JP2015147509A - 車両用通信装置 - Google Patents
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Abstract
Description
テレマティクス通信システムでは、車両に関する情報、道路交通情報等を車両側に提供したり、緊急通信を行うことが想定されている。
上記特許文献2には、車両においてドアロックの施錠/解錠を無線電子キーにより行うためアンテナとして車外用アンテナと車内用アンテナが設けられることが開示されている。
ところが衝突事故等が発生した場合に、車両に設置したアンテナやアンテナへの配線が破損する可能性は高く、これによって通信不能となる事態は容易に想定される。
一方で、アンテナの破損を想定して、予備のために無闇に多数のアンテナを車両に設置することは、配置設計、車両デザイン、コスト等の面から制約が大きい。
上記の通信方式の場合、1つの送受信アンテナと、1つの受信専用アンテナの合計2つのアンテナが最低限必要になるところ、本発明の構成では、少なくとも第1,第2の2つの送受信アンテナを設ける。ここで、第1,第2の送受信アンテナは、車室外で車両後方と、車室内で車両前方に振り分けて配置し、車両事故発生の際に両方が破損する危険性を小さくする。また第1の送受信アンテナは、車室外のルーフ上とするが、これは無線データ通信のための電波環境を考えた場合、アンテナ配置位置として好適となる。
車両の幅方向に略中央の位置は、衝突の影響を受けにくい位置である。
ダッシュボード内の空間(インストルメントパネルの奥側の空間)は、後方衝突の影響を受けにくいだけでなく、車種によっては前方衝突にも比較的強い。さらに通常は乗員が触れることのない空間である。
衝突時には車室外の第1の送受信アンテナは破損の可能性が高い。そのような場合に、緊急通信を第2の送受信アンテナで行えるようにすることが好適である。
本実施の形態のテレマティクス通信システムは、個々の車両(及び乗員)とサービスプロバイダとの間の通信により、個々の車両に各種サービスを提供するもので、例えば次のようなサービスが想定される。
例えば衝突事故等によりエアバッグが作動した状況など、緊急事態を認識した場合において、自動的に現在位置などの情報の送信を行ったり、自動的に通話回線を開いて乗員がサービスオペレータ、医療機関、警察機関などとの間で会話ができるようにする。
・ロードサービス
車両故障、ガス欠等の場合に、車両の現在位置情報を送信したり、音声通話により状況を伝えるなどのための通信を行う。
・車両関係
オイル交換や定期点検などのメンテナンス情報を乗員に通知したり、故障診断警告を行う。
・盗難対応/セキュリティ関係
車両が盗難にあった場合に、サービス側で通信により車両の位置情報を取得し、オーナーに通知したり、データ通信により車両の状況を監視し、なんらかの異常事態が発生した際に車両のオーナーの携帯端末にアラームを送信する。
本実施の形態のテレマティクス通信システムは、車両側では2つのアンテナを用いるものとしている。
車両1には最小限のアンテナ構成として送受信アンテナ2と受信専用アンテナ3Aが必要になる。
一方上り通信(車両→基地局)では図1Bのように、車両1側の送受信アンテナ2を用いて1チャネルで無線データ通信を行う。車両1からの送信は1チャネルであることで、車両1側としては、送信のためには送受信アンテナ3が1つあればよい。
但し送受信アンテナ3と受信専用アンテナ2を搭載すると、送受信アンテナ2に通信不能な障害が発生した際に対応できない。そこで本実施の形態では、車両1には受信専用アンテナ3Aに代えて送受信アンテナ3を設置し、2つの送受信アンテナ2,3を用いることとしている。
これにより図1A、図1Bの無線データ通信に加えて、図1Cのように送受信アンテナ3を用いて車両1から基地局に対する無線データ送信が実行できる。
実施の形態の車両用通信装置は、送受信アンテナ2(以下「主アンテナ2」という)、送受信アンテナ3(以下「副アンテナ3」という)、GPS(Global Positioning System)アンテナ4、DCM(Data Communication Module)5、スピーカ6L、6R、ユーザ対応コンソール7を備えている。
GPSアンテナ4は、位置情報(緯度・経度)や速度情報を得るためのGPS衛星からの電波信号を受信する。
このユーザ対応コンソール7には、マイクロホン10、手動通信スイッチ11、インジケータ12等が設けられている。
マイクロホン10は、テレマティクス通信システムによる緊急時の通話の際などに乗員の声を集音する。
手動通信スイッチ11は、緊急連絡やロードサービス/アシストなどを求める乗員がテレマティクス通信システムでサービスプロバイダ1との通信/通話を行いたい場合に操作するスイッチである。
インジケータ12は、通信状態、警告メッセージ、車両状態など、テレマティクス通信システムの動作により乗員に通知すべき情報を表示する。
ネットワーク通信部22は主アンテナ2、副アンテナ3を介したテレマティクス通信システムによるデータ通信のための処理を行う。例えば制御部11から転送されてくる送信データのエンコード、変調、高周波増幅等を行って送信信号を生成し、通常は主アンテナ2に供給して送信を実行させる。またネットワーク通信部22は主アンテナ2及び副アンテナ3による受信信号の検波/復調、2値化、受信データのデコード等を行い、受信データを制御部21に受け渡す。またネットワーク通信部22は、制御部21の指示に応じて、送信時のアンテナの切換も行うことができる。具体的にはデータ送信に用いるアンテナを、主アンテナ2と副アンテナ3の間で切り換える処理を行う。即ち送信信号を主アンテナ2に供給するか、副アンテナ3に供給するかを選択的に行うことができる。
アンプ部24は、制御部21から供給される、例えばメッセージ音声や通話音声としての音声データをスピーカ6L、6Rから出力させるための処理を行う。例えば音声データのD/A変換(デジタル−アナログ変換)処理、レベル調整/ゲインコントロール処理、パワーアンプ処理等を行って、スピーカ6L、6Rへ音声信号を供給する。
なお破線で囲った空間は、車室内空間RMである。また一点鎖線で囲った空間はダッシュボード内空間DSである。ダッシュボード内空間DSとは、車室内空間RMにおける運転席21及び助手席22の前方のダッシュボードの内部という意味である。これは運転席21と助手席22の乗員が相対するインストルメントパネルの奥側の空間とも言える。
なお図3では、ステアリング23を示した運転席21が左側となるいわゆる左ハンドル車を想定している。
副アンテナ3は、車室内空間RMの前方として、ダッシュボード内空間DSに配置されている。特にはダッシュボード内空間DSにおいて運転席21の正面となる位置とされている。
GPSアンテナ4は、副アンテナ3と同じくダッシュボード内空間DSであって運転席21の正面となる位置に配置されている。
このGPSアンテナ4は副アンテナ3は運転席からみて前後に並ぶような位置に配置され運転席21側にGPSアンテナ4、運転席21からみて奥側に副アンテナ3が配置される。
エアバッグECU8は、ダッシュボード内空間DS内において、DCM5の直下の位置に配置されている。
ユーザ対応コンソール7は、オーバーヘッドコンソールとして運転席21及び助手席17の上方位置に取り付けられている。例えば運転席21及び助手席17の乗員が見上げるとインジケータ12やスイッチ11を確認できる位置である。またマイク10が乗員の声を拾いやすい位置でもある。
スピーカ6L、6Rは、例えば左右のドア内に配置されている。
先に述べたように、通常時は、主アンテナ2は送信及び受信に用いられ、副アンテナ3は受信に用いられる。
ここで本実施の形態では、DCM5は制御部21の制御機能により、緊急時には送信に用いるアンテナを切り換えることが可能とされている。
図4に緊急事態を検知した場合の制御部21の処理例を示す。
もちろん、エアバッグECU8からの情報だけでなく、DCM5の内外に衝撃センサ、姿勢センサ等を搭載するなどにより、衝突、横転、車体姿勢異常などを認識できるようにしてもよい。
以上のステップS106,S107における送信は、主アンテナ2が正常に機能していれば、特にアンテナ切換処理を行っていないため、主アンテナ2を用いることになる。
主アンテナ2、副アンテナ3の両方が通信不能であれば、緊急通信ができないのでステップS104で通信不能のエラー処理となる。
副アンテナ3が通信可能であれば、制御部21はステップS105に進んで、データ送信に用いるアンテナを副アンテナ3に切り換えるようにネットワーク通信部22に指示する。
そして制御部21はステップS106,S107で上述の緊急通報処理、及び通話処理を行う。この場合ステップS106,S107における送信及び受信は、副アンテナ3を用いることになる。
実施の形態の車両用通信装置は、基地局から車両側へは同じ周波数帯域の複数チャネルによる無線データ伝送が行われることで車両側で受信のために複数のアンテナが用いられ、車両側から基地局への無線データ伝送には車両側の1つのアンテナが用いられる通信方式の通信を行う。この場合に、車両の車室外であってルーフ後方位置に配置され、通常状態において受信及び送信に用いられる主アンテナ2(第1の送受信アンテナ)と、車両の車室内前方位置に配置され、通常状態において受信に用いられる副アンテナ3(第2の送受信アンテナ)とを備える。そして緊急状態を検知し、かつ主アンテナ2による送信が不能であると検知した場合に、副アンテナ3を用いて緊急データの送信の実行制御を行うDCM5(制御部21)を備えている。
また図5Bに示すように、主アンテナ2とDCM5の間のアンテナ配線15は、ダッシュボード内空間DSにおいてDCM5から例えば左ドア側に伸ばされ、その後の左ウインドウの下方、側方、上方を沿うような経路で後方に配設されている。従って、図5Bのように側方から衝突された場合、アンテナ配線15に断線や地絡が発生し、主アンテナ2による通信が不能となる可能性が高い。
また副アンテナ3は車室内空間RMに配置されていることで、車体の横転等があっても破損する可能性は低い。
さらに副アンテナ3はダッシュボード内空間DSに配置されていることで、ダッシュボードによる保護機能も加わり、破損の可能性は更に低くできると共に、乗員が触ることができない位置であるため、人為的な行為で破損することもない。
また副アンテナ3とDCM5の間のアンテナ配線15は、ダッシュボード内空間DS内で完結し、しかも配設距離も短いため、これも断線や地絡が生ずる可能性は低い。
また車種によっては、副アンテナ3、アンテナ配線16、及びDCM5がダッシュボード内空間DSに配置されることで、車両前方の衝突に対してもこれらが保護される可能性を高くすることができる。特に近年の車両構造は、前方衝突の場合にバンパー、ボンネット、フェンダー等の部位がつぶれても車室内空間RMがなるべく維持されるような構造を採用しているためである。
そこで本実施の形態は、副アンテナ3も送信可能な送受信アンテナとし、図4の処理でわかるように主アンテナ2が通信不能となった場合は、副アンテナ3に切り換えてステップS106,S107の緊急送信を行うようにしている。これにより、緊急時の送信をできるだけ確保できる。
また主アンテナ2は、ルーフ上部の後方であって車両幅方向に略中央となる位置に配置されることで、ルーフ上であっても、なるべく破損の可能性を下げることができる。即ち車両の後方であって幅方向に略中央の位置は、車両前方の衝突や側方からの衝突の影響を受けにくい位置であるためである。
また可能であればなるべく主アンテナ2で送信を行うことで、ルーフ上という、比較的送信環境のよい状態で送信を行う機会を多くできる。
但し、上記実施の形態のように2つの送受信アンテナを用いることは、MIMO方式に最小限必要なアンテナ数(送受信アンテナと受信専用アンテナの2つ)と同数のままで、より通信可能状態の維持の可能性を高めることができるという点で、非常に好適である。特に2つの送受信アンテナを用いることで、より多数のアンテナを用いる場合に比べて、車内システム設計の容易性が得られ、また多数のアンテナによるデザインの自由度の低下やコストアップを避けることもできる。
また副アンテナ3は必ずしもダッシュボード内空間DSではない車室内空間RMに配置してもよい。
また通信方式は、3G/3.9Gに対応したMIMO方式に限定されず、下り通信に複数のアンテナが用いられ、上り通信に1つのアンテナが用いられる他の通信方式であってもよい。
上記の通信方式の場合、1つの送受信アンテナと、1つの受信専用アンテナの合計2つのアンテナが最低限必要になるところ、本発明の構成では、少なくとも第1,第2の2つの送受信アンテナを設ける。ここで、第1,第2の送受信アンテナは、車室外で車両後方と、車室内で車両前方に振り分けて配置し、車両事故発生の際に両方が破損する危険性を小さくする。また第1の送受信アンテナは、車室外のルーフ上とするが、これは無線データ通信のための電波環境を考えた場合、アンテナ配置位置として好適となる。
一方上り通信(車両→基地局)では図1Bのように、車両1側の送受信アンテナ2を用いて1チャネルで無線データ通信を行う。車両1からの送信は1チャネルであることで、車両1側としては、送信のためには送受信アンテナ2が1つあればよい。
但し送受信アンテナ2と受信専用アンテナ3Aを搭載すると、送受信アンテナ2に通信不能な障害が発生した際に対応できない。そこで本実施の形態では、車両1には受信専用アンテナ3Aに代えて送受信アンテナ3を設置し、2つの送受信アンテナ2,3を用いることとしている。
これにより図1A、図1Bの無線データ通信に加えて、図1Cのように送受信アンテナ3を用いて車両1から基地局に対する無線データ送信が実行できる。
このユーザ対応コンソール7には、マイクロホン10、手動通信スイッチ11、インジケータ12等が設けられている。
マイクロホン10は、テレマティクス通信システムによる緊急時の通話の際などに乗員の声を集音する。
手動通信スイッチ11は、緊急連絡やロードサービス/アシストなどを求める乗員がテレマティクス通信システムでサービスプロバイダ110との通信/通話を行いたい場合に操作するスイッチである。
インジケータ12は、通信状態、警告メッセージ、車両状態など、テレマティクス通信システムの動作により乗員に通知すべき情報を表示する。
ネットワーク通信部22は主アンテナ2、副アンテナ3を介したテレマティクス通信システムによるデータ通信のための処理を行う。例えば制御部21から転送されてくる送信データのエンコード、変調、高周波増幅等を行って送信信号を生成し、通常は主アンテナ2に供給して送信を実行させる。またネットワーク通信部22は主アンテナ2及び副アンテナ3による受信信号の検波/復調、2値化、受信データのデコード等を行い、受信データを制御部21に受け渡す。またネットワーク通信部22は、制御部21の指示に応じて、送信時のアンテナの切換も行うことができる。具体的にはデータ送信に用いるアンテナを、主アンテナ2と副アンテナ3の間で切り換える処理を行う。即ち送信信号を主アンテナ2に供給するか、副アンテナ3に供給するかを選択的に行うことができる。
なお破線で囲った空間は、車室内空間RMである。また一点鎖線で囲った空間はダッシュボード内空間DSである。ダッシュボード内空間DSとは、車室内空間RMにおける運転席18及び助手席17の前方のダッシュボードの内部という意味である。これは運転席18と助手席17の乗員が相対するインストルメントパネルの奥側の空間とも言える。
なお図3では、ステアリング19を示した運転席18が左側となるいわゆる左ハンドル車を想定している。
副アンテナ3は、車室内空間RMの前方として、ダッシュボード内空間DSに配置されている。特にはダッシュボード内空間DSにおいて運転席18の正面となる位置とされている。
GPSアンテナ4は、副アンテナ3と同じくダッシュボード内空間DSであって運転席21の正面となる位置に配置されている。
このGPSアンテナ4と副アンテナ3は運転席18からみて前後に並ぶような位置に配置され運転席18側にGPSアンテナ4、運転席18からみて奥側に副アンテナ3が配置される。
エアバッグECU8は、ダッシュボード内空間DS内において、DCM5の直下の位置に配置されている。
ユーザ対応コンソール7は、オーバーヘッドコンソールとして運転席18及び助手席17の上方位置に取り付けられている。例えば運転席18及び助手席17の乗員が見上げるとインジケータ12や手動通信スイッチ11を確認できる位置である。またマイクロホン10が乗員の声を拾いやすい位置でもある。
スピーカ6L、6Rは、例えば左右のドア内に配置されている。
以上のステップS106,S107における送信は、主アンテナ2が正常に機能していれば、特にアンテナ切換処理を行っていないため、主アンテナ2を用いることになる。
また副アンテナ3は車室内空間RMに配置されていることで、車体の横転等があっても破損する可能性は低い。
さらに副アンテナ3はダッシュボード内空間DSに配置されていることで、ダッシュボードによる保護機能も加わり、破損の可能性は更に低くできると共に、乗員が触ることができない位置であるため、人為的な行為で破損することもない。
また副アンテナ3とDCM5の間のアンテナ配線16は、ダッシュボード内空間DS内で完結し、しかも配設距離も短いため、これも断線や地絡が生ずる可能性は低い。
Claims (4)
- 基地局から車両側へは同じ周波数帯域の複数チャネルによる無線データ伝送が行われることで車両側で受信のために複数のアンテナが用いられ、車両側から基地局への無線データ伝送には車両側の1つのアンテナが用いられる通信方式のために、車両の車室外であってルーフ後方位置に配置され、通常状態において前記通信方式による受信及び送信に用いられる第1の送受信アンテナと、
前記通信方式のために車両の車室内前方位置に配置され、通常状態において前記通信方式による受信に用いられる第2の送受信アンテナと、
緊急状態を検知し、かつ前記第1の送受信アンテナによる送信が不能であると検知した場合に、前記第2の送受信アンテナを用いて緊急データの送信の実行制御を行う制御部と、を備えた
車両用通信装置。 - 前記第1の送受信アンテナは、ルーフ上部の後方であって車両幅方向に略中央となる位置に配置される
請求項1に記載の車両用通信装置。 - 前記第2の送受信アンテナは、車室内前方位置でダッシュボード内の空間に配置される
請求項1又は請求項2に記載の車両用通信装置。 - 前記制御部は、前記緊急状態の検知として、車両の衝突を検知する
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用通信装置。
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