JP2015150702A - 液体カートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】液体が流出可能な状態となる前にカートリッジ内部を確実に大気に連通させることができる液体カートリッジを提供する。【解決手段】インクカートリッジは、第1位置において、開口61、64の間に第1封止部84を位置させ、開口61、64より筒壁46の先端側に第2封止部85を位置させ、薄膜87と凸部材80とを離間させ、第1位置より筒壁46の基端側の第2位置において、開口61、64と開口67との間に第1封止部84を位置させ、開口61、64より筒壁46の先端側に第2封止部85を位置させ、薄膜87と凸部材80とを離間させ、第2位置より基端側の第3位置において、開口61、64と開口67との間に第1封止部84を位置させ、開口61、64より筒壁46の先端側に第2封止部85を位置させ、凸部材80に薄膜87を貫通させる弁体77を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、内部に貯留された液体を流出させる液体カートリッジに関する。
従来より、インクカートリッジに貯留されたインクを記録ヘッドのノズルから吐出することにより、用紙に画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。また、このようなインクジェット記録装置に装着されるインクカートリッジとして、インク流路及び大気流路の両方を1つの弁機構によって開閉可能なインクカートリッジが特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載されたインクカートリッジにおいて、筒状部材の貫通孔に挿入されたインク供給管は、インク供給管と筒状部材との間の摩擦力によって筒状部材を移動させ、大気流路を開放させる。また、インク供給管は、封止膜を突き破り、コイルバネの付勢力に抗して弁体を移動させることにより、インク流路を開放させる。
特許第4506301号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、インク流路より先に大気流路が開放されるとは限らない。具体的には、インク供給管と筒状部材との間の摩擦力、筒状部材と大径孔を区画する壁面との間の摩擦力、インク供給管が封止膜を突き破るのに必要な力、及びコイルバネの付勢力等の大小関係によっては、大気流路より先にインク流路が開放される可能性がある。
大気流路より先にインク流路が開放された場合において、インクカートリッジの内圧が大気圧より低いと、ノズル内のインクがインクカートリッジに吸い込まれて、ノズル内のインクのメニスカスが破壊される可能性がある。一方、インクカートリッジの内圧が大気圧より高いと、インクカートリッジ内のインクがノズルに過剰に供給されて、やはりノズル内のインクのメニスカスが破壊される可能性がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体が流出可能な状態となる前にカートリッジ内部を確実に大気に連通させることができる液体カートリッジを提供することにある。
(1) 本発明に係る液体カートリッジは、液体が貯留された液体貯留室と、外方に向かう第1向きに延び且つ上記第1向きに直交する断面が環状の側壁面、及び上記側壁面の上記第1向きの上流側の第1端に設けられた基端壁面によって区画されたバルブ室と、上記側壁面に設けられた第1開口を通じて、上記バルブ室を大気に連通させる第1気体流路と、上記側壁面に設けられた第2開口を通じて、上記バルブ室と上記液体貯留室との間で気体を流通させる第2気体流路と、上記第1開口及び上記第2開口より上記第1端側において上記側壁面又は上記基端壁面に設けられた第3開口を通じて、上記バルブ室と上記液体貯留室との間で液体を流通させる液体流路と、上記側壁面の上記第1向きの下流側の開口された第2端に設けられており、上記バルブ室の内外を連通させる第1貫通孔が形成されたシール部材と、上記第1向きと逆向きの第2向きに移動可能に上記バルブ室内に配置されており、上記バルブ室の上記第1端側の空間と上記第2端側の空間とを連通させる第2貫通孔が内部に形成された弁体と、上記弁体の外面に環状に設けられて上記側壁面に密着する第1封止部及び上記第1封止部より上記第2端側に位置する第2封止部と、上記基端壁面及び上記弁体の一方に設けられており、上記第3開口又は上記第2貫通孔の上記基端壁面に対面する側の第4開口を閉塞する閉塞部材と、上記基端壁面及び上記弁体の他方に設けられており、上記閉塞部材を貫通することによって上記閉塞部材を破壊する凸部材とを備える。上記弁体は、第1位置において、上記シール部材の上記第1貫通孔の周縁部に密着し、上記第1開口及び上記第2開口の間に上記第1封止部を位置させ、上記第1開口及び上記第2開口より上記第2端側に上記第2封止部を位置させ、且つ上記閉塞部材と上記凸部材とを離間させ、上記第1位置より上記第1端側の第2位置において、上記第1開口及び上記第2開口と上記第3開口との間に上記第1封止部を位置させ、上記第1開口及び上記第2開口より上記第2端側に上記第2封止部を位置させ、且つ上記閉塞部材と上記凸部材とを離間させ、上記第2位置より上記第1端側の第3位置において、上記シール部材から離間し、上記第1開口及び上記第2開口と上記第3開口との間に上記第1封止部を位置させ、上記第1開口及び上記第2開口より上記第2端側に上記第2封止部を位置させ、且つ上記凸部材で上記閉塞部材を貫通させる。
上記構成において、弁体が第1位置の時に第1開口と第2開口との連通が第1封止部によって遮断され、弁体が第2位置の時に第1開口と第2開口とが連通される。すなわち、弁体が第2位置まで移動されることによって、液体貯留室が大気に連通される。一方、第1貫通孔から第2貫通孔を経由して第3開口に至る液体通路は、弁体が第2位置の時に閉塞部材によって遮断されており、第2位置より第1端側の第3位置まで弁体が移動されることによって初めて、連通される。これにより、液体が流出可能な状態となる前に、液体貯留室を確実に大気に連通させることができる。
(2) 好ましくは、該液体カートリッジは、上記バルブ室内において上記基端壁面と上記弁体との間に配置されており、上記弁体を上記第1向きに付勢する付勢部材を備える。そして、上記弁体は、上記第1向き及び上記第2向きに移動可能に上記バルブ室内に配置されている。
上記構成において、弁体は、例えば、第1貫通孔を通じてバルブ室に進入した液体抽出管によって第2向きに移動される。そして、液体抽出管が抜去されると、弁体は、付勢部材の付勢力によって第1向きに移動され、シール部材に密着する。これにより、液体抽出管が抜去された後で、液体が第1貫通孔を通じて漏れ出すのを抑制することができる。
(3) 一例として、上記閉塞部材は、上記第3開口又は上記第4開口の周縁に貼付された薄膜である。
(4) 他の例として、上記閉塞部材は、上記基端壁面又は上記弁体と一体に形成され、且つ上記第3開口又は上記第4開口の周縁部より薄肉な壁である。
(5) 好ましくは、該液体カートリッジは、上記第1向きに隣接する上記液体貯留室及び上記バルブ室の間に配置された基端壁を備える。上記第3開口は、上記基端壁の上記バルブ室側の上記基端壁面に設けられている。そして、上記液体流路は、上記基端壁を貫通している。
上記構成によれば、液体貯留室とバルブ室とを最短距離で連通させることができる。その結果、シンプル且つコンパクトな液体カートリッジを得ることができる。
(6) 例えば、上記第1開口は、上記第2開口より上記第2端側に位置している。
(7) 好ましくは、上記側壁面及び上記弁体の外面の上記第1向きに直交する断面は、円形状である。そして、上記第1封止部及び上記第2封止部は、上記弁体の外面から径方向外側に突出するフランジ形状である。
上記構成のように、側壁面及び弁体の外面の第1向きに直交する断面形状を円形状とすることにより、周方向における各封止部と側壁面との密着力が平準化される。その結果、各封止部によるシール性が向上する。
本発明によれば、弁体が第2位置の時に第1開口及び第2開口が連通され、弁体が第2位置より第1端側の第3位置の時に閉塞部材が破壊されるので、液体が流出可能な状態となる前に液体貯留室を確実に大気に連通させることができる。
図1は、実施形態に係るカートリッジ装着部110を備えたプリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。 図2は、インクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図であって、(A)はインクカートリッジ30を右上前方から視た斜視図、(B)はインクカートリッジ30を右下後方から視た斜視図である。 図3は、バルブ室47を開閉するための各構成要素を前方側から視た分解斜視図である。 図4は、バルブ室47を開閉するための各構成要素を後方側から視た分解斜視図である。 図5は、本実施形態におけるインクカートリッジ30の水平断面を下方から視たバルブ室47の拡大断面図であって、(A)は弁体77の第1位置を、(B)は弁体77の第2位置を、(C)は弁体77の第3位置を示す。 図6は、変形例1におけるインクカートリッジ30の水平断面を下方から視たバルブ室47の拡大断面図であって、(A)は弁体77の第1位置を、(B)は弁体77の第2位置を、(C)は弁体77の第3位置を示す。 図7は、変形例2におけるインクカートリッジ30の水平断面を下方から視たバルブ室47の拡大断面図であって、(A)は弁体77の第1位置を、(B)は弁体77の第2位置を、(C)は弁体77の第3位置を示す。 図8は、変形例3におけるインクカートリッジ30の水平断面を下方から視たバルブ室47の拡大断面図であって、(A)は弁体77の第1位置を、(B)は弁体77の第2位置を、(C)は弁体77の第3位置を示す。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10(液体消費装置の一例)は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10は、記録ヘッド21(液体消費部の一例)と、インク供給装置100と、記録ヘッド21及びインク供給装置100を接続するインクチューブ20とを備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30(液体カートリッジの一例)が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面に開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を通じてカートリッジ装着部110に挿入向き56(第1向きの一例)に挿入され、或いはカートリッジ装着部110から脱抜向き55(第2向きの一例)に抜き出される。
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインク(液体の一例)が貯留されている。カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とは、インクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。具体的には、記録ヘッド21に設けられたヘッド制御基板21Aから各ノズル29に対応して設けられたピエゾ素子29Aに選択的に駆動電圧が印加される。これにより、ノズル29から選択的にインクが吐出される。
プリンタ10は、さらに、以下のような用紙搬送機構を備えている。すなわち、給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ給送された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、記録用紙に画像が記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対27によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
[インク供給装置100]
インク供給装置100は、図1に示されるように、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21にインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。カートリッジ装着部110は、ケース101と、インクニードル102(液体抽出管の一例)とを備えている。なお、図1においては、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態が示されている。カートリッジ装着部110には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能である。
[インクニードル102]
ケース101には、開口112が形成されている。また、ケース101は、開口112とは反対側に位置する奥面を備えている。インクニードル102は、図1に示されるように、ケース101の奥面から脱抜向き55に突出している。インクニードル102は、ケース101の奥面において、インクカートリッジ30の筒壁46に対面し得る位置に配置されている。インクニードル102は、内部に液体流路が形成された管状の樹脂針であって、その突出端側に開口が設けられており、基端側にインクチューブ20が接続されている。インクニードル102は、筒壁46の内部に進入する。これにより、インク室36(液体貯留室の一例)内のインクは、筒壁46の内部に形成されたバルブ室47を通じてインクニードル102に接続されたインクチューブ20に流出される。なお、本明細書におけるニードル(針)とは、必ずしも先端の尖ったものを指す訳ではなく、細長い管状のもの一般を含む。
[インクカートリッジ30]
インクカートリッジ30は、図2に示されるように、内部にインク室36が形成されたフレーム31と、内部にバルブ室47(図5参照)が形成された円筒形状の筒壁46とを有する。このインクカートリッジ30は、インク室36に貯留されたインクをバルブ室47を通じて外部に供給する。インクカートリッジ30は、図2に示された起立状態、つまり、同図の下側の面を底面とし、同図の上側の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して挿入及び取出方向50に沿って挿抜される。本実施形態では、挿入及び取出方向50は水平方向である。また、起立状態におけるインクカートリッジ30の幅方向51及び奥行き方向53もそれぞれ水平方向である。また、起立状態におけるインクカートリッジ30の高さ方向52は重力方向(鉛直方向)である。脱抜向き55及び挿入向き56は、各々が挿入及び取出方向50に沿う向きであり、且つ互いに反対の向きである。また、挿入及び取出方向50は、奥行き方向53に一致する。
[フレーム31]
フレーム31は、外形が概ね直方体であり、幅方向(左右方向)51に細く、高さ方向(上下方向)52及び奥行き方向(前後方向)53の寸法が幅方向51の寸法よりも大きい扁平形状である。フレーム31は、奥行き方向53から平面視したときに少なくとも部分的に重なり合う前壁40及び後壁41と、高さ方向52から平面視したときに少なくとも部分的に重なり合う上壁39及び下壁42と、幅方向51の一方側(図2の例では、前壁40側からフレーム31を平面視したときに左側)に配置された左壁38とで構成されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに前方側となるのが前壁40であり、後方側となるのが後壁41である。フレーム31は、例えば、樹脂材料によって形成されている。
上壁39は、左壁38、前壁40、及び後壁41の上端同士を接続する。下壁42は、左壁38、前壁40、及び後壁41の下端同士を接続する。左壁38は、上壁39、前壁40、後壁41、及び下壁42の左端同士を接続する。一方、フレーム31の幅方向51の他方側(図3の例では、前壁40側からフレーム31を平面視したときに右側)は、開放されている。開放されたフレーム31の面は、フィルム43によって封止される。フィルム43の外形は、幅方向51から平面視した場合のフレーム31の外形と概ね一致する。フィルム43は、フレーム31の幅方向51の他方側(右側)に配置されて、幅方向51におけるインク室36の右壁37を構成する。フィルム43は、上壁39、前壁40、後壁41、及び下壁42の右端面に熱溶着される。これにより、左壁38、上壁39、前壁40、後壁41、下壁42、及びフィルム43で区画されたインク室36にインクが貯留可能となる。
[バルブ室47]
バルブ室47は、図5に示されるように、基端壁45の前面と、円筒形状の筒壁46の内面とによって区画された空間である。バルブ室47は、図1及び図2に示されるように、高さ方向52におけるインクカートリッジ30の下部で、且つ奥行き方向53におけるインクカートリッジ30の前部に設けられている。基端壁45及び筒壁46は、例えば、樹脂材料によって形成されている。バルブ室47には、第1気体流路60、第2気体流路63、及び第1液体流路66が接続されている。また、筒壁46の内部には、図5に示されるように、第2液体流路69が形成されている。また、筒壁46の先端には、シール部材70と、キャップ72とが取り付けられている。さらに、筒壁46の内部には、弁体77と、封止部材82と、コイルバネ86(付勢部材の一例)と、薄膜87(閉塞部材の一例)とが収容されている。
基端壁45は、図2に示されるように、奥行き方向53において隣接するインク室36及びバルブ室47の間に配置されている。筒壁46は、基端壁45の前面から前方に延びている。換言すると、筒壁46は、基端壁45の前面からインクカートリッジ30の外方に向かって挿入向き56に延びている。筒壁46は、その前部が前壁40から外方に突出し、後部が前壁40より後方側に位置する。筒壁46の基端(挿入向き56の上流側の端部であって、第1端の一例)が基端壁45に接続され、先端(挿入向き56の下流側の端部であって、第2端の一例)が開口されている。筒壁46の内面は、挿入向き56に直交する断面において連続して延びている、すなわち環状である。なお、環状とは、円形状に限定されず、楕円形状や矩形状等であってもよい。筒壁46の内面は、環状の側壁面の一例である。また、基端壁45の前面は、基端壁面の一例である。したがって、第1端の一例としての筒壁46の基端は、筒壁46の内面の挿入向き56の上流側の端部を指す。また、第2端の一例としての筒壁46の先端は、筒壁46の内面の挿入向き56の下流側の端部を指す。
第1気体流路60は、バルブ室47とインクカートリッジ30の外部との間で気体を流通させる流路である。すなわち、第1気体流路60は、バルブ室47を大気に連通させる。第1気体流路60は、前壁40の右端面を高さ方向52に延びる溝60Aと、溝60Aの上端から上壁39の右端面を奥行き方向53に延びる溝60Bとで構成される。また、第1気体流路60は、筒壁46の内面(すなわち、側壁面)に設けられた開口61(第1開口の一例、図5参照)を通じて、溝60Aの下端がバルブ室47に連通されている。さらに、第1気体流路60は、上壁39の右端面に設けられた開口62を通じて、溝60Bの後端がインクカートリッジ30の外部に連通されている。
第2気体流路63は、バルブ室47とインク室36との間で気体を流通させる流路である。第2気体流路63は、前壁40の右端面を高さ方向52に延びる溝である。また、第2気体流路63は、筒壁46の内面に設けられた開口64(第2開口の一例、図5参照)を通じて、その下端がバルブ室47に連通されている。さらに、第2気体流路63は、前壁40の後面(インク室36側の面)に設けられた開口65を通じて、その上端がインク室36に連通されている。開口64は、図5に示されるように、開口61より筒壁46の基端側に位置している。また、開口65は、未使用状態のインクカートリッジ30のインク室36に貯留されたインクの液面より上方に位置している。
第1気体流路60及び第2気体流路63は、図2に示されるように、インクカートリッジ30の右壁37を構成するフィルム43によって液密的に封止される。また、開口62は、半透膜44によって封止されている。すなわち、フィルム43は、開口62に対応する位置において切欠かれている。半透膜44は、インクの通過を遮断し且つ気体の通過を許容する微小な孔を有する多孔質膜であり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体などのフッ素樹脂からなる。
第1液体流路66は、図5に示されるように、バルブ室47とインク室36との間でインクを流通させる流路である。本実施形態における第1液体流路66は、基端壁45を厚み方向(すなわち、奥行き方向53或いは挿入及び取出方向50)に貫通する貫通孔である。そして、第1液体流路66は、基端壁45の前面(バルブ室47側の面)に設けられた開口67(第3開口の一例)を通じて、バルブ室47に連通されている。すなわち、開口67は、開口61、64より筒壁46の基端側に位置している。また、第1液体流路66は、基端壁45の後面(インク室36側の面)に設けられた開口68を通じて、インク室36に連通されている。
シール部材70は、図3及び図4に示されるように、外径寸法が筒壁46の外径寸法と概ね一致する円板形状である。シール部材70は、図5に示されるように、筒壁46の先端に液密的に密着される。また、シール部材70には、中央部を厚み方向(すなわち、奥行き方向53或いは挿入及び取出方向50)に貫通する貫通孔71(第1貫通孔の一例)が形成されている。この貫通孔71は、バルブ室47の内外を連通させる。なお、貫通孔71の直径は、インクニードル102の外径寸法より僅かに小さい。シール部材70は、例えば、ゴム等の弾性材料によって形成されている。
キャップ72は、図3及び図4に示されるように、円板形状の蓋部73と、蓋部73の厚み方向(すなわち、奥行き方向53或いは挿入及び取出方向50)の一方側の壁面から突出する円筒形状の円筒部74と、円筒部74の突出端から蓋部73と反対向きに突出する係合部75とで構成される。また、蓋部73には、中央部を厚み方向に貫通する貫通孔76が形成されている。貫通孔76の直径は、貫通孔71より大きい。円筒部74は、貫通孔76を囲む位置に設けられている。キャップ72は、例えば、樹脂材料によって形成されている。
蓋部73は、筒壁46と反対側からシール部材70に当接する。すなわち、シール部材70は、奥行き方向53において筒壁46の先端と蓋部73とに挟まれている。円筒部74は、図5に示されるように、シール部材70の外周面及び筒壁46の外面の一部を覆う。係合部75は、前壁40に設けられた被係合部40A(図2参照)に係合される。キャップ72は、シール部材70を筒壁46の先端に保持する。
弁体77は、図3及び図4に示されるように、円板形状の弁78と、円筒形状の保持部79と、弁78から筒壁46の基端側に突出する凸部材80とで構成されている。弁体77は、図5に示されるように、弁78を筒壁46の先端側に向け、保持部79を筒壁46の基端側に向けた状態で、奥行き方向53に移動可能にバルブ室47内に配置されている。弁体77は、封止部材82より剛性の高い材料(例えば、樹脂材料)によって形成されている。
弁78は、図3及び図4に示されるように、シール部材70の貫通孔71の周縁部に密着し得る前面78Aと、前面78Aと反対側の後面78Bとを有する。また、後面78Bには、保持部79及び凸部材80が突設されている。弁78の外径寸法は、貫通孔71の直径より大きく且つ筒壁46の内径寸法より小さい。保持部79は、凸部材80を囲む位置において、弁78の後面78Bから筒壁46の基端側に延びている。保持部79の外径寸法は、筒壁46の内径寸法より小さい。
凸部材80は、基端壁45の前面に設けられた開口67に対面する位置において、弁78の後面78Bから筒壁46の基端側に延びている。凸部材80は、保持部79の内部空間から筒壁46の基端側に突き出している。また、凸部材80の先端は、尖っている。さらに、弁体77には、貫通孔81(第2貫通孔の一例)が形成されている。貫通孔81は、保持部79の内部空間と、弁78の後面78Bにおいて径方向に延びる溝とによって構成される。
封止部材82は、保持部79の外周面に外嵌される円筒形状の円筒部83と、円筒部83の外面から径方向外側に突出するフランジ形状の第1封止部84及び第2封止部85とで構成される。封止部材82は、例えば、ゴム等の弾性材料によって形成されている。第1封止部84及び第2封止部85は、奥行き方向53に離間して設けられている。具体的には、第1封止部84は、第2封止部85より筒壁46の基端側に配置されている。換言すれば、第2封止部85は、第1封止部84より筒壁46の先端側に配置されている。封止部材82は、弁体77と共にバルブ室47内を奥行き方向53に移動する。第1封止部84及び第2封止部85は、弁体77が移動することによって、筒壁46の内面に対して摺動する。
第1封止部84及び第2封止部85は、図5に示されるように、筒壁46の内面に気密的に密着する。封止部材82がバルブ室47に挿入されていない状態において、第1封止部84及び第2封止部85の外径寸法は、筒壁46の内径寸法より大きい。すなわち、筒壁46の内面に密着した第1封止部84及び第2封止部85は、外径寸法を減じる向きに弾性変形する。すなわち、バルブ室47の基端側の空間と、バルブ室47の先端側の空間とは、弁体77の外側において遮断されている。一方、バルブ室47の基端側の空間と、バルブ室47の先端側の空間とは、弁体77の内部に形成された貫通孔81によって連通され得る。開口67から貫通孔81を経由して貫通孔71に至る流路は、バルブ室47内においてインクを流通させる第2液体流路69を構成する。
コイルバネ86は、基端壁45と弁体77との間に配置される。具体的には、コイルバネ86は、一端が基端壁45の前面に当接され、他端が弁体77(より具体的には、保持部79)の基端壁45に対面する面に当接されている。このコイルバネ86は、弁体77を筒壁46の先端側へ向けて付勢する。但し、コイルバネ86に代えて、板バネ等の他の付勢部材を用いてもよい。薄膜87は、基端壁45の前面に設けられた開口67の周縁に貼付されることによって、開口67を閉塞する。薄膜87は、インクの流通を遮断することができ且つ凸部材80により破壊することできれば、どのようなものでもよい。また、薄膜87を基端壁45に貼付する方法は特に限定されないが、例えば、薄膜87と基端部壁45との間に接着剤を塗布してもよいし、薄膜87を基端壁45に対して熱溶着してもよい。
次に、図5を参照して、インクカートリッジ30をカートリッジ装着部110に装着する過程における弁体77の動きを説明する。まず、図5(A)は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される前のバルブ室47内の状態を示す。カートリッジ装着部110に装着される前のインクカートリッジ30において、弁体77は、コイルバネ86の付勢力によって第1位置に位置している。図5(A)に示される弁体77の位置は、第1位置の一例である。
図5(A)に示される状態において、弁78の前面78Aは、シール部材70の貫通孔71の周縁部に液密的に密着する。これにより、貫通孔71が閉塞される。また、凸部材80の先端は、薄膜87から離間している。これにより、開口67が薄膜87によって閉塞される。すなわち、図5(A)の矢印で示される第1液体流路66と第2液体流路69との間の連通は、開口67の位置において遮断されている。また、第2液体流路69は、貫通孔71の位置においてバルブ室47の外部に対して閉塞されている。
また、第1封止部84は、開口61、64の間に位置している。具体的には、第1封止部84は、開口61より筒壁46の基端側で且つ開口64より筒壁46の先端側において、筒壁46の内面に気密的に密着している。これにより、第1気体流路60と第2気体流路63との間の連通が遮断される。なお、第1気体流路60と第2気体流路63との間の連通が遮断されていれば、第1封止部84が開口61、64の一部に重なっていてもよい。また、第2封止部85は、開口61より筒壁46の先端側において筒壁46の内面に気密的に密着している。これにより、第1気体流路60と貫通孔71との間の連通が遮断される。なお、第1気体流路60と貫通孔71との間の連通が遮断されていれば、第2封止部85が開口61の一部に重なっていてもよい。
次に、図5(B)は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される途中の(インクニードル102がバルブ室47内に途中まで挿入された)バルブ室47内の状態を示す。カートリッジ装着部110に装着される途中のインクカートリッジ30において、弁体77は、貫通孔76、71を通じてバルブ室47に進入したインクニードル102に押圧されることによって、コイルバネ86の付勢力に抗して第1位置より筒壁46の基端側の第2位置に位置している。図5(B)に示される弁体77の位置は、第2位置の一例である。
図5(B)に示される状態において、弁78の前面78Aは、シール部材70から離間している。また、インクニードル102が貫通孔71に圧入されている。すなわち、インクニードル102は、貫通孔71を画定するシール部材70の周壁面に接触して、当該周壁面を径方向に弾性変形させると共に、その先端がバルブ室47内に位置している。第2液体流路69は、インクニードル102の内部の液体流路に連通されている。また、凸部材80の先端は、薄膜87から離間している。すなわち、第1液体流路66と第2液体流路69との間の連通は、開口67の位置において遮断されている。
また、第1封止部84は、開口64、67の間に位置する。具体的には、第1封止部84は、開口64より筒壁46の基端側で且つ開口67より筒壁46の先端側において、筒壁46の内面に気密的に密着している。これにより、第1気体流路60と第2気体流路63とが連通され、第2気体流路63と第1液体流路66との間の連通が遮断される。これにより、第1気体流路60、バルブ室47、及び第2気体流路63を通じてインク室36が大気に連通される。また、第2封止部85は、開口61より筒壁46の先端側において筒壁46の内面に気密的に密着している。これにより、第1気体流路60及び第2気体流路63と貫通孔71との間の連通が遮断される。
次に、図5(C)は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着完了された(インクカートリッジ30からインクが流出可能な状態)のバルブ室47内の状態を示す。カートリッジ装着部110に装着完了されたインクカートリッジ30において、弁体77は、バルブ室47にさらに進入したインクニードル102に押圧されることによって、コイルバネ86の付勢力に抗して、第2位置より筒壁46の基端側の第3位置に位置している。図5(C)に示される弁体77の位置は、第3位置の一例である。
図5(C)に示される状態において、弁78の前面78Aは、シール部材70から離間している。また、インクニードル102が貫通孔71に圧入されており、第2液体流路69は、インクニードル102の内部の液体流路に連通されている。さらに、凸部材80は、薄膜87を貫通している。すなわち、薄膜87が凸部材80により破壊されて開口67が開放されることによって、第1液体流路66と第2液体流路69とが連通される。これにより、第1液体流路66、第2液体流路69、及びインクニードル102を通じて、インク室36内のインクがインクカートリッジ30の外部に流出可能となる。
また、第1封止部84は、開口64、67の間に位置する。具体的には、第1封止部84は、開口64より筒壁46の基端側で且つ開口67より筒壁46の先端側において、筒壁46の内面に気密的に密着している。これにより、第1気体流路60と第2気体流路63とが連通され、第2気体流路63と第1液体流路66との間の連通が遮断される。これにより、第1気体流路60、バルブ室47、及び第2気体流路63を通じてインク室36が大気に連通される。また、第2封止部85は、開口61より筒壁46の先端側において筒壁46の内面に気密的に密着している。これにより、第1気体流路60及び第2気体流路63と貫通孔71との間の連通が遮断される。
[本実施形態の作用効果]
上記の実施形態によれば、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、第1位置の弁体77が第2位置、第3位置の順に移動される。そして、弁体77が第1位置の時に、第1気体流路60と第2気体流路63との間の連通が遮断され、弁体77が第2位置及び第3位置の時に、第1気体流路60と第2気体流路63とが連通される。一方、弁体77が第1位置及び第2位置の時に、第1液体流路66、第2液体流路69、及びインクニードル102の内部空間の間の連通が遮断され、弁体77が第3位置の時に、第1液体流路66、第2液体流路69、及びインクニードル102の内部空間が連通される。
その結果、インク室36は、第2位置まで弁体77が移動された時点において、大気に連通される。一方、インク室36内のインクは、第2位置より筒壁46の基端側の第3位置まで弁体77が移動された時点において、インクカートリッジ30の外部へ流出可能となる。すなわち、上記の実施形態によれば、インクが流出可能な状態となる前にインク室36を確実に大気に連通させることができる。
また、上記の実施形態において、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から引き抜かれると、弁体77は、コイルバネ86の付勢力によって、図5(C)に示される第3位置から図5(A)に示される第1位置に移動する。その結果、弁78の前面78Aによって貫通孔71が閉塞され、第1封止部84によって第1気体流路60及び第2気体流路63の間の連通が遮断される。これにより、インクニードル102がバルブ室47から抜去された後で、インク室36内のインクが漏れ出すのを抑制することができる。
但し、凸部材80が離間した薄膜87は、突き破られたままとなる。すなわち、弁体77が第3位置から第1位置に移動された後、第1液体流路66を通じてバルブ室47に進入したインクが第2気体流路63に流入する可能性がある。そして、弁体77が再び第1位置から第3位置に移動されると、第2気体流路63内のインクが第1気体流路60に流入する可能性がある。しかしながら、開口62を半透膜44で閉塞したことにより、当該インクがインクカートリッジ30の外部に漏洩するのを抑制することができる。
また、薄膜87が凸部材80に突き破られた後にインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から取り外され、再びカートリッジ装着部110に装着される過程においては、第1液体流路66及び第2液体流路69を介してインク室36からインクが流出可能な状態となった後に、第1気体流路60及び第2気体流路63を介してインク室36が大気に連通することとなる。すなわち、インクカートリッジ30が初めてカートリッジ装着部110に装着されるときのみ、インク室36からインクが流出可能な状態となる前にインク室36が大気に連通される。一方、同じインクカートリッジ30が再度カートリッジ装着部110に装着されるときには、インク室36からインクが流出可能な状態となった後にインク室36が大気に連通される。
しかしながら、同じインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に何度も装着される機会は少なく、また、インク室36内の圧力とインクカートリッジ30外部の気圧とに大きな差が生じる状況の多くは、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に初めて装着されるときに生じ得ると考えられる。そこで、上記の実施形態では、インクカートリッジ30が初めてカートリッジ装着部110に装着されるときのみ、インク室36からインクが流出可能な状態となる前にインク室36が大気に連通される構成が採用されている。
なお、半透膜44の取り付け位置は開口62に限定されず、第1気体流路60の経路上の任意の位置であってもよい。また、開口61から半透膜44に至る第1気体流路60の任意の位置にラビリンス構造を設けることにより、インクが半透膜44に付着することによって気体の流通が阻害されるのを抑制することができる。
また、上記の実施形態において、筒壁46の内面、円筒部83の外面、第1封止部84及び第2封止部85の外面の奥行き方向53に直交する断面は、円形状となっている。これにより、周方向における第1封止部84及び第2封止部85と筒壁46の内面との密着力が平準化される。その結果、第1封止部84及び第2封止部85のシール性が向上する。但し、当該断面は円形状に限定されず、楕円形状や矩形状等であってもよい。同様に、筒壁46の外面及びその他の構成要素の断面形状も円形状に限定されない。
また、上記の実施形態における第1液体流路66は、基端壁45に設けられている。これにより、インク室36とバルブ室47とが最短距離で連通される。その結果、シンプル且つコンパクトなインクカートリッジ30を得ることができる。但し、第1液体流路66の位置は、上記の位置に限定されない。例えば、開口67は、後述する変形例1、3のように、開口61、64より筒壁46の基端側において、筒壁46の内面に設けられていてもよい。すなわち、開口67は、開口61、64より筒壁46の基端側において、基端壁45の前面又は筒壁46の内面に設けられていればよい。
また、上記の実施形態において、剛性の高い保持部79に封止部材82が外嵌されることにより、第1封止部84及び第2封止部85を筒壁46の内面に確実に密着させることができる。すなわち、第1封止部84及び第2封止部85のシール性が向上する。なお、第1封止部84及び第2封止部85は、例えば、保持部79に設けられた円周溝に嵌まり込むOリング等であってもよい。
また、上記の実施形態における開口61、64は、筒壁46の周方向の同一の位置で且つ奥行き方向53に離間して設けられている。しかしながら、開口61、64の位置関係はこれに限定されない。例えば、開口61、64は、奥行き方向53の同一の位置で且つ筒壁46の周方向に離間した位置に設けられていてもよい。また、奥行き方向53及び筒壁46の周方向に離間した位置に設けられてもよい。なお、この場合の第1封止部84は、弁体77が第1位置に位置する時に開口61、64の間を遮断できれば(すなわち、円筒部83の外周面を一周する環状であれば)、どのような形状であってもよい。
例えば、第1封止部84は、奥行き方向53に交差(上記の実施形態では、直交)する平面に沿って円筒部83の外周面を一周していてもよい。すなわち、当該平面上における円筒部83の接線は、奥行き方向53と交差する。また、第1封止部84は、単一の平面に沿って設けられている必要は必ずしもなく、途中で蛇行或いは屈曲していてもよい。この場合において、第1封止部84の一部が奥行き方向53に沿って延びていてもよい。第2封止部85についても同様である。
さらに、バルブ室47の位置は上記の実施形態の例に限定されない。例えば、前壁40の前面から筒壁46を突出させてもよい。この場合の基端壁45は前壁40が兼ねることになる。または、前壁40を厚み方向に貫通する貫通孔の内部をバルブ室47としてもよい。この場合、当該貫通孔を画定する前壁40の内面が側壁面となり、筒壁46は省略される。
[変形例1]
図6を参照して、変形例1に係るバルブ室47内の構成を説明する。なお、上記の実施形態と共通する構成要素には同一の参照番号を付して詳しい説明を省略し、相違点を中心に説明するものとする。変形例1は、凸部材80及び薄膜87の配置が上記の実施形態と相違する。すなわち、本発明では、基端壁45及び弁体77の一方に薄膜87が設けられており、基端壁45及び弁体77の他方に凸部材80が設けられていればよい。
変形例1に係る凸部材80は、基端壁45の前面に突設されている。すなわち、変形例1に係る凸部材80は、基端壁45の前面から筒壁46の先端側に向かって延びている。一方、変形例1に係る薄膜87は、弁体77の基端壁45に対面する側の面に貼付されている。すなわち、変形例1に係る薄膜87は、弁体77に設けられた貫通孔81の基端壁45に対面する側の開口(第4開口の一例)を閉塞している。また、変形例1に係る第1液体流路66は、開口61、64より筒壁46の基端側において筒壁46を貫通している。すなわち、変形例1に係る開口67は、筒壁46の内面に設けられている。なお、図示はしていないが、第1液体流路66はインク室36と接続されている。
変形例1に係るインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程における弁体77の動きは、以下の通りである。まず、変形例1に係る弁体77は、第1位置において、第1気体流路60と第2気体流路63との間の連通を遮断すると共に、第2液体流路69を薄膜87の位置において閉塞する。また、変形例1に係る弁体77は、第2位置において、第1気体流路60と第2気体流路63とを連通させ、第2液体流路69を薄膜87の位置において閉塞する。さらに、変形例1に係る弁体77は、第3位置において、第1気体流路60と第2気体流路63とを連通させ、凸部80によって破壊された薄膜87の位置において第2液体流路69を開放する。一方、変形例1に係る第1液体流路66と第2液体流路69とは、開口67の位置において常に連通されている。
[変形例2]
図7を参照して、変形例2に係るバルブ室47内の構成を説明する。なお、上記の実施形態と共通する構成要素には同一の参照番号を付して詳しい説明を省略し、相違点を中心に説明するものとする。変形例2は、薄膜87に代えて、薄壁88(閉塞部材の他の例)によって開口67が閉塞されている点において、上記の実施形態と相違する。
薄壁88は、基端壁45と一体に形成され、且つ開口67の周縁部より肉厚(すなわち、奥行き方向53の厚み)が薄い壁である。薄壁88の肉厚は、薄壁88を形成する材料、及びインクカートリッジ30をカートリッジ装着部110に装着するのに必要な力の大きさ等を考慮して決定すればよい。変形例2に係るインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程における弁体77の動きは、上記の実施形態と共通するので、再度の説明は省略する。
[変形例3]
図8を参照して、変形例3に係るバルブ室47内の構成を説明する。なお、上記の実施形態及び変形例2、3と共通する構成要素には同一の参照番号を付して詳しい説明を省略し、相違点を中心に説明するものとする。変形例3は、凸部材80、薄壁88、第1液体流路66の配置が変形例2と相違する。
すなわち、変形例3に係る凸部材80は、変形例1と同様に、基端壁45の前面に突設されている。また、変形例3に係る薄壁88は、弁体77に設けられた貫通孔81の基端壁45に対面する側の開口を閉塞している。さらに、変形例3に係る第1液体流路66は、変形例1と同様に、開口61、64より筒壁46の基端側において筒壁46を貫通している。
なお、上記の実施形態及び変形例1〜3では、インクを液体の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、インクに代えて、印刷時にインクに先立って記録用紙に吐出される前処理液、或いは記録ヘッド21のノズル29の乾燥を防止するために記録ヘッド21のノズル29近傍に噴霧される水等を液体としてもよい。
また、上記の実施形態及び変形例1〜3では、カートリッジ装着部110に対するインクカートリッジ30の挿入及び取出方向50は水平方向であったが、本発明はこれに限定されない。すなわち、挿入及び取出方向50は水平方向と交わる方向であってもよい。
また、上記の実施形態及び変形例1〜3では、シール部材70の貫通孔71の直径は、インクニードル102の外径寸法より僅かに小さいが、本発明はこれに限定されない。すなわち、シール部材70に貫通孔71が形成されているものの、貫通孔71にインクニードル102が挿入されていないときは、シール部材70自身の弾性によって貫通孔71が閉じられていてもよい。そして、貫通孔71に挿入されたインクニードル102は、貫通孔71を画定する周壁面を径方向に押しのけつつ、バルブ室47内に進入する。この構成によると、必ずしもバルブ室47内にコイルバネ86を配置しなくてもよい。すなわち、バルブ室47内にコイルバネ86が配置されていないと、弁体77が第3位置に到達した後にインクニードル102がバルブ室47から抜かれても、弁体77は第3位置に留まる。したがって、弁78の前面78Aはシール部材70に接触しないが、シール部材70の弾性によって貫通孔71が閉じられるため、バルブ室47から貫通孔71を介してインクが流出することが抑制される。
30・・・インクカートリッジ
36・・・インク室
45・・・基端壁
46・・・筒壁
47・・・バルブ室
60・・・第1気体流路
61,64,67・・・開口
63・・・第2気体流路
66・・・第1液体流路
69・・・第2液体流路
70・・・シール部材
71,81・・・貫通孔
77・・・弁体
80・・・凸部材
84・・・第1封止部
85・・・第2封止部
86・・・コイルバネ
87・・・薄膜
88・・・薄壁

Claims (7)

  1. 液体が貯留された液体貯留室と、
    外方に向かう第1向きに延び且つ上記第1向きに直交する断面が環状の側壁面、及び上記側壁面の上記第1向きの上流側の第1端に設けられた基端壁面によって区画されたバルブ室と、
    上記側壁面に設けられた第1開口を通じて、上記バルブ室を大気に連通させる第1気体流路と、
    上記側壁面に設けられた第2開口を通じて、上記バルブ室と上記液体貯留室との間で気体を流通させる第2気体流路と、
    上記第1開口及び上記第2開口より上記第1端側において上記側壁面又は上記基端壁面に設けられた第3開口を通じて、上記バルブ室と上記液体貯留室との間で液体を流通させる液体流路と、
    上記側壁面の上記第1向きの下流側の開口された第2端に設けられており、上記バルブ室の内外を連通させる第1貫通孔が形成されたシール部材と、
    上記第1向きと逆向きの第2向きに移動可能に上記バルブ室内に配置されており、上記バルブ室の上記第1端側の空間と上記第2端側の空間とを連通させる第2貫通孔が内部に形成された弁体と、
    上記弁体の外面に環状に設けられて上記側壁面に密着する第1封止部及び上記第1封止部より上記第2端側に位置する第2封止部と、
    上記基端壁面及び上記弁体の一方に設けられており、上記第3開口又は上記第2貫通孔の上記基端壁面に対面する側の第4開口を閉塞する閉塞部材と、
    上記基端壁面及び上記弁体の他方に設けられており、上記閉塞部材を貫通することによって上記閉塞部材を破壊する凸部材と、を備えており、
    上記弁体は、
    第1位置において、上記シール部材の上記第1貫通孔の周縁部に密着し、上記第1開口及び上記第2開口の間に上記第1封止部を位置させ、上記第1開口及び上記第2開口より上記第2端側に上記第2封止部を位置させ、且つ上記閉塞部材と上記凸部材とを離間させ、
    上記第1位置より上記第1端側の第2位置において、上記第1開口及び上記第2開口と上記第3開口との間に上記第1封止部を位置させ、上記第1開口及び上記第2開口より上記第2端側に上記第2封止部を位置させ、且つ上記閉塞部材と上記凸部材とを離間させ、
    上記第2位置より上記第1端側の第3位置において、上記シール部材から離間し、上記第1開口及び上記第2開口と上記第3開口との間に上記第1封止部を位置させ、上記第1開口及び上記第2開口より上記第2端側に上記第2封止部を位置させ、且つ上記凸部材で上記閉塞部材を貫通させる液体カートリッジ。
  2. 上記バルブ室内において上記基端壁面と上記弁体との間に配置されており、上記弁体を上記第1向きに付勢する付勢部材を備えており、
    上記弁体は、上記第1向き及び上記第2向きに移動可能に上記バルブ室内に配置されている請求項1に記載の液体カートリッジ。
  3. 上記閉塞部材は、上記第3開口又は上記第4開口の周縁に貼付された薄膜である請求項1又は2に記載の液体カートリッジ。
  4. 上記閉塞部材は、上記基端壁面又は上記弁体と一体に形成され、且つ上記第3開口又は上記第4開口の周縁部より薄肉な壁である請求項1又は2に記載の液体カートリッジ。
  5. 上記第1向きに隣接する上記液体貯留室及び上記バルブ室の間に配置された基端壁を備えており、
    上記第3開口は、上記基端壁の上記バルブ室側の上記基端壁面に設けられており、
    上記液体流路は、上記基端壁を貫通している請求項1から4のいずれかに記載の液体カートリッジ。
  6. 上記第1開口は、上記第2開口より上記第2端側に位置している請求項1から5のいずれかに記載の液体カートリッジ。
  7. 上記側壁面及び上記弁体の外面の上記第1向きに直交する断面は、円形状であり、
    上記第1封止部及び上記第2封止部は、上記弁体の外面から径方向外側に突出するフランジ形状である請求項1から6のいずれかに記載の液体カートリッジ。
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