JP2008225056A - 音声明瞭度改善装置およびその騒音レベル推定方法 - Google Patents

音声明瞭度改善装置およびその騒音レベル推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】騒音レベルが急激に変化したときでも適切な補正ゲインを設定できる「音声明瞭度改善装置およびその騒音レベル推定方法」を提供する。
【解決手段】騒音レベルが定常状態のときは平均処理部12により算出される騒音レベルの平均値を現在の推定騒音レベルとして出力するようにスイッチ15を端子a側に切り替え、推定騒音レベルの瞬時値と平均値との差が所定時間以上連続して閾値より大きいことが判定処理部14にて検出されたときは、騒音レベルの瞬時値を現在の推定騒音レベルとして出力するようにスイッチ15を端子b側に切り替えることにより、騒音レベルが急激に変化した場合に、騒音レベル推定部7からゲイン補正部8に出力される推定騒音レベルが平均値から瞬時値へと切り替えられるようにして、騒音レベルが急激に変化したときにおける騒音レベル推定の追従性を向上させることができるようにする。
【選択図】 図2

Description

本発明は音声明瞭度改善装置およびその騒音レベル推定方法に関し、特に、音声の音圧レベルを周囲の騒音等に応じて補正することによって、ユーザに聞こえる音声の明瞭度を改善する技術に関するものである。
従来、音声を出力する音声出力装置において、ユーザに聞こえる音声の明瞭度を改善するための音声明瞭度改善装置が用いられている。この音声明瞭度改善装置では、音声出力装置のスピーカから出力された音声と周囲の騒音とをマイクにて入力する。そして、マイクから出力される音声信号を用いて、マイク位置での周囲騒音成分のパワー(音圧レベル)を推定し、その推定値に応じて、音声出力装置から出力する音声のゲインを、人間のラウドネス特性に従って周波数帯域毎に調整する。
例えば、ナビゲーション装置の案内音声(以下、ナビゲーション音声という)は、種々の騒音(走行中のエンジン音、ロードノイズ、風切り音等)やカーオーディオの出力音があると、非常に聞き取りにくくなる。そこで、ナビゲーション装置に対して音声明瞭度改善装置を適用し、マイク入力された音声信号をもとにラウドネス補償ゲインを可変制御することにより、騒音の大きさに関わりなく常に適切な音量でナビゲーション音声を再生できるようにしている。
ユーザに聞こえる音声の明瞭度を高めるためには、マイクから出力される音声信号に含まれる騒音成分のレベルをできるだけ正確に推定することが望まれる。騒音レベルの推定誤差を小さくするために、音声出力装置から音声が出力されていないときに、所定時間区間にて推定した騒音レベルの平均値を計算し、これを音声が出力されている時間区間における騒音レベルの推定値として用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−173839号公報
特許文献1に記載の技術では、音声未出力時に計算される騒音レベルの平均値は、過去に計算した騒音レベルを含めて平均化されたものであるため、当然に過去の騒音レベルの影響を受ける。騒音レベルが時間的に変わらない定常状態では、瞬時値も平均値も殆ど値が変わらないため、平均値を用いたとしても、ほぼ正しく騒音レベルを推定することができる。また、特許文献1では、音声が出力されていないとき(つまり、騒音成分のみ存在するとき)に算出した騒音レベルの平均化をしているため、騒音レベルの推定誤差を小さくすることが可能である。
しかしながら、騒音レベルが時間的に変化する非定常状態では、瞬時値の変化量に対して平均値の変化量に追従遅れが生じてしまう。特に、例えば車両がトンネルの内側から外側に出たときに騒音が大レベルから小レベルへと急激に変化する場合、追従遅れが生じると、本来は補正ゲインも大レベルから小レベルへと変更すべきであるにもかかわらず、連続して音声を出力した際の補正ゲインが適正値に収束できず、音声出力装置から音声が過大補正のまま出力されてしまうことがあった。この状態は、周囲の騒音が小さくなっているにもかかわらず過度に大きい音量の音声が出力されている状態であり、ユーザに不快感を与えてしまうという問題があった。
図6は、この従来の問題を説明するための図である。図6(a)はナビゲーション音声の信号波形を示し、図6(b)は周囲騒音の信号波形を示している。ここでは、ナビゲーション音声が断続的に出力されている際に、車両がトンネルの内側から外側へ出て騒音レベルが急降下した状況を示している。この場合、推定音声レベルは図6(c)のようになり、推定騒音レベルは図6(d)のようになる。また、これら2つの推定値をもとに算出されるゲイン補償量は図6(e)のようになる。
車両がトンネル内にいるときは、図6(d)に示すように推定騒音レベルは大きくなり、図6(e)のようにゲイン補償量も大きな値に設定されている。これに対して、車両がトンネルの外に出ると、図6(b)のように騒音信号レベルが急激に小さくなるので、本来はこれに合わせて推定騒音レベルもゲイン補償量も急激に小さくなるべきである(図6(d)(e)の点線参照)。
しかしながら、図6(d)に示すように、推定騒音レベルは平均処理の影響で緩やかにしか下降できず、次のナビゲーション音声の発声で本来の適正値まで収束しきれていない。このため、図6(e)に示すように、ゲイン補償量が目標値(点線部)より大きくなって過補償となり、ナビゲーション音声が必要以上に大きく聞こえてしまうことになる。
なお、ここでは騒音レベルが急降下する場合を例にとって説明したが、これとは逆に、騒音レベルが急上昇する場合も、平均値として出力される推定騒音レベルに追従遅れが生じてしまう。例えば、車両がトンネルの外側から内側に入ったときに騒音レベルが急上昇する場合、追従遅れが生じると、連続して音声を出力した際の補正ゲインが適正値に収束できず、ナビゲーション音声が過小補正のまま出力されてしまう。この状態は、周囲の騒音が大きくなっているにもかかわらず小さい音量の音声が出力されている状態であり、ナビゲーション音声が聞こえにくくなってしまう。
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、騒音の大きさが急激に変化した場合における騒音レベル推定の追従性を向上させ、騒音レベルが急激に変化したときでも適切な補正ゲインを設定できるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、騒音レベルが定常状態のときは騒音レベルの平均値を現在の推定騒音レベルとして出力し、騒音レベルの瞬時値と平均値との差が所定時間以上連続して閾値より大きい状態となったことが検出されたときは、当該瞬時値を現在の推定騒音レベルとして出力するように切り替える。
上記のように構成した本発明によれば、騒音の大きさが急激に変化すると、それに応じて騒音レベルの瞬時値も急激に変化するが、平均処理では騒音レベルが急変する前の過去の騒音レベルを含めて平均値が求められるので、当該平均値は徐々にしか変化せず、瞬時値と平均値との差は大きくなる。この差が所定時間以上続けて閾値より大きくなると、補正ゲイン算出のために出力される推定騒音レベルが平均値から瞬時値へと切り替えられるので、騒音レベルが急激に変化したときにおける騒音レベル推定の追従性が向上する。これにより、騒音レベルが急激に変化したときでも適切な補正ゲインを設定することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による音声明瞭度改善装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の音声明瞭度改善装置は、音量調整アンプ1、イコライザ2、スピーカ3、マイク4、減算器6、騒音レベル推定部7、ゲイン補正部8、適応フィルタ(ADF)9およびナビ音声レベル算出部10を備えて構成されている。なお、この音声明瞭度改善装置とは別に、図示しないナビゲーション装置が備えられている。
図示しないナビゲーション装置は、ユーザに対して経路や操作を案内するナビゲーション音声を表す案内音声信号を音量調整アンプ1に出力する。音量調整アンプ1は、案内音声信号の全体のゲインを調整する。イコライザ2は、音量調整アンプ1より出力される案内音声信号に対して、周波数帯域毎のゲインを調整する。スピーカ3は、音量調整アンプ1およびイコライザ2によってゲイン調整された案内音声信号に基づいてナビゲーション音声を出力する。
マイク4(本発明の音声入力部に相当)は、スピーカ3から出力されるナビゲーション音声および車室内に発生する走行ノイズなどの周囲騒音を入力し、電気信号として減算器6に出力する。以下、マイク4より出力される信号をマイク出力信号と称する。
適応フィルタ(ADF)9は、ナビゲーション装置の出力からマイク4の出力までの案内音声信号の伝達系のインパルス応答(伝達関数)を模擬するフィルタであり、同定用フィルタおよび係数更新部を含んで構成されている。同定用フィルタは、音響系のインパルス応答を同定するためのフィルタであり、そのフィルタ係数が係数更新部により設定される。
係数更新部は、LMS(Least Mean Square )アルゴリズムやN−LMS(Normalized-LMS)アルゴリズムにより、減算器6から出力される誤差信号のパワーが最小となるように動作して、同定用フィルタのフィルタ係数を算出する。そして、算出したフィルタ係数を同定用フィルタに設定する。これにより、適応フィルタ9に入力される案内音声信号に対して、上述した伝達系と同一の伝達特性を与える。
ナビ音声レベル算出部10は、適応フィルタ9より出力される適応フィルタ制御後の案内音声信号のレベル(以下、ナビ音声レベルと称する)を周波数帯域毎に算出し、騒音レベル推定部7およびゲイン補正部8に出力する。減算器6は、マイク4より出力されるマイク出力信号から、適応フィルタ9より出力されるナビ音声の模擬信号を引くことによって誤差信号を演算し、周囲騒音のみを抽出する。
騒音レベル推定部7は、減算器6より出力される誤差信号に基づいて、マイク4の位置での騒音レベルを周波数帯域毎に推定する。詳細は後述するが、騒音レベル推定部7は、明瞭度改善対象のナビゲーション音声がマイク4より入力されていないときにおける過去の所定時間区間における騒音レベルの平均値を演算し、これを現在の推定騒音レベルとして出力する。ナビゲーション音声がマイク4より入力されているか否かは、ナビ音声レベル算出部10より出力されるナビ音声レベルに基づいて判定する。
ゲイン補正部8は、ナビ音声レベル算出部10により算出された推定ナビ音声レベルと、騒音レベル推定部7により算出された推定騒音レベルとに基づいて、所定のラウドネス補償関数に従って、ナビゲーション装置から出力される制御対象の案内音声信号に対して加える最適のゲイン(音量調整アンプ1のゲインとイコライザ2の周波数帯域毎のゲイン)を算出し、この算出したゲイン値を音量調整アンプ1およびイコライザ2に出力する。
図2は、本実施形態による騒音レベル推定部7の構成例を示す図である。図2に示すように、騒音レベル推定部7は、レベル算出部11、平均処理部12、記憶部13、判定処理部14およびスイッチ15,16,17を備えて構成されている。減算器6およびレベル算出部11によって本発明の騒音レベル算出部が構成される。また、2つのスイッチ15,17によって本発明の推定騒音レベル出力部が構成される。
レベル算出部11は、減算器6より出力される誤差信号に基づいて、マイク4の位置での騒音レベルを周波数帯域毎に算出する。平均処理部12は、レベル算出部11により算出された騒音レベルの過去の所定時間区間における平均値を演算する。より具体的には、平均処理部12は、明瞭度改善対象のナビゲーション音声がマイク4より入力されていないときにおける過去の所定時間区間における騒音レベルの平均値を演算する。
例えば、平均処理部12はリングバッファを有しており、レベル算出部11により算出されたの騒音レベルの瞬時値をリングバッファに順次格納できるようになっている。平均処理部12は、このリングバッファに格納されている複数の瞬時値(現在の瞬時値を含めて過去の数個分の瞬時値)を平均化する演算を行い、その結果を騒音レベルの平均値として出力する。
記憶部13は、平均処理部12により算出された騒音レベルの平均値を格納する。判定処理部14は、レベル算出部11により算出される騒音レベルの瞬時値と平均処理部12により算出される騒音レベルの平均値とを比較し、その瞬時値と平均値との差が所定時間以上連続して閾値より大きいかどうかを判定する。そして、その判定結果に基づいて第1のスイッチ15を制御する。
第1のスイッチ15が有する一方の入力端子aには、平均処理部12により算出された騒音レベルの平均値が入力されている。また、第1のスイッチ15が有する他方の入力端子bには、レベル算出部11により算出された騒音レベルの瞬時値が入力されている。第1のスイッチ15は、通常は入力端子a側に切り替えられているが、瞬時値と平均値との差が所定時間以上連続して閾値より大きいと判定処理部14にて判断された場合は入力端子b側に切り替えられる。また、第1のスイッチ15が有する出力端子は、記憶部13および第3のスイッチ17の入力端子Bに接続されている。
第2および第3のスイッチ16,17は、ナビ音声レベル算出部10より出力されるナビ音声レベルに応じて切り替えが制御される。ここで、ナビ音声レベルが所定値以上の場合、つまりマイク4よりナビゲーション音声が入力されている場合は、スイッチ16,17は共に端子A側に切り替えられる。一方、ナビ音声レベルが所定値に満たない場合、つまりマイク4よりナビゲーション音声が入力されていない場合は、スイッチ16,17は共に端子B側に切り替えられる。
第2のスイッチ16の出力端子Aはどこにも接続されていない。一方、第3のスイッチ17の入力端子Aは、記憶部14に接続されている。上述したように、記憶部14には、平均処理部13により算出された騒音レベルの平均値、より具体的には、ナビゲーション音声がマイク4より入力されていないときにおける過去の所定時間区間における騒音レベルの平均値が格納されている。これにより、マイク4よりナビゲーション音声が入力されているときは、記憶部13に記憶されている過去の騒音レベルの平均値が現在の推定騒音レベルとして騒音レベル推定部7より出力される。
一方、第2のスイッチ16の入力端子はレベル算出部11に接続され、出力端子Bは平均処理部12の入力に接続されている。また、第3のスイッチ17の入力端子Bは、第1のスイッチ15の出力端子に接続されている。これにより、マイク4よりナビゲーション音声が入力されていないときは、第1のスイッチ15により選択された騒音レベル(すなわち、平均処理部12により算出された騒音レベルの平均値か、レベル算出部11により算出された騒音レベルの瞬時値かのいずれか)が現在の推定騒音レベルとして騒音レベル推定部7より出力される。
すなわち、2つのスイッチ15,17で構成される推定騒音レベル出力部は、通常は平均処理部12により算出された騒音レベルの平均値を推定騒音レベルとして出力するように動作する。つまり、第1のスイッチ15は端子a側、第3のスイッチ17は端子B側を選択する。一方、推定騒音レベル出力部は、騒音レベルの瞬時値と平均値との差が所定時間以上連続して閾値より大きいと判定処理部14により判断されたときには、レベル算出部11により算出された騒音レベルの瞬時値を推定騒音レベルとして出力するように動作する。つまり、第1のスイッチ15は端子b側、第3のスイッチ17は端子B側を選択する。
次に、上記のように構成した騒音レベル推定部7の動作を説明する。図3および図4は、騒音レベル推定部7の動作を説明するための図である。マイク4よりナビゲーション音声が入力されている場合、第2および第3のスイッチ16,17は、何れも端子A側に切り替えられる。これにより、記憶部13に格納されている過去の騒音レベルの平均値が現在の推定騒音レベルとして騒音レベル推定部7より出力される。
一方、マイク4よりナビゲーション音声が入力されていない場合、第2および第3のスイッチ16,17は、何れも端子B側に切り替えられる。また、第1のスイッチ15は、騒音レベルの瞬時値と平均値との差が所定時間以上連続して閾値より大きいか否かに応じて、端子a,bの何れかに切り替えられる。これにより、平均処理部12により算出された騒音レベルの平均値か、レベル算出部11により算出された騒音レベルの瞬時値かの何れかが、第1のスイッチ15により選択されて現在の推定騒音レベルとして騒音レベル推定部7より出力される。
すなわち、図3の区間Aに示すように、騒音レベルの瞬時値と平均値との差が所定時間以上連続して閾値より大きいと判定処理部14にて判断されていない場合は、平均処理部12により算出された騒音レベルの平均値が現在の推定騒音レベルとして騒音レベル推定部7より出力される。
一方、騒音レベルの瞬時値と平均値との差が所定時間以上連続して閾値より大きいと判定処理部14にて判断された場合は、図3の区間Bに示すように、レベル算出部11により算出された騒音レベルの瞬時値を現在の推定騒音レベルとして騒音レベル推定部7より出力するように切り替えられる。このとき同時に、記憶部13に格納されている過去の騒音レベルの平均値が、現在の騒音レベルの瞬時値で上書きされる。これにより、例えばその直後にマイク4よりナビゲーション音声が入力されたような場合には、記憶部13に格納された騒音レベルの瞬時値が現在の推定騒音レベルとして騒音レベル推定部7より出力される。
この図3に示した動作を、図4を用いて詳しく説明する。この図4では、ナビゲーション音声が断続的に出力されている際に、車両がトンネルの内側から外側へ出て騒音レベルが急降下した状況を示している。図4(a)はナビゲーション音声の信号波形、図4(b)は周囲騒音の信号波形、図4(c)はレベル算出部11により算出されるナビ音声レベルを示している。これらは何れも図6(a)〜(c)に示される波形と同じものである。
本実施形態の場合、騒音レベル推定部7から出力される推定騒音レベルは、図4(d)の実線で示すようになる。また、図4(c)の推定ナビ音声レベルと図4(d)の推定騒音レベルとをもとにゲイン補正部8により算出されるゲイン補償量は、図4(e)の実線で示すようになる。すなわち、車両がトンネル内にいるときは、図4(d)に示すように推定騒音レベルは大きくなり、図4(e)のようにゲイン補償量も大きな値に設定されている。
これに対して、車両がトンネルの外に出ると、図4(b)のように騒音信号レベルが急激に小さくなる。このとき、図4(d)に示すように、騒音レベルの平均値は緩やかに下降していく。そのため、騒音レベルの瞬時値と平均値との差が時間と共に徐々に大きくなっていく。そして、この瞬時値と平均値との差が所定時間以上連続して閾値より大きいと判定処理部14にて判断されると、それまで平均値が推定騒音レベルとして出力されていた状態から、瞬時値が推定騒音レベルとして出力される状態に切り替えられる。これにより、騒音レベルが急降下したときの追従性が向上し、図4(d)の実線で示すように推定騒音レベルが急激に小さくなるとともに、図4(e)に示すようにゲイン補償量も急激に小さくなり、ナビゲーション音声の発声で本来の適正値まで収束する。
図5は、騒音レベル推定部7の動作例を示すフローチャートである。図5において、レベル算出部11は、騒音レベルの瞬時値を算出する(ステップS1)。また、騒音レベル推定部7は、ナビ音声レベル算出部10により算出されたナビ音声レベルが所定値α以上か否かを判定する(ステップS2)。ナビ音声レベルが所定値α以上であれば、第2および第3のスイッチが端子A側に切り替えられ、記憶部13に格納されている過去の騒音レベルの平均値が推定騒音レベルとしてゲイン補正部8に出力される(ステップS3)。
一方、ナビ音声レベルが所定値αに満たないと騒音レベル推定部7により判断された場合は、第2および第3のスイッチが端子B側に切り替えられ、ステップS1でレベル算出部11により算出された騒音レベルの瞬時値が平均処理部12に入力される(ステップS4)。平均処理部12は、騒音レベルについて過去の所定時間区間における平均値を算出する(ステップS5)。
次に、判定処理部14は、ステップS1で算出された騒音レベルの瞬時値と、ステップS5で算出された騒音レベルの平均値とを比較し、その差が所定の閾値β[dB]より大きいかどうかを判定する(ステップS6)。瞬時値と平均値との差が閾値β[dB]より大きくないと判定処理部14にて判断された場合は、カウンタの値をゼロに初期化する(ステップS7)。一方、瞬時値と平均値との差が閾値β[dB]より大きいと判定処理部14にて判断された場合は、カウンタの値を1つインクリメントする(ステップS8)。
ここで、判定処理部14は、カウンタの値が所定値γ以上か否かを判定する(ステップS9)。すなわち、ステップS6〜S9では、瞬時値と平均値との差が所定時間γ以上連続して閾値βより大きいかどうかを判定している。そして、騒音レベルの瞬時値と平均値との差が所定時間γ以上連続して閾値βより大きいと判定処理部14にて判断された場合は、第1のスイッチ15が端子a側から端子b側へ切り替えられ、騒音レベルの平均値を推定騒音レベルとして出力している状態から、騒音レベルの瞬時値を推定騒音レベルとして出力する状態へと切り替えられる(ステップS10)。
その後、判定処理部14のカウンタをゼロに初期化するとともに(ステップS11)、記憶部13に格納されていた騒音レベルの平均値を瞬時値で上書きし、また、リングバッファ等で格納していた過去の所定時間区間の騒音レベルを全て最新の瞬時値で上書きして(ステップS12)、一巡の処理が終了する。以降、ステップS1〜S12の処理が繰り返し実行される。
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、騒音レベルが定常状態のときは騒音レベルの平均値を現在の推定騒音レベルとして出力し、騒音レベルの瞬時値と平均値との差が所定時間以上連続して閾値より大きい非定常状態となったことが検出されたときは、当該瞬時値を現在の推定騒音レベルとして出力するように切り替えている。
このように構成した本実施形態によれば、例えば車両がトンネルの内側から外側へ出ることによって騒音レベルが急降下すると、それに応じて騒音レベル推定部7からゲイン補正部8に出力される推定騒音レベルが平均値から瞬時値へと切り替えられるので、騒音レベルが急降下したときにおける騒音レベル推定の追従性を向上させることができる。このため、騒音レベルが急降下したときでも適切な補正ゲインを音量調整アンプ1およびイコライザ2に設定することができる。これにより、周囲の騒音が小さくなっているにもかかわらず、ナビゲーション音声の音量が大きいままでユーザに不快感を与えてしまうという不都合を抑制することができる。
なお、上記実施形態では、騒音レベルが急降下した場合を例にとって説明したが、騒音レベルが急上昇した場合も同様に動作する。例えば、車両がトンネルの外側から内側に入ったときに騒音レベルが急上昇した場合でも、追従遅れは生じず、適切な補正ゲインを音量調整アンプ1およびイコライザ2に設定することができる。これにより、周囲の騒音が大きくなっているにもかかわらず、ナビゲーション音声の音量が小さいままで聞こえにくいという不都合を抑制することができる。
また、上記実施形態では、明瞭度改善対象の音声がナビゲーション音声である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、オーディオ装置から出力されるオーディオ音声を明瞭度改善対象の音声としても良い。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本実施形態による音声明瞭度改善装置の構成例を示す図である。 本実施形態による騒音レベル推定部の構成例を示す図である。 本実施形態による騒音レベル推定部の動作説明図である。 本実施形態による騒音レベル推定部の動作説明図である。 本実施形態による騒音レベル推定部の動作例を示すフローチャートである。 従来の動作説明図である。
符号の説明
6 減算器
7 騒音レベル推定部
11 レベル算出部
12 平均処理部
13 記憶部
14 判定処理部
15,17 スイッチ(推定騒音レベル出力部)

Claims (4)

  1. 明瞭度改善対象の音声成分および周囲の騒音成分を含んだ音声信号を音声入力部より入力し、当該音声信号を用いて、上記音声入力部の位置での騒音レベルを算出する騒音レベル算出部と、
    上記騒音レベル算出部により算出された騒音レベルの過去の所定時間区間における平均値を演算する平均処理部と、
    上記騒音レベル算出部により算出される騒音レベルの瞬時値と上記平均処理部により算出される騒音レベルの平均値とを比較し、その差が所定時間以上連続して閾値より大きいかどうかを判定する判定処理部と、
    上記平均処理部により算出された騒音レベルの平均値を推定騒音レベルとして出力し、上記騒音レベルの瞬時値と平均値との差が所定時間以上連続して閾値より大きいと上記判定処理部により判断されたときには上記瞬時値を推定騒音レベルとして出力するように切り替える推定騒音レベル出力部とを備えたことを特徴とする音声明瞭度改善装置。
  2. 上記平均処理部により算出された騒音レベルの平均値を格納する記憶部を備え、
    上記推定騒音レベル出力部は、上記記憶部に記憶されている値を上記推定騒音レベルとして出力するように成され、上記騒音レベルの瞬時値と平均値との差が所定時間以上連続して閾値より大きいと上記判定処理部により判断されたときに上記記憶部を上記瞬時値で上書きすることを特徴とする請求項1に記載の音声明瞭度改善装置。
  3. 上記平均処理部は、上記明瞭度改善対象の音声が上記音声入力部より入力されていないときにおける過去の所定時間区間における騒音レベルの平均値を演算することを特徴とする請求項1または2に記載の音声明瞭度改善装置。
  4. 明瞭度改善対象の音声および周囲の騒音を音声入力部より入力し、上記音声入力部より出力される音声信号を用いて、上記音声入力部の位置での騒音レベルを推定し、当該騒音レベルの推定値に応じて上記明瞭度改善対象の音声の補正ゲインを調整する音声明瞭度改善装置の騒音レベル推定方法であって、
    上記音声信号を用いて、上記音声入力部の位置での騒音レベルを算出する第1のステップと、
    上記騒音レベルについて過去の所定時間区間における平均値を演算する第2のステップと、
    上記第1のステップで算出される騒音レベルの瞬時値と上記第2のステップで算出される騒音レベルの平均値とを比較し、その差が所定時間以上連続して閾値より大きいかどうかを判定する第3のステップと、
    上記騒音レベルの瞬時値と平均値との差が所定時間以上連続して閾値より大きいと判断されたときに、上記第2のステップで算出された騒音レベルの平均値を推定騒音レベルとして出力している状態から、上記瞬時値を推定騒音レベルとして出力する状態へと切り替える第4のステップとを有することを特徴とする騒音レベル推定方法。
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