JP2015150571A - 多電極片面サブマージアーク溶接方法、溶接物の製造方法 - Google Patents

多電極片面サブマージアーク溶接方法、溶接物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多電極片面サブマージアーク溶接で得られる裏波ビードの外観不良を低減する。【解決手段】溶接装置1は、第1ワイヤ110を用いた第1溶接ユニット10と、第2ワイヤ120を用いた第2溶接ユニット20と、第3ワイヤ130を用いた第3溶接ユニット30と、第4ワイヤ140を用いた第4溶接ユニット40によって、鋼板に片面サブマージアーク溶接を行う。このとき、第1溶接ユニット10では、第1送給装置11を用いて、第1ワイヤ110の送給速度を一定速度に制御するとともに、給電方式が交流且つ外部特性が定電圧特性に設定された第1溶接電源12を用いて、第1ワイヤ110に対する給電を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、多電極片面サブマージアーク溶接方法、溶接物の製造方法に関する。
消耗電極式アーク溶接法の一種として、粉状の金属や人工酸化物あるいは鉱物などで構成されるフラックスを鋼板に設けた開先の表面に散布するとともに、鋼板の開先に堆積させたフラックスの中で、送給されてくる電極ワイヤに電流を流して電極ワイヤからアークを発生させることで、電極ワイヤと鋼板とを溶融混合して一体化するサブマージアーク溶接法が知られている。このサブマージアーク溶接法は、被覆アーク溶接法、ティグアーク溶接法、ガスシールドアーク溶接法などの他のアーク溶接法に比べて、大電流が使えることで溶込みが深く、高能率という特長がある。
ここで、特許文献1には、サブマージアーク溶接法において、外部特性として垂下特性または定電流特性を有する溶接電源を用いて電極ワイヤに給電を行うとともに、溶接電圧設定信号と溶接電圧フィードバック信号との差の信号の大きさによって電極ワイヤ送給速度を制御することが記載されている。
また、引用文献2には、開先に沿って電極ワイヤを複数並べて配置するとともに、鋼板の裏面側に裏当材を配置することにより、鋼板の表面側から裏面側までを、複数の電極ワイヤを用いて1回の走行で溶接する多電極片面サブマージアーク溶接法が記載されている。この多電極片面サブマージ溶接法は、鋼板の全厚を1回の走行(これを1ランと呼ぶ)で完全溶込み施工でき、鋼板を反転させる必要がないことから、造船や橋梁などの分野で広く活用されている。
特開2000−117442号公報 特開2007−268551号公報
上述した多電極片面サブマージアーク溶接では、複数の電極ワイヤのうち、主として、鋼板に対し最初に溶接を行う電極ワイヤ(先行極)によって、鋼板の裏面側に裏波ビードが形成される。
しかしながら、先行極の電極ワイヤに対し、垂下特性または定電流特性を有する溶接電源を用いて給電を行うとともに、アーク電圧に基づいて送給速度をフィードバック制御する構成を採用した場合に、得られる裏波ビードに外観不良が生じることがあった。
本発明は、多電極片面サブマージアーク溶接で得られる裏波ビードの外観不良を低減することを目的とする。
本発明は、先行極と当該先行極に続く後行極とを用いた多電極片面サブマージアーク溶接方法であって、前記先行極および前記後行極では、それぞれ、直径2.4mm以上のワイヤを用い、それぞれのワイヤに給電を行う電源の給電方式および外部特性と、それぞれのワイヤの送給速度の速度制御方式とが、前記先行極では、前記給電方式が交流、前記外部特性が定電圧特性、前記速度制御方式が一定速度制御に設定され、前記後行極では、
(a)前記給電方式が直流、前記外部特性が定電圧特性、前記速度制御方式が一定速度制御
(b)前記給電方式が交流、前記外部特性が定電圧特性、前記速度制御方式が一定速度制御
(c)前記給電方式が交流、前記外部特性が定電流特性、前記速度制御方式がアーク電圧に基づく電圧フィードバック制御
(d)前記給電方式が交流、前記外部特性が垂下特性、前記速度制御方式がアーク電圧に基づく電圧フィードバック制御
(e)前記給電方式が直流、前記外部特性が定電流特性、前記速度制御方式がアーク電圧に基づく電圧フィードバック制御
のいずれかに設定されることを特徴とする。
このような多電極片面サブマージアーク溶接方法において、前記後行極は、前記先行極に続く複数の電極を含んで構成され、前記後行極を構成する前記複数の電極のそれぞれでは、前記給電方式、前記外部特性および前記速度制御方式が前記(a)乃至前記(e)のいずれかに設定されることを特徴とすることができる。
また、前記後行極を構成する前記複数の電極のうち、前記先行極から見て最も後側に位置する最終極では、前記給電方式、前記外部特性および前記速度制御方式が前記(c)または前記(d)に設定されることを特徴とすることができる。
さらに、前記定電圧特性を有する前記電源を用いる場合に、動作点における電流に対する電圧の傾きである微分値dV/dIが−12.0×10−3(V/A)以上であることを特徴とすることができる。
さらにまた、前記定電流特性または前記垂下特性を有する前記電源を用いる場合に、動作点における電流に対する電圧の傾きである微分値dV/dIが−24.0×10−3(V/A)以下であることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明は、先行極と当該先行極に続く後行極とを用いた片面サブマージアーク溶接にて、母材を溶接してなる溶接物の製造方法であって、前記先行極および前記後行極では、それぞれ、直径2.4mm以上のワイヤを用い、それぞれのワイヤに給電を行う電源の給電方式および外部特性と、それぞれのワイヤの送給速度の速度制御方式とが、前記先行極では、前記給電方式が交流、前記外部特性が定電圧特性、前記速度制御方式が一定速度制御に設定され、前記後行極では、
(a)前記給電方式が直流、前記外部特性が定電圧特性、前記速度制御方式が一定速度制御
(b)前記給電方式が交流、前記外部特性が定電圧特性、前記速度制御方式が一定速度制御
(c)前記給電方式が交流、前記外部特性が定電流特性、前記速度制御方式がアーク電圧に基づく電圧フィードバック制御
(d)前記給電方式が交流、前記外部特性が垂下特性、前記速度制御方式がアーク電圧に基づく電圧フィードバック制御
(e)前記給電方式が直流、前記外部特性が定電流特性、前記速度制御方式がアーク電圧に基づく電圧フィードバック制御
のいずれかに設定されることを特徴とする。
本発明によれば、多電極片面サブマージアーク溶接で得られる裏波ビードの外観不良を低減することができる。
本発明の実施の形態に係る溶接装置の概略構成を示す図である。 第1溶接ユニット〜第4溶接ユニットのそれぞれにおける溶接電源および送給装置の構成を説明するための図である。 (a)〜(c)は、溶接電源の外部特性を説明するための図である。 第1実施例および第1比較例における実験装置の構成を説明するための図である。 第2実施例および第2比較例における実験装置の構成を説明するための図である。 第3実施例および第3比較例における実験装置の構成を説明するための図である。 (a)は第1実施例および第1比較例における各鋼板および開先の寸法を、(b)は第2実施例および第2比較例における各鋼板および開先の寸法を、(c)は第3実施例および第3比較例における各鋼板および開先の寸法を、それぞれ説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る溶接装置1の概略構成を示す図である。この溶接装置1は、4つの電極(ワイヤ)を用いて、鋼板からなるワーク(図示せず)に片面サブマージアーク溶接(4電極片面サブマージアーク溶接)を行うものである。
溶接装置1は、第1ワイヤ110を用いて溶接を行う第1溶接ユニット10と、第2ワイヤ120を用いて溶接を行う第2溶接ユニット20と、第3ワイヤ130を用いて溶接を行う第3溶接ユニット30と、第4ワイヤ140を用いて溶接を行う第4溶接ユニット40とを備えている。また、溶接装置1は、第1溶接ユニット10〜第4溶接ユニット40を搭載するとともに図中右側から左側に向かう移動方向Aに沿って走行する台車90と、台車90を駆動する台車駆動装置50と、第1溶接ユニット10〜第4溶接ユニット40および台車駆動装置50の動作を制御する制御装置60とを備えている。さらに、溶接装置1は、内部に表フラックス(図示せず)を収容するとともに図中下方に向けて表フラックスを供給する第1フラックス供給装置70および第2フラックス供給装置80を備える。なお、この例では、制御装置60、第1フラックス供給装置70および第2フラックス供給装置80も、台車90に搭載されている。
これらのうち、第1溶接ユニット10は、図中上方から下方に向かう供給方向Bに沿って第1ワイヤ110を送給する第1送給ローラ11aを備えた第1送給装置11と、送給されてくる第1ワイヤ110に接触して溶接電流(第1溶接電流)を供給する第1コンタクトチップ12aと接続された第1溶接電源12とを有する。また、第1溶接ユニット10は、第1ワイヤ110が巻き回されるとともに第1ワイヤ110の供給元となるリール(図示せず)をさらに備える。
また、第2溶接ユニット20は、図中上方から下方に向かう供給方向Bに沿って第2ワイヤ120を送給する第2送給ローラ21aを備えた第2送給装置21と、送給されてくる第2ワイヤ120に接触して溶接電流(第2溶接電流)を供給する第2コンタクトチップ22aと接続された第2溶接電源22とを有する。また、第2溶接ユニット20は、第2ワイヤ120が巻き回されるとともに第2ワイヤ120の供給元となるリール(図示せず)をさらに備える。
さらに、第3溶接ユニット30は、図中上方から下方に向かう供給方向Bに沿って第3ワイヤ130を送給する第3送給ローラ31aを備えた第3送給装置31と、送給されてくる第3ワイヤ130に接触して溶接電流(第3溶接電流)を供給する第3コンタクトチップ32aと接続された第3溶接電源32とを有する。また、第3溶接ユニット30は、第3ワイヤ130が巻き回されるとともに第3ワイヤ130の供給元となるリール(図示せず)をさらに備える。
さらにまた、第4溶接ユニット40は、図中上方から下方に向かう供給方向Bに沿って第4ワイヤ140を送給する第4送給ローラ41aを備えた第4送給装置41と、送給されてくる第4ワイヤ140に接触して溶接電流(第4溶接電流)を供給する第4コンタクトチップ42aと接続された第4溶接電源42とを有する。また、第4溶接ユニット40は、第4ワイヤ140が巻き回されるとともに第4ワイヤ140の供給元となるリール(図示せず)をさらに備える。
なお、本実施の形態の溶接装置1においては、台車90に第1溶接電源12、第2溶接電源22、第3溶接電源32および第4溶接電源42を搭載し、台車90とともにこれら第1溶接電源12〜第4溶接電源42を走行させるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、これら第1溶接電源12〜第4溶接電源42を台車90の外部に固定して配置し、ケーブル等を用いて第1溶接電源12〜第4溶接電源42と台車90上の各構成要素とを接続するようにしてもかまわない。
また、第1フラックス供給装置70は、内部に収容した表フラックスを図中下方に向けて供給する第1フラックス供給口70aを備えている。そして、第1フラックス供給装置70による表フラックスの供給量は、第1フラックス供給装置70に設けられたバルブ(図示せず)によって調整される。
さらに、第2フラックス供給装置80は、内部に収容した表フラックスを図中下方に向けて供給する第2フラックス供給口80aを備えている。そして、第2フラックス供給装置80による表フラックスの供給量は、第2フラックス供給装置80に設けられたバルブ(図示せず)によって調整される。
この溶接装置1では、移動方向Aからみて、最下流側に1電極目となる第1ワイヤ110が、第1ワイヤ110よりも上流側に2電極目となる第2ワイヤ120が、第2ワイヤ120よりも上流側に3電極目となる第3ワイヤ130が、第3ワイヤ130よりも下流側且つ最上流側に4電極目となる第4ワイヤ140が、それぞれ配置されている。また、この溶接装置1において、第1フラックス供給装置70は移動方向Aからみて第1ワイヤ110よりも下流側に、第2フラックス供給装置80は移動方向Aからみて第2ワイヤ120よりも上流側且つ第3ワイヤ130よりも下流側に、それぞれ配置されている。そして、溶接装置1を図中上方からみたときに、第1フラックス供給口70a、第1ワイヤ110、第2ワイヤ120、第2フラックス供給口80a、第3ワイヤ130および第4ワイヤ140は、移動方向Aに沿う直線に沿って、この順に並べられている。
また、この溶接装置1では、第1ワイヤ110〜第4ワイヤ140として、それぞれの直径が2.4mm以上且つ6.4mm以下のものを用いている。ここで、第1ワイヤ110〜第4ワイヤ140は、4つすべてが同じ直径であってもよいし、3つを同じ直径とする一方で1つを異なる直径としてもよいし、2つを同じ直径とする一方で2つを別の同じ直径としてもよいし、4つすべてを異なる直径としてもよい。
さらに、この溶接装置1で用いる第1ワイヤ110〜第4ワイヤ140は、それぞれ、基本的にフラックスを有しないソリッドワイヤで構成される。ただし、これらのうちの1つ以上をフラックス入りワイヤで構成してもかまわない。
なお、以下の説明では、第1ワイヤ110を含む第1溶接ユニット10を「先行極」、と称することがある。また、第2ワイヤ120を含む第2溶接ユニット20、第3ワイヤ130を含む第3溶接ユニット30および第4ワイヤ140を含む第4溶接ユニット40を「後行極」、と総称することがある。さらに、第2ワイヤ120を含む第2溶接ユニット20を「第1中間極」、第3ワイヤ130を含む第3溶接ユニット30を「第2中間極」、第4ワイヤ140を含む第4溶接ユニット40を「最終極」、と称することがある。
図2は、溶接装置1を構成する第1溶接ユニット10〜第4溶接ユニット40のそれぞれにおける溶接電源(第1溶接電源12〜第4溶接電源42)および送給装置(第1送給装置11〜第4送給装置41)の構成を説明するための図である。ここで、図2は、各溶接ユニットと、各溶接電源における給電方式および外部特性と、各送給装置におけるワイヤ速度制御方式との関係を示している。
まず、第1溶接ユニット10について説明を行う。
第1溶接ユニット10を構成する第1溶接電源12は、給電方式としてAC(Alternating Current)を採用した交流電源であり、その外部特性は定電圧特性である。また、第1送給装置11は、ワイヤ速度制御方式として、第1ワイヤ110を一定速度で送給する定速制御を行う。
次に、第2溶接ユニット20について説明を行う。本実施の形態において、第2溶接ユニット20は、以下に説明する5つの組み合わせ(第1構成〜第5構成)のうちのいずれか1つによって構成される。
(a)第1構成
第1構成における第2溶接電源22は、給電方式としてDC(Direct Current)を採用した直流電源であり、その外部特性は定電圧特性である。また、第1構成における第2送給装置21は、ワイヤ速度制御方式として、第2ワイヤ120を一定速度で送給する定速制御を行う。
(b)第2構成
第2構成における第2溶接電源22は、給電方式としてACを採用した交流電源であり、その外部特性は定電圧特性である。また、第2構成における第2送給装置21は、ワイヤ速度制御方式として、第2ワイヤ120を一定速度で送給する定速制御を行う。このように、第2構成は、第1溶接ユニット10と同じ組み合わせとなっている。
(c)第3構成
第3構成における第2溶接電源22は、給電方式としてACを採用した交流電源であり、その外部特性は定電流特性である。また、第3構成における第2送給装置21は、ワイヤ速度制御方式として、アーク電圧に基づくフィードバック制御によって第2ワイヤ120を逐次適切な速度で送給する電圧FB(Feed Back)変速制御を行う。
(d)第4構成
第4構成における第2溶接電源22は、給電方式としてACを採用した交流電源であり、その外部特性は垂下特性である。また、第4構成における第2送給装置21は、ワイヤ速度制御方式として、アーク電圧に基づくフィードバック制御によって第2ワイヤ120を逐次適切な速度で送給する電圧FB変速制御を行う。
(e)第5構成
第5構成における第2溶接電源22は、給電方式としてDCを採用した直流電源であり、その外部特性は定電流特性である。また、第5構成における第2送給装置21は、ワイヤ速度制御方式として、アーク電圧に基づくフィードバック制御によって第2ワイヤ120を逐次適切な速度で送給する電圧FB変速制御を行う。
また、第3溶接ユニット30および第4溶接ユニット40については、第2溶接ユニット20と同じく、上述した第1構成(a)〜第5構成(e)のうちの、いずれか1つによって構成することができる。ここで、第2溶接ユニット20、第3溶接ユニット30および第4溶接ユニット40は、3つすべてを同じ構成としてもよいし、2つを同じ構成とする一方で1つを異なる構成としてもよいし、3つすべてをそれぞれ異なる構成としてもよい。
なお、第1ワイヤ110〜第4ワイヤ140の送給速度は、台車90の移動方向Aへの移動速度(溶接速度)に基づいて決めることができる。例えば定速制御の場合には、溶接速度に基づいて送給速度の基準値を作業者が決め、この送給速度の基準値を維持するように定速制御を行う。また、例えば電圧FB変速制御の場合には、溶接速度を基準として送給速度の基準値を作業者が決め、送給速度の基準値に対し、アーク電圧をフィードバックさせて変速制御を行う。
次に、上述した各溶接電源の外部特性について説明を行う。
図3は、溶接電源の外部特性を説明するための図である。ここで、図3(a)は定電圧特性を、図3(b)は定電流特性を、図3(c)は垂下特性を、それぞれ例示している。また、図3(a)〜(c)のそれぞれにおいて、横軸は出力電流I(A)であり、縦軸は出力電圧V(V)である。溶接電源に入力される電流または電圧の指示に応じて外部特性曲線は移動(変化)する。図3(a)には4段階の指示電圧に対応する外部特性曲線を、また、図3(b)〜(c)には4段階の指示電流に対応する外部特性曲線を、それぞれ例示している。なお、溶接電源の場合、出力電流Iは溶接電流に対応し、出力電圧Vはアーク電圧にその他の電圧ロス要因(ケーブル内消費、接点抵抗等)を加えた合計値に対応する。
まず、図3(a)に示す定電圧特性について説明を行う。
定電圧特性の場合、出力電流Iの変動に対して出力電圧Vの変動が小さくなっている。
次に、図3(b)に示す定電流特性について説明を行う。
定電流特性の場合、出力電流Iの変動に対して出力電圧Vの変動が大きくなっている。これを逆の観点からみれば、定電流特性では、出力電圧Vが大きく変動しても出力電流Iの変動は小さいということになる。
続いて、図3(c)に示す垂下特性について説明を行う。
垂下特性の場合、定電流特性の場合と同様に、出力電流Iの変動に対して出力電圧Vの変動が大きくなっている。ただし、垂下特性の場合は、定電流特性の場合に比べて、出力電圧Vの変動は緩やかであり、かつ電流値によって変化する。
ここで、図3(a)〜(c)には、それぞれの外部特性とともに、アーク長Lのアークを発生させるためのアーク特性も示している。それぞれにおいて、いずれかの外部特性の曲線とアーク特性の曲線との交点が、目的とするアーク長Lのアークを発生させる動作点P(特定の出力電流Iおよびこれに対応する特定の出力電圧V)となる。なお、以下の説明では、目的とするアーク長Lのアークを発生させるための動作点Pにおける、電流に対する電圧の傾きを微分値dV/dIと呼ぶ。
ここで、垂下特性や定電流特性を有する溶接電源は、溶込み深さの変動が少ないとされており、サブマージアーク溶接には好適とされている。ただし、垂下特性や定電流特性を有する溶接電源ではアーク電圧が変化しやすいことから、電圧FB変速制御によるワイヤの送給と組み合わせることが一般的である。垂下特性や定電流特性を有する溶接電源と電圧FB変速制御とを組み合わせた場合には、アーク長Lが短くなれば、アーク電圧の低下に応じてワイヤの送給速度を下げることでアーク長Lが元の長さに戻り、一方、アーク長Lが長くなれば、アーク電圧の上昇に応じてワイヤの送給速度を上げることでアーク長Lが元の長さに戻る、ということになる。
一方、定電圧特性を有する溶接電源は、細径のワイヤを用いるマグ溶接やミグ溶接には好適とされている。また、定電圧特性を有する溶接電源は、直径2.0mm以下のワイヤを用いたサブマージアーク溶接に用いられることもある。ただし、定電圧特性を有する溶接電源では溶接電流が変化しやすいことから、定速制御によるワイヤの送給と組み合わせることが一般的である。定電圧特性を有する溶接電源と定速制御とを組み合わせた場合には、アーク長Lが短くなれば、溶接電流が自動的に大きくなることでアーク長Lが元の長さに戻り、一方、アーク長が長くなれば、溶接電流が自動的に小さくなることでアーク長Lが元の長さに戻る、ということになる。
ではここで、本実施の形態の多電極片面サブマージアーク溶接方法における溶接条件の特徴について説明を行っておく。
<各ワイヤの直径について>
片面サブマージアーク溶接法では、強いアーク力で開先を溶かし、裏波ビードを形成する必要がある。ただし単に溶接電流が高ければ良いというものでなく、高速送給でワイヤを沢山溶かすとアーク直下に湯溜まりが形成されてしまい、自らアーク力を緩衝させてしまい、溶込みを小さくしてしまう。したがって、溶接電流は高くするが、ワイヤ溶融量は多くしないのが望ましく、この条件を適えるのは電流密度(A/mm)の低い条件、すなわちワイヤ径を太くするとともに、ワイヤを低速で送給することが好適である。ガスシールドアーク溶接では一般的に直径1.6mm以下となる細径のワイヤが用いられるが、片面サブマージアーク溶接用としては、直径2.4mm以上のワイヤが好適である。さらに望ましくは直径3.2mm以上、さらには直径4.8mm以上のワイヤを用いることが望ましい。上限を設ける技術的制限は特にないが、ワイヤの送給性や切断性の点から直径6.4mm以下までが実用的である。
<電極の数について>
先行極は開先を深く溶かして、溶融池および裏波ビードを形成する役目があり、溶接条件はこの役割に特化するため、例え母材の板厚が薄くて、溶融池が母材の表面に達したとしても、単電極では表ビード外観が良好とならない。これに対し、最終極は主に表ビードの外観を整えるための役割を持つため、先行極とは異なる溶接条件となる。このように片面サブマージアーク溶接では役割分担をする必要があることから、2本以上のワイヤを用いた複数電極化が必須である。一般的には、鋼板の板厚が厚くなるにつれてワイヤの数は増える。電極の数に上限を設ける技術的制限は特にないが、片面溶接用としては、例えば図1に示す4電極システムまで実用化されている。
それぞれの極間には適度な間隔が設けられる。板厚や溶接速度、用いる溶接機やワイヤ送給の各種制御によって一概ではなく、適宜調整されるものである。なお、極間によってはフラックスの供給口(図1に示す第1フラックス供給口70aや第2フラックス供給口80a)が設けられる場合もある。
<先行極におけるワイヤ速度制御方式、外部特性および給電方式について>
[先行極におけるワイヤ速度制御方式について]
多電極片面サブマージアーク溶接において、先行極は、主として裏波ビードを形成するために用いられる。本発明者らは、裏波溶接では溶込みの駆動力が顕著に裏波品質に影響を及ぼし、裏波ビードの過剰あるいは裏波不足になりやすいことを見いだした。そして、本発明者らは溶込みの駆動力について実験を重ね、一般的な継手では電流および電圧因子で正しいが、片面溶接ではこれらではなく、ワイヤの送給速度が最も影響度が大きいことを見いだした。
すなわち、ワイヤの送給速度が過剰であれば、ワイヤは鋼板裏面に表面張力主体で支えられている溶融池を容易に押し下げ、過剰裏波を形成する。さらに送給速度が速ければワイヤが溶融池を突き破ってしまうこともある。
逆にワイヤの送給速度が不足すれば、溶融池は鋼板裏面から押されることなく、裏波不足になる。これらの現象は理論上、不可避的に生じるアーク長Lの変化に対し、タイムロスなしにワイヤの送給速度が反応し、アーク長Lを元に戻すことが出来れば生じないはずである。しかしながら、実際にはワイヤを送給するワイヤモータは工業製品であり、反応にはある程度の遅延が生じる。この反応時間の遅延に対し、裏波ビードの高さは堅牢な性質を有しておらず、容易にその変化の影響を受けてしまうのである。
この問題を鑑み、裏波溶接を形成するに影響を及ぼす先行極には、電流や電圧が変化しても送給速度には影響を及ぼさず、送給速度一定とする制御(定速制御)が望ましいことを明らかにした。上述したとおり、これまで太径サブマージアーク溶接ではワイヤ送給一定制御は従来不適とされている制御法である。この理由としては、太径ワイヤは全断面が一様に溶融し難く、結果としてワイヤ溶融速度が不安定化し、ひいてはアーク長Lの安定化も期待できないからである。しかしながら、片面溶接で裏波ビードを形成する場合に限っては、むしろアーク長Lの安定化よりも送給速度安定化のほうが、形状安定化効果が高い。
[先行極における外部特性について]
次に、先行極の外部特性であるが、従来技術としては垂下特性が常識的である。垂下特性は上述のとおり、電圧値の変動に対して電流値の変動が小さい。構造がシンプルで安価、メンテナンスが容易な溶接機構造として、エレクトロニクス素子を用いず、漏洩リアクタンスを利用した鉄芯可動式溶接機が旧来から用いられているが、この方式では垂下特性しか作れなかったという時代的な事情もある。
電流値が溶込み深さに最も影響を及ぼす非裏波溶接への適用においては溶込み安定化に有効である一方、裏波溶接における裏波ビードの形状安定化には、電流値の変動は影響因子として上位ではない。一方、アーク長Lも送給速度の変動に比べると裏波安定化への影響は大きくないものの、過剰にアーク長Lが急変した場合は悪影響をもたらす。例えばアーク長Lがゼロ、すなわちアークが消失すると溶接自体が止まってしまう、あるいは再点弧の際に爆発的にアークが発生するので、その力で裏波ビードを正常に形成できなくなる。一方、アーク長Lが過剰になると、やはりアークが維持出来ず直後にアークが消失したり、単位面積当たりのアーク力が減ったりして裏波ビードを形成できなくなる。
さらに、溶接ビード形状の不整、磁気吹きの影響を受けた蛇行、母材をえぐってしまうアンダカットといった欠陥発生をもたらす。つまりアーク長Lの安定化制御は必要である。
裏波安定化のために送給速度一定を前提とすると、アーク長Lを安定化させる手段として送給速度制御以外の制御対象が必要となる。消耗電極式溶接ワイヤの溶融速度は式(1)で表されることが知られており、二乗となっている電流値(溶接電流I)が最も影響度が大きいことが示唆される。
Mw=K1・I+K2・I・ρ・L …(1)
Mw:ワイヤ溶融速度
I:溶接電流
ρ:電気抵抗率
L:ワイヤ突出し長さ
K1、K2:定数
これより、送給速度一定を前提としてアーク長Lを安定化させる手段としては、溶接電流Iを積極的に変化させることが効果的となる。例えば、アーク長Lが短くなれば溶接電流Iを急上昇させることでワイヤ溶融速度Mwが低下し、アーク長Lは元に戻る。一方、アーク長Lが長くなれば電流を急低下させることでワイヤ溶融速度Mwが上昇し、やはりアーク長Lは戻るのである。この現象は一般的にアーク長の自己制御作用と呼ばれている。アーク長の自己制御作用には電流の急峻な変化が必要であり、これを実現する外部特性は定電圧特性だけである。したがって、裏波溶接を安定化するために必要なワイヤ送給速度一定を実現するため、間接的因子として、先行極に対応する溶接電源の外部特性が定電圧特性である必要がある。
このような『ワイヤ速度制御:定速』および『外部特性:定電圧特性』の組合せは、直径1.6mm以下の細いワイヤによるガスシールドアーク溶接法で用いられている。これは、ワイヤが細いゆえに溶融性が優れるため、アーク長の自己制御作用が非常に有効となるからである。しかしながら、直径2.4mm以上となるワイヤでは、これよりも細いワイヤに比べて溶融性が劣るため、非片面溶接に用いるとアーク長の自己制御作用は俊敏には作用せず、アークおよびビード形状不安定をもたらすのである。
[先行極における給電方式について]
続いて、先行極の給電方式であるが、片面溶接の先行極には交流が必須である。多電極片面サブマージアーク溶接では各極の電流が高いので、電流の供給に伴って電流経路の周囲に強い磁場が発生する。各極の距離が近いと磁場の相互作用、いわゆるアーク相互干渉を起こしたり、配電や母材に起因した磁気吹きによる磁力が発生したりするので、アークに不安定化をもたらす。これは磁場方向が固定となる直流で顕著であり、交流を用いれば方向性がなくなるので、アークへの悪影響は大幅に低減される。したがって、全電極について交流が望ましいが、最低限、裏波ビードを形成する先行極については交流が必須となる。
以上のような理由により、先行極は、『ワイヤ速度制御:定速』、『外部特性:定電圧特性』および『給電方式:交流』、の組み合わせを採用している。
なお、現在最も普及している大電流サブマージアーク溶接機は、安価な鉄芯稼働式による交流機である。この方式では必然的に外部特性は垂下特性となる。本発明では、先行極は交流機という点で従来と共通であるが、外部特性が定電圧特性である点が異なる。この組合せは一般的な鉄芯稼働式では得ることが出来ない。定電圧特性を得るためには、サイリスタやインバータのようなエレクトロニクス素子を使った回路設計とすることで生成可能となる。あるいは最大電流容量の大きな鉄芯稼働式の低電流域側のみを用いることで実用域の定電圧特性を得る特殊手段もある。
<後行極におけるワイヤ速度制御方式、外部特性および給電方式について>
多電極片面サブマージアーク溶接では視認することが出来ないものの、鋼板上に堆積した表フラックスの中で形成されている溶融池は、基本的にすべてのワイヤの溶融金属が繋がったワンプールと呼ばれる長大な液体金属である。上述したとおり、先行極が裏波ビードの形状に対して最大の影響度を有するが、ワンプールであれば、影響度としては相対的に小さくなるものの、後行極もまた裏波ビードの形状に影響を及ぼすことになる。例えば、先行極となる1電極目で良好な形状の液体状態の裏波ビードを形成できたとしても、後行極となる2電極目以降で1電極目が形成した溶融池を裏面側に押し出すように作用すれば、最終的な凝固状態の裏波ビードは不整なものとなる。したがって、2電極目以降にも先行極と同じ、『ワイヤ速度制御:定速』および『外部特性:定電圧特性』を適用することができる。ここで、給電方式は先行極と同じく交流が望ましいが、2電極目以降における極性の影響度は、1電極目に対して相対的に小さくなるので、直流でも実用的となる。
一方、鋼板の板厚が厚くなって電極数も多くなると、1プールとはいえども後行極で形成される溶融池の圧力が多少変化しても、距離的に遠い溶融池の裏面側には大きな影響を及ぼさなくなる。このような場合には、従来から用いられている、『ワイヤ速度制御:電圧FB変速制御』および『外部特性:垂下特性』を適用することもできる。垂下特性の代わりに目標性質が同じである『外部特性:定電流特性』の溶接電源を用いても問題ないことは自明である。後行極は役割として、表ビードの形状を整える必要もあり、この目的では送給速度が変化しても電流値やアーク長Lを優先して安定化させた方が効果的な場合がある。このような要求に対しては、『ワイヤ速度制御:電圧FB変速制御』、『外部特性:垂下特性または定電流特性』、さらにアーク相互干渉や磁気吹きによる偏向が起きにくい『給電方式:交流』の組合せが好適となる。
<その他>
[裏当てについて]
片面溶接では、一般的に裏波ビードを受け止める溝付の銅製若しくは固体酸化物製の裏当て材が用いられる。なお、固体酸化物とは具体的にはセラミック製あるいはガラスが該当する。ガラスの場合は一般的にガラス繊維を編み込んだテープ状のものが用いられる。何も裏当て材がなければ、過剰なアーク力が初層に作用した際に溶融池を落下させ、アークが消失して溶接続行不能に陥る。何らかの裏当て材を用いていれば、このような最悪の事態は防ぐことが出来る。
母材となる鋼板底面が密着できていれば、裏波ビードの形状はアーク力が不安定でも安定化するはずだが、実際には大きな鋼板は平らではなく、多少は湾曲したり、波打ちしたりしていることが多いので、必ずしも密着はしない。そこで、不可避的に生じる鋼板底面と裏当て材との間のギャップを埋めるために、裏当てフラックスを事前に散布しておくこともある。そうすると、裏面側の溶融池の垂れ落ちを防ぐことがある程度可能となる。さらには、裏当て材を敷かず、裏当てフラックスを厚く散布し、その下に敷いたエアホースに気体を注入することで裏当てフラックスを押し上げ、密着性を向上する方法もある。この場合、裏当てフラックスには溶融池垂れ落ちを防ぐために硬化性樹脂との粉体積層構造とすることもある。
[表フラックスについて]
サブマージアーク溶接としての最低限の基本構成なので特に説明の必要は無いが、フラックスはホッパーと呼ばれる下にホースの付いた容器(図1に示す第1フラックス供給装置70や第2フラックス供給装置80)に入れられ、溶接進行に伴い、先行極の直前、あるいはさらに必要に応じて電極間に設けたホース先端のフラックス供給口から一定速で散布される。
[開先充填材について]
開先内に粉体状の鋼もしくは鋼合金を散布しておくと、溶接時に溶融して溶融金属の一部を形成する。高能率となる効果の他に、ルートギャップが部分的に過大となる場合に、裏波を抜けにくくする。さらに、溶接部近傍の冷却速度を大きくして母材熱影響部の品質劣化を抑制する効果もある。また、裏波溶接の際に、1電極目以降の後行極のワイヤ送給やアーク不安定を和らげる効果がある。ただし、散布量が多すぎると溶けきれずに固体のまま残ってしまい、欠陥となることがあるので、過度な散布をしてはいけない。電流、開先形状のバランスで最適量を決める。粉体の材質としては、いわゆる粒度の細かい鉄粉や、細径の溶接ワイヤを切断して粗い粒状としたものが用いられる。
[定電圧特性を有する溶接電圧の微分値について]
一般的に、溶接機には定電圧特性、垂下特性、定電流特性といった名目で仕様が記載されているため、使用者側がその特性を精査することは少ない。しかしながら、これら外部特性の名称は概念的なものであり、定量的な定義がある訳ではない。最近では使用者が外部特性を調整することができる機種も登場している。動作点電流における定電圧特性として望ましい電圧−電流特性の傾き、すなわち微分値dV/dIは−12.0×10−3(V/A)よりも水平側になっている。言い換えれば、望ましい微分値dV/dIは−12.0×10−3(V/A)以上である。微分値dV/dIが−12.0×10−3(V/A)以上であれば、アーク長Lの変化に対応して電流が大きく変化し、アーク長Lの自己制御作用が効果的に働くため望ましい。より望ましくは、微分値dV/dIが−8.0×10−3(V/A)以上であれば、より裏波形状が安定化する。なお、定電圧特性を含む外部特性一般の性質として、+側の傾きとなることはあり得ないので、微分値dV/dIは0が事実上の上限となる。
[定電流特性または垂下特性を有する溶接電圧の微分値について]
定電流特性および垂下特性についても、定量的な定義があるわけではない。定電流特性と垂下特性とは、整流素子を用いて生成したか、鉄芯稼働による漏洩磁束を利用したかの違いともいえるが、アーク長Lが変化しても電流一定を指向するという点では同じである。定電流特性と垂下特性とに共通して望ましい電圧−電流特性の傾き、すなわち動作点電流における微分値dV/dIは−24.0×10−3(V/A)よりも鉛直側になっている、言い換えれば、望ましい微分値dV/dIは−24.0×10−3(V/A)以下である。微分値dV/dIが−24.0×10−3(V/A)以下の特性と送給速度の電圧フィードバック制御とを組み合わせれば、アーク電圧の変化を敏感に捉え、送給速度を変化させることでアーク長Lの安定化をはかることができ、表ビード形状の安定化に貢献する。なお、定電流特性および垂下特性を含む外部特性一般の性質として、+側の傾きとなることはあり得ないので、−∞(無限大)が事実上の下限となる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(第1実施例および第1比較例)
図4は、第1実施例および第1比較例における実験装置の構成を説明するための図である。なお、図4に示す実験装置の基本構成は、図1に示した溶接装置1と共通である。ここで、図4には、実験装置とともに、第1鋼板201および第2鋼板202を含むワーク200、ワーク200の表面側に供給される表フラックス300、ワーク200の裏面側に配置される裏当て部400、溶接に伴ってワーク200に形成される溶接金属500を、併せて示している。
また、図7(a)は、第1実施例および第1比較例における各鋼板および開先の寸法を示している。この例において、第1鋼板201および第2鋼板202は、引張強度490MPa級炭素鋼板の板厚35mm、幅500mm×長さ3000mmを用いて、それぞれに開先端面処理を行い、突合せ継手とした。開先形状は表面から29mmまで45°V型とし、残り板厚6mmはルートフェースとして垂直とした。ルートギャップは最短部で両側鋼板が接触する0mmとしたが、鋼板の歪みによって不可避的に最大2mmのギャップが生じている箇所があった。各ワイヤ(第1ワイヤ110〜第4ワイヤ140)はJIS Z3351 YS−S6該当品、表フラックス300はJIS Z3352 SACI1該当品を用いた。表フラックス300は1電極目(先行極)より前と、2電極目と3電極目との間に自動的に適量を連続散布される。
鋼板開先裏側には、裏当て部400として、裏当てフラックス401を少量散布した溝付の裏当て銅板402を押し当てた。また、各電極について、それぞれに対応するコンタクトチップと鋼板との間に、独立した溶接電源を結線した。なお、各ワイヤは各コンタクトチップの直上に設けた送給ローラによって溶接部に送られる。
そして、図4に示す実験装置を用いて、4電極片面サブマージアーク溶接方法のテストを行った。より具体的には、図4に示す試験装置を用いて、ワイヤ直径、給電方式、外部特性、ワイヤ速度制御、溶接電流、アーク電圧を電極毎に変化させ、その影響を確認した。図4に示す実験装置において、第1ワイヤ110の先端と第2ワイヤ120の先端との極間距離は40mm、第2ワイヤ120の先端と第3ワイヤ130の先端との極間距離は120mm、第3ワイヤ130の先端と第4ワイヤ140の先端との極間距離は30mmとした。そして、この例における溶接速度は44(cm/min)で共通とした。
また、試験結果として、裏波ビード形状、表ビード形状、内部欠陥を評価した。裏波ビード形状は幅10mm以上、裏波高さ2mm以上6mm以下を理想とし、さらに蛇行が小さく、幅のばらつきが少ないものを非常に良好としてA、若干これらの評価が劣るが手直しを要するほどではないものをB、裏波ビード形状の不良による手直しが必要なものをCとして不合格扱いした。表ビード形状についても、裏波ビード形状と同様の評価基準とした。内部欠陥については、超音波探傷試験や断面マクロカット試験を行っても欠陥が見られなかったものを「無し」、融合不良が確認されたものを「有り」とした。
第1実施例および第1比較例における製造条件および試験結果を表1および表2に示す。ここで、表1に示すNo.1−1〜No.1−5は第1実施例であり、表2に示すNo.1−6〜No.1−11は第1比較例である。
なお、表1および表2に示す給電方式において、「AC」は交流を意味し、「DC(EP)」は直流であってワイヤすなわち電極側を正極とした「Electrode Plus」を意味し、「DC(EN)」は直流であってワイヤすなわち電極側を負極とした「Electrode Negative」を意味する。この表記については、後述する表3〜表6においても同じである。
Figure 2015150571
Figure 2015150571
まず、第1実施例について説明を行う。
No.1−1は1電極目に交流・定電圧特性・定速制御を用いており、2電極目以降は従来からの交流・垂下特性・電圧FB変速制御を用いているが、良好な裏波ビード形状が得られている。また、最終パスとなる4電極目を交流・垂下特性・電圧FB変速制御としていることで、表ビード形状も非常に良好となっている。
No.1−2はNo.1−1に対して1電極目の溶接電源における外部特性の微分値dV/dIが小さく、すなわち定電圧特性を弱めた場合であり、それに伴い1電極目による初層溶接でのアーク長の自己制御作用が弱まって不安定化することから、裏波ビード形状がNo.1−1に比べて若干劣っている。とはいえ、交流・定速制御を採用しているので、許容範囲内となる裏波ビード形状が得られている。
No.1−3はNo.1−1と類似しているが、1電極目だけでなく、2電極目も1電極目と同じ交流・定電圧特性・定速制御としている。1電極目に次いで裏波ビード形状の品質に影響を及ぼす2電極目にも定速制御を採用することにより、No.1−1よりもさらに裏波ビード形状の品質が向上した。
No.1−4は全電極を定電圧特性・定速制御としており、2電極目だけは直流としたが、他については交流としている。全電極に溶融池の圧力変化を小さくする制御を取り入れることで、非常に良好な裏波ビード形状が得られている。また、表ビード形状を支配する3、4電極目はアーク相互干渉や磁気吹きの影響を受けない交流としたため、第1実施例の中で最も優れた表ビード形状および裏波ビード形状が得られた。
No.1−5はNo.1−4と同じく全電極を定電圧特性・定速制御としているが、2極目以降を全て直流としている。No.1−4と違って直流が近い距離に並ぶとアーク相互干渉が起きて影響を及ぼすため、許容範囲内ではあるが、No.1−1〜No.1−4と比べるとビード外観がやや劣化した。
続いて、第1比較例について説明を行う。
No.1−6は現在使用されている典型である。全電極について交流・垂下特性・電圧FB変速制御を採用している。送給速度の変動が裏波溶融池の不安定をもたらせ、内部欠陥や表ビード形状こそ特段問題ないものの、裏波溶接には不適であり、裏波ビード形状の不良が著しかった。
No.1−7はNo.1−6に対して、4電極目に定電圧特性・定速制御を適用したものであるが、最終極となる4電極目だけ溶融池の圧力変化を小さくする制御を加えても、寄与率は1電極目よりも低いため、裏波ビード形状の改善には至らなかった。
No.1−8はNo.1−6やNo.1−7と似ているが、2電極目に定電圧特性・定速制御を適用している。しかし、第1中間極となる2電極目では1電極目に比べて裏波ビードを形成する溶融池へかかる圧力の安定化寄与率が低く、裏波ビード形状の改善効果は得られなかった。
No.1−9は1電極目、2電極目共に従来の交流・垂下特性の溶接電源はそのままに、ワイヤ送給を定速制御としたものである。垂下特性では原理的にアーク長安定化はワイヤ送給制御によって図られなければならないが、定速化しているため、アーク長安定化作用は全く働いていない。ゆえに、アーク長が常に大きく変動し、安定な溶接はできなかった。その結果、裏波ビード形状および表ビード形状共に大きく荒れて不安定であり、内部にも融合不良が発生した。
No.1−10は1電極目を直流・定電流特性とし、一方でワイヤ速度制御を定速制御とした構成である。直流・定電流特性の溶接電源は一般的に非溶極式、つまり消耗ワイヤからでなく、非消耗タングステン電極からアークを発生するティグ溶接やプラズマ溶接法で用いられる電源方式であるが、アーク長の制御に関しては垂下特性と同じであり、電極側の上下が必要である。本電源を溶極式として用いてもワイヤを定速制御した場合には全くアーク長安定化作用は働かない。したがって、No.1−9と同じく、アーク長が常に大きく変動し、安定な溶接はできなかった。裏波ビード形状および表ビード形状共に大きく荒れて不安定であり、内部にも融合不良が発生した。
No.1−11は従来の全電極について交流・垂下特性・電圧FB変速制御から、直流・定電流特性・電圧FB変速制御に替えたものであるが、1電極目が交流・定電圧特性・定速制御となっていないことから、裏波ビード形状は安定化しなかった。表ビード形状については、定電流特性・電圧FB変速制御が作用しており、直流特有のアーク相互干渉による不安定性が見られたものの、許容範囲内であった。
(第2実施例および第2比較例)
図5は、第2実施例および第2比較例における実験装置の構成を説明するための図である。なお、図5に示す実験装置の基本構成は、図1に示した溶接装置1から第4溶接ユニット40を取り除いたものとなっている。ここで、図5には、実験装置とともに、第1鋼板201および第2鋼板202を含むワーク200、ワーク200の表面側に供給される表フラックス300、ワーク200の裏面側に配置される裏当て部400、溶接に伴ってワーク200に形成される溶接金属500を、併せて示している。
また、図7(b)は、第2実施例および第2比較例における各鋼板および開先の寸法を示している。この例において、第1鋼板201および第2鋼板202は、引張強度400MPa級炭素鋼板の板厚30mm、幅500mm×長さ3000mmを用いて、それぞれに開先端面処理を行い、突合せ継手とした。開先形状は表面から25mmまで45°V型とし、残り板厚5mmはルートフェースとして垂直とした。ルートギャップは最短部で両側鋼板が接触する0mmとしたが、鋼板の歪みによって不可避的に最大2mmのギャップが生じている箇所があった。各ワイヤ(第1ワイヤ110〜第3ワイヤ130)はJIS Z3351 YS−S6該当品、表フラックス300はJIS Z3352 SACI1該当品を用いた。表フラックス300は1電極目(先行極)より前と、2電極目と3電極目の間に自動的に適量を連続散布される。
鋼板開先裏側には、裏当て部400として、銅板やセラミック板といった成型固体を用いず、下敷フラックス411の上に硬化性樹脂成分が入った裏当てフラックス412を少量散布し、下敷フラックス411の内部に通したエアホース413から気体を注入することで、裏当てフラックス412を鋼板裏面に押し当てた。また、各電極について、それぞれに対応するコンタクトチップと鋼板との間に、独立した溶接電源を結線した。なお、各ワイヤは各コンタクトチップの直上に設けた送給ローラによって溶接部に送られる。
そして、図5に示す実験装置を用いて、3電極片面サブマージアーク溶接方法のテストを行った。より具体的には、図5に示す試験装置を用いて、ワイヤ直径、給電方式、外部特性、ワイヤ速度制御、溶接電流、溶接電圧を電極毎に変化させ、その影響を確認した。図5に示す実験装置において、第1ワイヤ110の先端と第2ワイヤ120の先端との極間距離は40mm、第2ワイヤ120の先端と第3ワイヤ130の先端との距離は120mmとした。そして、この例における溶接速度は、47(cm/min)で共通とした。
試験結果として裏波ビード形状、表ビード形状、内部欠陥を評価した。裏波ビード形状は幅9mm以上、裏波高さ2mm以上5mm以下を理想とし、さらに蛇行が小さく、幅のばらつきが少ないものを非常に良好としてA、若干これらの評価が劣るが手直しを要するほどではないものをB、裏波ビード形状の不良による手直しが必要なものをCとして不合格扱いした。表ビード形状についても、裏波ビード形状と同様の評価基準とした。内部欠陥については、超音波探傷試験や断面マクロカット試験を行っても欠陥が見られなかったものを「無し」、融合不良が確認されたものを「有り」とした。
第2実施例および第2比較例における製造条件および試験結果を表3および表4に示す。ここで、表3に示すNo.2−1〜No.2−4は第2実施例であり、表4に示すNo.2−5〜No.2−10は第2比較例である。
Figure 2015150571
Figure 2015150571
まず、第2実施例について説明を行う。
No.2−1は1電極目に交流・定電圧特性・定速制御を用いており、2電極目以降は従来からの交流・垂下特性・電圧FB変速制御を用いているが、良好な裏波ビード形状が得られている。また、最終パスとなる3電極目を交流・垂下特性・電圧FB変速制御としていることで、表ビード外観も非常に良好となっている。
No.2−2はNo.2−1に対して2、3電極目の溶接電源における外部特性の微分値dV/dIが大きい、すなわち定電流特性を弱めた場合である。定電流性が弱まると、アーク電圧も変化しにくくなり、アーク長のフィードバック制御もまた効きにくくなる。したがって許容範囲内ではあるものの、アーク長の安定性が裏波ビード形状よりも大きく影響を及ぼす表ビード形状を劣化させる。つまり、表ビード形状を良好なものとするためには、微分値dV/dIが小さい電圧FB変速制御のほうが、より好ましいことが示唆される。
No.2−3は全電極を交流・定電圧特性・定速制御としたものであり、2電極目以降にも溶融池の圧力変化を小さくする制御を取り入れることで、非常に良好な裏波ビード形状が得られている。また、表ビード形状を支配する3電極目はアーク相互干渉や磁気吹きの影響を受けない交流としたため、第2実施例の中で最も優れた表・裏品質が得られた。
No.2−4は1電極目には交流・定電圧特性・定速制御を採用する一方、2電極目は直流・定電流特性・電圧FB変速制御、3電極目は交流・定電流特性・電圧FB変速制御としたものである。2電極目の直流・電圧FB変速制御が裏波形状に若干の悪影響を及ぼすために、最善ではないものの、許容範囲内の裏波ビード形状が得られた。また、表ビードを形成する3電極目(最終極)に対して、垂下特性よりもさらに定電流性に優れる定電流特性を用いることで、アーク長がより安定し、優れた表ビード形状が得られている。
続いて、第2比較例について説明を行う。
No.2−5はNo.2−1に対して、1電極目を交流ではなく直流としたものである。直流はアーク相互干渉や磁気吹きの影響を受けやすく、ワイヤを定速制御することによってある程度、裏波ビード形状の安定化作用を獲得してもなお、未だ安定形状と呼ぶには不足であった。
No.2−6は現在使用されている典型である。全電極について交流・垂下特性・電圧FB変速制御を採用している。内部欠陥や表ビード形状こそ特段問題ないものの、変速制御であることが裏波溶接には不適であり、裏波ビード形状に不良が発生した。
No.2−7は2電極目に交流・垂下特性・電流FB変速制御を組み合わせている。垂下特性はアーク長の動きに対して電流があまり動かないので、電流をモニターしたフィードバック制御は電圧フィードバックよりもアーク長制御手段として劣っている。アーク長の制御が上手く働かず、かつワイヤ送給も一定速度ではないので、裏波ビード形状の不良だけでなく、融合不良の内部欠陥、表ビード形状の不良も発生した。
No.2−8は全電極について、交流・定電流特性・電流FB変速制御を組み合わせたものである。アーク長の制御が上手く働かず、かつワイヤ送給も一定速度ではないので、裏波ビード形状の不良だけでなく、融合不良の内部欠陥、表ビード外観の不良も発生し、No.2−7よりもさらに全体品質が劣った。
No.2−9は1電極目として交流・定電圧特性・電圧FB変速制御を組み合わせている。定電圧特性はアーク長の動きに対して電圧があまり動かないので、電圧をモニターしたフィードバック制御はアーク長制御手段として性能が低く、また裏波ビードを形成する1電極目はワイヤの送給速度が一定であることが最も形状安定化に重要であることから、本構成では良好な裏波ビード形状が得られなかった。また、1電極目による初層の著しい不安定が原因で、2電極目との会合部に融合不良も発生した。
No.2−10は1電極目として交流・定電流特性・定速制御を組み合わせているが、この組合せではアーク長の安定化制御が働かないので、溶接が不安定であり、裏波ビード形状の不良だけでなく、1電極目による初層の著しい不安定が原因で、2電極目との会合部に融合不良も発生した。
(第3実施例および第3比較例)
図6は、第3実施例および第3比較例における実験装置の構成を説明するための図である。なお、図6に示す実験装置の基本構成は、図1に示した溶接装置1から第3溶接ユニット30、第4溶接ユニット40および第2フラックス供給装置80を取り除いたものとなっている。ここで、図6には、実験装置とともに、第1鋼板201および第2鋼板202を含むワーク200、ワーク200の表面側に供給される表フラックス300、ワーク200の裏面側に配置される裏当て部400、溶接に伴ってワーク200に形成される溶接金属500、開先に予め供給される開先充填材600を併せて示している。
また、図7(c)は、第3実施例および第3比較例における各鋼板および開先の寸法を示している。この例において、第1鋼板201および第2鋼板202は引張強度520MPa級炭素鋼板の板厚14mm、幅500mm×長さ3000mmを用いて、それぞれに開先端面処理を行い、突合せ継手とした。開先形状はルートフェース無しの50°V型とした。ルートギャップは最短部で両側鋼板が接触する0mmとしたが、鋼板の歪みによって不可避的に最大2mmのギャップが生じている箇所があった。各ワイヤ(第1ワイヤ110および第2ワイヤ120)はJIS Z3351 YS−S6該当品、表フラックス300はJIS Z3352 SACI1該当品を用いた。表フラックス300は1電極目(先行極)より前に自動的に適量を連続散布される。また、表フラックス300とは別に、鉄粉からなる開先充填材600を、手動で事前に開先内に散布しておいた。開先充填材600の充填高さは鋼板表面位置から3mmで管理した。この開先充填材600は溶接時に各ワイヤや表フラックス300と共に溶融し、溶融池を形成する。
鋼板開先裏側には、裏当て部400として、銅板やセラミック板といった成型固体あるいは裏当てフラックスを用いず、ガラス繊維を織って数mm厚にしたガラステープと呼ばれる軟質裏当て材421を貼り付けた。ガラステープは軟らかいので鋼板の波打などに影響を受けず、裏面に密着させることが出来る。溶接時にはアーク近傍が溶融するが、非溶融部がクッションの役割として裏波の過度の溶落を防ぐ役割がある。また、各電極について、それぞれに対応するコンタクトチップと鋼板との間に、独立した溶接電源を結線した。なお、各ワイヤは各コンタクトチップの直上に設けた送給ローラによって溶接部に送られる。
そして、図6に示す実験装置を用いて、一部(後述するNo.3−8)を除き、2電極片面サブマージアーク溶接方法のテストを行った。より具体的には、図6に示す試験装置を用いて、ワイヤ直径、給電方式、外部特性、ワイヤ速度制御、溶接電流、アーク電圧を電極毎に変化させ、その影響を確認した。図6に示す実験装置において、第1ワイヤ110の先端と第2ワイヤ120の先端との極間距離は70mmとした。そして、この例における溶接速度はそれぞれの製造条件において一定ではあるものの、製造条件に応じて異ならせた。なお、No.3−8は、第1ワイヤ110のみを用いた単電極片面サブマージアーク溶接方法によるテストとなっている。
試験結果として裏波ビード形状、表ビード形状、内部欠陥を評価した。裏波ビード形状は幅6mm以上、裏波高さ1mm以上4mm以下を理想とし、さらに蛇行が小さく、幅のばらつきが少ないものを非常に良好としてA、若干これらの評価が劣るが手直しを要するほどではないものをB、裏波ビード形状の不良による手直しが必要なものをCとして不合格扱いした。表ビード形状についても、裏波ビード形状と同様の評価基準とした。内部欠陥については、超音波探傷試験や断面マクロカット試験を行っても欠陥が見られなかったものを「無し」、融合不良が確認されたものを「有り」とした。
第3実施例および第3比較例における製造条件および試験結果を表5および表6に示す。ここで、表5に示すNo.3−1〜No.3−4は第3実施例であり、表6に示すNo.3−5〜No.3−14は第3比較例である。
Figure 2015150571
Figure 2015150571
まず、第3実施例について説明を行う。
No.3−1は1電極目に交流・定電圧特性・定速制御を用いており、2電極目は従来からの交流・垂下特性・電圧FB変速制御を用いているが、良好な裏波ビード形状および表ビード形状が得られている。
No.3−2はNo.3−1に対して2電極目を直流・定電流特性・電圧FB変速制御としたものである。2電極目を直流とするよりも、No.3−1のように交流とする方が、本来は裏波ビード形状の安定性が優れるのであるが、ここでは開先充填材600を用いていることで、さほどその影響は裏波ビード形状には影響を及ぼしていなかった。一方、2電極法の場合、最終極となる2電極目は表ビード形状の支配電極となるため、許容範囲内ではあるものの、アーク相互干渉や磁気吹きの影響を受けやすい直流の方が、形状安定性は劣った。
No.3−3は1電極目、2電極目共に定電圧特性・定速制御を用いているが、1電極目は交流、2極目は直流とした。上述したように2電極目は表ビード形状の支配電極となるため、許容範囲内ではあるものの、アーク相互干渉や磁気吹きの影響を受けやすい直流の方が、No.3−1のような両極交流よりも形状安定性は劣った。
No.3−4は両電極共に交流・定電圧特性・定速制御の共通構成としている。裏波ビード形状に最も強く影響を及ぼすワイヤの送給制御は共に定速化し、表ビード形状を支配する2電極目はアーク相互干渉や磁気吹きの影響を受けない交流としたため、第3実施例の中で最も優れた表・裏品質が得られた。
続いて、第3比較例について説明を行う。
No.3−5は現在使用されている典型である。両極共に交流・垂下特性・電圧FB変速制御を採用している。内部欠陥や表ビード形状こそ特段問題ないものの、変速制御であることが裏波溶接には不適であり、裏波ビード形状の不良が著しかった。また、上述した第1実施例や第2実施例に対して鋼板の板厚が小さいため、裏波ビード形状の不良が表ビード形状にも影響を及ぼしやや劣化させた。
No.3−6は1電極目として交流・定電流特性・定速制御を組み合わせているが、この組合せではアーク長の安定化制御が働かないので、溶接不安定であり、裏波ビード形状の不良だけでなく、1電極目による初層の著しい不安定が原因で、2電極目との会合部に融合不良も発生した。第1実施例や第2実施例のように電極数が多ければ、1電極目による裏波ビード形状の不良が表ビード形状に影響をあまり及ぼさないが、この例は2電極施工であるため、裏波ビード形状の不安定が表ビード形状に影響を及ぼし劣化を招いた。
No.3−7は1電極目が定電圧特性・定速制御という組合せは本発明の範疇であるが、ワイヤ直径が2.0mmと細い。結果は、裏波ビードを形成することが出来ず、鋼板の裏面側に凹みが生じていた。裏波ビードを形成するためには、強いアーク力とそれを邪魔しない溶融池の厚み低減との両立が必要である。この組合せを適えるには電流密度が小さくすることが有効であり、ワイヤ直径が大きいほど有利である。つまり、ワイヤ直径が2.0mmでは不足であるといえる。
No.3−8は定電圧特性・定速制御という組合せは本発明の範疇であるが、1電極のみで裏波ビード形成と表ビード形成とを同時に仕上げるべく、挑戦したものである。しかし、裏波ビードについては良好な形状を得ることが出来たものの、表ビード形状を良好にすることはできなかった。1電極目の役割は裏波ビードを形成することに特化するため、溶接条件に制限があり、表ビード形状は、幅の狭い凸状にならざるを得ない。2電極以上であれば、後行極(特に最終極)で表ビード形状を良好にするための溶接条件を用いて、先行極で形成された細くて凸の溶融池形状を整えることができるが、1電極施工ではこの役割分担が出来ないので、裏波溶接には不適である。
No.3−9は先行極に交流・定電流特性・電圧FB変速制御を採用している。内部欠陥や表ビード形状こそ特段問題ないものの、変速制御であることが裏波溶接には不適であり、裏波ビード形状の不良が著しかった。
No.3−10の先行極、No.3−11、No.3−12の後行極は定電圧特性・電圧FB変速制御としているが、直流、交流にかかわらず、定電圧特性はアーク長の動きに対して電圧があまり動かないので、電圧をモニターしたフィードバック制御はアーク長制御手段として性能が低いため、溶接不安定であり、裏波ビード形状、表ビード形状共に外観不良が生じ、会合部に融合不良も発生した。
No.3−13、No.3−14の後行極は定電流特性・定速制御としているが、直流、交流にかかわらず、この組合せではアーク長の安定化制御が働かないので、溶接不安定であり、裏波ビード形状、表ビード形状共に外観不良が生じ、会合部に融合不良も発生した。
なお、第1実施例では、4電極片面サブマージアーク溶接において、裏当て部400として裏当てフラックス401および裏当て銅板402を用いる場合について説明を行った。また、第2実施例では、3電極片面サブマージアーク溶接において、裏当て部400として下敷フラックス411、裏当てフラックス412およびエアホース413を用いる場合について説明を行った。さらに、第3実施例では、2電極片面サブマージアーク溶接において、裏当て部400として軟質裏当て材421を用いる場合について説明を行った。ただし、多電極片面サブマージ溶接における電極の数と裏当て部400の構成とについては、上述した組み合わせに限定されるものではなく、その組み合わせを適宜変更して差し支えない。
1…溶接装置、10…第1溶接ユニット、11…第1送給装置、12…第1溶接電源、20…第2溶接ユニット、21…第2送給装置、22…第2溶接電源、30…第3溶接ユニット、31…第3送給装置、32…第3溶接電源、40…第4溶接ユニット、41…第4送給装置、42…第4溶接電源、50…台車駆動装置、60…制御装置、70…第1フラックス供給装置、80…第2フラックス供給装置、90…台車、110…第1ワイヤ、120…第2ワイヤ、130…第3ワイヤ、140…第4ワイヤ、200…ワーク、201…第1鋼板、202…第2鋼板、300…表フラックス、400…裏当て部、500…溶接金属、600…開先充填材

Claims (6)

  1. 先行極と当該先行極に続く後行極とを用いた多電極片面サブマージアーク溶接方法であって、
    前記先行極および前記後行極では、それぞれ、直径2.4mm以上のワイヤを用い、
    それぞれのワイヤに給電を行う電源の給電方式および外部特性と、それぞれのワイヤの送給速度の速度制御方式とが、
    前記先行極では、前記給電方式が交流、前記外部特性が定電圧特性、前記速度制御方式が一定速度制御に設定され、
    前記後行極では、
    (a)前記給電方式が直流、前記外部特性が定電圧特性、前記速度制御方式が一定速度制御
    (b)前記給電方式が交流、前記外部特性が定電圧特性、前記速度制御方式が一定速度制御
    (c)前記給電方式が交流、前記外部特性が定電流特性、前記速度制御方式がアーク電圧に基づく電圧フィードバック制御
    (d)前記給電方式が交流、前記外部特性が垂下特性、前記速度制御方式がアーク電圧に基づく電圧フィードバック制御
    (e)前記給電方式が直流、前記外部特性が定電流特性、前記速度制御方式がアーク電圧に基づく電圧フィードバック制御
    のいずれかに設定されること
    を特徴とする多電極片面サブマージアーク溶接方法。
  2. 前記後行極は、前記先行極に続く複数の電極を含んで構成され、
    前記後行極を構成する前記複数の電極のそれぞれでは、前記給電方式、前記外部特性および前記速度制御方式が前記(a)乃至前記(e)のいずれかに設定されること
    を特徴とする請求項1記載の多電極片面サブマージアーク溶接方法。
  3. 前記後行極を構成する前記複数の電極のうち、前記先行極から見て最も後側に位置する最終極では、前記給電方式、前記外部特性および前記速度制御方式が前記(c)または前記(d)に設定されること
    を特徴とする請求項2記載の多電極片面サブマージアーク溶接方法。
  4. 前記定電圧特性を有する前記電源を用いる場合に、動作点における電流に対する電圧の傾きである微分値dV/dIが−12.0×10−3(V/A)以上であること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の多電極片面サブマージアーク溶接方法。
  5. 前記定電流特性または前記垂下特性を有する前記電源を用いる場合に、動作点における電流に対する電圧の傾きである微分値dV/dIが−24.0×10−3(V/A)以下であること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の多電極片面サブマージアーク溶接方法。
  6. 先行極と当該先行極に続く後行極とを用いた片面サブマージアーク溶接にて、母材を溶接してなる溶接物の製造方法であって、
    前記先行極および前記後行極では、それぞれ、直径2.4mm以上のワイヤを用い、
    それぞれのワイヤに給電を行う電源の給電方式および外部特性と、それぞれのワイヤの送給速度の速度制御方式とが、
    前記先行極では、前記給電方式が交流、前記外部特性が定電圧特性、前記速度制御方式が一定速度制御に設定され、
    前記後行極では、
    (a)前記給電方式が直流、前記外部特性が定電圧特性、前記速度制御方式が一定速度制御
    (b)前記給電方式が交流、前記外部特性が定電圧特性、前記速度制御方式が一定速度制御
    (c)前記給電方式が交流、前記外部特性が定電流特性、前記速度制御方式がアーク電圧に基づく電圧フィードバック制御
    (d)前記給電方式が交流、前記外部特性が垂下特性、前記速度制御方式がアーク電圧に基づく電圧フィードバック制御
    (e)前記給電方式が直流、前記外部特性が定電流特性、前記速度制御方式がアーク電圧に基づく電圧フィードバック制御
    のいずれかに設定されること
    を特徴とする溶接物の製造方法。
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