JP2008271326A - 車両用アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンテナの一部が破損しても簡易な仕組みで通信を継続することができる、車両用アンテナ装置の提供を目的とする。
【解決手段】車両1の外板であるルーフパネル2で隔てられた車外アンテナ素子20と車内アンテナ素子30とを備える、車両用アンテナ装置であって、同軸ケーブル50を介して車外アンテナ素子20の給電点Aと車内アンテナ素子30の給電点Bから給電部10により入力される高周波信号の位相を位相反転手段40によって互いに反転にし、その入力方向を互いに略反対方向にしたことを特徴とする、車両用アンテナ装置。
【選択図】図1
【解決手段】車両1の外板であるルーフパネル2で隔てられた車外アンテナ素子20と車内アンテナ素子30とを備える、車両用アンテナ装置であって、同軸ケーブル50を介して車外アンテナ素子20の給電点Aと車内アンテナ素子30の給電点Bから給電部10により入力される高周波信号の位相を位相反転手段40によって互いに反転にし、その入力方向を互いに略反対方向にしたことを特徴とする、車両用アンテナ装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両の外板で隔てられた車外アンテナ素子と車内アンテナ素子とを備える、車両用アンテナ装置に関する。
従来、外部アンテナと内部アンテナとを備え、緊急信号を発信して救助を求めるメーデーシステム用装置において、外部アンテナが全て破損して使用不可能な状態と判断された場合には、緊急信号を発信できるようにアンテナ切替回路を用いて内部アンテナに切り替えることができるメーデーシステム用装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−177462号公報
しかしながら、上述の従来技術では、専用のアンテナ切替回路によってアンテナが使用可能な状態か否かの判断を行い、使用不可能な状態のアンテナから使用可能な状態のアンテナへ切り替える必要があるため、通信をできるだけ早く行いたいにもかかわらず、アンテナが使用可能な状態か否かを判断してアンテナを切り替えるための時間がかかってしまうおそれがある。
そこで、本発明は、アンテナの一部が破損しても簡易な仕組みで通信を継続することができる、車両用アンテナ装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明は、
車両の外板で隔てられた車外アンテナ素子と車内アンテナ素子とを備える、車両用アンテナ装置であって、
前記車外アンテナ素子と前記車内アンテナ素子に入力する高周波信号の位相を互いに反転にし、その入力方向を互いに略反対方向にしたことを特徴とする。
車両の外板で隔てられた車外アンテナ素子と車内アンテナ素子とを備える、車両用アンテナ装置であって、
前記車外アンテナ素子と前記車内アンテナ素子に入力する高周波信号の位相を互いに反転にし、その入力方向を互いに略反対方向にしたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明に係る車両用アンテナ装置であって、前記車外アンテナ素子の給電点と前記車内アンテナ素子の給電点が、路面に対して垂直な略同一直線上に設けられたことを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明に係る車両用アンテナ装置であって、前記車外アンテナ素子と前記車内アンテナ素子の長さは、前記車外アンテナ素子と前記車内アンテナ素子によって送信又は受信される電波が共振する長さとしたことを特徴とする。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明に係る車両用アンテナ装置であって、前記車外アンテナ素子に入力する高周波信号は、前記外板に設けられた貫通孔を貫通する電線を介して流れることを特徴とする。
第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明に係る車両用アンテナ装置であって、前記車外アンテナ素子の部位において機械的強度が他部位より弱い脆弱部位が設けられたことを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明に係る車両用アンテナ装置であって、前記脆弱部位が、路面に対して略水平方向に設けられたことを特徴とする。
第7の発明は、第5又は第6の発明に係る車両用アンテナ装置であって、前記脆弱部位が、前記車外アンテナ素子に前記高周波信号が入力される部位に対して前記外板と反対側に設けられたことを特徴とする。
第8の発明は、第1から第7のいずれかの発明に係る車両用アンテナ装置であって、前記外板はルーフパネルであることを特徴とする。
第9の発明は、第1から第8のいずれかの発明に係る車両用アンテナ装置であって、前記車外アンテナ素子及び前記車内アンテナ素子は、前記車両の外部に対して緊急通報を行う緊急通報送信回路に接続されたことを特徴とする。
本発明によれば、アンテナの一部が破損しても簡易な仕組みで通信を継続することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。本発明に係る車両用アンテナ装置の一実施形態であるメーデーシステム用アンテナ装置について説明する。メーデーシステムは、事故や急病や強盗などの緊急時に、所定の通報先(例えば、警察、消防、病院、警備会社、緊急管理センター、ディーラー等)に緊急通報するシステムである。メーデーシステムは、例えば、現在の車両の位置情報、車両登録情報、音声情報、画像情報などの情報を所定の通報先に向けてアンテナ装置を介して無線送信するものである。また、メーデーシステムは、例えば、アンテナ装置を介して上記通報先等に配備の車外の通信装置からの音声情報、画像情報、遠隔操作制御信号などの情報を受信するものでもよい。
図1は、メーデーシステム用アンテナ装置が車両1のルーフパネル2に取り付けられた状態を示した図である。メーデーシステム用アンテナ装置は、車両1のルーフパネル2に対して上側(つまり、車室外側)に設置された車外アンテナ素子20と、車両1のルーフパネル2に対して下側(つまり、車室内側)に設置された車内アンテナ素子30とを備える。すなわち、車外アンテナ素子20及び車内アンテナ素子30は、ルーフパネル2で隔てられた状態で対向して設置される。ルーフパネル2の部位に設置されることによって、電波が遮られにくくなり通信品質を高めることができる。車外アンテナ素子20及び車内アンテナ素子30は、それぞれの給電点からの長さが目的とする通信用電波の周波数に共振する長さ(例えば、通信用電波の略1/4波長)となるように形成される。
また、メーデーシステム用アンテナ装置は、車外アンテナ素子20と車内アンテナ素子30に高周波信号を給電する給電部10を備える。車外アンテナ素子20と車内アンテナ素子30の共振周波数と同じ周波数の高周波信号が一つの給電部10から同軸ケーブル50を介して送信され、その高周波信号は車外アンテナ素子20と車内アンテナ素子30に分けられる。これにより、車外アンテナ素子20と車内アンテナ素子30を介した送受信が可能となる。給電部10は、車体又は車体と電気的に接続された導体部にアースされる。例えば、ルーフパネル2が導体(例えば、鋼板)であれば、給電部10をルーフパネル2にアースすればよい。給電部10にはメーデーシステム用の送信回路が接続され、送信回路からの緊急通報に係る送信信号は高周波信号として給電部10によって車外アンテナ素子20と車内アンテナ素子30に供給される。
また、メーデーシステム用アンテナ装置は、車外アンテナ素子20の給電点Aと車内アンテナ素子30の給電点Bから入力される高周波信号の位相を互いに反転にする位相反転手段40を備える。車外アンテナ素子20と車内アンテナ素子30は、図1に示されるように、それぞれの給電点からの高周波信号の入力方向が互いに反対方向である(車外アンテナ素子20は水平面に対して90°上向き、車内アンテナ素子30は水平面に対して90°下向き)。したがって、車外アンテナ素子20の給電点Aにおける高周波信号の位相と車内アンテナ素子30の給電点Bにおける高周波信号の位相とを位相反転手段40によって互いに反転させることによって、車外アンテナ素子20と車内アンテナ素子30に同時に流れる高周波電流は同じ向きになる(同相になる)ため、車外アンテナ素子20と車内アンテナ素子30のいずれか一方のアンテナ素子が破損しても、他方のアンテナ素子によって継続的に無線通信をすることが可能となる。また、車外アンテナ素子20と車内アンテナ素子30に同時に流れる高周波電流は同じ向きになるため、水平面(仰角0°)の利得を向上させることができる。なお、その利得をできるだけ上げるためには、車外アンテナ素子20の給電点Aと車内アンテナ素子30の給電点Bが路面に対して垂直な同一直線上の点となるように設定されるとよい。
次に、本発明に係る車両用アンテナ装置の一実施形態であるメーデーシステム用アンテナ装置の詳細な具体例について説明する。
図2は、メーデーシステム用アンテナ装置100の構成図である。アンテナ装置100の車外アンテナ素子21と車内アンテナ素子31は、それぞれモノポール型アンテナを形成する。ルーフパネル2には貫通孔2aが設けられている。
車外アンテナ素子21は、貫通孔2aを貫通する同軸ケーブル50と接続される。つまり、同軸ケーブル50の芯線52が車外アンテナ素子21に電気的に接続される。このとき、同軸ケーブル50の外導体53はルーフパネル2自体又はルーフパネル2に電気的に接続された導体にアースされる。また、車内アンテナ素子31は、貫通孔2aを貫通する同軸ケーブル60と接続される。つまり、同軸ケーブル60の芯線62が車外アンテナ素子31に電気的に接続される。このとき、同軸ケーブル60の外導体63はルーフパネル2自体又はルーフパネル2に電気的に接続された導体にアースされる。また、同軸ケーブル50と同軸ケーブル60は、ルーフパネル2に対して車室外側で接続される。つまり、同軸ケーブル50の芯線52と同軸ケーブル60の芯線64(芯線62の他端)が接続される。このとき、同軸ケーブル60の外導体65(外導体63の他端)はルーフパネル2自体又はルーフパネル2に電気的に接続された導体にアースされる。なお、芯線52,62,64,65の露出部(同軸ケーブルの被覆がはがれた部分)は、周波数の設定誤差などの要因となるためできるだけ短いほうがよい。
ここで、図2に示されるように、同軸ケーブルなどの取り付け性の向上のため、導電性を有するボルト70及びナット75を用いてもよい。ボルト70の長手方向には、同軸ケーブル50,60を挿通させるための貫通孔70cが設けられている。ボルト70の貫通孔70cを挿通させた同軸ケーブル50の外導体53及び同軸ケーブル60の外導体65をボルト70の頭部70aにネジ止め、ハンダ付け、またはルーフパネル2の上面との間に挟むとともに、同軸ケーブル60の外導体63をナット75にネジ止め、ハンダ付け、またはルーフパネル2の下面との間に挟んだ状態で、貫通孔2aを貫通したボルト70の首下部70bをナット75によって締め付けることによって、外導体53,63,65を確実にアースさせることができる。
また、レドーム25は、車外アンテナ素子21やボルト70の頭部70aを覆うように取り付けられ、車外アンテナ素子21等の各構成部品を保護するものである。レドーム35は、車内アンテナ素子31やナット75を覆うように取り付けられ、車内アンテナ素子31等の各構成部品を保護するものである。レドーム25,35の形状は図2に示される形状に限定しなくてもよい。レドーム25は、例えば、両面テープや接着剤等の粘着体、スナップフィット、ボルト/ナット、リベットなどの締結手段によって、ボルト70やルーフパネル2に固着させるとよい。同様に、レドーム35は、ナット75やルーフパネル2に固着させるとよい。
車外アンテナ素子21の給電点Aは、例えば車外アンテナ素子21と同軸ケーブル50の芯線52との接続点とし、車外アンテナ素子31の給電点Bは、例えば車外アンテナ素子31と同軸ケーブル60の芯線62との接続点とする。また、同軸ケーブル60を上述の位相反転手段40として機能させるため、同軸ケーブル60の長さは、車外アンテナ素子21の給電点における高周波信号の位相と車内アンテナ素子31の給電点における高周波信号の位相とが互いに180°反転する長さにする。これによって、車外アンテナ素子21と車内アンテナ素子31に同時に流れる高周波電流の向きを同じにすることができる。
また、車外アンテナ21の部位において機械的強度が他部位より弱い部位(以下、「脆弱部22」という)が設けられている。車外アンテナ21の部位において、脆弱部22はその周辺部より相対的に機械的強度が弱い。機械的強度を示す数値として、例えば、降伏強さ、引張強さ、圧縮強さ、せん断強さ、曲げ強さ、衝撃強さ、かたさなどが挙げられる。図2の場合、脆弱部22の機械的強度を弱めるために、路面に対して水平方向に車外アンテナ素子21に貫通孔をミシン目で設け、脆弱部22の断面積を他部位より狭くしている。このように脆弱部22を設けることによって、脆弱部22を設けない場合に比べ、車外アンテナ素子21に対する外力の影響が車内アンテナ素子31に及びにくくさせることができる。つまり、車両の転覆などの事故によって車外アンテナ素子21に外力が加わったとしても、脆弱部22の破損に留まるため、車内アンテナ素子31がその外力によって車外アンテナ素子21とともに破損することを防止することができる。その結果、破損していない車内アンテナ素子31によって無線通信を継続的に実施可能となり、事故等の緊急事態においてメーデーシステムを確実に機能させることができる。また、脆弱部22を路面に対して水平方向に設けることによって、脆弱部22が車両の横転で破損しやすいようにすることができる。
また、脆弱部22は、車外アンテナ素子21と同軸ケーブル50の芯線52との接続点に対してルーフパネル2と反対側の部位に設けられるとよい(図2の場合、当該接続点より上方に設けられている)。これにより、車外アンテナ素子21に対する外力の影響が車内アンテナ素子31に更に及びにくくすることができる。
図3は、メーデーシステム用アンテナ装置200の構成図である。実施例1と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略する。アンテナ装置200の車外アンテナ素子21と車内アンテナ素子31は、それぞれモノポール型アンテナを形成する。
同軸ケーブル50は、同軸ケーブル51と同軸ケーブル66に分岐する。車外アンテナ素子21は、貫通孔2aを貫通する(又は、貫通孔70cを貫通する)同軸ケーブル51と接続される。ルーフパネル2に対して車室外側にある車外アンテナ素子21への給電は、同軸ケーブル51を介して、ルーフパネル2に対して車室内側にある給電部10から行われる。また、車内アンテナ素子31は、ルーフパネル2の下側に配索された同軸ケーブル66と接続される。ルーフパネル2に対して車室内側にある車内アンテナ素子31への給電は、同軸ケーブル66を介して、給電部10から行われる。
車外アンテナ素子21の給電点Aは、例えば車外アンテナ素子21と同軸ケーブル51の芯線52との接続点とし、車外アンテナ素子31の給電点Bは、例えば車外アンテナ素子31と同軸ケーブル66の芯線62との接続点とする。また、同軸ケーブル51,66を上述の位相反転手段40として機能させるため、同軸ケーブル51の長さL1と同軸ケーブル66の長さL2との差の絶対値は、車外アンテナ素子21の給電点における高周波信号の位相と車内アンテナ素子31の給電点における高周波信号の位相とが互いに180°反転する長さにする。例えば、λgを同軸ケーブル中の高周波信号の波長とすると、便宜上芯線52,62の露出部の長さは無視するとして、
|L2−L1|=λg/2
にすればよい。これによって、車外アンテナ素子21と車内アンテナ素子31に同時に流れる高周波電流の向きを同じにすることができる。
|L2−L1|=λg/2
にすればよい。これによって、車外アンテナ素子21と車内アンテナ素子31に同時に流れる高周波電流の向きを同じにすることができる。
また、車外アンテナ21の部位として脆弱部22が設けられているため、車内アンテナ素子31が車外アンテナ素子21とともに破損することを防止している。
図4は、メーデーシステム用アンテナ装置300の構成図である。実施例1,2と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略する。アンテナ装置300の車外アンテナ素子21と車内アンテナ素子31は、それぞれモノポール型アンテナを形成する。
同軸ケーブル50は、分配回路80を介して、同軸ケーブル54と同軸ケーブル67に分岐する。車外アンテナ素子21は、貫通孔2aを貫通する(又は、貫通孔70cを貫通する)同軸ケーブル54と接続される。ルーフパネル2に対して車室外側にある車外アンテナ素子21への給電は、同軸ケーブル54を介して、ルーフパネル2に対して車室内側にある給電部10から行われる。また、車内アンテナ素子31は、ルーフパネル2の下側に配索された同軸ケーブル67と接続される。ルーフパネル2に対して車室内側にある車内アンテナ素子31への給電は、同軸ケーブル67を介して、給電部10から行われる。
車外アンテナ素子21の給電点Aは、例えば車外アンテナ素子21と同軸ケーブル54の芯線52との接続点とし、車外アンテナ素子31の給電点Bは、例えば車外アンテナ素子31と同軸ケーブル67の芯線62との接続点とする。また、上述の位相反転手段40として分配回路80が設けられている。
図5は、分配回路80の一例である。図5は、一般にRat−Race回路と呼ばれるものである。ポートP1に同軸ケーブル50を接続し、ポートP2に同軸ケーブル54を接続し、ポートP4に同軸ケーブル67を接続し、ポートP3を終端させる。また、同軸ケーブル54の長さL1と同軸ケーブル67の長さL2を等しくする。これによって、車外アンテナ素子21の給電点における高周波信号の位相と車内アンテナ素子31の給電点における高周波信号の位相とが互いに180°反転する。したがって、車外アンテナ素子21と車内アンテナ素子31に同時に流れる高周波電流の向きを同じにすることができる。
また、車外アンテナ21の部位として脆弱部22が設けられているため、車内アンテナ素子31が車外アンテナ素子21とともに破損することを防止している。
図6は、メーデーシステム用アンテナ装置400の構成図である。実施例1,2,3と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略する。アンテナ装置400において、車外アンテナ素子21はモノポール型アンテナを形成し、車内アンテナ素子32は逆F型アンテナを形成する。
同軸ケーブル50は、分配回路80を介して、同軸ケーブル55と同軸ケーブル68に分岐する。車外アンテナ素子21は、貫通孔2aを貫通する(又は、貫通孔70cを貫通する)同軸ケーブル55と接続される。ルーフパネル2に対して車室外側にある車外アンテナ素子21への給電は、同軸ケーブル55を介して、ルーフパネル2に対して車室内側にある給電部10から行われる。また、車内アンテナ素子32は、ルーフパネル2の下側に配索された同軸ケーブル68と接続される。ルーフパネル2に対して車室内側にある車内アンテナ素子32への給電は、同軸ケーブル67を介して、給電部10から行われる。このとき、同軸ケーブル68の芯線62は車内アンテナ素子32の給電線(逆Fアンテナの給電線)に電気的に接続され、同軸ケーブル68の外導体63はルーフパネル2自体又はルーフパネル2に電気的に接続された導体77にアースされる。導体77は、ボルト70とナット75によってルーフパネル2に固着されている。また、車内アンテナ素子32の短絡線(逆Fアンテナの短絡線)もルーフパネル2自体又はルーフパネル2に電気的に接続された導体77にアースされる。
車外アンテナ素子21の給電点Aは、例えば車外アンテナ素子21と同軸ケーブル55の芯線52との接続点とし、車外アンテナ素子32の給電点Bは、例えば車外アンテナ素子32と同軸ケーブル68の芯線62との接続点とする。また、上述の位相反転手段40として分配回路80が設けられている。
第3の実施例と同様に、分配回路80は図5に示したRat−Race回路を用い、同軸ケーブル55の長さL1と同軸ケーブル68の長さL2を等しくする。これによって、車外アンテナ素子21の給電点における高周波信号の位相と車内アンテナ素子32の給電点における高周波信号の位相とが互いに180°反転する。したがって、車外アンテナ素子21と車内アンテナ素子32に同時に流れる高周波電流の向きを同じにすることができる。
また、車外アンテナ21の部位として脆弱部22が設けられているため、車内アンテナ素子31が車外アンテナ素子21とともに破損することを防止している。
以上のように、上述の車両用アンテナ装置の実施例によれば、車外アンテナ素子の破損とともに車内アンテナ素子が破損することを防止することができるので、簡易な仕組みで通信を継続することができ、事故等の緊急事態においてメーデーシステムを確実に機能させることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の脆弱部22を設けるために、アンテナ素子が棒状の導体の場合、図7(a)に示されるようにその径を他部位より細くしたり、図7(b)に示されるようにアンテナ素子の特定部位を他部位より機械的強度の弱い導体に変更したりしてもよい(図7(b))。また、アンテナ素子が板状の導体の場合、図7(c)に示されるようにその厚さを他部位より薄くしてもよいし、図7(d)(e)に示されるように破損させたい箇所に切れ目や孔を設けてもよい。
また、車内アンテナ素子及び車外アンテナ素子のいずれも、図8に示されるように、ヘリカル型のアンテナ素子に置き換えてもよいし、T型のアンテナ素子に置き換えてもよい。特に、車内アンテナ素子は、ヘリカル型アンテナやT型アンテナや逆F型アンテナ等の低背型アンテナを使用することによって、車室内空間の拡大を可能にし、乗員の頭部が天井にぶつかりにくくすることができる。
また、上述の実施例の車内アンテナ素子と車外アンテナ素子はルーフパネル2で隔てられた状態で設置されていたが、ルーフパネル2以外の外板で隔てられた状態で設置されてもよい。例えば、ピラー部、トランク部、ボンネット部で隔ててもよい。
また、本発明に係る車両用アンテナ装置は、メーデーシステム用に限らず、ナビゲーションシステムに使用するGPS(Global Positioning System)衛星からの電波、テレビ放送波,ラジオ放送波等の各種無線電波を受信するものでもよい。また、有料道路等に使われるETC(Electronic Toll Collection)用通信、車車間通信、無線通話等の電波を送受信するためのアンテナ装置として使用することも可能である。
また、上述の実施例では、便宜上、アンテナ素子の給電点を同軸ケーブルの芯線との接続点としたが、アンテナ素子の給電点を芯線の露出部上の任意の点として、車外アンテナ素子及び車内アンテナ素子が共振するように芯線の露出部の長さを調整してもよい。
また、上述のボルトとナットに代えてルーフパネルの貫通孔にゴムブッシュを嵌挿し(又は、上述のボルトの貫通孔にゴムブッシュを嵌挿し)、そのゴムブッシュの貫通孔に同軸ケーブルが貫通した構成でもよい。この場合、同軸ケーブルの外導体はルーフパネル2等の車体又は車体と電気的に接続された導体部にアースさせればよい。
1 車両
2 ルーフパネル
10 給電部
20,21 車外アンテナ素子
30,31,32 車内アンテナ素子
40 位相反転手段
50,51,54,55,60,66,67,68 同軸ケーブル
80 分配回路
2 ルーフパネル
10 給電部
20,21 車外アンテナ素子
30,31,32 車内アンテナ素子
40 位相反転手段
50,51,54,55,60,66,67,68 同軸ケーブル
80 分配回路
Claims (9)
- 車両の外板で隔てられた車外アンテナ素子と車内アンテナ素子とを備える、車両用アンテナ装置であって、
前記車外アンテナ素子と前記車内アンテナ素子に入力する高周波信号の位相を互いに反転にし、その入力方向を互いに略反対方向にしたことを特徴とする、車両用アンテナ装置。 - 前記車外アンテナ素子の給電点と前記車内アンテナ素子の給電点が、路面に対して垂直な略同一直線上に設けられた、請求項1に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記車外アンテナ素子と前記車内アンテナ素子の長さは、前記車外アンテナ素子と前記車内アンテナ素子によって送信又は受信される電波が共振する長さとした、請求項1又は2に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記車外アンテナ素子に入力する高周波信号は、前記外板に設けられた貫通孔を貫通する電線を介して流れる、請求項1から3のいずれかに記載の車両用アンテナ装置。
- 前記車外アンテナ素子の部位において機械的強度が他部位より弱い脆弱部位が設けられた、請求項1から4のいずれかに記載の車両用アンテナ装置。
- 前記脆弱部位が、路面に対して略水平方向に設けられた、請求項5に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記脆弱部位が、前記車外アンテナ素子に前記高周波信号が入力される部位に対して前記外板と反対側に設けられた、請求項5又は6に記載の車両用アンテナ装置。
- 前記外板はルーフパネルである、請求項1から7のいずれかに記載の車両用アンテナ装置。
- 前記車外アンテナ素子及び前記車内アンテナ素子は、前記車両の外部に対して緊急通報を行う緊急通報送信回路に接続された、請求項1から8のいずれかに記載の車両用アンテナ装置。
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Publication Number | Publication Date |
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