第1の実施の形態
《構成》
以下、本発明に係る有価媒体処理装置、有価媒体処理システム及び有価媒体処理方法の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図13は本発明の第1の実施の形態を説明するための図である。なお、本実施の形態で示す装置の構成は、一例であることには留意が必要である。
本実施の形態では有価媒体処理装置100として、有価媒体を入金するための有価媒体入金装置を用いて説明するが、これはあくまでも一例であり、有価媒体入出金装置、貨幣両替機等の様々な有価媒体処理装置100を用いることができる点には留意が必要である。ところで、本願において「有価媒体」とは、紙幣、硬貨、小切手、商品券、バーコードチケット、チップ、コイン等のことを意味するが、本実施の形態では、主に、紙幣、硬貨、商品券を利用した態様を用いて説明する。また、本願において「貨幣」とは、硬貨、紙幣、並びに、硬貨及び紙幣の両方のことを意味する。なお、本願の有価媒体処理装置100、有価媒体処理システム及び有価媒体処理方法には、貨幣のみを処理対象とする貨幣処理装置、貨幣処理システム及び貨幣処理方法も含まれることには留意が必要である。
[全体のシステム構成]
まず、全体のシステム構成について説明する。
スーパーマーケットを例に取ると、図1に示すように、一般にスーパーマーケットには、商品を陳列した商品陳列棚等の商品陳列部280のある売り場と、売り場に併設されたレジコーナーとがある。このレジコーナーに、POSレジスタ250と、POSレジスタ250に接続された貨幣釣銭機200が設置されている。この貨幣釣銭機200は、硬貨を処理する硬貨釣銭機210と、紙幣を処理する紙幣釣銭機220と、を備えている。なお、硬貨釣銭機210と紙幣釣銭機220とは別体となっていてもよいが一体となっていてもよい。基本的には、POSレジスタ250と貨幣釣銭機200とが一対一の関係で設置されている。レジコーナーには、1組以上のPOSレジスタ250と貨幣釣銭機200が設置されており、図1に示した態様では4組のPOSレジスタ250と貨幣釣銭機200が設置されている。
上述した売り場及びレジコーナーから区切られた空間に出納室がある。この出納室内に、貨幣釣銭機200から回収された紙幣、商品券、硬貨等の有価媒体の入金を行うための一つ又は複数の有価媒体処理装置100が設置されている。この有価媒体処理装置100には、有価媒体処理装置100を管理する管理装置150が接続されてる。有価媒体処理装置100に入金された紙幣、商品券、硬貨等の有価媒体は、例えば、警送会社によって回収されることとなる。ところで、出納室内には、上述した有価媒体処理装置100の代わりに又は有価媒体処理装置100に加えて、貨幣等の有価媒体を出金する出金部31,51(後述する)を備え、貨幣釣銭機200から回収された有価媒体の入金を行だけではなく出金処理を行うこともできる一つ又は複数の有価媒体入出金機400が設置されていてもよい。この有価媒体入出金機400については、後述する第2の実施の形態で説明する。
次にショッピングセンターを例に取ると、図2に示すように、ショッピングセンターには、ショッピングセンターを経営する会社の権限下にある直営店と、ショッピングセンターを経営する会社以外の会社の権限下にあるテナント店とがある。直営店には、一組又は複数組のPOSレジスタ250と貨幣釣銭機200(より具体的には、硬貨釣銭機210及び紙幣釣銭機220)が設置されている。また、テナント店にも、一組又は複数組のPOSレジスタ250と貨幣釣銭機200が設置されている。さらには、貨幣釣銭機200が設置されていない店舗があってもよく(図2の右下のテナントを参照)、このような店舗では、貨幣はPOSレジスタ250のドロア等に保管される。
上述したショッピングセンターの出納室に、貨幣釣銭機200やPOSレジスタ250のドロア等から回収された紙幣、商品券、硬貨等の有価媒体の入金を行うための一つ又は複数の有価媒体処理装置100が設置されている。この有価媒体処理装置100には、有価媒体処理装置100を管理する管理装置150が接続されている。ショッピングセンターにおいても、有価媒体処理装置100に入金された紙幣、商品券、硬貨等の有価媒体は、例えば、警送会社によって回収されて、現金センター等に搬送されることとなる。ところで、ショッピングセンターの出納室内にも、上述した有価媒体処理装置100の代わりに又は有価媒体処理装置100に加えて、貨幣等の有価媒体を出金する出金部31,51(後述する)を備え、貨幣釣銭機200から回収された有価媒体の入金を行だけではなく出金処理を行うこともできる一つ又は複数の有価媒体入出金機400が設置されていてもよい。
次に自動販売機300等から貨幣を回収する営業所を例に取ると、図3に示すように、営業所には、回収作業員によって所定のルートに沿って複数の自動販売機300等から回収された貨幣の入金を行うための一つ又は複数の有価媒体処理装置100と、有価媒体処理装置100に接続された管理装置150とが設置されている。ところで、このような営業所にも、上述した有価媒体処理装置100の代わりに又は有価媒体処理装置100に加えて、貨幣を出金する出金部31,51(後述する)を備え、自動販売機300から回収された貨幣の入金を行だけではなく出金処理を行うこともできる一つ又は複数の有価媒体入出金機400が設置されていてもよい。
[有価媒体処理装置100の構成]
次に、有価媒体処理装置100の構成について説明する。
図4に示すように、有価媒体処理装置100は筐体11を有している。そして、有価媒体処理装置100を前面から見て筐体11の右側に紙幣、商品券等の紙葉類を処理するための紙葉類処理部20が位置している。また、有価媒体処理装置100を前面から見て筐体11の左側に硬貨を処理するための硬貨処理部40が位置している。また、有価媒体処理装置100の筐体11の下部には、紙葉類及び硬貨を収容するための収容部60が設けられている。
まず紙葉類処理部20の構成について、図4及び図5を用いて説明する。なお、図5においては、紙葉類処理部20の構成と硬貨処理部40の構成を1枚の図面に表示するために、紙葉類処理部20及び硬貨処理部40の両者が前後に位置するように模式的に描かれていることには留意が必要である。紙葉類処理部20は、入金する紙葉類を複数枚一括して受け入れ可能な紙葉類受入部21と、紙葉類受入部21で受け入れた紙葉類のうち後述する紙葉類識別部25で識別できなかった紙葉類を返却するための紙葉類リジェクト部29と、を有し、これらの紙葉類受入部21及び紙葉類リジェクト部29が筐体11の前面上部の右側で上から順に設置されている。なお、紙葉類リジェクト部29は前面が開放しており、外部から収容された紙葉類を取り出すことができるようになっている。
紙葉類処理部20は、紙葉類受入部21で受け入れられた紙葉類を筐体11内に(図5の右方向へ向けて)1枚ずつ紙葉類を繰り出す紙葉類繰出部22と、この紙葉類繰出部22から1枚ずつ繰り出される紙葉類を受け入れて搬送する紙葉類搬送部23と、この紙葉類搬送部23により搬送される紙幣の金種、真偽、正損等や、商品券の番号等の識別を行う紙葉類識別部25と、を有している。紙葉類識別部25は紙葉類搬送部23で搬送される紙幣、商品券等の紙葉類のイメージを取得するイメージセンサを有している。
紙葉類搬送部23には、所定枚数(例えば100枚)までの紙葉類を収容するための紙葉類スタッカ28と、上述した紙葉類リジェクト部29が連結されている。なお、紙葉類搬送部23には、この紙葉類搬送部23で搬送される紙葉類を適宜分岐する複数の紙葉類分岐部39が設けられている。本実施の形態の紙葉類スタッカ28にはシャッタ28aが設けられており、シャッタ28aが開状態になると外部から紙葉類スタッカ28内に収納された紙葉類を取り出すことができ、他方、シャッタ28aが閉状態になると外部から紙葉類スタッカ28内に収納された紙葉類を取り出すことができなくなる。
また、紙葉類搬送部23には、紙葉類搬送部23から送り込まれる紙葉類を一時的に保留する紙葉類一時保留部26が連結されている。本実施の形態では、紙葉類一時保留部26は、二つの紙葉類一時保留部26a,26bを有しており、より具体的には、前方側(図5の左側)に配置された第一紙葉類一時保留部26aと、後方側(図5の右側)に配置された第二紙葉類一時保留部26bと、を有している。各紙葉類一時保留部26は、その底面が開放可能となっている。そして、例えば操作表示部71に表示された完了ボタンを押下することで入金金額等について承認されると、各紙葉類一時保留部26の底面が開放され、その結果、第一紙葉類一時保留部26aに収納されている紙葉類は後述する第一紙葉類カセット61aに送り込まれ、第二紙葉類一時保留部26bに収納されている紙葉類は後述する第二紙葉類カセット61bに送り込まれることとなる。他方、例えば操作表示部71に表示された非承認ボタンを押下したり一定時間にわたり完了ボタンを押下しないこと等によって入金金額等について非承認となったと紙葉類制御部30(後述する)が判断すると、図示されないロック機構が解除されて、前面扉27(図4参照)を開くことで第一紙葉類一時保留部26a内に収容された紙葉類を取り出すことができる。また、このようにロック機構を解除して前面扉27を開くことで、第一紙葉類一時保留部26a及び第二紙葉類一時保留部26bを一体として筐体11から引き出すことができ、引き出した第二紙葉類一時保留部26b内に収容された紙葉類を上方から取り出すことができる。
上述した収容部60は、開閉可能な開閉扉63と、開閉扉63の後方側に設けられた収容空間62と、当該収容空間62に対して着脱自在に設置され、紙葉類を収容するための紙葉類収容カセット61と、当該収容空間62に対して着脱自在に設置され、硬貨を収容するための硬貨収容カセット66と、を有している。この紙葉類収容カセット61は、第一紙葉類一時保留部26aで一時保留された紙葉類を収容することができる第一紙葉類カセット61aと、第二紙葉類一時保留部26bで一時保留された紙葉類を収容することができる第二紙葉類カセット61bと、を有している。開閉扉63は閉状態でロックすることができるようになっている。
また、本実施の形態の紙葉類処理部20は、例えばインクジェットプリンタ等からなる消し込み部77を有している。この消し込み部77は、商品券に例えば回収済みであることを示す所定の内容を印刷するようになっている。なお、この消し込み部77によって商品券に所定の内容を印刷するか否かについては、操作表示部71を操作することで切り換えることができるようになっている。
次に、硬貨処理部40の構成について図4及び図5を用いて説明する。硬貨処理部40は、入金する硬貨を受け入れる硬貨受入部41と、硬貨受入部41で受け入れた硬貨のうち後述する硬貨識別部45で識別できなかった硬貨等をリジェクトするための硬貨リジェクト部49と、硬貨受入部41で受け入れた硬貨を収容する前に入金がキャンセルされた場合に当該硬貨を返却するための硬貨返却部47と、を有している。
また、図5に示すように、硬貨処理部40は、硬貨受入部41で受け入れられた硬貨を筐体11内に1枚ずつ繰り出す硬貨繰出部42と、この硬貨繰出部42から1枚ずつ繰り出される硬貨を受け入れて搬送する硬貨搬送部43と、この硬貨搬送部43により搬送される硬貨の金種、真偽、正損等の識別を行う硬貨識別部45と、を有している。また、硬貨搬送部43には、この硬貨搬送部43で搬送される硬貨を適宜分岐する複数の硬貨分岐部59が設けられている。また、硬貨搬送部43には、硬貨分岐部59で分岐されたリジェクト硬貨を案内するためのリジェクトシュート49aが設けられており、リジェクト硬貨は当該リジェクトシュート49aを落下して硬貨リジェクト部49へと導かれる。
また、硬貨搬送部43には、硬貨搬送部43から送り込まれる硬貨を一時的に保留し、当該硬貨の収容時には硬貨を下方の収容部60側に移動させ、他方、当該硬貨の返却時には硬貨を下方の硬貨返却部47に移動させる硬貨一時保留部46が連結されている。各硬貨一時保留部46は、下面が開放した枠体と、枠体の下面を覆うようにして設けられた底板と、を有している。そして、例えば操作表示部71に表示された完了ボタンを押下することで入金金額等について承認されると、枠体が硬貨収容カセット66側へ移動して、硬貨一時保留部46内の硬貨が硬貨収容カセット66内に送り込まれる。他方、例えば操作表示部71に表示された非承認ボタンを押下したり一定時間にわたり完了ボタンを押下しないこと等によって入金金額等について非承認となったと硬貨制御部50(後述する)が判断すると、底板が水平方向に移動して、硬貨一時保留部46内の硬貨が硬貨返却部47に送り込まれる。なお、本実施の形態では、硬貨一時保留部46が第一硬貨一時保留部46aと第二硬貨一時保留部46bを有する態様となっているが、これはあくまでも一例であり、硬貨一時保留部46は各金種に対応した複数(例えば6つ)の硬貨一時保留部を有していてもよい。そして、このように硬貨一時保留部46が各金種に対応した複数(例えば6つ)の硬貨一時保留部を有している場合には、硬貨返却部47も各金種に対応した複数(例えば6つ)の硬貨返却部を有していてもよい。
なお、本実施の形態では、硬貨リジェクト部49の後方側(図5の右側)に硬貨返却部47が設けられている。そして、図示されないロック機構が解除されることで、これら硬貨リジェクト部49及び硬貨返却部47を一体として筐体11から引き出すことができ、硬貨リジェクト部49に収容された硬貨や硬貨返却部47に返却された硬貨を取り出すことができるようになっている。
上述した硬貨収容カセット66は、第一硬貨一時保留部46aで一時保留された硬貨を収容することができる第一硬貨収容カセット66aと、第二硬貨一時保留部46bで一時保留された硬貨を収容することができる第二硬貨収容カセット66bと、を有している。
本実施の形態では、筐体11には、紙葉類収容カセット61を筐体11に対してロックするロック機構64a,64bが設けられ、硬貨収容カセット66を筐体11に対してロックするロック機構69a,69bが設けられ、収容部60自体を筐体11に対してロックするロック機構19が設けられている。なお、紙葉類収容カセット61及び硬貨収容カセット66を取り出す際には、開閉扉63を開放し、ロック機構19が解除された状態で、紙葉類収容カセット61及び硬貨収容カセット66を含む下部ユニットを前方へ引き出すこととなる。そして、ロック機構64aが解除されることで第一紙葉類カセット61aを上方へ取り出すことができ、ロック機構64bが解除されることで第二紙葉類カセット61bを上方へ取り出すことができ、ロック機構69aが解除されることで第一硬貨収容カセット66aを上方へ取り出すことができ、ロック機構69bが解除されることで第二硬貨収容カセット66bを上方へ取り出すことができるようになる。
本実施の形態では、操作表示部71を操作することで、第1管理権限を有する者(例えば店舗の店員)によって紙葉類収容カセット61に収容された紙葉類及び硬貨収容カセット66に収容された硬貨を回収することができる第1モードと、第2管理権限を有する者(例えば警装会社の社員)によって紙葉類収容カセット61に収容された紙葉類及び硬貨収容カセット66に収容された硬貨を回収することができる回収することができる第2モードとを、適宜切り換えることができるようになっていてもよい。
上述した紙葉類収容カセット61に収容された紙幣、商品券等の紙葉類と、硬貨収容カセット66に収容された硬貨が、例えば警送会社によって回収されて、現金センター等に搬送されることとなる。
ところで、上述した紙葉類受入部21及び紙葉類繰出部22、並びに、硬貨受入部41及び硬貨繰出部42が、特許請求の範囲の「入金部」としての役割を果たす。また、上述した紙葉類識別部25及び硬貨識別部45が特許請求の範囲の「識別部」としての役割を果たす。
図4に示すように、有価媒体処理装置100は、筐体11の上方に設置され、タッチパネル等からなり、様々な情報を表示するとともに入金者等の操作者からの入力を受け付ける操作表示部71と、正面側から見た場合に当該操作表示部71の右側に設置され、カード等の記録媒体に記録された情報を取得する読取部75と、を備えている。読取部75で取得される情報には、少なくとも入金部21,22,41,42に入金された紙幣、商品券等の紙葉類と硬貨の入金者、又は、入金部21,22,41,42に入金された紙幣、商品券等の紙葉類と硬貨の回収元を特定する入金特定情報が含まれている。なお、本実施の形態の操作表示部71が特許請求の範囲に記載された「表示部」の役割を果たすこととなり、本実施の形態の読取部75が特許請求の範囲に記載された「取得部」の役割を果たすこととなる。ちなみに、本実施の形態では、操作表示部71から例えば入金者のID番号やPOSレジスタ250の番号等を手入力することもでき、上述した入金特定情報を取得することができる。このため、本実施の形態では操作表示部71も特許請求の範囲に記載された「取得部」の役割を果たすこととなる。なお、本実施の形態において「操作者」は有価媒体処理装置100を操作する者のことを意味し、入金者、後述する出金者及び後述する両替者の上位概念として用いられる。
図6に示すように、有価媒体処理装置100は、入金特定情報に紐づけて入金情報を記憶するだけでなく、識別情報(識別辞書)、分類パターン等の様々な情報を記憶する記憶部80と、パソコン等の外部装置との接続に用いられるインターフェース90と、紙葉類処理部20を制御する紙葉類制御部30と、硬貨処理部40を制御する硬貨制御部50と、ロック機構19,64a,64b,69a,69bに対する施錠及び解錠を制御するロック制御部84と、有価媒体処理装置100の全体を制御する全体制御部70と、を備えている。そして、全体制御部70に、操作表示部71、読取部75、記憶部80、インターフェース90、プリンタ等からなる印刷部82、紙葉類制御部30及び硬貨制御部50の各々が接続されている。また、紙葉類制御部30には、紙葉類識別部25、紙葉類搬送部23、紙葉類操出部22、紙葉類分岐部39、紙葉類リジェクト部29、紙葉類一時保留部26、紙葉類スタッカ28等が接続されている。また、硬貨制御部50には、硬貨搬送部43、硬貨識別部45、硬貨操出部42、硬貨一時保留部46、硬貨分岐部59、硬貨返却部47、硬貨リジェクト部49等が接続されている。全体制御部70は当該全体制御部70に接続された各構成要素から情報を取得したり指令を与えたりするようになり、紙葉類制御部30は当該紙葉類制御部30に接続された各構成要素から情報を取得したり指令を与えたりするようになり、硬貨制御部50は当該硬貨制御部50に接続された各構成要素から情報を取得したり指令を与えたりするようになっている。
本実施の形態の全体制御部70は、同一の入金特定情報からなる入金情報を集計して入金集計情報を生成する役割も果たしており、特許請求の範囲の「集計部」としての役割を果たしている。なお、上述したように入金特定情報は、入金者のID番号やPOSレジスタ250の番号等からなるが、全体制御部70は、同一のID番号からなる入金情報を集計して入金集計情報を生成することもできるし、同一のPOSレジスタ250の番号からなる入金情報を集計して入金集計情報を生成することもできる。同一のID番号からなる入金情報を集計して入金集計情報を生成する場合には入金者毎の入金情報(売上情報)を後述する出力部で出力することができ、各入金者の責任を明確化することができる。他方、同一のPOSレジスタ250の番号からなる入金情報を集計して入金集計情報を生成する場合にはPOSレジスタ250毎の入金情報(売上情報)を出力部で出力することができ、POSレジスタ250毎の売上金額を把握することができる。
本実施の形態の有価媒体処理装置100は、図6に示すように、入金者のメールアドレス等の予め設定されたアドレスに全体制御部70で生成された入金集計情報を含む様々な情報を送信するデータ送信部81を備えていてもよい。このデータ送信部81は全体制御部70に接続されている。
本実施の形態では、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つで、全体制御部70で生成された入金集計情報が出力されるようになっている。このため、これら操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つが特許請求の範囲の「出力部」としての役割を果たすこととなる。本実施の形態の操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つは、上述した入金集計情報以外に、個々の入金取引に関する入金個別情報も出力してもよい。この際、入金個別情報と入金集計情報とを別々に出力してもよいが、入金個別情報と入金集計情報とを一つの情報として出力してもよい。仮に出力部として印刷部82が採用される場合には、印刷部82は入金個別情報と入金集計情報とを一枚のジャーナル等の印刷物に印刷してもよい。
操作表示部71が入金集計情報及び/又は入金個別情報を出力する場合には、操作表示部71から何らの操作も行われないときに、入金集計情報及び/又は入金個別情報を所定時間(例えば1分)だけ表示し、自動で入金集計情報及び/又は入金個別情報の表示を停止する態様を採用してもよい。この場合には、有価媒体処理装置100を利用して入金集計情報や入金個別集計情報を確認した操作者がログアウト等をせずに当該有価媒体処理装置100から離れてしまった場合でも、他の操作者に操作表示部71で表示された入金集計情報及び/又は入金個別情報が見られてしまうことを防止することができる点で好ましい。なお、所定時間内であっても、新たな入金特定情報が入力された際には、入金集計情報等の表示を停止する。
本実施の形態の全体制御部70は、最新の取引と同じ入金特定情報からなる入金情報を集計して入金集計情報を生成してもよい。この場合には、最新の入金処理を行った者と同じ入金特定情報からなる入金情報が集計されて、操作表示部71に表示されることとなる。このため、入金処理を行った直後で、入金者が当該入金者又は同じ回収元で集計された入金情報を操作表示部71で確認することができる。
また、本実施の形態では、読取部75又は操作表示部71から入金特定情報が取得されて、つまり操作者が有価媒体処理装置100にログインすると、読取部75又は操作表示部71で取得された入金特定情報に紐付けられた入金集計情報を、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つが出力してもよい。このような態様を採用した場合には、入金処理を行ったときだけでなく、あらゆるタイミングで、入金特定情報に紐付けられた入金集計情報を操作者が確認することができる。
また、本実施の形態の全体制御部70は、例えば精算業務を行うタイミングに合わせて「当日」「3日」といった所定期間の入金情報を集計して入金集計情報を生成してもよい。仮に所定期間が「当日」と設定されている場合には、入金者が、その日に当該入金者が入金した入金集計情報や同じ回収元から回収して入金した入金集計情報を確認することができる。ちなみに、この所定期間は適宜変更できるようになっていてもよく、例えば、「今週」、「今月」といったあらゆる期間を設定できるようになってもよい。このような態様を採用した場合には、例えば統計を取りたい等のような顧客のニーズに沿うことができる点で有益である。
また、上述した入金特定情報に店舗情報、部門情報、売り場情報等の総括情報が含まれてもよい。このような入金特定情報が総括情報を含む場合には、全体制御部70が同じ総括情報からなる入金集計情報を集計し、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つで同じ総括情報からなる入金集計情報を出力できるようにしてもよい。例えば、売り場情報が入力された場合には、当該売り場に設置される複数組のPOSレジスタ250及び貨幣釣銭機200からそれぞれ回収されて有価媒体処理装置100に入金された複数の入金処理について、入金集計情報を生成して出力する。このような態様によれば、例えば店舗毎、部門毎、売り場毎の統計を取ることができる点で有益である。
《方法》
次に、本実施の形態の有価媒体処理装置100を用いた有価媒体処理方法について説明する。
まず、入金者が貨幣釣銭機200や自動販売機300等から回収した紙幣、商品券等の紙葉類及び硬貨等を本実施の形態の有価媒体処理装置100まで持ち運ぶ(図1乃至図3参照)。
次に、読取部75にカード等の記録媒体を通すか、又は、操作表示部71から入金者のID番号やPOSレジスタ250の番号等を手入力することで認証処理を行う(図7A(a)参照)。その後で、操作表示部71から入金処理を行うことを選択する。図7A(a)で示した態様では、読取部75にPOSレジスタ250の番号に関する情報を含むカード等の記録媒体を通すか、操作表示部71からPOSレジスタ250の番号を手入力する態様となっている。操作表示部71からPOSレジスタ250の番号を手入力する場合には、図7A(b)に示す画面が操作表示部71に表示される。他方、読取部75にPOSレジスタ250の番号に関する情報を含むカード等の記録媒体が通された場合には、図7A(b)は表示されず、図7B(a)の画面に遷移される。
次に、紙幣、商品券等の紙葉類を紙葉類受入部21に投入し、硬貨を硬貨受入部41に投入する(図4参照)。そして、入金者が操作表示部71に表示された入金開始ボタンを押下することで、紙葉類受入部21に投入された紙幣、商品券等の紙葉類が紙葉類繰出部22によって筐体11内に繰り出され、硬貨受入部41に投入された硬貨が硬貨繰出部42によって筐体11内に繰り出される(図5参照)。紙葉類繰出部22によって筐体11内に繰り出された紙幣、商品券等の紙葉類は、紙葉類識別部25による識別を経て、紙葉類識別部25で正常に識別されれば、紙葉類スタッカ28及び紙葉類一時保留部26のいずれかに搬送される。この際には、スタッカ28にシャッタ28aは閉じられている。一例としては、紙幣が第二紙葉類一時保留部26bで一時的に保留され、商品券が第一紙葉類一時保留部26aで一時的に保留される。別の例としては、紙幣が第一紙葉類一時保留部26a及び第二紙葉類一時保留部26bで一時的に保留され、商品券が紙葉類スタッカ28で一時的に保留される。さらに別の例としては、商品券が第一紙葉類一時保留部26a及び第二紙葉類一時保留部26bで一時的に保留され、紙幣が紙葉類スタッカ28で一時的に保留される。さらに別の例としては、紙幣のうち釣銭準備金が第一紙葉類一時保留部26aで一時的に保留され、紙幣のうち売上金が第二紙葉類一時保留部26bで一時的に保留される。他方、硬貨繰出部42によって筐体11内に繰り出された硬貨は硬貨識別部45による識別を経て、硬貨識別部45で正常に識別されれば、硬貨一時保留部46に搬送される。なお、硬貨についても、硬貨のうち釣銭準備金が第一硬貨一時保留部46aで一時的に保留され、硬貨のうち売上金が第二硬貨一時保留部46bで一時的に保留されてもよい。
なお、紙葉類識別部25で識別できない紙葉類は紙葉類搬送部23で紙葉類リジェクト部29まで搬送されて筐体11から外部に繰り出され、硬貨識別部45で識別できない硬貨はリジェクトシュート49aを落下して硬貨リジェクト部49へと導かれる。
上述のような工程を経た後で、一時的に保留された紙幣及び硬貨の金種別枚数や、商品券の枚数、金額別枚数、発行元別枚数等が操作表示部71に表示される(図7B(a)−(c)参照)。図7Bに示す態様では、例えば「当日」に同じ入金特定情報(例えば入金者の識別情報、POSレジスタの番号又は入金者の識別情報及びPOSレジスタの番号の両方)として入金された金種別枚数、入金合計等を含む入金集計情報も操作表示部71に表示されている。より具体的には、図7B(a)に示すように、今回入金された合計金額が「今回計」として表示され、前回までに入金された合計金額が「前回計」として表示され、これらの総合計が「合計」として表示されている。なお、例えば「当日」に同じ入金特定情報で入金された紙幣の金種別枚数、硬貨の金種別枚数及び商品券の枚数、金額別枚数、発行元別枚数等は、所定のタブを押下することで、適宜切り替えられて表示される。図7B(b)は「硬貨」のタブを押下した際の画面を示し、図7B(c)は「項目」のタブを押下した際の画面を示している。なお、図示していないが、本実施の形態の操作表示部71では、今回入金された金種別枚数と前回までに入金された金種別枚数の各々が表示できるようになっており、入金者は、今回入金された紙幣、硬貨及び商品券の合計金額と金種別枚数、前回までに入金された紙幣、硬貨及び商品券の合計金額と金種別枚数、並びに、現時点まで入金された総合計としての紙幣、硬貨及び商品券の合計金額と金種別枚数の各々を確認することができるようになっている。
そして、操作表示部71での表示を視認した入金者によって、操作表示部71に表示された完了ボタンが押下される。
このように完了ボタンが押下されると、読取部75にカード等の記録媒体を通してログインした場合には入金処理が終了されることなる(図7C(b)参照)。他方、操作表示部71からPOSレジスタ250の番号を手入力する態様してログインした場合には、操作表示部71が再度POSレジスタ250の番号等の入力を要求する(図7C(a)参照)。この要求にしたがって操作表示部71からログイン時と同一のPOSレジスタ250の番号等が再度入力されると、一時的に保留された紙幣、商品券等の紙葉類は紙葉類収容カセット61に収容され、一時的に保留された硬貨は硬貨収容カセット66に収容されて、入金処理が終了されることなる(図7C(b)参照)。なお、このようにPOSレジスタ250の番号等の再入力を要求するのは、手入力してログインした場合には、誤ってPOSレジスタ250の番号等の識別情報が入力された可能性があることから、実際と異なる識別情報に紐付けられて紙幣、商品券等の紙葉類や硬貨が収容カセット61,66に収容されることを防止するためである。再入力時に、ログイン時と異なる番号等が入力された場合には、警告画面を表示して、改めて正しい番号等を入力させたり、保留された貨幣を返却して、入金処理をログインからやり直させたりする。
図7Cに示す態様では、このように入金処理が終了すると、操作表示部71に「合計印字」というボタンが表示されることとなる(図7C(c)参照)。そして、入金者が、この「合計印字」を押下すると、例えば「当日」(所定期間)に同じ入金特定情報(例えば入金者の識別情報、POSレジスタの番号又は入金者の識別情報及びPOSレジスタの番号の両方)として入金された金種別枚数、入金合計等を含む入金集計情報が印刷部82から印刷される。ちなみに、出力部としてデータ送信部81が採用されている場合には、この時点で、例えば「送信」というボタンが表示され、この「送信」を押下することで、データ送信部81が入金者のメールアドレス等の予め設定されたアドレスに送信することになる。なお、「合計印字」を押下する前後で「枚数」を入力することができるようになってもよく、この場合には必要な「枚数」を入力することで、必要な枚数の印刷物が印刷されることとなる。
入金集計情報の印刷部82による印刷は何回でも行うことができ、例えば「合計印字」を押下する度に、入金集計情報を含んだジャーナル等の印刷物が印刷部82で印刷されてもよい。ちなみに、同じ入金集計情報を含んだ印刷物を複数回にわたり印刷する場合には、各印刷物に通し番号(何枚目の印刷であるかが分かる番号)が印刷されてもよい。
ちなみに、読取部75又は操作表示部71から入金特定情報が取得されて、つまり操作者が有価媒体処理装置100にログインして、当該入金特定情報に紐付けられた入金集計情報を印刷部82が出力する態様を採用した場合には、操作者が有価媒体処理装置100にログインした段階で操作表示部71に上述した「合計印字」のボタンが表示されることとなる。そして、この「合計印字」を押下することで、例えば「当日」(所定期間)に同じ入金特定情報として入金された金種別枚数、入金合計等を含む入金集計情報が印刷部82から印刷される。
ジャーナル等の印刷物に入金個別情報が印刷される場合には、印刷物に、例えば図8(a)に示すように、入金処理を行った日時、売上日、店No、部門No又は部門名称、レジNo又はレジ名称、例えば所定期間である「当日」に入金処理を行った回数である「オープン回数」、紙幣に関する各金種の金種別枚数と合計金額と手入力であるか機械による識別であるかの区別、硬貨に関する各金種の金種別枚数と合計金額と手入力であるか機械による識別であるかの区別、紙幣の合計金額、硬貨の合計金額、入金されるべき金額を示した伝票計、商品券に関する金種、発行元等を含む項目に関する情報(本実施の形態において「項目」とは商品券のことを意味している。)、今回入金された合計金額である「今回計」、伝票計と「今回計」との差額等が印刷されている。なお、後述するように出金部31,51を備える場合には、印刷物には、出金した額を示す釣銭定額(図8(a)−(c)参照)も印刷されてもよい。
また、ジャーナル等の印刷物に入金集計情報が印刷される場合には、上述した情報の他に、例えば図8(b)に示すように、例えば所定期間である「当日」に同じ入金特定情報として前回までで入金された合計金額である「前回計」と、「今回計」を「前回計」に足し合わせた「総合計」も印刷されてもよい。また、例えば図8(c)に示すように、例えば所定期間である「当日」に同じ入金特定情報として前回までで入金された貨幣の金種別枚数も印字されてもよい。
所定期間に複数回の入金処理が行われる場合について、図9及び図10に示された例を用いて説明する。
図9で示す態様では、入金者Aによって有価媒体処理装置100に対して3回の入金処理が行われ、入金者Aによる2回目の入金処理(入金(2))と3回目の入金処理(入金(4))との間に入金者Bによって当該有価媒体処理装置100に対して1回目の入金処理(入金(3))が行われたものである。入金者Aによる1回目、2回目及び3回目の入金処理(入金(1)(2)(4))の終了時には各回に関してジャーナル等の印刷物に入金個別情報が印刷される。また、入金者Bによる1回目の入金処理(入金(3))の終了時には、当該入金処理に関してジャーナル等の印刷物に入金個別情報が印刷される。そして、入金者Aが3回目の入金処理で操作表示部71に表示された「合計印字」を押下することで、入金者Aが所定期間内(例えば「当日」)に入金した入金集計情報、つまり入金者Aの1回目〜3回目までの入金(入金(1)(2)(4))を合計した情報がジャーナル等の印刷物に印刷される。
図10で示す態様では、入金者Aによって有価媒体処理装置100に対して4回の入金処理が行われ、入金者Aによる2回目の入金処理(入金(2))と3回目の入金処理(入金(4))との間に入金者Bによって当該有価媒体処理装置100に対して1回目の入金処理(入金(3))が行われ、入金者Aによる3回目の入金処理(入金(4))の後に入金者Cによって当該有価媒体処理装置100に対して1回目の入金処理(入金(5))が行われたものである。入金者Aによる1回目と2回目の入金処理(入金(1)(2))は「終了」を挟まずに連続して行われていることから、1回目と2回目とを合算した入金処理(入金(1)(2))と3回目の入金処理(入金(4))に関してジャーナル等の印刷物に入金個別情報が印刷され、入金者Bによる1回目の入金処理(入金(3))及び入金者Cによる1回目の入金処理(入金(5))の各々に関してジャーナル等の印刷物に入金個別情報が印刷される。図10で示す態様では、入金者Cによる1回目の入金処理(入金(5))が終わった後で、入金者Aが有価媒体処理装置100にログインした態様となっている。そして、入金者Aが操作表示部71に表示された「合計印字」を押下することで、入金者Aが所定期間内(例えば「当日」)に入金した入金集計情報、つまり入金者Aの1回目〜3回目までの入金処理(入金(1)(2)(4))を合計した情報がジャーナル等の印刷物に印刷される。
《効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態によって達成される効果であって、まだ述べていない効果又はとりわけ重要な効果について説明する。
本実施の形態によれば、読取部75又は操作表示部71が、紙葉類受入部21及び硬貨受入部41で受け入れられた紙幣、商品券等の紙葉類と硬貨の入金者又は回収元を特定する入金特定情報を取得する。そして、全体制御部70が同一の入金特定情報からなる入金情報を集計して入金集計情報を生成し、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つがこのようにして生成された入金集計情報を出力する。このため、操作者は、入金者又は回収元に応じて合計いくらの売上金を入金したかを容易に把握することができる。この点、従来の貨幣処理装置では、売上金の合計を知るには、入金処理ごとに印刷されたジャーナル等の印刷物に基づいて実際に計算することとなるが、計算が面倒であるうえ、誤って計算してしまう可能性もあったことからすると、本実施の形態によって達成される効果は非常に有益なものである。なお、入金集計情報が貨幣の金種別枚数に関する情報を含む場合には、入金者又は回収元に応じて入金した貨幣の金種別枚数も把握することができる点で有益である。
また、本実施の形態で全体制御部70が例えば「当日」といった所定期間の入金情報を集計して入金集計情報を生成する場合には、必要な期間で集計された入金集計情報を取得することができる点で好ましい。
なお、全体制御部70が最新の取引と同じ入金特定情報からなり、所定期間の入金情報を集計して入金集計情報を生成してもよい。この場合には、入金処理を行った直後で、入金者が当該入金者又は同じ回収元に関して、例えば「当日」といった所定期間で集計された入金集計情報を操作表示部71で確認することができる。
また、読取部75又は操作表示部71から入金特定情報が取得されて、つまり操作者が有価媒体処理装置100にログインして、例えば「当日」といった所定期間で集計された入金集計情報を操作表示部71で確認する態様を採用することもできる。この場合には、読取部75又は操作表示部71で取得された入金特定情報に紐付けられた入金集計情報であって、所定期間の入金情報を集計して生成された入金集計情報を、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つが出力してもよい。この態様によれば、入金処理を行ったときだけでなく、あらゆるタイミングで、入金特定情報に紐付けられた入金集計情報であって、例えば「当日」といった所定期間で集計された入金集計情報を操作者が確認することができる。
なお、入金集計情報を印刷部82が印刷する場合には、入金集計情報の印刷された印刷物を手元に保管して後の個々人の集計に利用することができる点で有益である。また、データ送信部81が入金集計情報を入金者のメールアドレス等の予め設定されたアドレスに送信する場合には、紛失の可能性のある紙として保管することなく入金集計情報を手元(パソコン等)に保管することができ、後の個々人の集計に利用することができる点で有益である。また、入金集計情報を操作表示部71が表示する場合には、簡易かつ迅速に入金集計情報を確認することができる点で有益である。
また、本実施の形態において、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つが個々の入金取引に関する入金個別情報も出力する場合には、入金集計情報のみならず、各入金取引に対応した入金個別情報も操作者が取得することができる点で有益である。
[変形例]
上記では、一台の有価媒体処理装置100で処理が行われる態様を用いて説明したが、これに限られることはなく、取得部175、記憶部180、集計部170及び出力部182のうちの少なくともいずれか一つが有価媒体処理装置100以外の外部装置に設置されてもよい。つまり、有価媒体処理装置100以外の外部装置に入金特定情報を取得する取得部175が設置されたり(図11(a)参照)、有価媒体処理装置100以外の外部装置に入金特定情報に紐づけて入金情報を記憶する記憶部180が設置されたり(図11(b)参照)、有価媒体処理装置100以外の外部装置に同一の入金特定情報からなる入金情報を集計して入金集計情報を生成する集計部170が設置されたり(図11(c)参照)、有価媒体処理装置100以外の外部装置に入金集計情報を出力する出力部182が設置されたり(図11(d)参照)する有価媒体処理システムを採用することもできる。このような態様を採用する場合には、有価媒体処理装置100は、少なくとも貨幣を入金するための入金部21,22,41,42を含むこととなる。
また、少なくとも貨幣を入金するための入金部21,22,41,42を含む有価媒体処理装置100が複数台設けられ、各有価媒体処理装置100に接続された取得部175、記憶部180、集計部170及び出力部182が設けられてもよい。これら取得部175、記憶部180、集計部170及び出力部182の全てがいずれか一つ以上の有価媒体処理装置100に設置されてもよいし、これら取得部175、記憶部180、集計部170及び出力部182の全てが有価媒体処理装置100以外の外部装置に設置されてもよい。また、取得部175、記憶部180、集計部170及び出力部182のいずれかが有価媒体処理装置100に設置され、取得部175、記憶部180、集計部170及び出力部182のうちの残りが有価媒体処理装置100以外の外部装置に設置されてもよい。
上述した有価媒体処理システムでも、第1の実施の形態で詳しく説明した有価媒体処理装置100と同様の効果を奏することができる。
また、第1の実施の形態で詳しく説明した有価媒体処理装置100が複数台設けられ、一つの有価媒体処理装置100がいわゆる親機として機能し、その他の有価媒体処理装置100がいわゆる子機として機能してもよい(図12参照)。この場合には、親機である有価媒体処理装置100の記憶部80で入金特定情報に紐づけた入金情報が記憶され、親機である有価媒体処理装置100の全体制御部70が同一の入金特定情報からなる入金情報を集計して入金集計情報を生成するようにしてもよい。この態様を採用した場合には、入金者によって操作される各有価媒体処理装置100の読取部75又は操作表示部71から入金特定情報が取得され、各有価媒体処理装置100の操作表示部71又は印刷部82で入金集計情報が出力されることとなる。なお、出力部としてデータ送信部81が利用される場合には、親機である有価媒体処理装置100のデータ送信部81が入金集計情報を出力してもよいし、入金者によって操作される有価媒体処理装置100のデータ送信部81が入金集計情報を出力してもよい。
また、図1乃至図3に示すように、複数の有価媒体処理装置100が管理装置150に接続されており、この管理装置150が記憶部180及び集計部170を有していてもよい。この場合には、管理装置150の記憶部180で入金特定情報に紐づけた入金情報が記憶され、管理装置150の集計部170が同一の入金特定情報からなる入金情報を集計して入金集計情報を生成することとなる。この態様を採用した場合には、入金者によって操作される各有価媒体処理装置100の読取部75又は操作表示部71から入金特定情報が取得され、各有価媒体処理装置100の操作表示部71又は印刷部82で入金集計情報が出力されることとなる。なお、この態様でも、管理装置150がデータ送信部からなる出力部182を有する場合には、管理装置150のデータ送信部が入金集計情報を出力してもよいし、入金者によって操作される有価媒体処理装置100のデータ送信部81が入金集計情報を出力してもよい。
上述した変形例の一例について、図13を用いて説明する。
図13で示す態様では、入金者Aによってある有価媒体処理装置100(図13では1号機として示している。)に対して2回の入金処理が行われ、当該ある有価媒体処理装置100に対する入金者Aによる1回目の入金処理(入金(1))と2回目の入金処理(入金(5))との間に入金者Bによって当該ある有価媒体処理装置100に対して1回目の入金処理(入金(2))が行われたものである。また、入金者Aによって別の有価媒体処理装置100(図13では3号機として示している。)に対して1回の入金処理(入金(3))が行われ、当該別の有価媒体処理装置100に対する入金者Aによる1回の入金処理(入金(3))の後に入金者Cによって当該別の有価媒体処理装置100に対して2回の入金処理(入金(4)(6))が行われたものである。入金者Aによるある有価媒体処理装置100に対する2回の入金処理(入金(1)(5))及び別の有価媒体処理装置100に対するに対する1回の入金処理(入金(3))、入金者Bによる1回目の入金処理(入金(2))、並びに、入金者Cによる1回目の入金処理(入金(4))及び2回目の入金処理(入金(6))の各々に関してジャーナル等の印刷物に入金個別情報が印刷される。そして、入金者Aによるある有価媒体処理装置100に対する2回目の入金処理(入金(5))を行った際に操作表示部71に表示された「合計印字」を押下することで、入金者Aが所定期間内(例えば「当日」)に入金した入金集計情報、つまり入金者Aの合計3回の入金処理(入金(1)(3)(5))を合計した情報がジャーナル等の印刷物に印刷される。また、同様に、入金者Cによる別の有価媒体処理装置100に対する2回目の入金処理(入金(6))を行った際に操作表示部71に表示された「合計印字」を押下することで、入金者Cが所定期間内(例えば「当日」)に入金した入金集計情報、つまり入金者Cの合計2回の入金処理(入金(4)(6))を合計した情報がジャーナル等の印刷物に印刷される。
ところで、上記では、出力部として操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つを用いる態様を利用して説明してきたが、これに限られることはなく、有価媒体処理装置100は、ICカードやUSBメモリ等の記録媒体に入金集計情報、入金個別情報を含む様々な情報を出力するようになっていてもよい。記録媒体としてICカード等のカードを採用する場合には、有価媒体処理装置100が、全体制御部70に接続され、例えばICカード等のカードに入金集計情報、入金個別情報を含む様々な情報を記録する記録部92(図6参照)を有したり、上述した読取部75がICカード等のカードに記録された情報を読み取るだけでなくICカード等のカードに情報を記録することもできる記録読取部から構成されたりする。また、記録媒体としてUSBメモリを採用する場合には、有価媒体処理装置100のインターフェース90が、USBメモリを受け付ける受付部91(図6参照)を有することとなる。
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態で示す装置の構成は、一例であることには留意が必要である。
第1の実施の形態では、有価媒体入金装置及び有価媒体入金システムを用いた態様であったが、第2の実施の形態では、有価媒体を出金する出金部31,51をさらに備えた有価媒体入出金機400、及び、当該有価媒体入出金機を用いた有価媒体入出金システムを用いた態様となっている。なお、本実施の形態では、図14に示すように、出金部31,51は、紙幣、商品券等の紙葉類を出金するための紙葉類出金部31と、硬貨を出金するための硬貨出金部51と、を有している。
[紙葉類処理部]
より具体的には、本実施の形態の有価媒体入出金機400の紙葉類処理部20は、複数(図15に示す態様では3つ)のリサイクル式紙葉類収納部36(36a〜36c)を有している。各リサイクル式紙葉類収納部36は、正逆両方向に回転可能なドラム36pをそれぞれ有しており、各ドラム36pに一対のテープが巻き取られて収納される。紙葉類搬送部23から各リサイクル式紙葉類収納部36に送られた紙葉類は、一対のテープの間に挟まれた状態で、1枚ずつ順次ドラム36pにより巻き取られる。他方、ドラム36pを逆転させると、巻き取られた紙葉類が1枚ずつ紙葉類搬送部23に送られる。このようにリサイクル式紙葉類収納部36から紙葉類搬送部23に繰り出された紙葉類は、紙葉類搬送部23によって紙葉類出金部31まで搬送され当該紙葉類出金部31から出金可能となっている。ところで、各リサイクル式紙葉類収納部36は上述のようなテープ式である必要はなく、例えば、各リサイクル式紙葉類収納部36はスタッカ式(積層式)のものであってもよい。
なお本実施の形態では、入金リジェクト紙幣は上述した紙葉類出金部31に搬送されることとなる。本実施の形態の紙葉類処理部20は、この紙葉類出金部31の他に、紙葉類処理部20内に取り込まれた紙葉類のうち紙葉類収容カセット61に収容されない紙葉類を紙葉類処理部20の外部に返却する紙葉類返却口33を備えている。この紙葉類返却口33には、紙葉類保留部35が設けられ、この紙葉類保留部35には紙葉類搬送部23から紙葉類が送られるようになっている。また、紙葉類返却口33には開閉可能な扉34が設けられている。紙葉類保留部35にある紙葉類を返却する場合には、ロックが解除されて扉34を開けることが可能となり、紙葉類保留部35から紙葉類を取り出すことができるようになる。他方、紙葉類保留部35にある紙葉類を紙葉類収容カセット61に収納させる際には、この紙葉類収容カセット61に設けられたステージが紙葉類保留部35の一時保留板に載せられた紙葉類を迎えにいき、一時保留板が退避して紙葉類がステージ上に落下すると、ステージが下降し、当該ステージ上の紙葉類を上から押さえ部材で押さえ、その状態で、当該紙葉類が紙葉類収容カセット61内に収容されることとなる。
[硬貨処理部]
本実施の形態の有価媒体入出金機400の硬貨処理部40は、筒状の上入れ上出しタイプからなり、複数(図16に示す態様では6つ)のリサイクル式硬貨収納部56(56a〜56f)を有している。複数のリサイクル式硬貨収納部56a〜56fは、例えば金種別に硬貨を積層状態で一時的に収納できるようになっている。
本実施の形態の硬貨処理部40は、硬貨受入部41に連通し、硬貨受入部41から受け入れられた硬貨を一時的に貯留するとともに、この貯留された硬貨を後述する硬貨搬送部43に繰り出す硬貨繰出部53を有している。
本実施の形態では、硬貨搬送部43に7つの硬貨分岐部59が設けられている。7つの硬貨分岐部59のうち最も上流側にある硬貨分岐部59(オーバーフロー用の硬貨分岐部59)は、硬貨搬送部43から後述する横方向搬送部58に直接硬貨を送るために設けられている。また、上流側から2番目〜7番目の硬貨分岐部59は、それぞれ各リサイクル式硬貨収納部56a〜56fに対応するものである。
各リサイクル式硬貨収納部56の上部には、硬貨を一時的に保留する金種別硬貨一時保留部46’が設けられている。7つの硬貨分岐部59のうち最も上流側にある硬貨分岐部59以外の各硬貨分岐部59を介して硬貨搬送部43から落下した硬貨は、まず金種別硬貨一時保留部46’により一時的に保留されるようになっている。そして、入金者が例えば操作表示部71に表示された完了ボタンを押下することで、この金種別硬貨一時保留部46’に保留された硬貨が各リサイクル式硬貨収納部56に収納されることとなる。また、この金種別硬貨一時保留部46’は図示しない投出部材を有しており、この投出部材により、金種別硬貨一時保留部46’に保留された硬貨を後述する横方向搬送部58上に投出することもできるようになっている。一方、各リサイクル式硬貨収納部56内に収納された硬貨がこのリサイクル式硬貨収納部56から取り出される場合には、まずリサイクル式硬貨収納部56の下部に設けられたステージ(図示せず)が上方に持ち上げられ、ステージ上の硬貨が金種別硬貨一時保留部46’に送られ、この硬貨が金種別硬貨一時保留部46’の投出部材により横方向搬送部58上に投出されるようになっている。
硬貨処理部40の内部には、略水平方向に延びる循環ベルト58aを有する横方向搬送部58が設けられている。循環ベルト58aは図16の時計回り及び反時計回りの両方に循環移動可能となっている。また、横方向搬送部58の一端(図16では左側の端部)は硬貨繰出部53内に位置しており、横方向搬送部58の他端(図16では右側の端部)はシュート57bの上部の近傍に位置している。循環ベルト58aが図16における反時計回りに回転したときには、横方向搬送部58上にある硬貨は硬貨繰出部53に送られるようになっている。他方、循環ベルト58aが図16における時計回りに回転したときには、横方向搬送部58上にある硬貨はシュート57bに送られ、当該シュート57b内を通過して硬貨保留部57aで保留されることとなる。この硬貨保留部57aに一時的に保留された硬貨は、貨幣収納部40内に配置された硬貨収容カセット66に送られるようになっている。
なお、リサイクル式硬貨収納部56から繰り出され、金種別硬貨一時保留部46’、横方向搬送部58及び硬貨繰出部53を経た硬貨は、硬貨繰出部53から硬貨搬送部43に繰り出され、当該硬貨搬送部43から硬貨出金部51に送られることで、出金されることとなる。
なお、本実施の形態では、リサイクル式紙葉類収納部36及びリサイクル式硬貨収納部56が特許請求の範囲に記載された「収納部」としての役割を果たすこととなる。
第2の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態と略同一の態様となっている。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。第1の実施の形態で詳細に説明したことから、本実施の形態における効果の説明は、本実施の形態に固有の部分に留める。
[出金について]
本実施の形態では、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つが、出金部31,51から出金された貨幣の出金情報を出力することとなる。このため、本実施の形態によれば、操作者は、入金集計情報、入金個別情報等の入金情報のみならず、出金部31,51から出金された貨幣の出金情報も取得することができ、管理することができる。
また、本実施の形態の有価媒体処理装置400では、読取部75又は操作表示部71が、出金部31,51から貨幣を出金した出金者又は出金部31,51から出金した貨幣の補充先を特定する出金特定情報を取得してもよい。より具体的には、カード等の記録媒体が読取部75で読み取られることで貨幣を出金した出金者又は出金部31,51から出金した貨幣の補充先を特定する出金特定情報を取得したり、操作表示部71から例えば出金者のID番号や出金された貨幣が補充されるPOSレジスタ250の番号等が手入力されることで貨幣を出金した出金者又は出金部31,51から出金した貨幣の補充先を特定する出金特定情報を取得したりすることができる。
この場合には、記憶部80が出金特定情報に紐づけて出金情報を記憶し、全体制御部70が同一の出金特定情報からなる出金情報を集計して出金集計情報を生成する。そして、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つが、全体制御部70で生成された出金集計情報を出力する。このため、この態様では、操作者は、出金者又は補充先に応じて合計いくらの出金を行ったかを容易に把握することができる。なお、出金集計情報が貨幣の金種別枚数に関する情報を含む場合には、出金者又は補充先に応じて出金した貨幣の金種別枚数も把握することができる点で有益である。
また、本実施の形態の操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つは、上述した出金集計情報以外に、個々の出金取引に関する出金個別情報も出力してもよい。このように個々の出金取引に関する出金個別情報も出力する場合には、出金集計情報のみならず、各出金取引に対応した出金個別情報も操作者が取得することができる点で有益である。
また、操作表示部71が出金集計情報及び/又は出金個別情報を出力する場合には、操作表示部71から何らの操作も行われないときに、出金集計情報及び/又は出金個別情報を所定時間(例えば1分)だけ表示し、自動で出金集計情報及び/又は出金個別情報の表示を停止する態様を採用してもよい。この場合には、有価媒体処理装置400を利用して出金集計情報や出金個別集計情報を確認した操作者がログアウト等をせずに当該有価媒体処理装置400から離れてしまった場合でも、他の操作者に操作表示部71で表示された出金集計情報及び/又は出金個別情報が見られてしまうことを防止することができる点で好ましい。
また、本実施の形態の全体制御部70は、例えば「当日」といった所定期間の出金情報を集計して出金集計情報を生成してもよい。この場合には、出金者が、例えば「当日」に当該出金者が出金した出金集計情報や同じ補充先に補充するために出金した出金集計情報を確認することができる。このような態様を採用した場合には、必要な期間で集計された出金集計情報を取得することができる点で好ましい。ちなみに、この所定期間は適宜変更できるようになっていてもよく、例えば、「今週」、「今月」といったあらゆる期間を設定できるようになってもよい。このような態様を採用した場合には、例えば統計を取りたい等のような顧客のニーズに沿うことができる点で有益である。
また、本実施の形態の全体制御部70は、最新の取引と同じ出金特定情報からなる出金情報を集計して出金集計情報を生成してもよい。この場合には、最新の出金処理を行った者と同じ出金特定情報からなる出金情報が集計されて、操作表示部71に表示されることとなる。このため、出金処理を行った直後で、出金者が当該出金者又は同じ補充先で集計された出金情報を操作表示部71で確認することができる。なおこの際、全体制御部70が「所定期間」の出金情報を集計して出金集計情報を生成してもよい。この場合には、出金処理を行った直後で、出金者が当該出金者又は同じ補充先に関して、例えば「当日」といった所定期間で集計された出金集計情報を操作表示部71で確認することができる。
また、本実施の形態では、読取部75又は操作表示部71から出金特定情報が取得されると、つまり操作者が有価媒体処理装置400にログインすると、読取部75又は操作表示部71で取得された出金特定情報に紐付けられた出金集計情報を、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つが出力してもよい。このような態様を採用した場合には、出金処理を行ったときだけでなく、あらゆるタイミングで、出金特定情報に紐付けられた出金集計情報を操作者が確認することができる。なおこの際、「所定期間」の出金情報を集計して生成された出金集計情報を、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つが出力するようにしてもよい。この場合には、出金処理を行ったときだけでなく、あらゆるタイミングで、出金特定情報に紐付けられた出金集計情報であって、例えば「当日」といった所定期間で集計された出金集計情報を操作者が確認することができる。
また、上述した出金特定情報に店舗情報、部門情報、売り場情報等の総括情報が含まれてもよい。このような出金特定情報が総括情報を含む場合には、全体制御部70が同じ総括情報からなる出金集計情報を集計し、操作表示部71、印刷部82、データ送信部81等の出力部で同じ総括情報からなる出金集計情報を出力できるようにしてもよい。このような態様によれば、例えば店舗毎、部門毎、売り場毎の統計を取ることができる点で有益である。
[両替について]
また、本実施の形態の有価媒体処理装置400は、入金された貨幣の両替処理を行うこともでき、このように両替処理を行う場合には、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つが、両替された貨幣の両替情報も出力する。このため、本実施の形態によれば、操作者は、入金集計情報等の入金情報のみならず、両替された貨幣の両替情報も取得することができ、管理することができる。ちなみに、上述した入金処理及び出金処理は精算業務に伴って行われるものであるが、両替処理は精算業務とは無関係に行われるものである。
また、本実施の形態の有価媒体処理装置400では、読取部75又は操作表示部71が、入金部21,22,41,42から貨幣を入金し出金部31,51から貨幣を出金した両替者又は両替元を特定する両替特定情報を取得してもよい。より具体的には、カード等の記録媒体が読取部75で読み取られることで貨幣を両替しようとしている両替者又は両替元を特定する両替特定情報を取得したり、操作表示部71から例えば両替者のID番号やPOSレジスタ250の番号等が手入力されることで貨幣を両替しようとしている両替者又は両替元を特定する両替特定情報を取得したりすることができる。
この場合には、記憶部80が両替特定情報に紐づけて両替情報を記憶し、全体制御部70が同一の両替特定情報からなる両替情報を集計して両替集計情報を生成する。そして、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つが、全体制御部70で生成された両替集計情報を出力する。このため、この態様では、操作者は、両替者又は両替元に応じて合計いくらの両替を行ったか、合計何回の両替を行ったか等を容易に把握することができる。なお、両替の回数や両替の合計金額で手数料が変わる場合もあるが、この態様では、このように両替の回数や両替の合計金額で手数料が変わる運用が採用されている場面では、より大きな効果を奏することとなる。なお、両替集計情報が貨幣の金種別枚数に関する情報を含む場合には、両替者又は両替元に応じて出金した貨幣の金種別枚数も把握することができる点で有益である。
また、本実施の形態の操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つは、上述した両替集計情報以外に、個々の両替取引に関する両替個別情報も出力してもよい。このように個々の両替取引に関する両替個別情報も出力する場合には、両替集計情報のみならず、各出金取引に対応した両替個別情報も操作者が取得することができる点で有益である。
また、操作表示部71が両替集計情報及び/又は両替個別情報を出力する場合には、操作表示部71から何らの操作も行われないときに、両替集計情報及び/又は両替個別情報を所定時間(例えば1分)だけ表示し、自動で両替集計情報及び/又は両替個別情報の表示を停止する態様を採用してもよい。この場合には、有価媒体処理装置400を利用して両替集計情報や両替個別集計情報を確認した操作者がログアウト等をせずに当該有価媒体処理装置400から離れてしまった場合でも、他の操作者に操作表示部71で表示された両替集計情報及び/又は両替個別情報が見られてしまうことを防止することができる点で好ましい。
また、本実施の形態の全体制御部70は、例えば「当日」といった所定期間の両替情報を集計して両替集計情報を生成してもよい。この場合には、両替者が、例えば「当日」に当該両替者が両替した両替集計情報や同じ両替元に補充するために両替した両替集計情報を確認することができる。このような態様を採用した場合には、必要な期間で集計された両替集計情報を取得することができる点で好ましい。ちなみに、この所定期間は適宜変更できるようになっていてもよく、例えば、「今週」、「今月」といったあらゆる期間を設定できるようになってもよい。このような態様を採用した場合には、例えば統計を取りたい等のような顧客のニーズに沿うことができる点で有益である。
また、本実施の形態の全体制御部70は、最新の取引と同じ両替特定情報からなる両替情報を集計して両替集計情報を生成してもよい。この場合には、最新の両替処理を行った者と同じ両替特定情報からなる両替情報が集計されて、操作表示部71に表示されることとなる。このため、両替処理を行った直後で、両替者が当該両替者又は同じ両替元で集計された両替情報を操作表示部71で確認することができる。なおこの際、全体制御部70が「所定期間」の両替情報を集計して両替集計情報を生成してもよい。この場合には、両替処理を行った直後で、両替者が当該両替者又は同じ両替元に関して、例えば「当日」といった所定期間で集計された両替集計情報を操作表示部71で確認することができる。
また、本実施の形態では、読取部75又は操作表示部71から両替特定情報が取得されると、つまり操作者が有価媒体処理装置400にログインすると、読取部75又は操作表示部71で取得された両替特定情報に紐付けられた両替集計情報を、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つが出力してもよい。このような態様を採用した場合には、両替処理を行ったときだけでなく、あらゆるタイミングで、両替特定情報に紐付けられた両替集計情報を操作者が確認することができる。なおこの際にも、「所定期間」の両替情報を集計して生成された両替集計情報を、操作表示部71、印刷部82及びデータ送信部81の少なくともいずれか1つが出力するようにしてもよい。この場合には、両替処理を行ったときだけでなく、あらゆるタイミングで、両替特定情報に紐付けられた両替集計情報であって、例えば「当日」といった所定期間で集計された両替集計情報を操作者が確認することができる。
また、上述した両替特定情報に店舗情報、部門情報、売り場情報等の総括情報が含まれてもよい。このような両替特定情報が総括情報を含む場合には、全体制御部70が同じ総括情報からなる両替集計情報を集計し、操作表示部71、印刷部82、データ送信部81等の出力部で同じ総括情報からなる両替集計情報を出力できるようにしてもよい。このような態様によれば、例えば店舗毎、部門毎、売り場毎の統計を取ることができる点で有益である。
また、本実施の形態でも、第1の実施の形態の変形例で示したような態様を採用することができる。例えば、本実施の形態でも、取得部175、記憶部180、集計部170及び出力部182のうちの少なくともいずれか一つが有価媒体処理装置400以外の外部装置に設置されてもよい。また、有価媒体処理装置400が複数台設けられ、一つの有価媒体処理装置400がいわゆる親機として機能し、その他の有価媒体処理装置400がいわゆる子機として機能してもよい。
本実施の形態の有価媒体処理装置400では、第1の実施の形態と同様、入金集計情報を生成して出力することを前提として説明したが、これに限られることはなく、入金集計情報を生成して出力することなく、出金集計情報を生成して出力する態様を採用したり、両替集計情報を生成して出力する態様を採用したりすることできる。また、必ずしも、出金集計情報を生成して出力する態様と両替集計情報を生成して出力する態様の両方を採用する必要はなく、両替集計情報を生成して出力する態様だけを採用したり、出金集計情報を生成して出力する態様だけを採用したりすることもできる。
最後になったが、上述した各実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。