JP2015149551A - 音量制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】音声出力装置から出力される音声の音量を的確に制御することが可能な音量制御装置を提供する。【解決手段】音声入力信号に基づき音声を出力する音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声の音量を制御する音量制御装置300であって、音声出力装置(スピーカ)から出力される音声を含む周囲音を集音する集音手段(マイク311)と、音声入力信号の中から無音部分を検出する検出手段(CPU322)と、検出手段(CPU322)によって検出された無音部分の出力開始タイミングから出力終了タイミングまでの間に集音手段(マイク311)によって集音された音の大きさに基づいて、音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声の音量を制御するための音量制御信号を出力する制御手段(CPU332)と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、音声出力装置から出力される音声の音量を制御可能な音量制御装置に関する。具体的には、駅ホーム等の公共の場に設置されたスピーカ等から出力される音声の音量を制御可能な音量制御装置に関する。
駅ホームには、旅客案内情報等を報知するための音声(案内放送)を出力するスピーカが設置されている。このようなスピーカから出力される案内放送は、騒音の影響を受けず、常に聞き取り可能であることが望まれている。
従来、駅ホームの案内放送は、昼夜を問わず予め設定された一定の音量で行われていた。しかし、夜間等は比較的周囲の騒音が小さいため、一定の音量で案内放送を行うと、近隣住民等に迷惑がかかってしまう。そこで、騒音レベルの変化に対応して放送音量を制御する制御装置、具体的には、集音された外部音響(放送音と騒音との合成音)中に含まれる騒音成分を検出し、この騒音成分のレベルに応じて音量増幅手段の利得を決定する制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−316598号公報
しかしながら、集音された外部音響(放送音と騒音との合成音)から、騒音成分を精度よく検出することは難しい。騒音成分を精度よく検出することができないと、正確な騒音レベルを求めることができないため、放送音量を適切な音量に設定することができない。
本発明の目的は、音声出力装置から出力される音声の音量を的確に制御することが可能な音量制御装置を提供することである。
上記目的を達成するため本発明は、音声入力信号に基づき音声を出力する音声出力装置から出力される音声の音量を制御する音量制御装置において、
前記音声出力装置から出力される音声を含む周囲音を集音する集音手段と、
前記音声入力信号の中から無音部分を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された無音部分の出力開始タイミングから出力終了タイミングまでの間に前記集音手段によって集音された音の大きさに基づいて、前記音声出力装置から出力される音声の音量を制御するための音量制御信号を出力する制御手段と、を備える。
音声出力装置から出力される音声が無音である間に集音される音は騒音のみであるため、このように、音声出力装置から出力された音声が無音である間に集音された音の大きさに基づいて音声出力装置から出力される音声の音量を制御することで、正確な騒音の大きさ(騒音レベル)に基づいて音声出力装置から出力される音声の音量を制御することができる。したがって、騒音レベルが常に変動しているような場合でも、音声出力装置から出力される音声の音量を的確に制御することが可能となる。
また、望ましくは、前記検出手段は、前記音声入力信号のうちの、値が所定の無音閾値以下となる期間が所定の無音期間以上となる部分を、前記無音部分として検出するように構成する。
このように構成することで、より正確な騒音の大きさ(騒音レベル)を求めることができる。
また、望ましくは、前記無音閾値を設定・変更するための無音閾値設定手段を備えるように構成する。
このように構成することで、音声出力装置の設置環境等に応じて無音閾値をカスタマイズすることができるため、音声出力装置から出力される音声の音量をより的確に制御することが可能となる。
また、望ましくは、前記無音期間を設定・変更するための無音期間設定手段を備えるように構成する。
このように構成することで、音声出力装置の設置環境等に応じて無音期間をカスタマイズすることができるため、音声出力装置から出力される音声の音量をより的確に制御することが可能となる。
また、望ましくは、前記制御手段から出力される音量制御信号に応じた減衰量で、前記音声出力装置に入力される前記音声入力信号を減衰させる減衰手段を備えるように構成する。
このように構成することで、適切な音量の音声を音声出力装置から出力することが可能となる。
本発明によれば、音声出力装置から出力される音声の音量を的確に制御することが可能となる。
本発明の実施形態にかかる音量制御装置を備える音声放送システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態にかかる音量制御装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 音声入力信号の波形の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる音量制御装置を備える音声放送システムの概略構成の一例を示すブロック図であり、図2は、本発明の実施形態にかかる音量制御装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
音声放送システム1000は、例えば、駅ホーム毎に設けられたシステムであり、図1に示すように、主に、駅員等が旅客案内や注意などを行う際に使用するマイク110と、音声情報(例えば、対応する駅ホームに列車が接近していることを報知する列車接近情報、発車番線等を報知する旅客案内情報、所定のキャンペーンについて報知するキャンペーン情報等)を記憶する音声情報メモリ120と、マイク110によって集音された音や音声情報メモリ120に記憶されている音声情報などに基づいて音声入力信号を生成する音声入力信号生成手段100と、音声入力信号生成手段100によって生成された音声入力信号を増幅する増幅器200と、対応する駅ホームの屋根の下面側等に取り付けられ、増幅器200によって増幅された音声入力信号に基づいて音声を出力する複数のスピーカ400と、増幅器200とスピーカ400との間に各スピーカ400のそれぞれに対応付けて設けられた複数の音量制御装置300と、を備えて構成される。
音量制御装置300は、既存の音声放送システム(すなわち、音声放送システム1000から音量制御装置300を除いて、増幅器200とスピーカ400とを直接接続したシステム)にそのまま導入することが可能である。
具体的には、音量制御装置300には、図2に示すように、増幅器側端子台(TB)321と、スピーカ側端子台(TB)325と、が設けられている。そして、既存の音声放送システムにおいて増幅器200とスピーカ400とを接続するラインのうち、増幅器200から延びるラインを増幅器側端子台321に接続し、スピーカ400から延びるラインをスピーカ側端子台325に接続することで、音量制御装置300を既存の音声放送システムに導入することが可能となっている。
音量制御装置300は、図2に示すように、主に、周囲音を集音して周囲音信号を出力するマイク311と、マイク311から出力された周囲音信号を増幅するアンプ(MIC AMP)312と、アンプ312によって増幅された周囲音信号を中継するバッファ(Buffer)313と、増幅器200から出力された音声入力信号を減衰するアッテネータ(ATT)322と、アッテネータ322によって減衰された音声入力信号を一時的に格納するバッファ(Buffer)323と、増幅器200から出力された音声入力信号を主回路基板330からの音量制御信号に基づき減衰してスピーカ400に出力するアッテネータ(ATT-SP)324と、音量制御装置300全体を統括的に制御する主回路基板330と、音量制御装置300に必要な電源を生成する電源生成部340と、を備えて構成される。
すなわち、スピーカ400が、音声入力信号に基づき音声を出力する音声出力装置をなす。
また、マイク311が、音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声を含む周囲音を集音する集音手段をなす。
主回路基板330は、図2に示すように、主に、A/D変換部331と、CPU(Central Processing Unit)332と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ(Memory)333と、無音閾値設定手段334と、無音期間設定手段335と、を備えて構成される。
A/D変換部331は、バッファ313によって中継されたアナログの周囲音信号をデジタル変換してデジタルの周囲音信号(周囲音データ)を生成するとともに、バッファ323に一時的に格納されたアナログの音声入力信号をデジタル変換してデジタルの音声入力信号(音声入力データ)を生成する。
CPU332は、A/D変換部331によって生成されたデジタルの周囲音信号とデジタルの音声入力信号とを比較演算処理して騒音レベルを算出する。そして、算出した騒音レベルに基づいて騒音が“大”であると判定した場合には、減衰量を減少させる(すなわち、音量を上げる)よう指示する音量制御信号をアッテネータ324に出力する。一方、算出した騒音レベルに基づいて騒音が“小”であると判定した場合には、減衰量を増加させる(すなわち、音量を下げる)よう指示する音量制御信号をアッテネータ324に出力する。
具体的には、CPU332は、まず、A/D変換部331から出力された音声入力信号の中から無音部分を検出する。その際、CPU332は、A/D変換部331から出力された連続する音声入力信号のうちの、値が予め設定された無音閾値以下となる期間が予め設定された無音期間以上となる部分を、無音部分として検出する。
ここで、A/D変換部331から出力された音声入力信号が、例えば図3に示すような波形の音声入力信号であったとする。図3に示す音声入力信号の場合、値(音量値)が無音閾値以下の部分は「A」〜「G」の部分であり、これらの部分のうちの、長さ(期間)が無音期間以上の部分は「B」および「G」の部分であるため、「B」および「G」の部分が無音部分として検出される。
すなわち、CPU332が、音声入力信号の中から無音部分を検出する検出手段をなす。そして、本実施形態の場合、検出手段(CPU332)は、音声入力信号のうちの、値が所定の無音閾値以下となる期間が所定の無音期間以上となる部分を、無音部分として検出するよう構成されている。
次いで、CPU332は、A/D変換部331から出力された周囲音信号の中から、検出した無音部分の出力開始タイミングから出力終了タイミングまでの間に集音された周囲音に基づく周囲音信号を抽出する。
ここで、“無音部分の出力開始タイミングから出力終了タイミングまでの間”とは、スピーカ400から音声入力信号の無音部分に基づく音声(すなわち、無音声)が出力されている間のことである。
次いで、CPU332は、抽出した周囲音信号に基づいて周囲音の大きさ(騒音レベル)を算出し、算出した周囲音の大きさが現在設定されている音量(すなわち、現在設定されている減衰量)に対応する許容範囲を上回る場合には、騒音が“大”であると判定して、現在設定されている音量よりも大きな音量(すなわち、現在設定されている減衰量よりも小さな減衰量)を設定するよう指示する音量制御信号をアッテネータ324に出力する。一方、算出した周囲音の大きさが現在設定されている音量に対応する許容範囲を下回る場合には、騒音が“小”であると判定して、現在設定されている音量よりも小さな音量(すなわち、現在設定されている減衰量よりも大きな減衰量)を設定するよう指示する音量制御信号をアッテネータ324に出力する。
ここで、“現在設定されている音量に対応する許容範囲”とは、現在設定されている音量に対して、騒音レベルが大き過ぎるレベル(具体的には、騒音が大き過ぎて、スピーカ400からの音声を駅ホーム上の駅利用者等が聞き取り難いレベル)でもなく、小さ過ぎるレベル(具体的には、騒音が小さ過ぎて、スピーカ400からの音声が近隣住民等の迷惑になったり、スピーカ400からの音声を駅ホーム上の駅利用者等がうるさく感じたりするレベル)でもない範囲のことである。
したがって、算出された周囲音の大きさが、現在設定されている音量に対応する許容範囲を上回る場合(すなわち、算出された騒音レベルが、現在設定されている音量に対応する許容範囲内のレベルよりも大きい場合)には、現在設定されている音量に対して騒音レベルが大き過ぎて、現在設定されている音量では、スピーカ400からの音声を駅ホーム上の駅利用者等が聞き取り難いため、スピーカ400の音量を大きくする。
また、算出された周囲音の大きさが、現在設定されている音量に対応する許容範囲を下回る場合(すなわち、算出された騒音レベルが、現在設定されている音量に対応する許容範囲内のレベルよりも小さい場合)には、現在設定されている音量に対して騒音レベルが小さ過ぎて、現在設定されている音量では、スピーカ400からの音声が近隣住民等の迷惑になったり、スピーカ400からの音声を駅ホーム上の駅利用者等がうるさく感じたりするため、スピーカ400の音量を小さくする。
具体的には、例えば、スピーカ400の音量を「1(小)」<「2」<「3」<「4(大)」の4段階に切替可能で、現在設定されている音量が「3」であるとする。この場合、CPU332は、算出した周囲音の大きさが音量「3」に対応する許容範囲を上回る場合には、騒音が“大”であると判定して、音量「4」(すなわち、音量「4」用の減衰量)を設定するよう指示する音量制御信号をアッテネータ324に出力する。一方、算出した周囲音の大きさが音量「3」に対応する許容範囲を下回る場合には、騒音が“小”であると判定して、音量「2」(すなわち、音量「2」用の減衰量)を設定するよう指示する音量制御信号をアッテネータ324に出力する。また、算出した周囲音の大きさが音量「3」に対応する許容範囲内である場合には、音量「3」のままでよいため、音量制御信号を出力しない。
なお、算出される周囲音の大きさ(騒音レベル)は、周囲音の大きさの平均値であってもよいし、周囲音の大きさの最大値や最小値であってもよい。
また、無音部分の出力開始タイミングから出力終了タイミングまでの間に集音された音の大きさに基づいて、スピーカ400の音量を制御することができるのであれば、音量の制御の仕方は適宜任意に変更可能である。例えば、スピーカ400の音量は、段階的に切り替えるのではなく、算出した周囲音の大きさ(騒音レベル)に対応する音量に切り替えるよう構成することも可能である。具体的には、CPU332は、例えば、現在設定されている音量にかかわらず、算出した周囲音の大きさが、音量「1」に対応する許容範囲内である場合(すなわち、音量「2」に対応する許容範囲を下回る場合)には音量「1」を設定するよう指示する音量制御信号を、音量「2」に対応する許容範囲内である場合には音量「2」を設定するよう指示する音量制御信号を、音量「3」に対応する許容範囲内である場合には音量「3」を設定するよう指示する音量制御信号を、音量「4」に対応する許容範囲内である場合(すなわち、音量「3」に対応する許容範囲を上回る場合)には音量「4」を設定するよう指示する音量制御信号を、アッテネータ324に出力するよう構成することも可能である。
また、スピーカ400の音量の切替段数は、4段階に限ることはなく、複数段階であれば適宜任意に変更可能である。
すなわち、CPU332が、検出手段(CPU332)によって検出された無音部分の出力開始タイミングから出力終了タイミングまでの間に集音手段(マイク311)によって集音された音の大きさに基づいて、音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声の音量を制御するための音量制御信号を出力する制御手段をなす。
また、アッテネータ324が、制御手段(CPU332)から出力される音量制御信号に応じた減衰量で、音声出力装置(スピーカ400)に入力される音声入力信号を減衰させる減衰手段をなす。
なお、フィルター等を用いてマイク311によって集音された周囲音から一定音域の音を除去し、その一定音域の音が除去された周囲音に基づく周囲音信号の中から、検出した無音部分の出力開始タイミングから出力終了タイミングまでの間に集音された周囲音に基づく周囲音信号を抽出するよう構成することも可能である。これにより、例えば、列車発車時に流れるメロディーの音域を除去可能なフィルターを用い、CPU332を、スピーカ400に入力される音声入力信号のうちの当該メロディーの部分も無音部分として検出できるよう構成すれば、スピーカ400から当該メロディーが出力されている間にマイク311によって集音された、スピーカ400から出力されている音声(当該メロディー)以外の周囲音の大きさに基づいて、スピーカ400の音量(すなわち、スピーカ400から出力される音声の音量)を制御することが可能となる。
また、音量を小さくする際には、音量を大きくする際よりもゆっくりと音量を変化させる方が好ましい。これにより、スピーカ400から出力される音声の音量変化に対して駅利用者等が感じる違和感を軽減することが可能となる。
無音閾値設定手段334は、無音閾値を設定・変更するためのものであり、駅員や音量制御装置300を設置する作業員などが操作可能に構成されている。
なお、無音閾値設定手段334は、ディップスイッチ等からなり、無音閾値を段階的に切り替えることができるよう構成されていてもよいし、回転させたりスライドさせたりすることが可能なつまみ等からなり、無音閾値を連続的に切り替えることができるよう構成されていてもよい。
無音期間設定手段335は、無音期間を設定・変更するためのものであり、駅員や音量制御装置300を設置する作業員などが操作可能に構成されている。
なお、無音期間設定手段335は、ディップスイッチ等からなり、無音期間を段階的に切り替えることができるよう構成されていてもよいし、回転させたりスライドさせたりすることが可能なつまみ等からなり、無音期間を連続的に切り替えることができるよう構成されていてもよい。
このように、音量制御装置300は、スピーカ400毎に設けられており、無音閾値設定手段334を備えているため、対応するスピーカ400の設置環境等に応じて無音閾値を設定・変更することができる。
したがって、例えば、駅ホームの長手方向一端側に設置されているスピーカ400用の音量制御装置300に設定する無音閾値と、駅ホームの長手方向中央部に設置されているスピーカ400用の音量制御装置300に設置する無音閾値と、駅ホームの長手方向他端側に設置されているスピーカ400用の音量制御装置300に設定する無音閾値と、を対応するスピーカ400の設置環境等に応じて異ならせることができる。また、音量制御装置300の設置後(すなわち、無音閾値の設定後)に、対応するスピーカ400の設置環境等が大きく変化した場合には、当該音量制御装置300に設定されている無音閾値を、変化後の設置環境等に応じた無音閾値に変更することができる。
また、音量制御装置300は、スピーカ400毎に設けられており、無音期間設定手段335を備えているため、対応するスピーカ400の設置環境等に応じて無音期間を設定・変更することができる。
したがって、例えば、駅ホームの長手方向一端側に設置されているスピーカ400用の音量制御装置300に設定する無音期間と、駅ホームの長手方向中央部に設置されているスピーカ400用の音量制御装置300に設置する無音期間と、駅ホームの長手方向他端側に設置されているスピーカ400用の音量制御装置300に設定する無音期間と、を対応するスピーカ400の設置環境等に応じて異ならせることができる。また、音量制御装置300の設置後(すなわち、無音期間の設定後)に、対応するスピーカ400の設置環境等が大きく変化した場合には、当該音量制御装置300に設定されている無音期間を、変化後の設置環境等に応じた無音期間に変更することができる。
例えば、駅ホームが長ければ長いほど、駅ホームの長手方向の一端側と中央部と他端側とで騒音レベルが異なる可能性が高くなる。したがって、音量制御装置300の設置時に無音閾値設定手段334や無音期間設定手段335を操作して、対応するスピーカ400の設置環境に応じた無音閾値や無音期間を設定することで、近隣住民等に迷惑がかかることを抑制しつつ、駅ホーム上の何れの位置にいる駅利用者等にも聞き取り易い音声をスピーカ400から出力することが可能となる。
また、本実施形態の音量制御装置300は、騒音レベルに応じてスピーカ400の音量を制御するものであるため、対応するスピーカ400の設置環境等が多少変化しても、当該スピーカ400の音量を的確に制御することが可能であるが、駅周辺の環境が変化する等して対応するスピーカ400の設置環境が大きく変化し、音量制御装置300に現在設定されている無音閾値や無音期間では、対応するスピーカ400の音量を的確に制御できなくなった場合等には、無音閾値設定手段334や無音期間設定手段335を操作することによって、当該音量制御装置300に設定されている無音閾値や無音期間を変更することができる。
以上説明した音量制御装置300によれば、音声入力信号に基づき音声を出力する音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声の音量を制御する音量制御装置であって、音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声を含む周囲音を集音する集音手段(マイク311)と、音声入力信号の中から無音部分を検出する検出手段(CPU332)と、検出手段(CPU332)によって検出された無音部分の出力開始タイミングから出力終了タイミングまでの間に集音手段(マイク311)によって集音された音の大きさ(騒音レベル)に基づいて、音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声の音量を制御するための音量制御信号を出力する制御手段(CPU332)と、を備えるよう構成されている。
従来、駅ホームに設置されているスピーカ400からの音声は、昼夜を問わず予め設定された一定の音量で出力されていた。駅ホームでは、列車の通過音、駅周辺に工事現場等がある場合には当該現場からの音、駅周辺に繁華街がある場合には商業施設等からの音(案内放送や音楽など)、駅周辺で街頭演説が行われている場合には当該演説の音等の様々な騒音が聞こえてくる。また、駅ホームに列車が入線している場合と入線していない場合とで騒音の聞こえ方が異なってくる。すなわち、駅ホームでの騒音レベルは常に変動しているため、一定の音量でスピーカ400から音声を出力すると(すなわち、スピーカ400の音量が一定だと)、騒音が比較的大きい場合にはスピーカ400からの音声を駅ホーム上の駅利用者等が聞き取り難い、騒音が比較的小さい場合にはスピーカ400からの音声が近隣住民等の迷惑になる等の問題があった。
そのため、従来、スピーカ400の音量を騒音レベルに応じた音量に制御(調整)することが検討されてきた。しかしながら、騒音レベルを求めるために集音された周囲音にスピーカ400からの音声も含まれてしまうため、正確な騒音レベルを求めることが困難であった。
そこで、本発明では、音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声には無音(無音声)が含まれ、音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声が無音(無音声)である間に集音された音は、騒音のみであり、スピーカ400からの音声は含まれないことに着目して、音声出力装置(スピーカ400)から出力された音声が無音である間に集音された音の大きさに基づいて音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声の音量を制御することとした。これにより、正確な騒音の大きさ(騒音レベル)に基づいて音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声の音量を制御することができるため、騒音レベルが常に変動しているような場合でも、音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声の音量を的確に制御することが可能となる。
なお、音量制御装置300は、スピーカ400等と別体であってもよいし、スピーカ400等と一体的に構成されていてもよい。
また、音量制御装置300は、スピーカ400と1:1で対応付けられていなくてもよい。すなわち、1つの音量制御装置300で、1つのスピーカ400の音量を制御するのではなく、1つの音量制御装置300で、複数のスピーカ400の音量を制御するよう構成することも可能である。この場合、当該複数のスピーカ400を所定の範囲内(例えば、マイク311の集音可能範囲内等)に設置されていることが好ましい。
CPU332は、無音部分の出力開始タイミングから出力終了タイミングまでの間にマイク311によって集音された音の大きさ(騒音レベル)のみに基づいて音量制御信号を出力するだけでなく、さらに、スピーカ400に音声入力信号が入力されていない間(すなわち、スピーカ400から音声が出力されていない間)にマイク311によって集音された音の大きさ(騒音レベル)に基づいて音量制御信号を出力するよう構成することも可能である。
無論、CPU332は、スピーカ400に音声入力信号が入力されていない間にマイク311によって集音された音の大きさ(騒音レベル)のみに基づいて音量制御信号を出力するよう構成することも可能であるが、スピーカ400に音声入力信号が入力されない間よりも、スピーカ400に入力されている音声入力信号中に含まれる無音部分の間の方が頻繁に出現するため、無音部分の間にマイク311によって集音された音の大きさ(騒音レベル)に基づいて音量制御信号を出力することで、より短い周期で音量制御信号を出力することができ、より的確にスピーカ400の音量を制御することが可能となる。
また、以上説明した音量制御装置300によれば、検出手段(CPU332)は、音声入力信号のうちの、値が所定の無音閾値以下となる期間が所定の無音期間以上となる部分を、無音部分として検出するよう構成することが可能である。
このように構成することで、より正確な騒音の大きさ(騒音レベル)を求めることができる。
なお、音声入力信号のうちの、値が所定の無音閾値以下となる部分を、その部分の長さ(期間)にかかわらず無音部分として検出するよう構成することも可能である。すなわち、例えば図3に示す音声入力信号において、「A」〜「G」の部分すべてを無音部分として検出することも可能である。
また、以上説明した音量制御装置300によれば、無音閾値を設定・変更するための無音閾値設定手段334を備えるよう構成することが可能である。
このように構成することで、音声出力装置(スピーカ400)の設置環境等に応じて無音閾値をカスタマイズすることができるため、音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声の音量をより的確に制御することが可能となる。
また、以上説明した音量制御装置300によれば、無音期間を設定・変更するための無音期間設定手段335を備えるよう構成することが可能である。
このように構成することで、音声出力装置(スピーカ400)の設置環境等に応じて無音期間をカスタマイズすることができるため、音声出力装置(スピーカ400)から出力される音声の音量をより的確に制御することが可能となる。
また、以上説明した音量制御装置300によれば、制御手段(CPU332)から出力される音量制御信号に応じた減衰量で、音声出力装置(スピーカ400)に入力される音声入力信号を減衰させる減衰手段(アッテネータ324)を備えるよう構成することが可能である。
このように構成することで、適切な音量の音声を音声出力装置(スピーカ400)から出力することが可能となる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、音声出力装置の正面等に、現在の音量を報知する報知手段(LEDランプや液晶表示器など)を設けることも可能である。
また、例えば、音声出力装置は、駅ホームに設置されたスピーカ400に限ることはなく、例えば、駅構内の盲導鈴や、列車内、建築現場、公共施設等に設置されたスピーカなどであってもよい。
300 音量制御装置
311 マイク(集音手段)
324 アッテネータ(減衰手段)
332 CPU(検出手段、制御手段)
334 無音閾値設定手段
335 無音期間設定手段
400 スピーカ(音声出力装置)

Claims (5)

  1. 音声入力信号に基づき音声を出力する音声出力装置から出力される音声の音量を制御する音量制御装置において、
    前記音声出力装置から出力される音声を含む周囲音を集音する集音手段と、
    前記音声入力信号の中から無音部分を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された無音部分の出力開始タイミングから出力終了タイミングまでの間に前記集音手段によって集音された音の大きさに基づいて、前記音声出力装置から出力される音声の音量を制御するための音量制御信号を出力する制御手段と、を備えることを特徴とする音量制御装置。
  2. 前記検出手段は、前記音声入力信号のうちの、値が所定の無音閾値以下となる期間が所定の無音期間以上となる部分を、前記無音部分として検出することを特徴とする請求項1に記載の音量制御装置。
  3. 前記無音閾値を設定・変更するための無音閾値設定手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の音量制御装置。
  4. 前記無音期間を設定・変更するための無音期間設定手段を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の音量制御装置。
  5. 前記制御手段から出力される音量制御信号に応じた減衰量で、前記音声出力装置に入力される前記音声入力信号を減衰させる減衰手段を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の音量制御装置。
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