JPH09186540A - 騒音感応自動音量調整装置 - Google Patents

騒音感応自動音量調整装置

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JPH09186540A
JPH09186540A JP34359595A JP34359595A JPH09186540A JP H09186540 A JPH09186540 A JP H09186540A JP 34359595 A JP34359595 A JP 34359595A JP 34359595 A JP34359595 A JP 34359595A JP H09186540 A JPH09186540 A JP H09186540A
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Tadaaki Matsumura
忠顕 松村
Hiroshi Kowaki
宏 小脇
Hiroyuki Yamaguchi
博之 山口
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Denso Ten Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音量調整の制御をデジタル化することによっ
て、騒音量の検出精度を上げ、任意の時定数、音量の補
正方法等、パラメータを調整して、聴感上、違和感のな
い自動的な音量調整を可能にする。 【解決手段】 騒音感応自動音量調整装置1のDSP2
は、車室内音響入力装置3からの入力信号に基づいて、
車室信号処理手段4で比較信号を算出し、音源信号処理
手段5で算出される基準信号と比較し、音量制御手段6
による演算処理で騒音量として検出し、音量調整のため
の制御を行う。音量調整は、ナビゲーション装置7から
の道路情報に従っても行われる。ON/OFF切換手段
8は制御をONまたはOFFに切換え可能であり、調整
手段9からは各種パラメータを入力して設定可能であ
る。車載用オーディオ装置10に組込まれて使用され、
音源11からのプログラムソースを車室内で音響再生す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に搭載さ
れ、車室内で音響再生される音源信号の音量を車室内の
騒音量に応じて聴取しやすいように自動調整する騒音感
応自動音量調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両にはオーディオ装置が搭
載され、車室内で音楽などの音響再生が可能となってい
る。車室には、車両の走行に伴うロードノイズ、風切
音、あるいはエンジン音などの騒音が侵入し、騒音のレ
ベルが高くなると車室内での音響再生を良好な聴取状態
で行うことができなくなってしまう。騒音の聴こえ方
は、車室の前後で異なる。この点に着目し、騒音量を検
出して、騒音レベルに応じて車室内の前側と後側とに設
けたスピーカの音量配分を変更する先行技術が、たとえ
ば特開平4−108207に開示されている。この先行
技術は、たとえば特開昭58−175400に開示され
ているような、車室内に複数のスピーカを設置し、車室
内の乗車人員の配置に応じてスピーカから再生する音量
を制御する先行技術を基礎としている。
【0003】また、車室内の騒音を、騒音を打消すよう
な音響信号を再生して能動的に低減させる先行技術は、
たとえば特開平3−203492に開示されている。ま
た、車両に搭載されるナビゲーション装置に連動して、
特定の場所を走行中に車室内の音響出力を低減する先行
技術は、たとえば特開平5−215560や特開平5−
305847などに開示されている。さらに一般的に、
周囲の騒音量に応じて音響出力を制御し、夜間の騒音の
少ないときなどに騒音源とならないように制御する先行
技術が、たとえば特開平1−189215などに開示さ
れている。この先行技術では、騒音検出のための入力系
統に、自己の発生する音響出力を除外するような特定の
周波数特性をもたせる考え方が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−10820
7の先行技術では、車室内の聴取位置の違いによる騒音
感応制御による違和感の解消を目的としている。しかし
ながら、制御の切換えについて具体的な構成の開示はな
く、特に、切換えを長い時定数のもとに行うという考え
方は示されていない。騒音感応制御が頻度高く行われる
と、聴取している音源信号の再生レベルが頻繁に変化し
てしまい、違和感が生じてしまう。特開平5−2155
60や特開平5−305847の先行技術では、車両が
特定の場所を走行するときあるいは存在するときに車室
内の音響出力を低減させることはできるけれども、騒音
に対応して聴取しやすい音量に制御することはできな
い。
【0005】本発明の目的は、騒音感応による自動的な
音量制御を、デジタル信号処理に基づいて適切に行うこ
とができる騒音感応自動音量調整装置を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、車室内で音響
再生される音量を、車室内の騒音量に応じて、聴取しや
すいように自動調整する騒音感応自動音量調整装置にお
いて、音響再生すべき音源信号をデジタル信号として入
力し、デジタル信号処理によって騒音量検出のための基
準信号を導出する音源信号処理手段と、車室内の音響信
号を検出し、デジタル信号に変換して入力する車室内音
響入力手段と、車室内音響入力手段によって入力された
音響信号をデジタル信号処理して、騒音量検出のための
比較信号を導出する車室信号処理手段と、音源信号処理
手段および車室信号処理手段からの出力に応答し、基準
信号に対する比較信号の差として騒音量を検出し、音響
再生される音量を制御する音量制御手段とを含むことを
特徴とする騒音感応自動音量調整装置である。本発明に
従えば、車室内で音響再生される音響信号は、車室内音
響入力手段によって検出され、デジタル信号に変換され
て車室信号処理手段によるデジタル信号処理が行われ、
騒音量検出のための比較信号として導出される。車室内
で音響再生すべき音源信号からは、音源信号処理手段の
デジタル信号処理によって騒音量検出のための基準信号
が導出される。音量制御手段は、基準信号に対する比較
信号の差として騒音量を算出し、音響再生される音量を
制御するので、騒音に対応する音量の調整をデジタル信
号処理によって自動的に行うことができる。したがっ
て、アナログ信号処理の場合のような、電子回路を構成
する部品のばらつきの影響がなく、制御精度を向上させ
ることができる。また、部品を交換しないでも、信号処
理のパラメータの変更を行うことができるので、動作状
態の自由度が大きく、適切なパラメータを設定して動作
させることができる。
【0007】また本発明で、前記車室信号処理手段およ
び音源信号処理手段は、検出された車室内の音響信号お
よび音源信号の周波数帯域を制限することを特徴とす
る。本発明に従えば、車室信号処理手段および音源信号
処理手段では、車室内で検出される音響信号、および音
源信号の周波数帯域を制限するので、たとえば聴感上で
の騒音の程度と騒音量として検出される量との対応をと
ることができる。車室内の騒音は、きわめて低い周波数
帯域では、走行速度によらずほぼ一定で比較的高い音圧
レベルを有する。これに対して聴感上、騒音として感じ
やすい周波数帯域の音響信号は、車両が停止あるいは低
速で走行しているときには音圧レベルが小さくなる。車
室内音響入力手段が検出する車室内の音響信号の周波数
帯域を制限することによって、適切な騒音量の検出を行
うことができる。
【0008】また本発明で、前記音源信号処理手段は、
音源信号に対して車室内伝達関数に基づく演算処理を施
すことを特徴とする。本発明に従えば、車室内音響入力
手段に入力される音響信号は、車室内に音響再生される
音源信号に対して車室内伝達関数の影響が加わる。車室
内伝達関数の影響が加わった音響信号をデジタル信号処
理して、騒音量検出のための比較信号としても、騒音が
ない状態で比較信号と基準信号との差を0にすることが
できなくなる。たとえば、比較信号の方が基準信号より
も大きく検出されるときには、車室内で音響再生される
音量の低下のための制御が行われ、比較信号のレベルは
低下するけれども、基準信号のレベルもさらに低下して
しまい、音量制限を無限に繰り返すことになる。比較信
号のレベルよりも基準信号のレベルの方が大きいときに
は、騒音が加わっても比較信号が基準信号のレベルより
大きくならない限り騒音量が検出されず、騒音に対する
音量制限が行われない。音源信号処理手段によって、車
室内の伝達関数をかける演算処理が行われるので、騒音
が無い状態での比較信号と基準信号とのレベルを合わ
せ、差を0にすることができる。
【0009】また本発明で、前記音源信号処理手段およ
び車室信号処理手段は、基準信号および比較信号に積分
処理を施してそれぞれ導出することを特徴とする。本発
明に従えば、騒音量検出のための基準信号および比較信
号を導出する音源信号処理手段および車室信号処理手段
は、それぞれ積分演算処理をデジタル信号処理によって
施すので、アナログ信号処理によっては実現不可能な長
時間の時定数に相当する積分演算処理を容易に行うこと
ができる。たとえばアナログ積分回路では、時定数を数
秒に設定しようとすると、大容量のコンデンサを用意
し、しかも出力レベルが小さくなってしまうので、実用
性がなくなってしまう。デジタル信号処理によって、長
時間、たとえば数秒に時定数を設定した積分演算処理を
行うことができるので、瞬時の騒音変化に対して音量制
御の制御波形をなまらせ、聴感上の違和感を生じない音
量制御を行うことができる。
【0010】また本発明で、前記積分演算処理における
時定数は、入力操作によって調整可能であることを特徴
とする。本発明に従えば、積分演算処理の時定数を操作
によって調整可能であるので、車室内で音響再生を聴取
するユーザなどの好みに合わせて、音量制御の状態を調
整することができる。時定数が長ければゆったりとした
制御が行われ、短ければ反応が鋭敏な制御が行われる。
【0011】また本発明は、車室内で音響再生される音
源信号の再生音量を調整するための操作を行う音量操作
手段と、音量操作手段への操作に応答し、前記音源信号
処理手段の利得を再生音量に対応して制御する音源利得
制御手段とを含むことを特徴とする。本発明に従えば、
車室内で音響再生される音源信号を聴取する音量を、ユ
ーザ側から音量操作手段を操作して調整することができ
る。音源利得制御手段は、音量操作手段への操作に応答
して、音源信号処理手段の利得を再生音量に対応して制
御する。これによって、音量操作手段に対して操作が行
われても、基準信号と比較信号とのレベル差が、騒音な
しの状態では常に0となるように制御することができ、
音量操作手段に対する操作に基づいて音量制御を無限に
繰り返すような状態に陥ることを防ぐことができる。
【0012】また本発明で、前記音量制御手段は、検出
する騒音量が予め設定される閾値を超えるときに、音響
再生される音量の制御を行うことを特徴とする。本発明
に従えば、騒音量が予め設定される閾値を超えるときに
音響再生される音量の制御を行い、閾値を超えないとき
には行わないので、騒音量が微小に変動するときまで含
めて音量制御を行う場合よりも、デジタル信号処理のプ
ログラムステップを削減することができる。
【0013】また本発明で、前記閾値に基づく音量制御
は、予め定める時定数をもたせて行われることを特徴と
する。本発明に従えば、閾値に基づく音量の制御は、予
め定める時定数を持たせて行われる。騒音量が閾値を超
えても急激には音量が変化せず、時定数に従ってゆっく
り制御が行われるので、聴感上では自然に聞こえる音量
制御を実現することができ、瞬時に音量制御を行うとき
のような聴感上の違和感を生じさせない。
【0014】また本発明は、車両が走行中の道路情報を
検出する道路情報検出手段を備え、前記音量制御手段
は、検出される道路情報に従って、前記音響再生される
音量の制御を行うことを特徴とする。本発明に従えば、
道路情報検出手段によって車両が走行中の道路情報が検
出される。音量制御手段は、検出された道路情報に従っ
て音響再生される音量の制御を行うので、たとえばトン
ネルや高速道路あるいは交通渋滞などの道路情報に応じ
て、適切な音量制御を行うことができる。
【0015】また本発明は、前記音量制御手段あるいは
音源信号処理手段の基準信号と車室信号処理手段の比較
信号との差によって算出される騒音量に応答し、音響再
生される音源信号の最大信号レベルと最小信号レベルと
の間のレベル差を、騒音量に連動して圧縮するように制
御するコンプレッサ手段を備えることを特徴とする。本
発明に従えば、音量制御手段によって算出される騒音量
が大きく、音響再生される音源信号の音量を大きくする
ときには、コンプレッサ手段によって音源信号の最大信
号レベルと最小信号レベルとの間のレベル差を圧縮す
る。一般に、音響再生機器は、再生可能な音響出力に上
限があり、入力信号が一定値以上に大きくなっても音響
出力は飽和して、かえって歪みなどが多くなり、音質が
損なわれてしまう。音量制御手段による騒音量に対応す
る音量制御によって、再生する音圧レベルが上昇する
と、音源信号のレベルが高い範囲で飽和するおそれがあ
る。コンプレッサ手段によって最大信号レベルと最小信
号レベルとの間のレベル差を騒音量に連動して圧縮する
ので、音源信号の飽和による音質劣化を防ぐことができ
る。また音源信号の入力レベルが小さいときには出力レ
ベルが入力レベルより高く設定されているので、騒音に
よる音源信号のマスキングを避けることができ、音源信
号のダイナミックレンジを損なうことなく、音響再生を
行うことができる。
【0016】また本発明は、テスト信号発生手段を備
え、前記音源信号処理手段および車室信号処理手段は、
テスト信号発生手段からの出力に基づいてそれぞれ導出
される基準信号および比較信号の周波数特性および出力
レベルが同等となるように利得をそれぞれ調整すること
を特徴とする。本発明に従えば、テスト信号発生手段か
ら発生される信号に基づいて、音源信号処理手段および
車室信号処理手段からそれぞれ導出される基準信号およ
び比較信号の出力が同等となるように利得を調整するこ
とによって、車両の種類によらず音量制御を適切に行う
ことができる。また周波数特性などの音響特性も、自動
的に調整することができる。
【0017】また本発明で、前記音量制御手段による音
量の制御量は、操作入力によって調整可能であることを
特徴とする。本発明に従えば、音量制御手段による音量
の制御量は操作入力によって調整可能であるので、車室
内で音源信号を音響再生して聴取するユーザの好みに合
わせて補正量を調整することができる。
【0018】また本発明は、車室内で音響再生される音
量を自動調整する制御を、ONまたはOFFに切換える
ON/OFF切換手段を含むことを特徴とする。本発明
に従えば、車室内で音響再生される音量を騒音量に応じ
て自動調整する制御をONまたはOFFに切換えること
ができるので、ユーザの必要性に応じて制御を切換える
ことができる。
【0019】また本発明は、車室内で音響再生される音
源信号の再生音量を調整するための操作を行う音量操作
手段を備え、前記音量制御手段、前記ON/OFF切換
手段がONに切換えられる時点での音量操作手段の操作
位置に対応する音量を基準に、制御を行うことを特徴と
する。本発明に従えば、騒音量に対応する音量制御がO
Nに切換えられる時点での音量操作手段の操作位置に対
応する音量を基準に、音量制御が行われる。車室内で音
響再生される信号を聴取するユーザの好みに応じた音量
を騒音に対して確保しながら、音響再生を続けることが
できる。
【0020】また本発明は、車室内で音響再生される音
源信号の再生音量を調整するための操作を行う音量操作
手段を備え、前記音量制御手段は、前記ON/OFF切
換手段がONに切換えられていたときの音量操作手段の
操作位置に基づく音量に騒音信号に基づく制御量を加算
して制御を行うことを特徴とする。本発明に従えば、音
量操作手段の操作位置を、騒音量に対応する音量制御の
ON状態を基準に、騒音量に対応した音量が増加するよ
うに調整するので、新たな音量操作手段を用いる必要な
く、騒音量に対応する音量の自動調整を行うことができ
る。
【0021】また本発明は、車室内で音響再生される音
源信号の再生音量を調整するための操作を行う音量操作
手段を備え、音量操作手段に予め定める操作を行うこと
によって、車室内で音響再生される音量を自動調整する
制御をONまたはOFFに切換可能であることを特徴と
する。本発明に従えば、車室内で音響再生される音源信
号の再生音量を調整するための操作を行う音量操作手段
に対して、予め定める操作を行うことによって、音量の
自動調整のための制御をONまたはOFFに切換えるこ
とができる。これによって、音量の自動調整のための制
御をONまたはOFFに切換えるために制御の操作手段
を設ける必要はなく、音量操作手段で兼用させることが
できる。
【0022】また本発明は、前記音量操作手段に対し
て、予め定める時間以上にわたって操作が行われないと
き、前記制御がONに切換えられることを特徴とする。
本発明に従えば、音量操作手段に対する操作が予め定め
る時間以上にわたって行われないときには、音量の自動
調整のための制御がONに切換えられる。車室内で音響
信号を再生するユーザの好みの音量がいったん設定され
れば、音量操作手段に対する操作を行わないようにする
だけで、騒音が大きくなっても自動音量調整によって、
聴取しやすい音響再生を継続することができる。
【0023】また本発明は、前記音量操作手段が、予め
定める操作状態よりも低音量側に操作されるとき、前記
制御がOFFに切換えられることを特徴とする。本発明
に従えば、音量操作手段が低音量側に操作されるときに
は、騒音量に対応する音量の制御がOFFに切換えられ
る。これによって、急に大音量の音源信号が入力され
て、車室内に音響再生される音量が小さいために音量を
増大する制御が行われ、非常に大音量で再生されてしま
うような事態を避けることができる。
【0024】また本発明は、前記音量を自動調整する制
御がOFFに切換えられているとき、前記車室内音響入
力手段の動作を停止させることを特徴とする。本発明に
従えば、車室内音響入力手段の動作を停止させるので、
見かけ上騒音が検出されない状態となり、実質的に制御
前の状態に移行する。急激な音量変化が生じないので、
違和感のない切換えを行うことができる。
【0025】また本発明は、前記音量を自動調整する制
御がOFFに切換えられているとき、前記音量制御手段
による騒音量に対しての音量を制御開始前の状態にする
ために、閾値ごとに与えられている制御量を全て0に
する、閾値を全て非常に高いレベルにする、積分前
のレベル係数を−∞にすることのいずれかを行うことを
特徴とする。本発明に従えば、音量を制御開始前の状態
にするために、閾値ごとに与えられている制御量を全
て0にする、閾値を全て非常に高いレベル、すなわち
騒音が理論上は上がらないレベルにする、積分前のレ
ベル係数を−∞にすることのいずれかを行う。これらに
よって、制御がOFFの状態である騒音量に対する音量
制御開始前の状態に戻すので、迅速に切換えを行うこと
ができる。
【0026】また本発明は、前記音量制御手段からの騒
音量に応答し、デジタル信号処理によって音響再生され
る音源信号の音量を調整する音量処理手段を備えること
を特徴とする。本発明に従えば、音量処理手段は、音量
制御手段から騒音量に応答して、デジタル信号処理によ
って音響再生される音源信号の音量を調整するので、独
立した音量調整のための回路や部品が不要となり、電気
的構成を簡略化することができる。
【0027】また本発明は、前記音量制御手段からの騒
音量に応答し、デジタル信号処理によって音響再生され
る音源信号の音量を調整する独立した音量調整手段を備
えることを特徴とする。本発明に従えば、音量調整を独
立した音量調整手段によって行うので、音量制御手段に
よるデジタル信号処理のためのソフトウェアの構成を簡
略化することができる。
【0028】また本発明で、前記音量制御手段には、音
量の調整量の上限が予め設定可能であることを特徴とす
る。本発明に従えば、音量の調整量に上限を設定し、騒
音の増大とともに音量が一層大きくなって恐怖心を与え
るような状態を防止し、音響出力の飽和による歪み発生
も防ぐことができる。
【0029】また本発明は、前記音源信号処理手段、前
記車室信号処理手段および前記音量制御手段の動作状態
をそれぞれ規定するパラメータを複数組設定して記憶し
ておくパラメータ記憶手段と、パラメータ記憶手段に記
憶されたパラメータを選択して音源信号処理手段、車室
信号処理手段および音量制御手段の動作状態を切換える
パラメータ選択手段とをさらに含むことを特徴とする。
本発明に従えば、たとえば搭載される可能性のある車両
について予めデジタル信号処理で必要になるパラメータ
を用意して記憶しておくことによって、車両に合わせて
パラメータを選択し、適切な動作状態に切換えることが
できる。
【0030】また本発明は、前記車室内の複数箇所に配
置される音響再生用のスピーカと、複数箇所のスピーカ
から再生される音場を聴取位置に合わせて選択するため
のポジションセレクタとを備え、前記音場制御手段は、
ポジションセレクタによって選択された音場に連動させ
て、各配置位置のスピーカから音響再生される音量の制
御を行うことを特徴とする。本発明に従えば、ポジショ
ンセレクタによって選択された車室内での音場に連動さ
せて、各スピーカからの再生音量を制御し、聴取位置に
よらない音量調整を行うことができる。
【0031】また本発明で、前記音源信号処理手段は、
音響再生すべき音源信号についての音響特性変更処理が
すべて終了した後で、基準信号を導出するためのデジタ
ル信号処理を行うことを特徴とする。本発明に従えば、
音源信号の音響特性変更処理についてパラメータを変更
すると、その影響は車室内への音響出力に反映され、車
室内から音響信号を検出する車室内音響入力手段から車
室信号処理手段で処理される車室信号にも反映される。
変更の影響は、音源信号処理手段への入力信号へも反映
されるようになるので、基準信号導出のためのデジタル
信号処理についてのパラメータの変更を不要にすること
ができる。
【0032】また本発明で、前記車室内音響入力手段
は、車室内音響信号検出のためだけではなく、他の用途
と兼用するマイクロホンを備えることを特徴とする。本
発明に従えば、車室内で音響信号を検出するためのマイ
クロホンを、他の用途、たとえばハンズフリーの自動車
電話、音声認識機器用入力マイクロホンなどと切換えて
使用することができる。
【0033】また本発明で、前記車室内音響入力手段
は、車室内音響信号検出のために、車室の天井部に照明
ランプと一体的に形成するマイクロホンを備えることを
特徴とする。本発明に従えば、マイクロホンが車室の天
井部に配置されるので、車室内の音響信号を適切に検出
することができる。照明ランプと一体的に形成すること
によって、マイクロホンの支持を安定して行うことがで
き、車室内の美観を損なわずに固定することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態と
しての騒音感応自動音量調整装置1に関連する電気的構
成の概要を示す。騒音感応自動音量調整装置1は、主要
な制御をデジタル信号処理プロセッサ(以下、「DS
P」と略称する)2によるデジタル演算処理によって行
う。車室内音響入力装置3からの入力信号に基づいて、
DSP2は、車室信号処理手段4のデジタル信号処理で
比較信号を算出する。比較信号は、音源信号処理手段5
のデジタル信号処理で算出される基準信号と比較され、
音量制御手段6による演算処理で騒音量として検出さ
れ、音量調整のための制御が行われる。音量制御手段6
による音量調整は、ナビゲーション装置7からの道路情
報に従っても行われる。
【0035】騒音感応自動音量調整装置1は、ON/O
FF切換手段8によってON状態またはOFF状態に切
換え可能であり、調整手段9によって各種パラメータを
入力して設定可能であるとともに、自動車の車室内で音
響再生を行う車載用オーディオ装置10に組込まれて使
用され、音源11からのプログラムソースを車室内で音
響再生する際に、騒音量に対する補正のための音量調整
をデジタル化して行う。制御をデジタル化することによ
って、騒音量の検出精度を上げ、任意の時定数、音量の
補正方法等、パラメータを調整して、聴感上、違和感の
ない自動的な音量調整を行うことができる。
【0036】図2は、図1の車載用オーディオ装置10
の内部構成を示す。音源11では、コンパクトディスク
(略称「CD」)やカセットテープ(略称「CS」)、
あるいは放送などがソースとして利用される。音源11
からの出力は、デジタル信号の音源信号として、DSP
2に入力される。ソースがアナログ信号であれば、アナ
ログからデジタルへの(以下、「A/D」と略称する)
コンバータを用いてデジタル信号に変換して入力する。
DSP2内には、音源信号の音量調整用のプログラム動
作に基づく等価的な構成要素として、オートボリューム
・ラウドネス回路12と、フロント用、リア用およびウ
ーファ用のフィックスイコライザ(ハイパスフィルタ、
ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ)回路13f,
13r,13wが形成されている。DSP2に入力され
た音源信号は、左右2チャネルのステレオ信号であり、
オートボリューム・ラウドネス回路12で、音量調整と
小音量時のマスキング防止のためのラウドネス補正と
が、各チャネル毎に行われる。オートボリューム・ラウ
ドネス回路12からの出力は、左右各チャネル毎に設け
られるフィックスイコライザ(ハイパスフィルタ、ロー
パスフィルタ、バンドパスフィルタ)回路13f,13
r,13wで、フロント用、リア用およびウーファ用に
それぞれ分けられ、デジタルからアナログへの(以下、
「D/A」と略称する」コンバータ14に入力されて、
アナログ信号に変換される。
【0037】D/Aコンバータ14からの出力は、電子
ボリューム15に入力される。電子ボリューム15は、
車室内で再生される音響信号を聴取するユーザの操作に
基づいて音量調整を行うボリュームであり、電気的な制
御入力に応じて、入力信号を減衰させる程度を変化させ
ることができる。手動操作可能な可変抵抗器を用いるこ
ともできる。電子ボリューム15の出力は、パワーアン
プ16で電力増幅され、スピーカ17を駆動して、車室
内に再生される。本実施形態では、フロントとリアにそ
れぞれ左右両チャネル用のスピーカ17を配置し、さら
に低音用のウーファを左右両チャネル分、スピーカ17
として配置している。車室内でのスピーカ17の配置に
ついては、種々の形態が考えられるけれども、騒音に対
応する音量の調整についての基本的な考え方は同等であ
る。
【0038】車室内の音響信号は、車室内音響入力装置
3のマイクロホン18によって取込まれる。この音響信
号には、スピーカ17によって車室内に音響再生された
ソース成分と、車室の内外で発生する騒音成分とが含ま
れる。マイクロホン18によって取込まれた音響信号
は、マイクアンプ19で増幅され、A/Dコンバータ2
0によってデジタル信号に変換され、DSP2に車室信
号として入力される。
【0039】オートボリューム・ラウドネス回路12か
らの出力は、音源信号処理手段5によってデジタル信号
処理が施される。音源信号処理手段5内には、DSP2
のプログラム動作に基づくバンドパスフィルタ回路21
s、車室内伝達特性イコライザ回路22、ゲイン調整回
路23、整流回路24s、ゲイン調整回路25sおよび
積分回路26sが等価的に含まれる。バンドバスフィル
タ回路21sでは、音源信号の周波数帯域をたとえば4
0〜400Hzに制限する。による演算処理が順次的に
施されて、減算回路27に入力される。車室内伝達特性
イコライザ回路22では、騒音のない状態でマイクロホ
ン18へ入力される車室内の音響信号と、音源信号との
音響特性上の差を解消する。ゲイン調整回路23では、
電子ボリューム15の操作に対応して増幅利得を変化さ
る。ゲイン調整を行わないと、電子ボリューム15の操
作で車室内の音量が増大しても、騒音の増大として扱わ
れ、オートボリューム・ラウドネス回路12で音量を増
大する制御が行われてしまうので、違和感を生じる。
【0040】車室信号処理手段4にも、DSP2のプロ
グラム動作に基づく、バンドパスフィルタ回路21n、
整流回路24n、ゲイン調整回路25nおよび積分回路
26nが含まれる。バンドパスフィルタ回路21nの周
波数帯域は、基本的に音源信号処理回路5のバンドパス
フィルタ回路21sと同等である。整流回路25nは、
整流回路25sとともに、車室信号および音源信号をそ
れぞれ整流する。ゲイン調整回路25nは、ゲイン調整
回路25sとともに、騒音がないときの車室信号処理手
段4および音源信号処理手段5からの出力レベルの差を
解消させるための利得の微調整を行う。積分回路26n
は、積分回路26sとともに、整流され、ゲイン調整さ
れた出力を、平滑し、比較信号および基準信号の変化を
それぞれなだらかにする。デジタル信号処理によって積
分回路26n,26sを実現しているので、時定数とし
て、アナログ回路では実現が実質的に不可能な数秒の程
度をも、容易に実現することができる。
【0041】各積分回路26n,26sからの比較信号
および基準信号は、音量制御手段6にそれぞれ入力され
る。音量制御手段6内には、DSP2のプログラム動作
に基づく、減算回路27および騒音量検出回路28が含
まれる。減算回路27は、比較信号の出力レベルから基
準信号の出力レベルを差し引く。騒音量検出回路28
は、減算回路27からのレベル差に基づき、騒音量を算
出する。
【0042】音量制御手段6によって算出された騒音量
は、選択回路29に与えられる。選択回路29は、騒音
量が予め設定されている閾値を越えるか否かを判定し、
パラメータテーブル30内に予め用意された、オートボ
リューム・ラウドネス回路12の動作用係数を選択し、
音量およびラウドネス補正特性を制御する。オートボリ
ューム・ラウドネス回路12からの出力は、加算回路3
1によって、左右両チャネル分加算されてパワー平均さ
れ、音源信号として取出されて音源信号処理手段5に入
力される。
【0043】パラメータテーブル30は、DSP2のプ
ログラム動作で変更可能な各種パラメータを組合わせパ
ターンとして記憶しており、任意に呼出し可能である。
騒音感応自動音量調整装置1を搭載する可能性のある車
両毎に最適に設定されたパラメータの組合わせを予め記
憶させておき、ハードウェアのスイッチで切換えたり、
回路基板上の配線パターンをジャンパ線で切換え、その
結果を入力してソフトウェアで選択することもできる。
また、RS−232Cなどの通信機能を介して、外部か
ら選択のための信号を与えることもできる。このように
選択可能な構成によって、車両毎に最適なパラメータを
容易に呼出すことができ、搭載する車両が変わる毎にD
SP2のプログラム動作用の係数を書換える手間を省く
ことができる。
【0044】電子ボリューム15は、専用の半導体IC
によって実現され、ユーザからの操作に対応する制御信
号に従って、車室内で再生される音源信号の音量を増減
する。電子ボリューム15の操作位置に対応する制御信
号は、マイクロコンピュータ32によって検出される。
マイクロコンピュータ32は、音源信号処理手段5のゲ
イン調整回路23の利得を、電子ボリューム15への操
作に対応して調整する。すなわち、電子ボリューム15
によって再生される音響信号の音量を増大させると、マ
イクロホン18に入力される車室信号も増大し、騒音が
増大したときと同様に、オートボリューム・ラウドネス
回路12が再生される音量を増大するように制御され
る。この結果、車室信号処理手段4からの比較信号の出
力レベルはさらに増大してしまい、音量を増大する補正
が無限に繰り返される事態になり得る。ゲイン調整回路
23の利得を増加させれば、音源信号処理手段5からの
基準信号の出力レベルも対応して増大し、騒音無しのと
きの比較信号とのレベル差を0に保つように制御するこ
とができる。
【0045】電子ボリューム15用の操作入力は、たと
えばロータリエンコーダや可変抵抗器などの回転軸に取
付けられたつまみなどを角変位させて行う。車載用オー
ディオ装置10などでは、つまみを軸線方向に押圧する
と、電源のON/OFF切換えスイッチとして動作する
構成が一般的である。そのような回転軸に、図1のON
/OFF切換手段8を組込み、軸線方向に異なる態様で
押圧することによって、音量調整の制御のON/OFF
を切換える構成とすることもできる。車室内の限られた
スペースに配置される騒音感応自動音量調整装置1とし
ては、前面パネルなどにあまり多くの操作入力のための
構成を設けることはできないので、少数の操作部で多く
の機能を兼用し、前面パネルを見やすくすることができ
る。
【0046】ユーザ側から、たとえば図1の調整手段9
などを用いて、時定数や音量の補正量を調整可能なよう
に構成することもできる。ユーザがゆったりとした変化
を好む場合は時定数を長くし、敏感な反応を好む場合は
時定数を短くすればよい。補正量についても、ユーザの
好みを反映させることができる。また、音量調整の制御
は、ON/OFF切換手段8によってONまたはOFF
に切換え可能である。ユーザの必要性に従って、制御を
切換えることができる。また、調整手段9に対する操作
が一定時間行われないときはONに切換えたり、操作位
置がミニマム側であるときなどに、制御をOFFに切換
えるようにすることもできる。さらに、電子ボリューム
15での音量調整のための操作を一定時間行わなけれ
ば、制御がONになるように構成することもできる。こ
のような構成にすれば、ON/OFF切換手段8を意識
的に操作しないでも、制御の切換えを行うことができ
る。また、ユーザが好みの音量を設定して音響再生を継
続しているときに、その音量を基準に、自動的に騒音感
応の音量調整が行われるようになる。
【0047】図3は、図1および図2に示す騒音感応自
動音量調整装置1を車両40に装着している状態の一例
を示す。騒音感応自動音量調整装置1は、ナビゲーショ
ン装置7とともに、車室41の前方のコンソールに配置
される。前席42の前方にはフロント用スピーカ17f
が左右に配置され、後席43の後方にはリア用スピーカ
17rが左右に配置される。ドア44の前方寄りには、
ウーファ17wが左右に配置される。パワーアンプ16
は、車両40の後部のトランクルーム内に設置される。
マイクロホン18は、車室41内照明用として天井部に
配置されているルームランプ45に、一体的に組み込ま
れている。これによって、車室41内の美観を損なわず
に、安定かつ確実に、天井部にマイクロホン18を設置
することができる。マイクロホン18にたいする配線ラ
インのコネクタをルームランプ45用のコネクタと一体
に形成すれば、取付けも容易となる。マイクロホン18
は騒音感応自動音量調整装置1内に組込むこともでき
る。また、マイクロホン18は、騒音感応自動音量調整
装置1と一体的に組込まれてもよい。
【0048】マイクロホン18は、他の用途と兼用させ
ることもできる。たとえば、ハンズフリー電話や、音声
認識用マイクロホンとして、切換えて使用することがで
きる。また、車室41内を静粛に保つためのアクティブ
騒音抑制装置の入力用にも使用可能である。
【0049】ナビゲーション装置7からは、通信機能を
利用して、車両40が走行中の道路に関する道路情報を
得ることができる。たとえば、車両40がトンネルや高
速道路を走行中であれば、ロードノイズや風切り音など
の騒音が増大するので、音量も増大させるように制御す
る。交通渋滞に巻き込まれているときは、走行速度が下
がるので、音量を減衰させるように制御する。
【0050】図4は、図2のバンドパスフィルタ回路2
1n,21sの通過周波数帯域の下限について決定する
ための計測結果を示す。各グラフは、低域カットオフ周
波数を、20Hz,25Hz,31.5Hz,40H
z,50Hz,63Hzとしたローカットフィルタをそ
れぞれ用いたときの車室内の騒音レベルを示す。計測用
のマイクロホン(MIC)の位置としては、車室の天井
中央のセンタールームランプ(ROOF)のところと、
運転席側のセンターコンソール(CONSOLE)のと
ころとの2箇所で計測している。車室の窓であるウイン
ドウ(WINDOW)については、閉じている状態(C
LOSE)と開いている状態(OPEN)との2種類で
計測している。アイドリングから40km/hまでの比
較的低速の範囲では、40Hzよりも低い周波数帯域で
は、より高速走行中と音圧レベル上の顕著な差異はな
く、聴感上で風切り音やロードノイズが増大するように
感じられることとの対応がとれない。アイドリング状態
と走行状態との区別をつけやすくするためには、全帯域
を取込むよりも、40Hz未満の低域をカットする方が
聴感に合った騒音の検出を行うことができる。
【0051】バンドパスフィルタ回路21n,21sの
通過周波数帯域の上限について、200〜1.6kHz
の間に設定すれば、騒音レベルに変化はない。情報量は
多い方がよいことと、車室内伝達特性イコライザ回路2
2における補正ポイント数をあまり増大させないことと
の兼ね合いから、400Hz程度が適当である。
【0052】図5は、車室内伝達特性イコライザ回路2
2を使用する原理的効果を示す。図5(a)は車室内伝
達特性で補正しない場合に整流回路24sから出力され
る音源信号の一例を示し、図5(b)は積分回路26s
の出力を示す。図5(c)は整流回路24nから出力さ
れる車室信号を示し、図5(d)は積分回路26nの出
力を示す。図5(e)は、(b)および(d)に示す積
分回路26s,26n間の差を示す。ゲイン調整だけで
は、この差を解消させることはできず、騒音量の検出を
誤ってしまうおそれがある。この差は主として車室の伝
達関数によるものであり、音源信号にも車室内伝達特性
イコライザ回路22を用いて、伝達関数を作用させ、差
を解消させることができる。また、車室信号の方に車室
の伝達関数の逆関数を作用させても、同様に差の解消が
可能である。
【0053】図6は、図2の選択回路29の動作を示
す。ステップa0で騒音量検出回路28によって騒音量
が算出されると、ステップa1で第1の閾値であるスレ
ッショルドレベル1を減算する。結果がマイナス、すな
わち騒音量よりスレッショルドレベル1の方が大きいと
きは、ステップa1pでゲインとしてG1、ラウドネス
特性としてL1の組合わせをパラメータテーブル30か
ら選択し、係数としてオートボリューム・ラウドネス回
路12に与える。ステップa1での減算結果がプラスの
ときは、ステップa2で第2の閾値であるスレッショル
ドレベル2を減算する。結果がマイナスであれば、ステ
ップa2pでゲインとしてG2、ラウドネスとしてL2
の組合わせを選択する。以下同様に、ステップaMで第
M番目の閾値であるスレッショルドレベルMを減算し、
結果のマイナスまたはプラスに応じて、ステップaMp
またはステップaNpで、ゲインとしてGMまたはG
N、ラウドネスとしてLMまたはLNをそれぞれ選択す
る。予めパラメータテーブル30に記憶されている係数
を用いて、段階的にオートボリューム・ラウドネス回路
12のボリューム補正量を調整するので、連続的に補正
量を調整するよりも、DSP2としてのプログラムステ
ップを簡略化することができる。
【0054】オートボリューム・ラウドネス回路12の
係数の変化による音量調整では、急激な変化による違和
感を生ずるおそれがあるので、時定数をもたせることが
好ましい。オートボリューム・ラウドネス回路12もD
SP2のプログラム動作によって実現されるので、数秒
程度の時定数で変化させることは容易である。騒音量が
閾値を越えると瞬時的に音量調整を行う場合は、聴感
上、違和感を感じ易い。ゆっくりと音量調整を行うこと
によって、自然な制御を実現することができる。さらに
音量の上昇時と下降時とで時定数を独立に設定可能にす
れば、たとえば上昇時の時定数を長目にとり、下降時の
時定数を短目にとることによって、自然な制御を実現す
ることができる。人間は、音量上昇時には敏感に反応し
て検知することができるけれども、下降時には反応が鈍
くなるからである。
【0055】図7は、本発明の実施の他の形態による騒
音感応自動音量調整装置の部分的構成を示す。図1の実
施の形態に対応する部分には同一の参照符を付し、説明
を省略する。図3に示すようなスピーカ配置で、車室4
1内の特定の位置に最適な音場が良好な音質で形成され
るように、ポジションセレクタ50が設けられている。
ポジションセレクタ50は、各フィックスイコライザ1
3f,13r,13wに係数を与えるとともに、各々の
チャネルに独立して設けられるオートボリューム・ラウ
ドネス回路51f,51r,51wに、係数を転送して
与える。オートボリューム・ラウドネス回路51f,5
1r,51wに与える係数は、騒音量検出回路28から
の騒音量に基づき、フロント選択回路52f、リア選択
回路52r、ウーファ選択回路52wによってそれぞれ
選択して与える。したがってポジションセレクタ50に
連動して、車室41内の特定の位置に最適な音場・音質
を提供し、かつ音量補正の効果を得ることができる。
【0056】また、フェーダ51を第2の電子ボリュー
ムとして音量制御手段6によって制御し、オートボリュ
ーム・ラウドネス回路12を用いないようにすることも
できる。このような独立した音量調整手段を用いること
によって、DSP2の動作用プログラムのソフトウェア
の負担が軽減される。一方、オートボリューム・ラウド
ネス回路12を用いれば、外部に音量調整手段を設ける
必要がなく、音量の補正量を、制御がOFFの状態での
電子ボリューム15の操作位置に対応する音量に加算し
て制御を行えば、独立した音量調整手段を設ける必要は
なく、ハードウェアの構成が簡易化される。
【0057】図8は、本発明の実施のさらに他の形態と
して、ホワイトノイズなどのテスト信号を発生するテス
ト信号発生回路60を、切換えスイッチ61によって、
音源11と切換え可能に付加する構成を示す。図1の実
施形態に対応する部分には同一の参照符を付し、説明を
省略する。図2の車室内伝達特性イコライザ回路22に
使用する伝達特性は、図3の車室41内で各スーピーカ
17f,17r,17wからホワイトノイズを音響再生
し、マイクロホン18で検出する音響信号の周波数特性
を分析することによって求めることができる。ホワイト
ノイズは広い周波数帯域にわたって一様な振幅の音響信
号がランダムに発生する信号であり、マイクロホンで検
出する音響信号には車室41内の音響的な伝達特性が反
映される。テスト信号として、周波数が連続的に変化す
る単一の正弦波を用いることもできる。
【0058】騒音のない状態あるいは微小騒音時、テス
ト用信号を再生し、基準信号と比較信号とのレベル差が
生じないように車室内伝達特性イコライザ回路22とゲ
イン調整回路25s,25nとを調整すれば、車室内の
音響特性も含めて適切な騒音補正が可能な状態を実現す
ることができる。車室内伝達特性は、車室41内の搭乗
者の配置によっても変化し、またスピーカ17f,17
r,17wの配置や向きによっても変化する。テスト信
号発生回路60を搭載しておけば、車両40を変えたと
きを含めて、車室内伝達特性に精度よく適合させた音量
調整を行うことができる。
【0059】以上説明した各実施形態で、音量が増大す
る補正を行うときは、音源信号の最大出力レベルと最小
出力レベルとの間のダイナミックレンジを圧縮するコン
プレッサ処理を連動させることが好ましい。パワーアン
プ16などでは出力に上限があり、音量調整によって入
力電圧レベルが上昇すると、高レベルの大出力側ですぐ
飽和し、歪みが増加して音質が劣化してしまう。騒音量
をパラメータとするコンプレッサ処理として、低レベル
の小出力側では音量補正を大きくして騒音によるマスキ
ングを防ぎ、高レベルの大出力時には音量補正を小さく
して出力を圧縮し、音質の劣化を防ぐことができる。
【0060】また、音量補正で、音量を増大させる制御
に、上限を与えておくこともできる。上限を設定してお
けば、騒音の増大とともに音源信号の再生出力も増大
し、車室内の音圧レベルが上昇して、パワーアンプ16
の飽和などによる音割れや、さらには不快感や恐怖感を
与えるような状態を防ぐことができる。さらに、電子ボ
リューム15に設定されている音量が0または微小音量
のとき、音量制御をOFFにすることが好ましい。音量
制御がONであると、音量の補正量が大きい状態で、急
に高レベルの音源信号が入力されると、補正量の変化の
時定数が大きいので、非常な大音量で再生されるからで
ある。
【0061】音量制御をOFFに切換える動作は、マイ
クロホン18からの入力をOFFにすることによって行
うことができる。騒音が無い状態と同等となり、電子ボ
リューム15によって設定されている音量に、積分回路
26nの大きな時定数に従ってゆるやかに復帰すること
ができる。また、制御開始前の係数をDSP2に転送し
たり、積分回路26s,26nのテンポラリデータをク
リアしたりすれば、制御開始前の状態に瞬時に復帰させ
ることができる。
【0062】音源信号処理手段5が音源信号を取出す位
置は、各種イコライザなど、全ての周波数特性変更処理
が終了してからの方が好ましい。イコライザに変更があ
れば、車室内に音響再生される信号の周波数分布特性が
変化し、車室信号も同様に変化する。音源信号も同様に
変化すれば、パラメータの変更は不要となる。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、騒音量に
対応する音量の調整をデジタル信号処理によって自動的
に行うことができる。したがって、アナログ信号処理の
場合のような、電子回路を構成する部品のばらつきの影
響がなく、制御精度を向上させることができる。また、
部品を交換しないでも、信号処理のパラメータの変更で
動作状態の変更を行うことができるので、動作状態の自
由度が大きく、必要に応じて、適切なパラメータを設定
して動作させることが容易である。
【0064】また本発明によれば、車室信号処理手段お
よび音源信号処理手段が検出する車室内の音響信号およ
び音源信号の周波数帯域を制限することによって、適切
な騒音量の検出を行うことができる。
【0065】また本発明によれば、音源信号処理手段に
よって、車室内の伝達関数に基づく演算処理が行われる
ので、騒音が無い状態での比較信号と基準信号とのレベ
ルを合わせ、差を0にすることができる。
【0066】また本発明によれば、積分演算処理をデジ
タル信号処理によって行うので、アナログ信号処理によ
っては実現不可能な長時間の時定数に相当する積分演算
処理を容易に行うことができる。たとえばアナログ積分
回路では、時定数を数秒に設定しようとすると、大容量
のコンデンサを用意し、しかも出力レベルが小さくなっ
てしまうので、実用性がなくなってしまう。デジタル信
号処理によって、長時間、たとえば数秒に時定数を設定
した積分演算処理を行うことができるので、瞬時の騒音
変化に対して音量制御の制御波形をなまらせ、聴感上の
違和感を生じない音量制御を行うことができる。
【0067】また本発明によれば、積分演算処理の時定
数をユーザの操作によって調整可能であるので、車室内
で音響再生を聴取するユーザなどの好みに合わせて、音
量制御の状態を調整することができる。時定数が長けれ
ばゆったりとした制御が行われ、短ければ反応が鋭敏な
制御が行われる。
【0068】また本発明によれば、車室内で音響再生さ
れる音源信号を聴取する音量を、ユーザ側から音量操作
手段を操作して調整することができる。音量操作手段に
対して操作が行われても、基準信号と比較信号とのレベ
ル差が、騒音なしの状態では常に0となるように制御す
ることができ、音量操作手段に対する操作に基づいて音
量制御を無限に繰り返すような状態に陥ることを防ぐこ
とができる。
【0069】また本発明によれば、騒音量が予め設定さ
れる閾値を超えるときに音響再生される音量の制御を行
い、閾値を超えないときには行わないので、騒音量が微
小に変動するときまで含めて音量制御を行う場合より
も、デジタル信号処理のプログラムステップを削減する
ことができる。
【0070】また本発明によれば、車両が走行中の道路
情報が検出され、検出された道路情報に従って音響再生
される音量の制御を行うので、たとえばトンネルや高速
道路あるいは交通渋滞などの道路情報に応じて、適切な
音量制御を行うことができる。
【0071】また本発明によれば、コンプレッサ手段に
よって最大信号レベルと最小信号レベルとの間のレベル
差を騒音量に連動して圧縮するので、音源信号の飽和に
よる音質劣化を防ぐことができる。また音源信号の入力
レベルが小さいときには出力レベルが入力レベルより高
く設定されているので、騒音による音源信号のマスキン
グを避けることができ、音源信号のダイナミックレンジ
を損なうことなく、音響再生を行うことができる。
【0072】また本発明によれば、テスト信号発生手段
から発生される信号に基づいて、そ基準信号および比較
信号の出力が同等となるように調整することによって、
音量制御を適切に行うことができる。また周波数特性な
どの音響特性も、自動的に調整することができる。
【0073】また本発明によれば、音量の制御量はユー
ザからの操作入力によって調整可能であるので、車室内
で音源信号を音響再生して聴取するユーザの好みに合わ
せて補正量を調整することができる。
【0074】また本発明によれば、ユーザの必要性に応
じて、音量を騒音量に応じて自動調整する制御をONま
たはOFFに切換えることができる。
【0075】また本発明によれば、騒音量に対応する音
量制御がONに切換えられる時点での音量操作手段の操
作位置に対応する音量を基準に、音量制御が行われるの
で、ユーザの好みに応じた音量を騒音に対して確保しな
がら、音響再生を続けることができる。
【0076】また本発明によれば、、制御ONに切換え
られていたときの音量操作手段の操作位置を基準に、騒
音量に対応して音量が増加するように調整するので、新
たな音量操作手段を用いる必要なく、騒音量に対応する
音量の自動調整を行うことができる。
【0077】また本発明によれば、音量操作手段に対し
て、予め定める操作を行うことによって、音量の自動調
整のための制御をONまたはOFFに切換えることがで
きるので、音量の自動調整のための制御をONまたはO
FFに切換えるために制御の操作手段を設ける必要はな
く、音量操作手段で兼用させることができる。
【0078】また本発明によれば、ユーザの好みの音量
がいったん設定されれば、音量操作手段に対する操作を
行わないようにするだけで、騒音が大きくなっても自動
音量調整によって、聴取しやすい音響再生を継続するこ
とができる。
【0079】また本発明によれば、音量操作手段が低音
量側に操作されるときには、騒音量に対応する音量の制
御がOFFに切換えられるので、急に大音量の音源信号
が入力されて、車室内に音響再生される音量が小さいた
めに音量を増大する制御が行われ、非常に大音量で再生
されてしまうような事態を避けることができる。
【0080】また本発明によれば、車室内音響入力手段
の動作を停止させることによって、急激な音量変化が生
じないように、違和感のない切換えを行うことができ
る。
【0081】また本発明によれば、閾値ごとの制御量を
0にしたり、閾値を非常に高くしたり、積分前のレベル
係数を−∞にしたりして、騒音量に対する音量制御開始
前の状態に戻すので、制御OFFに迅速に切換えを行う
ことができる。
【0082】また本発明によれば、音量処理手段は、デ
ジタル信号処理によって音響再生される音源信号の音量
を調整するので、独立した音量調整のための回路や部品
が不要となり、電気的構成を簡略化することができる。
【0083】また本発明によれば、音量調整を独立した
音量調整手段によって行うので、音量制御手段によるデ
ジタル信号処理のためのソフトウェアの構成を簡略化す
ることができる。
【0084】また本発明によれば、音量の調整量に上限
を設定するので、騒音の増大とともに音量が一層大きく
なって恐怖心を与えるような状態を防止し、音響出力の
飽和による歪み発生も防ぐことができる。
【0085】また本発明によれば、予めデジタル信号処
理で必要になるパラメータを用意して記憶しておくこと
によって、たとえば車両に合わせてパラメータを選択
し、適切な動作状態に容易に切換えることができる。
【0086】また本発明によれば、ポジションセレクタ
によって選択された車室内での音場に連動させて、聴取
位置によらない音量調整を行うことができる。
【0087】また本発明によれば、音源信号の音響特性
変更処理についてパラメータを変更しても、基準信号導
出のためのデジタル信号処理についてのパラメータの変
更を不要にすることができる。
【0088】また本発明によれば、車室内で音響信号を
検出するためのマイクロホンを、他の用途、たとえばハ
ンズフリーの自動車電話、音声認識機器用入力マイクロ
ホンなどと切換えて、有効に活用することができる。
【0089】また本発明によれば、マイクロホンが車室
の天井部に配置されるので、車室内の音響信号を適切に
検出することができる。照明ランプと一体的に形成する
ことによって、マイクロホンの支持を安定して行うこと
ができ、車室内の美観を損なわずに確実に固定すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の概略的な電気的構成を
示すブロック図である。
【図2】図1の車載用オーディオ装置10の電気的構成
を示すブロック図である。
【図3】図1の騒音感応自動音量調整装置1を車両に搭
載する状態を示す簡略化した平面図である。
【図4】車室内での騒音の計測結果を示すグラフであ
る。
【図5】図2の車室内伝達イコライザ回路22の必要性
を示すグラフである。
【図6】図2の選択回路29の動作を示すフローチャー
トである。
【図7】本発明の実施の他の形態の一部を示す、部分的
なブロック図である。
【図8】本発明の実施のさらに他の形態の概略的な電気
的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 騒音感応自動音量調整装置 2 DSP 3 車室内音響入力装置 4 車室信号処理手段 5 音源信号処理手段 6 音量制御手段 7 ナビゲーション装置 8 ON/OFF切換手段 9 調整手段 10 車載用オーディオ装置 11 音源 12,51f,51r,51w オートボリューム・ラ
ウドネス回路 15 電子ボリューム 17,17f,17r,17w スピーカ 18 マイクロホン 21s,21n バンドパスフィルタ回路 22 車室内伝達特性イコライザ回路 23,25s,25n ゲイン調整回路 26s,26n 積分回路 27 減算回路 28 騒音量検出回路 29 選択回路 30 パラメータテーブル 32 マイクロコンピュータ 40 車両 41 車室 45 ルームランプ 50 ポジションセレクタ 52f フロント選択回路 52r リア選択回路 52w ウーファ選択回路 60 テスト信号発生回路

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内で音響再生される音量を、車室内
    の騒音量に応じて、聴取しやすいように自動調整する騒
    音感応自動音量調整装置において、 音響再生すべき音源信号をデジタル信号として入力し、
    デジタル信号処理によって騒音量検出のための基準信号
    を導出する音源信号処理手段と、 車室内の音響信号を検出し、デジタル信号に変換して入
    力する車室内音響入力手段と、 車室内音響入力手段によって入力された音響信号をデジ
    タル信号処理して、騒音量検出のための比較信号を導出
    する車室信号処理手段と、 音源信号処理手段および車室信号処理手段からの出力に
    応答し、基準信号に対する比較信号の差として騒音量を
    検出し、音響再生される音量を制御する音量制御手段と
    を含むことを特徴とする騒音感応自動音量調整装置。
  2. 【請求項2】 前記車室信号処理手段および音源信号処
    理手段は、検出された車室内の音響信号および音源信号
    の周波数帯域を制限することを特徴とする請求項1記載
    の騒音感応自動音量調整装置。
  3. 【請求項3】 前記音源信号処理手段は、音源信号に対
    して車室内伝達関数に基づく演算処理を施すことを特徴
    とする請求項1または2記載の騒音感応自動音量調整装
    置。
  4. 【請求項4】 前記音源信号処理手段および車室信号処
    理手段は、基準信号および比較信号に積分処理を施して
    それぞれ導出することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の騒音感応自動音量調整装置。
  5. 【請求項5】 前記積分演算処理における時定数は、入
    力操作によって調整可能であることを特徴とする請求項
    4記載の騒音感応自動音量調整装置。
  6. 【請求項6】 車室内で音響再生される音源信号の再生
    音量を調整するための操作を行う音量操作手段と、 音量操作手段への操作に応答し、前記音源信号処理手段
    の利得を再生音量に対応して制御する音源利得制御手段
    とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の騒音感応自動音量調整装置。
  7. 【請求項7】 前記音量制御手段は、検出する騒音量が
    予め設定される閾値を超えるときに、音響再生される音
    量の制御を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かに記載の騒音感応自動音量調整装置。
  8. 【請求項8】 前記閾値に基づく音量制御は、予め定め
    る時定数をもたせて行われることを特徴とする請求項7
    記載の騒音感応自動音量調整装置。
  9. 【請求項9】 車両が走行中の道路情報を検出する道路
    情報検出手段を備え、前記音量制御手段は、検出される
    道路情報に従って、前記音響再生される音量の制御を行
    うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の騒
    音感応自動音量調整装置。
  10. 【請求項10】 前記音量制御手段あるいは音源信号処
    理手段の基準信号と車室信号処理手段の比較信号との差
    によって算出される騒音量に応答し、音響再生される音
    源信号の最大信号レベルと最小信号レベルとの間のレベ
    ル差を、騒音量に連動して圧縮するように制御するコン
    プレッサ手段を備えることを特徴とする請求項1〜9の
    いずれかに記載の騒音感応自動調整装置。
  11. 【請求項11】 テスト信号発生手段を備え、 前記音源信号処理手段および車室信号処理手段は、テス
    ト信号発生手段からの出力に基づいてそれぞれ導出され
    る基準信号および比較信号の周波数特性および出力レベ
    ルが同等となるように利得をそれぞれ調整することを特
    徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の騒音感応自
    動音量調整装置。
  12. 【請求項12】 前記音量制御手段による音量の制御量
    は、操作入力によって調整可能であることを特徴とする
    請求項1〜11のいずれかに記載の騒音感応自動音量調
    整装置。
  13. 【請求項13】 車室内で音響再生される音量を自動調
    整する制御を、ONまたはOFFに切換えるON/OF
    F切換手段を含むことを特徴とする請求項1〜12のい
    ずれかに記載の騒音感応自動音量調整装置。
  14. 【請求項14】 車室内で音響再生される音源信号の再
    生音量を調整するための操作を行う音量操作手段を備
    え、 前記音量制御手段は、前記ON/OFF切換手段がON
    に切換えられる時点での音量操作手段の操作位置に対応
    する音量を基準に、制御を行うことを特徴とする請求項
    13に記載の騒音感応自動音量調整装置。
  15. 【請求項15】 車室内で音響再生される音源信号の再
    生音量を調整するための操作を行う音量操作手段を備
    え、 前記音量制御手段は、前記ON/OFF切換手段がON
    に切換えられていたときの音量操作手段の操作位置に基
    づく音量に騒音信号に基づく制御量を加算して制御を行
    うことを特徴とする請求項13に記載の騒音感応自動音
    量調整装置。
  16. 【請求項16】 車室内で音響再生される音源信号の再
    生音量を調整するための操作を行う音量操作手段を備
    え、 音量操作手段に予め定める操作を行うことによって、車
    室内で音響再生される音量を自動調整する制御をONま
    たはOFFに切換可能であることを特徴とする請求項1
    記載の騒音感応自動音量調整装置。
  17. 【請求項17】 前記音量操作手段に対して、予め定め
    る時間以上にわたって操作が行われないとき、前記制御
    がONに切換えられることを特徴とする請求項16記載
    の騒音感応自動音量調整装置。
  18. 【請求項18】 前記音量操作手段が、予め定める操作
    状態よりも低音量側に操作されるとき、前記制御がOF
    Fに切換えられることを特徴とする請求項16記載の騒
    音感応自動音量調整装置。
  19. 【請求項19】 前記音量を自動調整する制御がOFF
    に切換えられているとき、前記車室内音響入力手段の動
    作を停止させることを特徴とする請求項13〜18のい
    ずれかに記載の騒音感応自動音量調整装置。
  20. 【請求項20】 前記音量を自動調整する制御がOFF
    に切換えられているとき、前記音量制御手段による騒音
    量に対しての音量を制御開始前の状態にするために、
    閾値ごとに与えられている制御量を全て0にする、閾
    値を全て非常に高いレベルにする、積分前のレベル係
    数を−∞にすることのいずれかを行うことを特徴とする
    請求項13〜18のいずれかに記載の騒音感応自動音量
    調整装置。
  21. 【請求項21】 前記音量制御手段からの騒音量に応答
    し、デジタル信号処理によって音響再生される音源信号
    の音量を調整する音量処理手段を備えることを特徴とす
    る請求項1〜20のいずれかに記載の騒音感応自動音量
    調整装置。
  22. 【請求項22】 前記音量制御手段からの騒音量に応答
    し、デジタル信号処理によって音響再生される音源信号
    の音量を調整するための独立した音量調整手段を備える
    ことを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の騒
    音感応自動音量調整装置。
  23. 【請求項23】 前記音量制御手段には、音量の調整量
    の上限が予め設定可能であることを特徴とする請求項1
    〜22のいずれかに記載の騒音感応自動音量調整装置。
  24. 【請求項24】 前記音源信号処理手段、前記車室信号
    処理手段および前記音量制御手段の動作状態をそれぞれ
    規定するパラメータを複数組設定して記憶しておくパラ
    メータ記憶手段と、 パラメータ記憶手段に記憶されたパラメータを選択して
    音源信号処理手段、車室信号処理手段および音量制御手
    段の動作状態を切換えるパラメータ選択手段とをさらに
    含むことを特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載
    の騒音感応自動音量調整装置。
  25. 【請求項25】 前記車室内の複数箇所に配置される音
    響再生用のスピーカと、 複数箇所のスピーカから再生される音場を聴取位置に合
    わせて選択するためのポジションセレクタとを備え、 前記音場制御手段は、ポジションセレクタによって選択
    された音場に連動させて、各配置位置のスピーカから音
    響再生される音量の制御を行うことを特徴とする請求項
    1〜24のいずれかに記載の騒音感応自動音量調整装
    置。
  26. 【請求項26】 前記音源信号処理手段は、音響再生す
    べき音源信号についての音響特性変更処理がすべて終了
    した後で、基準信号を導出するためのデジタル信号処理
    を行うことを特徴とする請求項1〜25のいずれかに記
    載の騒音感応自動音量調整装置。
  27. 【請求項27】 前記車室内音響入力手段は、車室内音
    響信号検出のためだけではなく、他の用途と兼用するマ
    イクロホンを備えることを特徴とする請求項1〜26の
    いずれかに記載の騒音感応自動音量調整装置。
  28. 【請求項28】 前記車室内音響入力手段は、車室内音
    響信号検出のために、車室の天井部に照明ランプと一体
    的に形成するマイクロホンを備えることを特徴とする請
    求項1〜26のいずれかに記載の騒音感応自動音量調整
    装置。
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