JP2014184640A - 印刷流体カートリッジ及び印刷流体供給装置 - Google Patents

印刷流体カートリッジ及び印刷流体供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷流体の漏洩を抑制した印刷流体カートリッジを提供する。
【解決手段】インクカートリッジは、筒形状の側壁61及び側壁61の先端に設けられた先端壁62を有するインク供給部60と、側壁61の内面との間に隙間が形成された状態でインク供給部60の内部に延設された筒状部材90と、インク供給部60の内部に設けられた弾性部材71と、弾性部材71の貫通孔72を閉塞する第1位置及び貫通孔72を開放する第2位置に移動可能な蓋体80と、蓋体80を第1位置に向けて付勢するコイルバネ77とを備え、先端壁62は、弾性部材71に対面する面の開口64を囲む位置に環状の突条63を有し、貫通孔72を囲む弾性部材71の外縁部は、開口64を囲み且つ突条63を含む位置で先端壁62に圧接された環状の第1面73Aと、筒状部材90の先端に圧接された環状の第2面73Bとを有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、印刷流体の漏洩を抑制した印刷流体カートリッジ及び印刷流体供給装置に関する。
従来より、インクを用いて記録用紙に画像を記録する画像記録装置が知られている。この画像記録装置は、インクジェット方式の記録ヘッドを備え、記録ヘッドのノズルからインク滴を記録用紙へ向けて選択的に吐出する。このインク滴が記録用紙に着弾することによって、記録用紙に所望の画像が記録される。この画像記録装置には、記録ヘッドに供給するインクを貯蔵するインクカートリッジが設けられる。インクカートリッジは、画像記録装置に設けられた装着部に対して装着可能である(特許文献1参照)。
特許文献1には、供給口部の先端とキャップとで挟み込まれたパッキンに貫通孔が形成されており、弁体によって当該貫通孔が閉塞及び開放されるインクカートリッジが記載されている。そして、装着部に設けられた供給針が貫通孔を通じて供給口部に進入し、貫通孔を開放する位置に弁体を移動させることにより、インクカートリッジから記録ヘッドにインクが供給される。
特開2009−23233号公報
上記構成のインクカートリッジにおいて、貫通孔と異なる経路を通じたインクの漏洩を防止するために、パッキンと供給口部及びキャップとを密着させている。しかしながら、上記の構成を採用したとしても、インクの漏洩を完全に防止することは困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷流体供給部を通じた印刷流体の漏洩を抑制した印刷流体カートリッジ及び印刷流体供給装置を提供することにある。
(1) 本発明に係る印刷流体カートリッジは、印刷流体が貯留された貯留室を有するカートリッジ本体と、第1方向に沿って上記カートリッジ本体に突設され且つ基端側において内部空間が上記貯留室に連通された筒形状の側壁、及び上記側壁の先端において上記第1方向に交差する第2方向の内向きに延設され且つ内周縁が先端開口を区画する先端壁を有しており、上記カートリッジ本体と一体である印刷流体供給部と、上記側壁の内面との間に隙間が形成された状態で上記印刷流体供給部の内部において上記第1方向に沿って延設されており、両端が開口した筒形状の筒状部材と、上記印刷流体供給部の内部において上記筒状部材の上記第1方向の一方側の先端及び上記先端壁の間に設けられており、上記先端開口及び上記筒状部材の内部空間を連通させる貫通孔が形成された弾性部材と、上記筒状部材の内部に設けられており、上記貫通孔を閉塞する第1位置及び上記貫通孔を開放する第2位置に上記第1方向に沿って移動可能な蓋体と、上記筒状部材の内部に設けられており、上記蓋体を上記第1位置に向けて付勢する付勢部材とを備える。そして、上記先端壁は、上記弾性部材に対面する面の上記先端開口を囲む位置において、上記弾性部材へ向けて突出する環状の突条を有する。また、上記貫通孔を囲む上記弾性部材の外縁部は、上記第1方向の一方側において、上記先端開口を囲み且つ上記突条を含む位置で上記先端壁に圧接された環状の第1面と、上記第1方向の他方側において、上記筒状部材の先端に圧接された環状の第2面とを有する。
上記構成において、貫通孔と異なる印刷流体の流出経路は、弾性部材の第2面と筒状部材の先端との間、弾性部材の外周面と側壁の内面との間、及び弾性部材の第1面と先端壁との間を通過する経路である。そこで、まず、弾性部材と筒状部材とを圧接し、弾性部材と先端壁とを圧接したので、印刷流体の漏洩が抑制される。また、弾性部材と筒状部材の先端との間を通過した印刷流体は、側壁と筒状部材との間に設けられた隙間に流れ込むので、弾性部材と側壁との間に進入しようとする印刷流体が減少する。また、側壁がカートリッジ本体から一体的に突設されているため、側壁の基端側には、印刷流体が印刷流体カートリッジの外部へ流出する経路は形成されない。よって、側壁と筒状部材との間に設けられた隙間に流れ込んだ印刷流体が側壁の基端に向かって流れても、印刷流体カートリッジの外部に流出することはない。一方、側壁の先端に向かって流れた印刷流体が弾性部材と側壁との間を通過したとしても、弾性部材に食い込んだ突条によって堰き止められる。その結果、印刷流体の漏洩を効果的に抑制できる。
また、上記構成における突条は、印刷流体供給部の内部空間に向けて突出しており、外部に露出されていない。そのため、印刷流体カートリッジの組み立て前の状態における突条の破損を有効に防止できる。すなわち、印刷流体カートリッジの製造歩留まりが向上する。
(2) 本発明に係る印刷流体供給装置は、カートリッジ装着部と、上記カートリッジ装着部に対して第1方向に沿う挿入向きに挿入される印刷流体カートリッジとを備える。上記印刷流体カートリッジは、印刷流体が貯留された貯留室を有するカートリッジ本体と、第1方向に沿って上記カートリッジ本体に突設され且つ基端側において内部空間が上記貯留室に連通された筒形状の側壁、及び上記側壁の先端において上記第1方向に交差する第2方向の内向きに延設され且つ内周縁が先端開口を区画する先端壁を有しており、上記カートリッジ本体と一体である印刷流体供給部と、上記側壁の内面との間に隙間が形成された状態で上記印刷流体供給部の内部において上記第1方向に沿って延設されており、両端が開口した筒形状の筒状部材と、上記印刷流体供給部の内部において上記筒状部材の上記第1方向の一方側の先端及び上記先端壁の間に設けられており、上記先端開口及び上記筒状部材の内部空間を連通させる貫通孔が形成された弾性部材と、上記筒状部材の内部に設けられており、上記貫通孔を閉塞する第1位置及び上記貫通孔を開放する第2位置に上記第1方向に沿って移動可能な蓋体と、上記筒状部材の内部に設けられており、上記蓋体を上記第1位置に向けて付勢する付勢部材とを備える。そして上記先端壁は、上記弾性部材に対面する面の上記先端開口を囲む位置において、上記弾性部材へ向けて突出する環状の突条を有する。また、上記貫通孔を囲む上記弾性部材の外縁部は、上記第1方向の一方側において、上記先端開口を囲み且つ上記突条を含む位置で上記先端壁に圧接された環状の第1面と、上記第1方向の他方側において、上記筒状部材の先端に圧接された環状の第2面と、を有する。上記カートリッジ装着部は、上記貫通孔に挿入されて上記蓋体を押圧することにより、上記貯留室内の印刷流体を導出する印刷流体供給管を備える。そして、上記印刷流体供給管は、上記第1位置の上記蓋体を、上記付勢部材の付勢力に抗して上記第2位置まで移動させる。
本発明によれば、弾性部材の第2面と筒状部材の先端との間を通過した印刷流体が側壁と筒状部材との間の隙間に流れ込み、且つ弾性部材の外周面と側壁の内面との間を通過した印刷流体が弾性部材に食い込んだ突条によって堰き止められるので、印刷流体の漏洩を効果的に抑制できる。
図1は、実施形態に係るカートリッジ装着部110を備えたプリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。 図2は、インクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図であって、(A)はフレーム31にフィルム44、45が溶着された状態を示し、(B)はフレーム31とフィルム44、45との分解斜視図である。 図3は、インク供給部60及びインク供給バルブ70を斜め前方から見た分解斜視図であって、インク供給部60及び筒状部材90を高さ方向52及び奥行き方向53を含む平面において切断した図である。 図4は、インク供給部60及びインク供給バルブ70を斜め後方から見た分解斜視図であって、インク供給部60及び筒状部材90を高さ方向52及び奥行き方向53を含む平面において切断した図である。 図5は、インクカートリッジ30をカートリッジ装着部110に装着する過程を示すインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の模式断面図であって、(A)はインクニードル102がインク供給部60に挿入される前の状態を示し、(B)はインクニードル102がインク供給部60に完全に挿入された状態を示す。 図6は、図5(A)の状態におけるインク供給バルブ70の状態を示す、インク供給部60及びインク供給バルブ70の断面図である。 図7は、図5(B)の状態におけるインク供給バルブ70の状態を示す、インク供給部60及びインク供給バルブ70の断面図である。 図8は、変形例1における筒状部材90Aの斜視図である。 図9は、変形例1におけるインク供給部60及びインク供給バルブ70の断面図である。 図10は、変形例2におけるインク供給部60及びインク供給バルブ70の断面図である。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
[実施形態]
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10は、記録ヘッド21と、インク供給装置100(印刷流体供給装置の一例)と、記録ヘッド21及びインク供給装置100を接続するインクチューブ20とを備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面に開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を通じてカートリッジ装着部110に挿入され、或いはカートリッジ装着部110から抜き出される。
インクカートリッジ30(印刷流体カートリッジの一例)には、プリンタ10で使用可能なインク(印刷流体の一例)が貯留されている。カートリッジ装着部110に装着された状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とがインクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。
給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ送給された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、記録用紙に画像が記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対27によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
[インク供給装置100]
図1に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21にインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。カートリッジ装着部110は、ケース101と、インクニードル102(印刷流体供給管の一例)とを備えている。なお、図1においては、ケース101内にインクカートリッジ30が装着された状態が示されている。カートリッジ装着部110には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能であるが、図1においては、1つのインクカートリッジ30が収容可能な空間のみが示されている。
図1に示されるように、インクニードル102は、管状の樹脂針からなり、ケース101の開口112とは反対側に位置するケース101の終面の下部に設けられている。インクニードル102は、ケース101の終面において、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30のインク供給部60に対応する位置に配置されている。インクニードル102は、後述する開口64を通じてインク供給部60に進入し、インク供給バルブ70の蓋体80を移動させることにより、インク供給部60の開口64を開放する。これにより、インク室36内のインクは、インク供給部60の内部空間を通じてインクニードル102に接続されたインクチューブ20に流出される。
[インクカートリッジ30]
インクカートリッジ30は、図2に示されるように、内部にインク室36(貯留室の一例)を有するフレーム31(カートリッジ本体の一例)と、フレーム31に突設されたインク供給部60(印刷流体供給部の一例)とを有する。このインクカートリッジ30は、インク室36に貯留されたインクをインク供給部60を通じて外部に供給するものである。
インクカートリッジ30は、図2に示された起立状態、つまり、同図の下側の面を底面とし、同図の上側の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して矢印50で示される方向(以下「挿入及び取出方向50」と称する。)に沿って挿抜される。すなわち、インクカートリッジ30は、挿入向き56に沿ってカートリッジ装着部110に挿入され、取出向き55に沿ってカートリッジ装着部110から抜き出される。起立状態における高さ方向52が、重力方向に相当する。
フレーム31は、図2(A)に示されるように、外形が概ね直方体であり、幅方向(左右方向)51に細く、高さ方向(上下方向)52及び奥行き方向(前後方向)53の寸法が幅方向51の寸法よりも大きい扁平形状である。フレーム31は、奥行き方向53において互いに対向する前壁40(主壁の一例)及び後壁41と、高さ方向52において互いに対向する上壁39及び下壁42とで構成されている。上壁39は、前壁40の上端と後壁41の上端とを接続する。下壁42は、前壁40の下端と後壁41の下端とを接続する。すなわち、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに前方側となるのが前壁40であり、後方側となるのが後壁41である。換言すれば、図1に示される挿入及び取出方向50は、図2に示される奥行き方向53に一致する。
フレーム31は、図2(B)に示されるように、幅方向51において対向する一対の面が開放されている。そして、フレーム31の開放された一対の面は、フィルム44、45(膜の一例)によって封止される。フィルム44、45の外形は、幅方向51から平面視した場合のフレーム31の外形と概ね一致する。フィルム44、45は、フレーム31の幅方向51の一方側及び他方側に配置されて、幅方向51におけるインク室36の両側壁を構成する。すなわち、フィルム44はインクカートリッジ30の左壁37を構成し、フィルム45はインクカートリッジ30の右壁38を構成する。
フィルム44、45は、フレーム31の幅方向51の端面に熱溶着されることにより、フレーム31に固着される。すなわち、フィルム44は、上壁39、前壁40、後壁41、下壁42、及び後述するフランジ部93の左端面に熱溶着される。同様に、フィルム45は、上壁39、前壁40、後壁41、下壁42、及び後述するフランジ部93の右端面に熱溶着される。これにより、上壁39、前壁40、後壁41、下壁42、及びフィルム44、45で区画されたインク室36にインクが貯留可能となる。なお、フィルム44、45の外側にフィルム44、45の破損を防止するためのカバーを配置してもよい。
インク供給部60は、図3及び図4に示されるように、奥行き方向53(第1方向の一例)に沿ってフレーム31の前壁40に突設された円筒形状の側壁61と、側壁61の先端(奥行き方向53の前方側の端部)の内面から奥行き方向53と交差する方向(第2方向の一例)の内向きに延設された先端壁62とで構成される。本実施形態におけるインク供給部60は、フレーム31と一体に形成されている。側壁61は、前壁40から側壁61の先端にかけて連続的に延びている。つまり、側壁61には、インク供給部60の内外を連通させる開口や切欠きは形成されていない。また、本実施形態においては、先端壁62が延設されている方向は、奥行き方向53と直交する方向(すなわち、側壁61の径方向)である。
また、インク供給部60の内部空間には、インク供給バルブ70を構成する弾性部材71、蓋体80、コイルバネ77、及び筒状部材90が収容される。インク供給バルブ70を構成する各構成要素は、フレーム31にフィルム44、45が溶着される前に、弾性部材71、蓋体80、コイルバネ77、及び筒状部材90の順に、基端側からインク供給部60に挿入される。
先端壁62には、厚み方向(奥行き方向53)に貫通する開口64(先端開口の一例)が設けられている。換言すれば、開口64は、先端壁62の内周縁によって区画される。開口64は、インク供給部60の内部空間と、インクカートリッジ30の外部とを連通させる。また、インク供給部60の基端(奥行き方向53の後方側の端部)は、フレーム31の内部空間(すなわち、インク室36)に連通している。すなわち、インク室36は、インク供給部60を通じてインクカートリッジ30の外部に連通される。
また、インク供給部60の内部空間に対面する側の先端壁62の面には、環状の突条63が設けられている。突条63は、開口64を囲む位置において奥行き方向53の後方側に突出している。本実施形態における突条63は、奥行き方向53を含む断面形状が楔形状である。すなわち、突条63は、突出基端側から突出先端側に向かって徐々に薄肉となる先細り形状である。
インク供給バルブ70は、インク供給部60の開口64を開放又は閉塞する。すなわち、インク供給バルブ70によって開口64が開放されることにより、インク室36内のインクは、インク供給部60を通じて外部に流出可能となる。一方、インク供給バルブ70によって開口64が閉塞されることにより、インク供給部60を通じたインクの流出が停止する。インク供給バルブ70の状態(開口64を開放或いは閉塞する状態)は、インク供給部60内にインクニードル102を挿抜することによって切り替えられる。
筒状部材90は、インク供給バルブ70を構成する構成要素のうち、インク供給部60の最も基端側に配置される。筒状部材90は、円筒形状の筒状部91と、基端壁92と、フランジ部93とで構成されている。筒状部91は、インク供給部60の内部において奥行き方向53に延設されており、且つ奥行き方向53の両端が開口している。筒状部91の基端側は、フレーム31の内部空間(すなわち、インク室36)に延設されている。基端壁92は、筒状部91の基端側の内面から径方向の内向きに延設されている。フランジ部93は、フレーム31の内部空間に位置する筒状部91の外面から径方向の外向きに延設されている。
筒状部91の先端91Aは、開口している。また、筒状部91の肉厚(つまり、径方向の厚み)は、先端91Aに向かって徐々に薄肉となっている。すなわち、筒状部91の先端91Aは先細り形状である。筒状部91の外径寸法は、インク供給部60の側壁61の内径寸法より僅かに小さく設定されている。すなわち、側壁61の内面と筒状部91の外面との間には、隙間が形成されている。また、筒状部91の内径寸法は、開口64の直径より僅かに大きく設定されている。さらに、筒状部91の内面には、径方向の内向きに突出し且つ奥行き方向53に延設された複数のリブ91Bが設けられている。リブ91Bは、筒状部91の基端側に偏在している。また、本実施形態では、リブ91Bは、筒状部91の周方向に位相を90°ずらして4カ所に設けられている。
基端壁92には、厚み方向(奥行き方向53)に貫通する連通口92A(基端開口の一例)が設けられている。換言すれば、連通口92Aは、基端壁92の内周縁によって区画される。連通口92Aは、フレーム31の内部空間と筒状部91の内部空間とを連通させる。フランジ部93は、前壁40の内面と、フィルム44、45とに溶着される。これにより、筒状部材90は、フレーム31に固定される。本実施形態では、前壁40に対面するフランジ部93の全面が前壁40の内面に溶着されている。その結果、側壁61と筒状部91との間に形成された隙間は、インク供給部60の基端側においてフランジ部93によって封止されている。換言すれば、フレーム31の内部空間とインク供給部60の内部空間とは、基端壁92に設けられた連通口92Aによってのみ連通される。
弾性部材71は、インク供給バルブ70を構成する構成要素のうち、インク供給部60の最も先端側に配置される。弾性部材71は、概ね円板形状の外形を有する弾性体であって、奥行き方向53においてインク供給部60の先端壁62と筒状部91の先端91Aとの間に設けられている。弾性部材71は、インク供給部60及び筒状部材90に密着することにより、インク供給部60及び筒状部材90と弾性部材71との間からインクが流出するのを抑制するシール部材(パッキン)として機能する。弾性部材71を構成する材料は特に限定されないが、例えば、シリコンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、熱可塑性エラストマ(TPE)などで構成することができる。
弾性部材71は、大径部73と、小径部74とで構成される。弾性部材71には、その中央部を厚み方向(すなわち、奥行き方向53)に貫通する貫通孔72が形成されている。より詳細には、貫通孔72は、図6に示されるように、大径部73を貫通する大径孔72Aと、小径部74を貫通する小径孔72Bとで構成される。大径部73に設けられた大径孔72Aの直径は、開口64の直径より小さく且つインクニードル102の外径寸法より大きい。一方、小径孔72Bの直径は、インクニードル102の外径寸法より僅かに小さい。
大径部73は、小径部74より外径が大きい部分である。大径部73の外径寸法は、筒状部91の外径寸法より大きく且つ側壁61の内径寸法より僅かに小さく設定される。大径部73は、先端壁62に対面する環状の第1面73Aと、筒状部91の先端91Aに対面する環状の第2面73Bと、側壁61の内面に対面する外周面73Cとを有する。本実施形態における大径部73は、図6に示されるように、弾性部材71をインク供給部60に取り付けた状態において、第1面73Aが先端壁62に圧接され、第2面73Bが筒状部91の先端91Aに圧接され、外周面73Cが側壁61の内面に圧接される。
より詳細には、第1面73Aは、開口64を囲み且つ突条63を含む位置で先端壁62に圧接される。このとき楔形状の突条63が弾性部材71に食い込むので、第1面73Aと先端壁62とが液密的に密着する。第2面73Bは、環状に連続する筒状部91の先端91Aに圧接される。このとき先細り形状の先端91Aが弾性部材71に食い込むので、第2面73Bと筒状部91とが液密的に密着する。また、先端壁62と筒状部91とによって弾性部材71が奥行き方向53に圧縮されることにより、大径部73が拡径し、外周面73Cが側壁61の内面に液密的に密着する。
小径部74は、大径部73より外径寸法が小さい部分である。小径部74の外径寸法は、筒状部91の内径寸法より僅かに大きく設定される。弾性部材71をインク供給部60に取り付けた状態において、小径部74は、筒状部91の内部に位置する。そして、小径部74の外周面は、図6に示されるように、筒状部91の内面に液密的に密着する。さらに、奥行き方向53の後方側における小径部74の面には、奥行き方向53の後方側に突出する突条75が設けられている。突条75は、貫通孔72を囲む位置において環状に形成されている。
コイルバネ77(付勢部材の一例)は、インク供給バルブ70の構成要素のうち、蓋体80と筒状部材90との間に配置される。コイルバネ77は、一端が蓋体80に当接し、他端が連通口92Aを囲む位置において基端壁92に当接している。また、コイルバネ77は、筒状部91の内面に設けられた複数のリブ91Bによって、径方向への移動が規制される。すなわち、基端壁92及び複数のリブは、コイルバネ77のバネ座として機能する。コイルバネ77は、筒状部材90の内部空間において圧縮された状態で保持されている。すなわち、コイルバネ77は、蓋体80を弾性部材71に向けて(すなわち、奥行き方向53の前方側に)付勢する。但し、本発明の付勢部材は、コイルバネ77に限定されず、板バネや樹脂バネ等であってもよい。
蓋体80は、インク供給バルブ70を構成する構成要素のうち、弾性部材71とコイルバネ77との間に配置される。蓋体80は、インク供給部60の内部空間を奥行き方向53に沿って移動可能に構成されている。より詳細には、蓋体80は、弾性部材71に当接して貫通孔72を閉塞する第1位置(図6に示される位置)と、弾性部材71から離間して貫通孔72を開放する第2位置(図7に示される位置)とに移動可能に構成されている。蓋体80が弾性部材71の貫通孔72を閉塞することにより、インク供給バルブ70はインク供給部60の開口64を閉塞する。蓋体80が弾性部材71の貫通孔72を開放することにより、インク供給バルブ70はインク供給部60の開口64を開放する。蓋体80を構成する材料は特に限定されないが、例えば、ポリアセタール(POM)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などの樹脂で構成することができる。本実施形態における蓋体80は、柱状部81と、封止部82とを有する。
柱状部81は、封止部82の径方向の概ね中央から奥行き方向53に突出している。換言すれば、柱状部81の弾性部材71に近い側の端部に封止部82が設けられている。柱状部81は、筒状部材90の内部空間において奥行き方向53に延設されており、コイルバネ77に挿入される。本実施形態における柱状部81は、幅方向51及び高さ方向52を含む断面形状が十字形状となっているが、柱状部81の断面形状はこれに限定されない。
封止部82は、柱状部81の一端(弾性部材71に近い側の端部)において、径方向の外向きに延設されている概ね円板形状の外形を有する部材である。封止部82の外径寸法は、小径孔72Bの直径より大きく且つ筒状部91の内径寸法より小さく設定されている。封止部82の弾性部材71に対面する側の面(すなわち、奥行き方向53の前方側の面)は、突条75に当接する。本実施形態では、突条75に当接する封止部82の面は、平坦面である。なお、本実施形態における封止部82の外縁部には凹凸が形成されているが、突条75と全周に亘って当接可能な形状であれば、上述の例に限定されない。一方、封止部82のコイルバネ77に対面する側の面(すなわち、奥行き方向53の後方側の面)は、コイルバネ77の一端に当接する。
蓋体80が第1位置(図6に示される位置)に位置する場合において、封止部82は、貫通孔72を囲む突条75に液密的に密着する。すなわち、第1位置における蓋体80は、貫通孔72を閉塞する。一方、蓋体80が第2位置(図7に示される位置)に位置する場合において、封止部82は、突条75から離間する。すなわち、第2位置における蓋体80は、貫通孔72を開放する。
次に、図5〜図7を参照して、インクカートリッジ30をカートリッジ装着部110に装着する過程におけるインク供給バルブ70の動きを説明する。
図5(A)は、インクニードル102がインク供給部60の開口64に進入する前の状態を示している。そして、このときのインク供給バルブ70は、図6に示されるように、蓋体80が第1位置に位置している状態である。具体的には、蓋体80の封止部82が弾性部材71の突条75に密着している。すなわち、図5(A)及び図6に示される状態は、蓋体80によって貫通孔72が閉塞され、インク室36内のインクがインク供給部60を通じて流出しない状態である。
次に、図5(B)は、インク供給部60の開口64を通じて弾性部材71の貫通孔72に進入したインクニードル102が、蓋体80を奥行き方向53の後方側に押した状態を示している。そして、このときのインク供給バルブ70は、図7に示されるように、蓋体80が第2位置に位置している状態である。具体的には、封止部82が突条75から離間している。すなわち、すなわち、図5(B)及び図7に示される状態は、貫通孔72が開放された貫通孔72を通じてインク室36内のインクが流出可能な状態である。
以上のように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、貫通孔72に進入したインクニードル102は、第1位置の蓋体80を第2位置までコイルバネ77の付勢力に抗して移動させる。そして、蓋体80が第2位置に押し込まれることによって、インク室36内のインクは、インク供給部60、インクニードル102、及びインクチューブ20を通じて記録ヘッド21に供給される。
一方、インクカートリッジ30をカートリッジ装着部110から抜去する場合、蓋体80は、コイルバネ77の付勢力によって第2位置から第1位置まで移動する。より詳細には、インクニードル102がインク供給部60から徐々に引き抜かれるのに伴って、蓋体80は、インク供給部60の内部を弾性部材71に近づく向きに移動し、図6に示される第1位置において封止部82と突条75とが密着する。この時点において、インクニードル102を通じたインク室36内のインクの流出が停止する。
[本実施形態の作用効果]
上記構成のインク供給バルブ70によれば、第1位置に位置する蓋体80によって貫通孔72を通じたインクの流出を阻止できる。一方、貫通孔72と異なるインクの流出経路は、筒状部91の内面と小径部74の外周面との間、筒状部91の先端91Aと大径部73の第2面73Bとの間、側壁61の内面と大径部73の外周面73Cとの間、及び先端壁62と大径部73の第1面73Aとの間を通過する経路である。
そこで、各境界面においてインク供給部60、弾性部材71、及び筒状部材90を液密に密着させたので、インクの漏洩が抑制される。また、先細り形状の筒状部91の先端91Aを弾性部材71に深く食い込ませたので、当該位置におけるインクの漏洩をさらに効果的に抑制できる。さらに、筒状部91の先端91Aと弾性部材71の第2面73Bとの間を通過したインクの大部分は、側壁61の内面と筒状部91の外面との間に形成された隙間に貯留される。その結果、側壁61の内面と弾性部材71の外周面73Cとの間を通過して外部に流出しようとするインクが減少する。また、側壁61がフレーム31から一体的に突設されているため、側壁61の基端側には、インクがインクカートリッジ30の外部へ流出する経路は形成されない。よって、側壁61の内面と筒状部91の外面との間に形成された隙間に流れ込んだインクが側壁61の基端に向かって流れても、インクカートリッジ30の外部に流出することはない。
さらに、楔形状の突条75を弾性部材71に深く食い込ませたので、側壁61の内面と弾性部材71の外周面73Cとの間を通過したインクの流出を効果的に抑制できる。また、第1位置に位置する蓋体80がコイルバネ77の付勢力によって弾性部材71を先端壁62側に押圧するので、先端壁62と弾性部材71の第1面73Aとの密着がさらに強固になる。上述の構成を組み合わせることによって、貫通孔72と異なる経路からインクが流出するのを効果的に抑制できる。
なお、本実施形態において、弾性部材71の外周面73Cと側壁61の内面との密着は必須ではない。当該位置において弾性部材71と側壁61とを密着させることにより、シール性がさらに向上することは言うまでもない。一方、外周面73Cの外径寸法を側壁61の内径寸法より小さく設定しておくことにより、インク供給バルブ70の組み立て性が向上する。
また、本実施形態における突条63は、インク供給部60の内部空間に向けて突出しており、外部に露出されていない。そのため、インクカートリッジ30の組み立て前の状態における突条63の破損を有効に防止できる。すなわち、インクカートリッジ30の製造歩留まりが向上する。なお、突条63の断面形状は楔形状に限定されず、矩形や台形等であってもよい。筒状部91の先端91Aの形状も同様である。
また、本実施形態における筒状部材90は、前壁40の内面及びフィルム44、45にフランジ部93を溶着することによって、フレーム31に固定されている。これにより、筒状部材90が径方向に移動することによって、筒状部材90と弾性部材71との間に隙間が生じるのを抑制できる。但し、筒状部材90をフレーム31に固定する方法は、上述の例に限定されない。
一例として、本実施形態におけるフランジ部93をフィルム44、45のみに溶着し、前壁40の内面に溶着しなくてもよい。このとき、フランジ部93を前壁40の内面から離間させた状態でフィルム44、45に溶着するのが望ましい。これにより、インク供給部60と筒状部材90との間に形成された隙間がフレーム31の内部空間(すなわち、インク室36)に連通される。すなわち、当該隙間に貯留されたインクをインク室36に環流させることができる。
[変形例1]
図8及び図9を参照して、変形例1における筒状部材90Aを説明する。なお、上述の実施形態と共通する構成要素には同一の参照番号を付して詳しい説明を省略し、相違点を中心に説明する。変形例1における筒状部材90Aは、前壁40に対面するフランジ部93の面から前壁40に向けて突出し、且つ筒状部91の外面から径方向の外向きに放射状に延設された複数のリブ94を有する点において、上述の実施形態と相違する。
変形例1における筒状部材90Aは、フランジ部93の左右両端面とフィルム44、45とが溶着され、且つリブ94の突出端(先端)と前壁40の内面とが溶着されることによって、フレーム31に固定される。これにより、リブ94が形成されていない領域において、インク供給部60と筒状部材90Aとの間に形成された隙間がフレーム31の内部空間に連通される。また、リブ94の先端を前壁40の内面に溶着することにより、フランジ部93と前壁40の内面とを完全に離間させた上述の例と比較して、筒状部材90Aをフレーム31に対して確実に固定できる。
なお、リブ94の配置は、図8の例に限定されない。例えば、リブ94の配置は放射状に限定されない。また、長尺状のリブ94に代えて、前壁40の内面に向けて突出する複数の突起をフランジ部93の表面に離散的に配置し、各突起の突出端を前壁40の内面に溶着することによっても、図8及び図9に示される変形例1と同様の効果を得ることができる。
[変形例2]
図10を参照して、変形例2における筒状部材90Bを説明する。なお、上述の実施形態と共通する構成要素には同一の参照番号を付して詳しい説明を省略し、相違点を中心に説明する。変形例2における筒状部材90Bは、フランジ部93に代えて被係止部95A、95Bが設けられている点において、上述の実施形態と相違する。
被係止部95A、95Bは、フレーム31の内部空間に位置する筒状部91の外面に設けられている。本実施形態における被係止部95A、95Bは、筒状部91の周方向に位相を180°ずらして2カ所に設けられている。一方、前壁40の内面には、係止部40A、40Bが設けられている。係止部40A、40Bは、インク供給部60の周囲で且つ被係止部95A、95Bに対応する位置に設けられている。
上記構成において、筒状部材90Bをインク供給部60に挿入すると、被係止部95A、95Bが係止部40A、40Bに係止される。これにより、筒状部材90Bがフレーム31に固定されると共に、インク供給部60と筒状部材90Bとの間に形成された隙間がフレーム31の内部空間に連通される。変形例2では、筒状部材90Bの取り付け時の溶着工程を省略できるので、上述の実施形態及び変形例1と比較して、インクカートリッジ30の組み立て性が向上する。
なお、上記の実施形態及び各変形例では、インク供給部60を円筒形状とした例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、幅方向51及び高さ方向52を含む平面におけるインク供給部60の断面形状が正六角形、正八角形、正十二角形等であってもよい。インク供給部60に装着される弾性部材71、蓋体80、及び筒状部材90、90A、90B等の形状も同様である。
さらに、上記の実施形態及び変形例では、インクを印刷流体の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、インクに代えて、印刷時にインクに先立って記録用紙に吐出される前処理液を印刷流体としてもよい。
30・・・インクカートリッジ
31・・・フレーム
36・・・インク室
40・・・前壁
40A,40B・・・係止部
44,45・・・フィルム
60・・・インク供給部
61・・・側壁
62・・・先端壁
63・・・突条
64・・・開口
70・・・インク供給バルブ
71・・・弾性部材
72・・・貫通孔
73A・・・第1面
73B・・・第2面
73C・・・外周面
74・・・小径部
77・・・コイルバネ
80・・・蓋体
90,90A,90B・・・筒状部材
91・・・筒状部
91A・・・先端
92・・・基端壁
92A・・・連通口
93・・・フランジ部
94・・・リブ
95A,95B・・・被係止部
100・・・インク供給装置
102・・・インクニードル

Claims (11)

  1. 印刷流体が貯留された貯留室を有するカートリッジ本体と、
    第1方向に沿って上記カートリッジ本体に突設され且つ基端側において内部空間が上記貯留室に連通された筒形状の側壁、及び上記側壁の先端において上記第1方向に交差する第2方向の内向きに延設され且つ内周縁が先端開口を区画する先端壁を有しており、上記カートリッジ本体と一体である印刷流体供給部と、
    上記側壁の内面との間に隙間が形成された状態で上記印刷流体供給部の内部において上記第1方向に沿って延設されており、両端が開口した筒形状の筒状部材と、
    上記印刷流体供給部の内部において上記筒状部材の上記第1方向の一方側の先端及び上記先端壁の間に設けられており、上記先端開口及び上記筒状部材の内部空間を連通させる貫通孔が形成された弾性部材と、
    上記筒状部材の内部に設けられており、上記貫通孔を閉塞する第1位置及び上記貫通孔を開放する第2位置に上記第1方向に沿って移動可能な蓋体と、
    上記筒状部材の内部に設けられており、上記蓋体を上記第1位置に向けて付勢する付勢部材と、を備えており、
    上記先端壁は、上記弾性部材に対面する面の上記先端開口を囲む位置において、上記弾性部材へ向けて突出する環状の突条を有しており、
    上記貫通孔を囲む上記弾性部材の外縁部は、
    上記第1方向の一方側において、上記先端開口を囲み且つ上記突条を含む位置で上記先端壁に圧接された環状の第1面と、
    上記第1方向の他方側において、上記筒状部材の先端に圧接された環状の第2面と、を有する印刷流体カートリッジ。
  2. 上記第1方向を含む断面における上記突条は、楔形状である請求項1に記載の印刷流体カートリッジ。
  3. 上記筒状部材の肉厚は、先端へ向かって薄肉となっている請求項1又は2に記載の印刷流体カートリッジ。
  4. 上記筒状部材の基端側には、上記第2方向の内向きに延設され且つ内周縁が基端開口を区画する基端壁が設けられており、
    上記付勢部材は、一端が上記蓋体に当接し、他端が上記基端開口を囲む位置において上記基端壁に当接するコイルバネである請求項1から3のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
  5. 上記筒状部材は、上記カートリッジ本体の内部まで延設されており、
    上記カートリッジ本体の内部に位置する上記筒状部材の外面には、上記第2方向の外向きに延設されたフランジ部が設けられており、
    上記フランジ部は、上記カートリッジ本体を構成する壁のうち、上記印刷流体供給部が突設された主壁の内面に溶着されている請求項1から4のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
  6. 上記印刷流体供給部と上記筒状部材との間の隙間は、上記貯留室に連通されている請求項1から5のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
  7. 上記筒状部材は、上記カートリッジ本体の内部まで延設されており、上記カートリッジ本体の内部に位置する外面から上記第2方向の外向きに延設されたフランジ部と、上記フランジ部の上記第1方向の一方側の面から突出する複数の突起とを有しており、
    複数の上記突起の先端面は、上記カートリッジ本体を構成する壁のうち、上記印刷流体供給部が突設された主壁の内面に溶着されている請求項6に記載の印刷流体カートリッジ。
  8. 上記カートリッジ本体は、上記印刷流体供給部が突設され且つ上記第2方向において互いに対向する一対の面が開放された外周壁と、上記外周壁の開放された一対の面を閉塞する膜と、で構成されており、
    上記筒状部材は、上記カートリッジ本体の内部まで延設されており、
    上記カートリッジ本体の内部に位置する上記筒状部材の外面には、上記第2方向の外向きに延設されたフランジ部が設けられており、
    上記フランジ部は、上記外周壁の内面から離間し且つ上記膜に溶着されている請求項6に記載の印刷流体カートリッジ。
  9. 上記カートリッジ本体を構成する壁のうち、上記印刷流体供給部が突設された主壁の内面には、係止部が設けられており、
    上記筒状部材は、上記カートリッジ本体の内部まで延設されており、且つ上記係止部に係止される被係止部を有する請求項1から4のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
  10. 上記弾性部材の上記外縁部は、上記第1面及び上記第2面の間において上記弾性部材の周方向に連続し、且つ上記側壁の内面に圧接された外周面を有する請求項1から9のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
  11. カートリッジ装着部と、上記カートリッジ装着部に対して第1方向に沿う挿入向きに挿入される印刷流体カートリッジと、を備える印刷流体供給装置であって、
    上記印刷流体カートリッジは、
    印刷流体が貯留された貯留室を有するカートリッジ本体と、
    第1方向に沿って上記カートリッジ本体に突設され且つ基端側において内部空間が上記貯留室に連通された筒形状の側壁、及び上記側壁の先端において上記第1方向に交差する第2方向の内向きに延設され且つ内周縁が先端開口を区画する先端壁を有しており、上記カートリッジ本体と一体である印刷流体供給部と、
    上記側壁の内面との間に隙間が形成された状態で上記印刷流体供給部の内部において上記第1方向に沿って延設されており、両端が開口した筒形状の筒状部材と、
    上記印刷流体供給部の内部において上記筒状部材の上記第1方向の一方側の先端及び上記先端壁の間に設けられており、上記先端開口及び上記筒状部材の内部空間を連通させる貫通孔が形成された弾性部材と、
    上記筒状部材の内部に設けられており、上記貫通孔を閉塞する第1位置及び上記貫通孔を開放する第2位置に上記第1方向に沿って移動可能な蓋体と、
    上記筒状部材の内部に設けられており、上記蓋体を上記第1位置に向けて付勢する付勢部材と、を備えており、
    上記先端壁は、上記弾性部材に対面する面の上記先端開口を囲む位置において、上記弾性部材へ向けて突出する環状の突条を有しており、
    上記貫通孔を囲む上記弾性部材の外縁部は、
    上記第1方向の一方側において、上記先端開口を囲み且つ上記突条を含む位置で上記先端壁に圧接された環状の第1面と、
    上記第1方向の他方側において、上記筒状部材の先端に圧接された環状の第2面と、を有しており、
    上記カートリッジ装着部は、上記貫通孔に挿入されて上記蓋体を押圧することにより、上記貯留室内の印刷流体を導出する印刷流体供給管を備えており、
    上記印刷流体供給管は、上記第1位置の上記蓋体を、上記付勢部材の付勢力に抗して上記第2位置まで移動させる印刷流体供給装置。
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