基板30の第1主面301上に駆動回路200を実装する。本実施形態では、駆動回路200を接続部材221を介して接続配線33に接続する。なお、接続配線33の導電層33Bの表面は粗面化されているため、駆動回路200の端子201と接続配線33の第1配線端子334との接続をアンカー効果によって強固に行うことができる。したがって、駆動回路200の剥離等を抑制することができる。
なお、本実施形態では、保護基板30及び流路形成基板10として説明したが、特にこれに限定されず、1枚のウェハーに保護基板30を複数一体的に形成すると共に、1枚のウェハーに流路形成基板10を複数一体的に形成し、これらを接合した後で、図1に示すチップサイズに分割するようにしてもよい。このような分割は、例えば、図8(d)に示す圧力発生室12等を形成した後に行うようにすれば、同時に複数の流路形成基板10及び保護基板30を形成することができる。
なお、本実施形態では、導電層33Bを形成した後、導電層33Bの表面を粗面化加工するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、導電層33Bをめっきにより形成することで、表面が粗面化された導電層33Bを形成するようにしてもよい。すなわち、導電層33Bを成膜した後で粗面化するだけではなく、導電層33Bを形成する際に表面が粗面化された膜を形成するようにしてもよい。なお、めっきは、電解めっきでも無電解めっきでもよいが、無電解めっきの方が密着層33Aと電極を接続する必要がないため、バッチ処理によって同時に複数処理することができコストを低減することができる。
(実施形態2)
図12は、本発明の実施形態2に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図12に示すように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドを構成する保護基板30に設けられた接続配線33は、密着層33Aと、導電層33Bとを具備する。
密着層33Aは、保護基板30の第1主面301上及び第1側壁部321上のみに形成されている。
また、導電層33Bは、密着層33A上と、第3主面101上、すなわち、リード電極90の接続端子91上とに亘って連続して設けられている。
このような構成であっても、導電層33Bは、密着層33Aによって保護基板30との密着性が向上される。また、リード電極90は金属で形成されているため、リード電極90と導電層33Bとの間に密着層33Aが形成されていなくても、両者の密着性は高く、剥離が発生し難い。
そして、導電層33Bは、上述した実施形態1と同様に、その表面粗さは、密着層33Aの表面粗さよりも大きい。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドの製造方法について図13を参照して説明する。なお、図13は、インクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。また、上述した実施形態1と同様の工程は上述した実施形態1の図7〜図9を参照して重複する説明は省略する。
図13(a)に示すように、予め保持部31及び貫通孔32が形成された保護基板30の第1主面301及び第1側壁部321の全面に亘って密着層33Aを形成する。なお、密着層33Aは、2層でもよく、第1側壁部321との密着層と、導電層33Bとの密着層とに分けてもよい。本実施形態では、ニッケルクロム(NiCr)からなる密着層33A上に図示しない第2の密着層として金(Au)からなる層をスパッタリング法によって形成した。
次に、図13(b)に示すように、保護基板30を、予め圧電アクチュエーター300及びリード電極90等が形成された流路形成基板10に接着剤35を介して接合する。
次に、図13(c)に示すように、保護基板30及び流路形成基板10の第1主面301、第3主面101及び第1側壁部321上の全面に亘って導電層33Bを形成する。
本実施形態では、金(Au)からなる導電層33Bをめっきにより形成することで、表面が粗面化された導電層33Bを形成した。なお、めっきは、電解めっきであっても、無電解めっきであってもよい。
その後は、上述した実施形態1の図8(a)及び図8(b)と同様に、導電層33B上にレジストを形成すると共にフォトリソグラフィー法によりレジストをパターニングする。このとき、上述した実施形態1と同様に、導電層33Bの表面が粗面化されていることから、光の反射によるオーバー露光を抑制することができる。したがって、レジストを所望の形状に形成することができる。
そして、上述した実施形態1の図8(c)と同様に、レジストを介して導電層33B及び密着層33Aをパターニングすることで、接続配線33を形成する。
その後は、上述した実施形態1の図8(d)〜図9(c)と同様に、流路形成基板10に圧力発生室12を形成し、流路形成基板10に連通板15、ノズルプレート20を接合した後、保護基板30の第1主面301に駆動回路200を実装することで、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド1を製造することができる。
なお、本実施形態では、導電層33Bをめっきにより形成することで表面が粗面化された導電層33Bとしたが、特にこれに限定されず、上述した実施形態1と同様に、導電層33Bをめっき以外の方法で成膜した後、粗面化加工を行うようにしてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した各実施形態では、接続配線33を第1層である密着層33Aと第2層である導電層33Bとの2層で形成するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、3層以上で形成されていてもよい。このとき、流路形成基板10や保護基板30とは反対側の最上層を第2層として、この最上層の表面粗さが、最下層を第2層として、この最下層の表面粗さよりも粗ければ、レジスト400のオーバー露光を抑制して、接続配線33を所望の幅で形成することができる。
また、上述した各実施形態では、駆動回路200を保護基板30上に貫通孔32を跨いで実装するようにしたが、特にこれに限定されず、駆動回路200を保護基板30の貫通孔32の第2の方向Yの両側の何れか一方又は両側に実装するようにしてもよい。また、駆動回路200が実装されたフレキシブル基板やリジット基板等を保護基板30に実装するようにしてもよい。いずれにしても、接続配線33に駆動回路200や基板等の実装部品を実装する際に、接続配線33の実装される表面を粗面化していれば、アンカー効果によって他の実装部品との接合強度を向上することができる。もちろん、駆動回路200の数は、2個以上の複数個であってもよい。
また、例えば、上述した各実施形態では、保護基板30に貫通孔32を設け、貫通孔32内に斜面である第1側壁部321を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、1つの流路形成基板10に対して、2つの保護基板30を離して設け、2つの保護基板30の相対向する端面を斜面としてもよい。
さらに、上述した各実施形態では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄膜型の圧電アクチュエーター300を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッド1は、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備するインクジェット式記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図14は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図14に示すインクジェット式記録装置Iにおいて、インクジェット式記録ヘッド1は、液体貯留手段を構成するインクカートリッジ2が着脱可能に設けられ、インクジェット式記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、インクジェット式記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー8により搬送されるようになっている。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
なお、上述したインクジェット式記録装置Iでは、インクジェット式記録ヘッド1がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッド1が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
また、上述した例では、インクジェット式記録装置Iは、液体貯留手段であるインクカートリッジ2がキャリッジ3に搭載された構成であるが、特にこれに限定されず、例えば、インクタンク等の液体貯留手段を装置本体4に固定して、貯留手段とインクジェット式記録ヘッド1とをチューブ等の供給管を介して接続してもよい。また、液体貯留手段がインクジェット式記録装置に搭載されていなくてもよい。
さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種のインクジェット式記録ヘッド等の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。
また、本発明は、広く配線実装構造全般を対称としたものであり、液体噴射ヘッド以外の他のデバイスに適用することができる。
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 1 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 10 流路形成基板(第2基体)、 101 第3主面、 15 連通板、 20 ノズルプレート、 20a 液体噴射面、 21 ノズル開口、 30 保護基板(第1基体)、 301 第1主面(主面)、 302 第2主面、 31 保持部、 32 貫通孔(凹部)、 321 第1側壁部(斜面)、 322 第2側壁部、 33 接続配線、 33A 密着層(最下層、第1層)、 33B 導電層(最上層、第2層)、 331 第1接続配線、 332 第2接続配線(第2配線端子)、 333 傾斜面配線、 333a 直線部、 333b 傾斜部、 334 第1配線端子、 40 ケース部材、 45 コンプライアンス基板、 50 振動板、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 90 リード電極、 91 接続端子、 91A 接続端子列、 100 マニホールド、 200 駆動回路(半導体素子)、 201 端子、 211 接続部材、 300 圧電アクチュエーター、 400 レジスト

Claims (9)

  1. 第1主面と、前記第1主面と反対の裏面とされる第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間に形成される斜面と、を有する第1基体と、
    前記第1基体の前記第2主面と接合される第3主面と、該第3主面に形成された接続端子と、を有する第2基体と、
    前記第2基体の前記第3主面上の前記接続端子と電気的に接続されて、前記第1基体の前記第1主面と前記斜面とに連続して形成された接続配線と、
    を備え、
    前記接続配線は、前記第1基体及び前記第2基体側に設けられた第1層と、該第1層の前記第1基体及び前記第2基体とは反対面側に設けられた第2層と、を少なくとも具備し、
    少なくとも前記斜面上に形成された前記接続配線において、前記第2層の前記第1層とは反対側の表面の表面粗さは、前記第1層の前記第2層側の表面粗さに比べて大きいことを特徴とする配線実装構造。
  2. 前記第1層の表面粗さRaが、0.01μm以下であることを特徴とする請求項1記載の配線実装構造。
  3. 前記第1主面上に形成された前記接続配線において、前記第2層の表面粗さは、前記第1層とは反対側の表面粗さに比べて大きいことを特徴とする請求項1又は2記載の配線実装構造。
  4. 第1主面と、前記第1主面と反対の裏面とされる第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間に形成される斜面と、を有する第1基体と、
    前記第1基体の前記第2主面と接合される第3主面と、該第3主面に形成された接続端子と、を有する第2基体と、
    前記第2基体の前記第3主面上の前記接続端子と電気的に接続されて、前記第1基体の前記第1主面と前記斜面とに連続して形成された接続配線と、
    を備える配線実装構造の製造方法であって、
    前記第1基体と前記第2基体とを接合した後、前記第1基体の前記第1主面、前記斜面及び前記第3主面上に亘って第1層と、該第1層の前記第1基体及び前記第2基体とは反対面側に第2層を形成する工程と、
    前記第2層の表面を粗面化する粗面化加工を行う工程と、
    前記第2層上にレジストを形成し、該レジストをフォトリソグラフィー法によりパターニングする工程と、
    パターニングした前記レジストを介して前記第1層及び前記第2層をエッチングして前記接続配線を形成する工程と、
    を具備することを特徴とする配線実装構造の製造方法。
  5. 前記粗面化加工は、ドライエッチング、ブラスト加工、及びウェットエッチングから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項4記載の配線実装構造の製造方法。
  6. 第1主面と、前記第1主面と反対の裏面とされる第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間に形成される斜面と、を有する第1基体と、
    前記第1基体の前記第2主面と接合される第3主面と、該第3主面に形成された接続端子と、を有する第2基体と、
    前記第2基体の前記第3主面上の前記接続端子と電気的に接続されて、前記第1基体の前記第1主面と前記斜面とに連続して形成された接続配線と、
    を備える配線実装構造の製造方法であって、
    前記第1基体と前記第2基体とを接合した後、前記第1基体の前記第1主面、前記斜面及び前記第3主面上に亘ってスパッタリング法によって第1層を成膜する工程と、
    前記第1層の前記第1基体及び前記第2基体とは反対面側に前記第1層の表面よりも大きい表面粗さを有する第2層を成膜する工程と、
    前記第2層上にレジストを形成し、該レジストをフォトリソグラフィー法によりパターニングする工程と、
    パターニングした前記レジストを介して前記第1層及び前記第2層をエッチングして前記接続配線を形成する工程と、
    を具備することを特徴とする配線実装構造の製造方法。
  7. 前記第2層を成膜する工程では、めっきによって当該第2層を形成することを特徴とする請求項6記載の配線実装構造の製造方法。
  8. 第1主面と、前記第1主面と反対の裏面とされる第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間に形成される斜面と、を有する第1基体と、
    前記第1基体の前記第2主面と接合される第3主面と、液体を噴射するノズル開口に連通する流路と、該流路に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、前記第3主面に設けられて前記圧力発生手段に電気的に接続された接続端子と、を有する第2基体と、
    前記第2基体の前記第3主面上の前記接続端子と電気的に接続されて、前記第1基体の前記第1主面と前記斜面とに連続して形成された接続配線と、
    を備え、
    前記接続配線が、前記第1基体及び前記第2基体側に設けられた第1層と、該第1層の前記第1基体及び前記第2基体とは反対面側に設けられた第2層とを少なくとも具備し、
    少なくとも前記斜面上に形成された前記接続配線において、前記第2層の前記第1層とは反対側の表面の表面粗さは、前記第1層の前記第2層側の表面粗さに比べて大きいことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  9. 請求項8記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018001413A (ja) * 2016-06-27 2018-01-11 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

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