JP2015021532A - 減震ストッパ構造並びに当該減震ストッパ構造を備えた防振架台 - Google Patents

減震ストッパ構造並びに当該減震ストッパ構造を備えた防振架台 Download PDF

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Abstract

【課題】容易な隙間管理が可能な減震ストッパ構造。
【解決手段】第1架台と第2架台とこれらの間に介装される防振部材とを有し第1及び第2架台の何れか一方が設置面に固定される防振架台において、第1架台に取り付けられ、第1架台と第2架台の間において水平に延び貫通孔を備えた水平板部を有するストッパ板部材と、第2架台に取り付けられ第1架台側に延び貫通孔に挿通されるストッパボルトと、ストッパボルトに螺入され水平板部の上下に配置され個々に上下に螺送可能に備えられた一対のストッパナットと、ストッパボルトの上部及び下部に配置され一対のストッパナットの最大離間距離を制限する一対の螺送制限部材とを備え、ストッパ板部材の第1架台への取り付けもしくはストッパボルトの第2架台への取り付けのうち少なくとも一方が、高さ調整可能であることを特徴とする減震ストッパ構造。
【選択図】図5

Description

この発明は、減震ストッパ構造並びに当該減震ストッパ構造を備えた防振架台に関するものである。
従来から、発電設備又は屋外空調機等の機器(以下、「設備機器」という。)を載置することにより、当該設備機器の稼動による振動が設置面に伝わることを抑制する防振架台が種々提案されている。
一般的な防振架台は、設備機器を設置する上部架台と、床スラブ等の設置面に固定する下部架台と、両架台間に介装された防振部材を備えており、設備機器の稼動により発生する振動を防振部材で吸収することで、設置面に振動が伝わることを抑制する。
しかしながら、地震や強風などが発生した場合には、設備機器が所定以上の振幅で揺れ、転倒する危険性が生じる。そこで、設備機器が所定以上の振幅で揺れることを防ぐ目的で、防振架台には種々のストッパ構造を備えている。
特許文献1には、図9(a)に示す、耐震ストッパ構造120を備え、上下引き抜き力に抵抗する防振架台110の構成が開示されている。
この防振架台110は、床スラブ111に設置された下部架台114上に防振部材113を介して上部架台112が備えられる。
図9(b)に防振架台110の耐震ストッパ構造120を拡大し、一部を断面として示す。
この耐震ストッパ構造120は、上部架台112にナット130、130によって固定され垂設されるストッパボルト121を備え、このストッパボルト121を下部架台114に設けられた耐震枠116の貫通孔116aに挿通させた構成を有している。
さらに、耐震枠116を挟んで上下に、ストッパボルト121に挿通されて耐震用弾性部材115、115が配設されている。耐震枠116はコの字型の枠材からなり、その上部壁116Aに形成されている貫通孔116aを挿通してストッパボルト121が垂直に設けられている。耐震用弾性部材115は、円筒部115aとフランジ部115bとからなり、円筒部115aにストッパボルト121を挿通して耐震用弾性部材115、115が上部壁116Aの上下を挟むように配置されている。フランジ部115bの外周縁には、その周方向に複数の突部115cが形成されている。耐震用弾性部材115、115は、突部115c、115cを上部壁116A側に向けて、上下逆向きに配置されている。貫通孔116aと各耐震用弾性部材115、115の円筒部115a、115aとの間には、水平方向に一定の隙間eが設けられている。また、耐震枠116と上下の耐震用弾性部材115、115との間には、鉛直方向に一定の隙間f、fが設けられている。
この防振架台110において、防振機能と耐震機能とは互いに独立して機能する。即ち、設備機器の稼動により発生する振動を防振部材113で吸収する機能(防振機能)は、上部架台112と下部架台114との間に介装された防振部材113によって果たされ、地震や強風によって設備機器が転倒することを防ぐ機能(耐震機能)は、上述の耐震ストッパ構造120によって果たされる。
平時において、防振機能を発揮するために、耐震ストッパ構造120は、耐震枠116と水平方向の隙間e及び鉛直方向の隙間fを設け、上部架台112と下部架台114とを絶縁する構造となっている。
この耐震ストッパ構造120によれば、大きな揺れが発生した際に耐震用弾性部材115、115が耐震枠116に衝突し、上部架台112が所定以上の振幅で振動することを防止し、また、所定角度以上傾くことを防止する。加えて、平時においては、水平方向の隙間e及び鉛直方向の隙間fによって、上部架台112と下部架台114が絶縁されており、防振機能を発揮することができる。
特開平7−208542号公報
特許文献1に記載の防振架台110の耐震ストッパ構造120において、耐震枠116と耐震用弾性部材115との間の水平方向の隙間e及び鉛直方向の隙間fを適切に管理する必要がある。
水平方向の隙間e及び鉛直方向の隙間fが狭すぎると、上述した平時における防振機能を十分に果たすことができなくなり、逆に水平方向の隙間e及び鉛直方向の隙間fが広すぎると、地震時の大きな揺れによって、上部架台112と下部架台114とが、大きな振幅をもって相対運動し、耐震枠116と耐震用弾性部材115が衝突時に大きな衝撃力が発生する。この衝撃力によって、耐震ストッパ構造120の構成部材が破損したり、また場合によっては、上部架台112に設置された設備機器が破損する虞がある。
耐震枠116と耐震用弾性部材115との間の水平方向の隙間e及び鉛直方向の隙間fは、当該防振架台110に設置される設備機器の重量等によって適宜設定されるものであるが、例えば1mm程度であることが望ましく、これによって、前記防振機能を果たしつつ、耐震機能を果たす場合においては、衝撃力を抑えることができる。
水平方向の隙間eは、上部架台112及び下部架台114の各部の寸法精度並びに組み付け精度を適切に設計することで適切に設定できるため、現場搬入前の工場での組み立て工程において、適切に管理できる。
しかしながら、耐震ストッパ構造120において、鉛直方向の隙間fは、上部架台112と下部架台114と相対的な位置が決まった後に調整する必要がある。上部架台112と下部架台114との相対的な位置は、当該防振架台110上に設置される設備機器の重量や重心の位置並びに床スラブ111の水平度等、様々な要因に依存するため、工場での組み立て工程において管理することができず、設置現場で設置作業者が個々に設定する必要があった。
発電設備又は屋外空調機等の設備機器は、屋外の壁際などに設置されることが多く、複数個の設備機器を配置する場合においては、隣り合う設備機器同士をできるだけ近接させることで、屋外スペースを有効に使うことが一般的である。したがって、設備機器を載置する防振架台110も、壁際や他の設備機器と近接した場所に設置されることとなるため、作業者が鉛直方向の隙間fを正確に調整することが困難であった。
また、特許文献1に記載の防振架台110は、工場で組み立てを行った後、様々な輸送手段によって設置現場に搬入される。輸送手段としては、トラック等による陸上輸送、船舶による海上輸送、航空機による空輸等が挙げられ、これらの輸送手段は、輸送途中に輸送対象物に様々な振動を与える。防振架台110は、耐震枠116と耐震用弾性部材115との間の水平方向の隙間e及び鉛直方向の隙間fを有するため、輸送途中の振動によって、耐震枠116と耐震用弾性部材115との間に繰り返し衝撃が作用する。この衝撃によって、耐震ストッパ構造120を構成する部材が破損する恐れがある。
本発明は以上の点を鑑みなされたものであって、現場にて隙間を管理する必要がなく工場の組み立て工程で鉛直方向の隙間を管理することが可能であり、しかも輸送途中の振動による破損を防ぐ防振架台の減震ストッパ構造の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の減震ストッパ構造は、第1架台と第2架台とこれらの間に介装される防振部材とを有し、前記第1及び第2架台の何れか一方が設置面に固定され、他方に設備機器を設置し、当該設備機器の振動が設置面に伝わらないようにする防振架台に備え付けられる減震ストッパ構造であって、前記第1架台に取り付けられ、前記第1架台と前記第2架台の間において水平に延び貫通孔を備えた水平板部を有するストッパ板部材と、前記第2架台に取り付けられ、前記第1架台側に延び前記貫通孔に挿通されるストッパボルトと、前記ストッパボルトに螺入され、前記水平板部の上下に配置され、個々に上下に螺送可能に備えられた一対のストッパナットと、前記ストッパボルトの上部及び下部に配置され、前記一対のストッパナットの最大離間距離を制限する一対の螺送制限部材とを備え、前記ストッパ板部材の前記第1架台への取り付け、もしくは前記ストッパボルトの前記第2架台への取り付けのうち少なくとも一方が、高さ調整可能であることを特徴とする。
本発明の減震ストッパ構造は、ストッパ板部材の水平板部に設けられた貫通孔にストッパボルトを挿通する構造により、前記貫通孔とストッパボルトの間に水平方向の隙間を形成している。また、水平板部の上下に配置されたストッパナットが螺送可能であり、螺送により水平板部とストッパナットとの間に鉛直方向の隙間を設けることができる。水平方向及び鉛直方向に隙間が設けられることによって、防振機能を阻害することがなく、地震などが発生し、防振架台に大きな振動が入力された場合において、水平方向においては、貫通孔とストッパボルトが干渉し、鉛直方向においては、水平板部とストッパナットが干渉することで、鉛直及び水平に設けられた隙間以上に、第1架台と第2架台が相対運動することがなく、設備機器の転倒を防止することができる。
本発明の減震ストッパ構造において、前記ストッパ板部材の前記第1架台への取り付け、もしくは前記ストッパボルトの前記第2架台への取り付けのうち少なくとも一方が、高さ調整可能であるため、減震ストッパ構造を備えた防振架台を設置する際に、予め鉛直方向の隙間を調整しておき、設置現場において、設備機器を載置し第1架台と第2架台の距離が決まった後に、減震ストッパ構造を第1架台又は第2架台に固定することができる。即ち、減震ストッパ構造の上下方向の隙間を作業現場で調整する必要がなくなり、設置作業が簡易となる。
また、本発明の減震ストッパ構造は、一対のストッパナットの最大離間距離を制限する一対の螺送制限部材を有する。螺送制限部材によって、予め一対のストッパナットと水平板部との鉛直方向の隙間を設定した状態において、ストッパナット同士の距離がそれ以上離れないようにできる。即ち、ストッパナットと水平板部との鉛直方向の隙間を設定し、その状態をストッパナット同士が最も離間した状態であるようにしておけば、その後にストッパナットを螺送し、ストッパナット同士を近接させても、最も離間した状態に戻せばただちに隙間を設定できるようになる。これにより、工場から設置現場に輸送する際に、一対のストッパナットにより水平板部を挟持し、ストッパボルトとストッパ板部材を固定することが可能となる。したがって、輸送時にこの減震ストッパ構造は、ガタツキがなくなり、輸送時の振動により構成部材が破損することを防止できる。
また、前記減震ストッパ構造は、前記ストッパ板部材が、前記水平板部と、当該水平板部の端部から鉛直方向に延び同方向に長手方向を形成する長孔を備えた鉛直板部とからなり、前記第1架台の側面に、前記長孔を介して前記ストッパ板部材がボルト固定されることが好ましい。
前記ストッパ板部材が、鉛直方向に長手方向を形成する長孔を備えた鉛直板部を有するため、当該長孔において、ボルトによって固定する位置を変えることで、前記ストッパ板部材の高さを長孔の鉛直方向の長さの範囲内で任意の高さの位置(無段階)に調整することができる。
また、前記減震ストッパ構造は、前記ストッパボルトが、ストッパボルト固定部材に固定され、前記ストッパボルト固定部材が、前記第2架台に取り付けられる構造を有し、前記ストッパボルト固定部材が、水平に延び面上から前記ストッパボルトを突出させたストッパボルト固着板部と、前記ストッパボルト固着板部の一端から、前記ストッパボルトの突出する方向と反対側に延び同方向に長手方向を形成する長孔を備えた締結板部とからなり、前記第2架台の側面に、前記長孔を介して前記ストッパボルト固定部材がボルト固定されることが好ましい。
前記ストッパボルトが、ストッパボルト固定部材を介して前記第2架台に固定され、当該ストッパボルト固定部材が、鉛直方向に長手方向を形成する長孔を備えた鉛直板部を有するため、当該長孔において、ボルトによって固定する位置を変えることで、前記ストッパボルトの高さを長孔の鉛直方向の長さの範囲内で任意の高さの位置(無段階)に調整することができる。
また、前記減震ストッパ構造は、前記一対のストッパナットの外形が、矩形状であることが好ましい。
ストッパナットの外形を矩形状とすることにより、ストッパナットを手回しすることができる。したがって、減震ストッパ構造を備えた防振架台を設置現場に設置する際に、ストッパナットを一対の螺送制限部材に接触するまで手回しで回して、容易に鉛直方向の隙間を定めることができる。
また、前記減震ストッパ構造は、前記一対のストッパナットと前記ストッパ板部材の水平板部との間にそれぞれ減衰弾性体からなる一対の減震ワッシャが介装され、前記減震ワッシャと前記水平板部との間、及び前記減震ワッシャと前記ストッパナットの間の何れか一方又は両方に隙間が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、ストッパナットと水平板部の間に減衰弾性体からなる減震ワッシャが介装されている。これによりストッパナットと水平板部が直接衝突することを防ぎ、ストッパナットと水平板部が破損することを防ぐのみならず、衝突時に振動によるエネルギーを吸収し、振動を減衰させることができる。
また、前記減震ストッパ構造は、前記貫通孔の内周面と前記ストッパボルトの外径部との間に減衰弾性体からなる管状の減震管が介装され、前記減震管の外周面と前記貫通孔の内周面との間、及び前記減震管の内周面と前記ストッパボルトの外径部との間の何れか一方又は両方に隙間が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、貫通孔の内周面とストッパボルトの外径部との間に減衰弾性体からなる管状の減震管が介装されている。これにより、貫通孔の内周面とストッパボルトの外径部とが直接衝突することを防ぎ、貫通孔とストッパボルトが破損することを防ぐのみならず、衝突時に振動によるエネルギーを吸収し、振動を減衰させることができる。
本発明の防振架台は、前記減震ストッパ構造を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、現場にて隙間を管理する必要がなく工場の組み立て工程で水平方向の隙間を管理することが可能であり、しかも輸送途中の振動による破損を防ぐ防振架台を提供することができる。
本発明の減震ストッパ構造は、ストッパ板部材の水平板部に設けられた貫通孔にストッパボルトを挿通する構造により、前記貫通孔とストッパボルトの間に水平方向の隙間を形成している。また、水平板部の上下に配置されたストッパナットが螺送可能であり、螺送により水平板部とストッパナットとの間に鉛直方向の隙間を設けることができる。水平方向及び鉛直方向に隙間が設けられることによって、防振機能を阻害することがなく、地震などが発生し、防振架台に大きな振動が入力された場合において、水平方向においては、貫通孔とストッパボルトが干渉し、鉛直方向においては、水平板部とストッパナットが干渉することで、鉛直及び水平に設けられた隙間以上に、第1架台と第2架台が相対運動することがなく、設備機器の転倒を防止することができる。
本発明の減震ストッパ構造において、前記ストッパ板部材の前記第1架台への取り付け、もしくは前記ストッパボルトの前記第2架台への取り付けのうち少なくとも一方が、高さ調整可能であるため、減震ストッパ構造を備えた防振架台を設置する際に、予め鉛直方向の隙間を調整しておき、設置現場において、設備機器を載置し第1架台と第2架台の距離が決まった後に、減震ストッパ構造を第1架台又は第2架台に固定することができる。即ち、減震ストッパ構造の上下方向の隙間を作業現場で調整する必要がなくなり、設置作業が簡易となる。
また、本発明の減震ストッパ構造は、一対のストッパナットの最大離間距離を制限する一対の螺送制限部材を有する。螺送制限部材によって、予め一対のストッパナットと水平板部との鉛直方向の隙間を設定した状態において、ストッパナット同士の距離がそれ以上離れないようにできる。即ち、ストッパナットと水平板部との鉛直方向の隙間を設定し、その状態をストッパナット同士が最も離間した状態であるようにしておけば、その後にストッパナットを螺送し、ストッパナット同士を近接させても、最も離間した状態に戻せばただちに隙間を設定できるようになる。これにより、工場から設置現場に輸送する際に、一対のストッパナットにより水平板部を挟持し、ストッパボルトとストッパ板部材を固定することが可能となる。したがって、輸送時にこの減震ストッパ構造は、ガタツキがなくなり、輸送時の振動により構成部材が破損することを防止できる。
本発明に係る第1実施形態の減震ストッパ構造を適用した防振架台を示す斜視図である。 本発明に係る第1実施形態の防振架台に備えられる予備ストッパ構造の正面視における部分断面図である。 本発明に係る第1実施形態の減震ストッパ構造を示し、図3(a)、図3(b)はそれぞれ斜視方向の異なる斜視図である。 本発明に係る第1実施形態の減震ストッパ構造の分解図である。 本発明に係る第1実施形態の減震ストッパ構造の断面図であり、図5(a)は、ストッパナットと減震ワッシャが接着されている場合の例を示し、図5(b)は、ストッパナットと減震ワッシャが接着されていない場合の例を示す。 本発明に係る第1実施形態の減震ストッパ構造を適用した防振架台の設置手順を示す図であり、図6(a)は、工場で組み立て後出荷前の状態、図6(b)は、設備機器設置後の状態、図6(c)は、鉛直方向の隙間を調整した後の状態を示す。 本発明に係る第1実施形態の減震ストッパ構造の変形例を示す斜視図である。 本発明に係る第2実施形態の減震ストッパ構造の断面図である。 従来例としての耐震ストッパ構造を備えた防振架台を示し、図9(a)に防振架台の全体構造、図9(b)に耐震ストッパ構造を示す。
以下、本発明の実施形態である減震ストッパ構造を備えた防振架台について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態である減震ストッパ構造30が適用された防振架台1の斜視図を示す。防振架台1は、建築物等の床スラブ(設置面)18にアンカーボルト(図示略)などで固定された第2架台(下部架台)14と、第2架台14と所定の間隙を隔てて対向配置された第1架台(上部架台)12とを備えている。
図1に示すように、第1架台12と第2架台14との間には、防振部材16が複数(図1の形態では6個)介装されており、これらの防振部材16によって第1架台12は第2架台14上に弾性支持されている。防振部材16は、内部にバネ材(図示せず)を有しており、第2架台14と第1架台12との間に配設され、第1架台12上に設置された設備機器の荷重を担持するとともに、設備機器から発生する振動を吸収・緩衝する働きをもつ。防振部材16は第1架台12上に設置される設備機器の重心位置を考慮し、第2架台14と第1架台12の間の適所に複数箇所設置される。
図1に示すように、第1架台12は、平面視で矩形枠状の部材であり、角部に配置された4つの第1コーナ部材22と、各第1コーナ部材22間を架け渡す4本のフレーム部材12a、12a、12a、12aとを備えている。第2架台14は、第1架台12と同様の構成からなり、角部に配置された4つの第2コーナ部材24と、各第2コーナ部材24間を架け渡す4本のフレーム部材14a、14a、14a、14aとを備えている。
第1架台12及び第2架台14の第1及び第2コーナ部材22、24は、互いに直交する2本のフレーム部材12a、12a(又はフレーム部材14a、14a)の端部同士を接合するためのものであり、水平方向の外側に向けて開放された略箱型形状に形成されている。そして、第1及び第2コーナ部材22、24の側面のうち、水平方向の内側を向く面にそれぞれのフレーム部材12a、12a(又はフレーム部材14a、14a)が接合されている。
防振架台1の四隅であって第1及び第2コーナ部材22、24の間には、予備ストッパ構造20が備えられている。この予備ストッパ構造20は、第1架台12と第2架台14とを鉛直方向及び水平方向に相対運動可能に連結するとともに、第2架台14に対する第1架台12の相対的な変位量を規制している。
図2として、予備ストッパ構造20の正面視における部分断面図を示す。
予備ストッパ構造20は、第1コーナ部材22の底板部22aに形成された貫通孔22bを挿通する予備ストッパボルト23と、当該予備ストッパボルト23を第2コーナ部材24の天板部24aに固定するためのワッシャ26、26並びにナット25、25を備えている。さらに、第1コーナ部材22に形成された貫通孔22bと予備ストッパボルト23の間には、弾性部材27が介装されている。
弾性部材27は、円筒部27bとフランジ部27aとを有する。円筒部27bは、予備ストッパボルト23の軸部23bと貫通孔22bの間に介装される。また、フランジ部27aは、予備ストッパボルト23の頭部23aと第1コーナ部材22の底板部22aに介装される。
円筒部27bは、貫通孔22bの内周面に接し、さらに予備ストッパボルト23の軸部23bと水平方向の隙間pを設けて介装されている。
また、フランジ部27aは、第1コーナ部材22の底板部22a上に載置され、予備ストッパボルト23の頭部23a底面と鉛直方向の隙間qを設けて介装されている。
弾性部材27は、ゴムなどの弾性体から形成されている。したがって、第1架台12と第2架台14の相対運動により、水平方向及び鉛直方向の隙間p、qがなくなり、予備ストッパ構造20の構成部材同士が衝突した際に、衝撃を吸収し、当該構成部材の破損を防ぐことができる。
予備ストッパ構造20は、第1架台12と第2架台14とを相対移動可能に連結するとともに、鉛直方向及び水平方向に相対運動した際の変位量を規制している。
なお、水平方向の隙間p及び鉛直方向の隙間qは、設置現場において目視によって、確認できる程度の広さであれば良く、それぞれ3mm〜5mmであることが好ましい。
また、この予備ストッパ構造20は、大きな地震による振動によって後述する減震ストッパ構造30の構成部材の一部が変形した場合に、載置された設備機器の転倒を防ぐ目的で予備的に備えられるものである。したがって、上述した水平方向の隙間p及び鉛直方向の隙間qは、図6を基に後段で詳しく説明する減震ストッパ構造30の構成部品同士の距離h、iよりも大きく設定することが望ましく、これによって減震ストッパ構造30の作用を阻害することはない。
図1に示すように、第1架台12の長辺を構成する2つのフレーム部材12a、12aには、それぞれ2つの取付片部28が設けられている。各取付片部28には設備機器固定用の取付孔29が形成されており、第1架台12に設備機器を載置した後、当該取付孔29にボルトを挿通し、設備機器と螺合することにより、設備機器を固定することができる。
第1架台12及び第2架台14を構成する各フレーム部材12a、14aは、防錆処理型鋼やFRP材を矩形に枠組みして形成されたものからなる。
なお、図1に示す防振架台の構成は一例であり、フレーム部材12a、14aの材質、第1架台12、第2架台14を構成する部材数等は、第1架台12に固定される設備機器の重量や当該設備機器の振動特性によって、適宜決定することが望ましい。
第1架台12の長辺を構成する2つのフレーム部材12a、12aとこれに対向する第2架台14の長辺を構成する2つのフレーム部材14a、14aとの間にはそれぞれ2つの減震ストッパ構造30が設けられている。即ち、第1架台12及び第2架台14には、4つの減震ストッパ構造30が設けられている。この減震ストッパ構造30は、地震時に第1架台12と第2架台14とが大振幅で相対運動することを抑制し、設備機器の転倒を防止している。
図3(a)、(b)に、図1に示す減震ストッパ構造30の拡大図を示す。また、図4に、減震ストッパ構造30の分解図を示す。
図3(a)、(b)並びに図4に示すように減震ストッパ構造30は、第1架台12に取り付けられるストッパ板部材2と、第2架台14に取り付けられるストッパボルト固定部材3と、当該ストッパボルト固定部材3に固着し面上から鉛直上方に突出するストッパボルト4と、第1及び第2ストッパナット5、6と、ロックナット(螺送制限部材)7と、減震管10と、一対の減震ワッシャ11、11とから構成される。なお、本実施形態においては、一対の減震ワッシャ11、11は、それぞれの上方又は下方に配置される第1又は第2ストッパナット5、6に接着されている。
図4に減震ストッパ構造30の分解図を示す。図4において、分かり易さのため減震ワッシャ11、11は、第1及び第2ストッパナット5、6と分離して表現した。しかしながら、実際には、ストッパ板部材2の水平板部2aに対して上方に位置する減震ワッシャ11は、第2ストッパナット6の下面に接着されており、下方に位置する減震ワッシャ11は、第1ストッパナット5の上面に接着されている。
図4に示すように、ストッパ板部材2は、L字形状を有しており、鉛直方向に延びる鉛直板部2bと、当該鉛直板部2bの下端から水平方向に延びる水平板部2aとから構成される。
鉛直板部2bには、上下方向を長手方向とする2つの長孔2c、2cが並列して設けられている。一方、第1架台12のフレーム部材12aの側面には、水平方向に貫通する挿通孔8C、8Cが設けられている。
鉛直板部2bの長孔2c、2cに、第1架台12の内側から挿通孔8C、8Cを通った固定ボルト8A、8Aを挿通し、固定ナット8B、8Bを外側から螺入し締結することによって、第1架台12にストッパ板部材2が固定される。
鉛直板部2bの長孔2c、2cにおいて、固定ボルト8A、8A及び固定ナット8B、8Bを用いて締結する高さを変えることによって、ストッパ板部材2の取り付け位置を長孔2cの鉛直方向の長さの範囲内で任意の高さの位置(無段階)に調整することができる。
水平板部2aには、上下方向に貫通する直径Dの貫通孔2dが設けられており、当該貫通孔2dにストッパボルト4が挿通されている。
第1架台12に設けられた挿通孔8C、8Cは、水平方向に横長の形状にすることが好ましい。水平方向に横長の形状にすることによって、固定ボルト8A、8A及び固定ナット8B、8Bを用いて締結する水平方向の位置を、前記横長の形状の範囲内において、取付時に設定することができる。したがって、第1架台12と第2架台14の間の水平方向の組み立て誤差がある場合に、ストッパ板部材2の水平方向の位置を調整することによってこの誤差を吸収し、ストッパボルト4の位置と水平板部2aに設けられた貫通孔2dの位置を合わせることができる。
ストッパボルト固定部材3は、鉛直方向に延びる締結板部3bと当該締結板部3bの上端から水平方向に延びるストッパボルト固着板部(螺送制限部材)3aとから構成される。締結板部3bには、固定孔3c、3cが設けられ、第2架台14のフレーム部材14aの側面には、水平方向に貫通する挿通孔9C、9Cが設けられている。
締結板部3bの固定孔3c、3cに、第2架台14の内側から挿通孔9C、9Cを通った固定ボルト9A、9Aを挿通し、固定ナット9B、9Bを外側から螺入し締結することによって、第2架台14にストッパボルト固定部材3が固定される。また、ストッパボルト固着板部3aには、ストッパボルト4が鉛直方向に延びるように固着されている。
ストッパボルト固着板部3aにおけるストッパボルト4の固着方法は、特に限定されるものではなくナットを用いて固定することもできるが、第1架台12と第2架台14と間の限られたスペースを有効に使うという目的で溶接による固着が好適に用いられる。
ストッパボルト4は所定の雄螺子が形成されており、ストッパボルト4には、対応する雌螺子が形成された第1及び第2ストッパナット5、6とロックナット7が螺入される。
またストッパボルト4は、前記ストッパ板部材2の水平板部2aに設けられた貫通孔2dを挿通する他、一対の減震ワッシャ11、11並びに減震管10が挿通される。
図5(a)に示すように、ストッパボルト4が螺入、又は挿通される各部材は、第2架台14側から第1架台12側にかけて、第1ストッパナット5、減震ワッシャ11、減震管10、減震ワッシャ11、第2ストッパナット6、ロックナット7の順となっている。また、ストッパボルト4は、減震管10を介してストッパ板部材2の水平板部2aを挿通している。
ストッパ板部材2の水平板部2aに形成された貫通孔2dは、ストッパボルト4のボルト部の外径に比べて十分に大きな径を備えている。この貫通孔2dと、ストッパボルト4の外径部との間には、管状であり外径dを有する減震管10が介装されている。
減震管10の外周面と、貫通孔2dの内周面との間には、水平方向に距離iの隙間が確保されている。当該距離iの隙間は1mm程度であることが望ましい。この距離iは、想定される地震の最大震度の大きさ等に応じて設定され、1mmに限らず、設計段階で想定する地震の大きさに従い決定すればよい。また、予備ストッパ構造20の水平方向の隙間pに対して距離iを小さく設定することで、予備ストッパ構造20により、水平方向の減震作用(地震のエネルギを減衰させる作用)が阻害されることが無く望ましい。
本実施形態においては、減震管10の外周面と、貫通孔2dの内周面との間に、隙間が確保されているがこれに限定されるものではない。即ち、減震管10の外周面と前記貫通孔2dの内周面との間、及び前記減震管10の内周面と前記ストッパボルト4の外径部との間の何れか一方又は両方に形成されていればよい。
減震管10は、減衰弾性体からなり地震時に水平方向に大きな振動が加わった際に貫通孔2dの内周面と衝突し、地震の衝撃を和らげるとともに、地震のエネルギーを減衰させる目的で備えられている。減震管10は、弾性と減衰性を併せ持つ内側層と当該内側層より剛性の高い外側層との2層構造を備えたものを採用することが望ましい。内側層は、例えば径方向に5mm程度の厚みを有する硬度30以上で且つ動的粘弾性特性tanδが0.5以上となる減衰ゴムや、高減衰性熱可塑性エラストマー樹脂等の材料によって形成することができる。また、外側層は、径方向に1〜2mm程度の厚みを有し、硬度70度以上で硬く且つ摩擦係数μ=0.4程度の材料により形成することができる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂材料が好適である。
上記減震管10の上下には、減震ワッシャ11、11が備えられている。減震ワッシャ11は、減衰弾性体からなり地震時に鉛直方向に大きな振動が加わった際に水平板部2aと衝突し、地震の衝撃を和らげるとともに、地震のエネルギーを減衰させる目的で備えられている。減震ワッシャ11は、弾性と減衰性を合わせ持つ材料からなるワッシャであり、その内径はストッパボルト4の外径よりも大きく、前記減震管10の外径dより小さく形成されている。減震ワッシャ11の材料として、例えば硬度30〜40度で且つ動的粘弾性特性tanδが0.5以上となる減衰ゴムや、高減衰性熱可塑性エラストマー樹脂等の材料によって形成することができる。
水平板部2aの上下に配置される減震ワッシャ11、11は、それぞれ水平板部2aと距離h、hの隙間をもって配置される。当該距離h、hの隙間は1mm程度であることが望ましい。この距離h、hは、想定される地震の最大震度の大きさ等に応じて設定され、1mmに限らず、設計段階で想定する地震の大きさに従い決定すればよい。また、予備ストッパ構造20の鉛直方向の隙間qに対して距離hを小さく設定することで、予備ストッパ構造20により、鉛直方向の減震作用(地震のエネルギを減衰させる作用)が阻害されることが無く望ましい。
本実施形態において、減震ワッシャ11、11は、第1ストッパナット5及び第2ストッパナット6に接着されている。これにより、組み立て時の作業手順を軽減することができる。しかしながら、減震ワッシャ11、11は、必ずしも第1及び第2ストッパナット5、6に接着されている必要はない。
なお、減震ワッシャ11、11が、第1及び第2ストッパナット5、6に接着されていない場合においては、上方の減震ワッシャ11が、減震管10に載置された状態となる。この場合は、図5(b)に示すように、上方の減震ワッシャ11の下面と水平板部2aとの距離h及び、上方の減震ワッシャ11の上面と第2ストッパナット6との距離hの合計(h+h)が上述した距離hとなっていればよい。
即ち、隙間は、減震ワッシャ11と水平板部2aとの間、及び減震ワッシャ11と第1又は第2ストッパナット5、6の間の何れか一方又は両方に隙間が形成されていれば良い。
第1及び第2ストッパナット5、6は、それぞれストッパボルト4に螺入され、水平板部2a及び減震ワッシャ11、11を介して上下に配置されている。第1及び第2ストッパナット5、6の外形は、矩形形状となっていることが望ましい。これによって、第1及び第2ストッパナット5、6を手回しにより螺送及び締結することが可能となる。ただし、第1及び第2ストッパナット5、6の外形は手回しできる形状であれば特に限定されるものではない。
下方に配置される第1ストッパナット5は、その下面においてストッパボルト固定部材3のストッパボルト固着板部3aと接触している。また、上方に配置される第2ストッパナット6は、その上面においてロックナット7と接触している。
ロックナット7は、緩み止め効果を有するナットであれば特に制限されるものではなく、既製品を使用することができる。また、2つのナットを用いてダブルナット法により緩み止め効果を得ても良い。
また、ストッパボルト固定部材3のストッパボルト固着板部3aは、図5(a)に断面図として示すように、螺子孔にストッパボルト4を螺入したのち、下方から溶接し溶接部3dを形成することにより、ストッパボルト4と固着しているため、ストッパボルト4とストッパボルト固着板部3aの相対的な位置関係が変わることは無い。
第1及び第2ストッパナット5、6は、ストッパボルト4に螺入されているため同軸上を螺送可能、即ち上下に移動可能である。第1ストッパナット5は、その下方にストッパボルト固着板部3aが配置され、第2ストッパナット6は、その上方にロックナット7が配置されているため、それぞれ上方又は下方への螺送が制限されている。即ち、第1及び第2ストッパナット5、6同士の離間は、ストッパボルト固着板部3aと、ロックナット7とによって制限されている。この機能からストッパボルト固着板部3aとロックナット7は、上下移動を制限する一対の螺送制限部材とされる。
なお、本実施形態においては、ストッパボルト固定部材3のストッパボルト固着板部3aに螺送制限部材としての機能を与えている。しかしながら、第1ストッパナット5の下方に、第2ストッパナット6の上方に設けたロックナット7と同様のロックナットを設け、当該ロックナットにより第1ストッパナット5の下方への螺送を制限する構成としても良い。
次に図6(a)、(b)、(c)を基に、減震ストッパ構造30を備えた防振架台1の設置手順の一例を示す。
図6(a)に工場からの出荷段階での減震ストッパ構造30を示す。図6(a)に示す状態に至るまでの工場での組み立て工程を以下に説明する。
まず、第2架台(下部架台)14に防振部材16(図1参照)を設置し、さらに当該防振部材上に第1架台(上部架台)12を設置する。この工程において、防振架台1の四隅であって第1及び第2コーナ部材22、24の間に、防振部材16と予備ストッパ構造20を取り付ける(図1参照)。
次に、第2架台14に、ストッパボルト4が固着されたストッパボルト固定部材3を取り付ける。この取り付けは、ストッパボルト固定部材3の締結板部3bに設けられた固定孔3cに固定ボルト9Aを挿通し固定ナット9Bを締結することにより行う。これによって、ストッパボルト4が起立した状態となる。
次に、このストッパボルト4に第1ストッパナット5を螺入し、さらに減震ワッシャ11、減震管10を順次挿通する。
次に、ストッパ板部材2の水平板部2aに設けられた貫通孔2dをストッパボルト4に挿通する。貫通孔2dの内径は、前記減震管10の外径より大きいため、ストッパボルト4の外径部と貫通孔2dの内周面の間に減震管10が介装された状態となる。
次に、ストッパボルト4に減震ワッシャ11を挿通しさらに第2ストッパナット6及び、ロックナット7を螺入する。
なお、本実施形態においては、減震ワッシャ11、11が第1及び第2ストッパナット5、6に接着されているため、上述の手順において、第1及び第2ストッパナット5、6を螺入することで、同時に減震ワッシャ11が挿通される。
次に、第1及び第2ストッパナット5、6とロックナット7を螺送して上下位置を調整することにより、第1ストッパナット5と第2ストッパナット6との間に減震ワッシャ11、11を介してストッパ板部材2の水平板部2aが挟持された状態とするとともに、ストッパボルト固定部材3のストッパボルト固着板部3aの上面と第1ストッパナット5の下面との距離j及び第2ストッパナット6の上面とロックナット7の下面との距離jを調整する。この作業により、一対の螺送制限部材(即ちストッパボルト固定部材3のストッパボルト固着板部3aとロックナット7)の鉛直方向の距離kが一意的に定まる。即ち、一対の螺送制限部材間の鉛直方向の距離kは、ストッパボルト固着板部3aの上面と第1ストッパナット5の下面との距離j、及びストッパボルト固着板部3aの上面と第1ストッパナット5の下面との距離j、並びに第1ストッパナット5、第2ストッパナット6、一対の減震ワッシャ11、11、及びストッパ板部材2の水平板部2aの厚さの合計となる。
より具体的には、まず、ストッパボルト固着板部3aの上面と第1ストッパナット5の下面との間に十分な隙間を設け、当該隙間に、目標とする隙間の大きさである距離jと同じ厚さのスペーサを挿入し、第1ストッパナット5を下方に螺送し、ストッパボルト固着板部3aの上面と第1ストッパナット5の下面との隙間を距離jとした後、スペーサを抜く。
さらに、第2ストッパナット6を下方に螺送し、第1ストッパナット5と第2ストッパナット6との間に減震ワッシャ11、11を介してストッパ板部材2の水平板部2aが挟持された状態とする。
次に、第2ストッパナット6の上面とロックナット7の下面との間に十分な隙間を設け、当該隙間に、前記のスペーサ(厚みが目標とする隙間の大きさである距離jと同じ)を挿入し、ロックナット7を下方に移送し、第2ストッパナット6の上面とロックナット7の下面との隙間を距離jとした後、スペーサを抜く。
なお、第1及び第2ストッパナット5、6の外形は矩形となっているため、第1及び第2ストッパナット5、6の螺送及び締結は手回しにより行うことができる。
この状態において、固定ボルト8A及び固定ナット8Bを用いてストッパ板部材2を第1架台12に取り付ける。ストッパ板部材2の第1架台12への取り付けは、ストッパ板部材2の鉛直板部2bに設けられた長孔2cに固定ボルト8Aを挿入し、固定ナット8Bによって締結することでなされる。このとき、固定ボルト8Aが、長孔2cの上部に挿通され固定ナット8Bにより締結されるように、長孔2cの位置が設定されている。
これらの工程を経ることにより減震ストッパ構造30は、図6(a)に示す状態となる。図6(a)に示す状態において、水平板部2aが上下方向から一対の減震ワッシャ11、11を介して第1及び第2ストッパナット5、6によって挟持されている。
減震ストッパ構造30には、鉛直方向の隙間がない状態となっている。また、水平方向の隙間は、水平板部2aの貫通孔2dと減震管10との間に形成された状態であるが、第1及び第2ストッパナット5、6が一対の減震ワッシャ11、11を介して水平板部2aを挟持しており、一対の減震ワッシャ11、11と水平板部2aとの間にフリクションが働くため、この水平方向の隙間が、ガタツキとなる事はない。
図6(a)に示す状態の防振架台1は、トラック輸送等の輸送手段によって現場に輸送される。第1架台12と第2架台14は、減震ストッパ構造30によって、固定された状態となるため、輸送の際に振動が加わったとしても、第1架台12と第2架台14とが相対的に運動することは無く、したがって、減震ストッパ構造30において、各部が衝突することが無いため、構成部材の破損を防ぐことができる。
設置現場に搬送された図6(a)に示す状態の防振架台1は、図6(b)、(c)に示す手順によって設置される。
まず、設置現場の床スラブ18に第2架台14が固定される。
次に、図6(b)に示すように、第1架台12とストッパ板部材2とを固定している固定ボルト8A及び固定ナット8Bを緩める。固定ボルト8A及び固定ナット8Bを緩めても、水平板部2aが第1及び第2ストッパナット5、6によって一対の減震ワッシャ11、11を介して挟持されているため、ストッパ板部材2はその場に保持されている。
次に、設備機器13を第1架台12に載置し固定する。設備機器13の重みにより、第1架台12と第2架台14に介装されている防振部材16(図1参照)が沈み込み、第1架台12と第2架台14とが近接する。これに伴い、ストッパ板部材2の鉛直板部2bに設けられた長孔2cの上部に挿通されていた固定ボルト8Aが、長孔2cに沿って下方に移動する。
なお、第1架台12の沈み込み量は、第1架台12に載せる設備機器13の重量及び防振部材16(図1参照)の弾発力により決まるため、長孔2cの鉛直方向の長さは、設備機器13の重量及び防振部材16の弾発力に応じて十分な長さに設定される。
次に、固定ボルト8A及び固定ナット8Bを締結することによりストッパ板部材2を第1架台12に固定させる。
さらに、図6(c)に示すように、第1ストッパナット5を手回しにより下方に螺送し、ストッパボルト固定部材3のストッパボルト固着板部3aの上面に接触させる。同様に、第2ストッパナット6を手回しにより上方に螺送し、ロックナット7の下面に接触させる。
これにより、ストッパ板部材2の水平板部2aとその上下に配置される一対の減震ワッシャ11、11に、距離h、hの隙間を形成する。
距離h、hの隙間は、図6(a)を基に説明した隙間の距離j、jと同じ値となる。即ち、工場において距離j、jを正確に設定することで、現場において専用の治具などを使用することなく容易に所定の距離h、hの隙間を設定することができる。
以上の工程によって、第1実施形態の減震ストッパ構造30を備えた防振架台1の設置が完了する。
本実施形態の減震ストッパ構造30は、ストッパ板部材2の水平板部2aに設けられた貫通孔2dにストッパボルト4を挿通する構造により、貫通孔2dとストッパボルト4の間に水平方向に距離i、iの隙間を形成する。
また、水平板部2aの上下に配置された第1及び第2ストッパナット5、6が螺送可能であり、螺送により水平板部2aと第1及び第2ストッパナット5、6との間に距離h、hの隙間を設けることが可能となる。
水平方向及び鉛直方向に隙間i、eが設けられることによって、防振部材16(図1参照)により設備機器の振動が設置面に伝わらないようにする防振機能を阻害することがない。また、地震などが発生し、防振架台1に大きな振動が入力された場合、水平方向においては、ストッパ板部材2の貫通孔2dとストッパボルト4が干渉し、鉛直方向においては、ストッパ板部材2の水平板部2aと第1及びストッパナット5、6が干渉することで、鉛直及び水平に設けられた隙間i、e以上に、第1架台12と第2架台14が相対運動することがなく、設備機器13の転倒を防止することができる。
また、本実施形態の減震ストッパ構造30において、ストッパ板部材2の第1架台12への取り付けは、ストッパ板部材2に設けられた鉛直方向に延びる長孔2cに固定ボルト8A及び固定ナット8Bを用いて、ボルト固定することによりなされる。したがって、長孔2cにおける固定ボルト8A及び固定ナット8Bの締結位置を変えることで、ストッパ板部材2の高さを容易に変更することができる。
これにより、設備機器13を載置し第1架台12と第2架台14の距離が決まった後に、減震ストッパ構造30のストッパ板部材2を第1架台12に固定することができる。即ち、予め鉛直方向の隙間を距離h、hとして調整することが可能となるため、設置現場における鉛直方向の隙間管理が不要となり、設置作業が簡易となる。
また、本実施形態の減震ストッパ構造30は、ロックナット7及びストッパボルト固定部材3のストッパボルト固着板部3aが一対の螺送制限部材として、第1及び第2ストッパナット5、6の最大離間距離を制限する。これによって、工場での組み立て段階において、第1及び第2ストッパナット5、6と水平板部2aとの鉛直方向の隙間を予め設定しておけば、隙間設定後に第1及び第2ストッパナット5、6を螺送しても、第1ストッパナット5をストッパボルト固着板部3aの上面に接触させ、第2ストッパナット6をロックナット7の下面に接触させることにより第1及び第2ストッパナット5、6を最も離間した状態に戻せばただちに隙間を設定できるようになる。したがって、工場から設置現場に輸送する際に、第1及び第2ストッパナット5、6により水平板部2aを挟持し、ストッパボルト4とストッパ板部材2を固定することが可能となる。これによって、輸送時にこの減震ストッパ構造30は、ガタツキがなくなり輸送時の振動により構成部材が破損することを防止できる。
また、本実施形態の減震ストッパ構造30は、第1及び第2ストッパナット5、6とストッパ板部材2の水平板部2aとの間にそれぞれ減衰弾性体からなる一対の減震ワッシャ11、11が介装されている。これにより、第1及び第2ストッパナット5、6と水平板部2aが直接衝突することを防ぎ、第1及び第2ストッパナット5、6と水平板部2aが破損することを防ぐのみならず、衝突時に振動によるエネルギーを吸収し、振動を減衰させることができる。
また、本実施形態の減震ストッパ構造30は、ストッパ板部材2の貫通孔2dの内周面とストッパボルト4の外径部との間に減衰弾性体からなる管状の減震管10が介装されている。これにより、貫通孔2dの内周面とストッパボルト4の外径部とが直接衝突することを防ぎ、貫通孔2dとストッパボルト4が破損することを防ぐのみならず、衝突時に振動によるエネルギーを吸収し、振動を減衰させることができる。
また、本実施形態の減震ストッパ構造30は、防振架台1の第1及び第2架台12、14の側面に固定ボルト8A、9A及び固定ナット8B、9Bによって取り付ける構造を有する。したがって、第1及び第2架台12、14に固定ボルト8A、9Aを挿通する貫通孔を設けることで、容易に設置することができる。即ち、減震ストッパ構造を備えていない、防振架台に取付用の貫通孔(挿通孔8C、9Cに相当)を設け、さらに本実施形態の減震ストッパ構造30を取り付けることで、防振架台に容易に減震機能を持たせることが可能となる。したがって、設置済みの防振架台に後付けすることができる。
本実施形態の減震ストッパ構造30は、第1架台12を上部架台として、当該上部架台にストッパ板部材2が固定され、第2架台14を下部架台として、当該下部架台にストッパボルト4が固定される構造を有する。
しかしながら、本発明が適用される防振架台は、これに限ったものではない。即ち、第1架台12を下部架台として、当該下部架台にストッパ板部材2が固定され、第2架台14を上部架台として、当該上部架台にストッパボルト4が固定される構造であっても良い。この場合は、第1架台12が床スラブ(設置面)18に固定され、第2架台上に設備機器13が載置され、ストッパボルト4とストッパ板部材2の上下の位置関係が反転する。この構造に関して詳しくは、後段に記載の第2実施形態として説明する。
また、本実施形態の減震ストッパ構造30は、ストッパ板部材2の鉛直板部2bに設けられた長孔2cによって、ストッパ板部材2の高さ調整が可能に構成されている一方、ストッパボルト4の高さ調整を行う構造を有していない。
しかしながら本発明の減震ストッパ構造は、ストッパ板部材2、又はストッパボルト4のうち少なくとも一方が、高さ調整可能であればよい。即ち、ストッパ板部材2が高さ調整可能でなくても、ストッパボルト4の高さ調整が可能であれば良い。このような構造に関しては、後段の第2実施形態において説明する。
(変形例)
図7に、第1実施形態の変形例である減震ストッパ構造35の断面図を示す。以下図7を基に、減震ストッパ構造35について説明する。本実施形態の変形例である減震ストッパ構造35は、減震ストッパ構造31と比較して、ストッパ板部材2の第1架台12への取り付け構造が異なる。
なお、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
減震ストッパ構造35において、第1架台12を構成するフレーム部材12aの側面には、取付板片36が溶接により接合され、溶接部37を介しフレーム部材12aの側面から垂下するように固定されている。この取付板片36において第1架台12より下方側には、固定ボルト38A、38Aを挿通する2つの孔が設けられており、当該孔に挿通された固定ボルト38A、38Aを、ストッパ板部材2の鉛直板部2bの長孔2c、2cに挿通し、さらに固定ナット38B、38Bを螺入し締結することによって、第1架台12にストッパ板部材2が固定される。
本変形例においても、第1実施形態と同様に、鉛直板部2bの長孔2c、2cにおいて、固定ボルト38A、38A及び固定ナット38B、38Bを用いて締結する高さを変えることによって、ストッパ板部材2の取り付け位置を長孔2cの鉛直方向の長さの範囲内で任意の高さの位置(無段階)に調整することができる。
また、本変形例のように、取付板片36を溶接によりフレーム部材12aの側面に接合することにより、フレーム部材12aに孔を形成することができない場合であっても、本発明の減震ストッパ構造を適用することができる。
なお、本変化例においては、当該取付板片36は、溶接によりフレーム部材12aに接合されているが、取付板片36の接合方法は、これに限定さるものではなく、例えばフレーム部材12aとボルト固定されていても良い。
本実施形態の変形例である減震ストッパ構造35においても、上述の第1実施形態の減震ストッパ構造31と同様の効果を得ることができる。
(第2実施形態)
図8に、本発明の第2実施形態である減震ストッパ構造31の断面図を示す。以下図8を基に、減震ストッパ構造31について説明する。なお、図8は、図5(a)として示す第1実施形態の減震ストッパ構造30の断面図と対応しており、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態の減震ストッパ構造31は、第1実施形態の減震ストッパ構造30と比較して、第1架台42、第2架台44並びにこれらに固定されるストッパ板部材32、ストッパボルト34の上下方向の位置関係が異なる。また、ストッパ板部材32及びストッパボルト34の第1架台42及び第2架台44への固定方法が異なる。
即ち、図8に示すように、減震ストッパ構造31において、第1架台42が下部架台として構成され、床スラブ18に固定されている。また、第2架台44が上部架台として構成され、設備機器(図示略)が載置される。
第1架台42に固定されるストッパ板部材32は、第1架台42の側面に固定され鉛直方向に延びる鉛直板部32bと、当該鉛直板部32bの上端から水平方向に延びる水平板部32aとから構成される。
水平板部32aには、上下方向に貫通する貫通孔32dが設けられており、当該貫通孔32dにストッパボルト34が挿通されている。
鉛直板部32bには、固定ボルト9A及び固定ナット9Bによって第2架台44と固定するための固定孔32cが形成されている。本実施形態において、固定孔32cは、長孔ではなく、即ちストッパ板部材32の高さを調整することはできない。
また、第2架台44にストッパボルト固定部材33を介して固定されるストッパボルト34は、上方から下方へ垂下した構造となっている。ストッパボルト固定部材33は、L字形状を有しており、鉛直方向に延びる締結板部33bと、当該締結板部33bの下端から水平方向に延びるストッパボルト固着板部33aとから構成される。ストッパボルト固着板部33aには、面上からストッパボルト34が鉛直方向に突出するように固着されている。
締結板部33bには、上下方向を長手方向とする長孔33cが設けられており、当該長孔33cに第2架台44の内側から挿通される固定ボルト8Aと固定ナット8Bを用いて、第2架台44に固定される。長孔33cにおいて、固定ボルト8A及び固定ナット8Bによって締結する位置を変えることによって、ストッパボルト固定部材33の取り付け高さを長孔33cの鉛直方向の長さの範囲内で任意の高さの位置(無段階)に調整することができる。
第2実施形態の減震ストッパ構造31は、第1実施形態の減震ストッパ構造30と同様の方法で設置することができる。
まず、出荷前の工場で、第1架台(下部架台)42上に防振部材16(図1参照)、第2架台(上部架台)44を設置し、さらに予備ストッパ構造20(図1参照)を取り付ける。
次に、第1架台42に固定ボルト9A及び固定ナット9Bを用いてストッパ板部材32を固定する。
次に、予め第1ストッパナット5を螺入され、減震ワッシャ11が挿通されたストッパボルト34をストッパ板部材32の水平板部32aに設けられた貫通孔32dに挿通する。さらに、前記ストッパボルト34に、下方から減震管10及び減震ワッシャ11を挿通し、さらに第2ストッパナット6及びロックナット7を螺入する。
次に、上述の第1実施形態と同様に、第1及び第2ストッパナット5、6とロックナット7を螺送することにより、第1ストッパナット5と第2ストッパナット6との間に減震ワッシャ11、11を介してストッパ板部材32の水平板部32aが挟持された状態とするとともに、ストッパボルト固定部材33のストッパボルト固着板部33aの下面と第1ストッパナット5の上面との距離、及び第2ストッパナット6の下面とロックナット7の上面との距離を調整する。
この状態において、固定ボルト8A及び固定ナット8Bを用いてストッパボルト固定部材33を第2架台44に取り付ける。ストッパボルト固定部材33の第2架台44への取り付けは、ストッパボルト固定部材33の締結板部33bに設けられた長孔33cに固定ボルト8Aを挿入し、固定ナット8Bによって締結することでなされる。
この状態で、設置現場に輸送され、第1架台42を床スラブ18に固定した後、固定ボルト8A及び固定ナット8Bを緩めて、設備機器(図示略)を載置し、さらに固定ボルト8A及び固定ナット8Bを締結する。
さらに、図8に示すように、第1ストッパナット5を螺送し、ストッパボルト固定部材33のストッパボルト固着板部33aの上面に接触させ、第2ストッパナット6を螺送し、ロックナット7の下面に接触させることで、設置が完了する。
以上のように設置することで、第2実施形態の減震ストッパ構造31は、第1実施形態の減震ストッパ構造30と同様の効果を奏することができる。
第1実施形態及び第2実施形態を基に例示したように、本発明の減震ストッパ構造30、31は、ストッパ板部材2、32、又はストッパボルト4、34のうち少なくとも一方が、高さ調整可能であればよい。
また、第1架台12、42及び第2架台14、44の何れを上部架台及び下部架台としても良く、つまり、ストッパボルト4、34及びストッパ板部材2、32の上下方向の位置関係は何れを上方としても良い。
以上、本発明の第1及び第2実施形態を説明したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は本実施形態によって限定されることはない。
1、110…防振架台
2、32…ストッパ板部材
2a、32a…水平板部
2b、32b…鉛直板部
2c、33c…長孔
2d、32d、116a…貫通孔
3、33…ストッパボルト固定部材
3a、33a…ストッパボルト固着板部(螺送制限部材)
3b、33b…締結板部
3c、32c…固定孔
3d、37…溶接部
4、34、121…ストッパボルト
5…第1ストッパナット
6…第2ストッパナット
7…ロックナット(螺送制限部材)
8A、9A、38A…固定ボルト
8B、9B、38C…固定ナット
8C、9C…挿通孔
10…減震管
11…減震ワッシャ
12…第1架台(上部架台)
12a、14a…フレーム部材
13…設備機器
14…第2架台(下部架台)
16、113…防振部材
18、111…床スラブ(設置面)
20…予備ストッパ構造
22…第1コーナ部材
23…予備ストッパボルト
24…第2コーナ部材
25…ナット
26…ワッシャ
27…弾性部材
27a…フランジ部
27b…円筒部
30、31、35…減震ストッパ構造
36…取付板片
42…第1架台(下部架台)
44…第2架台(上部架台)
112…上部架台
114…下部架台
115…耐震用弾性部材
116…耐震枠
120…耐震ストッパ構造
d…外形
D…直径
e、f、p、q…隙間
h、i、j、k…距離

Claims (7)

  1. 第1架台と第2架台とこれらの間に介装される防振部材とを有し、前記第1及び第2架台の何れか一方が設置面に固定され、他方に設備機器を設置し、当該設備機器の振動が設置面に伝わらないようにする防振架台に備え付けられる減震ストッパ構造であって、
    前記第1架台に取り付けられ、前記第1架台と前記第2架台の間において水平に延び貫通孔を備えた水平板部を有するストッパ板部材と、
    前記第2架台に取り付けられ、前記第1架台側に延び前記貫通孔に挿通されるストッパボルトと、
    前記ストッパボルトに螺入され、前記水平板部の上下に配置され、個々に上下に螺送可能に備えられた一対のストッパナットと、
    前記ストッパボルトの上部及び下部に配置され、前記一対のストッパナットの最大離間距離を制限する一対の螺送制限部材とを備え、
    前記ストッパ板部材の前記第1架台への取り付け、もしくは前記ストッパボルトの前記第2架台への取り付けのうち少なくとも一方が、高さ調整可能であることを特徴とする減震ストッパ構造。
  2. 前記ストッパ板部材が、前記水平板部と、当該水平板部の端部から鉛直方向に延び同方向に長手方向を形成する長孔を備えた鉛直板部とからなり、
    前記第1架台の側面に、前記長孔を介して前記ストッパ板部材がボルト固定されることを特徴とする請求項1に記載の減震ストッパ構造。
  3. 前記ストッパボルトが、ストッパボルト固定部材に固定され、前記ストッパボルト固定部材が、前記第2架台に取り付けられる構造を有し、
    前記ストッパボルト固定部材が、水平に延び面上から前記ストッパボルトを突出させたストッパボルト固着板部と、
    前記ストッパボルト固着板部の一端から、前記ストッパボルトの突出する方向と反対側に延び同方向に長手方向を形成する長孔を備えた締結板部とからなり、
    前記第2架台の側面に、前記長孔を介して前記ストッパボルト固定部材がボルト固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の減震ストッパ構造。
  4. 前記一対のストッパナットの外形が、矩形状であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の減震ストッパ構造。
  5. 前記一対のストッパナットと前記ストッパ板部材の水平板部との間にそれぞれ減衰弾性体からなる一対の減震ワッシャが介装され、
    前記減震ワッシャと前記水平板部との間、及び前記減震ワッシャと前記ストッパナットの間の何れか一方又は両方に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の減震ストッパ構造。
  6. 前記貫通孔の内周面と前記ストッパボルトの外径部との間に減衰弾性体からなる管状の減震管が介装され、
    前記減震管の外周面と前記貫通孔の内周面との間、及び前記減震管の内周面と前記ストッパボルトの外径部との間の何れか一方又は両方に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の減震ストッパ構造。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の減震ストッパ構造を備えたことを特徴とする防振架台。
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