JP2014213566A - 液体容器の組立方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体容器に充填された状態の液体に対する空気の溶存を防止することができる液体容器の組立方法を提供する。【解決手段】本発明は、可撓性を有し、インクが収容されるパック本体55と、パック本体55に収容されたインクを外部に流出させる流通路56aを有し、パック本体55に取り付けられる供給口57の内部に、流通路56aを開閉する弁本体64を含むシール部材59が設けられるスパウト56と、を備えたパウチパック52の組立方法であって、供給口57からパック本体55の内部にインクを充填する充填工程S2と、充填工程S2の後に、供給口57をシール部材59で封止する封止工程S3と、封止工程S3の後に、弁本体64を開弁して流通路56aからパック本体55に残存する空気を放出し、空気を放出した後に弁本体64を閉弁して流通路56aを閉塞する空気放出工程S4と、を備えている。【選択図】図11

Description

本発明は、インク等の液体を収容する液体容器の組立方法に関する。
インクパックの供給口を介して供給されたインクを記録ヘッドからインク滴として吐出することで用紙上に画像を形成するインクジェット式の画像形成装置が広く知られている。
例えば特許文献1には、インク補給口(供給口)の開口部に圧入固定されたバネ栓アセンブルを備えたインク補給容器が開示されている。バネ栓アセンブルは、バネ栓本体に開口したインク流出口の周縁部に栓をバネで押し付けて閉塞するようになっている。このインク補給容器のインク補給口が接続対象に接続されると、栓がバネの付勢力に抗して押し込まれ、空気およびインクが通過可能な広い通路が得られるようになっている。
また、例えば特許文献2には、インクが収容された本体(ハードケース)に取り付けられた大気連通バルブから大気圧を作用させ、インク供給バルブ(供給口)からインクを外部に流出させるインクカートリッジが開示されている。このインク供給バルブは、バルブ部材とスライダとの間に椀形状の第1バネを設けて一体に形成され、スライダを挟んで第1バネの反対側に配設された椀形状の第2バネと、各バネによりバルブ部材が押し付けられるシール部材と、により構成されている。このインク供給バルブにインクニードルが挿入されると、各バネが座屈し、バルブ部材とシール部材とが離間してインク流路が形成されるようになっている。
特開平09−156120号公報 特開2008−221685号公報
一般的に、インクを貯留する容器にインクを充填する際には、空気も同時に入り込むこととなる。また、インク充填前に既に容器内に存在する空気が、インク充填後も容器内に残ることがある。
例えば、一対の可撓性フィルムの間に供給口を設け、一対の可撓性フィルムの周囲を熱圧着して袋状に形成した液体容器が一般的に用いられている。このような液体容器では、可撓性フィルムの一部を熱圧着せずに開口させておき、この開口部分からインク等の液体を充填した後に、この開口部分を熱圧着して閉じていた。この場合、圧着しろを確保するために、液体容器の容量限度まで液体を満たすことはできず、液体充填後の液体容器内に空気が残存することが問題となっていた。
この他にも、特許文献1に記載の技術では、インク補給容器が接続対象に接続されると、インク補給口からインクが流出すると共にインク補給容器内に空気が流入してくる。このため、インクと空気とが接触し、インクに空気が溶存することとなる。例えば、このようなインクがインクジェットヘッドに供給されると、溶存した空気が気泡となり吐出不良が生じるという問題があった。また、空気が溶存したインクは金属製のバネを腐食させる虞があるため、バネの付勢力が低下し、インク流出口を適切に閉塞できなくなる虞もあった。
また、特許文献2に記載の技術では、接続対象との着脱の際に空気がインク供給バルブから本体内に流入することは防止することができるものの、ハードケース内に貯留されたインクを記録ヘッドに供給するには大気連通バルブを介して大気を導入しなければならなかった。このため、依然としてインクが空気に触れてしまうという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、液体容器に充填された状態の液体に対する空気の溶存を防止することができる液体容器の組立方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明の液体容器の組立方法は、可撓性を有し、液体が収容される液体収容本体と、該液体収容本体に収容された液体を外部に流出させる流通路を有し、前記液体収容本体に取り付けられる供給口の内部に、前記流通路を開閉する弁本体を含むシール部材が設けられるスパウトと、を備えた液体容器の組立方法であって、前記供給口から前記液体収容本体の内部に液体を充填する充填工程と、前記充填工程の後に、前記供給口を前記シール部材で封止する封止工程と、前記封止工程の後に、前記弁本体を開弁して前記流通路から前記液体収容本体に残存する空気を放出し、空気を放出した後に前記弁本体を閉弁して前記流通路を閉塞する空気放出工程と、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、液体を外部に流出させるための供給口を利用して液体収容本体に液体を充填することができる。このため、液体を充填させるために液体収容本体の一部を開口させ、液体充填後にこの開口を閉じるという作業工程を省略することができる。これにより、例えば、既製の供給口付きパウチパックを用いて、空気の流入を防ぎつつ供給口からの液体の充填作業を効率良く行うことができる。また、シール部材により供給口を封止した後に液体収容本体内に残存する空気を放出し、残存空気を除去した後に再び供給口を封止することができる。これにより、残存空気が除去された状態の液体容器を得ることができる。このため、液体収容本体内の残存空気が液体に溶け込むことを防止することができ、液体の変質等を抑制することができる。また、外部からの空気の流入も防止することができる。したがって、例えば、インクジェット式の記録ヘッドで液体を吐出する場合に、溶存空気の気泡化による吐出不良の発生を防止することができる。また、金属材料の腐食等も抑制することができる。
この場合、前記シール部材は、前記弁本体を含んで一体に形成された弁体ユニットを有し、前記弁体ユニットを組み立てる組立工程が、少なくとも前記封止工程に先立って実行されることが好ましい。
この構成によれば、弁本体が弁体ユニットとして一体化されており、また、液体収容本体の液体を封入する前に弁体ユニットが組み立てられている。このため、一体形成された弁体ユニットを含むシール部材を供給口に取り付けるだけで封止工程が完了する。これにより、封止工程、ひいては液体容器の組立を、簡単且つ迅速に実行することができる。
この場合、前記組立工程では、前記弁本体と、前記液体収容本体に収容された液体の外部への流出のみを許容可能に設けられる逆止弁と、を一体となるように前記弁体ユニットを組み立てることが好ましい。
この構成によれば、弁本体が流通路を閉塞した状態では、液体収容本体内からの液体の漏出や、外部からの空気の流入を防止することができる。また、逆止弁によって液体および空気が、外部から液体収容本体内に流入(逆流)することを防止することができる。これにより、空気放出工程において、弁本体を閉弁させる瞬間に外部から液体収容本体内に空気が入り込むことを防止することができる。
本発明によれば、液体容器に充填された状態の液体に対する空気の溶存を防止することができる。
本発明の一実施形態に係るプリンターを示す外観斜視図である。 本発明の一実施形態に係るプリンターの内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るプリンターの上部を示す斜視図であり、(a)はコンテナ装着部の装着カバーを閉じた状態を示し、(b)はコンテナ装着部の装着カバーを開いた状態を示している。 本発明の一実施形態に係るプリンターのコンテナ装着部を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るコンテナ装着部を示しており、(a)は接続機構部の斜視図であり、(b)は接続機構部にパウチパックを接続した状態の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る接続機構部とパウチパックのスパウトとの接続作用を説明する側断面図であり、(a)は接続前の状態を示し、(b)は接続後の状態を示している。 本発明の一実施形態に係るインクコンテナのコンテナケースおよびスパウトカバーを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るパウチパックのスパウトを示しており、(a)は後方からの見た斜視図であり、(b)は前方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係る供給口およびシール部材を示しており、(a)は分解斜視図であり、(b)は分解断面斜視図である。 本発明の一実施形態に係る供給口およびシール部材を示しており、(a)は前方からの見た断面斜視図であり、(b)は後方から見た断面斜視図である。 本発明の一実施形態に係るパウチパックの組立方法を示すフローチャートである。
まず、図1ないし図3を参照して、インクジェット式カラープリンター1(以下、「プリンター1」と略称する。)の全体の構成について説明する。図1は本実施形態に係るプリンター1を示す外観斜視図であり、図2はプリンター1の内部構造を模式的に示す断面図である。図3は、プリンター1の上部を示す斜視図であり、(a)はコンテナ装着部の装着カバーを閉じた状態を示し、(b)はコンテナ装着部の装着カバーを開いた状態を示している。なお、以下の説明では、図1に示す矢印Frおよび図2における紙面手前側をプリンター1の正面側(前側)として規定している。
図1および図2に示すように、プリンター1は、箱型形状のプリンター本体2を備えている。プリンター本体2の下部には用紙Pを収納する給紙カセット3が引出可能に収容されている。図1では複数の給紙カセット3が図示されているが、図2では、説明の便宜のため、1つの給紙カセット3のみを図示している。
プリンター本体2の上面には、中央付近に突起部4が形成され、突起部4の右側面には、画像形成後の用紙を排出するための排出口5が開口している。また、突起部4の右方には、排出された用紙を受けるための排紙トレイ6が設けられ、突起部4の前方には、タッチパネル式の操作パネル7が取り付けられている。プリンター本体2の右上部には、コンテナ装着部8が設けられ、コンテナ装着部8の前面には装着カバー9が開閉可能に備えられている(図3参照)。
図2に示すように、プリンター本体2の右側部には、用紙Pの搬送路10が形成されている。搬送路10の上流端部には給紙ローラー11が給紙カセット3の近傍に設けられ、給紙ローラー11の右方には、搬送ローラー12が設けられている。搬送路10の下流端部にはレジストローラー13が設けられている。
プリンター本体2の中央部には、昇降可能な搬送フレーム15に支持された搬送ユニット14が設けられている。搬送ユニット14は、搬送フレーム15の左上隅部で回転駆動される駆動ローラー16と、搬送フレーム15の右上隅部および中央下部でそれぞれ軸支される従動ローラー17およびテンションローラー18と、各ローラー16,17,18に巻き掛けられる無端状の搬送ベルト19と、搬送ベルト19に囲まれるように配置される吸気ダクト20と、を備えている。
搬送ベルト19の上面には、略水平な搬送面21が形成されている。搬送ベルト19および吸気ダクト20の上面には、多数の吸気孔(図示せず)が形成されている。そして、吸気ダクト20に接続された吸引ポンプ等の吸引手段(図示せず)を稼働させることで、多数の吸気孔を介して搬送面21上に吸引力が作用するようになっている。
搬送ユニット14の下方には、回転軸23に支持されるカム24を備えた左右一対の昇降手段22が設けられている。各昇降手段22は、回転軸23に接続されたモーター等の駆動手段(図示せず)を稼働して各カム24を回転させ、起立姿勢(図2の実線参照)と倒伏姿勢(図2の二点鎖線参照)との間で切り替わるように構成されている。各カム24は、起立姿勢を取ることで搬送フレーム15を持ち上げて搬送ユニット14を上昇させる一方、倒伏姿勢を取ることで搬送フレーム15への持ち上げを解除して搬送ユニット14を下降させる。
搬送ユニット14の上方には、用紙Pの搬送方向上流側(本実施形態では右側)から順に、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色に対応した4セットの記録ヘッド25(25K、25C、25M、25Y)が並設されている。各色の記録ヘッド25には、搬送ベルト19の搬送面21と対向するようにして、ノズル(図示せず)が設けられている。
図2および図3に示すように、プリンター本体2の右上部におけるコンテナ装着部8には、4つのインクコンテナ26(26K、26C、26M、26Y)が、前後方向に着脱可能に並設されている。4つのインクコンテナ26は、インク(液体)の色ごとに設けられており、用紙Pの搬送方向における上流側(本実施形態では右側)から順に、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインクを収容している。なお、以下、色を特定して説明する場合を除き、記録ヘッド25およびインクコンテナ26については算用数字のみの符号を付して説明する。
各インクコンテナ26は、サブコンテナ26aを経由して、インク供給チューブ26bにより各記録ヘッド25に接続されている。各インクコンテナ26に収容されたインクは、サブコンテナ26aに一旦貯留された後、各記録ヘッド25に供給されるようになっている。なお、サブコンテナ26aは、各色のインクに対応して設けられているが、図2では、ブラック(K)に対応するサブコンテナ26aのみを図示し、その他の色に対応するサブコンテナ26aおよびインク供給チューブ26bの図示は省略されている。
プリンター本体2の左上部には、乾燥装置28と、排出路29と、排出ローラー30と、を有する排出機構27が設けられている。排出路29は、乾燥装置28の左方に設けられ、上方に向かってプリンター本体2の突起部4へと延在している。排出ローラー30は、突起部4内において排出口5の近傍に設けられている。なお、乾燥装置28は省略されていてもよい。
次に、このような構成を備えたプリンター1の画像形成動作について説明する。
プリンター1が外部コンピューター等から画像データを受信すると、給紙カセット3内に収納された用紙Pが、給紙ローラー11によって搬送路10へと送り出される。搬送路10に送り出された用紙Pは、搬送ローラー12によって搬送路10の下流側へと搬送され、レジストローラー13によって搬送路10から搬送ベルト19の搬送面21へと送り出される。搬送面21へと送り出された用紙Pは、吸気ダクト20に接続された吸引手段の吸引力によって搬送面21に吸着される。
一方、各記録ヘッド25には各インクコンテナ26からインクが供給されており、画像データに基づいて、各記録ヘッド25のノズルからインクが吐出される。これにより、搬送面21に吸着された用紙P上にインク画像が形成される。インク画像が形成された用紙Pは、排出路29に向かう途中で乾燥装置28によりインクの乾燥が行われた後、排出路29を通って排出ローラー30を介して排出口5から排紙トレイ6上に排出される。
次に、図3ないし図6を参照して、コンテナ装着部8について説明する。図4は、本実施形態に係るプリンター1のコンテナ装着部8を示す斜視図である。図5は、コンテナ装着部8を示しており、(a)は接続機構部33の斜視図であり、(b)は接続機構部33にパウチパック52を接続した状態の斜視図である。図6は、接続機構部33とパウチパック52のスパウト56との接続作用を説明する側断面図であり、(a)は接続前の状態を示し、(b)は接続後の状態を示している。
コンテナ装着部8は、平板状の装着フレーム31と、装着フレーム31の前側において左右方向に等間隔に並設される4つの仕切板32と、装着フレーム31の後端部において左右方向に隣接して並設される4つの接続機構部33と、を備えている。
各仕切板32は、前後方向に延在し、装着フレーム31の左端部から右方向に向かって等間隔に立設され、各仕切板32により仕切られて4つの装着空間34が形成されている。各インクコンテナ26は、前後方向に沿って挿脱可能なように装着空間34に支持されるようになっている。なお、装着フレーム31の左前端部には、左端壁部35が突設されおり、装着フレーム31の前端部には、各コンテナ装着部32の前端部にあたる位置に、挿入ガイド36が設けられている。
図5(a)および図6(a)に示すように、各接続機構部33は、前後方向に開口した矩形筒状に形成される接続フレーム37と、接続フレーム37の内側で前後方向中央より後側に設けられた接続本体部38と、を有している。
接続本体部38は、接続フレーム37と一体形成されるガイド筒部40と、ガイド筒部40の軸心に前後方向に進退可能に支持されるニードル41と、ニードル41に対し前後方向に進退可能に支持される当接部42と、により構成されている。
ガイド筒部40は、前方に突出した中空の円筒状に形成され、正面視で接続フレーム37の内側中央に配設されている。ガイド筒部40の軸心後側には、インク供給チューブ26bの上流端を接続するためのチューブ接続部43が後方に向かって突設されている。
ニードル41は、中空の円筒状に概略形成されており、その前後方向略中央には径方向外側に突出したフランジ部44が形成されている。ニードル41は、フランジ部44よりも後側がガイド筒部40の軸心の中空部分に挿入されて前後方向に摺動可能に支持されている。また、フランジ部44とガイド筒部40との間には、ニードル41を前方に付勢するバネやゴム等の付勢部材45が設けられている。さらに、ニードル41の前端部には、前方から後方に向かって切り欠かれた4つの流通開口部46が、周方向に等間隔に形成されている。
当接部42は、後方が開放された円筒状に形成され、フランジ部44に対し、前後方向に摺動可能に支持されている。当接部42は、図示を省略する付勢手段(バネやゴム等)により前方に付勢されており、当接部42の後端に形成された爪部47がフランジ部44の縁部に係合することで前方への移動が規制されている。また、当接部42の前端面の軸心には、ニードル41の先端部が挿通する円孔48が形成されている。
次に、図4、図7および図8を参照して、インクコンテナ26について説明する。図7は、インクコンテナ26のコンテナケース50およびスパウトカバー51を示す斜視図である。図8は、パウチパック52のスパウト56を示しており、(a)は後方からの見た斜視図であり、(b)は前方から見た斜視図である。なお、4つのインクコンテナ26は同様の構成であるため、1つのインクコンテナ26に着目して説明する。
図4および図7に示すように、インクコンテナ26は、前後方向に長い直方体形状のコンテナケース50と、コンテナケース50の後部に装着されるスパウトカバー51と、コンテナケース50に内設されるパウチパック52と、を備えている。
コンテナケース50は、パウチパック52を収容可能な容積を有した中空の容器である。コンテナケース50の後端は開口しており、この開口からパウチパック52が挿入されるようになっている。一方、コンテナケース50の前端には把持部50aが設けられている(図3(b)も参照)。把持部50aは、その上下方向端面がコンテナケース50と同一面に形成され、コンテナケース50の前端面の左右方向中央部から前方に向かって延設されている。把持部50aには、左右方向に貫通して開口が形成されており、コンテナ装着部8に対するコンテナケース50の着脱を行う際に作業者が握ることができるようになっている。
図7に示すように、スパウトカバー51は、上下に2分割可能に形成されており、全体的に前後方向に短い直方体状に形成されている。なお、図7では、下側のスパウトカバー51を取り外した状態を示している。スパウトカバー51の前部には、コンテナケース50の後端部に係合する係合部51aが形成されている。また、スパウトカバー51の前端面の中央には、スパウト挿通穴53が穿設され、スパウトカバー51の後端面の中央には、円形状の接続導入穴54が穿設されている。なお、スパウトカバー51の上面にはRFIDタグ(図示せず)が固定されており、インクコンテナ26をコンテナ装着部8に装着した状態で、コンテナ装着部8に設けられたRFID検知基板(図示せず)とRFIDタグの間で無線通信を行えるようになっている。
図7および図8に示すように、液体容器としてのパウチパック52は、前後方向に長い袋状に形成され、インクが収容される液体収容本体としてのパック本体55と、パック本体55の先端に部分的に埋設され、パック本体55に収容されたインクを外部に流出させる流通路56a(図6参照)を有するスパウト56と、を備えている。
パウチパック52は、スパウト56を後方に向けた状態でコンテナケース50に収容されている。パウチパック52は、インクをパック本体55内に真空状態で封入可能に構成されており、パック本体55内のインクは、スパウト56から後方(流出方向)に向かって排出(流出)される。
パック本体55は、可撓性を有するフィルム材55aによって形成されている。このフィルム材55aは、樹脂とアルミニウムが積層形成されており、例えば、表面側から順に、ポリエステル(PET)、アルミニウム(AL)、ナイロン(PA)、低密度ポリエチレン(LLDPE)が積層されている。パック本体46の表面層をポリエステルとすることで、パウチパック52の強度が向上する。また、アルミニウムの層を形成することで、パウチパック52のガスバリア性(インクの保存性)が向上し、ナイロンの層を形成することで、パウチパック52の機械的強度および耐衝撃性が向上する。パック本体46の裏面(内面)層を低密度ポリエチレンとすることで、一対のフィルム材を溶着して袋状にする際の溶着強度が増し、シール性が向上する。
パック本体55は、平面視で前後方向に長い矩形状のフィルム材55aを2枚上下に重ねて、周囲を熱圧着(溶着)することにより袋状に形成されている。フィルム材55aの左右方向略中央には、上下一対のフィルム材55aの間に挟まれた状態でスパウト56が取り付けられている。
スパウト56は、パック本体55から露出した状態で設けられる供給口57と、供給口57の後方に一体形成され上下一対のフィルム材55aの間に封止される接合口58と、パック本体55に収容したインクを封入するためのシール部材59と、を備えている。
供給口57は、パック本体55内にインクを充填するための充填口を兼ねており、パック本体55にインクを充填した後にシール部材59により封入されるようになっている。
供給口57は、パック本体55の内部と外部とを連通させるように中空円筒状に形成されており、その後端部周面には、前後方向に並設された八角形状の一対の係合フランジ57aが径方向外側に延設されている。前後一対の係合フランジ57aの間には、上記したスパウトカバー51のスパウト挿通穴53の縁部が係合するようになっている(図7参照)。これにより、コンテナケース50に内設されたパウチパック52のスパウト56は、スパウト挿通穴53に保持された状態でスパウトカバー51内に臨むこととなる。また、後側の係合フランジ57aの更に後方には、径方向外側に僅かに突出した環状突起部57bが形成されている(図6(a)等参照)。また、後側の係合フランジ57aのやや後方において、供給口57の内部には内側段部57cが形成されている。供給口57の内径は、内側段部57cの前側が、後側よりも一回り小径に形成されている。
図8に示すように、接合口58は、中空円筒状に形成され、供給口57とパック本体55の内部とを連通させる接合円筒部58aと、接合円筒部58aの左右周面から径方向外側に延出して形成される一対の接合突出部58bと、により構成されている。各接合突出部58bは、接合円筒部58aから外側に向かうほど、上下方向に薄くなるように形成されている。これにより、上下一対のフィルム材55aで接合口58を挟み込んだときに、各フィルム材55aが極端に折れ曲がらないため、接合口58と各フィルム材とを確実に密着させることができる。つまり、パック本体55の液密性を確保することができる。
次に、図6、図9および図10を参照して、シール部材59について詳細に説明する。図9は、本実施形態に係る供給口57およびシール部材59を示しており、(a)は分解斜視図であり、(b)は分解断面斜視図である。図10は、供給口57およびシール部材59を示しており、(a)は前方からの見た断面斜視図であり、(b)は後方から見た断面斜視図である。なお、図10(a)では、コイルバネ63の図示を省略している。
シール部材59は、供給口57の内部に設けられる弁体ユニット60と、供給口57および弁体ユニット60の後端(インクの流出方向下流端)に取り付けられるキャップ61と、を備えている。
弁体ユニット60は、供給口57内の前側に設けられる台座62と、台座62に支持される弾性部材としてのコイルバネ63と、コイルバネ63によって後方に付勢される弁本体64と、台座62とコイルバネ63との間に設けられ、インクが外部に流出する場合にのみ開放される逆止弁65と、が一体となるように形成されている。
台座62は、供給口57の内径よりも小径となる中空円筒状に形成され、供給口57の内部に挿入されてパック本体55側に配設されている。台座62は、前後方向中央より前側に段部62aが形成され、段部62aの前側に位置する前側台座部66が、段部62aの後側に位置する後側台座部67よりも一回り小径に形成されている。なお、後側台座部67の後方は開放されている。
前側台座部66には、前後方向に延びた4つのリブ66aが、周方向に等間隔で周面に突設されている(図9(a)参照)。各リブ66aは、その径方向外端面が後側台座部67の外径と同一平面となるように突出している。後側台座部67の段部62a近傍には、前後方向に長い矩形状の4つの弁体係合孔67aが、リブ66aの形成位置と同様に周方向に穿設されている。
前側台座部66の内径は、後側台座部67の内径よりも僅かに小径に形成されている。前側台座部66の内部には、前端を閉塞するための凸壁面部66bと、凸壁面部66bの正面視中央で前方に向かって1段凹んだ凹壁面部66cと、が形成されている。凹壁面部66cには、周方向に等間隔に4つの突出部66dが突設されている。
また、台座62(前側台座部66)の内部には、インクの流出方向である前後方向に沿って支持軸部68が設けられており、支持軸部68の基部の近傍には4つの台座側供給孔69が形成されている(図10参照)。台座62は、各台座側供給孔69を有することにより、パック本体55内のインクを流出可能に形成されている。
詳細には、支持軸部68は、正面視で前側台座部66の凹壁面部66cの中央から後方に向かって延出し、各弁体係合孔67aよりもやや後方位置まで延設されている。また、支持軸部68は、正面視で十字状に形成されており、その先端部はテーパー状に形成されている(図9(b)および図10(a)参照)。なお、支持軸部68の十字の径方向先端部分は、それぞれ凹壁面部66cの各突出部66dに対向している。4つの台座側供給孔69は、凹壁面部66cに対し、周方向に等間隔に配置され、前後方向に貫通形成されている。各台座側供給孔69は、凹壁面部66cの円周に沿った細長い形状を成している(図10(b)参照)。
コイルバネ63は、弾性を有し、耐腐食性に優れた樹脂材料(例えば、ポリエステル、)を射出形成または押出形成によって加工したものが好ましい。なお、コイルバネ63は、少なくとも表面が樹脂で構成されているものが好ましい。例えば金属製のコイルバネ63の表面を樹脂でコーティングしたものでもよい。なお、コイルバネ63を形成(またはコーティング)する樹脂材料としては、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリメチルペンテン(POM)、ポリアミド(PA)またはポリプロピレン(PP)等を用いることができる。また、コイルバネ63は、樹脂製に限定されるものではなく、金属材料を用いて形成されていてもよい。例えば、コイルバネ63を耐食性に優れるSUS等により形成してもよい。
弁本体64は、前方が開放された円筒状に形成される弁体円筒部70と、弁体円筒部70の後端面に一体形成される弁体支持部71と、弁体支持部71に支持されるOリング72と、を有している。
弁体円筒部70は、後側台座部67の内部に挿入可能な外径に形成されている。また、弁体円筒部70の内径は、前側台座部66の内径と略同一に形成されている。弁体円筒部70には、後側台座部67の各弁体係合孔67aに係合する4つの係合片73が、周方向に等間隔に形成されている。各係合片73は、弁体円筒部70の前端から前後方向略中央まで切り込まれて舌状に形成され、後端部を支点として径方向に撓曲可能となっている。各係合片73の前端部には、各弁体係合孔67aに内側から入り込む係止爪74が径方向外側に突設されている。なお、各係合片73は、弁体円筒部70の前端より僅かに前方に延出している。
弁体支持部71は、後方が閉塞され、弁体円筒部70よりも小径となる中空円筒状に形成されている。弁体支持部71は、正面視で弁体円筒部70の後端面中央から後方に向かって突設されている。弁体支持部71の先端部には、面取りされたテーパー部75が形成され、テーパー部75の前側には、嵌合溝76が形成されている。また、弁体支持部71は、支持軸部68を挿入可能な内径に形成されている。
Oリング72は、耐油性、耐薬品性等に優れたゴム(例えば、フッ素ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)またはシリコンゴム等)で形成され、弁体支持部71の嵌合溝76に嵌合して支持されている。
逆止弁65は、略円形の薄いフィルム状の材料により形成されている。逆止弁65の中央には、十字状の軸挿通孔77が開口しており、この軸挿通孔77の十字の径方向先端に対向する位置には、円周外縁から内側に切り込まれた4つの切欠き部78が形成されている(図9参照)。
次に、弁体ユニット60の組立手順(以下、「組立工程S1」ともいう。)について説明する。
まず、作業者は、逆止弁65を台座62に取り付ける。具体的には、支持軸部68の後端部を軸挿通孔77に通し、逆止弁65を支持軸部68に沿って前方に向かって挿入する。支持軸部68の基部(前端部)まで押し込むと、前側台座部66の凹壁面部66c内において、逆止弁65の各切欠き部78が、凹壁面部66cの各突出部66dに係合する。これにより、逆止弁65は、軸周りの回転が規制された状態で、凹壁面部66c内に臨むこととなる。
続いて、作業者は、支持軸部68をコイルバネ63の軸心に通す。この状態で、コイルバネ63は、支持軸部68に巻回するように設けられ、コイルバネ63の前端は、前側台座部66の凸壁面部66b(各突出部66d)に当接している。
続いて、作業者は、弁本体64を台座62に取り付ける。具体的には、弁体円筒部70の各係合片73を内側に撓ませた状態で、弁本体64を後側台座部67の開放された後方から前方に向かって押し込んで行く。弁本体64の押し込みが進むと、コイルバネ63の後端が弁体円筒部70の内部端面に当接すると共に、支持軸部68の後端部が、弁体支持部71の内部に進入し始める。さらに、コイルバネ63の付勢力に抗して弁本体64の押し込みが進むと、各係合片73が、後側台座部67の各弁体係合孔67aに臨み始める。すると、各係合片73は、自らの弾性力(復元力)により外側に移動し、各係合片73の係止爪74が、各弁体係合孔67aの後端面に係合する。これにより、台座62、コイルバネ63、弁本体64および逆止弁65がワンユニットに構成され、組立工程S1が完了する(図6(a)参照)。
なお、弁体ユニット60が組み立てられた状態で、弁本体64は、コイルバネ63の付勢力により後方に押圧されているため、各係合片73の係止爪74は、各弁体係合孔67aの後端面に当接した状態が維持される。また、弁本体64は、後側台座部67の内周面および支持軸部68に対し、前後方向(インクの流出方向)に移動可能に支持されている。詳細には、弁本体64は、各弁体係合孔67aの前後方向の長さの範囲内で移動可能であり、弁本体64は、各係合片73の前端が、各弁体係合孔67aの前端面に当接すると共に、弁体支持部71の後端内面が、支持軸部68の後端面に当接することにより、前方への移動が規制される(図6(b)参照)。また、逆止弁65は、凹壁面部66cとコイルバネ63との間で、支持軸部68の基部に対し前後方向に摺動可能に支持されている(図6参照)。
次に、キャップ61について説明する。キャップ61は、後方が開放された円筒状の外観を有し、供給口57の外径よりも大径に形成されるキャップ本体80と、キャップ本体80と同一軸心上で、キャップ本体80の後端面から後方に向かって突出する円筒状の弁座筒部81と、を有している。
キャップ本体80の前端内側には、上記した供給口57の環状突起部57bに係止される環状フック部80aが形成されている。
弁座筒部81の外径は、後側台座部67の内径よりも小径に形成され、弁座筒部81の内径は、弁体支持部71の外径よりも大径に形成されている。また、弁座筒部81の内部には、供給口57に連通し、貫通孔82が形成されている。貫通孔82には、接続機構部33のニードル41が後方から挿し込まれるようになっている。弁座筒部81の前端内側には、面取りされた弁座83が形成されている。詳細は後述するが、この弁座83に対し、上記した弁本体64のOリング72が離接することで、貫通孔82が開閉されるようになっている。また、キャップ本体80と弁座筒部81との間の後端内面には、環状のキャップシール材84が設けられている。なお、キャップシール材84は省略されていてもよい。
次に、供給口57に対するキャップ61の取り付け(以下、「封止工程S3」ともいう。)について説明する。
まず、作業者は、弁体ユニット60を台座62側から供給口57に挿入した後、キャップ61を後方から供給口57に取り付ける。具体的には、作業者は、キャップ本体80の内部に供給口57を挿入すると共に、弁座筒部81(貫通孔82)の内部に弁本体64の弁体支持部71を挿入する。供給口57に対するキャップ61の押し込みが進むと、キャップ本体80の環状フック部80aが、供給口57の環状突起部57bに係合する。また、このとき、後側台座部67の後端面が、キャップ61のキャップシール材84に圧接した状態となると共に、弁本体64のOリング72が、キャップ61の弁座83に圧接した状態となる。なお、弁本体64は、コイルバネ63の付勢力に抗して僅かに前方に押し込まれている。また、台座62の段部62aが、供給口57の内側段部57cに当接することにより、弁体ユニット60は、前方への移動が規制されている。すなわち、弁体ユニット60は、内側段部57cとキャップ61との間に挟持された状態で供給口57の内部に保持されている。
以上により、供給口57に対するキャップ61の取り付けが完了する。この状態で、コイルバネ63の付勢力によりOリング72が、弁座83に押圧されており(閉弁状態)、パック本体55に収容されたインクが外部に漏れ出さないようになっている。
次に、図6を参照して、以上のように構成されたパウチパック52を収容したインクコンテナ26を、コンテナ装着部8に装着した際の、接続機構部33の接続本体部38と、パウチパック52のスパウト56との接続作用およびインクの流れについて説明する。
作業者は、コンテナ装着部8に対し、インクコンテナ26を、前方から後方に向かって挿入する。インクコンテナ26の後端部が接続機構部33まで到達すると、接続機構部33の接続本体部38が、接続導入穴54からスパウトカバー51内に進入し(図6(a)参照)、パウチパック52のスパウト56が、接続本体部38の当接部42に当接する(図5(b)参照)。なお、このとき弁体ユニット60は閉弁状態となっている。
図6(b)に示すように、インクコンテナ26の押し込みが進むと、当接部42が後方に押し込まれるため、相対的にニードル41が前方に移動する。相対的に移動したニードル41は、当接部42の円孔48から前方に突出する。当接部42の前方に突出したニードル41は、キャップ61の貫通孔82内に進入し、ニードル41の前端は、貫通孔82内に臨む弁体支持部71の後端に当接する。
さらに、インクコンテナ26の押し込みが進むと、ニードル41自身が付勢部材45の付勢力に抗して僅かに後方に移動すると共に、ニードル41が、弁本体64をコイルバネ63の付勢力に抗して相対的に前方に押し込んで行く。これにより、キャップ61の弁座83に密接していたOリング72が前方に移動し、弁座83とOリング72とが離間する。つまり、開弁状態となる。これにより、接続本体部38とスパウト56との接続が完了する。
このように開弁すると、パック本体55に収容されたインクは、パック本体55に常に作用している大気圧によって、スパウト56(供給口57)に向かって押し出される(インクの流出)。このインクの流出圧力によって、逆止弁65が、凹壁面部66cとコイルバネ63との間隙において、後方に移動し、各台座側供給孔69が開放される。
パック本体55に収容されたインクは、スパウト56内の流通路56aを通過して外部に流出する。詳細には、図6(b)の破線矢印で示すように、パック本体55から供給口57に流出したインクは、各台座側供給孔69から弁体ユニット60の内部に形成された流通路56aに流入し、弁座83とOリング72との間隙およびニードル41の各流通開口部46を通って、ニードル41の内部に流出する。そして、ニードル41の内部に導入されたインクは、ガイド筒部40のチューブ接続部43に接続されたインク供給チューブ26bを介してサブコンテナ26aへと流れて行く。すなわち、スパウト56およびニードル41を介してパック本体55と記録ヘッド25とが連通し、パック本体55内のインクが記録ヘッド25に供給されるようになっている。
なお、何らかの理由により、インクが貫通孔82から各台座側供給孔69に向かう方向に流れた場合、すなわち、インクが逆流した場合、逆止弁65が、凹壁面部66cとコイルバネ63との間隙において、逆流するインクの圧力により前方に移動し、各台座側供給孔69が閉塞される。これにより、適切にインクの逆流を防止することができる。すなわち、一旦流出して空気に接し、空気が溶存した虞のあるインクが再びパック本体55に戻されることを防止することができる。
次に、図11を参照して、パウチパック52の組立方法(手順)について説明する。図11は、本実施形態に係るパウチパック52の組立方法を示すフローチャートである。
パウチパック52の組立方法は、弁体ユニット60を組み立てる組立工程S1と、供給口57からパック本体55にインクを充填する充填工程S2と、パック本体55に収容したインクを封入するためのシール部材59(弁体ユニット60およびキャップ61)を供給口57に設ける封止工程S3と、シール部材59を設けた状態の供給口57からパック本体55内に残存する空気を放出する空気放出工程S4と、を備えている。
まず、組立工程S1において、弁体ユニット60を予め組み立てておく。なお、組立工程S1については、既に上述しているため、その詳細な説明は省略する。
次に、充填工程S2において、例えば、スパウト56の供給口57が上方を向くようにパウチパック52を起立姿勢とし、図示を省略するインクの補給タンクから延びるチューブを供給口57に挿し込む。そして、供給口57を介して、補給タンクからパック本体55にインクを流し込む。この際、供給口57の近傍までインクを充填する。好ましくは、続く封止工程S3において弁体ユニット60を供給口57に挿入した際にインクが溢れ出さない程度までインクを充填する。なお、通常、パック本体55内には僅かな空気が存在しており、その空気はインクの充填によりパック本体55内から外部に押し出されるが、インク充填後にも微量の空気がパック本体55内に残存している。
次に、封止工程S3では、パウチパック52を起立姿勢とした状態で、弁体ユニット60を供給口57の内部に挿入した後に、キャップ61を供給口57に取り付ける。なお、封止工程S3については、既に上述しているため、その詳細な説明は省略する。
次に、空気放出工程S4では、パウチパック52を起立姿勢とした状態で、弁本体64を開弁状態として、インクが充填されたパック本体55内に僅かに残存する空気を外部に放出する。具体的には、図示を省略する針状の部材(ここでは、「押圧針」と呼ぶ。)を、キャップ61の貫通孔82に挿入して下方に押圧することにより、弁本体64を下方(パック本体55側)に押し下げる。これにより、Oリング72が弁座83から離間(開弁状態)し、パック本体55内の空気が、僅かなインクと共に外部に放出される。
空気の放出が終了した(気泡を含むインクが流出しなくなった)後、押圧針を貫通孔82から引き抜くことにより、弁本体64がコイルバネ63の付勢力により上方に押し上げられ、Oリング72が弁座83に圧接する(閉弁状態)。以上により、パック本体55内から残存空気が排除され、パック本体55の内部にはインクのみが収容された状態となる。
なお、パウチパック52は供給口57を上方に向けた起立姿勢であるため、パック本体55内の空気は自然に供給口57に集められる。この状態で、弁本体64を開弁状態とすることにより、有効に空気を外部に放出することができる。なお、起立姿勢に限らず、パウチパック52の供給口57を斜め上方に向けてもよい。
以上の本実施形態に係るパウチパック52の組立方法によれば、インクを外部に流出させるための供給口57を利用してパック本体55にインクを充填することができる。このため、インクを充填させるためにパック本体55の一部を開口させ、インク充填後にこの開口を閉じるという作業工程を省略することができる。これにより、例えば、既製の供給口付きパックを用いて、空気の流入を防ぎつつ供給口57からのインクの充填作業を効率良く行うことができる。また、シール部材59(弁体ユニット60およびキャップ61)により供給口57を封止した後にパック本体55内に残存する空気を放出し、残存空気を除去した後に再び供給口57を封止することができる。これにより、残存空気が除去された状態のパウチパック52を得ることができる。このため、パック本体55内の残存空気がインクに溶け込むことを防止することができ、インクの変質等を抑制することができる。また、外部からの空気の流入も防止することができる。したがって、インクジェット式の記録ヘッド25でインクを吐出する場合に、溶存空気の気泡化による吐出不良の発生を防止することができる。また、インクに接触する金属材料の腐食等も抑制することができる。
また、本実施形態に係るパウチパック52の組立方法によれば、弁本体64が弁体ユニット60として一体化されており、また、パック本体55のインクを封入する前に弁体ユニット60が組み立てられている。このため、一体形成された弁体ユニット60を含むシール部材59を供給口57に取り付けるだけで封止工程S3が完了する。これにより、封止工程S3、ひいてはパウチパック52の組立を、簡単且つ迅速に実行することができる。
また、本実施形態に係るパウチパック52によれば、閉弁状態では、パック本体55内からのインクの漏出や、外部からの空気の流入を防止することができる。また、開弁状態では、パック本体55に作用する大気圧によりパック本体55が弾性変形し、インクが押し出される。したがって、インクを流出させるために、パック本体55内に空気を導入して加圧する必要がなく、パック本体55内のインクが空気と接触することを防ぐことができる。また、逆止弁65によってインクおよび空気が、外部からパック本体55内に流入(逆流)することを防止することができる。これにより、空気放出工程S4において、弁本体64を閉弁させる瞬間に外部からパック本体55内に空気が入り込むことを防止することができる。
なお、上記した本実施形態では、充填工程S2に先立って組立工程S1を実行していたが、例えば、組立工程S1を充填工程S2と並行して実行してもよいし、組立工程S1を充填工程S2と封止工程S3との間に実行してもよい。つまり、少なくとも(遅くとも)封止工程S3に先立って組立工程S1が実行されればよい。
なお、上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係るパウチパック52の組立方法における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。さらに、上記した本発明の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、且つ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
52 パウチパック(液体容器)
55 パック本体(液体収容本体)
56 スパウト
56a 流通路
57 供給口
59 シール部材
60 弁体ユニット
64 弁本体
65 逆止弁
82 貫通孔
S1 組立工程
S2 充填工程
S3 封止工程
S4 空気放出工程

Claims (3)

  1. 可撓性を有し、液体が収容される液体収容本体と、該液体収容本体に収容された液体を外部に流出させる流通路を有し、前記液体収容本体に取り付けられる供給口の内部に、前記流通路を開閉する弁本体を含むシール部材が設けられるスパウトと、を備えた液体容器の組立方法であって、
    前記供給口から前記液体収容本体の内部に液体を充填する充填工程と、
    前記充填工程の後に、前記供給口を前記シール部材で封止する封止工程と、
    前記封止工程の後に、前記弁本体を開弁して前記流通路から前記液体収容本体に残存する空気を放出し、空気を放出した後に前記弁本体を閉弁して前記流通路を閉塞する空気放出工程と、を備えていることを特徴とする液体容器の組立方法。
  2. 前記シール部材は、前記弁本体を含んで一体に形成された弁体ユニットを有し、
    前記弁体ユニットを組み立てる組立工程が、少なくとも前記封止工程に先立って実行されることを特徴とする請求項1に記載の液体容器の組立方法。
  3. 前記組立工程では、前記弁本体と、前記液体収容本体に収容された液体の外部への流出のみを許容可能に設けられる逆止弁と、を一体となるように前記弁体ユニットを組み立てることを特徴とする請求項2に記載の液体容器の組立方法。
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