JP2013137150A - 空調用室内機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明に係る天井吊型の空調用室内機は、室内機本体1と、被空調室内の天井2に吊下げられた上側吊ボルト3と、室内機本体1に取り付けられた下側吊ボルト6と、室内機本体1からの振動を減衰させるために上側吊ボルト3と下側吊ボルト6との間に介設された制振機構5と、室内機本体1の横揺れを抑制するために制振機構5の上方位置における室内機本体1に配備された横揺れ抑制機構20とを備えているものである。
【選択図】図1
Description
また、機器(室内機や室外機など)廻りの配管では、地震時に想定される機器の変位量に対処できるよう、配管の可撓性や変位吸収継手の必要性などが検討され、機器との接続部が損傷しない位置に耐震支持材が設けられている。配管の耐震支持材の設置間隔は、配管本体や支持材、躯体との取付部などに生じる応力度や変形が許容値以下となるように決定されている(例えば、非特許文献4参照)。
しかしながら、地震に起因した水平方向の外力が天井吊機材に加わると、天井吊機材は簡単に水平方向に揺れる。また、垂直方向の外力が天井吊機材に加わると、天井吊機材は上下に動く。そこで、天井吊機材は、天井吊ボルトで垂直に吊られるとともに斜め支持材を用いて斜め方向にも支持固定されている。これにより、水平方向と垂直方向の振れ止めを行う構造になっている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来技術のように、建築物への防振機能と室内機の耐震機能を両立させようとする場合に、防振装置を用い、かつ、天井吊ボルトで垂直に吊るとともに斜め支持材を用いて斜め方向に支持固定することにより、水平方向と垂直方向の振れ止めを行なおうとする構造では、地震に起因した水平方向の外力や垂直方向の外力が加わると、防振装置に用いている弾性体の振動吸収範囲を超えるため、簡単に横揺れや上下の振動が室内機本体に加わり、室内機本体が大きく揺れることで室内機本体の落下や現地接続配管の破損、あるいは他の天井吊機器や建築物との接触による破損が発生するという問題があった。
因みに、防振装置によって吸収しようとする室内機本体の振動は、加速度が0.001〜1gal未満程度、周波数が数Hz〜数百Hz程度、かつ、振幅が1nm〜100μm程度の振動である。これに対して、耐震支持によって抑制される地震振動は、加速度が1〜1000gal程度、周波数が0.1〜数十Hz程度、かつ、振幅が100μm〜1m程度であるため、地震振動を防振装置で吸収することはできなかったのである。
実施の形態1.
図1〜図4において、この実施形態1に係る空調用室内機は、内部に冷媒回路の利用側熱交換器や送風機などを内蔵し箱形に形成された室内機本体1と、建物における被空調室内の天井2の平面視四隅にボルトなどの固定治具(図示省略)により上端部を吊下げられた上側吊ボルト3,3,3,3と、室内機本体1の平面視四隅の下部側面に下端部を取り付けられた下側吊ボルト6,6,6,6と、室内機本体1からの振動を減衰させるために各上側吊ボルト3の下端部と各下側吊ボルト6の上端部との間に介設された制振機構5,5,5,5と、室内機本体1の横揺れを抑制するために各制振機構5の上方位置における室内機本体1の側方位置に配備された横揺れ抑制機構20,20,20,20と、を備えて構成されている。各上側吊ボルト3における横揺れ抑制機構20の上方位置には、それぞれ固定用治具18が固着されている。各固定用治具18には、一端部を天井2に固定された耐震支持金具8の他端部がそれぞれ固定される。
尚、上記の実施の形態1では、振れ止め板金9の横方向の可動範囲を規制する例を示したが、振れ止め板金9の上下方向の可動範囲を規制するようにした実施の形態2を以下に説明する。
この実施の形態2の空調用室内機では、図6に示すように、縦揺れ抑制機構21が、上側吊ボルト3における振れ止め板金9よりも上方位置に配備された座付きナット13で構成されている。この座付きナット13は、上下に揺れた振れ止め板金9の下面に当接して室内機本体1の縦揺れ(図6中の矢印19で示す方向の揺れ)を抑制するようになっている。
上記の実施の形態1〜2では、振れ止め板金9の貫通孔10Aと上側吊ボルト3とが地震発生時に金属同士の接触によって揺れを抑制するようにされているが、金属同士の接触によることなく揺れの抑制を行なえる実施の形態3を以下に説明する。
この実施の形態3の空調用室内機では、図7に示すように、振れ止め板金9の貫通孔10Aの内周面10Bと上側吊ボルト3の外周面との隙間10に、ゴム製または軟質合成樹脂製などの緩衝部材14が配備されている。この緩衝部材14は例えば糸巻き用スプールに似た形状に形成され、貫通孔10Aの内周面10Bに嵌め付けられている。
上記の実施の形態1〜3では、横揺れ抑制機構20の振れ止め板金9が室内機本体1の上部に設けられているが、室内機本体1の重心を考慮して振動を抑制する実施の形態4を以下に説明する。
この実施の形態4の空調用室内機では、図8に示すように、横揺れ抑制機構20の振れ止め板金9を室内機本体1の重心17と等しい高さで室内機本体1に、横揺れ抑制機構20の振れ止め板金9が取り付けられている。
ところで、上記の実施形態1〜4では、室内機本体1と天井2との間に比較的大きな空間を持たせている。しかしながら、本発明は、室内機本体1と天井2との間を狭くしたものも含まれる。すなわち、この実施の形態5の空調用室内機では、図9に示すように、室内機本体1が天井2にほぼ接触するかのように近づけて配置され、天井2と室内機本体1との間の空間が極めて狭くなっている。
2 天井
3 上側吊ボルト
4 弾性体
5 制振機構
5A 筒状フレーム
6 下側吊ボルト
7 吊り金具
9 振れ止め板金(板部材)
10 隙間
10A 貫通孔
10B 内周面
13 座付きナット
14 緩衝部材
15 被空調室内
16 矢印
17 重心
19 矢印
20 横揺れ抑制機構
21 縦揺れ抑制機構
Claims (3)
- 室内機本体と、被空調室内の天井に吊下げられた上側吊ボルトと、前記室内機本体に取り付けられた下側吊ボルトと、前記室内機本体からの振動を減衰させるために前記上側吊ボルトと前記下側吊ボルトとの間に介設された制振機構と、前記室内機本体の横揺れを抑制するために前記制振機構の上方位置における前記室内機本体に配備された横揺れ抑制機構と、を備えていることを特徴とする空調用室内機。
- 横揺れ抑制機構は室内機本体に取り付けられた板部材を備えて構成され、前記板部材には、上側吊ボルトが隙間を有して挿通される貫通孔が形成され、前記上側吊ボルトにおける板部材よりも上方位置または下方位置、あるいは板部材よりも上方位置および下方位置に、縦揺れした前記板部材に当接して前記室内機本体の縦揺れを抑制する縦揺れ抑制機構が配備されていることを特徴とする請求項1に記載の空調用室内機。
- 板部材の貫通孔の内周面と上側吊ボルトとの隙間に、緩衝部材が配備されていることを特徴とする請求項2に記載の空調用室内機。
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