JP2015140445A - スカンジウム濃縮物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Al−Sc合金からスカンジウム濃縮物を有効に回収する。
【解決手段】本発明に係るスカンジウム濃縮物の製造方法は、アルミニウム及びスカンジウムを含有する合金に塩素を接触し、融解することによって塩化アルミニウム及び塩化スカンジウムの融解混合物を生成する融解混合物生成工程S1と、融解混合物を、アルミニウムのメタル化電位とスカンジウムのメタル化電位との間の電位で第1の陰極を用いて第1の電気分解に付し、第1の陰極の周囲でアルミニウムを生成する第1電気分解工程S2と、溶融アルミニウム生成工程の後、融解混合物を、スカンジウムを回収可能な電位で第2の電極を用いて第2の電気分解に付し、第2の陰極の周囲でスカンジウム濃縮物を生成する第2電気分解工程S3とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、スカンジウム濃縮物の製造方法、より詳しくは、スカンジウムとアルミニウムを含有する合金をアルミニウム及びスカンジウム濃縮物として再利用する方法に関する。
アルミニウム及びスカンジウムを含有するアルミニウムスカンジウム合金(以下、「Al−Sc合金」ともいう。)は、軽量で高強度という特性を有し、スポーツ用品のほか、耐衝撃性を要する分野で用いられている。加えて、将来的には、航空機、電気自動車、高速鉄道等の構造材としての利用も期待される。しかしながら、スカンジウムの産出量は極めて少ないため、スカンジウムは非常に高価である。そのため、スカンジウムを工業的に幅広く利用することは容易でない。
近年、ニッケル酸化鉱石に微量随伴するスカンジウムを回収する技術が進み、従来よりも大量のスカンジウムを安定して得ることができつつある。しかしながら、ニッケル酸化鉱石からスカンジウムを回収するには、イオン交換、溶媒抽出、中和沈澱及び焙焼等、多数の工程を要するため、この技術を用いても、スカンジウムが高価であることに変わりはない。
ところで、スカンジウムは、容易に酸化される上に高融点であるため、スカンジウムとアルミニウムとをただ溶融するだけでは、Al−Sc合金を得ることはできない。そこで、一般的に、溶融したアルミニウムに対して、スカンジウム酸化物をカルシウム等の金属で還元しながら添加し、スカンジウム品位が1〜2%程度の母合金を得、これをアルミニウムで希釈して目的とするAl−Sc合金を得る手法がとられる。また、ハロゲン化スカンジウムを原料としてスカンジウム母合金を製造することも提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−171724号公報
特許文献1に記載の処理とは逆方向の処理を行うことで、Al−Sc合金からスカンジウムを分離することも考えられる。しかしながら、ハロゲン化スカンジウムの安定性のほか、有害な塩素を使用することによるリスク、さらに、工業的な設備やコストを考えると、特許文献1に記載の処理とは逆方向の処理を行うことでスカンジウム回収技術を実用化することは容易でない。
一方で、スカンジウムへの期待は高まっていることから、今後、Al−Sc合金の生産量は増加し、いずれはAl−Sc合金を用いた構造体の廃棄や、該構造体の製造工程内で生じる不良品等が増えることも予想される。
これら廃棄品等のスカンジウム品位は、ニッケル酸化鉱石等におけるスカンジウム品位よりは遥かに高く、廃棄品等からスカンジウムを回収して再利用するのは有効な手段であると予想される。しかしながら、廃棄品等のスカンジウム品位が高いとはいっても、Al−Sc合金に含まれる元素はアルミニウムであり、スカンジウムの含有量はアルミニウムの含有量に比べるごく微量であるため、Al−Sc合金をただ溶融するだけでは、スカンジウム濃縮物を有効に回収することはできない。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、Al−Sc合金からスカンジウム濃縮物を有効に回収することである。より詳しく説明すると、構造体等において、Al−Sc合金は、Sc濃度にして0.1〜1%のものが多く用いられる。上述したとおり、Al−Sc母合金のSc濃度は1〜2%である。本発明は、構造体等で使用されていたSc濃度が0.1〜1%程度であるAl−Sc合金のスクラップ品から、Al−Sc母合金としてそのまま利用できる程度のスカンジウム濃縮物を効率よく回収することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アルミニウム及びスカンジウムを含有する合金に塩素を接触し、融解した後、その融解混合物を所定の条件で電気分解に付することで、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)本発明は、アルミニウム及びスカンジウムを含有する合金に塩素を接触し、融解することによって塩化アルミニウム及び塩化スカンジウムの融解混合物を生成する融解混合物生成工程と、前記融解混合物を、アルミニウムのメタル化電位とスカンジウムのメタル化電位との間の電位で第1の陰極を用いて第1の電気分解に付し、前記第1の陰極の周囲でアルミニウムを生成する第1電気分解工程と、前記溶融アルミニウム生成工程の後、前記融解混合物を、スカンジウムを回収可能な電位で第2の電極を用いて第2の電気分解に付し、前記第2の陰極の周囲でスカンジウム濃縮物を生成する第2電気分解工程とを含む、スカンジウム濃縮物の製造方法である。
(2)また、本発明は、前記融解混合物生成工程が、前記塩素を接触した前記合金に、500℃以下の融点あるいは共晶温度を有する塩化物系の塩あるいは共晶塩の融解物に融解する工程であり、前記第1電気分解工程は、前記第1の陰極の周囲で固体アルミニウムを生成する工程であり、前記第2電気分解工程は、前記第2の陰極の周囲で固体スカンジウム濃縮物を生成する工程である、(1)に記載のスカンジウム濃縮物の製造方法である。
本発明によると、Al−Sc合金からスカンジウム濃縮物を有効に回収することができる。このスカンジウム濃縮物は、高品位なAl−Sc母合金としてそのまま再利用できる。また、溶媒抽出等を経ることで、ニッケル酸化鉱石から回収する場合に比べて極めて効率的にスカンジウムを回収することもできる。
本発明に係るスカンジウム濃縮物の製造方法を示す概略図である。 本実施例で用いた電気分解装置1の構成を説明する概略図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
<スカンジウム濃縮物の製造方法>
図1は、本発明に係るスカンジウム濃縮物の製造方法を示す概略図である。この方法は、アルミニウム及びスカンジウムを含有する合金に塩素を接触し、融解することによって塩化アルミニウム及び塩化スカンジウムの融解混合物を生成する融解混合物生成工程S1と、この融解混合物を、アルミニウムのメタル化電位とスカンジウムのメタル化電位との間の電位で第1の陰極を用いて第1の電気分解に付し、前記第1の陰極の周囲でアルミニウムを生成する第1電気分解工程S2と、この溶融アルミニウム生成工程S2の後、融解混合物を、スカンジウムを回収可能な電位で第2の電極を用いて第2の電気分解に付し、前記第2の陰極の周囲でスカンジウム濃縮物を生成する第2電気分解工程S3とを含む。
〔融解混合物生成工程S1〕
スカンジウム濃縮物の製造するにあたり、イオン性の固体を高温にして融解させ、これを電気分解する溶融塩電解法を用いることも考えられる。しかしながら、アルミニウムの融点が660.5℃であることから、溶融塩電解法では、この融点よりも高い温度にまで溶融塩を加熱しなければならず、多くのエネルギーを要する。そこで、本発明では、まず、原料となるAl−Sc合金(廃棄品、製造不良品等)に塩素ガスを接触し、Al−Sc合金に比べて融点が低いAl−Sc合金の塩化物を得る。続いて、Al−Sc合金の塩化物を融解する。Al−Sc合金の塩化物であれば、450℃程度の温度で十分に溶解できる。
上記混合物を融解する際に用いる塩あるいは共晶塩は、融点あるいは共晶温度の観点と、析出対象となる金属のメタル化電位の観点との両面での検討を要するが、まず、前者の観点について説明する。Al−Sc合金の塩化物を融解できる温度よりも10℃程度高い温度で安定性が高く、揮発による塩組成の変化が生じるものでなければ特に限定されるものでない。具体的には、融点あるいは共晶温度は、360℃以上500℃以下であることが好ましく、380℃以上450℃以下であることがより好ましく、390℃以上400℃以下であることがさらに好ましい。融点あるいは共晶温度が低すぎると、塩あるいは共晶塩をAl−Sc合金の塩化物を融解できる程度にまで加熱したときに、揮発による塩組成の変化が生じ得るため、好ましくない。融点あるいは共晶温度が高すぎると、不必要に高い温度にまで塩あるいは共晶塩を加熱することになるため、好ましくない。
続いて、後者の観点について説明する。溶融塩は、アルミニウムのメタル化電位と、スカンジウムのメタル化電位との差が0.8V以上であることを要する。溶融塩の種類や組成により、元素の電解電位は異なる。本発明では、アルミニウム及びスカンジウムが共存するため、第1の電気分解ではアルミニウムだけが生成し、第2の電気分解で初めてスカンジウムが生成するようにするため、溶融塩は、アルミニウムのメタル化電位と、スカンジウムのメタル化電位との間に一定以上の差を有することを要する。この差は大きい方が好ましく、1.0V以上であることがより好ましい。
LiCl−KCl共晶塩の450℃におけるAg/Ag電極系でのAl3+のメタル化電位は−1.04Vであり、Sc3+のメタル化電位は−1.83Vである。両者の差は約0.8Vであり、第1の電気分解でアルミニウムとスカンジウムとの両方が生成するのを抑えるには十分である。加えて、メタル化電位に関する詳細なデータは知られていないものの、塩化物系の塩であれば、塩を構成する金属元素の種類が異なっても、メタル化電位に大きな違いは生じない。
上記の点から、LiCl−KCl共晶塩(共晶温度:354℃、Al3+とSc3+との間でのメタル化電位の差:約0.8V)として用いることで、スカンジウム濃縮物を効率的に回収できる。これらを溶融塩にすると、アルミニウムの融点よりも高い温度に加熱しても、安定性が高く、組成の変化を抑えられる。また、電気分解の際に必要以上に加熱する必要もない。そして、第1の電気分解の際にアルミニウムとスカンジウムとの両方が生成することを抑えられる。
Al−Sc合金の塩化物を十分に溶融できる程度に加熱した溶融塩に、上記Al−Sc合金の塩化物を溶解する。塩化アルミニウムの飽和蒸気圧と、塩化スカンジウムの飽和蒸気圧とは異なることから、上記溶融塩に上記Al−Sc合金の塩化物を溶解すると、塩化アルミニウム(AlCl)の一部は揮発する一方で、残りの塩化アルミニウムと塩化スカンジウム(ScCl)は、共晶塩中に容易に溶融し、均一な融体となる。
〔第1電気分解工程S2〕
続いて、第1電気分解工程S2について説明する。第1電気分解工程S2では、融解混合物生成工程S1で得た融解混合物を、アルミニウムのメタル化電位とスカンジウムのメタル化電位との間の電位で第1の陰極を用いて第1の電気分解に付し、この第1の陰極の周囲で固体アルミニウムをデンドライト状(樹枝状晶)に生成する。
電極の種類は特に限定されるものでないが、例えば、銀を参照電極とし、黒鉛を陽極とし、ニッケルを第1の陰極にすることが挙げられる。
第1の電気分解における電位は、アルミニウムのメタル化電位とスカンジウムのメタル化電位との間、より詳しくは、アルミニウムのメタル化電位以下、かつ、スカンジウムのメタル化電位以上であることを要する。この範囲にないと、陰極において、溶融アルミニウムだけでなくスカンジウムも生成し得るため、好ましくない。特に、第1の電気分解における電位は、アルミニウムのメタル化電位に近い方が好ましく、具体的には、−1.50V以上−1.04V以下の範囲内にあることが好ましく、−1.30V以上−1.10V以下の範囲内にあることがより好ましい。
溶融塩の温度は、Al−Sc合金の塩化物を融解でき、アルミニウムの融点よりも低ければ特に限定されるものでないが、エネルギーコストを最小限に抑えられる点、生成したアルミニウムが液体になることを抑えられる点等から、360℃以上500℃以下であることが好ましく、380℃以上450℃以下であることがより好ましい。
第1の電気分解の間、陽極では、塩素ガスが発生する。電流効率を高めるため、発生した塩素ガスは陽極上から速やかに除去させることが好ましい。
第1の電気分解でアルミニウムを析出させることに伴い、溶融塩に含まれるスカンジウム濃度が高くなる。すなわち、第1の電気分解で析出するアルミニウムの量を調整することで、第2の電気分解で析出するスカンジウム濃縮物のスカンジウム品位を調整できる。
〔第2電気分解工程S3〕
続いて、第2電気分解工程S3について説明する。第2電気分解工程S3では、溶融アルミニウム生成工程S2の後、融解混合物を、スカンジウムを回収可能な電位で、第1の陰極とは異なる第2の陰極を用いて第2の電気分解に付する。そうすることで、第1の陰極の周囲で固体スカンジウム濃縮物をデンドライト状(樹枝状晶)に生成する。
電極の材質は特に限定されるものでなく、第1の電気分解で用いた電極と同じものを用いれば足りるが、少なくとも、第1の陰極と第2の陰極とは、異なる2本の陰極棒であることを要する。
第2の電気分解における電位は、スカンジウムがアルミニウムとともに陰極上にデンドライト状に生成すること、より詳しくは、スカンジウムのメタル化電位以下であることを要する。この範囲にないと、陰極において、固体スカンジウム濃縮物が好適に生成しないため、好ましくない。第2の電気分解における電位は、−1.83V以下であれば足りるが、操作の安定性を考慮すると、−2.0V以下であることが好ましく、−2.2V以下であることがより好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<実施例>
図2は、本実施例で用いた電気分解装置1の構成を説明する概略図である。電気分解装置1は、Al−Sc合金を溶解塩とともに封入する大小2つの石英容器21,22と、一方が開口し、この開口から石英容器21,22を収容する石英管3と、この石英管3を密閉するゴム栓4と、大きな石英容器21の内部に挿入される参照電極(銀)5、陽極(黒鉛)6及び第1又は第2の陰極(ニッケル)71,72と、石英管3の内部をガスで置換するガス置換部8と、大きな石英容器21の内部に挿入される熱電対9と、石英管3の内部の温度を所定温度に保つ電気炉10と、石英管3の内部の断熱性を保つ断熱ボード11とを備える。
LiCl−KCl共晶塩(LiClとKClとのモル比=59:41)を、予め小さな石英容器22が収容された大きな石英容器21に入れ、この石英容器21を石英管3の内部に収容した。そして、石英管3の開口をゴム栓4で密閉し、熱電対9を図2に示す位置に取り付けた後、石英管3の内部雰囲気を不活性に保つため、ガス置換部8を通じて気体をアルゴンで十分に置換した。そして、石英管3の内部を450℃まで昇温し、アルゴンガス流の下で30分保持した。そして、LiCl−KCl共晶塩が溶融し、溶融塩12になったことを目視で確認した。
これとは別に、スカンジウム濃度が1%であるAl−Sc合金に塩素を接触し、合金を塩化させた。これにより得られた塩化物のスカンジウム品位は約10%であった。この塩化物30gを上記溶融塩に投入し、ガス置換部8を通じて、石英管3の内部に塩素ガスを0.1リットル/minの流速で15分間供給した。
続いて、参照電極(銀)5、陽極(黒鉛)6及び第1の陰極(ニッケル)71を図2に示す位置に浸漬し、Ag/Ag参照電極5の電位において−1.15Vの電位に保持しながら第1の電気分解を行った。これにより、第1の陰極71からデンドライト状の固体アルミニウムが回収された。
第1の電気分解の後、いったん通電を止め、固体アルミニウムを第1の陰極71とともに回収した。
続いて、第1の陰極71を第2の陰極72に差し替え、Ag/Ag参照電極5の電位において−1.95Vの電位に維持しながら第2の電気分解を行った。これにより、第1の陰極71からアルミニウムとスカンジウムとの両方が析出され、結果として、デンドライト状の固体スカンジウム濃縮物13が得られた。
第2の電気分解の後、石英管3の内部を常温まで冷却した。そして、この冷却により固化した塩12及びスカンジウム濃縮物13を取り出した。
第1の電気分解で回収された固体アルミニウム及び第2の電気分解で回収された固体スカンジウム濃縮物13の各々について、蛍光X線分析装置(XRF)及びICP質量分析を用いて分析を行った。第1の電気分解で回収されたアルミニウムに含まれるアルミニウムメタルの重量は3.5gであり、純度は98%を超えていた。また、第2の電気分解で回収されたスカンジウム濃縮物13の重量は2.0gであり、純度は約30%であった。このことから、第1の電気分解で回収されたアルミニウムについてはアルミニウムとして、第2の電気分解で回収されたスカンジウム濃縮物13については高品位なAl−Sc母合金として、各々そのまま再利用できることが確認された。
1 電気分解装置
21 大きな石英容器
22 小さな石英容器
3 石英管
4 ゴム栓
5 参照電極
6 陽極
71 第1の陰極
72 第2の陰極
8 ガス置換部
9 熱電対
10 電気炉
11 断熱ボード

Claims (2)

  1. アルミニウム及びスカンジウムを含有する合金に塩素を接触し、融解することによって塩化アルミニウム及び塩化スカンジウムの融解混合物を生成する融解混合物生成工程と、
    前記融解混合物を、アルミニウムのメタル化電位とスカンジウムのメタル化電位との間の電位で第1の陰極を用いて第1の電気分解に付し、前記第1の陰極の周囲でアルミニウムを生成する第1電気分解工程と、
    前記溶融アルミニウム生成工程の後、前記融解混合物を、スカンジウムを回収可能な電位で第2の電極を用いて第2の電気分解に付し、前記第2の陰極の周囲でスカンジウム濃縮物を生成する第2電気分解工程とを含む、スカンジウム濃縮物の製造方法。
  2. 前記融解混合物生成工程は、前記塩素を接触した前記合金に、500℃以下の融点あるいは共晶温度を有する塩化物系の塩あるいは共晶塩の融解物に融解する工程であり、
    前記第1電気分解工程は、前記第1の陰極の周囲で固体アルミニウムを生成する工程であり、
    前記第2電気分解工程は、前記第2の陰極の周囲で固体スカンジウム濃縮物を生成する工程である、請求項1に記載のスカンジウム濃縮物の製造方法。
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