JP2015140812A

JP2015140812A - 金属シール

Info

Publication number: JP2015140812A
Application number: JP2014012121A
Authority: JP
Inventors: 聡藤堂; Satoshi Todo
Original assignee: Mitsubishi Cable Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority date: 2014-01-27
Filing date: 2014-01-27
Publication date: 2015-08-03
Anticipated expiration: 2034-01-27
Also published as: JP6309284B2

Abstract

【課題】低締付力でも面圧を上げ高いシール性能を確保することができる金属シールを提供する。【解決手段】対向する平行な二平面１，２に接触する横断面Ｃ型の金属製外ジャケット３と、外ジャケット３の内部に挿入される金属製内ジャケット４と、内ジャケット４の内部に収納されて内ジャケット４を介して外ジャケット３を拡径方向に弾発付勢する弾発コイルばね５とを、備える。外ジャケット３の外周面６は横断面平滑円弧状である。内ジャケット４は、シール部位Ｓを内周面７から拡径方向に押圧する角部Ｃを有する。【選択図】図２

Description

本発明は、金属シールに関する。

従来、図４に示すように、対向する平行な二平面31，32の間を密封する金属シール33として、金属製の外ジャケット34と内ジャケット35を共に横断面Ｃ型として、両者の開口部34Ａ，35Ａを同じ方向（図４ではラジアル外方向）に向けて、相互に重ね合わせ、しかも、内ジャケット35内に弾発コイル36を収納したものが公知である（例えば、特許文献１参照）。

しかし、二平面31，32が相互に接近して、金属シール33が圧縮された圧縮密封状態下での圧力分布を、図４中にグラフ図をもって示すが、このグラフ図から明らかな如く、圧力分布曲線Ｐ_X は丘陵型乃至丸い低山型であり、（気体遮断性能が低く）密封性能が不十分であるという問題があった。
また、図４のグラフ図の圧力分布曲線Ｐ_X を高い山型を呈するようにするためには、二平面31，32を相互に接近させる大きな締付力が必要となり、クランプ（締付部材）を大型のものとしたり、締付ボルトを大径のものとするか、締付ボルトの本数を増やす必要があった。

そこで、これらの問題を解決するために、二平面と接する外ジャケットの外周面部に突起等を設けたものがあるが（例えば、特許文献２参照）、外ジャケットと内ジャケットを重ねて横断面Ｃ型に加工した後に、突起等を形成するための機械加工が必要であり、高価であるという欠点があった。

特開平２−２６３６７号公報特許第４１２９９１５号公報

解決しようとする課題は、外ジャケットと内ジャケットを共に横断面Ｃ型としかつ外ジャケットの外周面を横断面平滑円弧状としたものは、低締付力では密封性能が不十分な点である。また、外ジャケットの外周面部に突起等を設けたものは、突起等を形成するための上記機械加工が必要であり、高価な点である。

そこで、本発明に係る金属シールは、対向する平行な二平面に接触する横断面Ｃ型の金属製外ジャケットと、該外ジャケットの内部に挿入される金属製内ジャケットと、該内ジャケットの内部に収納されて該内ジャケットを介して上記外ジャケットを拡径方向に弾発付勢する弾発コイルばねとを、備えた金属シールに於て、上記外ジャケットの外周面は横断面平滑円弧状であって、かつ、上記内ジャケットは、上記外ジャケットが上記二平面に接触するシール部位を内周面から拡径方向に押圧する角部を有するものである。
また、上記内ジャケットが、横断面に於て、上記外ジャケットの仮想外周円内に配設されているものである。

本発明の金属シールによれば、低締付力でも面圧を上げ（シャープなピークを有する山型の圧力分布曲線Ｐ_X が得られ）高いシール性能を確保することができる。すなわち、従来のばね入りＣリングと比較して、低締付力でありながら同等以上のシール性能を発揮することができる。さらに、外ジャケットの外周面に凹凸加工をしないので、製造能率が高く、製作費を低く抑えることができる。

本発明の実施の一形態の自由状態を示す要部拡大断面図である。圧縮密封状態及び圧力分布を示した図である。角部の各種の実施例を示す要部拡大断面図である。従来例を示す要部拡大断面及び圧力分布の図である。

以下、図示の実施の形態に基づいて本発明を詳説する。
図１・図２は、本発明の実施の形態を示す。この金属シールは、例えば、半導体製造装置や真空配管、容器等の接続部に使用する。対向する平行な二平面１，２に接触する横断面Ｃ型の金属製外ジャケット３と、外ジャケット３の内部に挿入される金属製四角形状内ジャケット４と、内ジャケット４の内部に収納されて内ジャケット４を介して外ジャケット３を拡径方向に弾発付勢する弾発コイルばね５とを、備える。

外ジャケット３は、なじみ性に優れた比較的軟らかい金属から成り、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、タンタル等が好適であり、二平面１，２に圧接状態で微小凹凸に対してもなじみ易く、密封性能を保持する。
内ジャケット４は、内部の弾発コイルばね５の弾発力を外ジャケット３に伝える役目もはたし、材質としては、ステンレス鋼やインコネル（耐熱合金）等が使用できる。
弾発コイルばね５は、ステンレス鋼やインコネル（耐熱合金）等が使用できる。

外ジャケット３の外周面６は横断面平滑円弧状である。すなわち、外ジャケット３の外周面６に、面圧を高めるための突条や凹溝等が形成されていない（特許文献２参照）。そして、内ジャケット４が、横断面に於て、外ジャケット３の仮想外周円Ａ内に配設されている。

図２は圧縮密封状態を示す。すなわち、矢印Ｆ，Ｆのように二平面１，２が相互に接近すると、金属シールが（図１から）図２に示すように圧縮変形する。内ジャケット４は、外ジャケット３が二平面１，２に接触するシール部位Ｓを内周面７から拡径方向に押圧する角部Ｃを有する。言い換えると、内ジャケット４は、その四角形状の対向する二つの角部Ｃ，Ｃを結ぶ一対角線が、二平面１，２と直交するように配設され、前記シール部位Ｓの中間点を、角部Ｃが、内周面７から弾発的に押圧支持する。なお、内ジャケット４は、二平面１，２と平行な平面上に位置する二つの角部の内の一つを切り欠いた小間隙部（開口部Ｚ）を有する。

中心の弾発コイルばね５の弾性圧縮変形による弾発力は、内ジャケット４を介して、強力に、角部Ｃから（外ジャケット３の）シール部位Ｓに伝達され、図２中にグラフ図にて示したように、シャープなピークを有する山型の圧力（接触面圧力）分布曲線Ｐ_Xが得られ、これによって、金属の平面１，２と、金属の外ジャケット３のメタルタッチ部位からの気体（流体）の漏洩を確実に防止することが可能となる。

次に、図３（Ａ）〜（Ｄ）は、内ジャケット４の角部Ｃに関して、種々の例を示す拡大断面図である。図３（Ａ）ではシャープな角を有する角部Ｃを示し、図３（Ｂ）では小さなアールＲを有する角部Ｃを示し、切削・研削を行わずに、折曲加工のみにて製造可能な場合を示す。図３（Ｃ）では、微小平坦部８を有する角部Ｃを示す。また、図３（Ｄ）では、小平坦部10と小（Ｖ字）溝部11を有する角部Ｃを示す。

図３（Ａ）では極めてシャープな圧力分布曲線Ｐ_X が示され、図３（Ｂ）では、最適なシャープさの圧力分布曲線Ｐ_X に設定される。また、図３（Ｃ）では、頂点が２個のシャープな圧力分布曲線Ｐ_X となって密封性能が向上する場合に適用される。また、図３（Ｄ）では、４点イ，ロ，ハ，ニが外ジャケット３に当接してはじめて、頂点が４個のシャープな圧力分布曲線Ｐ_X となって密封性能が優れる。

本発明に於て、角部Ｃとは、図３（Ａ）〜（Ｄ）を全て包含し、図３（Ｂ）のアールＲは、金属板片９の板厚Ｔの２倍以下であり、かつ、図３（Ｃ）（Ｄ）では、平坦幅寸法Ｗが板厚Ｔの３倍以下であると、定義する。

なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、内ジャケット４がシール部位Ｓに対向する位置に角部Ｃを有する、四角形以外の多角形状であっても良い。例えば、内ジャケット４が六角形状であっても良い。また、図２に於て、平行な二平面１，２のうち一方の平面２が溝底面の場合を図示したが、二平面１，２が共に溝なしの平坦面に対して使用するも良い。また、図１・図２に於て、外ジャケット３の開口部Ｙ、及び、内ジャケット４の開口部Ｚを、金属シール全体の外周側（ラジアル外側）に配設したものを図示したが、外ジャケット３の開口部Ｙ、及び、内ジャケット４の開口部Ｚを、金属シール全体の内周側（ラジアル内側）に配設したものとするも良い。また、外ジャケット３の開口部Ｙがラジアル外側又はラジアル内側を向いた構成に於て、内ジャケット４の開口部Ｚを、この開口部Ｙと 180°反対側―――外ジャケット３の内面奥部側―――に配設するも自由である。

以上のように、本発明は、対向する平行な二平面１，２に接触する横断面Ｃ型の金属製外ジャケット３と、該外ジャケット３の内部に挿入される金属製内ジャケット４と、該内ジャケット４の内部に収納されて該内ジャケット４を介して上記外ジャケット３を拡径方向に弾発付勢する弾発コイルばね５とを、備えた金属シールに於て、上記外ジャケット３の外周面６は横断面平滑円弧状であって、かつ、上記内ジャケット４は、上記外ジャケット３が上記二平面１，２に接触するシール部位Ｓを内周面７から拡径方向に押圧する角部Ｃを有するので、低締付力でも面圧を上げ（シャープなピークを有する山型の圧力分布曲線Ｐ_X が得られ）高いシール性能を確保することができる。すなわち、従来のばね入りＣリングと比較して、低締付力でありながら同等以上のシール性能を発揮することができる。さらに、外ジャケット３の外周面６に凹凸加工をしないので、製作が容易となり、製作費を低く抑えることができる。

また、上記内ジャケット４が、横断面に於て、上記外ジャケット３の仮想外周円Ａ内に配設されているので、コンパクトであり、図２に例示したような、シール溝の側壁内面に干渉しない。

１平面
２平面
３外ジャケット
４内ジャケット
５弾発コイルばね
６外周面
７内周面
Ａ仮想外周円
Ｃ角部
Ｓシール部位

Claims

対向する平行な二平面（１）（２）に接触する横断面Ｃ型の金属製外ジャケット（３）と、該外ジャケット（３）の内部に挿入される金属製内ジャケット（４）と、該内ジャケット（４）の内部に収納されて該内ジャケット（４）を介して上記外ジャケット（３）を拡径方向に弾発付勢する弾発コイルばね（５）とを、備えた金属シールに於て、
上記外ジャケット（３）の外周面（６）は横断面平滑円弧状であって、かつ、上記内ジャケット（４）は、上記外ジャケット（３）が上記二平面（１）（２）に接触するシール部位（Ｓ）を内周面（７）から拡径方向に押圧する角部（Ｃ）を有することを特徴とする金属シール。
上記内ジャケット（４）が、横断面に於て、上記外ジャケット（３）の仮想外周円（Ａ）内に配設されている請求項１記載の金属シール。