JP2000087280A - チタンの製造方法 - Google Patents

チタンの製造方法

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JP2000087280A
JP2000087280A JP10250983A JP25098398A JP2000087280A JP 2000087280 A JP2000087280 A JP 2000087280A JP 10250983 A JP10250983 A JP 10250983A JP 25098398 A JP25098398 A JP 25098398A JP 2000087280 A JP2000087280 A JP 2000087280A
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titanium
electrolytic
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container
voltage
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JP10250983A
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Hitoshi Yamamoto
山本  仁
Hidekazu Fukazawa
英一 深澤
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Toho Titanium Co Ltd
Original Assignee
Toho Titanium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融塩電解法により高純度チタンを製造する
にあたり、より簡便かつ安価に電解容器からの不純物の
溶出を抑えることができる方法を提供する。 【解決手段】 溶融塩電解法により原料チタンTを精製
する際に、原料チタンTを陽極とし、かつ電解容器1を
陰極とする不純物溶出防止用回路21を設け、同回路2
1に所定の電圧を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融塩電解法による
チタンの製造方法に係り、具体的には、電解容器からの
不純元素の溶出による汚染を防止して高純度のチタンを
得るための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造用材料として高純度チ
タンの利用が一般化してきている。半導体製造用材料と
しては、例えば半導体デバイスにおける層間の膜バリヤ
材をスパッタリングで形成するにあたって用いるチタン
ターゲット材に代表される。このようなチタンターゲッ
ト等の半導体向けのチタンには、信頼性向上のために、
Na、K、Li等のアルカリ金属、U、Th等の放射性
元素、Fe、Cr、Ni等の重金属および酸素といった
不純物を極力低減させる必要がある。ちなみに、最近の
64MDRAMで要求されるチタンターゲットには4N
5(99.995%、ただしガス成分を除く)以上のレ
ベルの高純度が要求され、さらに、Fe、Cr、Ni等
の重金属の含有率は1ppm以下、酸素含有率は150
ppm以下、好ましくは100ppm以下であることが
要求される。
【0003】上記のようなレベルに高純度化することが
できるチタンの製造方法として、溶融塩電解法が知られ
ている。この溶融塩電解法は、容器内に装入した溶融塩
浴等の電解浴中に、原料チタンとチタン棒とを浸漬し、
原料チタンを陽極、チタン棒を陰極として両者間に電圧
を印加することにより電解を行わしめ、陰極のチタン棒
に精製チタンを析出、生成させるといった方法である。
同方法によれば、特にFe、Ni等の重金属や酸素等の
不純物が大幅に低減し、高純度チタンの製造方法として
有用であった。
【0004】ところが溶融塩電解法では、電解容器を構
成する材料が不純物として電解浴中に溶出し、その不純
物が陰極に析出し、結果として陰極で得られるチタンが
その不純物に汚染されてしまう場合があった。例えば、
文献「U.S.Bereau of Mines,Report of Investigation
5351,44(1957)」には、電解容器を軟鋼製とした場合
に、生成したチタン中のFeの含有率が100ppmを
超えるほどに高くなることが記載されている。このよう
な問題の解決策として、特開平8−225980号公報
には、電解浴が接触する電解容器の内面を純ニッケルで
ライニングして電解浴中への不純物の溶出を低減する技
術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の内面をニッケルライニングした電解容器を使
ってチタンの電解を行うには、コストの増大を招くとい
った欠点があった。したがって本発明は、溶融塩電解法
により高純度チタンを製造するにあたり、より簡便かつ
安価な電解容器からの不純物の溶出を抑えることができ
る方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、電解容器内に
装入した電解浴中に原料チタンとチタン棒とを浸漬し、
原料チタンを陽極、チタン棒を陰極として両極間に電圧
を印加するといった通常の溶融塩電解の形態に加えて、
これら陽極の原料チタンと電解容器との間に別途電圧を
印加することにより、電解容器からのFe、Cr、Cu
等の不純物の溶出が抑えられることを見い出し、本発明
を完成するに至った。すなわち本発明は、溶融塩電解法
により原料チタンを精製する際に、陽極である原料チタ
ンを充填した容器と陰極である電解容器との間にも電圧
を印加することを特徴としている。
【0007】本発明では、原料チタンと電解容器との間
に印加する電圧を、溶融塩電解法によりチタンが生成さ
れる電圧よりも低くすることを好ましい形態としてい
る。これにより、電解容器の内面へのチタンの析出が防
止される。本発明では、このように電解容器にチタンが
析出せず、かつ電解容器からの不純物の溶出が抑えられ
る適度の電圧を、原料チタンと電解容器との間に印加す
ることが肝要となる。その印加電圧の範囲は、500m
V以下、好ましくは10〜150mV、より好ましくは
30〜100mVである。
【0008】本発明で使用する電解容器は、一般的に用
いられる加熱炉等の加熱手段によって加熱される容器で
あれば特に限定されるものではない。その一例として
は、有底円筒状であって上部にフランジを有する容器本
体と、フランジに密着して内部を密閉する蓋体とからな
る鉄製容器が挙げられる。電解浴が接触する内面をニッ
ケルライニングして不純物の溶出を抑える電解容器が提
案されていることは前述した通りであるが、本発明はそ
のような格別の手段を電解容器に施すことなく電解容器
からの不純物の溶出を抑えることができる。したがっ
て、より簡便かつ安価に高純度のチタンを製造すること
ができる。
【0009】このような電解容器内に装入される電解浴
としては、NaCl、NaCl−KCl、LiCl−K
Cl、NaCl−KTiF等の、チタンの溶融塩電
解精製に用いられる塩化物もしくは塩化物とフッ化物と
の混合物が用いられる。電解浴中に浸漬される陰極はチ
タン製の棒が好ましく、上記のような電解容器を用いる
場合であればそのチタン棒は蓋体を貫通する状態で支持
され、蓋体からの突出端に陰極の端子が接続される。
【0010】本発明で用いられる原料チタンは、スポン
ジチタンが一般的であるが、ブリケット状のチタンを用
いることもできる。本発明のように高純度かつ酸素濃度
の低いチタン材を得ることを目的とする場合には、その
チタン材の原料として、できる限り不純物濃度の低いも
のを選択することが望ましい。原料チタンは籠状容器内
に保持され、その容器ごと電解容器内に浸漬される。籠
状容器の材質は、鉄やニッケル等が挙げられるが、純度
5N以上のチタンを得るには、純度99%以上、さらに
は純度99.5%以上のニッケルが好ましい。上記のよ
うな電解容器を用いる場合であれば籠状容器の上端部は
蓋体を貫通する状態で支持され、その突出端に陽極の端
子が接続されることにより原料チタンが陽極となる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明をよ
り具体化した一実施形態を説明する。図1は一実施形態
に用いる溶融塩電解装置を示しており、本装置は図示せ
ぬ真空加熱炉内にセットされる。図中符合1は軟鋼製の
電解容器である。この電解容器1は、底付きの円筒状容
器で上端縁にフランジ部を有する容器本体1aと、該フ
ランジ部に密着して容器本体1a内を密閉する蓋体1b
とから構成されている。
【0012】図1に示すように、陽極とされる原料チタ
ンTは、平面視リング状のニッケル製籠状容器2内に投
入され、籠状容器2ごと容器本体1a内に装入される。
陰極となるチタン棒3は、蓋体1bを閉じてから容器本
体1a内の中心に装入される。籠状容器2およびチタン
棒3の上端部は蓋体1bを貫通した状態で支持され、籠
状容器2の突出端には電源10の+(プラス)が、また
チタン棒3には電源10の−(マイナス)がそれぞれ接
続される。これにより、原料チタンTが陽極でチタン棒
3が陰極とされた電解用回路11が構成される。一方、
本装置にはもう1つの電源20が備えられ、この電源2
0の+(プラス)が籠状容器2の突出端に接続され、電
源20の−(マイナス)は電解容器1の容器本体1aに
接続される。これにより、原料チタンTが陽極で電解容
器1が陰極とされた不純物溶出防止用回路21が構成さ
れる。
【0013】溶融塩電解工程としては、まずはじめに、
容器本体1a内に原料チタンTおよびチタン棒3を装入
しない状態から、予めモル比で1:1の割合に混合した
NaCl−KClの混合塩化物を容器本体1a内に投入
する。次いで、減圧下で650℃まで加熱して混合塩化
物をよく脱水してから、炉内をアルゴン雰囲気に置換し
た後、740℃まで昇温保持して混合塩化物を溶融して
電解浴4とする。次いで、原料チタンTおよびチタン棒
3を電解浴4中に浸漬するとともに、蓋体1bを閉じ
る。続いて、図示せぬ供給管から、原料チタンTの底部
に液体のTiCl を適宜流量で吹き込んで電解浴中に
チタンイオンを生成させた後、電解用回路11および不
純物溶出防止用回路21の双方に、直流電流にて電圧を
それぞれ印加する。電解用回路11の電圧は100〜1
000mV、また、不純物溶出防止用回路21の電圧は
500mV以下、好ましくは10〜150mV、より好
ましくは30〜100mVとする。
【0014】このような操作により電解を開始すること
により、電解用回路11の陽極すなわち原料チタンTか
ら電解浴4中にチタンが溶出し、その溶出チタンはチタ
ン棒3に析出、生成する。所定の運転時間を経た後、両
回路11、21への通電を停止し、容器本体1aの上部
にチタン棒3を電解浴4から引き上げ、アルゴン雰囲気
下で室温まで冷却する。次いで、生成チタンが付着して
いるチタン棒3を炉外の大気中に取り出した後、速やか
に希酸溶液で生成チタン全体を洗浄し、さらに純水で洗
浄した後、一旦真空乾燥して水分を除去してから、生成
チタンの純度が低い部位を除去した後、真空乾燥し、チ
タンを得る。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例を示して本発明の効果
をより明らかにする。 [実施例1]内容積70リットルの軟鋼(SS400)
製電解容器内に投入したNaCl−KClの混合塩化物
(モル比で50:50)を、電気炉内で脱水溶融して電
解浴とした。次いで、スポンジチタン5kgをニッケル
製の籠状容器ごと電解浴中に浸漬し、液体のTiCl
を電解浴中に適宜流量で吹き込んでチタンイオンを電解
浴中に生成させ、さらに、チタン棒を電解浴中に装入し
た。次に、籠状容器を陽極とし、かつ電解容器を陰極と
する不純物溶出防止用回路に約50mVの電圧で直流電
流を流した。該電圧が安定した後、籠状容器を陽極と
し、かつチタン棒を陰極とした電解用回路に約800m
Vの電圧で直流電流を流し、電解を開始した。電解電流
は、80〜82Aで安定していた。24時間の運転の
後、両回路への通電を停止し、チタンが析出、生成した
チタン棒を電解浴から引き上げ、炉内をアルゴン雰囲気
として室温まで冷却した。この後、チタン棒に生成した
チタンを酸洗浄および純水洗浄して真空乾燥し、高純度
のチタンを得た。
【0016】[比較例1]不純物溶出防止用回路に通電
しない以外は実施例1と同様にして電解を行い、チタン
を得た。
【0017】上記実施例1および比較例1のチタンにつ
き不純元素の分析を行った結果を、原料チタンと合わせ
て表1に示す。なお、表1の電圧は不純物溶出防止用回
路の電圧である。
【0018】
【表1】
【0019】表1によれば、実施例1のチタンは、原料
チタンよりも不純元素の濃度が大幅に低減して濃度5N
レベルの高純度化が達成された。一方、不純物溶出防止
用回路に全く通電しない比較例1においては、電解容器
の材質の主な元素であるFe、CrおよびCuの濃度が
実施例1と比べると高くなった。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、溶融塩電
解法により原料チタンを精製する際に、該原料チタンを
陽極とし、また、電解容器を陰極として、これら原料チ
タンと電解容器との間に電圧を印加することを特徴とす
るものであるから、より簡便かつ安価に電解容器からの
不純物の溶出を抑えることができ、その結果、高純度の
チタンを効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る溶融塩電解装置の一例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1…電解容器、2…籠状容器、3…チタン棒、4…電解
浴、11…電解用回路、21…不純物溶出防止用回路、
T…原料チタン。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融塩電解法により原料チタンを電解精
    製する際に、陽極である原料チタンを充填した容器と陰
    極である電解容器との間に電圧を印加することを特徴と
    するチタンの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記印加電圧を、前記溶融塩電解法によ
    りチタンが生成する電圧よりも低く設定することを特徴
    とする請求項1に記載のチタンの製造方法。
JP10250983A 1998-09-04 1998-09-04 チタンの製造方法 Pending JP2000087280A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004094312A1 (ja) * 2003-04-21 2004-11-04 Sumitomo Titanium Corporation 金属塩の精製方法並びにチタン材の脱酸方法および製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004094312A1 (ja) * 2003-04-21 2004-11-04 Sumitomo Titanium Corporation 金属塩の精製方法並びにチタン材の脱酸方法および製造方法
CN1309660C (zh) * 2003-04-21 2007-04-11 住友钛株式会社 金属盐的精制方法和钛材料的脱氧方法及制造方法

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