JP2015147907A - 樹脂組成物、樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法及び電子部品 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法及び電子部品 Download PDF

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明敏 谷本
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Keiko Suzuki
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和也 副島
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Abstract

【課題】パターニング性に優れ、基板の変色を抑制できる樹脂組成物を提供する。【解決手段】下記(a)成分及び(b)成分を含有する樹脂組成物。(a)ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ノボラック樹脂及びポリヒドロキシスチレン樹脂から選択される1以上の化合物;(b)下記式(1)で表される2級チオール化合物(式(1)中、Rは有機基であり、nは1〜4の整数である。)【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物、樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法及び電子部品に関する。
半導体集積回路の微細化に伴い、誘電率を低減するためのlow−k層と呼ばれる層間絶縁膜が必要とされている。low−k層は空孔構造を有するため、機械的強度が低下するという課題がある。このような機械的強度の弱い層間絶縁膜を保護するために、ポリイミド樹脂により形成される硬化膜が用いられる。この硬化膜には、厚膜形成性や高弾性率が求められている。しかし、厚膜化及び高弾性率化に伴い、硬化後の応力が増大し、半導体ウエハの反りが大きくなって、搬送やウエハ固定の際に不具合が生じる場合があった。
また、low−k層保護の観点から樹脂膜を厚膜化した場合、樹脂膜にパターン形成するために用いられるi線の透過率が低下して、パターン形成ができなくなるという課題があった。この課題に対して、良好なi線透過性を示し、応力が低い硬化膜が得られるポリイミド前駆体が提案されている(特許文献1、2)。
特開2000−313743号公報 国際公開第2006/008991号パンフレット
しかしながら、従来の樹脂組成物の場合、未露光部も硬化してしまいパターニングができないという問題があった。
本発明者らは、光開始剤として含まれるオキシムエステル化合物が銅基板上で分解することが原因で未露光部が硬化することを突き止めた。その解決策として、ベンゾトリアゾール又はその誘導体を樹脂組成物中に含有することによって、エステル開始剤の分解が抑えられることを見出した。ベンゾトリアゾール又はその誘導体を含むことによってパターニング性は向上したものの、基板が変色してしまう場合が生じた。
本発明は、パターニング性に優れ、基板の変色を抑制できる樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、さらなる検討の結果、特定のチオール化合物を含むことで基板の変色を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
本発明によれば、以下の樹脂組成物等が得られる。
1.下記(a)成分及び(b)成分を含有する樹脂組成物。
(a)ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ノボラック樹脂及びポリヒドロキシスチレン樹脂から選択される1以上の化合物
(b)下記式(1)で表される2級チオール化合物
Figure 2015147907
(式(1)中、Rは有機基であり、nは1〜4の整数である。)
2.前記(a)成分が、下記式(2)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体である1に記載の樹脂組成物。
Figure 2015147907
(式(2)中、Rは4価の有機基であり、Rは2価の有機基であり、R及びRは各々独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は炭素炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基である。)
3.さらに(c)光開始剤、(d)溶剤及び(e)光架橋剤から選択される1以上の成分を含有する1又は2に記載の樹脂組成物。
4.前記式(2)中のRが、下記式(3)で表される2価の有機基である2又は3に記載の樹脂組成物。
Figure 2015147907
(式(3)中、R〜R12は各々独立に水素原子、フッ素原子又は1価の有機基を表し、R〜R12の少なくとも1つはメチル基、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。)
5.前記式(2)中のRが、下記式(4)で表わされる2価の有機基である2〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
Figure 2015147907
(式(4)中、R13及びR14は各々独立にフッ素原子又はトリフルオロメチル基である。)
6.前記(c)成分がオキシムエステル化合物である3〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
7.前記(b)成分が、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパン トリス(3−メルカプトブチレート)、及びトリメチロールエタン トリス(3−メルカプトブチレート)から選択される1以上の化合物である1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
8.1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を加熱処理する工程とを含む、硬化膜の製造方法。
9.1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜に活性光線を照射後、現像してパターン樹脂膜を得る工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程とを含む、パターン硬化膜の製造方法。
10.8又は9の製造方法により得られる硬化膜又はパターン硬化膜を有する電子部品。
本発明によれば、パターニング性に優れ、基板の変色を抑制できる樹脂組成物が提供することができる。
本発明の樹脂組成物を用いた半導体装置の一実施形態の概略断面図である。
以下、本発明の樹脂組成物、樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法及び電子部品の実施の形態を詳細に説明する。尚、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、下記(a)成分及び(b)成分を含む。
(a)ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ノボラック樹脂及びポリヒドロキシスチレン樹脂から選択される1以上の化合物
(b)下記式(1)で表される2級チオール化合物
Figure 2015147907
(式(1)中、Rは有機基であり、nは1〜4の整数である。)
本発明の樹脂組成物は、(b)成分の2級チオール化合物が銅表面に皮膜を形成し、オキシムエステル化合物等の光開始剤の分解を抑制できる。また、銅の変色を抑制することができるため、信頼性に優れる半導体パッケージを製造することができる。また、得られる硬化膜は低応力である。
本発明者らは、本発明の効果が得られる理由を以下のように考えている。即ち、(b)成分の2級チオール部分とカルボニル基が水素結合を形成することで、本発明の樹脂組成物の安定性が優れ、銅表面に皮膜を形成しやすくなっているため、上記のような効果を達成することができる。
尚、上記式(1)で表される2級チオール化合物の銅との配位能力は、水素結合していない2級チオール化合物と比較して弱くなっていると考えられ、銅表面に皮膜を形成する以外の作用を起こさないため、銅の変色が抑えられると考えられる。また、1級チオール化合物を用いた場合、アクリル構造とエンチオール反応を起こしてしまうためチオール化合物を含む樹脂組成物の安定性に問題があり、銅の変色も発生してしまう。
以下、各成分について詳細に説明する。
(a)成分はポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ノボラック樹脂及びポリヒドロキシスチレン樹脂であれば特に制限なく用いることができる。
現像後のコントラストが高いことや硬化時の体積収縮が小さいという観点から、ノボラック樹脂を用いてもよい。また、電気特性(絶縁性)に優れることや硬化時の体積収縮が小さいという観点から、ポリヒドロキシスチレン樹脂を用いてもよい。
(a)成分としては、下記式(2)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体が好ましい。
Figure 2015147907
(式(2)中、Rは4価の有機基であり、Rは2価の有機基であり、R及びRは各々独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は炭素炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基である。)
式(2)中のRは、原料として用いるテトラカルボン酸又はその二無水物に由来する構造である。Rに対応する原料としては、硬化膜の応力の観点から、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が好ましい。これらは単独もしくは2種類以上の組み合わせで用いてもよい。
また、硬化膜の応力及びi線透過率を低下させない範囲において、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、m−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス{4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン二無水物、2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス{4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、4,4’−スルホニルジフタル酸二無水物等と組み合わせて使用してもよい。
は、例えば、下記式(2a)〜(2e)で表される基のいずれかである。
Figure 2015147907
(式(2d)中、X及びYは、各々独立に結合するベンゼン環と共役しない2価の基又は単結合を示す。
式(2e)中、Zはエーテル結合(−O−)又はスルフィド結合(−S−)である。)
式(2d)のX及びYの「結合するベンゼン環と共役しない2価の基」は、例えば、−O−、−S−、又は下記式で表わされる2価の基である。
Figure 2015147907
(式中、R12は炭素原子又は珪素原子である。
13は各々独立に水素原子、又は、フッ素原子等のハロゲン原子である。)
式(2)中のRは、原料として用いるジアミンに由来する構造である。
は、i線透過率の観点から下記式(3)又は(4)で表わされる2価の有機基であることが好ましい。
Figure 2015147907
(式(3)中、R〜R12は各々独立に水素原子、フッ素原子又は1価の有機基を表し、R〜R12の少なくとも1つはメチル基、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
〜R12の1価の有機基として、例えば、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6)のアルキル、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6)のフッ化アルキルが挙げられる。
特に、i線透過率や入手のし易さの観点から、Rは式(4)で表わされる2価の有機基であることがより好ましい。
Figure 2015147907
(式(4)中、R13及びR14は各々独立にフッ素原子又はトリフルオロメチル基である。)
式(2)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体において、Rのうち式(3)又は(4)で表される構造単位は、1〜100mol%であることが好ましく、10〜90mol%であることがより好ましく、30〜90mol%であることがさらに好ましい。
式(3)又は(4)の構造を与える有機基としては低応力性、良好なi線透過率及び耐熱性等の観点から、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(フルオロ)−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上の組み合わせで使用される。
また、低応力性や良好なi線透過率及び耐熱性等を低下させない程度に、式(3)又は(4)以外の構造を与えるジアミン化合物を使用することができる。
具体的には、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、ベンジジン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−、2,2’−)ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−、2,2’−)ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−、2,2’−)ジアミノジフェニルスルフィド、o−トリジン、o−トリジンスルホン、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4−ジアミノメシチレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ベンゾフェノンジアミン、ビス−{4−(4’−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、2,2−ビス{4−(4’−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス{4−(3’−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、ジアミノポリシロキサン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上の組み合わせで使用される。
式(2)中のR及びRとしては、例えば、各々独立に水素原子、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基、炭素数3〜20(好ましくは炭素数5〜15、より好ましくは炭素数6〜12)のシクロアルキル基、炭素炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−デシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。
炭素数3〜20のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等が挙げられる。
炭素炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基としては、例えば炭素数が1〜10のアルキル基を有するアクリロキシアルキル基、炭素数が1〜10のアルキル基を有するメタクリロキシアルキル基が挙げられる。
炭素数が1〜10のアルキル基を有するアクリロキシアルキル基としては、アクリロキシエチル基、アクリロキシプロピル基、アクリロキシブチル基等が挙げられる。
炭素数が1〜10のアルキル基を有するメタクリロキシアルキル基としては、メタクリロキシエチル基、メタクリロキシプロピル基、メタクリロキシブチル基等が挙げられる。
樹脂組成物を感光性とする場合には、R及びRの少なくとも一方が炭素炭素不飽和二重結合を有していることが好ましく、活性光線照射によってラジカルを発生する化合物と組み合わせて、ラジカル重合による分子鎖間の架橋が可能となるようにすることが好ましい。
本発明の(a)成分は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを付加重合させて合成することができる。
また、式(5)で表されるテトラカルボン酸二無水物をジエステル誘導体にした後、式(6)で表される酸塩化物に変換し、式(7)で表されるジアミンと反応させることによって合成することもできる。
これらの合成方法は公知の方法を選択できる。
Figure 2015147907
(式中、R〜Rは式(2)と同じである。)
式(2)で表されるポリイミド前駆体の分子量は、ポリスチレン換算での重量平均分子量が10000〜100000であることが好ましく、15000〜100000であることがより好ましく、20000〜85000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が10000より小さいと、硬化後の応力が充分に低下しない恐れがあり、100000より大きいと、溶剤への溶解性が低下し、溶液の粘度が増大して取り扱い性が低下する恐れがある。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定することができ、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求めることができる。
ポリイミド前駆体を合成する際のテトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル比は、通常1.0であるが、分子量や末端残基を制御する目的で、0.7〜1.3の範囲のモル比で行ってもよい。モル比が0.7未満又は1.3超の場合、得られるポリイミド前駆体の分子量が小さくなり、硬化後の低応力性が充分に発現しない恐れがある。
ポリイミド前駆体を加熱処理してイミド化を進行させてポリイミドに変換する加熱温度としては、80〜450℃が好ましく、100〜450℃がより好ましく、200〜400℃がさらに好ましい。80℃未満ではイミド化が充分進行せず、耐熱性が低下する恐れがあり、450℃より高い温度で行うと、硬化して得られるポリイミドが劣化してしまう恐れがある。
(a)成分を基材に塗布し、加熱硬化して得られる硬化膜の残留応力は、硬化膜の膜厚が10μmの場合において30MPa以下であることが好ましく、27MPa以下であることがより好ましく、25MPa以下であることがさらに好ましい。残留応力が30MPa以下であれば、硬化後の膜厚が10μmとなるように膜を形成した場合に、ウエハの反りをより充分抑制することができ、ウエハの搬送及び吸着固定において生じる不具合をより抑制することができる。
残留応力は薄膜ストレス測定装置FLX−2320(KLA Tencor社製)を用いて、ウエハの反り量を測定後、応力に換算する方法により測定することができる。
本発明において得られる硬化膜を硬化後膜厚10μmとなるように形成するためには、樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程後に、20μm程度の厚さとなるように塗膜する必要がある。そのため、活性光線照射によってラジカルを発生する化合物と組み合わせて感光性樹脂組成物とする場合には、樹脂組成物が高いi線透過率を示すことが必要である。
具体的には、膜厚20μmにおいて、i線透過率が15%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。15%より低いとi線が深部まで到達せず、ラジカルが充分に発生しないため、現像時に膜の基板側から樹脂が染み出てくる等、感光特性が低下する恐れがある。
尚、i線透過率はU−3310spctrophotometer(HITACHI社製)を用いて、透過UVスペクトルを測定することにより測定することができる。
(b)成分:式(1)で表される2級チオール化合物
本発明の樹脂組成物は、(b)成分として下記式(1)で表される化合物を含有する。
Figure 2015147907
(式(1)中、Rは有機基であり、nは1〜4の整数である。)
Rの有機基としては、炭素数1〜20のアルキル基に対応する1〜4価の基、炭素数6〜20のアリール基に対応する1〜4価の基、原子数5〜20のヘテロアリール基に対応する1〜4価の基、原子数5〜20のヘテロアリール基に対応する1〜4価の基と炭素数1〜20のアルキル基に対応する1〜4価の基を組み合わせた基等が挙げられる。nとしては、2又は3が好ましい。
炭素数1〜20のアルキル基としては、上記の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、ベンジル基、トリル基、
o−キシリル基等が挙げられる。
原子数5〜20のヘテロアリール基としては、ピラゾール基、イミダゾール基、テトラゾール基、トリアジン基、イソシアヌル基等が挙げられる。
(b)成分としては、具体的には、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパン トリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタン トリス(3−メルカプトブチレート)等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(b)成分の含有量は、(a)成分100質量部に対して0.01〜15質量部であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜5質量部であることがさらに好ましく、0.1〜5質量部であることが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上記の成分に加えて(c)光開始剤、(d)溶剤及び(e)光架橋剤から選択される1以上の成分を含有してもよい。
以下、これらの成分について説明する。
(c)成分:光開始剤(活性光線によりラジカルを発生する化合物)
光開始剤を併用することで感光性樹脂組成物とすることができる。例えば、(a)成分が式(2)で表されるポリイミド前駆体である場合、R及びRの少なくとも一部が炭素炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基である場合、光開始剤と併用して溶剤に溶解することによって感光性樹脂組成物とすることができる。
(c)成分としては、例えば、後述するオキシムエステル化合物、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)等のN,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等の芳香環と縮環したキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体が挙げられる。
これらの中でも、感度に優れ良好なパターンを与える観点から、オキシムエステル化合物が好ましい。
オキシムエステル化合物は、良好な感度、残膜率の点で、下記式(9)、(10)及び(11)で表される化合物のいずれかであることが好ましい。
Figure 2015147907
式(9)中、R31及びR32は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であることがより好ましく、メチル基、シクロペンチル基又、フェニル基又はトリル基であることがさらに好ましい。
33は、−H、−OH、−COOH、−O(CH)OH、−O(CHOH、−COO(CH)OH又は−COO(CHOHを示し、−H、−O(CH)OH、−O(CHOH、−COO(CH)OH又は−COO(CHOHであることが好ましく、−H、−O(CHOH又は−COO(CHOHであることがより好ましい。
Figure 2015147907
式(10)中、R34は、各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を示し、プロピル基であることが好ましい。
35は、NO又はArCO(Arはアリール基を示す。)を示し、Arとしては、トリル基が好ましい。
36及びR37は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、又はトリル基を示し、メチル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましい。
Figure 2015147907
式(11)中、R38は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、エチル基であることが好ましい。
39はアセタール結合を有する有機基であり、後述する式(11−1)に示す化合物が有するRに対応する置換基であることが好ましい。
40及びR41は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はトリル基を示し、メチル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
式(9)で表される化合物としては、例えば、下記式(9−1)で表される化合物及び下記式(9−2)で表される化合物が挙げられる。下記式(9−1)で表される化合物は、IRGACURE OXE−01(BASF株式会社製、商品名)として入手可能である。
Figure 2015147907
式(10)で表される化合物としては、例えば、下記式(10−1)で表される化合物が挙げられる。この化合物は、DFI−091(ダイトーケミックス株式会社製、商品名)として入手可能である。
Figure 2015147907
式(11)で表される化合物としては、例えば、下記式(11−1)で表される化合物が挙げられる。アデカオプトマーN−1919(株式会社ADEKA製、商品名)として入手可能である。
Figure 2015147907
その他のオキシムエステル化合物としては、下記化合物を用いることが好ましい。
Figure 2015147907
また、(c)成分として、以下の化合物を用いることもできる。
Figure 2015147907
(c)成分を含有する場合の含有量としては、(a)成分100質量部に対して、0.01〜30質量部であることが好ましく、0.01〜20質量部であることがより好ましく、0.01〜15質量部であることがさらに好ましく、0.05〜10質量部であることが特に好ましい。配合量が0.01質量部以上であれば、露光部の架橋が充分し、より感光特性が良好となり、30質量部以下であるとより硬化膜の耐熱性が向上する傾向がある。
(d)成分:溶剤
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて溶剤を含有することができる。
溶剤としては、ポリイミド前駆体を完全に溶解する極性溶剤が好ましく、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレンカーボネート、乳酸エチル、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2以上を組み合わせて用いてもよい。
(e)成分:光架橋剤
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて(e)成分として光架橋剤を配合してもよい。
光架橋剤としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光架橋剤を含有する場合の配合量は、(a)成分100質量部に対して、1〜100質量部とすることが好ましく、1〜75質量部とすることがより好ましく、1〜50質量部とすることがさらに好ましい。配合量が1質量部以上であれば、より良好な感光特性を付与することができ、100質量部以下であれば、より硬化膜の耐熱性を向上することができる。
(f)成分:ベンゾトリアゾール又はその誘導体
樹脂組成物を銅基板上に使用する場合、ベンゾトリアゾール又はその誘導体を含有することが好ましい。
(f)成分としては、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−アセトニトリル、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール、カルボキシベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾオキサゾール等が挙げられる。これらの中でも、ベンゾトリアゾール又は1−ヒドロキシベンゾトリアゾールが好ましい。
ベンゾトリアゾール又はその誘導体を含有する樹脂組成物は、単独では銅基板を変色させる可能性があるが、式(1)で表される化合物を含有することで変色の防止をすることができる。
(g)成分:ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤
また、本発明の樹脂組成物には、良好な保存安定性を確保するために、ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤を配合してもよい。ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ジフェニル−p−ベンゾキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ピロガロール、フェノチアジン、レゾルシノール、オルトジニトロベンゼン、パラジニトロベンゼン、メタジニトロベンゼン、フェナントラキノン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、クペロン、2,5−トルキノン、タンニン酸、パラベンジルアミノフェノール、ニトロソアミン類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤を含有する場合の配合量としては、ポリイミド前駆体100質量部に対して、0.01〜30質量部であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.05〜5質量部であることがさらに好ましい。配合量が0.01質量部以上であればより保存安定性が良好となり、30質量部以下であれば、より硬化膜の耐熱性を向上することができる。
本発明の樹脂組成物は、上記(a)及び(b)成分と、任意に上記(c)〜(g)成分から実質的になっていてもよく、また、これらの成分のみからなっていてもよい。「実質的になる」とは、上記組成物が、主に上記(a)及び(b)成分、及び任意に上記(c)〜(g)成分からからなること、例えば、これら成分が原料全体に対し、95重量%以上、又は98重量%以上であることを意味する。
<硬化膜及びパターン硬化膜の製造方法>
本発明の硬化膜及びパターン硬化膜は、本発明の樹脂組成物から形成される。
本発明のパターン硬化膜は、通常、樹脂組成物が(c)成分を含有するときに形成される。
本発明の硬化膜の製造方法は、樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程と、塗膜を加熱処理する工程とを含む。
塗膜を形成する工程、加熱処理する工程は、後述するパターン硬化膜の製造方法と同様にすることができる。硬化膜はパターン形成されていなくてもよい。
本発明のパターン硬化膜の製造方法は、樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程と、前記工程で形成した塗膜に活性光線を照射後、現像してパターン樹脂膜を得る工程と、パターン樹脂膜を加熱処理する工程とを含む、パターン硬化膜の製造方法である。
以下、パターン硬化膜の製造方法の各工程について説明する。
樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程において、樹脂組成物を基材上に塗布する方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法、スピンコート法が挙げられる。
基材としては、例えばシリコンウエハ、金属基板、セラミック基板等が挙げられる。本発明の樹脂組成物は、低応力の硬化膜を形成することが可能であるため、特に12インチ以上の大口径のシリコンウエハへの適用に好適である。また、本発明の樹脂組成物は、基材が銅基板(シリコンウエハ上に銅配線がある基材も含む)の際に好適に用いることができる。
乾燥工程では、溶剤を加熱除去することによって、粘着性の無い塗膜を形成することができる。乾燥工程はDATAPLATE(Digital Hotplate)(PMC社製)等の装置を用いることができ、乾燥温度としては90〜130℃が好ましく、乾燥時間としては100〜400秒が好ましい。
次に、上記で形成した塗膜に活性光線を照射後、現像してパターン樹脂膜を得る。これにより所望のパターンが形成された樹脂膜(パターン樹脂膜)を得ることができる。
本発明の樹脂組成物はi線露光用に好適であるが、照射する活性光線としては、紫外線、遠紫外線、可視光線、電子線、X線等を用いることができる。
現像液としては、特に制限はないが、1,1,1−トリクロロエタン等の難燃性溶媒、炭酸ナトリウム水溶液、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液等のアルカリ水溶液、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、酢酸エステル類等の良溶媒、これら良溶媒と低級アルコール、水、芳香族炭化水素等の貧溶媒との混合溶媒等が用いられる。現像後は必要に応じて貧溶媒等でリンス洗浄を行う。
次に、パターン樹脂膜を加熱処理する。
加熱処理は縦型拡散炉(光洋リンドバーク社製)等の装置を用いることができ、加熱温度80〜400℃で行なうことが好ましく、加熱時間は5〜300分間であることが好ましい。この工程によって、樹脂組成物中のポリイミド前駆体のイミド化を進行させてポリイミド樹脂を含有するパターン硬化膜を得ることができる。
このようにして得られた本発明の硬化膜又はパターン硬化膜は、半導体装置の表面保護層、層間絶縁層、再配線層等として用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態である再配線構造を有する半導体装置の概略断面図である。
本実施形態の半導体装置は多層配線構造を有している。層間絶縁層(層間絶縁膜)1の上にはAl配線層2が形成され、その上部にはさらに絶縁層(絶縁膜)3(例えばP−SiN層)が形成され、さらに素子の表面保護層(表面保護膜)4が形成されている。配線層2のパット部5からは再配線層6が形成され、外部接続端子であるハンダ、金等で形成された導電性ボール7との接続部分である、コア8の上部まで伸びている。さらに表面保護層4の上には、カバーコート層9が形成されている。再配線層6は、バリアメタル10を介して導電性ボール7に接続されているが、この導電性ボール7を保持するために、カラー11が設けられている。このような構造のパッケージを実装する際には、さらに応力を緩和するために、アンダーフィル12を介することもある。
本発明の硬化膜又はパターン硬化膜は、上記実施形態のカバーコート材、再配線用コア材、半田等のボール用カラー材、アンダーフィル材等、いわゆるパッケージ用途に使用することが好ましい。
本発明の硬化膜又はパターン硬化膜は、メタル層や封止剤等との接着性に優れるとともに耐銅マイグレーション性に優れ、応力緩和効果も高いため、これを有する半導体素子は極めて信頼性に優れるものとなる。
本発明の電子部品は、本発明の硬化膜又はパターン硬化膜を用いたカバーコート、再配線用コア、半田等のボール用カラー、フリップチップ等で用いられるアンダーフィル等を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
合成例1(ピロメリット酸−ヒドロキシエチルメタクリレートジエステルの合成)
0.5リットルのポリ瓶中に、160℃の乾燥機で24時間乾燥させたピロメリット酸二無水物43.624g(200mmol)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル54.919g(401mmol)とハイドロキノン0.220gをN−メチルピロリドン394gに溶解し、1,8−ジアザビシクロウンデセンを触媒量添加の後に、室温下(25℃)で24時間撹拌し、エステル化を行い、ピロメリッド酸−ヒドロキシエチルメタクリレートジエステル溶液を得た。この溶液をPMDA(HEMA)溶液とする。
合成例2(4,4’−オキシジフタル酸ジエステルの合成)
0.5リットルのポリ瓶中に、160℃の乾燥機で24時間乾燥させた4,4’−オキシジフタル酸49.634g(160mmol)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル44.976g(328mmol)とハイドロキノン0.176gをN−メチルピロリドン378gに溶解し、1,8−ジアザビシクロウンデセンを触媒量添加の後に、室温下(25℃)で48時間撹拌し、エステル化を行い、4,4’−オキシジフタル酸−ヒドロキシエチルメタクリレートジエステル溶液を得た。この溶液をODPA(HEMA)溶液とする。
合成例3(ポリマー1の合成)
撹拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、合成例1で得られた(PMDA(HEMA))溶液195.564gと、合成例2で得られた(ODPA(HEMA))溶液58.652gを入れ、その後、氷冷下で塩化チオニル25.9g(217.8mmol)を反応溶液温度が10℃以下を保つように滴下漏斗を用いて滴下した。塩化チオニルの滴下が終了した後、氷冷下で2時間反応を行いPMDA(HEMA)とODPA(HEMA)の酸クロリドの溶液を得た。
次いで、滴下漏斗を用いて、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン31.696g(99.0mmol)、ピリジン34.457g(435.6mmol)、ハイドロキノン0.076g(0.693mmol)のN−メチルピロリドン溶液(90.211g)を氷冷化で反応溶液の温度が10℃を超えないように注意しながら滴下した。この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物をろ別して集め、減圧乾燥することによってポリアミド酸エステルを得た(ポリマー1)。
1gのポリマー1をN−メチルピロリドン1.5gに溶解させ、ガラス基板上にスピンコートで塗布し、100℃のホットプレート上で180秒加熱し溶剤を揮発させて厚さ20μmの塗膜を形成した。得られた塗膜のi線透過率は30%であった。
ポリマー1の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は34,000であった。GPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量の測定条件は以下の通りである。0.5mgのポリマー1に対して溶媒[THF/DMF=1/1(容積比)]1mLの溶液を用いて測定した。
測定装置:検出器 株式会社日立製作所製L4000UV
ポンプ:株式会社日立製作所製L6000
株式会社島津製作所製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5x2本
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/L)、HPO(0.06mol/L)
流速:1.0mL/min、検出器:UV270nm
実施例1〜5、比較例1〜3
表1に示す(a)成分、(b)成分、(b’)成分及び(c)成分を、表1に示す配合量でN−メチルピロリドン((d)成分)に溶解し、また、テトラエチレングリコールジメタクリレート((e)成分)を(a)成分に対して20質量部配合して樹脂組成物を調製した。
表1において、(b)成分、(b’)成分、(c)成分の各欄における括弧内の数字は、(a)成分100質量部に対する添加量(質量部)を示す。N−メチルピロリドンの使用量は、いずれの実施例、比較例も(a)成分100質量部に対して1.5倍(150質量部)とした。
樹脂組成物に用いた各成分を以下に示す。
(b)、(b’)成分:
Figure 2015147907
(1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(昭和電工製:カレンズMT−NR1))
Figure 2015147907
(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)
b3:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン製:KBM−803)
(c)成分:
Figure 2015147907
(1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製IRGACURE OXE−01))
Figure 2015147907
実施例1〜5、比較例1〜3で調製した樹脂組成物について、解像度、変色の有無、硬化膜の残留応力を評価した。結果を表1に示す。
各評価方法は以下の通りである。
(感光特性(解像度)の評価)
6インチシリコンウエハ上にスピンコート法によって樹脂組成物を塗布し、100℃のホットプレート上で3分間加熱して溶剤を揮発させて膜厚10μmの塗膜を得た。この塗膜をγ‐ブチロラクトン:酢酸ブチル=7:3の混合溶媒に浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍を現像時間として設定した。
得られた塗膜にフォトマスクを介して、i線ステッパーFPA−3000iW(キヤノン株式会社製)を用いて、i線換算で300mJ/cm露光を行ったウエハをγ‐ブチロラクトン:酢酸ブチル=7:3に浸漬してパドル現像した後、シクロペンタノンでリンス洗浄を行った。解像できたラインアンドスペースパターンのマスク寸法の最小値を解像度として評価した。
(変色性の評価)
感光特性評価と同様の条件で、6インチ銅めっきウエハ上にパターンを作製し、100umスクウェアホール開口部の変色の有無を確認した。
(残留応力の測定)
6インチシリコンウエハ上にスピンコート法によって樹脂組成物を塗布し、100℃のホットプレート上で3分間加熱し、溶剤を揮発させて、硬化後膜厚が約10μmである塗膜を得た。縦型拡散炉(光洋リンドバーク製)を用いて、窒素雰囲気下、270℃でこの塗膜を4時間加熱硬化して、ポリイミド膜(硬化膜)を得た。ポリイミド膜の残留応力は、薄膜ストレス測定装置FLX−2320(KLATencor社製)を用いて室温において測定した。
Figure 2015147907
本発明で用いる特定の2級チオール化合物を用いた実施例1〜5は、銅上での変色を起こさず、かつ良好な解像度と低い応力を示した。一方、(b)成分の代わりに一級チオール化合物(比較例3)や、ベンゾトリアゾール(比較例2)を用いたものは銅上で変色が起きた。また、(b)成分に代わる成分を用いなかった場合(比較例1)は、オキシムエステルの分解により露光パターンが得られなかった。
本発明の樹脂組成物は、半導体装置等の電子部品を形成するカバーコート材、再配線用コア材、半田等のボール用カラー材、アンダーフィル材等、いわゆるパッケージ用途に使用することができる。
1 層間絶縁層
2 Al配線層
3 絶縁層
4 表面保護層
5 配線層のパット部
6 再配線層
7 導電性ボール
8 コア
9 カバーコート層
10 バリアメタル
11 カラー
12 アンダーフィル

Claims (10)

  1. 下記(a)成分及び(b)成分を含有する樹脂組成物。
    (a)ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ノボラック樹脂及びポリヒドロキシスチレン樹脂から選択される1以上の化合物
    (b)下記式(1)で表される2級チオール化合物
    Figure 2015147907
    (式(1)中、Rは有機基であり、nは1〜4の整数である。)
  2. 前記(a)成分が、下記式(2)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体である請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2015147907
    (式(2)中、Rは4価の有機基であり、Rは2価の有機基であり、R及びRは各々独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は炭素炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基である。)
  3. さらに(c)光開始剤、(d)溶剤及び(e)光架橋剤から選択される1以上の成分を含有する請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記式(2)中のRが、下記式(3)で表される2価の有機基である請求項2又は3に記載の樹脂組成物。
    Figure 2015147907
    (式(3)中、R〜R12は各々独立に水素原子、フッ素原子又は1価の有機基を表し、R〜R12の少なくとも1つはメチル基、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。)
  5. 前記式(2)中のRが、下記式(4)で表わされる2価の有機基である請求項2〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
    Figure 2015147907
    (式(4)中、R13及びR14は各々独立にフッ素原子又はトリフルオロメチル基である。)
  6. 前記(c)成分がオキシムエステル化合物である請求項3〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 前記(b)成分が、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパン トリス(3−メルカプトブチレート)、及びトリメチロールエタン トリス(3−メルカプトブチレート)から選択される1以上の化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜を加熱処理する工程とを含む、硬化膜の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜に活性光線を照射後、現像してパターン樹脂膜を得る工程と、
    前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程とを含む、パターン硬化膜の製造方法。
  10. 請求項8又は請求項9の製造方法により得られる硬化膜又はパターン硬化膜を有する電子部品。
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