JP2015143567A - 機器取付装置及び室内機 - Google Patents

Abstract

【課題】吊りボルトと機器とを固定し、機器及び吊りボルトの揺れを抑えることができる機器取付装置等を得る。
【解決手段】天井４から吊り下げられた吊りボルト５を通す穴を有し、吊り下げ対象の機器となる室内機２に設置される吊り金具１を備え、吊り金具１が室内機２の筐体側面の天井側に設置され、例えば地震等の発生において吊りボルトの揺れの基点となる部分と機器の設置位置との距離を短くすることができる。
【選択図】図１

Description

この発明は、天井等から吊り下げて機器を設置するための機器取付装置に係るものである。

建物の天井、天井裏、梁等（以下、天井とする）に機器等を吊り下げて固定する場合、例えば、天井に吊りボルトを取り付けて、機器等を吊りボルトに固定する。例えば、空気調和装置の室内側に据え付ける室内機においては、吊りボルトに、室内機が有する吊り金具を固定して、室内機を天井から吊す。ここで、従来、吊り金具は、鉛直方向において、機器の下側となる位置（設置されると室内（床面）に近い側の位置）に設けられていることが多い（例えば、特許文献１参照）。

特開２０１３−２２４７７１号公報（図２）

従来、室内機を建物に据付する（取付ける）場合には、天井と機器とが離れていると、吊りボルトの揺れが大きく、破壊される可能性がある。また、筋交いを加えて強度を上げたとしても、筋交いの下側取付部分を基点に吊りボルトが揺れて破壊される可能性がある。また、場合によっては吊り下げられた機器が落下してしまう可能性がある。

この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、吊りボルトと機器とを固定し、機器及び吊りボルトの揺れを抑えることができる機器取付装置等を得ることを目的とする。

この発明に係る機器取付装置は、天井から吊り下げられた吊りボルトを通す穴を有し、吊り下げ対象の機器に設置される吊り金具を備え、吊り金具が機器の筐体側面の天井側に設置されるものである。

この発明の機器取付装置においては、吊りボルトによる吊り下げ対象の機器において、機器筐体側面の天井側の位置に吊り金具が設置されるようにしたので、地震等の発生において吊りボルトの揺れの基点となる部分と機器の設置位置との距離を短くすることができ、揺れを小さくすることができる。

この発明の実施の形態１における機器取付装置が取り付けられた機器の天井への取付状態を示す図である。 この発明の実施の形態１に係る吊り金具１を説明する図である。 この発明の実施の形態２に係る機器取付装置を設置した機器を示す図である。 この発明の実施の形態３に係る機器取付装置を有する機器の天井への取付状態を示す図である。 この発明の実施の形態４に係る機器取付装置を有する機器を示す図である。 この発明の実施の形態４に係る追加吊り金具３の構造を説明する図である。 この発明の実施の形態６に係る機器取付装置を設置した機器を示す図である。

以下、この発明の実施の形態に係る空気調和装置について図面等を参照しながら説明する。以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。特に構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適用することができる。また、図における上方を「上側」とし、下方を「下側」として説明する。さらに、添字で区別等している複数の同種の機器等について、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字を省略して記載する場合がある。そして、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。

実施の形態１．
図１はこの発明の実施の形態１における機器取付装置が取り付けられた機器の天井への取付状態を示す図である。ここでは、天井等から吊す吊り下げ対象の機器を、空気調和装置等の室内機であるものとして説明する。図１に示すように、本実施の形態における吊り下げ対象の機器は、ほぼ直方体の形状の筐体（ケーシング）を有し、天井４に埋め込んで設置するカセット型の室内機２であるものとする。このため、室内機２の下面側が空調対象空間となる室内に面しており、空気の吸込口及び吹出口を有している。室内機２は、例えば、冷媒と空気とを熱交換する熱交換器、吸込口から熱交換器を通過させて吹出口に送る空気の流れを形成する送風機等を搭載している（いずれも図示せず）。

また、吊りボルト５は、一端を天井４に取り付けられて固定される。本実施の形態では、室内機２の４箇所に吊り金具１が設置されるため、４本の吊りボルト５が天井４に取り付けられて吊り下がっている。例えば、室内機２の設置位置との関係で、天井４と室内機２との距離が長くなるような場合には、耐震性を考慮し、図１に示すように筋交い６により吊りボルト５同士をつないで補強する。

図２はこの発明の実施の形態１に係る吊り金具１を説明する図である。図２（ａ）に示すように、本実施の形態の室内機２は、外側面の４箇所（四隅）が面取りされた形状をしている。そして、吊り金具１は、室内機２の面取りされた部分において室内機２に設置（固定）されている。ここで、本実施の形態では、４箇所の吊り金具１はすべて同じ吊り金具１を用いている。吊り金具１は室内機２（機器）を吊りボルト５に固定するための機器取付装置の一部又は全部の部品となる。図１及び図２（ｂ）に示すように、本実施の形態においては、室内機２の筐体側面において、重力方向（上下方向）の上側（天井４側）の位置に吊り金具１を設置する。例えば、重力方向において室内機２の重心Ｇの位置よりも高い位置で取り付けるとよい。ここで、室内機２に設置する吊り金具１は、室内機２の本体内下部に取り付けられるドレンパン（図示せず）と接続して、ドレンパンの支持等も行っている。このため、図２（ｂ）では、ドレンパンとの接続部分とを一体形成した吊り金具１を示しているが、これに限定するものではない。

ここで、特に限定するものではないが、本実施の形態では、吊り金具１の平面部１１と室内機２の筐体における天板（筐体の上面）とが、高さ方向において、ほぼ同じ位置となるようにする。例えば、筐体上面よりも高い位置に取り付けていると、吊り下げ前の室内機２（機器）搬送等において邪魔になる可能性があるからである。また、室内機２より高い位置で吊り金具１と吊りボルト５とを固定しても、固定位置と室内機２とが離れすぎると、揺れを抑制する効果が薄れるからである。

さらに、図２（ｂ）に示すように、吊り金具１の平面部１１は、吊りボルト５を通す空間を形成する長穴１２を有している。本実施の形態では４本の吊りボルト５を対応する長穴１２に通すことになるが、長穴１２にしておくことにより、長穴１２内の吊りボルト５の自由度が上がるので、吊りボルト５との位置決めをした後、他の吊りボルト５の位置決め等を行う作業等がしやすくなる。また、あそびが設けられているので、吊り金具１の変形等を抑えることができる。

また、本実施の形態では、平面部１１側面を切り欠いて、長穴１２と連通して吊りボルト５を長穴１２に導くスリット１３を有している。スリット１３により、平面部１１の側面側から簡単に長穴１２に吊りボルト５を導くことができる。吊りボルト５が長穴１２に通されると、ワッシャー、ナット等（図示せず）により吊り金具１と吊りボルト５とを締め付けて固定することで、室内機２と吊りボルト５とが固定される。また、平面部１１には、スリット１３が切り欠かれた側面にワッシャー係止部１４が形成されている。ワッシャー係止部１４は、吊りボルト５に取付けられたワッシャーを係止して、吊りボルト５が長穴１２及びスリット１３から抜けてしまうことを防止する爪となる。また、垂直部１５はねじ穴等を有し、吊り金具１を室内機２に設置するための設置面となる。

以上のように、実施の形態１によれば、天井４から吊り下がった吊りボルト５と室内機２（機器）とを固定するにあたり、室内機２の上側の位置（例えば重心Ｇより上側の位置）に、機器取付装置となる吊り金具１を設置することにより、例えば地震等による機器の揺れを抑えることができる。一般的に、機器の揺れる大きさは、基点と機器との固定位置との距離の三乗に比例して効く。したがって、天井４（筋交い６を有している場合には筋交い６の下側取付部分）と吊り金具１との距離が少しでも短くなると揺れが劇的に小さくなる。このため、本実施の形態のように、室内機２の上側に吊り金具１を設置する効果は大きく、耐震性を高めることができる。

実施の形態２．
図３はこの発明の実施の形態２に係る機器取付装置を設置した機器を示す図である。図３において、図１及び図２と同じ符号を付している機器等については、実施の形態１と同様の動作等を行う。図３において、吊り金具１Ａは室内機２（機器）の上側に設置された機器取付装置であり、吊り金具１Ｂは室内機２の下側（床面側。例えば室内機２の重心Ｇよりも下側）に設置された機器取付装置である。

上述した実施の形態１では、室内機２の上側に機器取付装置となる吊り金具１を設置した。本実施の形態では、室内機２（機器）の上側だけでなく、下側（例えば重心Ｇよりも下側）にも吊り金具１を設置するようにしたものである。室内機２の四隅の上側及び下側にそれぞれ設置した吊り金具１Ａ及び吊り金具１Ｂと各吊りボルト５とを固定するようにしたので、耐震性を高めつつ、より強固な固定を行うことができる。ここで、本実施の形態では、室内機２に設置された吊り金具１Ａ及び吊り金具１Ｂの両方を吊りボルト５と固定するようにしているが、これに限定するものではない。例えば、強固な固定が確保されている場合等においては、上側に設置された吊り金具１Ａだけを吊りボルト５と固定してもよい。また、天井スラブの低いところ等においては吊り金具１Ｂを吊りボルト５と固定してもよい。吊り金具１Ａ又は吊り金具１Ｂのどちらを使用して固定するかは天井スラブの高さによって選択することができる。そして、図３では吊り金具１Ａと吊り金具１Ｂとを分離した構造としているが、つなげた構造にしてもよい。

実施の形態３．
図４はこの発明の実施の形態３に係る機器取付装置を有する機器の天井への取付状態を示す図である。上述した実施の形態２では、室内機２（機器）の上側と下側とに吊り金具１を設置するようにした。本実施の形態では、さらに、室内機２の上側に設置された吊り金具１Ａと下側に設置された吊り金具１Ｂとを同じ吊りボルト５に固定できるように、上側の吊り金具１Ａと下側の吊り金具１Ｂとが高さ方向において同列となるように設置する。したがって吊り金具１Ａの長穴１２と吊り金具１Ｂの長穴１２とが同軸上に配置される。

例えば実施の形態２では８本の吊りボルト５が必要であったが、吊り金具１Ａと吊り金具１Ｂとを同じ吊りボルト５に固定するため、室内機２全体では、４本の吊りボルト５と固定するだけで強固な固定を行うことができる。また、吊り金具１Ａと吊り金具１Ｂとの間の吊りボルト５が柱として機能するため、室内機２と強固に固定し、地震等による揺れを少なくすることができる。ここで、本実施の形態においても、吊り金具１Ａ及び吊り金具１Ｂの両方を吊りボルト５と固定するようにしているが、これに限定するものではない。例えば、上側に設置された吊り金具１Ａだけを吊りボルト５と固定してもよい。

実施の形態４．
図５はこの発明の実施の形態４に係る機器取付装置を有する機器を示す図である。図５（ａ）は、機器における機器取付装置の設置面を正面にして見た図である。図５（ｂ）は設置面を中心に示す図である。本実施の形態は、例えば出荷時等において機器に最初から設置されている吊り金具１に対して、設置現場において、追加して設置可能な追加吊り金具３を上側の吊り金具として設置するものである。

図６はこの発明の実施の形態４に係る追加吊り金具３の構造を説明する図である。図６に示すように、平面部３１、長穴３２、スリット３３、ワッシャー係止部３４、引掛け部３５、引掛け部長穴３６、引掛け部スリット３７及びつなぎ部３８を有している。長穴３２は吊りボルト５を通す空間を形成し、スリット３３は吊りボルト５を長穴３２に導くために平面部３１に形成されている。また、平面部３１は、実施の形態１の吊り金具１と同様に、設置されると、室内機２の筐体における天板と高さ方向においてほぼ同じ位置になる。また、ワッシャー係止部３４は、ワッシャーを係止して吊りボルト５の抜けを防ぐ。

また、室内機２の下側に設置されている吊り金具１の平面部１１の下面側から引掛けて係止させることで、吊り金具１と一体的になるようにし、追加吊り金具３の補強等をはかる引掛け部３５を有している。引掛け部長穴３６及び引掛け部スリット３７は、吊り金具１の長穴１２及びスリット１３に対応する形状として、長穴１２への吊りボルト５の挿入を邪魔しないようにする。つなぎ部３８は、平面部３１と引掛け部３５とを接続し、また、追加吊り金具３を室内機２に設置するための設置面となる。

以上のように、実施の形態４においては、追加吊り金具３を機器取付装置とすることで、室内機２（機器）の設置現場において、必要に応じて追加して設置することができる。また、追加吊り金具３は引掛け部３５を有し、室内機２に設置されている吊り金具１に引掛けて一体的に形成することで、追加吊り金具３の補強等を行うことができる。ここで、図６等では、機器の上側に設置する機器取付装置を追加するものとして説明したが、機器の下側に設置する機器取付装置を追加するものとしてもよい。また、追加吊り金具３及び吊り金具１の両方を吊りボルト５と固定するようにしているが、これに限定するものではない。例えば、強固な固定が確保されている場合等においては、上側に設置される追加吊り金具３だけを吊りボルト５と固定するようにしてもよい。

実施の形態５．
上述の実施の形態では、機器（室内機２）に設置する複数の機器取付装置（吊り金具１、追加吊り金具３）について、同じ吊り金具１、追加吊り金具３を用いるものとして説明したが、特に限定するものではない。ただ、同じ機器取付装置を用いた方が、コストが低減されるため、少なくとも2つ以上は同じ機器取付装置を用いることが望ましい。

上述した実施の形態では、筋交い６を設けているが、筋交い６を設置できない環境等の場合には、筋交い６を設けなくてもよい。なお、この発明は機器取付けに限定したもので、筋交い等、吊りボルトの仕様に関わるものではない。

また、吊り金具１において、長穴１２及びスリット１３及びワッシャー係止部１４を有しているが、この発明は少なくとも吊りボルト５を通す穴が形成されていれば、スリット等を設けなくともよい。

実施の形態６．
図７はこの発明の実施の形態６に係る機器取付装置を設置した機器を示す図である。上述した各実施の形態の機器取付装置では、特に規定しなかったが、本実施の形態では、吊り金具１Ａを室内機２にねじで固定するために、吊り金具１Ａに設けるねじ穴の形状を長穴にしたねじ固定用長穴部４１とするものである。

吊り金具１Ａと室内機２とを固定する固定ねじのねじ穴を長穴形状にすることで、室内機２に対して吊り金具１Ａの固定位置を変化させることができる。吊り金具１Ａを変化させることができることで、例えば、室内機２と吊りボルト５との位置関係を変えることなく、吊り金具１Ａと吊りボルト５とを固定する位置の位置関係の自由度を高くすることができる。

例えば吊り金具１Ａを室内機２の上側となるように移動してねじで固定することで、吊り金具１と吊りボルト５との固定位置をできるだけ短くし、室内機２の振動を低減する効果を期待できる。これは吊り金具１が可動式である場合に限定するものではなく、あらかじめ室内機２の上側に固定しておいてもよい。

ここで、図７では、ねじ固定用長穴部４１の長穴が重力方向（上下方向）を向くように長穴を設け、上下方向に位置関係の調整をできるようにした図を示しているが、これに限定するものではない。例えば、水平方向（左右方向）を向くように長穴を設けるようにすることで、水平方向に位置関係の調整をできるようにしてもよい。また、重力方向及び水平方向を向く長穴を２つ合わせた十字型の穴を設けるようにしてもよい。水平方向に長穴が向くことにより、天井４に取り付けられた既存の吊りボルト５の位置を変えずに室内機２を据え付けることができる。

上述の実施の形態では、機器取付装置となる吊り金具１又は追加吊り金具３を設置する吊り下げ対象の機器として、天井４に埋め込んで据付けるカセット型の室内機２について説明したが、これに限定するものではない。天井吊り下げ型であれば、埋め込み型である必要はない。また、室内機に限らず、照明機器、音響機器等を吊り下げる場合にも適用することができる。

１，１Ａ，１Ｂ 吊り金具、２ 室内機、３ 追加吊り金具、４ 天井、５ 吊りボルト、６ 筋交い、１１ 平面部、１２ 長穴、１３ スリット、１４ ワッシャー係止部、１５ 垂直部、３１ 平面部、３２ 長穴、３３ スリット、３４ ワッシャー係止部、３５ 引掛け部、３６ 引掛け部長穴、３７ 引掛け部スリット、３８ つなぎ部、４１ ねじ固定用長穴部。

Claims (8)

1. 天井から吊り下げられた吊りボルトを通す穴を有し、吊り下げ対象の機器に設置される吊り金具を備え、
   該吊り金具が前記機器の筐体側面の天井側に設置されることを特徴とする機器取付装置。
2. 前記吊り金具は、前記天井に沿った面に前記穴が形成された平面部を有し、
   重力方向における前記平面部の位置が、前記機器の筐体上面と同じ位置となるように前記吊り金具が設置されることを特徴とする請求項１に記載の機器取付装置。
3. 前記吊り金具が前記機器の筐体側面の床面側にさらに設置されることを特徴とする請求項１又は２に記載の機器取付装置。
4. 同じ前記吊りボルトと固定されるように、天井側に設置される吊り金具と床面側に設置される吊り金具とが前記機器の筐体側面に設置されることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の機器取付装置。
5. 天井側に設置される吊り金具又は床面側に設置される吊り金具の一方が、前記機器にあらかじめ設置された前記吊り金具に引掛けて係止させる引掛け部を有する追加用吊り金具であることを特徴とする請求項３又は４に記載の機器取付装置。
6. 前記機器の複数箇所に設置される吊り金具のうち、少なくとも２以上を同じ吊り金具で構成することを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載の機器取付装置。
7. 前記吊り金具は、前記機器の筐体とねじで固定するねじ固定用長穴を有することを特徴とする請求項１〜６のいずれか一項に記載の機器取付装置。
8. 前記吊り下げ対象の機器となり、請求項１〜７のいずれか一項に記載の機器取付装置が設置されることを特徴とする室内機。

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