JP6011309B2 - インクカートリッジ - Google Patents

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本発明は、インク室を外気と連通させることによって、インク室を大気圧にする大気連通部を有するインクカートリッジに関する。
従来より、インクを用いて記録用紙に画像を記録する画像記録装置が知られている。この画像記録装置は、インクジェット方式の記録ヘッドを備え、記録ヘッドのノズルからインク滴を記録用紙へ向けて選択的に噴出する。このインク滴が記録用紙に着弾することによって、記録用紙に所望の画像が記録される。この画像記録装置には、記録ヘッドへ供給するインクを貯蔵するインクカートリッジが設けられる。インクカートリッジは、画像記録装置に設けられた装着部に対して装着可能である(特許文献1)。
画像記録装置に装着されるインクカートリッジの内部は、未使用状態においてインクカートリッジ内部のインクが漏れないように封止され、使用時に大気圧にされる。そのため、インクカートリッジに大気連通口を開閉する弁機構を設けることが考えられる。より詳細には、大気連通口に設けられた弁体がコイルバネ等によって大気連通口を閉鎖する方向に付勢されており、当該インクカートリッジが装着部に装着される際に、装着部に設けられたロッドがコイルバネの付勢力に抗して弁体を押圧することによって、大気連通口を開放する弁機構が知られている。
特開2009−96126号公報
上記構成の弁機構によれば、インクカートリッジを装着部から取り外すことによって再び大気連通口が閉鎖されるので、大気連通口からインクが漏れ出すのを防止することができる。しかしながら、大気連通口を可逆的に開閉させる上述の弁機構では、部品点数が多く、構成が複雑になるという課題がある。
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡素な構成でインク室を外気に連通させることができる大気連通部を備えたインクカートリッジを提供することにある。
(1) 本発明に係るインクカートリッジは、内部にインクが貯留されるインク室を有する筐体と、上記筐体に設けられており、上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、上記筐体に設けられており、上記インク室に連通され且つ外部に開口された気体通路を内部に有する大気連通部と、上記大気連通部の内壁面に密着され且つ上記気体通路内を開口側から奥側へ向かうスライド向きにスライド可能に配置されており、上記スライド向きの上流側において開口する内部空間を有するスライダとを備える。上記大気連通部には、上記スライド向きに沿って延設された壁面において開口し且つ上記インク室に連通する孔であって、上記スライド向きに離間した第1孔及び第2孔、または、第3孔のうちの一方が形成されている。上記スライダには、上記スライド向きに沿って延設された壁面において開口し且つ上記内部空間に連通する孔であって、上記第1孔及び上記第2孔、または、上記第3孔のうちの他方が形成されている。そして、上記スライダは、上記気体通路内を、上記第1孔と上記第3孔とが連通される第1位置から、上記第1位置より奥側で且つ上記第1孔及び第2孔と上記第3孔とが連通されない第2位置を経て、上記第2位置よりさらに奥側で且つ上記第2孔と上記第3孔とが連通される第3位置へスライドされる。
上記構成によれば、スライダを第1位置に位置させた状態でインク室にインクを注入し、スライダを第2位置に位置させた状態でインク室内を減圧し、スライダを第3位置に位置させた状態でインク室内のインクがインク供給部から流出可能となる。このように、スライダをスライド向きにスライドさせるだけで大気連通部の状態を切り換えることができるので、弁機構を用いる場合と比較して、簡素な構成でインク室を外気に連通させる大気連通部を実現することができる。
本発明によれば、簡素な構成でインク室を外気に連通させる大気連通部を備えたインクカートリッジを得ることができる。
図1は、実施形態1に係るカートリッジ装着部110を備えたプリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。 図2 は、実施形態1に係るインクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図である。 図3は、インクカートリッジ30の外観構成を示す分解斜視図である。 図4は、本体31を取り外して内部フレーム35を露出させた状態のインクカートリッジ30の分解斜視図である。 図5は、実施形態1に係る大気連通部120の断面図であって、(A)はスライダ123が第1位置に位置する状態を、(B)はスライダ123が第2位置に位置する状態を、(C)はスライダ123が第3位置に位置する状態を示している。 図6は、実施形態2に係る大気連通部120Aの断面図であって、(A)はスライダ123Aが第1位置に位置する状態を、(B)はスライダ123Aが第2位置に位置する状態を、(C)はスライダ123Aが第3位置に位置する状態を示している。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
[実施形態1]
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10は、記録ヘッド21と、インク供給装置100と、記録ヘッド21及びインク供給装置100を接続するインクチューブ20とを備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面に開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を介してカートリッジ装着部110に挿入され、或いはカートリッジ装着部110から抜き出される。
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインクが貯留されている。カートリッジ装着部110に装着された状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とがインクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。
給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ送給された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、記録用紙に画像が記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対22によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
[インク供給装置100]
図1に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21へインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。カートリッジ装着部110は、ケース101と、係合部材145と、インクニードル113と、光センサ114とを備えている。なお、図1においては、ケース101内にインクカートリッジ30が装着された状態が示されている。カートリッジ装着部110には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能であるが、図1においては、1つのインクカートリッジ30が収容可能な空間が示されている。
図1に示されるように、インクニードル113は、管状の樹脂針からなり、ケース101の終面の下部に設けられている。インクニードル113は、ケース101の終面において、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30のインク供給部34に対応する位置に配置されている。インクニードル113は、後述するインクカートリッジ30のインク供給口71に挿入されてインク供給バルブ70を開く。これにより、インク室36内のインクは、インク流路72を通じてインクニードル113に接続されたインクチューブ20に流出される。
また、図1に示されるように、光センサ114は、ケース101の終面におけるインクニードル113より重力方向の上側に設けられている。光センサ114は、馬蹄形の筐体の一方側の先端に設けられた発光素子と、他方側の先端に設けられた受光素子とで構成されている。発光素子は、例えばLED等であって、挿入及び取出方向50と垂直な水平方向(図2の幅方向51に相当)へ光を照射する。受光素子は、例えばフォトトランジスタ等であって、発光素子から照射された光を受光する。発光素子と受光素子との間の空間には、後述するインクカートリッジ30の検知部33が進入可能である。光センサ114の光路に検知部33が進入すると、光センサ114は、検知部33によって受光素子が受光する光量の変化を検知し得る。なお、図1の高さ方向52が重力方向に相当する。
さらに、図1に示されるように、係合部材145は、ケース101の天面において、開口112側に設けられた支軸147を中心に回動可能に設けられている。係合部材145は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30を装着状態に保持するためのものである。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、係合部材145は、後述するインクカートリッジ30の係止部45に係合され、インクカートリッジ30を取出向き55に押す力に抗してインクカートリッジ30をカートリッジ装着部110内に保持する。一方、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から取り出される場合、インクカートリッジ30に設けられた回動部材80の後端がユーザによって押し下げられることにより、係合部材145が反時計回りに回動して係止部45との係合が解除される。これにより、インクカートリッジ30は、カートリッジ装着部110から取り出し可能となる。
[インクカートリッジ30]
図2〜4に示されるように、インクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。インクカートリッジ30の内部に形成されている空間がインクを貯留するインク室36である。インク室36は、インクカートリッジ30の外観を形成している本体31に収納された内部フレーム35によって形成されているが、本体31そのものによって形成されていてもよい。
インクカートリッジ30は、図2〜4に示された起立状態、つまり、同図の下側の面を底面とし、同図の上側の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して矢印50で示される方向(以下「挿入及び取出方向50」と表記する。)に沿って挿抜される。挿入及び取出方向50は水平方向に沿っている。インクカートリッジ30は、起立状態のままカートリッジ装着部110に挿抜される。この起立状態が、装着姿勢に相当する。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される向きが水平方向に沿った挿入向き56であり、取り出される向きが取出向き55である。また、起立状態における高さ方向(上下方向)52が、重力方向に相当する。すなわち、インクカートリッジ30は、挿入及び取出方向50に沿ってカートリッジ装着部110に挿入され、また、挿入及び取出方向50に沿ってカートリッジ装着部110から抜き出される。なお、本実施形態では、挿入及び取出方向50が水平方向に沿っているが、挿入及び取出方向50は、重力方向や、水平方向及び重力方向と交差する方向であってもよい。
図2〜4に示されるように、インクカートリッジ30は、略直方体形状の本体31と、前壁140側を構成するブラケット90と、インク室36を区画する内部フレーム35とで構成される。本体31にブラケット90が組み付けられて、インクカートリッジ30の外形が構成されている。内部フレーム35は、組み付けられた本体31及びブラケット90の内部に収納される。インクカートリッジ30は、全体として、幅方向(左右方向)51に細く、高さ方向(上下方向)52及び奥行き方向(前後方向)53が幅方向51よりも大きい扁平形状である。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに挿入向き56の前方側となるブラケット90の壁が前壁140であり、挿入向き56の後方側となる本体31の壁が後壁42である。前壁140と後壁42とは、挿入及び取出方向50(すなわち、奥行き方向53)において対向している。
[本体31]
本体31は、幅方向51において互いに対向する側壁37、38と、高さ方向52において互いに対向する上壁39及び下壁41とが後壁42から挿入向き56に延設されて構成されており、奥行き方向53において後壁42に対向する面が開口された箱形である。本体31の内部には、開口を通じて内部フレーム35が挿入される。内部フレーム35の前壁40側の一部は、本体31から露出されている。すなわち、本体31は、内部フレーム35の後方側の一部を覆っている。
本体31には、上壁39の後方側に回動部材80が設けられている。回動部材80は、例えば図1に示されるように、屈曲された平板形状をなしており、その長手方向が奥行き方向53に沿うように配置されている。回動部材80は、その屈曲部に設けられた軸(不図示)の周りに回動可能である。回動部材80は、その先端が本体31の上側に形成された係止面46側へ延出されており、後端が後壁42側へ延出されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、回動部材80の屈曲部より先端側は、係止部45に係合される係合部材145の下方に位置する。そして、インクカートリッジ30をカートリッジ装着部110から取り出す際に、回動部材80の後端がユーザによって押し下げられることにより、係合部材145と係止部45との係合が解除される。
[ブラケット90]
ブラケット90は、幅方向51において互いに対向する側壁143、144と、高さ方向52において互いに対向する上壁141及び下壁142とが前壁140から取出向き55に延設されて構成されており、奥行き方向53において前壁140に対向する面が開口された箱形である。ブラケット90の内部には、開口を通じて内部フレーム35が挿入される。すなわち、ブラケット90は、内部フレーム35のうちの本体31によって覆われていない前方側の一部を覆っている。
ブラケット90が本体31に組み付けられた状態において、ブラケット90の上壁141は、本体31の上壁39と連続してインクカートリッジ30の上壁を構成する。同様に、ブラケット90の下壁142は本体31の下壁41と連続してインクカートリッジ30の下壁を構成し、ブラケットの側壁143、144は本体31の側壁37、38とそれぞれ連続してインクカートリッジ30の側壁を構成する。また、インクカートリッジ30が組み立てられた状態において、インクカートリッジ30の前壁を構成するブラケット90の前壁140と、インクカートリッジ30の後壁を構成する本体31の後壁42とは、奥行き方向53において互いに対向する。インクカートリッジ30の前壁140と後壁42とが対向する方向(すなわち、奥行き方向53)が前後方向(水平方向)であって、本実施形態においては挿入及び取出方向50と一致している。また、インクカートリッジ30の上壁39と下壁41とが対向する方向(すなわち、高さ方向52)が上下方向(重力方向)である。
ブラケット90の側壁143、144には、高さ方向52の概ね中央で且つ前壁140に接する位置において、幅方向51に貫通する開口95が形成されている。この開口95は、ブラケット90に内部フレーム35が挿入された状態において、内部フレーム35の検知部33を外部へ露出させる。したがって、開口95は、内部フレーム35の検知部33に対応する位置、寸法、及び形状に形成されている。
また、ブラケット90の前壁140には、高さ方向52の開口95より上側において、奥行き方向53へ貫通する孔96が形成されている。孔96は、ブラケット90に内部フレーム35が挿入された状態において、大気連通部120を外部に連通させるための孔になる。したがって、孔96は、内部フレーム35の大気連通部120の開口に対応する位置、寸法、及び形状に形成されている。図2において、前後方向における孔96の前端は、後述するインク供給部34の先端よりも前方に配置されている。また、孔96を構成する外縁部の一部には、切り欠き96Aが設けられている。
さらに、ブラケット90の前壁140には、高さ方向52の開口95より下側において、奥行き方向53へ貫通する孔97が形成されている。孔97は、ブラケット90に内部フレーム35が挿入された状態において、内部フレーム35のインク供給部34を外部へ露出させるための孔になる。したがって、孔97は、内部フレーム35のインク供給部34に対応する位置、寸法、及び形状に形成されている。孔97は、前後方向において孔96よりも後方側に配置されている。
ブラケット90の前壁140には、第1突起85及び第2突起86が設けられている。第1突起85は、ブラケット90の前壁140の上端において、前壁140から前方に向けて離れる向き(挿入向き56)に突設されている。そして、孔96は、第1突起85の先端に設けられている。第2突起86は、ブラケット90の前壁140の下端において、前壁140から前方に向けて離れる向き(挿入向き56)に突設されている。第1突起85及び第2突起86は、カートリッジ装着部110に設けられたセンサ(不図示)に検知されることによって、プリンタ10にインクカートリッジ30の種別を判定させるために設けられる。インクカートリッジ30の種別とは、インクの色や成分の違い、インク室36に最初に貯留されるインクの量の違いなどである。
[内部フレーム35]
図3及び図4に示されるように、内部フレーム35は、幅方向51に対向する一対の面が開放された環状に構成されている。そして、開放された一対の面がフィルム(不図示)によって封止されることにより、その内部にインクを貯留可能なインク室36が形成される。内部フレーム35が筐体に相当する。インク室36を区画する前壁40は、内部フレーム35がブラケット90に挿入された際に、ブラケット90の前壁140に対向する壁面であり、大気連通部120、検知部33、及びインク供給部34が設けられている。
[検知部33]
検知部33は、高さ方向52における大気連通部120及びインク供給部34の間において、内部フレーム35の前壁40から挿入向き56に突設されている。検知部33は、インク室36に連通された箱形である。検知部33は、ブラケット90の開口95を通じてインクカートリッジ30の外部へ露出されている。また、検知部33は、カートリッジ装着部110に設けられた光センサ114(図1参照)から出射されて、挿入及び取出方向50と垂直な方向(本実施形態では、幅方向51)に進行する光、例えば赤外光を透過させる透光性の樹脂からなる一対の壁を有する。なお、光は赤外光でもよいし、可視光であってもよい。
検知部33の一対の壁の間はインクを貯留可能とするために中空とされている。図1に示されるように、検知部33の一対の壁の間にはセンサーアーム60のインジケータ部62が位置している。センサーアーム60は、板状のアーム本体61の両端に、インジケータ部62及びフロート部63がそれぞれ設けられたものである。センサーアーム60は、インク室36において、幅方向51に沿って延びる支軸64により回動可能に支持されている。センサーアーム60は、インク室36に存在するインク量に対応して回動するものである。
インジケータ部62は、センサーアーム60が回動されることによって、検知部33の重力方向の下側に位置する下位姿勢と、下位姿勢よりも検知部33の重力方向の上側に位置する上位姿勢とに姿勢変化が可能である。インジケータ部62が上位姿勢のときの検知部33は、光センサ114から出射される赤外光を透過させる。一方、インジケータ部62が下位姿勢のときの検知部33は、光センサ114から出射される赤外光を遮光又は減衰させる。この検知部33の透光状態に応じて、インク室36内のインク残量が所定量未満になったことが判定される。
[インク供給部34]
インク供給部34は、高さ方向52における検知部33より下側において、内部フレーム35の前壁40から挿入向き56、すなわち前後方向における前向きに突設されている。インク供給部34は、円筒形状の外形をなしており、ブラケット90の前壁140に設けられた孔97を通じて外側へ突出されている。インク供給部34の突出端には、インク供給口71が形成されている。また、図1に示されるように、インク供給部34の内部には、インク供給口71とインク室36とを連通させるインク流路72が形成されており、インク供給口71を開閉させるインク供給バルブ70が配置されている。
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル113がインク供給口71に挿入される。そして、インクニードル113がインク供給バルブ70を前後方向における後方に移動させることにより、インク供給口71が開く。これにより、インク室36内のインクは、インク流路72を通ってインクニードル113へ流出される。インクの流出方向は、前後方向における前方と略同一である。なお、インク供給口71は、必ずしもインク供給バルブ70によって開閉可能な構成に限定されない。例えば、インク供給口71がフィルムなどで閉塞されており、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インクニードル113がフィルムを突き破ることによりインク供給口71が開かれる構成であってもよい。
また、図3、4に示されるように、内部フレーム35の前壁40の下端には、一対の係合爪43が形成されている。一対の係合爪43の先端は、インクカートリッジ30の幅方向51の外向きへそれぞれ突出されている。一対の係合爪43は、幅方向51の中央に設けられた切欠き(不図示)により幅方向51の寸法が縮小されるように弾性変形が可能である。一対の係合爪43の先端は、ブラケット90に設けられた一対の長孔91へそれぞれ進入して、長孔91を形成する円筒形状の内壁の内面と係合する。
さらに、内部フレーム35の上壁には、係止部45が形成されている。係止部45は、インクカートリッジ30の幅方向51及び高さ方向52に拡がる係止面46を有している。係止面46は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、カートリッジ装着部110に設けられた係合部材145と係合される。係止部45は、インクカートリッジ30を取出向き55に押し出させる付勢力を受けるものである。
[大気連通部120]
大気連通部120は、高さ方向52における検知部33より上側において、内部フレーム35の前壁40から挿入向き56に突設されている。また、大気連通部120は、内部フレーム35内にも延びている。すなわち、大気連通部120は、前壁40を貫通するように挿入及び取出方向50(前後方向)に延びる筒状の部材であるといえる。大気連通部120は、インク室36をインクカートリッジ30の外部とを連通させるためのものであり、その突出端が開口され、且つ奥行き方向53に延びる気体通路121が内部に形成されている。また、大気連通部120の奥行き方向53に延設された壁面には、気体通路121とインク室36とを連通させる連通口122A、122Bが設けられている。
図5に示されるように、連通口122A、122Bは、各々が内部フレーム35内において内部フレーム35の側壁をなすフィルム(不図示)と対向する位置に配置されており、且つ大気連通部120の内部において奥行き方向53に沿って離間して設けられている。より詳細には、連通口122Aは、連通口122Bより大気連通部120の開口側に位置する。換言すれば、連通口122Bは、連通口122Aより大気連通部120の奥側に位置する。連通口122Aが第1孔に相当し、連通口122Bが第2孔に相当する。
大気連通部120の内部には、スライダ123が配置されている。スライダ123は、大気連通部120の開口から挿入され、大気連通部120の内壁面に密着された状態で気体通路121の内部を取出向き55にスライド可能である。取出向き55がスライド向きに相当する。内部フレーム35がブラケット90に挿入された状態において、スライダ123の一端は、孔96を通じて外部に露出されている。スライダ123は、円筒形状のスライダ本体124と、スライダ本体124の挿入向き56側の端部を覆うキャップ125と、スライダ本体124の外周面に取り付けられて大気連通部120の内壁面に密着するOリング126A、126B、126Cと、スライダ本体124の開口を封止する半透膜127とを有する。
スライダ本体124は、相対的に外径寸法の大きい大径部128と、大径部128より外形寸法の小さい小径部129とで構成されている。そして、スライダ本体124は、大径部128を挿入向き56(すなわち、スライド向きの上流側)に向け、小径部129を取出向き55(すなわち、スライド向きの下流側)に向けて、気体通路121内に配置される。大径部128には、その外周面から径方向外側に突設された円板形状のフランジ部130が設けられている。一方、小径部129の外周面には、Oリング126A、126B、126Cを保持する円周溝131A、131B、131Cが形成されている。本実施形態では、円周溝131A、131Bの奥行き方向53における間隔よりも、円周溝131B、131Cの奥行き方向53における間隔のほうが大きい。また、小径部129の奥行き方向53に延設された壁面(すなわち、外周面)には、連通口134が設けられている。連通口134が第3孔に相当する。より詳細には、連通口134は、奥行き方向53において、円周溝131A及び円周溝131Bの間に形成されている。
図5に示されるように、スライダ本体124の内部には、空間が形成されている。この空間は、大径部128の内部に形成された大径孔132と、小径部129の内部に形成された小径孔133とを含む。大径孔132は、スライド向きの上流側において開口され、スライド向きの下流側において小径孔133に連通される。大径孔132の開口は、奥行き方向53の前方側から半透膜127が貼り付けられることでによって封止されている。小径孔133は、スライド向きの上流側において大径孔132に連通され、且つ連通口134を通じて外部に開放されている。小径孔133は、スライド向きから見たときの断面積が大径孔132より小さく設定されている。大径孔132及び小径孔133を含む空間が内部空間に相当する。
キャップ125は、大径孔132の開口に取り付けられた半透膜127を覆うように、スライダ本体124の大径部128に取り付けられる。本実施形態におけるキャップ125は、円板形状の蓋部135と、蓋部135の厚み方向の一方側の壁面から突出する円筒形状の円筒部136とで構成される。また、蓋部135には、厚み方向に貫通する貫通孔137が形成されている。そして、円筒部136は、貫通孔137を囲むように形成されている。蓋部135の円筒部136とは反対側の面は、挿入向き56の前方に対して直交する方向に拡がる平面をなし、その中央部に貫通孔137が形成されている。
さらに、蓋部135には、その外周面から径方向外側に突出する突起135Aが形成されている。蓋部135の外径は、インクカートリッジ30の孔96の直径よりも小さい。また、突起135Aは、孔96の開口径より外側まで突出している。さらに、突起135Aは、孔96に設けられた切り欠き96Aに対応する大きさ及び形状である。すなわち、周方向において切り欠き96Aと突起135の位置がずれた状態でスライダ124をスライド向きにスライドさせると、図2に示されるように、突起135が孔96の外縁部に当接して、それ以上のスライドが規制される。一方、周方向において切り欠き96Aと突起135の位置が一致した状態でスライダ124をスライド向きにスライドさせると、蓋部135が孔96を通過できる。
キャップ125は、大径部128の外周面を円筒部136で覆うように、スライダ本体124に取り付けられる。ここで、大径部128の外形寸法は、円筒部136の内径寸法より僅かに大きく設定されている。すなわち、キャップ125は、スライダ本体124に対して圧入される。また、キャップ125をスライダ本体124に取り付ける過程において、円筒部136の突出端は、蓋部135が半透膜127に接する前にフランジ部130に当接される。すなわち、図5に示されるように、キャップ125をスライダ本体124に取り付けた状態において、蓋部135の壁面と半透膜127とは離間しており、両者の間には空間が形成されている。
Oリング126A、126B、126Cは、スライダ本体124の小径部129に設けられた円周溝131A、131B、131Cに嵌め込まれる。Oリング126A、126B、126Cは、例えばゴム等の弾性部材によってリング状に構成されている。円周溝131A、131B、131Cに嵌め込まれた状態のOリング126A、126B、126Cの外形寸法は、大気連通部120の内径寸法より大きく設定されている。すなわち、スライダ123が気体通路121に挿入された状態において、Oリング126A、126B、126Cは、大気連通部120の内壁面に密着する。
これに対して、スライダ本体124の大径部128及び小径部129の外形寸法は、大気連通部120の内径寸法より小さく設定されている。すなわち、スライダ123を気体通路121内でスライドさせる場合において、大気連通部120の内壁面に常に接触しているのは、Oリング126A、126B、126Cのみである。さらに、フランジ部130の外形寸法は、大気連通部120の内径寸法より大きく設定されている。すなわち、スライダ123を気体通路121内でスライドさせると、フランジ部130が大気連通部120の開口端部に当接され、それ以上のスライドが規制される。
Oリング126Aは、スライド向きの最下流側の円周溝131Aに嵌め込まれている。すなわち、Oリング126Aは、連通口134よりスライド向きの下流側に配置されている。Oリング126Aが第1封止部材に相当する。Oリング126Bは、スライド向きにおける中央の円周溝131Bに嵌め込まれている。すなわち、Oリング126Bは、連通口134よりスライド向きの上流側に配置されている。Oリング126Bが第2封止部材に相当する。Oリング126Cは、スライド向きの最上流側の円周溝131Cに嵌め込まれている。すなわち、Oリング126Cは、Oリング126Bよりスライド向きの上流側に配置されている。Oリング126Cが第3封止部材に相当する。Oリング126AとOリング126Bとの間の奥行き方向53における間隔は、連通口122Aと連通口122Bとの間の奥行き方向53における間隔よりも短い。
半透膜127は、大径部128の開口端部に取り付けられて、大径孔132を封止する。半透膜127は、気体の通過を許容し且つ液体の通過を規制する微小な孔を有する多孔質膜であり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体などのフッ素樹脂からなる。
図5(A)は、インクカートリッジ30のインク室36にインクを注入する際のスライダ123の位置を示している。詳細には、Oリング126Aは、スライド向きにおける連通口122A、122Bの間(すなわち、スライド向きにおいて、連通口122Aより下流側で且つ連通口122Bより上流側)で大気連通部120の内壁面に密着されている。一方、Oリング126Bは、連通口122Aより開口側(すなわち、スライド向きの上流側)で大気連通部120の内壁面に密着されている。さらに、Oリング126Cは、連通口122Aより開口側に配置されている。すなわち、連通口122Aと連通口134とが対向する位置にスライダ123が配置される。より詳細には、連通口122Aが連通口134を通じて外部と連通され、且つ連通口122Bが閉塞される位置に、スライダ123が配置されている。図5(A)に示されるスライダ123の位置が第1位置に相当する。
なお、第1位置におけるOリング126Cは、図5(A)に示されるように、必ずしも大気連通部120の内壁面に密着されている必要はない。すなわち、連通口122Aが連通口134と対向してインクを注入することが可能になるポジションにスライダ123を移動させる過程において、Oリング126Cが大気連通部120の内壁面に密着していない。これにより、スライダ123の押し込み負荷を小さくすることができる。
次に、図5(B)は、インクカートリッジ30のインク室36にインクが注入された後、インク室36内からインクが流出しないように封をする際のスライダ123の位置を示している。詳細には、Oリング126A、126Bは、スライド向きにおける連通口122A、122Bの間で大気連通部120の内壁面に密着されている。一方、Oリング126Cは、スライド向きにおける連通口122Aより開口側で大気連通部120の内壁面に密着されている。すなわち、連通口122A、122Bの両方が閉塞される位置にスライダ123が配置されている。換言すれば、図5(A)に示される状態から、Oリング126Bが連通口122Aをスライド向きに通過し、Oリング126Aが連通口122Bをスライド向きに通過せず、且つOリング126Cが連通口122Aをスライド向きに通過しない程度に、スライダ123がスライド向きにスライドされたことになる。図5(B)に示されるスライダ123の位置が第2位置に相当する。
ここで、図5(A)では、孔96の切り欠き96Aと蓋部135の突起135Aとが周方向にずれた状態である。この状態でスライダ123を第2位置までスライドさせると、図5(B)に示されるように、蓋部135の突起135Aが孔96の外縁部に当接する。換言すれば、切り欠き96Aと突起135Aとの周方向の位置をずらした状態で、突起135Aが孔96の外縁部に当接されるまでスライダ123をスライド向きにスライドさせることにより、スライダ123を第2位置まで移動させることができる。
次に、図5(C)は、インクカートリッジ30が使用される際のスライダ123の位置を示している。詳細には、Oリング126Aは、スライド向きにおける連通口122Bより奥側(すなわち、スライド向きの下流側)で大気連通部120の内壁面に密着されている。Oリング126Bは、スライド向きにおける連通口122A、122Bの間で大気連通部120の内壁面に密着されている。Oリング126Cは、スライド向きにおける連通口122Aより開口側で大気連通部120の内壁面に密着されている。すなわち、連通口122Bが連通口134を通じて外部と連通され、且つ連通口122Aが閉塞される位置に、スライダ123が配置されている。換言すれば、図5(B)に示される状態から、Oリング126Aが連通口122Bをスライド向きに通過し、Oリング126Bが連通口122Bをスライド向きに通過せず、且つOリング126Cが連通口122Aをスライド向きに通過しない程度に、スライダ123がスライド向きにスライドされたことになる。図5(C)に示されるスライダ123の位置が第3位置に相当する。
なお、スライダ123を第2位置から第3位置に移動させるためには、孔96の切り欠き96Aと蓋部135の突起135Aとの周方向の位置を合わせておく必要がある。図5(C)は、図5(B)に示される蓋部135をスライダ本体124に対してスライド向きを軸として180°回転させた状態を示している。但し、スライダ123全体を気体通路121の内部で180°回転させてもよい。これにより、突起135Aが切り欠き96Aを通過するので、スライダ123が第2位置から第3位置まで移動可能となる。
[実施形態1の作用効果]
本実施形態1によれば、スライダ123をスライド向きにスライドさせるだけで大気連通部120の状態を切り換えることができるので、弁機構を用いる場合と比較して、簡素な構成でインク室36を外気に連通させる大気連通部120を実現することができる。より詳細には、スライダ123を第1位置に位置させて連通口122A、134を連通させることにより、インク室36を外気圧に維持した状態でインクを注入できる。また、スライダ123を第2位置に位置させて連通口122A、122Bを閉塞させることにより、インク室36を外気に対して封止することができる。さらに、スライダ123を第3位置に位置させて連通口122B、134を連通させることにより、インク室36を外気圧に維持した状態でインクをインク供給部34から流出させることができる。なお、インク室36内へのインクの注入は、インク供給部34を通じて行ってもよいし、図示しないインク注入口を通じて行ってもよい。インク室36内からの空気の吸引についても同様である。
また、本実施形態によれば、スライダ123のうちOリング126A、126B、126Cのみが大気連通部120の内壁面に密着され、大径部128及び小径部129は大気連通部120の内壁面に密着されない。このように、大気連通部120の内壁面に密着される部分を限定することにより、スライダ123をスライドさせる際の抵抗を低減することができる。
また、本実施形態によれば、インク室36が外気に連通された図5(A)及び図5(C)の状態において、Oリング126B、126Cが連通口122A、122Bよりスライド向きの上流側に位置しているので、インク室36から連通口122A、122Bを通じて気体通路121に漏れ出したインクは、Oリング126B、126Cによって堰き止められる。また、スライダ123内において、インクの流出経路の上流側に小径孔133を配置し、下流側に大径孔132を配置したことにより、小径孔133と大径孔132との境界にメニスカスが形成される。その結果、スライダ123の貫通孔に流入したインクが半透膜127に到達するのを抑制できる。さらに、スライダ123内に到達したインクは、半透膜127によって外部への流出が阻止される。
このように構成することにより、インクの外部への流出を効果的に抑制できる。また、インクの流出経路の最下流側に半透膜127を配置することにより、半透膜127に到達するインク量が極めて少なくなるので、インクが付着することによって半透膜127の通気性が低下するのを抑制できる。
また、本実施形態によれば、半透膜127が大径孔132の開口端に取り付けられ、且つ蓋部135と半透膜127とが離間された状態でキャップ125がスライダ本体124に取り付けられているので、半透膜127の厚み方向の一方側及び他方側に大きな空間を確保できる。その結果、空気が半透膜127をスムーズに通過できる。
さらに、本実施形態によれば、孔96及び蓋部135の周方向の一部に互いに対応する切り欠き96A及び突起135Aを設け、且つスライダ123が第2位置に移動された際に突起135Aが孔96の外縁部に当接し得るように構成されている。これにより、インクカートリッジ30の搬送中などに第2位置のスライダ123が押し込まれることによって、気体通路121が意図せず外気に連通されるのを防止できる。
[実施形態2]
次に、図6を参照して、本発明の実施形態2が説明される。なお、実施形態1との共通点の詳しい説明は省略され、相違点を中心に説明がされる。実施形態1では、大気連通部120の壁面の2箇所に連通口122A、122Bが形成され、スライダ123の1カ所に連通口134が形成されている。これに対して実施形態2では、大気連通部120Aの1カ所に連通口122が形成され、スライダ123Aの2カ所に連通口134A、134Bが形成されている点で、実施形態1と相違する。
連通口134A、134Bは、小径部129の奥行き方向53に延設された壁面(すなわち、外周面)において互いに離間して設けられている。より詳細には、連通口134Aは、連通口134Bよりスライド向きの下流側に位置する。換言すれば、連通口134Bは、連通口134Aよりスライド向きの上流側に位置する。連通口134Aが第1孔に相当し、連通口134Bが第2孔に相当する。また、大気連通部120Aに設けられた連通口122が第3孔に相当する。
Oリング126Aは、スライド向きにおいて、連通口134Aより上流側で且つ連通口134Bより下流側に配置されている。Oリング126Bは、スライド向きにおいて、Oリング126Aより上流側で且つ連通口134Bより下流側に配置されている。Oリング126Cは、連通口134Bよりスライド向きの上流側に配置されている。Oリング126Aが第1封止部材に相当し、Oリング126Bが第2封止部材に相当し、Oリング126Cが第3封止部材に相当する点は、実施形態1と同様である。
図6(A)は、インクカートリッジ30のインク室36にインクを注入する際のスライダ123Aの位置を示している。詳細には、Oリング126Aは、連通口122より開口側(すなわち、スライド向きの上流側)で大気連通部120Aの内壁面に密着されている。換言すれば、全てのOリング126A、126B、126Cが連通口122より開口側に位置する。すなわち、連通口122が連通口134Aを通じて外部と連通される位置にスライダ123Aが配置されている。
次に、図6(B)は、インクカートリッジ30のインク室36にインクが注入された後、インク室36内を封止する際のスライダ123Aの位置を示している。詳細には、Oリング126Aは、スライド向きにおける連通口122より奥側(すなわち、スライド向きの下流側)で大気連通部120Aの内壁面に密着されている。一方、Oリング126B、126Cは、スライド向きにおける連通口122より開口側で大気連通部120Aの内壁面に密着されている。すなわち、連通口122が閉塞される位置にスライダ123Aが配置されている。換言すれば、図6(A)に示される状態から、Oリング126Aが連通口122をスライド向きに通過し、Oリング126B、126Cが連通口122をスライド向きに通過しない程度に、スライダ123Aがスライド向きにスライドされたことになる。図6(B)に示されるスライダ123Aの位置が第2位置に相当する。
次に、図6(C)は、インクカートリッジ30が使用される際のスライダ123Aの位置を示している。詳細には、Oリング126A、126Bは、スライド向きにおける連通口122より奥側で大気連通部120Aの内壁面に密着されている。一方、Oリング126Cは、スライド向きにおける連通口122より開口側で大気連通部120Aの内壁面に密着されている。すなわち、連通口122が連通口134Bを通じて外部と連通される位置にスライダ123Aが配置されている。換言すれば、図6(B)に示される状態から、Oリング126Bが連通口122をスライド向きに通過し、Oリング126Cが連通口122をスライド向きに通過しない程度に、スライダ123Aがスライド向きにスライドされたことになる。図6(C)に示されるスライダ123Aの位置が第3位置に相当する。
実施形態2によっても、実施形態1と同様に、簡素な構成でインク室36を外気に連通させる大気連通部120Aを実現することができる。すなわち、本発明は、大気連通部及びスライダの一方に2つの連通口が形成され、他方に1つの連通口が形成され、これらの連通状態を切り換えることによって、実現できる。
なお、実施形態2におけるOリング126Cは省略することができる。一方、Oリング126Cを設ける場合、Oリング126Cは、少なくともスライダ123Aが第3位置に位置する図6(C)の状態において、スライド向きにおける連通口122より開口側で大気連通部120Aの内壁面に密着されていればよい。これにより、連通口134Bから漏れ出たインクの外部への流出を抑制できる。
また、実施形態1、2では、大気連通部120を内部フレーム35の内壁から離れる方向に突出させていたが、必ずしも突出している必要はない。すなわち、箱型のインクカートリッジを区画する外壁面に開口を形成し、大気連通部をインク室側に突出させるようにしてもよい。また。大気連通部は、前壁とは異なる面に設けられていても良い。
30・・・インクカートリッジ
34・・・インク供給部
35・・・内部フレーム
36・・・インク室
96・・・孔
96A・・・切り欠き
120,120A・・・大気連通部
121・・・気体通路
122,122A,122B・・・連通口
123,123A・・・スライダ
124・・・スライダ本体
125・・・キャップ
126A,126B,126C・・・Oリング
127・・・半透膜
128・・・大径部
129・・・小径部
130・・・フランジ部
132・・・大径孔
133・・・小径孔
134,134A,134B・・・連通口
135・・・蓋部
135A・・・突起
136・・・円筒部
137・・・貫通孔

Claims (9)

  1. 内部にインクが貯留されるインク室を有する筐体と、
    上記筐体に設けられており、上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、
    上記筐体に設けられており、上記インク室に連通され且つ外部に開口された気体通路を内部に有する大気連通部と、
    上記大気連通部の内壁面に密着され且つ上記気体通路内を開口側から奥側へ向かうスライド向きにスライド移動可能に配置されており、上記スライド向きの上流側において開口する内部空間を有するスライダと、を備え、
    上記大気連通部には、上記スライド向きに沿って延設された壁面において開口し且つ上記インク室に連通する孔であって、
    上記スライド向きに離間した第1孔及び第2孔、
    または、
    第3孔のうちの一方が形成されており、
    上記スライダには、上記スライド向きに沿って延設された壁面において開口し且つ上記内部空間に連通する孔であって、
    上記第1孔及び上記第2孔、
    または、
    上記第3孔のうちの他方が形成されており、
    上記スライダは、上記気体通路内を、上記第1孔と上記第3孔とが連通される第1位置から、上記第1位置より奥側で且つ上記第1孔及び第2孔と上記第3孔とが連通されない第2位置を経て、上記第2位置よりさらに奥側で且つ上記第2孔と上記第3孔とが連通される第3位置へスライドされるインクカートリッジ。
  2. 上記第1孔は、上記大気連通部に設けられており、
    上記第2孔は、上記大気連通部の上記第1孔より奥側に設けられており、
    上記第3孔は、上記スライダに設けられており、
    上記スライダは、スライダ本体と、上記スライダ本体の外周面に取り付けられて上記大気連通部の内壁面に密着される封止部材と、を有しており、
    上記封止部材は、上記スライド向きにおいて、上記第3孔より下流側に位置する第1封止部材と、上記第3孔より上流側に位置する第2封止部材と、上記第2封止部材より上流側に位置する第3封止部材と、を含み、
    上記第1位置は、上記第1封止部材が上記第1孔及び上記第2孔の間で上記大気連通部の内壁面に密着され、上記第2封止部材及び上記第3封止部材が上記第1孔より開口側で上記大気連通部の内壁面に密着される位置であり、
    上記第2位置は、上記第1封止部材及び上記第2封止部材が上記第1孔及び上記第2孔の間で上記大気連通部の内壁面に密着され、上記第3封止部材が上記第1孔より開口側で上記大気連通部の内壁面に密着される位置であり、
    上記第3位置は、上記第1封止部材が上記第2孔より奥側で上記大気連通部の内壁面に密着され、上記第2封止部材が上記第1孔及び上記第2孔の間で上記大気連通部の内壁面に密着され、上記第3封止部材が上記第1孔より開口側で上記大気連通部の内壁面に密着される位置である請求項1に記載のインクカートリッジ。
  3. 上記第1孔は、上記スライダに設けられており、
    上記第2孔は、上記スライダの上記第1孔より開口側に設けられており、
    上記第3孔は、上記大気連通部に設けられており、
    上記スライダは、スライダ本体と、上記スライダ本体の外周面に取り付けられて上記大気連通部の内壁面に密着される封止部材とを有しており、
    上記封止部材は、上記スライド向きにおいて、上記第1孔より上流側で且つ上記第2孔より下流側に位置する第1封止部材と、上記第1封止部材より上流側で且つ上記第2孔より下流側に位置する第2封止部材と、を含み、
    上記第1位置は、上記第1封止部材及び上記第2封止部材が上記第3孔より開口側で上記大気連通部の内壁面に密着される位置であり、
    上記第2位置は、上記第1封止部材が上記第3孔より奥側で上記大気連通部の内壁面に密着され、上記第2封止部材が上記第3孔より開口側で上記大気連通部の内壁面に密着される位置であり、
    上記第3位置は、上記第1封止部材及び上記第2封止部材が上記第3孔より奥側で上記大気連通部の内壁面に密着される位置である請求項1に記載のインクカートリッジ。
  4. 上記スライダ本体の外周面には、上記第3孔より開口側で上記大気連通部の内壁面に密着される封止部材であって、上記第2孔より上記スライド向きの上流側に位置する第3封止部材が更に取り付けられている請求項3に記載のインクカートリッジ。
  5. 上記大気連通部は、上記筐体の外壁から突出する円筒形状の部材であって、その先端が外部に開口されており、
    上記スライダは、上記開口を封止する半透膜を有する請求項1から4のいずれかに記載のインクカートリッジ。
  6. 上記スライダは、上記半透膜を有する円筒形状のスライダ本体と、上記スライダ本体の開口側の端部を覆うキャップと、を備える請求項5に記載のインクカートリッジ。
  7. 上記キャップは、厚み方向に貫通する貫通孔を有する蓋部と、上記貫通孔を囲む位置において上記蓋部から突出して上記スライダ本体の外周面を覆う円筒形状の円筒部とを有しており、
    上記スライダ本体は、上記蓋部の壁面と上記半透膜とが離間した状態で上記円筒部の先端と当接する位置において、その外周面からの径方向外向きに突出するフランジ部を有する請求項6に記載のインクカートリッジ。
  8. 上記円筒部によって覆われる位置における上記スライダ本体の外径は、上記円筒部の内径より大きい請求項7に記載のインクカートリッジ。
  9. 上記大気連通部及び上記筐体の一部を覆うブラケットを更に備えており、
    上記ブラケットには、上記大気連通部の開口に対向する位置に上記蓋部の直径より大きい開口と、当該開口を構成する外縁部の一部に切り欠きとが形成されており、
    上記キャップは、上記蓋部の外周面から上記ブラケットの開口径より外側の位置まで径方向外側に突出し、且つ上記切り欠きに対応する形状の突起を更に有しており、
    上記スライダが上記第2位置にある状態において、上記突起は、上記ブラケットの開口を構成する外縁部に当接し得る請求項7又は8に記載のインクカートリッジ。
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