JP2000345379A - チタンの製造方法 - Google Patents

チタンの製造方法

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JP2000345379A
JP2000345379A JP11161824A JP16182499A JP2000345379A JP 2000345379 A JP2000345379 A JP 2000345379A JP 11161824 A JP11161824 A JP 11161824A JP 16182499 A JP16182499 A JP 16182499A JP 2000345379 A JP2000345379 A JP 2000345379A
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electrolytic
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Hidekazu Fukazawa
英一 深澤
Hitoshi Yamamoto
山本  仁
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融塩電解精製法により高純度チタンを製造
するにあたり、より高純度のチタンを製造する方法を提
供する。 【解決手段】 溶融塩電解精製法によりチタンを製造す
る方法において、予備的に原料チタンを電解精製し、電
解浴中の不純物をチタンとともに陰極に析出させこれを
取り除いた後、本電解精製を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融塩電解精製法に
よるチタンの製造方法に係り、具体的には、溶融塩から
の不純物元素及び水分による汚染を防止して高純度のチ
タンを得るための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造用材料として高純度チ
タンの利用が一般化してきている。半導体製造用材料と
しては、例えば半導体デバイスにおける層間の膜バリヤ
材をスパッタリングで形成するにあたって用いるチタン
ターゲット材に代表される。このようなチタンターゲッ
ト等の半導体向けのチタンには、信頼性向上のために、
ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属、ウ
ラン、トリウム等の放射性元素、鉄、クロム、ニッケル
等の重金属および酸素といった不純物を極力低減させる
必要がある。ちなみに、最近の64MDRAMで要求さ
れるチタンターゲットには99.995%(4N5、た
だしガス成分を除く)以上のレベルの高純度が要求され
る。
【0003】上記のようなレベルに高純度化することが
できるチタンの製造方法として、溶融塩電解精製法が知
られている。この溶融塩電解精製法は、容器内に装入し
た溶融塩浴等の電解浴中に、原料チタンとチタン棒とを
浸漬し、原料チタンを陽極、チタン棒を陰極として両者
間に電圧を印加することにより電解を行わしめ、陰極の
チタン棒に精製チタンを析出、生成させる方法である。
同方法によれば、特に鉄、クロム、ニッケル等の重金属
や酸素等の不純物が大幅に低減し、高純度チタンの製造
方法として有用であった。
【0004】溶融塩電解法によるチタンの製造方法につ
いてはこれまで種々検討され、より不純物の少ない高純
度のチタンの製造が試みられている。この溶融塩電解法
によるチタンの製造過程において、不純物が製品中に混
入する原因としては、一つに電解容器を構成する材料が
不純物として電解浴中に溶出し、その不純物が陰極に析
出し、結果として陰極で得られるチタンがその不純物に
汚染されてしまう場合がある。例えば、文献「U.S.Bere
au of Mines, Report of Investigation 5351,44(195
7)」には、電解容器を軟鋼製とした場合に、生成したチ
タン中の鉄の含有率が100ppmを超えるほどに高く
なることが記載されている。このような問題を解決する
方法として、特開平8−225980号公報には、電解
浴が接触する電解容器の部材及び部品を99.9%(3
N)以上の高純度のニッケルでライニングして電解浴中
への不純物の溶出を低減する技術が開示されており、そ
れなりの効果を挙げている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の
他、不純物が製品中に混入する主な原因として、電解浴
に使用する溶融塩中に含まれる鉄、クロム、ニッケル、
銅等の不純物元素及び溶融塩中の水分に起因する酸素が
上記と同様に陰極に析出し、結果として陰極で得られる
チタンがその不純物に汚染されてしまう。特に、鉄、ク
ロム、ニッケル、銅等のチタンより電気化学的に貴であ
る金属については、チタンより優先的に陰極に析出する
傾向があるので、電解浴に少しでもこれらの不純物金属
が含まれていると、製品汚染の原因となり、結果として
高純度のチタンは得られない。精製された不純物の少な
い塩化ナトリウムや塩化カリウムのような化合物を電解
浴として使用することにより、チタン製品の汚染はある
程度防止できるが、これらの化合物から完全に金属成分
および水分等の不純物を除去することは難しく、99.
999%(5N)以上の純度の高純度チタンを得ようと
した場合、必ずしも十分ではなかった。
【0006】さらに、一般的に塩化ナトリウムや塩化カ
リウムが電解浴として使用されるが、この電解浴は、電
解精製を繰り返すことによりその中に不純物が蓄積され
るので、定期的に新しいものに入れ替えなければならな
い。そのため工業的規模で溶融塩電解精製法によりチタ
ンを製造する場合、純度が高く不純物の極めて少ない特
級試薬はコストが非常に高く使用することは経済面で難
しい。しかしながら、安価な工業薬品レベルのものを使
用した場合、不純物元素及び水分を非常に多く含むた
め、これらが汚染原因となり、結果として低コストでか
つ高純度のチタンを得ることは難しかった。
【0007】従って、本発明は、溶融塩電解精製法によ
り高純度チタンを製造するにあたり、電解浴中の不純物
又は水分による影響をなくし、より安価でかつ高純度の
チタンを製造できる方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、溶融塩中に含
まれる鉄、クロム、ニッケル、銅等の不純物元素はチタ
ンより電気化学的に貴であるために、チタンより優先的
に析出する点に着目し、本電解の操業を開始する前に、
予備的に電解を行い、電解浴中の不純物元素及び水分等
の酸素分を陰極にチタンと共に予め析出させ(以下「予
備電解」ということがある。)、電解浴中の不純物を除
去した後、この析出物を電極から取り除くか、又は該陰
極を電解浴から引き出す予備電解工程を設け、次いで、
予備電解工程で析出物が取り除かれた陰極か、又は別途
の陰極を電解浴に装入した後、原料チタンの電解精製を
行う本電解操業を行う(以下「本電解」ということがあ
る。)工程を設けることにより、鉄、クロム、ニッケ
ル、銅及び酸素等の不純物が極めて少ない高純度のチタ
ンが得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち本発明は、溶融塩電解精製法によ
りチタンを製造する方法において、予備的に原料チタン
を電解精製し、電解浴中の不純物をチタンと共に陰極に
析出させ析出物を陰極から取り除くか、又は該陰極を電
解浴から引き出す予備電解工程と、前記予備電解工程で
析出物を取り除いた陰極か、又は別途の陰極を電解浴に
装入した後、原料チタンの電解精製を行う本電解工程と
を有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で製造されるチタンは9
9.999%(5N)以上の高純度チタンであり、鉄、
クロム、ニッケル、銅、アルミ等の金属成分の含有量が
それぞれ5ppm以下、好ましくは1ppm以下、より
好ましくは0.5ppm以下で、さらに酸素原子の含有
量が200ppm以下、好ましくは100ppm以下、
より好ましくは50ppm以下である。
【0011】本発明の溶融塩電解精製法によるチタンを
製造する方法は、先ず、予備電解工程として、電解容器
内に装入した電解浴中に原料チタンとチタン棒とを浸漬
し、原料チタンを陽極、チタン棒を陰極として両極間に
電圧を印加し、予備電解を行う。
【0012】本発明で使用する電解容器は、一般的に用
いられる加熱炉等の加熱手段によって加熱される容器で
あれば特に限定されるものではない。その一例として
は、有底円筒状であって上部にフランジを有する容器本
体と、フランジに密着して内部を密閉する蓋体とからな
る鉄製容器が挙げられる。
【0013】本発明で使用する電解容器内に装入される
電解浴としては、NaCl、NaCl−KCl、LiC
l−KCl、NaCl−K2 TiF6 等の、一般にチタ
ンの溶融塩電解精製に用いられる塩化物もしくは塩化物
とフッ化物との混合物が用いられる。これらの化合物の
純度については特に制限はないが、一般に市販されてい
る純度の高い特級試薬レベル、ある程度精製され不純物
が除去された一級試薬レベル、または精製度合いの低い
工業薬品レベルのものが使用し得る。また、これらの市
販品を購入し、加熱脱水処理等の精製処理して使用する
こともできる。本発明の予備電解を行い、本電解を行い
チタンを製造する方法において、これらの電解浴のう
ち、特級試薬レベルの純度の高いものでも本発明の効果
が得られるが、純度のより低い電解浴を使用した場合、
本発明の効果がより発揮される。さらに前述したよう
に、経済性を考慮し、より低コストのチタンを製造する
場合、より安価な純度の低い化合物を電解浴に使用した
ほうが有利である。例えば、電解浴としてNaClおよ
び/またはKClを使用する場合、鉄、クロム、ニッケ
ル、銅、アルミ等の金属成分はそれぞれ1〜5ppm、
マグネシウム、カルシウム成分は1〜20ppm、また
水分は20〜100ppm程度の特級試薬より純度の低
い一級試薬、精製塩あるいは工業用試薬を使用すること
ができる。
【0014】電解浴中に浸漬される陰極はチタン製の棒
が好ましく、上記のような電解容器を用いる場合であれ
ばそのチタン棒は蓋体を貫通する状態で支持され、蓋体
からの突出端に陰極の端子が接続される。
【0015】本発明で用いられる原料チタンは、スポン
ジチタンが一般的であるが、ブリケット状のチタンを用
いることもできる。本発明のように高純度かつ酸素濃度
の低いチタン材を得ることを目的とする場合には、その
チタン材の原料として、できる限り不純物濃度の低いも
のを選択することが望ましい。原料チタンは籠状容器内
に保持され、その容器ごと電解容器内に浸漬される。籠
状容器の材質は、鉄やニッケル等が挙げられるが、純度
5N以上のチタンを得るには、純度99%以上、さらに
は純度99.5%以上のニッケルが好ましい。上記のよ
うな電解容器を用いる場合であれば籠状容器の上端部は
蓋体を貫通する状態で支持され、その突出端に陽極の端
子が接続されることにより原料チタンが陽極となる。
【0016】次ぎに本発明における予備電解の方法とし
ては、使用する電解浴中に含まれる鉄、ニッケル、クロ
ム、アルミ、銅及び水分等の不純物がチタンとともに陰
極に析出され、電解浴中から実質的に除去される条件な
らば任意であるが、本発明では、該予備電解工程を該予
備電解工程で陰極に析出する析出物の量が電解浴に対し
て少なくとも0.1重量%、好ましくは0.2〜10重
量%、特に好ましくは1〜2重量%となるまで行う。こ
のように、予備電解においてチタンを析出することによ
って、電解浴中の不純物が使用する電解浴の純度によら
ず陰極に析出され、予備電解後の本電解では5N以上の
チタンを得ることができる。またこのとき、電解浴中に
含まれるチタンより析出電位(電極電位)が貴である、
または電気化学的に貴である金属イオンを陰極すべてに
析出するに要する理論クーロン量以上の電圧を印加する
ことが望ましい。
【0017】一方、予備電解工程後に同じ電解浴を使用
して行われる本電解工程で製造されるチタンは、予備電
解で析出されたチタンに対し重量で通常100倍量以
下、好ましくは50倍量以下、特に好ましくは30倍量
以下である。つまり予備電解後、同じ電解浴を使用して
本電解を継続して行う場合、前記の量以上になると、電
解浴中にチタン原料、電解装置あるいは部品から不純物
が溶出し、結果として得られるチタンの純度が悪くな
る。従って、前記の倍数量以上になった場合、再度予備
電解を行うか、あるいは新しく電解浴を入れ替え、予備
電解を行った後、本電解を行うことが望ましい。
【0018】以上のような条件で予備電解を行い、次い
でこの予備電解によって陰極に析出したチタンを含む析
出物を冷却し、取り除いた後、再度該陰極を電解浴に装
入した後、本電解を行うか、あるいは予備電解によって
不純物を含むチタンが析出した陰極を電解浴から引き出
し、別の陰極を電解浴に装入した後、本電解を行う本電
解工程に移る。
【0019】また、溶融塩電解精製法によるチタンの製
造において、前述したように、鉄などの電解容器を構成
する材料が不純物として電解浴中に溶出し、その不純物
が陰極に析出し、結果として陰極で得られるチタンがそ
の不純物に汚染されてしまう場合がある。これを解決す
るために電解浴が接触する内面を純度の高いニッケルで
ライニングして不純物の溶出を抑える電解容器が提案さ
れていることは前述した通りである。しかしながら、こ
の方法は煩雑でコストアップにつながるため、より簡便
に電解容器からの不純物の溶出を防ぐために、陽極の原
料チタンと電解容器との間に別途電圧を印加することが
好ましい。より具体的には、陽極である原料チタンを充
填した容器と電解容器との間にも電圧(電解容器側が
負)を印加し、さらに原料チタンと電解容器との間に印
加する電圧を、溶融塩電解精製法によりチタンが生成さ
れる電圧よりも低くすることが特に好ましい。これによ
り、電解容器からの不純物金属の溶融塩中への溶出が防
止される。このように電解容器からの不純物の溶出が抑
えられる適度の電圧を、原料チタンと電解容器との間に
印加することが肝要であり、その印加電圧の範囲は、通
常500mV以下、好ましくは10〜150mV、より
好ましくは30〜100mVである。このような操作
は、予備電解及び本電解の両方の工程で行うことが望ま
しい。これにより、電解容器からの不純物の溶出を抑え
ることが、より簡便かつ安価に高純度のチタンを製造す
ることができる。
【0020】次に、図面を参照して本発明をより具体化
した一実施形態を説明する。図1は一実施形態に用いる
溶融塩電解精製装置を示しており、本装置は図示せぬ真
空加熱炉内にセットされる。図中符合1は軟鋼製の電解
容器である。この電解容器1は、底付きの円筒状容器で
上端縁にフランジ部を有する容器本体1aと、該フラン
ジ部に密着して容器本体1a内を密閉する蓋体1bとか
ら構成されている。
【0021】図1に示すように、陽極とされる原料チタ
ンTは、平面視リング状のニッケル製籠状容器2内に投
入され、籠状容器2ごと容器本体1a内に装入される。
陰極となるチタン棒3は、蓋体1bを閉じてから容器本
体1a内の中心に装入される。籠状容器2およびチタン
棒3の上端部は蓋体1bを貫通した状態で支持され、籠
状容器2の突出端には電源10の+(プラス)が、また
チタン棒3には電源10の−(マイナス)がそれぞれ接
続される。これにより、原料チタンTが陽極でチタン棒
3が陰極とされた電解用回路11が構成される。一方、
本装置にはもう1つの電源20が備えられ、この電源2
0の+(プラス)が籠状容器2の突出端に接続され、電
源20の−(マイナス)は電解容器1の容器本体1aに
接続される。これにより、原料チタンTが陽極で電解容
器1が陰極とされた不純物溶出防止用回路21が構成さ
れる。
【0022】溶融塩電解精製工程としては、初めに、容
器本体1a内に原料チタンTおよびチタン棒3を装入し
ない状態から、予めモル比で1:1の割合に混合したN
aCl−KClの混合塩化物を容器本体1a内に投入す
る。次いで、減圧下で650℃まで加熱して混合塩化物
をよく脱水してから、炉内をアルゴン雰囲気に置換した
後、740℃まで昇温保持して混合塩化物を溶融して電
解浴4とする。不純物溶出防止回路21に直流電流にて
電圧を印加し、次いで、原料チタンTおよびチタン棒3
を電解浴4中に浸漬するとともに、蓋体1bを閉じる。
続いて、図示せぬ供給管から、原料チタンTの底部に液
体のTiCl4 を適宜流量で吹き込んで電解浴中にチタ
ンの低級イオンを生成させた後、電解用回路11に直流
電流にて電圧を印加し、予備電解を行う。
【0023】このような予備電解を開始することによ
り、電解用回路11の陽極すなわち原料チタンTから電
解浴4中にチタンが溶出し、その溶出チタンはチタン棒
3に析出、生成するとともに、電解浴中の鉄、ニッケ
ル、クロム、銅また水分中の酸素等の不純物元素がチタ
ンとともに、チタン棒3に析出する。所定の運転時間を
経た後、回路11への通電を停止し、容器本体1aの上
部にチタン棒3を電解浴4から引き上げ、アルゴン雰囲
気下で室温まで冷却する。次いで、不純物元素を含むチ
タンが付着しているチタン棒3を炉外の大気中に取り出
した後、付着物をチタン棒から除去する。
【0024】次に、予備電解工程で析出した析出物を除
去したチタン棒3か、又は別途のチタン棒3を電解浴4
に再度装入し、上記予備電解と同じ方法で電解用回路1
1に、直流電流にて電圧を印加し、本電解を行う。この
際原料チタンTは必要に応じて追加してもよい。所定の
運転時間を経た後、回路11への通電を停止し、容器本
体1aの上部にチタン棒3を電解浴4から引き上げ、ア
ルゴン雰囲気下で室温まで冷却する。次いで、チタンが
付着しているチタン棒3を炉外の大気中に取り出した
後、速やかに希酸溶液で生成チタン全体を洗浄し、さら
に純水で洗浄した後、一旦水分を除去してから、真空乾
燥し、所望の高純度チタンを得る。
【0025】バッチ式で溶融塩電解精製法でチタンを製
造する場合、先ず最初に上記のように予備電解を行い、
その後本電解を行うが、一旦、予備電解を行った電解浴
を使用する限り、本発明の予備電解は、必ずしも本電解
を行う前に行う必要はない。即ち、初めに予備電解を行
った後、連続して2回以上の本電解を連続して行うこと
ができる。しかしながら、新しい電解浴を追加または電
解浴を全て新しく入れ替えた際は、本発明の予備電解を
行うことが望ましい。
【0026】また、予備電解した際、陰極に析出した生
成物は、その主成分がチタンであるが、通常使用する原
料チタンより純度が劣らない限り、本発明の原料チタン
として使用しうる。
【0027】
【実施例】次に、本発明の実施例を示して本発明の効果
をより明らかにする。 実施例1 (予備電解工程)内容積70リットルの軟鋼(SS40
0)製電解容器内に投入したNaCl−KClの混合塩
化物(モル比で50:50)150kgを、電気炉内で
脱水溶融して電解浴とした。この電解浴として使用した
NaCl及びKClの不純物の割合を表1に示す。次い
で、スポンジチタン5kgをニッケル製の籠状容器ごと
電解浴中に浸漬し、液体のTiCl4 を電解浴中に適宜
流量で吹き込んでチタンの低級イオンを電解浴中に生成
させ、さらに、チタン棒を電解浴中に装入した。次に、
籠状容器を陽極とし、かつ電解容器を陰極とする不純物
溶出防止用回路に約50mVの電圧で直流電流を流し
た。該電圧が安定した後、籠状容器を陽極とし、かつチ
タン棒を陰極とした電解用回路に約800mVの電圧で
直流電流を流し、予備電解を開始した。電解電流は、8
0〜82Aで安定していた。24時間の運転の後、両回
路への通電を停止し、析出物が付着したチタン棒を電解
浴から引き上げ、室温まで冷却した後、付着物をチタン
棒から除去した。除去した生成物は2.0kgであっ
た。
【0028】(本電解工程)次に、析出物が除去された
チタン棒を再度電解浴中に装入し、原料のスポンジチタ
ンを2kg追加し、籠状容器を陽極とし、かつ電解容器
を陰極とする不純物溶出防止用回路に約50mVの電圧
で直流電流を流した。該電圧が安定した後、籠状容器を
陽極とし、かつチタン棒を陰極とした電解用回路に約8
00mVの電圧で直流電流を流し、本電解を開始した。
電解電流は、80〜82Aで安定していた。24時間の
運転の後、両回路への通電を停止し、析出物が付着した
チタン棒を電解浴から引き上げ、室温まで冷却した後、
炉内をアルゴン雰囲気として室温まで冷却した。この
後、チタン棒に生成したチタンを酸洗浄および純水洗浄
して真空乾燥し、高純度のチタンを得た。得られたチタ
ンは樹脂状結晶であった。
【0029】実施例2 実施例1の本電解に引続き、実施例1と同様に本電解を
行った。得られたチタンは実施例1と同様に樹脂状結晶
であった。
【0030】実施例3 実施例2の本電解に引続き、実施例1と同様に本電解を
行った。得られたチタンは実施例1と同様に樹脂状結晶
であった。
【0031】比較例1 予備電解を行わなかった以外は実施例1と同様にして電
解を行い、チタンを得た。この場合、実施例1の本電解
工程における原料のスポンジチタン2.0kgの追加は
勿論ない。得られたチタンは上記実施例1のような樹脂
状結晶ではなかった。
【0032】上記実施例1、2、3および比較例1のチ
タンにつき不純元素の分析を行った結果を、原料チタン
と合わせて表2に示す。表1及び表2中、数値の単位は
ppmである。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表2によれば、実施例1のチタンは、原料
チタンよりも不純元素の濃度が大幅に低減して純度5N
レベルの高純度化が達成され、予備電解を行わなかった
比較例1と比較し、全ての不純物元素の濃度が低減さ
れ、特に酸素含有率が非常に低減されることが明らかで
ある。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、溶融塩電
解精製法によりチタンを製造する方法において、予備的
に原料チタンを電解精製し、電解浴中の不純物をチタン
とともに陰極に析出させ、これを取り除いた後、電解精
製を行うことを特徴とするものであるから、より簡易な
方法で高純度のチタンを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶融塩電解精製装置の一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 電解容器 2 籠状容器 3 チタン棒 4 電解浴 11 電解用回路 21 不純物溶出防止用回路 T 原料チタン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融塩電解精製法によりチタンを製造す
    る方法において、予備的に原料チタンを電解精製し、電
    解浴中の不純物をチタンと共に陰極に析出させ析出物を
    陰極から取り除くか、又は該陰極を電解浴から引き出す
    予備電解工程と、前記予備電解工程で析出物を取り除い
    た陰極か、又は別途の陰極を電解浴に装入した後、原料
    チタンの電解精製を行う本電解工程とを有することを特
    徴とするチタンの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記予備電解工程は、該予備電解工程で
    陰極に析出する析出物の量が電解浴に対して少なくとも
    0.1重量%となるまで行うことを特徴とする請求項1
    に記載のチタンの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101162538B1 (ko) 2010-05-31 2012-07-05 한국수력원자력 주식회사 금속재질의 양극덮개를 포함하는 전해환원장치 및 이를 이용한 전해환원 방법
CN103147096A (zh) * 2013-03-28 2013-06-12 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 制备含低价钛氯化物的熔盐电解质的方法及提取钛的方法

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KR101162538B1 (ko) 2010-05-31 2012-07-05 한국수력원자력 주식회사 금속재질의 양극덮개를 포함하는 전해환원장치 및 이를 이용한 전해환원 방법
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