JP2015144072A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極に導電性ポリマーを用いた非水電解液二次電池であって、電池性能の劣化を効果的に抑制し、サイクル特性に優れる非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】電解質層と、これを挟んで対向して設けられた正極と負極を有する非水電解液二次電池であって、正極が、導電性ポリマー(a)と、ポリカルボン酸およびその金属塩の少なくとも一方(b)とを含み、負極がソフトカーボンを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池性能の劣化を効果的に抑制し、サイクル特性に優れる非水電解液二次電池に関するものである。
近年、携帯型PC、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等における電子技術の進歩、発展に伴い、これら電子機器の蓄電デバイスとして、繰り返し充放電することができる二次電池等が広く用いられている。
二次電池のなかでも、電極活物質として正極にマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウムのようなリチウム含有遷移金属酸化物を用い、負極にリチウムイオンを挿入・脱離し得る炭素質材料を用いる二次電池は、その充放電時に電解液中のリチウムイオン濃度が実質的に変化しない所謂ロッキングチェア型のリチウムイオン二次電池として、広く用いられている。このロッキングチェア型の二次電池は、所謂リザーブ型の二次電池に比べて、電解液量を低減することができることから小型化が可能になり、また小型でありながらも高エネルギー密度を有することから、上述した電子機器の蓄電デバイスとして広く用いられている。
しかし、上記リチウムイオン二次電池は、電気化学反応によって電気エネルギーを得る二次電池であって、上記電気化学反応の速度が小さいために、出入力密度が低いという欠点がある。さらに、二次電池の内部抵抗が高いため、急速な放電は困難であるとともに、急速な充電も困難となっている。また、充放電に伴う電気化学反応によって電極や電解液が劣化するため、一般に寿命、すなわち、サイクル特性もよくない。
そこで、上記の問題を改善するため、ドーパントを有するポリアニリンのような導電性ポリマーを正極活物質に用いる非水電解液二次電池も知られている(特許文献1)。しかしながら、一般に、導電性ポリマーを正極活物質として有する二次電池は、充電時には正極のポリマーにアニオンがドープされ、放電時にはそのアニオンが正極のポリマーから脱ドープされるアニオン移動型であるため、前述したようなロッキングチェア型の二次電池を構成することができない。したがって、導電性ポリマーを正極活物質に用いた非水電解液二次電池は、基本的に多量の電解液を必要とし、結果、電池の小型化に寄与することができないという問題がある。
このような問題を解決するために、正極に、ポリビニルスルホン酸のようなポリマーアニオンをドーパントとして有する導電性ポリマーを用いて、カチオン移動型とし、電解液中のイオン濃度が実質的に変化しないようにした二次電池も提案されている(特許文献2参照)。
特開平3−129679号公報 特開平1−132052号公報
しかしながら、上記特許文献2の二次電池は、負極にリチウム等の金属を用いている。一般に、リチウムイオン二次電池においては、安全性やサイクル特性の観点から、負極にリチウムイオンを挿入・脱離し得る炭素質材料を用いることが望ましいと考えられており、このことは、正極に導電性ポリマーを用いた非水電解液二次電池の場合も同様であることから、上記特許文献2の二次電池においてはこの点が問題視されている。
そこで、本発明者らは、正極に導電性ポリマー等を用い、負極に炭素質材料を用いた非水電解液二次電池に関する各種研究・実験を予てから行っており、その過程において、上記構造の非水電解液二次電池において問題となっている電池性能の劣化の改善に努めた。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、正極に導電性ポリマーを用い、負極に炭素質材料を用いた非水電解液二次電池であって、電池性能の劣化を効果的に抑制し、サイクル特性に優れる非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、電解質層と、これを挟んで対向して設けられた正極と負極を有する非水電解液二次電池であって、正極が、導電性ポリマー(a)と、ポリカルボン酸およびその金属塩の少なくとも一方(b)とを含み、負極がソフトカーボンを含む非水電解液二次電池を要旨とする。
すなわち、本発明者らは、電池性能の劣化がなく、サイクル特性に優れる蓄電デバイスを得るため、鋭意検討を重ねた。安全性やサイクル特性、およびエネルギー密度の観点から使用が望まれている一般的な炭素質材料(例えば、黒鉛)においては、電解液等との反応により炭素質材料表面で副反応が生じ、負極が不安定となる結果、高温におけるサイクル特性の劣化が生じるという知見を得た。そこで、本発明者らは、導電性ポリマーを含む正極の構成を有する非水電解液二次電池において、電池性能の劣化を解決するため鋭意研究し、負極に被膜を形成して電解液との副反応を防止したり、正極材料と負極材料との組合せに着目したり多岐にわたる研究を重ねた結果、ソフトカーボンを含む負極が、導電性ポリマーを含む正極との組合せで安定化することを見出し、本発明に到達した。
このように、本発明の非水電解液二次電池は、電解質層と、これを挟んで対向して設けられた正極と負極を有する非水電解液二次電池であって、正極が、導電性ポリマー(a)と、ポリカルボン酸およびその金属塩の少なくとも一方(b)とを含み、負極がソフトカーボンを含む。したがって、電池性能の劣化を効果的に抑制するとともにサイクル特性に優れるようになる。
また、上記導電性ポリマー(a)が、ポリアニリンおよびポリアニリン誘導体の少なくとも一方であると、重量エネルギー密度等の電池性能の一層の向上が得られるようになる。
そして、上記(b)のポリカルボン酸が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニル安息香酸、ポリアリル安息香酸、ポリメタリル安息香酸、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、アルギン酸、カルボキシルメチルセルロース、およびこれらポリマーの繰り返し単位の少なくとも1種を含む共重合体から選ばれる少なくとも1種であると、さらなる重量エネルギー密度等の電池性能の向上が得られるようになる。
実施例1,2および比較例1の各非水電解液二次電池において、60℃における放電容量維持率のサイクル特性を示すグラフ図である。縦軸を放電容量維持率(%)および横軸をサイクル数とする。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明は、以下の内容に限定されない。
本発明の非水電解液二次電池は、電解質層と、これを挟んで対向して設けられた正極と負極を有する非水電解液二次電池であって、正極が、導電性ポリマー(a)と、ポリカルボン酸およびその金属塩の少なくとも一方(b)とを含み、負極がソフトカーボンを含むことを特徴とする。
以下、上記各部材および使用材料等について順を追って説明する。
<正極について>
〔導電性ポリマー(a)〕
上記のように、本発明の非水電解液二次電池の正極は、導電性ポリマー(a)を含有する。本発明における導電性ポリマー(a)とは、ポリマー主鎖の酸化反応または還元反応によって生成し、または消失する電荷の変化を補償するために、イオン種がポリマーに挿入し、またはポリマーから脱離することによって、ポリマー自身の導電性が変化する一群のポリマーをいう。
このようなポリマーにおいて、導電性が高い状態をドープ状態といい、低い状態を脱ドープ状態という。導電性を有するポリマーが酸化反応または還元反応によって導電性を失い、絶縁性(すなわち、脱ドープ状態)となっても、そのようなポリマーは、酸化還元反応によって再度、可逆的に導電性を有することができるので、このように脱ドープ状態にある絶縁性のポリマーも、本発明においては、導電性ポリマー(a)の範疇に入れることとする。
また、好ましい本発明の導電性ポリマー(a)の1つとしては、無機酸アニオン、脂肪酸スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、ポリマースルホン酸アニオンおよびポリビニル硫酸アニオンからなる群から選ばれた少なくとも1つのプロトン酸アニオンをドーパントとして有するポリマーである。また、本発明において好ましい別の導電性ポリマーとしては、上記導電性ポリマーを脱ドープした脱ドープ状態のポリマーである。
上記導電性ポリマー(a)の具体例としては、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリイソチアナフテン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリアズレン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等や、これらの種々の誘導体があげられる。なかでも、電気化学的容量の大きなポリアニリンおよびポリアニリン誘導体が好ましく用いられる。
本発明において、上記ポリアニリンとは、アニリンを電解重合させ、または化学酸化重合させて得られるポリマーをいい、ポリアニリンの誘導体とは、例えば、アニリンの誘導体を電解重合させ、または化学酸化重合させて得られるポリマーをいう。
ここでアニリンの誘導体としてより詳しくは、アニリンの4位以外の位置にアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基等の置換基を少なくとも1つ有するものを例示することができる。好ましい具体例としては、例えば、o−メチルアニリン、o−エチルアニリン、o−フェニルアニリン、o−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン等のo−置換アニリン、m−メチルアニリン、m−エチルアニリン、m−メトキシアニリン、m−エトキシアニリン、m−フェニルアニリン等のm−置換アニリンがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また本発明においては、4位に置換基を有するものでも、p−フェニルアミノアニリンは、酸化重合によってポリアニリンが得られるので、アニリン誘導体として好適に用いることができる。
以下、本発明において、「アニリンまたはその誘導体」を単に「アニリン」ということがあり、また、「ポリアニリンおよびポリアニリン誘導体の少なくとも一方」を単に「ポリアニリン」ということがある。したがって、導電性ポリマーを構成するポリマーがアニリン誘導体から得られる場合であっても、「導電性ポリアニリン」ということがある。
また、本発明の非水電解液二次電池に係る正極では、上記導電性ポリマー(a)に加え、さらに窒素を有することが好ましい。ここで、「窒素を有する」とは、導電性ポリマーの分子構造中にN原子を備えている場合だけでなく、別途、窒素源となるものを材料中に加える場合も含む意味である。上記のように、正極材料に窒素を含有することにより、電解液中に生成する酸などを正極材料がより効果的に吸着するようになる。
また一方、正極では、さらにポリカルボン酸およびポリカルボン酸金属塩の少なくとも一方(b)を有する。以下、(b)成分について説明する。
〔ポリカルボン酸およびポリカルボン酸金属塩の少なくとも一方(b)について〕
本発明において、上記ポリカルボン酸とは、分子中にカルボキシル基を有するポリマーをいう。上記ポリカルボン酸としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニル安息香酸、ポリアリル安息香酸、ポリメタリル安息香酸、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、アルギン酸、カルボキシルメチルセルロース、およびこれらポリマーの繰り返し単位の少なくとも1種を含む共重合体等が好ましく用いられ、なかでもポリアクリル酸およびポリメタクリル酸がより好ましく用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記ポリカルボン酸金属塩は、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩をいい、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。アルカリ金属塩は、好ましくは、リチウム塩やナトリウム塩であり、上記アルカリ土類金属塩は、好ましくは、マグネシウム塩やカルシウム塩である。
〔正極の外形について〕
本発明の非水電解液二次電池に係る正極は、少なくとも上記導電性ポリマー(a)と、上記(b)成分とからなる複合体からなり、好ましくは多孔質シートに形成される。通常正極の厚みは、1〜500μmであることが好ましく、10〜300μmであることがさらに好ましい。
上記正極の厚みは、正極を先端形状が直径5mmの平板であるダイヤルゲージ(尾崎製作所社製)を用いて測定し、電極の面に対して10点の測定値の平均をもとめることにより得られる。集電体上に正極(多孔質層)が設けられ複合化している場合には、その複合化物の厚みを、上記と同様に測定し、測定値の平均をもとめ、集電体の厚みを差し引いて計算することにより正極の厚みが得られる。
〔正極の作製について〕
本発明の非水電解液二次電池に係る正極は、例えば、次のようにして作製される。例えば、前記(b)成分を水に溶解させ、または分散させ、これに導電性ポリマー(a)粉末と、必要に応じて、導電性カーボンブラックのような導電助剤を加え、これを充分に分散させて、溶液粘度が0.1〜50Pa・s程度であるペーストを調製する。これを集電体上に塗布した後、水を蒸発させることによって、集電体上に上記導電性ポリマー(a)と、前記(b)成分と、必要に応じて導電助剤を含有する正極活物質含有層を有する多孔質複合体としてシート電極を得ることができる。
上記導電助剤は、導電性に優れるとともに、電池の活物質間の電気抵抗を低減するために有効であり、さらに、電池の放電時に印加する電位によって性状の変化しない導電性材料であることが望ましい。通常、導電性カーボンブラック、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等や、炭素繊維、カーボンナノチューブ等の繊維状炭素材料が用いられる。
本発明の非水電解液二次電池に係る正極の形成材料において、前記(b)成分は、導電性ポリマー(a)100重量部に対して、通常、1〜100重量部、好ましくは、2〜70重量部、最も好ましくは、5〜40重量部の範囲で用いられる。すなわち、上記導電性ポリマー(a)に対する前記(b)成分の量が少な過ぎると、エネルギー密度に優れる非水電解液二次電池を得ることができない傾向にあり、逆に、前記(b)成分の量が多過ぎると、正極活物質以外の部材重量が増大することによる正極重量の増大によって、電池全体の重量を考慮した時、高エネルギー密度の非水電解液二次電池を得ることができない傾向にあるからである。
<負極について>
本発明の非水電解液二次電池に係る負極としては、ソフトカーボンを含む材料から構成される。
上記ソフトカーボンは、非晶質炭素の一つであり、不活性雰囲気中で加熱することにより黒鉛構造が発達しやすい易黒鉛化性炭素材料である。したがって、例えば、コークス等を2000℃以下などの比較的低温で焼成したソフトカーボンは黒鉛に比べ結晶化度が低く、結晶方向も一定でないため、可逆的にリチウムイオンを吸蔵および放出できる容量は小さいものの、リチウムイオンの移動速度(充放電速度)が速い。このようなソフトカーボンとしては、例えば、コークス(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)やメソカーボン小球体、メソフェーズピッチ系炭素繊維、熱分解気相成長炭素繊維などがあげられる。
そして、このようなソフトカーボンの製法としては、例えば、石炭や石油から得られるタールピッチ原料やコークス(ピッチコークス、石油コークス等ともいう。)を2000℃程度以下、例えば、1500℃以下の比較的低温で熱処理すること等により、低温焼成コークスとして簡便に得ることができる。なお、この熱処理温度は、得られるソフトカーボンの結晶化度(黒鉛化度)等を考慮して適宜決定することができ、例えば、具体的には、700〜800℃程度とすることや、350〜450℃程度の範囲とすることなどの任意の温度を選択することがあげられる。
上記ソフトカーボンは負極活物質として用いられ、ソフトカーボンの含有割合は負極活物質の1〜100重量%を占めることが好ましく、さらに好ましくは50〜100重量%、特に80〜100重量%であることが負極の安定性を向上する点から好ましい。
上記ソフトカーボン以外の負極活物質としては、リチウムイオン二次電池の負極活物質として用いられている材料、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、負極には、上記負極活物質に加え、必要に応じて,スチレンブタジエン共重合体(SBR),ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のバインダー、カルボキシルメチルセルロース(CMC)等の配合剤、アセチレンブラックやケッチェンブラック等の導電助剤等を適宜加えることができる。
上記負極活物質の含有割合は負極全体の70〜100重量%であることが負極の安定性を向上させる観点から好ましく、さらに80〜99.1重量%であることが好ましい。
<集電体>
上記集電体の材料としては、例えば、ニッケル、アルミ、ステンレス、銅等の金属箔や、メッシュ等があげられる。なお、正極集電体と負極集電体とは、同じ材料で構成されていても、異なる材料で構成されていても差し支えない。
<電解液について>
上記電解液は、電解質(支持塩)と溶媒とを含有するものから構成される。そして、上記電解液中には、負極被膜形成剤を含有していてもよい。
上記負極被膜形成剤とは、初期充電時に負極の表面に被膜を形成するように作用する物質のことをいい、なかでも、一般的に用いられる電解液溶媒よりも先に初期充電時に反応し、形成する被膜の特性が優れたものが好ましく用いられる。具体的には、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、1,3−プロパンサルトン、プロピレンサルファイト、エチレンサルファイト、ビニルアセテート、ビニルエチレンカーボネート、ジメチルサルファイト、フェニルエチレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、フルオロ−γ−ブチロラクトン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネートは、負極に対する被膜形成性がより高いことから、より電池性能の劣化を抑制できるようになり、好ましい。
そして、上記電解液中の負極被膜形成剤の含有割合は、電解液100重量部に対し0.1〜30重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.1〜20重量部の範囲である。すなわち、負極被膜形成剤の含有割合が上記範囲未満であると、有効な被膜形成がなされない傾向にあり、逆に、上記範囲を超えると、電池内での負極の被膜を形成するのに必要な量よりも過剰に存在することになり、電極上で副反応を起こして、容量低下やガス発生の原因となりうるためである。
また、上記電解液を構成する電解質としては、例えば、リチウムイオンなどの金属イオンとこれに対する適宜のカウンターイオン、例えば、スルホン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ素イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン、ハロゲンイオン等を組み合わせてなるものが好ましく用いられる。従って、このような電解質の具体例としては、LiCF3SO3、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiCl等をあげることができ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。特に、上記電解液が、支持塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を含有すると、電池性能の劣化を一層抑制できるようになるため好ましい。
ここで、六フッ化リン酸リチウムは、電解液中において分解し、フッ酸などの酸を生成することが知られている。本発明者らが確認したところ、電解液中に僅かに存在する上記フッ酸が、負極被膜形成剤による被膜とは異なる被膜を形成したと考えられたことから、上記電解液に六フッ化リン酸リチウムを含有したことにより、負極である炭素質材料の電気化学的安定性と効率がより改善されたと考えられる。
電解液を構成する溶媒としては、例えば、カーボネート類、ニトリル類、アミド類、エーテル類等の少なくとも1種の非水溶媒、すなわち、有機溶媒が用いられる。このような有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N'−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン等をあげることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記電解液中の電解質の含有量としては、非水電解液二次電池の電解質含有量として通常の量が用いられる。すなわち、上記電解液中の電解質の含有量は、通常、上記電解液中に0.1〜2.5mol/Lの濃度範囲で用いられ、好ましくは0.5〜2.0mol/Lで用いられる。上記電解質が少なすぎると、重量エネルギー密度に優れる非水電解液二次電池を得られない傾向にあり、他方、電解質が多すぎると、電解液の粘度が上昇してイオン伝導度が低下することにより出入力特性の低下を招く傾向にある。
また、本発明の非水電解液二次電池においてセパレータを用いる場合、セパレータは、これを挟んで対向して配設される正極と負極の間の電気的な短絡を防ぐことができ、さらに、電気化学的に安定であり、イオン透過性が大きく、ある程度の機械強度を有する絶縁性の多孔質シートであればよい。したがって、例えば、紙、不織布や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド等の樹脂からなる多孔性のフィルムが好ましく用いられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
<非水電解液二次電池の製造方法について>
上記材料を用いた本発明の非水電解液二次電池の製造方法としては、下記(I)〜(III)の工程を備えることを特徴とする。以下、この製造方法について詳述する。
(I)正極と負極とを準備し、両者の間に、セパレータを配置して、正極、セパレータおよび負極からなる積層体を作製する工程。
(II)電池容器内に上記積層体を少なくとも一つ収容する工程。
(III)上記電池容器内に、電解液を注入する工程。
具体的には、上述した正極と負極との間にセパレータが配置されるように積層し、積層体を作製する。次に、この積層体をアルミニウムラミネートパッケージ等の電池容器内に入れた後、真空乾燥する。ついで、真空乾燥した電池容器内に電解液を注入する。最後に、電池容器であるパッケージを封口して、本発明の非水電解液二次電池(ラミネートセル)が完成する。
<非水電解液二次電池について>
本発明の非水電解液二次電池は、上記ラミネートセル以外に、フィルム型、シート型、角型、円筒型、ボタン型等種々の形状に形成される。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、その要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例,比較例となる非水電解液二次電池の作製に先立ち、以下に示す材料および構成部材の、調製・作製・準備を行った。
[導電性ポリマー(a)の調製]
導電性ポリマー(a)として、テトラフルオロホウ酸をドーパントとする導電性ポリアニリン粉末を下記のように調製した。
すなわち、まず、イオン交換水138gを入れた300mL容量のガラス製ビーカーに、42重量%濃度のテトラフルオロホウ酸水溶液(和光純薬工業社製、試薬特級)84.0g(0.402mol)を加え、磁気スターラーにて撹拌しながら、これにアニリン10.0g(0.107mol)を加えた。テトラフルオロホウ酸水溶液にアニリンを加えた当初は、アニリンは、テトラフルオロホウ酸水溶液に油状の液滴として分散していたが、その後、数分以内に水に溶解し、均一で透明なアニリン水溶液になった。このようにして得られたアニリン水溶液を、低温恒温槽を用いて−4℃以下に冷却した。
つぎに、酸化剤として二酸化マンガン粉末(和光純薬工業社製、試薬1級)11.63g(0.134mol)を、上記アニリン水溶液中に少量ずつ加えて、ビーカー内の混合物の温度が−1℃を超えないようにした。このようにして、アニリン水溶液に酸化剤を加えることによって、アニリン水溶液は直ちに黒緑色に変化した。その後、しばらく撹拌を続けたとき、黒緑色の固体が生成し始めた。
このようにして、80分間かけて酸化剤を加えた後、生成した反応生成物を含む反応混合物を冷却しながら、さらに、100分間、撹拌した。その後、ブフナー漏斗と吸引瓶を用いて、得られた固体をNo.2濾紙(ADVANTEC社製)にて吸引濾過して、粉末を得た。この粉末を約2mol/Lのテトラフルオロホウ酸水溶液中にて磁気スターラーを用いて撹拌洗浄した。ついで、アセトンにて数回、撹拌洗浄し、これを減圧濾過した。得られた粉末を室温(25℃)で10時間真空乾燥することにより、テトラフルオロホウ酸をドーパントとする導電性ポリアニリン(導電性ポリマー(a))12.5gを得た。この導電性ポリアニリンは鮮やかな緑色粉末であった。
(導電性ポリマー(a)の電導度)
上記導電性ポリアニリン粉末130mgを瑪瑙製乳鉢で粉砕した後、赤外スペクトル測定用KBr錠剤成形器を用い、75MPaの圧力下に10分間真空加圧成形して、直径13mm、厚み720μmの導電性ポリアニリンのディスクを得た。ファン・デル・ポー法による4端子法電導度測定にて測定した上記ディスクの電導度は、19.5S/cmであった。
(脱ドープ状態の導電性ポリマー(a)の調製)
上記により得られたドープ状態である導電性ポリアニリン粉末を、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液中に入れ、3Lセパラブルフラスコ中にて30分間撹拌し、中和反応によりドーパントのテトラフルオロホウ酸を脱ドープした。濾液が中性になるまで脱ドープしたポリアニリンを水洗した後、アセトン中で撹拌洗浄し、ブフナー漏斗と吸引瓶を用いて減圧濾過し、No.2濾紙上に、脱ドープしたポリアニリン粉末を得た。これを室温下、10時間真空乾燥して、茶色の脱ドープ状態のポリアニリン粉末を得た。
(還元脱ドープ状態の導電性ポリマー(a)の調製)
つぎに、フェニルヒドラジンのメタノール水溶液中に、この脱ドープ状態のポリアニリン粉末を入れ、撹拌下30分間還元処理を行った。ポリアニリン粉末の色は、還元により、茶色から灰色に変化した。反応後、メタノール洗浄、アセトン洗浄し、濾別後、室温下真空乾燥し、還元脱ドープ状態のポリアニリンを得た。
(還元脱ドープ状態の導電性ポリマー(a)の電導度)
上記還元脱ドープ状態のポリアニリン粉末130mgを瑪瑙製乳鉢で粉砕した後、赤外スペクトル測定用KBr錠剤成形器を用い、75MPaの圧力下に10分間真空加圧成形して、厚み720μmの還元脱ドープ状態のポリアニリンのディスクを得た。ファン・デル・ポー法による4端子法電導度測定にて測定した上記ディスクの電導度は、5.8×10-3S/cmであった。これより、ポリアニリン化合物は、イオンの挿入・脱離により導電性の変化する活物質化合物であるといえる。
[ポリカルボン酸およびポリカルボン酸金属塩の少なくとも一方(b)の準備]
ポリアクリル酸(日本触媒社製、重量平均分子量80万)22.17gをイオン交換水170.46gに加え、一夜静置して膨潤させた。この後、超音波式ホモジナイザーを用いて1分間処理して溶解させ、11.5重量%濃度の粘稠なポリアクリル酸水溶液192.63gを得た。ついで、得られたポリアクリル酸水溶液192.63gに、ポリアクリル酸の有するカルボキシル基の量の全量をリチウム塩化する量の水酸化リチウム粉末7.37gを加えて、ポリアクリル酸のリチウム塩水溶液(濃度12重量%)を200g調製し、準備した。
[正極の作製]
上記還元脱ドープ状態の導電性ポリマー(a)粉末3.7gと導電性カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)粉末0.459gとを混合した後、これを上記12重量%濃度のポリアクリル酸リチウム塩水溶液7.4gに加え、スパチュラでよく練った。次にポリプロピレングリコール(ADEKA社製、P−400)を0.05g加えた。ついで、さらにイオン交換水18.39gを加えた。これを、超音波式ホモジナイザーにて1分間超音波処理を施した後、薄膜旋回型高速ミキサー(プライミックス社製、フィルミックス40−40型)を用いて高剪断力を加えてマイルド分散させ、流動性を有するペーストを得た。このペーストをさらに真空吸引鐘とロータリーポンプを用いて脱泡した。
卓上型自動塗工装置(テスター産業社製)を用い、マイクロメーター付きドクターブレ−ド式アプリケータによって、溶液塗工厚みを360μmに調整し、塗布速度10mm/秒にて、上記脱泡ペーストを電気二重層キャパシタ用エッチングアルミニウム箔(宝泉社製、30CB)上に塗布した。ついで、室温(25℃)で45分間放置した後、温度100℃のホットプレート上で乾燥して、多孔質のポリアニリンシート電極(正極)を作製した。活物質層の厚みは100μmであった。
次に、この正極シートを35mm×27mmの寸法に裁断し、正極シートの活物質層が27mm×27mmの面積になるように活物質層の一部を除去して、その一部の活物質層を除去した部分を、電流取出し用のタブ電極取付場所として、アルミニウムタブをスポット溶接で取り付けてシート状の旗型正極を作製した。
[セパレータの準備]
セパレータとしては、不織布(ニッポン高度紙工業社製、TF40−50、厚み50μm、空隙率70%)を用いた。
[負極1の準備]
ピッチコークスを窒素雰囲気下で1400℃、3時間焼成し、粒子径範囲が5〜40μmの粉末状ソフトカーボンを得た。上記ソフトカーボン15g、スチレン−ブタジエンゴム系水系エマルジョン溶液(JSR社製、TRD2001、濃度48重量%)0.481g、アンモニウムカルボキシメチルセルロース(ダイセルファインケム社製、DN−800H)0.154g及び蒸留水15.65gを秤量後、撹拌棒を用いて撹拌した。
次に、薄膜旋回型高速ミキサー(プライミックス社製、フィルミックス40−40型)を用いて、周速20m/secにて30sec撹拌し、流動性を有するペーストを得た。このペーストを自転公転真空ミキサー(シンキー社製、あわとり練太郎ARV−310)を用いて、更に3分間撹拌脱泡操作を行った。
その後、このペーストを厚み18μmの銅箔上に、自動塗工装置(テスター産業社製、PI−1210)とバーコーター(テスター産業社製、シャフト径φ12.7mm、ROD No.38)を用いて塗工した。流動性が無くなるまで室温にて乾燥後、120℃にて30分加熱乾燥処理を行った。次に、このようにして得られたシート電極を、更に80℃にて3時間真空乾燥処理を行なった。
銅箔上の単位面積あたりのソフトカーボン重量は、4.8mg/cm2、活物質層の厚みは60μmであった。
次に、この負極用シートを35mm×29mmの寸法に裁断し、活物質層が29mm×29mmの面積になるように負極用シートの活物質層の一部を除去して、その一部の活物質層を除去した部分を、電流取出し用のタブ電極取付場所として、ニッケルタブをスポット溶接で取り付けて旗型負極1を作製した。
[負極2の準備]
比較例用の負極2として、負極活物質として天然球状グラファイト(黒鉛)を含む負極シート(パイオトレック社製、0.8mAh/cm2)を用いた。次に上記旗型負極1と同様にして、旗型負極2を作製した。
[電解液iの準備]
電解液iとして、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを1:2の体積比で含む溶媒(EC2DMC)に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を2mol/Lの濃度で溶解させたものを準備した。
[電解液iiの準備]
電解液iiとして、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを1:2の体積比で含む溶媒(EC2DMC)に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を2mol/Lの濃度で溶解させ、これにさらに、負極被膜形成剤として、ビニレンカーボネート(VC)を10重量%となるように配合した。
〔実施例1〕
<ラミネートセルの作製>
上記旗型正極、旗型負極1およびセパレータを用いて積層体を組み立てた。具体的には、まず旗型正極およびセパレータを真空乾燥機にて150℃で2時間、真空乾燥した。次に旗型負極1を真空乾燥機にて80℃で2時間、真空乾燥した。次に乾燥した旗型正極、セパレータおよび旗型負極1を露点−70℃以下に管理したグローブボックス内に入れた。次に、旗型正極と旗型負極1の間にセパレータ3枚が配置されるように積層し、積層体を得た。積層体をアルミニウムラミネートパッケージに入れた後、電解液を注入した。最後に、電流取出し用のタブは外部に出るようにして、パッケージを封口して、実施例1の非水電解液二次電池(ラミネートセル)を得た。
〔実施例2、比較例1〕
旗型正極,旗型負極および電解液を、下記の表1に示すものに代えた。それ以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池(ラミネートセル)を作製した。
Figure 2015144072
このようにして得られた実施例および比較例の非水電解液二次電池に関し、下記の基準に従い、25℃における初期放電容量の測定と、60℃におけるサイクル特性の測定を行った。その結果をそれぞれ表2および図1に示す。
≪25℃における初期放電容量の測定≫
実施例および比較例の非水電解液二次電池を25℃の恒温槽内に静置し、電池充放電装置(東洋システム社製、TOSCAT−3000)を用いて、定電流−定電圧充電/定電流放電モードにて測定を行う。充電は、3.8Vに到達するまでは、0.05Cに相当する定電流で充電し、3.8Vに到達した後は、3.8V定電圧で電流値が0.05C相当の20%に減衰するまで充電を行って、これを、上限電圧を3.8Vとした満充電とし、ついで0.05Cに相当する電流値で電圧が2.0Vに到達するまで放電を行って、これらを1充放電サイクルとした。上記非水電解液二次電池について、25℃における2サイクル目で得られた放電容量を初期放電容量(mAh)とするとともに、活物質量当たりの放電容量密度(mAh/g)を算出した。その結果を下記表2に示す。
ここで0.05Cとは、20時間率を示しており、20時間率とは、電池を充電あるいは放電するのに20時間を要する電流値という意味である。
Figure 2015144072
≪60℃におけるサイクル特性の測定≫
上記25℃における初期放電容量を測定した非水電解液二次電池を、60℃の恒温槽に設置する。
3.8Vに到達するまでは、0.2C相当の定電流で充電し、3.8V到達後は3.8V定電圧で電流値が0.2C相当の20%に減衰するまで充電を行ってこれを満充電とし、ついで0.2Cに相当する電流値で電圧が2.0Vに到達するまで放電を行い、この時の放電容量を60℃サイクル試験開始時の初期放電容量とした。
次に、(1)1C相当の電流値で3.8Vまで充電し、3.8V到達後は3.8V定電圧で電流値が1C相当の20%に減衰するまで充電を行い、(2)1C相当の電流値で25℃の初期放電容量の55%相当を放電して電池の充電状態を調整し、(3)25℃の初期放電容量の10%相当の充放電を10C相当の電流値で1000サイクル行い、(4)0.2C相当の電流値での放電容量測定(60℃サイクル試験開始時の初期容量測定と同様の方法)、という上記(1)〜(4)の手順を繰り返し、1000サイクルごとに0.2C相当の電流値での放電容量を測定した。
そして、60℃サイクル試験開始時の初期放電容量を100%とした場合の、これらの放電容量の残比率を、放電容量維持率(%)とし、その結果を図1に示す。
上記表2の結果より、ソフトカーボンを負極に用いた実施例1,2は、黒鉛負極の比較例1と同程度の優れた放電容量密度を示すことが分かった。
そして、図1の測定結果より、比較例1の非水電解液二次電池はサイクル数の増加に伴い容量の低下が著しく、6000サイクルで放電容量維持率が約20%に低下しているのに対し、実施例1,2の非水電解液二次電池はサイクル数が増加しても容量の低下が抑えられ、その放電容量維持率は約80%も有り、優れたサイクル特性を示すことが分かった。
しかしながら、負極被膜形成剤の使用は、比較例1のような黒鉛負極の場合、負極の安定化に大きな改善傾向を示すものであるが、実施例1および2の対比より、負極被膜形成剤の使用はソフトカーボン含有負極の場合、容量密度や60℃におけるサイクル特性の放電容量維持率に殆ど影響を与えないことが分かった。
本発明の非水電解液二次電池は、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池として好適に使用できる。また、本発明の非水電解液二次電池は、従来の二次電池と同様の用途に使用でき、例えば、携帯型PC、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等の携帯用電子機器や、ハイブリッド電気自動車、電気自動車、燃料電池自動車等の駆動用電源に広く用いられる。

Claims (5)

  1. 電解質層と、これを挟んで対向して設けられた正極と負極を有する非水電解液二次電池であって、正極が、導電性ポリマー(a)と、ポリカルボン酸およびその金属塩の少なくとも一方(b)とを含み、負極がソフトカーボンを含むことを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 上記導電性ポリマー(a)が、ポリアニリンおよびポリアニリン誘導体の少なくとも一方である請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 上記(b)のポリカルボン酸が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニル安息香酸、ポリアリル安息香酸、ポリメタリル安息香酸、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、アルギン酸、カルボキシルメチルセルロース、およびこれらポリマーの繰り返し単位の少なくとも1種を含む共重合体から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の非水電解液二次電池。
  4. 上記(b)のポリカルボン酸金属塩が、ポリカルボン酸アルカリ金属塩およびポリカルボン酸アルカリ土類金属塩の少なくとも一方である請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池。
  5. 上記ソフトカーボンが、コークスを2000℃以下の温度で熱処理することで得られる低温焼成コークスである請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池。
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