JP2020072220A - 被加工物の加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】チップ側面を鏡面とすることができる被加工物の加工方法を提供すること。【解決手段】交差する第1ストリート3A及び第2ストリート3Bを有したウエーハ2に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点をウエーハ2の内部に位置付けた状態でレーザビームをストリート3A、3Bの交差部10に照射して十文字の改質領域11を形成するレーザ加工ステップと、レーザ加工ステップを実施した後、ストリート3A、3Bに沿って伸長する押圧バーでウエーハ2のストリート3A、3Bを押圧し、隣接する改質領域11間をストリート3A、3Bに沿って割断する割断ステップとを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、交差する複数のストリートを有した被加工物の加工方法に関する。
一般に、サファイアやSiC(炭化ケイ素)などの基板の表面に光デバイスが形成された光デバイスウエーハ(被加工物)を分割し、例えば、レーザダイオードやシリコンフォトニクスなどの光デバイスチップを生成する加工が行われている。この種の被加工物の加工方法では、従来、基板に対して吸収性を有する波長(例えば355nm)のレーザビームを、光デバイスを区画するストリート(分割予定ライン)に照射し、レーザアブレーション加工により個々の光デバイスチップに分割する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、基板に対して透過性を有する波長(例えば1064nm)のレーザビームの集光点をストリートに対応する基板の内部に位置づけて、レーザビームをストリートに沿って照射して変質層を形成し、その後外力を付与するにより個々の光デバイスチップに分割する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−320466号公報 特許第3408805号公報
ところで、レーザダイオードやシリコンフォトニクスなどの光デバイスチップは、チップ側面(分割された基板断面)が発振面または光路となる。このため、光デバイスの輝度の低下を抑制するためにチップ側面を鏡面(平滑面)とすることが要望されている。
しかし、特許文献1に示すレーザアブレーションによるレーザダイシング加工では、チップ側面には加工によって生成されたドロスが付着してしまい、光デバイスの輝度が低下する。また、特許文献2に示すレーザビームをストリートに沿って照射して基板内部に変質層を形成する加工方法では、チップ側面にはストリートに沿って改質層が残存してしまい、光デバイスの輝度が低下する。また、ストリートに沿って切削ブレードによるダイシング加工も想定されるが、この加工方法であっても切削ブレードに含まれる砥粒によって、チップ側面に凹凸が形成され、光デバイスの輝度が低下するといった問題が生じる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、チップ側面を鏡面とすることができる被加工物の加工方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、交差する複数のストリートを有した被加工物の加工方法であって、被加工物に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点を被加工物の内部に位置付けた状態で該レーザビームを該ストリートの交差部に照射して改質領域を形成するレーザ加工ステップと、該レーザ加工ステップを実施した後、該ストリートに沿って伸長する押圧バーで被加工物の該ストリートを押圧し、隣接する該改質領域間を該ストリートに沿って割断する割断ステップと、を備える。
この構成によれば、レーザビームをストリートの交差部に照射して該交差部に改質領域を形成し、ストリートに沿って伸長する押圧バーで隣接する改質領域間を押圧するため、改質領域が破断起点となって被加工物はストリートに沿って割断される。この際、被加工物は、破断起点から割れるまたは劈開されるため、交差部に対応する一部に改質領域が残存するものの、簡易な手順で分割されたチップ側面を平滑な鏡面とすることができる。
また、この構成において、該ストリートは第1方向に伸長した複数の第1ストリートと、該第1方向に直交する第2方向に伸長した複数の第2ストリートとを含み、被加工物には該第1ストリートと該第2ストリートとで区画された各領域にそれぞれレーザダイオードデバイスが形成され、該第2ストリートに対応したチップ側面が発光面となり、被加工物に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点を被加工物の内部に位置付けた状態で該レーザビームを該第1ストリートに沿って照射して第1改質層を形成する第1レーザ加工ステップを更に備え、該レーザ加工ステップでは、該第2ストリートに沿って、該第1ストリートと該第2ストリートの交差部に該レーザビームを照射して該改質領域を形成し、該割断ステップでは、少なくとも該第2ストリートに沿って該押圧バーで被加工物を押圧することで該発光面を割断してもよい。
本発明によれば、被加工物に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点を被加工物の内部に位置付けた状態で該レーザビームを該ストリートの交差部に照射して改質領域を形成するレーザ加工ステップと、該レーザ加工ステップを実施した後、該ストリートに沿って伸長する押圧バーで被加工物の該ストリートを押圧し、隣接する該改質領域間を該ストリートに沿って割断する割断ステップと、を備えるため、簡易な手順で分割されたチップ側面を鏡面とすることができる。
図1は、本実施形態の被加工物であるウエーハの構成例を示す斜視図である。 図2は、テープを介してウエーハを環状のフレームに装着した構成例を示す斜視図である。 図3は、ウエーハの内部に改質領域を形成する動作を説明する模式図である。 図4は、ストリートに形成された改質領域の位置を示すウエーハの部分平面図である。 図5は、ストリートに形成された改質領域を示すウエーハの部分断面図である。 図6は、ウエーハを割断する状態を示す模式図である。 図7は、分割されたチップを模式的に示す斜視図である。 図8は、一方のストリートに沿って、ウエーハの内部に改質領域を形成する動作を説明する模式図である。 図9は、ストリートに形成された改質領域の位置を示すウエーハの部分平面図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
本実施形態に係る被加工物の加工方法について説明する。図1は、本実施形態の被加工物であるウエーハの構成例を示す斜視図である。本実施形態に係る被加工物の加工方法は、被加工物としてのウエーハに対して透過性を有する波長のレーザビームを、複数のストリート(分割予定ラインともいう)が交差する交差部に照射して、該交差部に対応するウエーハの内部に改質層を形成した後、ウエーハに外力を付与して分割予定ラインに沿ってウエーハを個々のデバイスチップへと分割するものである。
本実施形態に係る被加工物の加工方法の加工対象であるウエーハ2は、図1に示すように、例えば、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウムリン(InP)などを母材とする光デバイスウエーハである。ウエーハ2の表面2Aには、所定の第1方向D1に沿って伸長する複数の第1ストリート3Aと、第1方向D1に直交する第2方向D2に沿って伸長し、複数の第1ストリート3Aと直交(交差)する複数の第2ストリート3Bとが形成されている。ウエーハ2の表面2Aには、第1ストリート3Aと第2ストリート3Bによって区画された複数の領域にレーザダイオード(LD)デバイスなどの光デバイス4が形成されている。なお、第1ストリート3A及び第2ストリート3Bを区別する必要が無い場合には、単にストリート3と称する。
次に、本実施形態に係る被加工物の加工方法の手順について説明する。本実施形態の被加工物の加工方法は、テープ貼着ステップと、第1レーザ加工ステップと、第2レーザ加工ステップと、割断ステップとを備える。第1レーザ加工ステップと第2レーザ加工ステップとを合わせてレーザ加工ステップとする。
[テープ貼着ステップ]
図2は、テープを介してウエーハを環状のフレームに装着した構成例を示す斜視図である。ウエーハ2は、図2に示すように、テープ6を介して環状のフレーム7に装着される。テープ6は、伸縮性を有する合成樹脂で構成されたエキスパンドテープであり、ウエーハ2の裏面2B側に貼着される。環状のフレーム7は、ウエーハ2よりも大径の開口を有し、この開口内にウエーハ2が保持される。本実施形態では、ウエーハ2、テープ6および環状のフレーム7を備えてウエーハユニット8を構成し、このウエーハユニット8の状態で加工が行われる。ウエーハ2はテープ6に裏面2B側が貼着されるため、表面2Aが上側となって露出する。
[第1レーザ加工ステップ(レーザ加工ステップ)]
図3は、ウエーハの内部に改質領域を形成する動作を説明する模式図である。図4は、ストリートに形成された改質領域の位置を示すウエーハの部分平面図である。図5は、ストリートに形成された改質領域を示すウエーハの部分断面図である。第1レーザ加工ステップ及び第2レーザ加工ステップは、図3に示すレーザ加工装置20を用いて実行される。レーザ加工装置20は、ウエーハユニット8を保持するチャックテーブル21と、ウエーハユニット8のウエーハ2に向けてレーザビーム22Aを照射する照射ヘッド22と、この照射ヘッド22と加工送り方向に横並びに配置された撮像部23とを備える。
チャックテーブル21は、例えばポーラスセラミック等で構成された保持面21Aと、この保持面21Aの周囲に配置された複数のクランプ21Bとを備える。本実施形態では、ウエーハ2の表面2Aを下向きした状態で、ウエーハ2をチャックテーブル21の保持面21A上に保護シート(不図示)を介して載置する。そして、ウエーハユニット8のフレーム7をクランプ21Bで固定するとともに、ウエーハ2を真空吸引源(不図示)の負圧により吸引する。これにより、ウエーハ2(ウエーハユニット8)は、裏面2B側を上面として保持面21A上に保持される。チャックテーブル21は、移動機構(不図示)により、上記した加工送り方向と加工送り方向に直交する割り出し送り方向とにそれぞれ移動可能に構成される。また、チャックテーブル21は、回転機構(不図示)により鉛直方向と平行な軸心回りに回転可能に構成されている。なお、本実施形態では、ウエーハ2(ウエーハユニット8)を保持するチャックテーブル21が加工送り方向と割り出し送り方向に移動する構成としたが、ウエーハ2に対して、照射ヘッド22が移動する構成としてもよい。
照射ヘッド22は、ウエーハ2に対して透過性を有する波長のレーザビームを発振する発振器(不図示)と、発振されたレーザビームを集光する集光器(不図示)とを備える。発振器は、例えば、YAGレーザ発振器またはYVO4レーザ発振器からなるパルスレーザ発振器である。照射ヘッド22は、ウエーハ2に向けて照射されるレーザビーム22Aの集光点(フォーカス位置)Pを鉛直方向に調整する。
撮像部23は、照射ヘッド22に対するウエーハ2の配置状況及びウエーハ2への加工状況などを撮像するカメラである。撮像部23は、可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、ウエーハ2に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等を備えて構成されている。本実施形態では、ウエーハ2の表面2Aが下方を向いているため、赤外線CCDを用いて、テープ6越しにウエーハ2の裏面2B側からストリート3を撮像する。
本実施形態では、レーザ加工ステップによって、図4に示すように、第1ストリート3Aと第2ストリート3Bとの交差部10にレーザビームに照射して各交差部10に改質領域11を形成している。改質領域とは、密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲のそれとは異なる状態になった変質領域のことを意味し、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域、及びこれらの領域が混在した領域等を例示できる。
第1レーザ加工ステップでは、まず、ウエーハ2の第1方向D1に沿った方向と加工送り方向とが平行となるようにチャックテーブル21の向きを調整する。そして、ウエーハ2に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点P(図3)をウエーハ2の内部に位置付けた状態で、テープ6を通じてレーザビームを交差部10に照射しつつ、チャックテーブル21を矢印で示す加工送り方向(第1方向に沿った方向)に移動させる。これにより、図4に示すように、交差部10に対応するウエーハ2の内部に第1ストリート3Aに沿って伸長する複数の第1改質領域11Aが形成される。そして、第1方向D1に伸長するすべての第1ストリート3Aの交差部10に対応するウエーハ2の内部に第1改質領域11Aを形成すると、第1レーザ加工ステップを終了する。
[第2レーザ加工ステップ(レーザ加工ステップ)]
次に、第2レーザ加工ステップを実施する。具体的には、チャックテーブル21を90度回転して、ウエーハ2の第2方向D2に沿った方向と加工送り方向とを平行とする。そして、第1レーザ加工ステップと同様に、ウエーハ2に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点P(図3)をウエーハ2の内部に位置付けた状態で、テープ6を通じてレーザビームを交差部10に照射しつつ、チャックテーブル21を矢印で示す加工送り方向(第2方向に沿った方向)に移動させる。これにより、図4に示すように、交差部10対応するウエーハ2の内部に第2ストリート3Bに沿って伸長する複数の第2改質領域11Bが形成される。そして、第2方向D2に伸長するすべての第2ストリート3Bの交差部10に対応するウエーハ2の内部に第2改質領域11Bを形成すると、第2レーザ加工ステップを終了する。
改質領域11は、図4に示すように、交差部10に対応する領域に十文字に形成される。この改質領域11は、後の加工工程でウエーハ2を割断する際の破断起点となる。次に、本実施形態に係る改質領域11の位置や大きさについて説明する。本実施形態の加工対象はレーザダイオードデバイスを備えた光デバイスウエーハであり光デバイスチップに分割される。ここで、レーザダイオードのような光デバイスチップは、チップ側面が発振面(発光面ともいう)または光路となるため、このチップ側面を鏡面(平滑面)として、光デバイスチップの輝度の低下を抑制することが求められる。
本実施形態では、上述のように、改質領域11は交差部10に対応する領域に形成される。具体的には、チップ幅(隣接するストリート間の距離)L1を0.15〜1.0[mm]とした場合に、交差部10に形成される改質領域11の幅L2は50〜100[μm]に形成される。この場合、改質領域11の幅L2を交差部10(ストリート3)の幅内に収めるのが好ましいが、改質領域11が交差部10(ストリート3)からはみ出して光デバイス4に対応する領域まで伸長してもよい。改質領域11の幅L2を50〜100[μm]に形成することにより、分割されたチップの角部に残存する改質領域11の幅を50[μm]以下に設定することができる。この場合、角部に残存する改質領域11の幅は、チップ幅の5〜33[%]となるため、チップ側面の中央部に改質領域11が残存しない鏡面(平滑面)を形成することができる。また、ウエーハ2の高さH1を100〜300[μm]とした場合に、改質領域11の高さH2は、15〜20[μm]に形成される。この場合、角部に残存する改質領域11の高さH2は、ウエーハ2(チップ)の高さH1の5〜20[%]となる。また、改質領域11は、ウエーハ2の高さ方向における中央よりも表面2A側に形成されている。
[割断ステップ]
図6は、ウエーハを割断する状態を示す模式図である。図7は、分割されたチップを模式的に示す斜視図である。割断ステップでは、図6に示すブレーキング装置30を用いて行われる。ブレーキング装置30は、ウエーハ2を支持する支持台(不図示)に対して上下動して該支持台に支持されたウエーハ2に押圧力を付与する押圧バー31を備える。支持台は、水平面と平行に回転可能に構成される。押圧バー31は、ウエーハ2のストリート3に沿って伸長し、最長(ウエーハ2の直径)のストリート3よりも長く形成されている。
ウエーハ2(ウエーハユニット8)は、裏面2Bに貼着されたテープ6を介して支持台に載置される。ウエーハ2のストリート3(例えば第1ストリート3A)と押圧バー31とが平行となるように支持台を回転させた後、ウエーハ2の裏面2Bに貼着されたテープ6側から支持台の開口部を通じて押圧バー31を突き上げることにより、第1ストリート3A)に沿ってウエーハ2を押圧する。この結果、各交差部10に改質領域11が形成されたウエーハ2の表面2A側が大きく湾曲することにより、改質領域11が破断起点となって亀裂13が生じ、ウエーハ2は第1ストリート3Aに沿って割断される。
そして、すべての第1ストリート3Aに沿ってウエーハ2を割断すると、支持台を90°回転し、第1ストリート3Aと直交する第2ストリート3Bに沿って上記した割断作業を行う。この結果、各交差部10に形成された改質領域11が破断起点となって亀裂13が生じ、ウエーハ2は第2ストリート3Bに沿って割断され、ウエーハ2は、個々の光デバイスチップ40に分割される。
本実施形態では、ウエーハ2における交差部10に十文字の改質領域11を形成した後、ウエーハ2のストリート3を押圧バーで押圧することで、隣接する改質領域11間を該ストリート3に沿って割断する。この際、ウエーハ2は、破断起点から割れ、ウエーハ2の結晶方向がストリート3に沿って延びている場合には破断起点から劈開される。このため、図7に示すように、光デバイスチップ40の側面41と側面41との角部41Aには、それぞれ改質領域11が残存するものの、側面41の幅方向中央部には、改質領域11が残存しない平滑な鏡面42を形成することができる。
特に、本実施形態では、光デバイスチップ40の上記角部41Aに残存する改質領域11の幅は、該光デバイスチップ40の幅の5〜33[%]となる、幅方向中央部には、少なくとも34[%](100−33−33=34)の幅の鏡面42を備えるため、この鏡面42を発光面(発振面)または光路として利用することができ、光デバイス4の輝度の低下を抑制することができる。改質領域11の幅を光デバイスチップ40の幅の34[%]以上とすると、中央部の鏡面42の割合が低下して、光デバイス4の輝度が低下する。
また、改質領域11の幅を光デバイスチップ40の幅の5[%]以下とすると、中央部の鏡面42の割合を増加できるものの、隣接する改質領域11間をストリート3に沿って割断する割断ステップが困難となる。このように、本実施形態では、角部41Aに残存する改質領域11の幅を該光デバイスチップ40の幅の5〜33[%]とすることで、光デバイス4の輝度の低下させることなく、簡易な手順で光デバイスチップ40の側面41の幅方向中央部に改質領域11が残存しない平滑な鏡面42を形成することができる。
次に、別の実施形態について説明する。図8は、一方のストリートに沿って、ウエーハの内部に改質領域を形成する動作を説明する模式図である。図9は、ストリートに形成された改質領域の位置を示すウエーハの部分平面図である。上記した実施形態では、分割された光デバイスチップ40のすべての側面41に対して、該側面41の幅方向中央部に改質領域11が残存しない鏡面42を形成する手順について説明した。これに対して、光デバイスチップは、通常、光デバイス4を挟んでほぼ平行に位置する一対の側面が発光面(発振面)または光路として利用され、残りの一対の側面は発光面(発振面)または光路として利用されていない。
この別の実施形態では、第1レーザ加工ステップとして、図8に示すように、ウエーハ2に対して透過性を有する波長のレーザビーム22Aの集光点Pをウエーハ2の内部に位置付けた状態で、テープ6を通じてレーザビーム22Aを第1ストリート3A(一方のストリート3)に照射しつつ、チャックテーブル21を矢印で示す加工送り方向(第1方向に沿った方向)に移動させる。これにより、図9に示すように、ウエーハ2の内部に第1ストリート3Aに沿って伸長する第1改質領域11A1が形成される。そして、第1方向D1に伸長するすべての第1ストリート3Aに対応するウエーハ2の内部に第1改質領域11A1を形成すると、第1レーザ加工ステップを終了する。
続いて、上記した第2レーザ加工ステップと同様に、チャックテーブル21を90度回転して、ウエーハ2の第2方向D2に沿った方向と加工送り方向とを平行とする。そして、ウエーハ2に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点P(図3)をウエーハ2の内部に位置付けた状態で、テープ6を通じてレーザビームを交差部10に照射しつつ、チャックテーブル21を矢印で示す加工送り方向(第2方向に沿った方向)に移動させる。これにより、図9に示すように、交差部10対応するウエーハ2の内部に第2ストリート3B(他のストリート3)に沿って伸長する複数の第2改質領域11Bが形成される。そして、第2方向D2に伸長するすべての第2ストリート3Bの交差部10に対応するウエーハ2の内部に第2改質領域11Bを形成すると、第2レーザ加工ステップを終了する。
この別の実施形態では、第1ストリート3Aに沿って、連続する第1改質領域11A1を形成する構成としたが、第1ストリート3Aまたは第2ストリート3Bのいずれかに沿って連続する改質領域が形成されればよい。また、連続する改質領域11を交差部10に形成された改質領域11の後に形成してもよい。
以上、本実施形態のウエーハ2の加工方法は、交差する複数のストリート3を有したウエーハに対して透過性を有する波長のレーザビーム22Aの集光点Pをウエーハ2の内部に位置付けた状態でレーザビーム22Aをストリート3の交差部10に照射して改質領域11を形成するレーザ加工ステップと、レーザ加工ステップを実施した後、ストリート3に沿って伸長する押圧バー31でウエーハ2のストリート3を押圧し、隣接する改質領域11間をストリート3に沿って割断する割断ステップとを備える。この構成によれば、レーザビーム22Aをストリート3の交差部10に照射して交差部10に改質領域11を形成し、ストリート3に沿って伸長する押圧バー31で隣接する改質領域11間を押圧するため、改質領域11が破断起点となってウエーハ2はストリート3に沿って割断される。この際、ウエーハ2は、破断起点から割れるまたは劈開されるため、交差部10に対応する一部に改質領域11が残存するものの、簡易な手順で分割されたチップの側面41を平滑な鏡面42とすることができる。
また、本実施形態によれば、レーザ加工ステップは、ウエーハ2に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点をウエーハ2の内部に位置付けた状態でレーザビームを第1ストリート3Aに沿って照射して第1改質領域11A1を形成する第1レーザ加工ステップと、第2ストリート3Bに沿って、第1ストリート3Aと第2ストリート3Bの交差部10にレーザビームを照射して第2改質領域11Bを形成し、割断ステップでは、少なくとも第2ストリート3Bに沿って押圧バー31でウエーハ2を押圧することでウエーハ2を割断し、発光面となる鏡面42を光デバイスチップ40の側面41の幅方向中央部に形成することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、本実施形態では、ウエーハ2として、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウムリン(InP)などを母材とする基板にレーザダイオード(LD)デバイスが設けられた光デバイスウエーハを例示して説明したが、これに限るものではなく、シリコンを母材とする基板に微細な光導波路構造を作り込み、さまざまな機能を持つ光デバイスを1つの小型チップに集積する技術であるシリコンフォトニクスに適用することもできる。
2 ウエーハ(被加工物)
2A 表面
2B 裏面
3 ストリート
3A 第1ストリート
3B 第2ストリート
4 光デバイス
10 交差部
11 改質領域
11A、11A1 第1改質領域
11B 第2改質領域
13 亀裂
22 照射ヘッド
22A レーザビーム
23 撮像部
31 押圧バー
40 光デバイスチップ
41 側面(チップ側面)
41A 角部
42 鏡面(発光面)
P 集光点
D1 第1方向
D2 第2方向

Claims (2)

  1. 交差する複数のストリートを有した被加工物の加工方法であって、
    被加工物に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点を被加工物の内部に位置付けた状態で該レーザビームを該ストリートの交差部に照射して改質領域を形成するレーザ加工ステップと、
    該レーザ加工ステップを実施した後、該ストリートに沿って伸長する押圧バーで被加工物の該ストリートを押圧し、隣接する該改質領域間を該ストリートに沿って割断する割断ステップと、
    を備えた被加工物の加工方法。
  2. 該ストリートは第1方向に伸長した複数の第1ストリートと、該第1方向に直交する第2方向に伸長した複数の第2ストリートとを含み、
    被加工物には該第1ストリートと該第2ストリートとで区画された各領域にそれぞれレーザダイオードデバイスが形成され、該第2ストリートに対応したチップ側面が発光面となり、
    被加工物に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点を被加工物の内部に位置付けた状態で該レーザビームを該第1ストリートに沿って照射して第1改質領域を形成する第1レーザ加工ステップを更に備え、
    該レーザ加工ステップでは、該第2ストリートに沿って、該第1ストリートと該第2ストリートの交差部に該レーザビームを照射して該改質領域を形成し、
    該割断ステップでは、少なくとも該第2ストリートに沿って該押圧バーで被加工物を押圧することで該発光面を割断する、請求項1に記載の被加工物の加工方法。
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