JP2015146406A - 縦型電子デバイスの製造方法および縦型電子デバイス - Google Patents

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Shimpei Takagi
慎平 高木
上野 昌紀
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Abstract

【課題】基板の有効面積(素子形成領域の面積)を増大させ、かつ、デバイス構造の端部に欠けやクラック等の異常が発生することを防止することができる縦型電子デバイスの製造方法および縦型電子デバイスを提供する。
【解決手段】第1の主面(13A)と、第1の主面(13A)と反対側に位置する第2の主面(13B)とを有し、複数の縦型電子デバイスが形成されている基板(エピタキシャル基板13)を準備する工程(S10)と、第1の主面(13A)側から基板(13)に対してレーザスクライブ加工を行う工程(S20)と、基板(13)をへき開する工程(S30)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、縦型電子デバイスの製造方法および縦型電子デバイスに関する。
ショットキーバリアダイオード(SBD)、PNダイオード、電界効果トランジスタ(FET)などの縦型電子デバイスは、一般にブレードダイシング法やステルスダイシング法により個片化されている。
ブレードダイシング法では、縦型電子デバイスが高硬度の半導体材料(たとえば窒化ガリウムなど)を用いて作製されている場合、チッピングやクラックの発生抑制のためブレードには刃幅が100μm以上のものが用いられている(たとえば、特開2008−277610号公報参照)。
ステルスダイシング法では、透過性波長のレーザ光をウエハ内部で焦点を結ぶように集光させてレーザ加工し、当該内部から割断することにより、縦型電子デバイスを個片化することができる(たとえば、特開2002−192370号公報参照)。
特開2008−277610号公報 特開2002−192370号公報
しかしながら、ブレードダイシング法を用いる場合には、基板上に形成されている縦型電子デバイスの周囲に、少なくともブレードの刃幅分の素子が形成されていない領域(切り代)を設ける必要がある。その結果、上述のように高硬度の半導体材料を用いて縦型電子デバイスを作製する場合には、切り代を100μm以上設ける必要があり、実際にはデバイス形成工程におけるアライメント誤差などを考慮して200μm程度の切り代を確保する必要がある。この結果、基板の有効面積(素子形成領域)が減少し、1基板当たりのデバイスの採れ数が目減りする。
また、ステルスダイシング法を用いる場合には、基板の結晶軸とレーザの走査軸とのずれが生じると、レーザ照射により基板の内部に形成された改質部を起点として基板が割断される際に、デバイスの端面にばらつきが生じて、デバイス構造の少なくとも一部の欠損や変形等の異常が発生する可能性がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、基板の有効面積(素子形成領域の面積)を増大させ、かつ、デバイス構造の端部に欠けやクラック等の異常が発生することを防止することができる縦型電子デバイスの製造方法および縦型電子デバイスを提供することにある。
本発明に係る縦型電子デバイスの製造方法は、第1の主面と、第1の主面と反対側に位置する第2の主面とを有し、複数の縦型電子デバイスが形成されている基板を準備する工程と、第1の主面側から基板に対してレーザスクライブ加工を行う工程と、基板をへき開する工程とを備える。
本発明に係る縦型電子デバイスは、第1の主面と、第1の主面と反対側に位置する第2の主面と、第1の主面および第2の主面と交差する端面とを含む化合物半導体層と、第1の主面上に形成されている第1の電極と、第2の主面上に形成されている第2の電極とを備え、端面は第1の主面に連なるレーザ加工面と、レーザ加工面に連なるへき開面とを有する。
基板の有効面積(素子形成領域の面積)を増大させ、かつ、デバイス構造の端部に欠けやクラック等の異常が発生することを防止することができる縦型電子デバイスの製造方法および縦型電子デバイスを提供することができる。
実施の形態1に係る縦型電子デバイスの製造方法のフローチャートである。 実施の形態1に係る縦型電子デバイスの製造方法を説明するための上面図である。 実施の形態1に係る縦型電子デバイスの製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態1に係る縦型電子デバイスの製造方法を説明するための上面図である。 実施の形態1に係る縦型電子デバイスの製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態1に係る縦型電子デバイスの製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態1に係る縦型電子デバイスの製造方法を説明するための模式図である。 実施の形態2に係る縦型電子デバイスの製造方法を説明するための上面図である。 実施の形態1および実施の形態に係る縦型電子デバイスの変形例を説明するための断面図である。 実施の形態1および実施の形態に係る縦型電子デバイスの他の変形例を説明するための断面図である。 実施例の縦型電子デバイスの上面の顕微鏡像である。 実施例の縦型電子デバイスの断面の顕微鏡像である。 実施例の縦型電子デバイスのI−V特性のグラフである。 実施例の縦型電子デバイスのI−V特性のグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()でそれぞれ示している。また結晶学上の指数が負であることは、通常、”−”(バー)を数字の上に付すことによって表現されるが、本明細書中では数字の前に負の符号を付している。
[本願発明の実施形態の説明]
はじめに、本発明の実施の形態の概要を列挙する。
(1)本実施の形態に係る縦型電子デバイスの製造方法は、第1の主面(13A)と、第1の主面(13A)と反対側に位置する第2の主面(13B)とを有し、複数の縦型電子デバイスが形成されている基板(エピタキシャル基板13)を準備する工程(S10)と、第1の主面(13A)側から基板(13)に対してレーザスクライブ加工を行う工程(S20)と、基板(13)をへき開する工程(S30)とを備える。
ここで、レーザスクライブ加工とは、レーザスクライバ装置を用いて所定の波長を有するレーザを基板(13)の第1の主面(13A)に照射して、第1の主面(13A)から所定の深さの溝を形成することをいう。
これにより、工程(S20)では、主面13Aに対して照射されるレーザの照射条件に応じて、主面13Aから主面13B側に延びるスクライブ溝17を所定の寸法で形成することができる。たとえば、レーザの走査軸とエピタキシャル基板(13)の結晶軸とのアライメントを所定の精度で制御することにより、スクライブ溝17内に形成されるレーザ加工面13Dを基板(13)の結晶軸と略平行に形成することができる。また、レーザの走査領域に応じて、基板(13)の主面13A上の所定の領域(たとえば非素子形成領域S2)内にスクライブ溝17を形成することができる。
そのため、たとえばスクライブ溝17を素子形成領域S1の外周の全周に渡って形成する場合には、その後の工程(S30)においてスクライブ溝17を起点として基板(13)がへき開されることによりスクライブ溝17の内部から主面13Bまで伸びるへき開面13Eが形成されるが、主面13Aに連なるへき開面13Eは形成されない。その結果、主面13A上に形成されているデバイス構造の少なくとも一部がへき開面13Eによって欠けやクラック等の損傷を受けることを防止することができる。また、たとえばスクライブ溝17を素子形成領域S1の周囲に部分的に複数形成する場合であっても、各スクライブ溝17の寸法および各スクライブ溝17同士の間隔、スクライブ溝17と素子形成領域S1との距離等を適宜設定することができる。この場合、工程(S30)において基板(13)をへき開したときには主面13Aに連なるようにへき開面13Eが形成されるが、へき開面13Eが素子形成領域S1内に延びて素子形成領域S1に欠けやクラック等が発生することを防止することができる。
さらに、レーザの照射条件を適宜設定することにより該スクライブ溝17の幅を狭くすることができ、本実施の形態に係る縦型電子デバイスの製造方法において個片化の際に切り代として必要な領域(非素子形成領域S2)を狭小化することができる。そのため、エピタキシャル基板(13)の素子形成領域S1を増大させることができる。
また、へき開面13Eを主面13Bに連なるように形成することができるため、端面13C上において加工変質層が占める領域を低減することができる。その結果、リーク電流の増大を抑制することができ、デバイス特性や信頼性等を向上させることができる。
また、ブレードダイシングのようにエピタキシャル基板(13)をその厚み全体に渡って機械的に加工する必要が無いため、個片化に要する作業時間を低減することができる。
(2)本実施の形態に係る縦型電子デバイスの製造方法において、基板(13)を構成する材料は化合物半導体であってもよい。
これにより、化合物半導体からなる基板(13)の有効面積(素子形成領域)を増大させることができ、縦型電子デバイスの採れ数を増大させることができる。
(3)本実施の形態に係る縦型電子デバイスの製造方法において、基板(13)を構成する材料は窒化物半導体であってもよい。
窒化物半導体は、一般に高硬度であるが、本実施の形態に係る縦型電子デバイスの製造方法によれば、窒化物半導体からなる基板(13)の有効面積(素子形成領域)を増大させることができ、縦型電子デバイスの採れ数を増大させることができる。
(4)本実施の形態に係る縦型電子デバイスの製造方法において、基板(13)を構成する材料は窒化ガリウム(GaN)であってもよい。
これにより、GaNからなる基板(13)の有効面積(素子形成領域)を増大することができ、縦型電子デバイスの採れ数を増大させることができる。
(5)本実施の形態に係る縦型電子デバイスの製造方法において、基板(13)は高転位密度領域10aと低転位密度領域とを含み、基板(13)の第1の主面(13A)において、高転位密度領域10aと低転位密度領域とは周期的に配列されており、レーザスクライブ加工を行う工程では、高転位密度領域10aの少なくとも一部を含む領域に対してレーザスクライブ加工を行ってもよい。
ここで、高転位密度領域10aとは、その基板(13)の結晶中の転位を意図的に集中させた転位密度が相対的に高い領域をいう。また、低転位密度領域とは、高転位密度領域10a以外の領域であって、転位密度が相対的に低い領域をいう。通常、高転位密度領域10aはダイシングライン等と重なるように配置され、デバイス構造は低転位密度領域上に形成される。
本実施の形態に係る縦型電子デバイスの製造方法によれば、高転位密度領域10aの少なくとも一部を含む領域に対してレーザスクライブ加工を行うことにより、低転位密度領域に掛かる切り代を狭くすることができる。言い換えれば、低転位密度領域上において有効面積(素子形成領域の面積)をより大きく採ることができる。この結果、GaNからなる基板(13)の有効面積(素子形成領域の面積)を増大させることができ、1枚の基板(13)からの縦型電子デバイスの採れ数を増大させることができる。
(6)本実施の形態に係る縦型電子デバイスの製造方法において、基板(13)を構成する材料は炭化珪素であってもよい。
これにより、SiCからなる基板(13)の有効面積(素子形成領域の面積)を増大することができ、縦型電子デバイス2の採れ数を増大させることができる。
(7)本実施の形態に係る縦型電子デバイス2は、第1の主面(13A)と、第1の主面(13A)と反対側に位置する第2の主面(13B)と、第1の主面(13A)および第2の主面(13B)と交差する端面13Cとを含む化合物半導体層と、第1の主面(13A)上に形成されている第1の電極と、第2の主面(13B)上に形成されている第2の電極とを備え、端面13Cは第1の主面(13A)に連なるレーザ加工面13Dと、レーザ加工面13Dに連なるへき開面13Eとを有する。
これにより、縦型電子デバイス2の主面13Aに連なる端面13Cは、レーザ加工面13Dにより規定されているため、主面13Aに形成されているデバイスパターンでは欠損や変形の発生が防止されている。
また、端面13Cには主面13Bに連なるへき開面13Eが形成されているため、端面13Cに生じている転位等に起因したリーク電流を低減することができる。
(8)本実施の形態に係る縦型電子デバイス2は、第1の電極15はアノードとして、第2の電極16はカソードとして構成され、ダイオードとして動作するように設けられていてもよい。
このようなダイオードは、デバイスパターンの欠損等が防止され、かつ、リーク電流が低減されていることにより、高いデバイス特性を有することができる。
(9)本実施の形態に係る縦型電子デバイス2は、第1の電極はソースとして、第2の電極はドレインとして構成され、電界効果トランジスタ(FET)として動作するように設けられていてもよい。
このようなFETは、デバイスパターンの欠損等が防止され、かつ、リーク電流が低減されていることにより、高いデバイス特性を有することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
(実施の形態1)
次に、本発明の実施の形態の詳細について説明する。
まず、図1〜図4を参照して、実施の形態1に係る縦型電子デバイス1の製造方法について説明する。実施の形態1に係る縦型電子デバイスの製造方法は、第1の主面13Aと、第1の主面13Aと反対側に位置する第2の主面13Bとを有し、複数の縦型電子デバイス1が形成されているエピタキシャル基板13を準備する工程(S10)と、第1の主面13A側からエピタキシャル基板13に対してレーザスクライブ加工を行う工程(S20)と、エピタキシャル基板13をへき開する工程(S30)とを備える。以下、具体的に説明する。
まず、複数の縦型電子デバイス1が形成されているエピタキシャル基板13を準備する(工程(S10))。
縦型電子デバイス1は縦型ショットキーバリアダイオード(SBD)として構成されている。エピタキシャル基板13は、GaN基板10、n+GaN層11、およびn−GaN層12とを含んでいる。さらにエピタキシャル基板13は、主面13A上にアノード電極15を含む所定の素子パターンが複数形成され、かつ13B上にカソード電極16が形成されていることにより、SBDとしての縦型電子デバイス1を構成している。
n型GaN基板10は、GaNで構成されており、主面10Aを有している。主面10Aの面方位は、Ga(ガリウム)極性の面である(0001)に対するオフ角の絶対値が0度以上1度以下である。主面10A上には、n+型GaN層11およびn−型GaN層12が積層されている。n型GaN基板10の不純物濃度は、たとえば1×1017/cm以上1×1019/cm以下である。n+型GaN層11の不純物濃度は、たとえば1×1017/cm以上1×1019/cm以下である。n−型GaN層12の不純物濃度は、たとえば1×1014/cm以上1×1017/cm以下である。n−型GaN層12は、主面13Aを有している。n−型GaN層12の主面13Aの面方位は、(0001)に対するオフ角の絶対値が0度以上1度以下である。n+型GaN層11の膜厚は、0.3μm以上3.0μm以下であり、たとえば1μmである。n−型GaN層12の膜厚は、1μm以上25μm以下であり、たとえば7μmである。
n型GaN基板10は、高転位密度領域10aと、低転位密度領域10bとを含んでいる。高転位密度領域10aは、エピタキシャル基板13の[1−100]方向および[11−20]方向に延びるように複数形成されている。言い換えれば、高転位密度領域10aは、主面13Aと垂直な方向において、n型GaN基板10からn−型GaN層12まで、延びるように形成されている。つまり、n型GaN基板10における高転位密度領域10aは、n+型GaN層11およびn−型GaN層12における高転位密度領域10aと連なっている。
一方、エピタキシャル基板13において、高転位密度領域10a以外の領域は、低転位密度領域10b,11,12として形成されている。言い換えれば、n型GaN基板の低転位密度領域10b上には、転位密度が低く抑えられているn+GaN層11およびn−GaN層12が連なるように形成されている。
高転位密度領域10aと低転位密度領域10b,11,12とは、主面13A,13B上において任意のパターンで周期的に配列されている。たとえば、高転位密度領域10aは主面13A上において格子状に設けられている。高転位密度領域10aの幅W2は、たとえば100μm以下であり、好ましくは40μm程度である。隣接する高転位密度領域10aの間隔(低転位密度領域10bの一辺の長さ)L2は、たとえば1.46mmである。
この場合、低転位密度領域10b、11,12は高転位密度領域10aに周囲を囲まれるように正方形状に複数設けられている。また、主面13A上には、複数の素子形成領域S1と、該素子形成領域S1を囲うように設けられている非素子形成領域S2とが周期的に形成されている。1つの素子形成領域S1は、1つの低転位密度領域10b、11,12上に重なるように形成されている。なお、実施の形態1において、素子形成領域S1は、絶縁膜14の開口部14Cの内部領域(アノード電極15が形成される領域)を含んでいる。
素子形成領域S1はたとえば一辺の長さL1の正方形である。長さL1は任意の長さとすることができるが、たとえば1.44mm。である。実施の形態1において、長さL1は低転位密度領域10b、11,12の一辺の長さL2と比べて0.02mm短い。言い換えると、実施の形態1において、隣接する素子形成領域S1間の間隔(非素子形成領域S2の幅)W1は、高転位密度領域10aの幅W2(図4参照)と同等またはわずかに広い程度である。つまり、非素子形成領域S2は、高転位密度領域10aを含み、低転位密度領域10bをほとんど含んでいない。
絶縁膜14を構成する材料は、比誘電率が低い任意の材料で構成されていればよく、たとえば二酸化珪素(SiO)または窒化珪素(Si)で構成されていてもよい。絶縁膜14は、主面13A上において、アノード電極15が形成される領域に開口部14Cを有している。開口部14Cは、たとえば一辺の長さが1.4mmの矩形状に設けられている。絶縁膜14の膜厚は、たとえば0.5μmである。
アノード電極15は、n−型GaN層12とショットキー接合可能な任意の材料で構成されていればよく、たとえばNi/Au(ニッケル(Ni)と金(Au)との積層膜)として構成されていてもよい。
カソード電極16は、GaN基板10とオーミック接合可能な任意の材料で構成されていればよく、たとえばGaN基板10側からTi(チタン)/Al(アルミニウム)/Ti/Au(金)という順番で積層された積層膜として構成されていてもよい。
縦型電子デバイス1が形成されているエピタキシャル基板13は、任意の方法により準備されていればよいが、たとえば以下の手順により準備される。
まず、GaN基板10を準備する。GaN基板10は、たとえばHVPE法により成長させた(0001)GaNインゴットから切り出すことにより得られる。GaN基板10には、高転位密度領域10aが[1−100]方向および[11−20]方向に延びるように形成されている。また、上述のように、高転位密度領域10aおよびそれ以外の領域に形成されている低転位密度領域10bは、主面10A上において周期的に配列されている。
次に、GaN基板10の主面10A上に有機金属気相成長法(MOCVD法)によりn+GaN層11およびn−GaN層12をエピタキシャル成長させる。これにより、エピタキシャル基板13が得られる。
次に、n−GaN層12上にCVD法により絶縁膜14を成膜する。絶縁膜14は、上述のように、たとえばSiである。次に、絶縁膜14上に、フォトリソグラフィ法によりアノード電極15が形成される領域に開口部を有するマスクパターンを形成する。次に、マスクパターンをマスクとして絶縁膜14を部分的に除去することにより、開口部14Cを形成する。その後、マスクパターンを除去する。次に、主面13A上に蒸着法などによりアノード電極15を成膜する。
次に、ダイヤモンドスラリー等を用いて主面13Bを研磨する。これにより、エピタキシャル基板13は、主面13Aに垂直な方向において所定の厚みにまで薄肉化される。この結果、エピタキシャル基板13の厚みはたとえば400μm程度とすることができるとともに、主面13Bは鏡面となる。次に、主面13B上に蒸着法などによりカソード電極16を成膜する。このようにして、複数の縦型電子デバイス1が形成されているエピタキシャル基板13が準備される。
次に、先の工程(S10)において準備されたエピタキシャル基板13に対して主面13A側からレーザスクライブ加工を行う(工程(S20))。具体的には、たとえば主面13A上に形成されている非素子形成領域S2(異なる観点から言えば、高転位密度領域10a)に対して所定の条件のレーザを照射および走査してスクライブ溝を形成する。レーザには、たとえば波長が355nmのYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザを用いる。レーザの照射条件は、任意に設定することができるが、たとえば、走査速度を1mm/s、レーザパワーは300mWである。
実施の形態1においては、レーザ照射は、主面13A上において高転位密度領域10aをなぞって格子状に1.5mm間隔で実施すればよい。これにより、スクライブ溝17(図4参照)は、所定の幅、所定の深さとして形成される。たとえば、スクライブ溝17の主面13Aに対する深さは100μmであり、スクライブ溝の主面13Aにおける幅は40μmである。
図5を参照して、スクライブ溝17の内部には、主面13と連なるレーザ加工面13Dが形成されている。レーザ加工面13Dには、高転位密度領域10aが表出している。なお、レーザ照射領域は、格子状に配列されている高転位密度領域10aからさらにエピタキシャル基板13の外周端部まで延びるように形成されているのが好ましい。つまり、レーザは、主面13A上においてエピタキシャル基板13の一方の外周端部から他方の外周端部まで走査されることにより、互いに平行な複数のスクライブ溝を形成する。さらに、主面13Aにおいてこれらのスクライブ溝が延びる方向と直交する方向においてエピタキシャル基板13の一方の外周端部から他方の外周端部までレーザを走査することにより、主面13A全体に格子状のスクライブ溝17を形成することができる。つまり、個々の素子形成領域S1は主面13Aにおける全周をスクライブ溝17で囲まれている。
次に、エピタキシャル基板13をへき開する工程(S30)を実施する。具体的には、スクライブ溝17を起点として、エピタキシャル基板13をへき開する。へき開は、たとえばへき開機を用いて実施され得る。へき開機のブレードによってエピタキシャル基板13の主面13Bをエピタキシャル基板13の厚み方向に押圧することにより、へき開が実施され得る。ブレードの押し込み量は、たとえば200μmである。これにより、スクライブ溝17より主面13B側に位置するGaN基板10はへき開され、図6および図7に示すように、レーザ加工面13Dに連なりかつ主面13Bに達するへき開面13Eが形成される。この結果、レーザ加工面13Dおよびへき開面13Eを含む端面13Cによって外形が規定されている、個片化された縦型電子デバイス2を得ることができる。へき開面13Eは、GaNの(1−100)面(m面)および(11−20)面(a面)に沿って形成されている。
次に、図5および図6を参照して、実施の形態1に係る縦型電子デバイス2について説明する。縦型電子デバイス2は、個片化されているデバイス(チップ)であって、縦型ショットキーバリアダイオード(SBD)として構成されている。縦型電子デバイス2は、GaN基板10、n+GaN層11、およびn−GaN層12を含む半導体層(基板)13と、主面13A上に形成されているアノード電極15と、主面13B上に形成されているカソード電極16とを備える。
半導体層13は、主面13Aと、主面13Bと、主面13Aおよび主面13Bと交差する端面13Cを含んでいる。半導体層13の主面13A上には、素子形成領域S1が設けられている。素子形成領域S1には、たとえば絶縁膜14およびアノード電極15によってデバイスパターンが形成されている。主面13A上において、素子形成領域S1の周囲には非素子形成領域S2が配置されている。実施の形態1において、非素子形成領域S2は低転位密度領域10bを含んでいる。
縦型電子デバイス2の主面13Aの外形は4つの端面13Cで規定されている。端面13Cは非素子形成領域S2上に形成されている。素子形成領域S1の最外周部と端面13Cとの間の距離(非素子形成領域S2の幅W1)は、L1と比べて十分に小さい。
4つの端面13Cは、いずれもレーザ加工面13Dとへき開面13Eとを有している。レーザ加工面13Dは、主面13Aに連なるように形成されている。レーザ加工面13Dは、主面13AからGaN基板10にまで達するように形成されている。つまり、レーザ加工面13Dは、主面13Aから主面13B側に100μm程度の深さまで形成されている。レーザ加工面13Dは、光学顕微鏡により観察することにより、サブミクロンもしくはミクロンのオーダーを持つディンプル面として検出することができる。
レーザ加工面13Dは、後述する実施の形態1に係る縦型電子デバイスの製造方法において、主面13Aに沿って高転位密度領域10aに対してレーザを走査することにより形成されているため、レーザ加工面13Dは縦型電子デバイス1の素子形成領域S1を囲うように形成されている。言い換えれば、レーザ加工面13Dは、素子形成領域S1の外形に沿って形成されている。そのため、縦型電子デバイス2において、レーザ加工面13Dは素子形成領域S1の外形から一定の間隔を隔てているように形成することができる。なお、実施の形態1において、レーザ加工面13Dには高転位密度領域10aが表出している。
へき開面13Eは、レーザ加工面13Dおよび主面13Bと連なるように形成されている。へき開面13EにはGaN基板10が表出している。へき開面13Eは、高転位密度領域10aを含むように形成されていてもよい。へき開面13Eはたとえば(1−100)面や(11−20)面である。
次に、実施の形態1に係る縦型電子デバイスの製造方法および縦型電子デバイス2の作用効果について説明する。
実施の形態1に係る縦型電子デバイスの製造方法は、工程(S20)において複数の素子形成領域S1が設けられているエピタキシャル基板13の主面13A上にスクライブ溝17を形成した後、工程(S30)において該スクライブ溝17を起点にへき開することにより、縦型電子デバイス2に個片化する。このとき、工程(S20)において、主面13Aに対して照射されるレーザの条件を制御することにより、第1の主面から第2の主面側に延びる溝を所定の寸法で形成することができる。その後、工程(S30)において基板を押圧してへき開する際には、スクライブ溝17が形成されていることにより、主面13Aに対してスクライブ溝17が形成されている深さと同等の深さに位置する領域には応力が印加されない。そのため、工程(S30)ではスクライブ溝17の内部から第2の主面まで伸びるへき開面13Eが形成されるが、主面13A側にへき開面13Eは形成されない。
そのため、へき開後の縦型電子デバイス2の端面13Cは、主面13A側においては工程(S20)で形成したレーザ加工面13Dにより構成されている。その結果、工程(S20)におけるレーザ照射条件を制御して、素子形成領域S1に掛からないようにレーザ加工面13D(スクライブ溝17)を形成することにより、主面13A上に形成されている素子形成領域S1の少なくとも一部にへき開による欠けやクラック等の異常発生を防止することができる。
また、該スクライブ溝17の幅を狭くするように工程(S20)におけるレーザの照射条件を適宜設定することにより、個片化に必要とされる切り代を狭くすることができる。つまり、非素子形成領域S2を狭小化することができる。実施の形態1に係る縦型電子デバイス2では、高転位密度領域10a内にスクライブ溝17を形成することができるため、低転位密度領域10bの大部分を素子形成領域S1として利用することができる。その結果、従来の縦型電子デバイスの製造方法(特にGaNを用いたSBDの製造方法)と比べて、素子形成領域S1を広く設けることができる。これにより、本実施の形態に係るSBDとしての縦型電子デバイス2では、たとえば素子形成領域S1内に形成されているショットキー電極としてのアノード電極15の形成領域を広くとることができる。
また、へき開面13Eを主面13Bに連なるように形成することができるため、ブレードダイシングやステルスダイシングを用いた場合のように加工変質層が端面に表出している場合と比べて、端面13C上の特に主面13B側の部分での転位密度が低減されている。その結果、端面13Cを介したリーク電流等の発生を抑制することができ、デバイス特性や信頼性等を向上させることができる。つまり、実施の形態1に係る縦型電子デバイスの製造方法および縦型電子デバイスは、高耐圧が要求される縦型電子デバイスに好適である。
また、ブレードダイシングのようにエピタキシャル基板13をその厚み全体に渡って機械的に加工する必要が無いため、個片化に要する作業時間を低減することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る縦型電子デバイスの製造方法および縦型電子デバイスについて説明する。実施の形態2に係る縦型電子デバイスの製造方法および縦型電子デバイスは、基本的には実施の形態1に係る縦型電子デバイスの製造方法および縦型電子デバイスと同様の構成を備えるが、スクライブ溝17が非素子形成領域S2上に格子状に形成されているのではなく、非素子形成領域S2上に独立した十字状として複数形成されている点で異なる。つまり、レーザ加工面13Dは、縦型電子デバイス2の外形を規定する4つの端面13Cにおいて素子形成領域S1の全周を囲うように設けられておらず、縦型電子デバイス2の角部にのみ形成されている点で異なる。
具体的には、工程(S20)において、レーザを断続的に照射することにより、図8に示すように、非素子形成領域S2上にエピタキシャル基板13の一方の外周端部から他方の外周端部までスクライブ溝17を破線状に形成することができる。このとき、破線の長さL3および破線の間隔L4を制御することにより、素子形成領域S1の角部に位置する非素子形成領域S2上においてスクライブ溝17を十字に交差させることができる。この場合、レーザ加工面13Dは縦型電子デバイス2の角部のみ形成される。工程(S20)において、レーザの走査軸とエピタキシャル基板13の結晶軸とのアライメントは、2°以内の精度で行われているのが好ましい。
一方、工程(S30)において、エピタキシャル基板13の主面13Bを特定の破線に沿って押圧することにより、同一破線状において隣り合うスクライブ溝17の端部間にへき開面13Eが形成される。つまり、実施の形態2に係る縦型電子デバイス2において、四方の端部以外の領域では主面13Aに連なるようにへき開面13Eが形成されている。
実施の形態2に係る縦型電子デバイスの製造方法および縦型電子デバイスでは、破線上に設けられているスクライブ溝17の長さL3、間隔L4、および幅は、へき開面13Eが素子形成領域S1に掛からないように制御可能なように設定される。このとき、レーザの走査軸とエピタキシャル基板13の結晶軸とのアライメントは上述のように2°以内の精度で設定される。これにより、実施の形態1と同様に非素子形成領域S2を狭小化して素子形成領域S1を広く設けながら、工程(S30)においてエピタキシャル基板13をへき開した際に該素子形成領域S1に欠けやクラック等が発生することを抑制することができる。
さらに、実施の形態2に係る縦型電子デバイス2は、実施の形態1に係る縦型電子デバイス2と比べて、その端面13Cにおいてへき開面13Eが占める割合が大きい。そのため、端面13Cにおける転位密度をより低減することができ、デバイス特性等の向上を実現することができる。
好ましくは、図8を参照して、絶縁膜14の開口部14Cの外形は角ばった角部がなく所定の曲率半径Rを有する円弧状の角部を有するように形成されている。この場合には、アノード電極15とカソード電極16との間に電圧を印加した際に、開口部14Cにおいて電界集中が起こることを抑制することができる。また、この場合、スクライブ溝17はショットキー接合部(絶縁膜14の開口部)から離れた領域に形成されるため、スクライブ加工によるダメージがショットキー電極15に及ぶことを抑制することができる。
実施の形態1および実施の形態2において、縦型電子デバイス2はSBDとして構成されているが、これに限られるものではない。たとえば、図9および図10を参照して、PNダイオードや、電界効果トランジスタ(FET)として構成されていてもよい。
図9を参照して、基板13は、たとえばGaN基板10と、n+GaN層11と、n−GaN層12と、p−GaN層18と、p+GaN層19とを備える。レーザ加工面は、たとえばp+GaN層19からGaN基板10まで達するように形成されていればよい。この場合、アノード電極15はp+GaN層19とオーミック接合している。図10を参照して、基板13は、GaN基板10と、n+GaN層11と、n−GaN層12と、p−GaN領域20と、n+GaN領域21と、p+GaN領域22とを備える。絶縁膜14は、ゲート絶縁膜として構成されており、主面13A上において一方のn+GaN領域21の上部表面から他方のn+GaN領域21にまで延在するようにn−GaN層12に接して形成されている。絶縁膜14はたとえば二酸化珪素(SiO)からなっている。ゲート電極23は、一方のn+GaN領域21上から他方のn+GaN領域21上にまで延在するように、ゲート絶縁膜上に接触して配置されている。ゲート電極23は、たとえばポリシリコン、Alなどの導電体からなっている。ソース電極15は、主面13Aにおいてn+GaN領域21およびp+GaN領域22と接触して配置されている。ドレイン電極16は、主面13B上に形成されている。
レーザ加工面は、たとえばn−GaN層12からGaN基板10まで達するように形成されていればよい。このようにしても、実施の形態1および実施の形態2に係る縦型電子デバイスの製造方法および縦型電子デバイスと同様の効果を奏することができる。なお、端面13Cにおいてへき開面13Eを形成する領域は、縦型電子デバイス2の構造に応じて決めればよい。具体的には、電界集中等が起こりやすい領域にへき開面13Eを形成すればよい。たとえば、縦型電子デバイス2がpnダイオードである場合には、p型半導体側からn型半導体側に向かうに従って電流広がりが大きくなるので、n型半導体側に転位等が存在すると端面を介したリーク電流が増大してしまう。そのためpnダイオードでは、n型半導体側の端面13Cにへき開面13Eを形成することにより、端面13Cを介したリーク電流を抑制でき、デバイス特性を向上させることができる。
また、実施の形態1および実施の形態2において、縦型電子デバイスは半導体材料としてGaNを用いて構成されているが、これに限られるものではない。縦型電子デバイスは任意の化合物半導体で構成されていてもよく、たとえば、上述のように高硬度であるためにブレードダイシングにおいて非素子形成領域S2の狭小化が困難である窒化物半導体を用いる縦型電子デバイスに好適である。また、縦型電子デバイスは、炭化珪素(SiC)で構成されていてもよい。
次に、実施の形態1に係る縦型電子デバイスの実施例として、GaN基板を用いてSBDを作製した。
まず基板として、HVPE法で成長させた(0001)面を主面とするGaNインゴットから切り出した(0001)面GaN基板を準備した。このGaN基板は、100μm以下の幅の高欠陥密度領域が、<1−100>軸方向、<11−20>軸方向ともに1500μmピッチで周期的に存在するものであった。
次に、当該GaN基板を反応炉内のサセプタ上に配置し、有機金属気相成長法によりGaN基板上にGaNをエピタキシャル成長させた。まず、厚さ1μmのn型GaNバッファ層を成長させた。次に、厚さ7μmのn型GaNドリフト層を成長させた。これにより、エピタキシャル基板を得た。GaNバッファ層のキャリア濃度は、1×1018cm−3であり、GaNドリフト層のキャリア濃度は6×1015cm−3であった。
次に、CVD法によりGaNドリフト層上に絶縁膜として厚さ0.5μmのSiNを成膜した。次に、フォトリソグラフィ法およびウェットエッチング法を用いて、SiNに開口部を形成した。開口部の寸法は、縦1.4mm、横1.4mmとし、開口部の角部は曲率半径Rを0.2mmとした。開口部は[1−100]方向、[11−20]方向ともに1.5mmピッチでエピタキシャル基板全面に形成した。つまり、素子分離のための切り代を100μmとした。
次に、SiN上にNi/Auからなるアノード(ショットキー)電極を形成した。次に、エピタキシャル基板の厚さが400μmになるまで、ダイヤモンドスラリーを用いてエピタキシャル基板の裏面を研磨した。これにより、当該裏面を鏡面とした。エピタキシャル基板の裏面(研磨面)にはAl/Ti/Auから成るn側電極を蒸着により形成した。このようにして、エピタキシャル基板上に複数のSBDを形成した。
次に、波長355nmのYAGレーザを照射可能なレーザスクライバ、およびへき開機を使用して、個々のSBDに個片化した。まず、GaNドリフト層にレーザ光を照射・走査することによって、格子状のスクライブ溝を形成した。隣り合うスクライブ溝の間隔は、1.5mmとした。レーザスクライバのレーザビームの走査速度は1mm/s、レーザパワーは300mWとした。このレーザ照射条件では、スクライブ溝の深さはおよそ100μm、幅はおよそ40μmとなる。この場合、スクライブ溝の幅はダイシングブレードの刃幅に比べて半分以下の値となっている。また、エピタキシャル基板の全長よりも長い距離に渡ってレーザビームを走査することにより、エピタキシャル基板を横断するようにスクライブ溝を形成した。次にエピタキシャル基板の裏面へのへき開機の押圧により、エピタキシャル基板をへき開して素子分離を行った。へき開機のブレード押込み量は、200μmとした。SBDの上面および断面を光学顕微鏡で観察した結果をそれぞれ図11および図12に示す。図11に示すように、SBDの端面(レーザ加工面)は、素子形成領域内に形成されているショットキー電極と十分に距離を隔てて形成されていることが確認できた。SBDの端面はSBDの素子形成領域に対して略平行に形成されており、欠けやクラック等が発生していないことを確認した。また、図12を参照して、レーザ加工面の下にへき開面が形成されていることが確認できた。
このようにして得られたSBDのI−V特性の評価結果を図13および図14に示す。図13および図14の横軸は、ショットキー電極とカソード電極間に印加した電圧(単位:V)を示し、縦軸は電流密度(単位:A/cm2)を示す。なお、図13は順方向バイアス時のI−V特性を示し、図14は逆方向バイアス時のI−V特性を示す。測定の結果、オン抵抗が1.1mΩcm、逆バイアス600V印加時の逆方向電流Irが2μAであり、当該SBDは良好なデバイス特性を有することが確認できた。このことから、SBDの端面において特に電流広がりが起こる裏面側にへき開面を有していることにより、当該領域の転位密度を低減することができ、転位を介したリーク電流の増大を抑制することができていると考えられる。
また、本実施例のSBDを素子分離するための切り代は、従来のブレードダイシングによる場合では200μm程度必要であったが、本実施例では100μmであり、半減させることができた。これにより、素子形成領域の最大面積を(1.4/1.3)=1.16倍まで増加させることができた。
次に、実施の形態2に係る縦型電子デバイスの実施例として、GaN基板を用いてSBDを作製した。具体的には、基本的には実施例1と同様の手順でエピタキシャル基板上に複数のSBDを形成した。
次に、波長355nmのYAGレーザを照射可能なレーザスクライバ、およびへき開機を使用して、個々のSBDに個片化した。この際、実施の形態2に係る縦型電子デバイスの製造方法に従ってスクライブ溝を破線状に形成した。具体的には、各スクライブ溝の長さを0.5mm、同一破線状の隣り合うスクライブ溝間の間隔を1.0mmとして形成した。次に、へき開機を用いてエピタキシャル基板の裏面を押圧し、エピタキシャル基板をへき開してSBDを個片化した。その結果、素子形成領域の欠けやクラック等の異常は確認されなかった。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行ったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
本発明は、高耐圧が要求される縦型電子デバイスおよびその製造方法に特に有利に適用される。
1,2 縦型電子デバイス
10 GaN基板
10A,13A,13B 主面
10a 高転位密度領域
10b,11,12 低転位密度領域
11 n+GaN層
12 n−GaN層
13 エピタキシャル基板(半導体層)
13A 第1の主面
13B 第2の主面
13C 端面
13D レーザ加工面
13E へき開面
14 絶縁膜
14C 開口部
15 ショットキー電極
15 第1の電極
16 第2の電極
17 スクライブ溝
S1 素子形成領域
S2 非素子形成領域

Claims (9)

  1. 第1の主面と、前記第1の主面と反対側に位置する第2の主面とを有し、複数の縦型電子デバイスが形成されている基板を準備する工程と、
    前記第1の主面側から前記基板に対してレーザスクライブ加工を行う工程と、
    前記基板をへき開する工程とを備える、縦型電子デバイスの製造方法。
  2. 前記基板を構成する材料は化合物半導体である、請求項1に記載の縦型電子デバイスの製造方法。
  3. 前記基板を構成する材料は窒化物半導体である、請求項2に記載の縦型電子デバイスの製造方法。
  4. 前記基板を構成する材料は窒化ガリウムである、請求項3に記載の縦型電子デバイスの製造方法。
  5. 前記基板は高転位密度領域と低転位密度領域とを含み、
    前記基板の前記第1の主面において、前記高転位密度領域と前記低転位密度領域とは周期的に配列されており、
    前記レーザスクライブ加工を行う工程では、前記高転位密度領域の少なくとも一部を含む領域に対してレーザスクライブ加工を行う、請求項4に記載の縦型電子デバイスの製造方法。
  6. 前記基板を構成する材料は炭化珪素である、請求項2に記載の縦型電子デバイスの製造方法。
  7. 第1の主面と、前記第1の主面と反対側に位置する第2の主面と、前記第1の主面および前記第2の主面と交差する端面とを含む半導体層と、
    前記第1の主面上に形成されている第1の電極と、
    前記第2の主面上に形成されている第2の電極とを備え、
    前記端面は、前記第1の主面に連なるレーザ加工面と、前記レーザ加工面に連なるへき開面とを有する、縦型電子デバイス。
  8. 前記第1の電極はアノードとして、第2の電極はカソードとして構成され、ダイオードとして動作する、請求項7に記載の縦型電子デバイス。
  9. 前記第1の電極はソースとして、第2の電極はドレインとして構成され、電界効果トランジスタとして動作する、請求項7に記載の縦型電子デバイス。
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