JP2004260329A - 車載用アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の上空から飛来する信号波を効率よく受信できる車載用アンテナ装置を提供すること。
【解決手段】車載用アンテナ装置1は、自動車30のルーフ部31の天面側に設置された第1のアンテナ素子3と、ルーフ部31の底面側に設置されて第1のアンテナ素子3と同等の周波数で共振可能な第2のアンテナ素子5と、ルーフ部31を貫通して第1および第2のアンテナ素子3,5の給電部どうしを電気的に接続する給電ピン6と、第1および第2のアンテナ素子3,5を覆ってルーフ部31に固定された上部レドーム2および下部レドーム4とを備えている。第1および第2のアンテナ素子3,5はそれぞれ、誘電体基板7,10の片面にパッチ電極8,11を有し、かつ他面に接地導体9,12を有し、これらの接地導体9,12がルーフ部31を挟んで積層された構造になっている。
【選択図】 図1
【解決手段】車載用アンテナ装置1は、自動車30のルーフ部31の天面側に設置された第1のアンテナ素子3と、ルーフ部31の底面側に設置されて第1のアンテナ素子3と同等の周波数で共振可能な第2のアンテナ素子5と、ルーフ部31を貫通して第1および第2のアンテナ素子3,5の給電部どうしを電気的に接続する給電ピン6と、第1および第2のアンテナ素子3,5を覆ってルーフ部31に固定された上部レドーム2および下部レドーム4とを備えている。第1および第2のアンテナ素子3,5はそれぞれ、誘電体基板7,10の片面にパッチ電極8,11を有し、かつ他面に接地導体9,12を有し、これらの接地導体9,12がルーフ部31を挟んで積層された構造になっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、GPS(全地球測位システム)衛星からの信号波の受信などに好適な車載用アンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複数のGPS衛星からの信号波(1.575GHz帯の円偏波)を受信することによって現在位置を識別可能とした技術が、カーナビゲーションシステムにおいて広く採用されている。GPS衛星から送信されてくる信号波を受信するためのアンテナ装置はGPSアンテナと呼ばれ、小型薄型化が要求される車載用のGPSアンテナにおいては、誘電体基板の上面と下面にそれぞれパッチ電極と接地導体を設けて該パッチ電極に給電するという、いわゆるパッチアンテナが一般的である。そして、上空から飛来するGPS衛星の信号波が車両の金属ボディを透過しにくいことを考慮して、車載用のGPSアンテナは通常、車室内のフロントガラス近傍に設置されている。
【0003】
また、車室内のバックミラー付近に中継用アンテナを設置し、フロントガラスの上部を透過して到達した信号波を該中継用アンテナを介して車室内へ送信することにより、GPSアンテナ等の受信装置を車室内の任意の場所に搭載できるようにした従来技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特表2002−537173号公報(第16−20頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにGPS衛星の信号波は車両の金属ボディを透過しにくいため、従来はフロントガラスを透過して車室内へと伝播する信号波を主に利用しているが、フロントガラスの近傍に設置されているGPSアンテナや中継用アンテナでは、後方の上空から飛来するGPS衛星の信号波は金属ボディに遮断されてほとんど受信することができない。しかるに、現在位置の識別には複数のGPS衛星からの信号波を受信する必要があるので、受信可能なGPS衛星の数が制約されてしまうことは位置識別精度の向上を図るうえで好ましくない。そこで例えば、車両のルーフ部の一部に非金属材料からなる窓部を設けることが考えられるが、GPS衛星の信号波を透過させるためには直径約10cm以上の窓部が必要であり、こうした大きな窓部をルーフ部に付設することはサンルーフ仕様の車両を除いて事実上困難であった。
【0006】
なお、携帯電話で用いられる信号波(1.85GHz帯や894MHz帯の直線偏波)も車両の金属ボディを透過しにくいため、車室内の搭乗者が携帯電話を使用する場合、フロントガラス等の非金属部分を透過する信号波のみによって送受信しなければならず、感度不良を起こしやすかった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、車両の上空から飛来する信号波を効率よく受信できる車載用アンテナ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明による車載用アンテナ装置では、車両のルーフ部の天面側に設置された第1のアンテナ素子と、前記ルーフ部の底面側に設置されて前記第1のアンテナ素子と同等の周波数で共振可能な第2のアンテナ素子と、前記ルーフ部を貫通して前記第1および第2のアンテナ素子の給電部どうしを電気的に接続する導体部材とを備える構成とした。
【0009】
かかる構成において、車両のルーフ部上に設置された第1のアンテナ素子が所定周波数帯の信号波に共振すると、該信号波が導体部材を介して供給される第2のアンテナ素子が共振する。その結果、ルーフ部の底面側(天井部)から車室内へ該信号波が送信されることになるので、車室内において上空から飛来する信号波を効率よく受信することが可能となり、例えばGPSアンテナの位置識別精度の向上が図れる。また、各アンテナ素子が携帯電話用の信号波に共振するように設定されている場合には、車室内の携帯電話から送信された信号波によって第2のアンテナ素子が共振するため、該信号波が導体部材を介して供給される第1のアンテナ素子が共振して、ルーフ部の天面側から上空へ該信号波が送信されることになり、感度の向上が図れる。
【0010】
なお、上述した車載用アンテナ装置において、第1および第2のアンテナ素子がいずれも、車両のルーフ部に固定される誘電体基板と、この誘電体基板の前記ルーフ部側とは逆側の面に設けられたパッチ電極とを有すると共に、これら各アンテナ素子のパッチ電極どうしを、前記導体部材としての給電ピンによって電気的に接続する構成にしておけば、小型薄型化が図りやすくルーフ部には小径な孔を設けるだけで済むので、美観を損なわず取付作業も簡単に行える。しかも、上下一対の誘電体基板の反パッチ電極側の面どうしがルーフ部を挟んで対向する積層構造になるため、金属板製のルーフ部が各アンテナ素子のグラウンドとして機能することになって、高い利得が期待できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係る車載用アンテナ装置の断面図、図2は該アンテナ装置の平面図、図3は該アンテナ装置とGPSアンテナを装備した自動車の概略図である。
【0012】
これらの図に示す車載用アンテナ装置1は、自動車30の金属ボディのルーフ部31に取り付けられて図示せぬGPS衛星からの信号波を受信するためのものである。このアンテナ装置1は、合成樹脂製の上部レドーム2に覆われた第1のアンテナ素子3と、合成樹脂製の下部レドーム4に覆われて第1のアンテナ素子3と同等の周波数で共振可能な第2のアンテナ素子5と、両アンテナ素子3,5を板厚方向に貫通する給電ピン6とによって主に構成されている。
【0013】
第1のアンテナ素子3は、誘電体基板7の上面にパッチ電極8を設けて下面に接地導体9を設けてなるパッチアンテナであって、図示せぬ縮退分離素子が装荷されているパッチ電極8の給電部に給電ピン6の上端が半田付けされている。同様に、第2のアンテナ素子5は、誘電体基板10の下面にパッチ電極11を設けて上面に接地導体12を設けてなるパッチアンテナであって、図示せぬ縮退分離素子が装荷されているパッチ電極11の給電部に給電ピン6の下端が半田付けされている。第1のアンテナ素子3は、その下面側(接地導体9側)が両面接着テープや接着剤などの接着層13を介してルーフ部31の天面に接着固定されている。同様に、第2のアンテナ素子5は、その上面側(接地導体12側)が接着層14を介してルーフ部31の底面に接着固定されており、接地導体9,12がルーフ部31を挟んで積層された構造になっている。上部レドーム2と下部レドーム4にはそれぞれルーフ部31の取付孔31aを介して対向する挿通孔が4か所に穿設されており、これらの挿通孔および取付孔31aに上方から挿通されたボルト15をルーフ部31の底面側からナット16で締結することによって、上部および下部レドーム2,4はルーフ部31に固定されている。
【0014】
また、自動車30の車室内にはフロントガラス32の近傍に、GPS衛星からの信号波を受信してGPS受信回路へ供給するGPSアンテナ33が設置されている。このGPSアンテナ33は、フロントガラス32を透過して車室内へと伝播する該信号波を受信可能であると共に、車載用アンテナ装置1の第2のアンテナ素子5から送信される該信号波を受信可能である。
【0015】
すなわち、上空から飛来するGPS衛星の信号波は自動車30の金属ボディで遮断されてしまうが、車載用アンテナ装置1の第1のアンテナ素子3がルーフ部31上に設置されているので、広範囲な上空から飛来する該信号波を第1のアンテナ素子3で受信することができる。そして、第1のアンテナ素子3が該信号波に共振すると、給電ピン6を介して該信号波が供給される第2のアンテナ素子5が共振するので、ルーフ部31の底面側(天井部)から車室内へ送信される該信号波をGPSアンテナ33にて受信することができる。したがって、GPSアンテナ33は、フロントガラス32を透過して車室内へと伝播するGPS衛星の信号波を受信できることはもちろん、後方を含めた広範囲な上空から飛来するGPS衛星の信号波を車載用アンテナ装置1を介して受信できることになり、このように複数のGPS衛星からの信号波を効率よく受信できるようにしておけば、GPSアンテナ33の位置識別精度が高まる。なお、車載用アンテナ装置1は接地導体9,12が自動車30のルーフ部31を挟んで積層された構造になっているため、金属板製のルーフ部31が第1および第2のアンテナ素子3,5のグラウンドとして機能することになって、高い利得が期待できる。
【0016】
しかも、本実施形態例においては、車載用アンテナ装置1の大きさを規定する上部および下部レドーム2,4が、パッチアンテナとして機能する第1および第2のアンテナ素子3,5を覆える程度でよいため、小型薄型化が図りやすい。また、この車載用アンテナ装置1を取り付けるために必要なルーフ部31の孔は、ボルト15用の取付孔31aと給電ピン6用の挿通孔31bだけであり、いずれも小径な孔でよい。また、この車載用アンテナ装置1は、ルーフ部31の上下に配設した第1および第2のアンテナ素子3,5のパッチ電極8,11どうしを給電ピン6にて電気的に接続した後、上部レドーム2と下部レドーム4をボルト15およびナット16にてルーフ部31に締結すれば取付が完了する。したがって、自動車30のルーフ部31に車載用アンテナ装置1を取り付けても美観を損なう心配はなく、その取付作業も簡単に行える。
【0017】
図4は本発明の他の実施形態例に係る車載用アンテナ装置の断面図、図5は該アンテナ装置の平面図であり、図1,2と同等と見なせる部材には同一符号が付してある。
【0018】
図4,5に示す車載用アンテナ装置21は、上部レドーム22および下部レドーム23の形状とその取付方法が、前記実施形態例と大きく異なっている。すなわち、この車載用アンテナ装置21の場合、上部および下部レドーム22,23の形状が外周部22a,23aを傾斜させた皿状であって、これらの外周部22a,23aが接着剤24,25によってルーフ部31に固定してある。これにより、自動車30の走行時に上部レドーム22が風圧の影響を受けにくくなると共に、レドーム取付用のボルトが省略できるためルーフ部31に該ボルト用の取付孔を穿設する必要がなくなる。
【0019】
なお、上述した各実施形態例では、GPS衛星からの信号波を受信する車載用アンテナ装置について説明したが、この種のアンテナ装置は携帯電話で使用される信号波の送受信にも適用可能である。つまり、携帯電話の使用周波数帯で共振するように第1および第2のアンテナ素子3,5を設定しておけば、車室内の搭乗者の携帯電話から送信された信号波によって第2のアンテナ素子5が共振するため、該信号波が給電ピン6を介して供給される第1のアンテナ素子3が共振して、ルーフ部31の天面側から上空へ該信号波が送信されることになる。もちろん、受信用の信号波によって第1のアンテナ素子3が共振した場合には、第2のアンテナ素子5から車室内へ該信号波が送信されることになる。したがって、車室内で携帯電話を利用する際の感度を大幅に向上させることができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0021】
車両のルーフ部上に設置された第1のアンテナ素子が所定周波数帯の信号波に共振すると、第2のアンテナ素子が共振してルーフ部の底面側(天井部)から車室内へ該信号波が送信されるようにした車載用アンテナ装置なので、車室内において上空から飛来する信号波を効率よく受信することが可能となり、車室内に設置されたGPSアンテナの位置識別精度の向上や、車室内で携帯電話を利用する際の感度向上が期待できる。
【0022】
そして、この車載用アンテナ装置を、片面にパッチ電極を設けた一対の誘電体基板の他面どうしがルーフ部を挟んで対向するようになし、上下のパッチ電極を給電ピンにて電気的に接続する構成にしておけば、小型薄型化が図れてルーフ部への取付作業も簡単に行え、しかも金属板製のルーフ部が各アンテナ素子のグラウンドとして機能することになるため高い利得が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る車載用アンテナ装置の断面図である。
【図2】図1に示すアンテナ装置の平面図である。
【図3】図1に示すアンテナ装置とGPSアンテナを装備した自動車の概略図である。
【図4】本発明の他の実施形態例に係る車載用アンテナ装置の断面図である。
【図5】図4に示すアンテナ装置の平面図である。
【符号の説明】
1,21 車載用アンテナ装置
2,22 上部レドーム
3 第1のアンテナ素子
4,23 下部レドーム
5 第2のアンテナ素子
6 給電ピン(導体部材)
7,10 誘電体基板
8,11 パッチ電極
9,12 接地導体
30 自動車
31 ルーフ部
32 フロントガラス
33 GPSアンテナ
【発明の属する技術分野】
本発明は、GPS(全地球測位システム)衛星からの信号波の受信などに好適な車載用アンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複数のGPS衛星からの信号波(1.575GHz帯の円偏波)を受信することによって現在位置を識別可能とした技術が、カーナビゲーションシステムにおいて広く採用されている。GPS衛星から送信されてくる信号波を受信するためのアンテナ装置はGPSアンテナと呼ばれ、小型薄型化が要求される車載用のGPSアンテナにおいては、誘電体基板の上面と下面にそれぞれパッチ電極と接地導体を設けて該パッチ電極に給電するという、いわゆるパッチアンテナが一般的である。そして、上空から飛来するGPS衛星の信号波が車両の金属ボディを透過しにくいことを考慮して、車載用のGPSアンテナは通常、車室内のフロントガラス近傍に設置されている。
【0003】
また、車室内のバックミラー付近に中継用アンテナを設置し、フロントガラスの上部を透過して到達した信号波を該中継用アンテナを介して車室内へ送信することにより、GPSアンテナ等の受信装置を車室内の任意の場所に搭載できるようにした従来技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特表2002−537173号公報(第16−20頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにGPS衛星の信号波は車両の金属ボディを透過しにくいため、従来はフロントガラスを透過して車室内へと伝播する信号波を主に利用しているが、フロントガラスの近傍に設置されているGPSアンテナや中継用アンテナでは、後方の上空から飛来するGPS衛星の信号波は金属ボディに遮断されてほとんど受信することができない。しかるに、現在位置の識別には複数のGPS衛星からの信号波を受信する必要があるので、受信可能なGPS衛星の数が制約されてしまうことは位置識別精度の向上を図るうえで好ましくない。そこで例えば、車両のルーフ部の一部に非金属材料からなる窓部を設けることが考えられるが、GPS衛星の信号波を透過させるためには直径約10cm以上の窓部が必要であり、こうした大きな窓部をルーフ部に付設することはサンルーフ仕様の車両を除いて事実上困難であった。
【0006】
なお、携帯電話で用いられる信号波(1.85GHz帯や894MHz帯の直線偏波)も車両の金属ボディを透過しにくいため、車室内の搭乗者が携帯電話を使用する場合、フロントガラス等の非金属部分を透過する信号波のみによって送受信しなければならず、感度不良を起こしやすかった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、車両の上空から飛来する信号波を効率よく受信できる車載用アンテナ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明による車載用アンテナ装置では、車両のルーフ部の天面側に設置された第1のアンテナ素子と、前記ルーフ部の底面側に設置されて前記第1のアンテナ素子と同等の周波数で共振可能な第2のアンテナ素子と、前記ルーフ部を貫通して前記第1および第2のアンテナ素子の給電部どうしを電気的に接続する導体部材とを備える構成とした。
【0009】
かかる構成において、車両のルーフ部上に設置された第1のアンテナ素子が所定周波数帯の信号波に共振すると、該信号波が導体部材を介して供給される第2のアンテナ素子が共振する。その結果、ルーフ部の底面側(天井部)から車室内へ該信号波が送信されることになるので、車室内において上空から飛来する信号波を効率よく受信することが可能となり、例えばGPSアンテナの位置識別精度の向上が図れる。また、各アンテナ素子が携帯電話用の信号波に共振するように設定されている場合には、車室内の携帯電話から送信された信号波によって第2のアンテナ素子が共振するため、該信号波が導体部材を介して供給される第1のアンテナ素子が共振して、ルーフ部の天面側から上空へ該信号波が送信されることになり、感度の向上が図れる。
【0010】
なお、上述した車載用アンテナ装置において、第1および第2のアンテナ素子がいずれも、車両のルーフ部に固定される誘電体基板と、この誘電体基板の前記ルーフ部側とは逆側の面に設けられたパッチ電極とを有すると共に、これら各アンテナ素子のパッチ電極どうしを、前記導体部材としての給電ピンによって電気的に接続する構成にしておけば、小型薄型化が図りやすくルーフ部には小径な孔を設けるだけで済むので、美観を損なわず取付作業も簡単に行える。しかも、上下一対の誘電体基板の反パッチ電極側の面どうしがルーフ部を挟んで対向する積層構造になるため、金属板製のルーフ部が各アンテナ素子のグラウンドとして機能することになって、高い利得が期待できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係る車載用アンテナ装置の断面図、図2は該アンテナ装置の平面図、図3は該アンテナ装置とGPSアンテナを装備した自動車の概略図である。
【0012】
これらの図に示す車載用アンテナ装置1は、自動車30の金属ボディのルーフ部31に取り付けられて図示せぬGPS衛星からの信号波を受信するためのものである。このアンテナ装置1は、合成樹脂製の上部レドーム2に覆われた第1のアンテナ素子3と、合成樹脂製の下部レドーム4に覆われて第1のアンテナ素子3と同等の周波数で共振可能な第2のアンテナ素子5と、両アンテナ素子3,5を板厚方向に貫通する給電ピン6とによって主に構成されている。
【0013】
第1のアンテナ素子3は、誘電体基板7の上面にパッチ電極8を設けて下面に接地導体9を設けてなるパッチアンテナであって、図示せぬ縮退分離素子が装荷されているパッチ電極8の給電部に給電ピン6の上端が半田付けされている。同様に、第2のアンテナ素子5は、誘電体基板10の下面にパッチ電極11を設けて上面に接地導体12を設けてなるパッチアンテナであって、図示せぬ縮退分離素子が装荷されているパッチ電極11の給電部に給電ピン6の下端が半田付けされている。第1のアンテナ素子3は、その下面側(接地導体9側)が両面接着テープや接着剤などの接着層13を介してルーフ部31の天面に接着固定されている。同様に、第2のアンテナ素子5は、その上面側(接地導体12側)が接着層14を介してルーフ部31の底面に接着固定されており、接地導体9,12がルーフ部31を挟んで積層された構造になっている。上部レドーム2と下部レドーム4にはそれぞれルーフ部31の取付孔31aを介して対向する挿通孔が4か所に穿設されており、これらの挿通孔および取付孔31aに上方から挿通されたボルト15をルーフ部31の底面側からナット16で締結することによって、上部および下部レドーム2,4はルーフ部31に固定されている。
【0014】
また、自動車30の車室内にはフロントガラス32の近傍に、GPS衛星からの信号波を受信してGPS受信回路へ供給するGPSアンテナ33が設置されている。このGPSアンテナ33は、フロントガラス32を透過して車室内へと伝播する該信号波を受信可能であると共に、車載用アンテナ装置1の第2のアンテナ素子5から送信される該信号波を受信可能である。
【0015】
すなわち、上空から飛来するGPS衛星の信号波は自動車30の金属ボディで遮断されてしまうが、車載用アンテナ装置1の第1のアンテナ素子3がルーフ部31上に設置されているので、広範囲な上空から飛来する該信号波を第1のアンテナ素子3で受信することができる。そして、第1のアンテナ素子3が該信号波に共振すると、給電ピン6を介して該信号波が供給される第2のアンテナ素子5が共振するので、ルーフ部31の底面側(天井部)から車室内へ送信される該信号波をGPSアンテナ33にて受信することができる。したがって、GPSアンテナ33は、フロントガラス32を透過して車室内へと伝播するGPS衛星の信号波を受信できることはもちろん、後方を含めた広範囲な上空から飛来するGPS衛星の信号波を車載用アンテナ装置1を介して受信できることになり、このように複数のGPS衛星からの信号波を効率よく受信できるようにしておけば、GPSアンテナ33の位置識別精度が高まる。なお、車載用アンテナ装置1は接地導体9,12が自動車30のルーフ部31を挟んで積層された構造になっているため、金属板製のルーフ部31が第1および第2のアンテナ素子3,5のグラウンドとして機能することになって、高い利得が期待できる。
【0016】
しかも、本実施形態例においては、車載用アンテナ装置1の大きさを規定する上部および下部レドーム2,4が、パッチアンテナとして機能する第1および第2のアンテナ素子3,5を覆える程度でよいため、小型薄型化が図りやすい。また、この車載用アンテナ装置1を取り付けるために必要なルーフ部31の孔は、ボルト15用の取付孔31aと給電ピン6用の挿通孔31bだけであり、いずれも小径な孔でよい。また、この車載用アンテナ装置1は、ルーフ部31の上下に配設した第1および第2のアンテナ素子3,5のパッチ電極8,11どうしを給電ピン6にて電気的に接続した後、上部レドーム2と下部レドーム4をボルト15およびナット16にてルーフ部31に締結すれば取付が完了する。したがって、自動車30のルーフ部31に車載用アンテナ装置1を取り付けても美観を損なう心配はなく、その取付作業も簡単に行える。
【0017】
図4は本発明の他の実施形態例に係る車載用アンテナ装置の断面図、図5は該アンテナ装置の平面図であり、図1,2と同等と見なせる部材には同一符号が付してある。
【0018】
図4,5に示す車載用アンテナ装置21は、上部レドーム22および下部レドーム23の形状とその取付方法が、前記実施形態例と大きく異なっている。すなわち、この車載用アンテナ装置21の場合、上部および下部レドーム22,23の形状が外周部22a,23aを傾斜させた皿状であって、これらの外周部22a,23aが接着剤24,25によってルーフ部31に固定してある。これにより、自動車30の走行時に上部レドーム22が風圧の影響を受けにくくなると共に、レドーム取付用のボルトが省略できるためルーフ部31に該ボルト用の取付孔を穿設する必要がなくなる。
【0019】
なお、上述した各実施形態例では、GPS衛星からの信号波を受信する車載用アンテナ装置について説明したが、この種のアンテナ装置は携帯電話で使用される信号波の送受信にも適用可能である。つまり、携帯電話の使用周波数帯で共振するように第1および第2のアンテナ素子3,5を設定しておけば、車室内の搭乗者の携帯電話から送信された信号波によって第2のアンテナ素子5が共振するため、該信号波が給電ピン6を介して供給される第1のアンテナ素子3が共振して、ルーフ部31の天面側から上空へ該信号波が送信されることになる。もちろん、受信用の信号波によって第1のアンテナ素子3が共振した場合には、第2のアンテナ素子5から車室内へ該信号波が送信されることになる。したがって、車室内で携帯電話を利用する際の感度を大幅に向上させることができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0021】
車両のルーフ部上に設置された第1のアンテナ素子が所定周波数帯の信号波に共振すると、第2のアンテナ素子が共振してルーフ部の底面側(天井部)から車室内へ該信号波が送信されるようにした車載用アンテナ装置なので、車室内において上空から飛来する信号波を効率よく受信することが可能となり、車室内に設置されたGPSアンテナの位置識別精度の向上や、車室内で携帯電話を利用する際の感度向上が期待できる。
【0022】
そして、この車載用アンテナ装置を、片面にパッチ電極を設けた一対の誘電体基板の他面どうしがルーフ部を挟んで対向するようになし、上下のパッチ電極を給電ピンにて電気的に接続する構成にしておけば、小型薄型化が図れてルーフ部への取付作業も簡単に行え、しかも金属板製のルーフ部が各アンテナ素子のグラウンドとして機能することになるため高い利得が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る車載用アンテナ装置の断面図である。
【図2】図1に示すアンテナ装置の平面図である。
【図3】図1に示すアンテナ装置とGPSアンテナを装備した自動車の概略図である。
【図4】本発明の他の実施形態例に係る車載用アンテナ装置の断面図である。
【図5】図4に示すアンテナ装置の平面図である。
【符号の説明】
1,21 車載用アンテナ装置
2,22 上部レドーム
3 第1のアンテナ素子
4,23 下部レドーム
5 第2のアンテナ素子
6 給電ピン(導体部材)
7,10 誘電体基板
8,11 パッチ電極
9,12 接地導体
30 自動車
31 ルーフ部
32 フロントガラス
33 GPSアンテナ
Claims (2)
- 車両のルーフ部の天面側に設置された第1のアンテナ素子と、前記ルーフ部の底面側に設置されて前記第1のアンテナ素子と同等の周波数で共振可能な第2のアンテナ素子と、前記ルーフ部を貫通して前記第1および第2のアンテナ素子の給電部どうしを電気的に接続する導体部材とを備えていることを特徴とする車載用アンテナ装置。
- 請求項1の記載において、前記第1および第2のアンテナ素子がいずれも、前記ルーフ部に固定される誘電体基板と、この誘電体基板の前記ルーフ部側とは逆側の面に設けられたパッチ電極とを有すると共に、これら各アンテナ素子の前記パッチ電極どうしを、前記導体部材としての給電ピンによって電気的に接続したことを特徴とする車載用アンテナ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003046287A JP2004260329A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 車載用アンテナ装置 |
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JP2003046287A JP2004260329A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 車載用アンテナ装置 |
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ID=33112869
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013509779A (ja) * | 2009-11-02 | 2013-03-14 | 浦項工科大學校 産學協力團 | 車両用伝送線路およびアンテナ |
JP2017192012A (ja) * | 2016-04-13 | 2017-10-19 | 横浜ゴム株式会社 | レドーム |
JP2019114840A (ja) * | 2017-12-21 | 2019-07-11 | 國家中山科學研究院 | マルチバンドアンテナパッケージ構造、その製造方法および通信装置 |
JP2019114851A (ja) * | 2017-12-21 | 2019-07-11 | 國家中山科學研究院 | マルチバンドアンテナパッケージ構造、その製造方法および通信装置 |
-
2003
- 2003-02-24 JP JP2003046287A patent/JP2004260329A/ja not_active Withdrawn
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