JP2014011486A - 電子機器、方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】再生中の音量をユーザに容易に認識され難いように変化させることを可能とする。
【解決手段】実施形態に係る音響処理装置は、検出部により、オーディオ信号による再生音が無音と見做される状態が予め定められた時間以上連続する無音区間を検出する。制御部により、検出部で検出された、オーディオ信号による再生音が無音と見做される状態が予め定められた時間以上連続する無音区間内でオーディオ信号の出力レベルを変化させる。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、音響処理装置およびプログラムに関する。
近年、携帯用に設計され、充電式のバッテリにより駆動される音声再生装置が広く普及している。このような音声再生装置において、バッテリによる駆動時間を長時間化するために消費電力の削減を行う方法の一つとして、再生音量を自動制御することが考えられる。例えば、再生音量が所定以上に達した場合に、徐々に音量を下げるように制御する。
特開2011−107190号公報
しかしながら、再生音を聴取中に再生音量を徐々に変化させると、音量の変化がユーザに認識されてしまい、ユーザに違和感を与えてしまうという問題点があった。
本発明の課題は、再生中の音量を、ユーザに容易に認識され難いように変化させることが可能な音響処理装置およびプログラムを提供することにある。
実施形態に係る音響処理装置は、検出部により、オーディオ信号による再生音が無音と見做される状態が予め定められた規定時間以上連続する無音区間を検出する。制御部により、検出部で検出された無音区間内でオーディオ信号の出力レベルを変化させる。
図1は、実施形態に係る音響処理装置の機能を示す一例の機能ブロック図である。 図2は、実施形態に係る、エフェクト制御およびゲイン制御を行った場合の、出力信号パワーと閾値Pthとの関係の例を示す図である。 図3は、実施形態による補正制御の例を示す図である。 図4は、実施形態に係る第1の方法による無音区間の検出を概略的に示す図である。 図5は、無音であると人が認識できる、周波数帯域別のギャップを示す図である。 図6は、実施形態に係る第2の方法による無音区間の検出を概略的に示す図である。 図7は、実施形態に係る第3の方法による無音区間の検出を概略的に示す図である。 図8は、実施形態による補正部における処理の流れを説明するためのフローチャートである。 図9は、実施形態を適用可能な音響再生装置の一例の構成を示すブロック図である。
以下、実施形態に係る音響処理装置について説明する。実施形態では、オーディオ信号の無音と見做される区間を検出し、検出された区間が予め定められた長さ以上の場合に、当該区間においてオーディオ信号の出力レベルを変化させる。無音と見做される区間で例えば音量を変化させることで、ユーザが音量変化を認識して違和感を覚えることが避けられる。
図1は、実施形態に係る音響処理装置の機能を示す一例の機能ブロック図である。音響処理装置は、補正部100と、エフェクト・ゲイン制御量データ格納部120と、ユーザインタフェース(UI)121と、エフェクト設定値生成部122と、ゲイン設定値生成部123と、エフェクト制御部124と、音量制御部125と、音響再生部126とを有する。また、補正部100は、解析部110と、補正制御部111とを有し、解析部110の解析結果が解析用情報130として保持および蓄積される。
入力信号として、ディジタルオーディオ信号が入力される。入力ディジタルオーディオ信号は、補正部100に供給されると共に、エフェクト制御部124に供給される。エフェクト制御部124は、エフェクト設定値生成部122から供給されたエフェクト設定値に応じたエフェクト処理をディジタルオーディオ信号に施し、当該ディジタルオーディオ信号に対してエフェクト処理に応じた音響効果を与える。エフェクト制御部124が施すエフェクト処理としては、所定の周波数帯域のゲインを調整するイコライザ処理、再生音に残響効果を与える残響処理などがある。
エフェクト制御部124から出力されたディジタルオーディオ信号は、音量制御部125に供給される。音量制御部125は、ゲイン設定値生成部123から供給されたゲイン設定値に応じて、供給されたディジタルオーディオ信号に対するゲインを制御する。ここでは、ゲインが0でディジタルオーディオ信号のレベルが0とされて無音状態となり、ゲインが1で供給されたディジタルオーディオ信号がそのままのレベルで出力されるものとする。
音量制御部125から出力されたディジタルオーディオ信号は、音響再生部126を介して出力される。
エフェクト・ゲイン制御量データ格納部120は、エフェクト制御部124で用いるためのエフェクト設定値や、音量制御部125で用いるためのゲイン設定値などが格納される。これらエフェクト設定値やゲイン設定値は、例えば予め複数種類が作成されてエフェクト・ゲイン制御量データ格納部120に格納される。ユーザインタフェース121に対するユーザ入力に従い設定されたエフェクト設定値およびゲイン設定値が、エフェクト・ゲイン制御量データ格納部120に格納される。後述するエフェクト設定値生成部122やゲイン設定値生成部123で生成されたエフェクト設定値およびゲイン設定値が、さらにエフェクト・ゲイン制御量データ格納部120に格納される。
解析用情報130は、例えばこの音響処理装置がバッテリ駆動時間をできるだけ長くするように動作する場合、例えば、バッテリ残量と、当該バッテリ残量に対して許容できると定められた消費電力量に対応する、音響再生部126の出力信号レベルの閾値とが対応付けられた情報を有する。さらに、解析用情報130として、当該出力信号レベルが当該閾値を超えた累積回数および累積時間をさらに有してもよい。
補正部100において、解析部110は、図示されない電源部から、バッテリ残量を示す情報が供給されると共に、音響再生部126から出力信号のレベルを示す情報が供給される。解析部110は、これらの情報を解析し、出力信号レベルが上述した閾値を超えた回数および時間を求める。解析部110は、求められたこの回数および時間を示す情報を、解析用情報130に対して累積する。
解析部110に対して、さらに、入力信号として入力されたディジタルオーディオ信号が供給される。解析部110は、入力ディジタルオーディオ信号を解析して、当該ディジタルオーディオ信号の信号レベルを求める。解析部110は、入力ディジタルオーディオ信号の周波数帯域毎の解析を行う。より具体的には、解析部110は、入力ディジタルオーディオ信号に対して、時間/周波数変換を行う。この時間/周波数変換には、例えばFFT(Fast Fourier Transform)を用いることができる。これに限らず、MDCT(Modified Discrete Cosine Transform)を用いて時間/周波数変換を行なってもよい。
一例として、FFTは、窓長を2048サンプル(FFTビンとしては1024が算出される)とし、入力ディジタルオーディオ信号のサンプリング周波数が48kHzであるものとする。この場合、時間/周波数変換によって変換された入力ディジタルオーディオ信号は、次式(1)により、周波数帯域毎の信号パワーとして算出される。
sig_spec_power[i]=sig_spec_r[i]2−sig_spec_i[i]2 …(1)
なお、式(1)において、各変数の意味は、下記の通りである。
i:周波数サンプルのインデクス(但し、0≦i<1023)
sig_spec_r[i]:各周波数サンプルの実部
sig_spec_i[i]:各周波数サンプルの虚部
sig_spec_power[i]:各周波数サンプルのパワー
また、解析部110は、エフェクト・ゲイン制御量データ格納部120から、入力ディジタルオーディオ信号に対して付加される予定のエフェクト設定値およびゲイン設定値を読み出す。そして、解析部110は、次式(2)に示されるように、読み出したエフェクト設定値に従ったエフェクト制御により増加される信号パワーeffected_gain[i]と、ゲイン設定値に従ったゲイン制御により増加される信号パワーadded_gain[i]とを、式(1)で求めた周波数帯域毎の信号パワーsig_spec_power[i]に加算する。これにより、エフェクト設定値およびゲイン設定値によるエフェクト制御およびゲイン制御を入力されたディジタルオーディオ信号に対して施した際の、出力信号の信号パワーsig_proc_power[i]が推定される。
sig_proc_power[i]=sig_spec_power[i]+effected_gain[i]+added_gain[i] …(2)
解析部110は、次に、上述の式(2)で求めた出力信号の信号パワーsig_proc_power[i]に基づき、エフェクト制御部124および音量制御部125による処理後の、推定される信号パワーの最大値を探索する。さらに、解析部110は、探索された信号パワーの最大値に対応する周波数サンプルのインデクスを値sig_max_indexとして、次式(3)により、信号パワーの最大値sig_max_powerが得られた周波数sig_max_freq(Hz)を求める。
sig_max_freq=sig_max_index×1024/24,000 …(3)
解析部110による各解析結果は、補正制御部111に供給される。補正制御部111は、供給された解析結果に基づき、入力ディジタルオーディオ信号による再生音が無音または無音と見做される状態が予め定められた時間以上連続する区間(無音区間と呼ぶ)を検出する。そして、補正制御部111は、無音区間において出力信号の信号パワーを抑制するようなエフェクト制御および音量制御を行うための各補正値を決定する。決定された各補正値は、エフェクト設定値生成部122およびゲイン設定値生成部123にそれぞれ供給される。
(補正制御部による処理)
次に、補正制御部111における各補正値の決定処理について、より詳細に説明する。図2は、入力ディジタルオーディオ信号に対してエフェクト制御およびゲイン制御を行った場合の出力信号の信号パワーと、閾値Pthとの関係の例を示す。図2(a)、図2(b)および図2(c)において、縦軸は信号パワーPを示し、横軸は、周波数fを示す。なお、ここでは、信号パワーPの各周波数fに対する特性が平坦であるものとして説明する。
図2(a)、図2(b)および図2(c)において、閾値Pthは、例えば消費電力量が予め定められた値以下になるように、出力信号パワーに対して設定された値である。入力ディジタルオーディオ信号300の信号パワーは、閾値Pthよりも低いものとする。
入力ディジタルオーディオ信号300に対してゲイン制御を行った場合の第1出力信号301と、当該入力ディジタルオーディオ信号に対してゲイン制御およびエフェクト制御を施した場合の第2出力信号302とを、閾値Pthと比較する。
図2(a)は、エフェクト制御部124におけるエフェクト制御と、音量制御部125におけるゲイン制御とに補正を行う必要がない場合(第1のケースと呼ぶ)の例を示す。この第1のケースでは、第1出力信号301の出力信号パワーと第2出力信号302と出力信号パワーとが、共に閾値Pthよりも低いため、エフェクト制御部124におけるエフェクト制御と、音量制御部125におけるゲイン制御とに補正を行う必要がない。
図2(b)は、エフェクト制御に対する補正を行う必要がある場合(第2のケースと呼ぶ)の例を示す。この第2のケースでは、次式(4)に示されるように、ゲイン制御のみを行った第1出力信号301の出力信号パワーが閾値Pthよりも低い。
sig_spec_power[sig_max_index]+added_gain[i]<Pth …(4)
一方、第2のケースでは、ゲイン制御とエフェクト制御とを行った第2出力信号302の出力信号パワーは、閾値Pthよりも高い。したがって、エフェクト制御部124によるエフェクト処理を抑制することで、次式(5)に示されるように、第2出力信号302の出力信号パワーを閾値Pth未満に抑える。
sig_max_power<Pth …(5)
すなわち、補正制御部111は、この第2のケースにおいて、エフェクト制御部124によるエフェクト制御を抑制するような補正値を生成する。より具体的には、補正制御部111は、入力ディジタルオーディオ信号の信号パワーsig_spec_power[i]に音量制御部125が実行するゲイン制御により増加した信号パワーaaded_gain[i]を加算した信号パワーに対して、エフェクト制御部124が実行するエフェクト制御により増加される信号パワーeffected_gain[i]を加算した場合の出力信号パワーの最大値sig_max_powerが、閾値Pth以下となるように、エフェクト制御に対する補正値を生成する。
図2(c)は、エフェクト制御部124におけるエフェクト制御と、音量制御部125におけるゲイン制御との何れにも補正を行う必要がある場合(第3のケースと呼ぶ)の例を示す。この第3のケースでは、下記の式(6)、ならびに、式(7)に示されるように、ゲイン制御のみを行った第1出力信号301の出力信号パワーが閾値Pth以上であり、且つ、ゲイン制御およびエフェクト処理を行った第2出力信号302の出力信号パワーが閾値Pth以上である。
sig_spec_power[sig_max_index]+added_gain[i]≧Pth …(6)
sig_spec_power[sig_max_index]+effected_gain[i]+added_gain[i]≧Pth …(7)
すなわち、この第3のケースは、エフェクト制御部124によるエフェクト処理を除去したとしても、入力ディジタルオーディオ信号に対して音量制御部125によりゲイン制御に従い乗じられたゲインにより、出力信号パワーが閾値Pthを超えてしまう。したがって、この第3のケースには、補正制御部111は、エフェクト制御124が実行するエフェクト処理と、音量制御部125が実行するゲイン制御とをそれぞれ抑制することで、上述の式(5)に示されるように、第2出力信号302の出力信号パワーを閾値Pth以下に抑える。
一例として、補正制御部111は、エフェクト制御部124によるエフェクト処理の抑制と、音量制御部125によるゲインの抑制とをそれぞれ指示する補正値を生成する。すなわち、補正制御部111は、これらエフェクト処理の抑制とゲインの抑制とを行った結果の信号パワーが閾値Pth以下になるように、エフェクト制御部124に対する補正値と、音量制御部125に対する補正値とを生成する。
これに限らず、補正制御部111は、エフェクト制御部124に対してエフェクト処理を抑制する補正値を生成し、音量制御部125に対しては、ゲイン制御を行わないような補正値を生成してもよい。また、補正制御部111は、エフェクト制御部124に対しては、エフェクト処理を行わないように指示する補正値を生成し、ゲイン制御のみを行なってもよい。
上述した第2および第3のケースにおいて、式(5)を満たすために、エフェクト制御およびゲイン制御により抑制すべき信号パワーを示す超過量errorは、下記の式(8)によって求めることができる。
error=sig_max_power−Pth …(8)
なお、式(8)で示される超過量error分の補正を、エフェクト制御およびゲイン制御の何れにより行うかは、例えば、音質重視および消費電力低減重視の何れを優先するかによって決めることができる。例えば、音質重視の場合には、超過量error分の全てを、ゲイン制御によって補正し、消費電力低減重視の場合には、超過量error分を、エフェクトを除去し、不足分をゲイン制御で補うように補正することが考えられる。
(補正度合いの遷移の例)
次に、超過量errorの補正を行う際の、補正度合いの遷移について説明する。補正は、聴覚上認識が困難と見做される程度の期間Tを以って行う。期間Tの単位は特に限定されない。例えば、システムクロックやディジタルオーディオ信号のサンプリング周波数を期間Tの単位とすることができる。また、期間Tの単位を、ディジタルオーディオ信号の処理単位であるフレームとしてもよい。抑制する信号パワーの量(補正量)により異なるが、一般的には、期間Tとしては、10秒以上などの比較的長時間を要する。
実施形態では、この期間Tにおいて、入力ディジタルオーディオ信号による再生音が無音と見做される状態が所定時間以上連続する区間(無音区間と呼ぶ)を検出する。そして、この無音区間内において、超過量errorのうち所定分の出力信号パワーを抑制する補正を行う。この補正処理を少なくとも上述の期間T内において繰り返し行い、複数回の補正による補正量の合計が超過量errorになるようにする。
図3は、実施形態による補正制御の例を示す。図3において、縦軸が超過量errorに対する補正度合いaを示し、横軸が時間を示す。制御線310が実施形態の補正制御による補正度合いaの変化の例を示す。
一例として、解析部110は、入力ディジタルオーディオ信号を解析して、信号パワーの最大値sig_max_powerが閾値Pthを超える時間T0を求める。時間T0は、入力ディジタルオーディオ信号内の絶対時間でもよいし、相対的な時間でもよい。そして、求めた時間T0から予め定められた時間Tが経過するまでに発生する無音区間の個数nを求める。超過量errorを無音区間の個数nで除した値を、1回分の補正量cur_errorとする。
補正制御部111は、時間T0後のn個の各無音区間の時点T1、T2、…、Tnにおいて、図3に例示されるように、補正量cur_errorずつ、出力信号パワーが抑制されるように、補正値を生成する。すなわち、時間T0〜時間Tn内の任意の時点tにおける補正量cur_errorは、下記の式(9)により、補正が必要な量を示す補正度合いam(mは整数;1≦m≦n)により与えられる。
Figure 2014011486
すなわち、時間T0から1番目の無音区間内の時点T1までは、補正がなされておらず、補正度合いa1は、超過量errorと等しい。時点T1において、補正量cur_errorによる補正が行われ、補正度合いa2は、超過量errorから1回分の補正量cur_errorを減じた値となる。出力信号パワーは、時点T0における出力信号パワーに対して、補正量cur_error分が抑制された値となる。
時点T1時点T0から2番目の無音区間内の時点T2までは、式(9)によれば、補正度合いが補正度合いa2から変化せず、したがって、出力信号パワーも、時点T1の値が維持される。そして、時点T2において、補正量cur_errorによる補正が行われ、補正度合いa3は、超過量errorから2回分の補正量cur_errorを減じた値となる。出力信号パワーは、時点T1における出力信号パワーに対して、さらに補正量cur_error分が抑制された値となる。
以降、同様にして、無音区間毎に補正量cur_errorによる補正が繰り返され、最終的に、超過量errorが抑制されて出力信号パワーが閾値Pth以下とされる。
人間の聴覚特性によれば、無音区間で出力信号パワーを変化させても、人間にそれと認識され難いとされている。実施形態では、この聴覚特性を利用して、各無音区間において段階的に出力信号パワーを抑制しているので、目標とする出力信号パワーへの制御としての音響効果および音量の補正過程を、人に感知され難い形で収束させることが可能となる。
図3において、制御線311は、従来技術による補正制御での補正度合いの変化の例を示す。従来では、このように、時点T0から時間Tの間、補正度合いを連続的に変化させていた。この場合、無音区間以外の区間において音響効果や音量の補正過程が人に感知されてしまい、ユーザに違和感を感じさせてしまうことになる。
なお、上述では、超過量errorの補正を時間Tをかけて行うように説明したが、これはこの例に限定されない。すなわち、超過量errorの補正は、時間T以上かけて行えばよい。
(無音区間の第1の検出方法)
次に、上述した無音区間の検出を行う第1の方法について説明する。図4は、第1の方法による無音区間の検出を概略的に示す。図4において、縦軸は、音圧レベルを示し、横軸は、時間を示す。音圧レベルは、例えば音響再生部126から出力された信号が例えばスピーカで再生された際の値とし、出力信号パワーに対応するものとする。以下、音圧レベルを出力信号パワーと読み替えて説明する。
第1の方法では、図4に示されるように、出力信号パワーが0の期間を無音区間として検出する。この場合、入力ディジタルオーディオ信号の信号レベルが0の区間を検出してもよい。また、出力信号パワーが完全に0である場合に限られず、出力信号パワーが閾値以下の区間を検出してもよい。この出力信号パワーに対する閾値は、想定される音再生手段(スピーカなど)で再生した場合に、ユーザに聴取困難な出力信号パワーとすることが考えられる。さらには、例えば入力ディジタルオーディオ信号内の雑音成分を抑えるノイズサプレッションを施した音素間としてもよい。
ここで、人が無音と認識できる最短の時間(ギャップと呼ぶ)は、周波数に依存する。図5は、無音であると人が認識できる、周波数帯域別のギャップを示す。なお、図中の雑音の帯域は、中心周波数の半分である。このように、ギャップは、中心周波数が高いほど短く、低いほど長い。例えば、使用が想定されるスピーカなど音出力装置の実効周波数帯域の低域側の下限が100Hzであった場合、図5を参照し、略23ms以上のギャップが存在すれば、人は、当該スピーカからの出力に無音の区間が存在すると認識できる。
(無音区間の第2の検出方法)
次に、上述した無音区間の検出を行う第2の方法について説明する。図6は、第2の方法による無音区間の検出を概略的に示す。図6において、縦軸は、音圧レベルを示し、横軸は、時間を示す。
この第2の方法では、音の経時マスキングを利用して無音区間を検出する。経時マスキングとは、突然大きな音が発生した場合に、その音の前後の音が聞こえなくなることをいう。なお、経時マスキングの原因となる音に対して時間的に前の音が聞こえなくなることを、逆向マスキングといい、当該音に対して時間的に後の音が聞こえなくなることを、順向マスキングという。第2の方法では、当該音に対して時間的に後の音が聞こえなくなることを利用するため、以降、経時マスキングは、順向マスキングを指すものとする。
例えば、図6に例示されるように、時間tm0に大きな音320が発生した場合に、時点tm0の直後から時点tm1までの期間に再生される音が、音320による経時マスキング321で聴取不能となる。すなわち、この時点tm0の直後から時点tm1までの期間は、音320のみが聴取され、他の再生音は聴取できないため、当該他の再生音が無音であると見做すことができる。また、音320は、時点tm0の直後において再生が完了しているため、この時点tm0の直後から時点tm1までの期間を無音であると見做すことができる。
第2の方法では、この経時マスキングの期間を無音区間と見做して、ゲイン制御部125において、入力ディジタルオーディオ信号の信号パワーを抑制するゲイン制御を行う。すなわち、経時マスキングの原因となる音320を発生させた直後(時点tm0)から、経時マスキングが終了する時点tm1までの入力ディジタルオーディオ信号による再生音は、実質的に聴取不能である。したがって、この経時マスキングの期間内でゲインやエフェクト制御を変化させても、人には認識され難い。
なお、経時マスキングにより他の音が聴取不能となる時点tm0〜tm1を無音区間として検出する際に、上述した、ギャップの周波数に対する依存性を利用し、想定する周波数に対応するギャップよりも長い経時マスキングが発生する場合に、無音区間として検出するようにできる。
なお、経時マスキングにより聴取不能とされる音の音圧レベルは、経時マスキングが発生した時間tm0から時間が経過するに従い、指数関数的に低くなる。この経時マスキングにより聴取不能とされる音の音圧レベルを閾値として、無音区間を検出することができる。また、上述したように、経時マスキングは、音320に対して後続する音がマスキングされる順向マスキングと、先行する音がマスキングされる逆向マスキングとが存在する。ここでは、順向マスキングのみを採用する。
(無音区間の第3の検出方法)
次に、上述した無音区間の検出を行う第3の方法について説明する。図7は、第3の方法による無音区間の検出を概略的に示す。第3の方法は、周波数帯域毎に無音区間を検出する例である。
一例として、図7(a)に例示されるように、周波数帯域毎にエフェクト制御を行う場合について考える。なお、図7(a)において、縦軸はエフェクトによるゲイン増加量を示し、横軸は周波数を示す。例えばエフェクト制御としてのイコライザ処理により、低域側の周波数帯域Aと、高域側の周波数帯域Cのゲインを増加させ、中域の周波数帯域Bのゲインを変更しないエフェクト制御を考える。
図7(b)〜図7(d)は、入力ディジタルオーディオ信号の時系列的な変化の例を示す。なお、図7(b)〜図7(d)において、縦軸は信号パワー、横軸は周波数を示す。図7(b)〜図7(d)は、それぞれ時系列上に並ぶ時点tn-1、時点tnおよび時点tn+1における入力ディジタルオーディオ信号の例を示し、これら各時間における入力ディジタルオーディオ信号に対して図7(a)で示したエフェクト制御を施すものとする。
先ず、図7(b)に示す時点tn-1では、周波数帯域AおよびCにおける入力ディジタルオーディオ信号の信号パワーが0ではないため、エフェクト制御により、当該周波数帯域AおよびCの信号レベルが図7(a)に示される周波数帯域AおよびCのゲインに従い増大される。
次に、図7(c)に示す時点tnでは、周波数帯域AおよびCにおいて、入力ディジタルオーディオ信号の信号パワーが閾値以下(例えば0)とされている。したがって、時点tnが当該周波数帯域AおよびCの無音区間を含んでいると検出される。この時点tnの状態が予め定められた時間以上継続する場合に、図7(a)に示すエフェクト制御を抑制する補正を行う。
次の、図7(d)に示す時点tn+1において、周波数帯域AおよびCにおける入力ディジタルオーディオ信号の信号パワーが0ではなくなる。この時点tn+1では、上述の時点tnで抑制されたエフェクト制御がなされており、図7(b)の時点tn-1に対して出力信号パワーが低くなっている。
なお、上述した第1、第2および第3の方法は、それぞれ単独で実行させるのに限られず、2または3の方法を組み合わせて実行させることができる。
(実施形態による処理の流れ)
次に、図8のフローチャートを用いて、実施形態による補正部100における処理の流れについて説明する。補正部100において、解析部110は、ステップS100で、入力信号である入力ディジタルオーディオ信号の解析を行う。例えば、入力ディジタルオーディオ信号は、図示されないバッファメモリに所定量(所定再生時間分)毎に記憶される。解析部110は、このバッファメモリに記憶された所定量の入力ディジタルオーディオ信号に対してFFTを施して、時間/周波数変換を行う。これに限らず、例えば、周波数に関する情報が必要ない場合、解析部110は、入力ディジタルオーディオ信号のRMS(Root Means Square)を算出してもよい。
次のステップS101で、解析部110は、エフェクト・ゲイン制御量データ格納部120から、入力ディジタルオーディオ信号に対して付加される予定のエフェクト設定値およびゲイン設定値を取得する。解析部110は、次のステップS102で、ステップS100での入力ディジタルオーディオ信号の解析結果と、ステップS101で取得したエフェクト設定値およびゲイン設定値とに基づき、式(1)〜式(3)を用いて説明したようにして、出力信号パワーを推定する。解析部110による解析結果は、補正制御部111に渡される。
次のステップS103で、補正制御部111は、解析部110で推定された出力信号パワーが閾値Pthを超えるか否かを判定する。若し、超えないと判定した場合、処理をステップS100に戻し、解析部110による次の所定量の入力ディジタルオーディオ信号に対する解析が行われる。
推定された出力信号パワーが閾値Pthを超えない場合とは、図2(a)を用いて説明した第1のケースに相当する。この場合、超過量error=0として、エフェクト設定値生成部122およびゲイン設定値生成部123では、直前に使用していたエフェクト設定値およびゲイン設定値をそのまま用いるようにする。また、ユーザがUI121に対してエフェクト処理およびゲイン制御の指示を入力した直後の場合は、ユーザに指示されたエフェクト処理およびゲイン制御を行う。
ステップS103で、推定した出力信号パワーが閾値Pthを超えると判定した場合、補正制御部111は、さらに、図2(b)を用いて説明した第2のケースと、図2(c)を用いて説明した第3のケースとのうち何れであるかを判定する。
より具体的には、補正制御部111は、第2のケース、すなわち、ゲイン設定値によるゲイン制御のみでは出力信号パワーが閾値Pthを超えず、ゲイン制御に加えてエフェクト設定値によるエフェクト制御を加えた場合に閾値Pthを超えると判定した場合(ゲインOK、エフェクトNG)、処理をステップS104に移行させる。
一方、補正制御部111は、第3のケース、すなわち、ゲイン設定値によるゲイン制御のみで出力信号パワーが閾値Pthを超え、さらにエフェクト設定値によるエフェクト制御を加えた場合にも閾値Pthを超えると判定した場合(ゲインNG、エフェクトNG)、処理をステップS110に移行させる。
先ず、ステップS103で補正制御部111が第2のケースであると判定し、処理がステップS104に移行された場合について説明する。ステップS104では、解析部110が、ステップS103で閾値Pthを超えたと判定された時点T0を開始点とした所定期間T内での無音区間を検出する。無音区間の検出方法は、上述した第1〜第3の検出方法のうち何れを用いてもよい。ここでは、第1の検出方法を用いて無音区間を検出するものとする。また、期間T内で、n個の無音区間が検出されたものとする。
次のステップS105で、補正制御部111は、補正量cur_errorを算出する。例えば、補正制御部111は、ステップS102で取得された出力信号パワーと閾値Pthとの差分を超過量errorとして求め、超過量errorをステップS104で検出された無音区間の個数nで除して、補正量cur_errorを算出する。
処理は次のステップS106に移行され、補正制御部111は、i番目(i=1,2,…,n)の無音区間において、補正量cur_error分の出力信号パワーを抑制するためのエフェクト制御を行う補正値を生成する。なお、i=1すなわち1番目の無音区間は、時点T0に対して時間的に最も近い無音区間を指す。補正制御部111は、生成した補正値をエフェクト設定値生成部122に渡す。
エフェクト設定値生成部122は、渡された補正値に基づきエフェクト設定値を生成し、エフェクト制御部124に対して設定する。エフェクト制御部124は、設定されたエフェクト設定値に従い入力ディジタルオーディオ信号に対してエフェクト処理を施す。これにより、出力信号パワーは、直前の状態に対して補正値cur_error分、抑制される。
次のステップS107で、補正制御部111は、n個の無音区間に対する補正処理が終了したか否かを判定する。若し、終了していないと判定した場合、補正制御部111は、処理をステップS106に戻し、次の無音区間に対して補正処理を実行する。一方、終了したと判定した場合、処理をステップS100に戻し、次の所定量の入力ディジタルオーディオ信号に対する解析処理を行う。
次に、ステップS103で補正制御部111が第3のケースであると判定し、処理がステップS110に移行された場合について説明する。ステップS110では、上述のステップS104と同様にして、解析部110が、ステップS103で閾値Pthを超えたと判定された時点T0を開始点とした所定期間T内での無音区間を検出する。
次のステップS111で、補正制御部111は、優先順位に関する判定を行う。若し、音質を優先すると判定した場合には、処理をステップS112に移行させる。一方、補正制御部111は、消費電力低減を優先すると判定した場合には、処理をステップS120に移行させる。この優先順位の判定における、音質を優先するか、消費電力低減を優先するかについては、補正部100に対して予め設定されているものとする。これに限らず、音質および消費電力低減のうち何れを優先するかを、ユーザインタフェース121から入力してもよい。
ステップS111で音質を優先すると判定した場合について説明する。この場合には、超過量error分の補正を、全てゲイン制御により行う。したがって、補正制御部111は、ステップS112において、ゲイン制御のための補正量cur_errorを算出する。
例えば、補正制御部111は、上述した式(7)に基づき、下記の式(10)を満たす最大の信号パワーadded_max_gain[i]を求め、現在の信号パワーadded_gain[i]と、この信号パワーadded_max_gain[i]との差分を求める。そして、この差分をステップS110で検出された無音区間の個数nで除した値を、補正量cur_errorとして算出する。
sig_spec_power[sig_max_index]+effected_gain[i]+added_max_gain[i]≦Pth …(10)
処理は次のステップS113に移行され、補正制御部111は、i番目の無音区間において、補正量cur_error分の出力信号パワーを抑制するためのゲイン制御を行う補正値を生成する。補正制御部111は、生成した補正値をゲイン設定値生成部123に渡す。
ゲイン設定値生成部123は、渡された補正値に基づきゲイン設定値を生成し、音量制御部125に対して設定する。音量制御部125は、設定されたゲイン設定値に従い入力ディジタルオーディオ信号に対してゲイン制御を施す。これにより、出力信号パワーは、直前の状態に対して補正値cur_error分、抑制される。
次のステップS114で、補正制御部111は、n個の無音区間に対する補正処理が終了したか否かを判定する。若し、終了していないと判定した場合、補正制御部111は、処理をステップS113に戻し、次の無音区間に対して補正処理を実行する。一方、終了したと判定した場合、処理をステップS100に戻し、次の所定量の入力ディジタルオーディオ信号に対する解析処理を行う。
ステップS111で消費電力低減を優先すると判定した場合について説明する。この場合には、エフェクト制御部124で施されているエフェクト処理を除去し、不足分をゲイン制御にて補正する。
ステップS120において、補正制御部111は、エフェクト制御のための補正量cur_error_effと、ゲイン制御のための補正量cur_error_powを算出する。例えば、補正制御部111は、先ずエフェクトの除去のみを行った場合の出力信号パワーPdel_effを、例えば下記の式(11)に従い求める。
del_eff=sig_spec_power[sig_max_index]+added_gain[i] …(11)
補正制御部111は、この求めた出力信号パワーPdel_effを閾値Pthと見做し(見做し閾値Pthと呼ぶ)、ステップS102で取得された出力信号パワーと、見做し閾値Pthとの差分を超過量error_effとして求める。そして、超過量error_effをステップS110で算出された無音区間の個数nで除して、エフェクト制御のための補正量cur_error_effを算出する。
ステップS120において、補正制御部111は、次に、ゲイン制御のための補正量cur_error_powを算出する。例えば、補正制御部111は、上述した式(6)に基づき、下記の式(12)を満たす最大の信号パワーadded_max_gain[i]を求め、現在の信号パワーadded_gain[i]と、この信号パワーadded_max_gain[i]との差分を求める。そして、この差分をステップS110で検出された無音区間の個数nで除した値を、補正量cur_error_powとして算出する。
sig_spec_power[sig_max_index]+added_max_gain[i]≦Pth …(12)
ステップS120で補正量cur_error_effおよび補正量cur_error_powが算出されると、処理がステップS121に移行される。ステップS121で、補正制御部111は、上述したステップS106と同様にして、i番目(i=1,2,…,n)の無音区間において、補正量cur_error_eff分の出力信号パワーを抑制するためのエフェクト制御を行う補正値を生成し、エフェクト設定値生成部122に渡す。
エフェクト設定値生成部122は、渡された補正値に基づきエフェクト設定値を生成し、エフェクト制御部124に対して設定する。エフェクト制御部124は、設定されたエフェクト設定値に従い入力ディジタルオーディオ信号に対してエフェクト処理を施す。
処理がステップS122に移行され、補正制御部111は、上述したステップS113と同様にして、i番目の無音区間において、補正量cur_error_pow分の出力信号パワーを抑制するためのゲイン制御を行う補正値を生成する。補正制御部111は、生成した補正値をゲイン設定値生成部123に渡す。ゲイン設定値生成部123は、渡された補正値に基づきゲイン設定値を生成し、音量制御部125に対して設定する。音量制御部125は、設定されたゲイン設定値に従い入力ディジタルオーディオ信号に対してゲイン制御を施す。
なお、これらステップS121およびステップS122の処理は、並行的に実行してもよいし、逆の順序で実行してもよい。
次のステップS123で、補正制御部111は、n個の無音区間に対する補正処理が終了したか否かを判定する。若し、終了していないと判定した場合、補正制御部111は、処理をステップS121に戻し、次の無音区間に対して補正処理を実行する。一方、終了したと判定した場合、処理をステップS100に戻し、次の所定量の入力ディジタルオーディオ信号に対する解析処理を行う。
(実施形態を適用可能な音響再生装置)
図9は、実施形態を適用可能な音響再生装置1の一例の構成を示す。図9において、音響再生装置1は、バス10に対してCPU(Central Processing Unit)20と、ROM(Read Only Memory)21と、RAM(Random Access Memory)22と、通信I/F(インタフェース)23とが接続される。さらに、音響再生装置1は、バス10に対してI/F24と、UI25と、ストレージ26と、信号処理部27と、音響再生部28とが接続される。また、音響再生部28に対して、スピーカ30と外部出力端子31とが接続される。
CPU20は、ROM21に予め記憶されたプログラムに従い、RAM22をワークメモリとして用いて、音響再生装置1の全体の動作を制御する。上述した補正部100の機能は、例えばこのCPU20上で動作するプログラムにより実現される。この補正部100の機能をCPU20上で実現するプログラムを、音響処理プログラムと呼ぶ。
通信I/F23は、CPU20の命令に従い、無線または有線による外部との通信を制御する。例えば、通信I/F23は、通信プロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いて、LAN(Local Area Network)やインターネットを介しての通信を行うことができる。
I/F24は、CPU20の命令に従い、無線または有線による機器間でのデータ通信を制御する。I/F24としては、有線では、例えばUSB(Universal Serial Bus)やIEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)を適用することができる。また、無線では、例えばBluetooth(登録商標)を適用することができる。
UI25は、図1で示したUI121に対応するもので、ユーザ入力を受け付ける入力部と、ユーザに対して情報を提示する表示部とを有する。UI25は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによる表示部と、表示部の表示を透過し、押圧位置に対応する座標情報を出力する入力部とを一体的に構成した所謂タッチパネルを用いることができる。これに限らず、入力部と表示部とをそれぞれ別個に設けてもよい。
ストレージ26は、例えば不揮発性の半導体メモリであって、例えばディジタルオーディオ信号が記憶される。ストレージ26は、音響再生装置1に対して脱着可能とされていてもよいし、音響再生装置1に対して内蔵されていてもよい。ストレージ26が内蔵タイプの場合、ディジタルオーディオ信号は、例えばI/F24や通信I/F23を介して外部から入力され、ストレージ26に記憶される。
信号処理部27は、図1のエフェクト制御部124および音量制御部125を含み、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成される。信号処理部27の機能をCPU20上で動作するプログラムにより実現してもよい。例えば、信号処理部27は、ストレージ26から読み出したディジタルオーディオ信号を入力ディジタルオーディオ信号として入力し、所定量を一旦バッファメモリに記憶する。そして、バッファメモリから読み出した入力ディジタルオーディオ信号に対してエフェクト設定値およびゲイン設定値に従いエフェクト処理およびゲイン制御を施して出力する。バッファメモリは、信号処理部27が有していてもよいし、RAM22を用いてもよい。
なお、信号処理部27は、さらに、図1のエフェクト設定値生成部122およびゲイン設定値生成部123を含んでもよい。これらエフェクト設定値生成部122およびゲイン設定値生成部123は、上述した音響処理プログラムに含めてもよい。
図1の音響再生部126に対応する音響再生部28は、例えばディジタルアンプであって、入力されたディジタルオーディオ信号の振幅を増幅した後キャパシタで積分して、スピーカやヘッドフォンを駆動可能なアナログオーディオ信号として出力する。音響再生部28は、出力されるアナログオーディオ信号のパワーに対応する出力信号パワーを示す情報を、CPU20に送る。
音響再生部28から出力されたアナログオーディオ信号は、例えばスピーカ30に供給され、音として再生される。また、このアナログオーディオ信号は、外部出力端子31にも導出される。外部出力端子31には、ヘッドフォンなどが接続される。
この音響再生装置1は、充電式のバッテリ40により駆動される。バッテリ40の残量を示す情報がCPU20に供給される。
図1のエフェクト・ゲイン制御量データ格納部120として、ストレージ26の所定領域を用いることができる。また、ROM21を書き込み可能として、所定の領域に、エフェクト・ゲイン制御量データ格納部120を書き込むようにしてもよい。解析用情報130についても同様に、ROM22やストレージ26に記憶することができる。
音響処理プログラムは、ROM21に予め記憶されるのに限らず、別途、取得することが可能である。例えば、当該音響処理プログラムを、通信I/F23による通信により、外部のネットワークを介して取得することができる。これに限らず、予め当該音響処理プログラムが記憶されたメモリカードをI/F24に接続し、このメモリカードから取得してもよい。CPU20は、取得した音響処理プログラムを、ROM21に対して所定の手順でインストールする。
音響処理プログラムは、例えば、上述した補正部100を構成する各部(解析部110および補正制御部111)を含むモジュール構成となっており、CPU20が例えばROM21から当該音響処理プログラムを読み出してRAM22上に展開することで、RAM22上に解析部110および補正制御部111が生成される。
上述したように、実施形態による音響処理装置によれば、出力信号パワーが閾値Pthを超えた場合に、無音区間を検出し、検出された無音区間において出力信号パワーを抑制するようにしている。そのため、ユーザに容易に認識されにくい形で、出力信号パワーを変化させることができる。
また、上述では、実施形態が、出力信号パワーの抑制を消費電力に基づき行なっているが、これはこの例に限定されない。例えば、過大な出力信号パワーが継続して出力された場合に、出力信号パワーの抑制を行うことが考えられる。
すなわち、携帯用の音声再生装置は、ヘッドフォンやイヤフォンを用いることが前提とされており、過大な音量での聴取を長時間継続して行うと、聴覚に損傷を受けるおそれがある。このような聴覚の損傷を防ぐために、実施形態による出力信号パワーの抑制を適用することができる。この場合には、解析部110は、所定以上の出力信号パワーが継続した時間を解析し、解析された継続時間が所定時間を超えた場合に無音区間を検出し、エフェクト処理やゲイン制御を抑制することが考えられる。
また同様にして、スピーカ30の寿命を延ばす効果も期待できる。この場合には、解析部110は、所定以上の出力信号パワーが出力された時間や、入力ディジタルオーディオ信号を解析し、突発的な大音量など、スピーカ30の寿命を劣化させる可能性のある信号の頻度などを累積する。累積値が所定以上となった場合に、無音区間を検出し、エフェクト処理やゲイン制御を抑制することが考えられる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
100 補正部
110 解析部
111 補正制御部
120 エフェクト・ゲイン制御量データ格納部
121 UI
122 エフェクト設定値生成部
123 ゲイン設定値生成部
124 エフェクト制御部
125 音量制御部
126 音響再生部
本発明の実施形態は、電子機器、方法およびプログラムに関する。
本発明の課題は、再生中の音量を、ユーザに容易に認識され難いように変化させることが可能な電子機器、方法およびプログラムを提供することにある。
実施形態に係る電子機器は、検出部により、オーディオ信号による再生音が無音と見做される状態が予め定められた規定時間以上連続する無音区間を検出する。制御部により、検出部で検出された無音区間内でオーディオ信号の出力レベルを変化させる。無音区間には、オーディオ信号の信号レベルが第1閾値以下である区間と、オーディオ信号の信号レベルが第1閾値よりも大きい第2閾値以上となった時刻から第1期間が経過するまでの区間とが含まれうる。第1期間では、オーディオ信号の信号レベルが第1閾値以下の値と第1閾値よりも大きい値とのいずれにもなりうる。

Claims (8)

  1. オーディオ信号による再生音が無音と見做される状態が予め定められた規定時間以上連続する無音区間を検出する検出部と、
    前記検出部で検出された前記無音区間内で前記オーディオ信号の出力レベルを変化させる制御部と
    を有する
    ことを特徴とする音響処理装置。
  2. 前記オーディオ信号に対して音響効果を与えるエフェクト部をさらに有し、
    前記制御部は、
    前記音響効果を制御することで前記出力レベルを変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響処理装置。
  3. 前記オーディオ信号に対して周波数解析を行い周波数帯域毎の信号レベルを求める解析部をさらに有し、
    前記検出部は、
    前記エフェクト部が前記音響効果を与える周波数帯域の信号レベルが閾値以下の状態が前記規定時間以上連続する区間を前記無音区間として検出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  4. 前記検出部は、
    前記オーディオ信号の信号レベルが閾値以下の状態が前記規定時間以上連続する区間を前記無音区間として検出し、
    前記制御部は、
    前記オーディオ信号に対するゲインを制御することで前記出力レベルを変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響処理装置。
  5. 前記検出部は、
    オーディオ信号の信号レベルに基づき、経時マスキングにより前記規定時間以上連続して再生音がマスクされる区間を前記無音区間として検出し、
    前記制御部は、
    前記オーディオ信号に対するゲインを制御することで前記出力レベルを変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響処理装置。
  6. 前記無音区間は、予め定められた周波数に応じた長さである
    ことを特徴とする請求項4に記載の音響処理装置。
  7. 前記無音区間は、前記音響効果を与える周波数帯域に応じた長さである
    ことを特徴とする請求項3に記載の音響処理装置。
  8. オーディオ信号による再生音が無音と見做される状態が予め定められた時間以上連続する無音区間を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップにより検出された前記無音区間内で前記オーディオ信号の出力レベルを変化させる制御ステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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