JP2015137605A - 排気ガス浄化触媒装置 - Google Patents

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祐輔 小池
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雅彦 重津
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啓司 山田
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和也 横田
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敏彦 大住
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健生 山内
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Abstract

【課題】排気ガス温度が低いガソリンエンジンにおいても飽和炭化水素を効率良く浄化できるようにすると共に、飽和炭化水素以外の芳香族炭化水素及び不飽和炭化水素をも効率良く酸化浄化できるようにする。【解決手段】本発明に係る排気ガス浄化触媒装置1は、エンジンの複数の排気ポート3内にそれぞれ配置され、メタル担体上に触媒金属としてPtを含むPt含有触媒層が形成されてなる複数の第1触媒10と、複数の第1触媒10よりも排気ガス流れ方向下流側に配置された第2触媒20とを備え、第1触媒10におけるPtはサポート材としてのシリカ−アルミナに担持されている。【選択図】図1

Description

本発明は、排気ガス浄化触媒装置に関する。
従来、ガソリンエンジンから排出される排気ガスの浄化には、主に白金(Pt)、パラジウム(Pd)及びロジウム(Rh)を触媒金属として含むトリメタル触媒が用いられている。このようなトリメタル触媒においては、一層の触媒層内に上記3種の触媒金属が混合された触媒、並びに触媒層の下層にPdを含み、上層にRhを含み、下層及び上層の少なくとも一方の層にPtを含む二層タイプの触媒が提案されている。また、これらの他に、排気ガス流れ方向上流側と下流側とで上記触媒金属が分離担持された触媒、及びハニカム担体の中心部と周縁部とで異なる触媒金属種が担持されている、又は異なる担持濃度に調製された触媒等の種々のタイプの触媒が提案されている。
ところで、近年、次世代のエンジン燃焼技術として、予混合圧縮自己着火(Homogeneous Charge Compression Ignition:HCCI)燃焼が注目されている。HCCI燃焼は、エンジンの運転状態に応じて、燃焼室内のガソリンをリーン雰囲気で圧縮自己着火させて燃焼させる燃焼方式である。HCCI燃焼は、筒内最高圧力(Pmax)や筒内圧力上昇率(dP/dθ)の制約があることから、現状ではその運転領域が限られているため、エンジンの低負荷側をHCCI燃焼による運転領域とし、高負荷側を点火プラグによるアシストで燃料を燃焼させる火花点火(Spark Ignition:SI)燃焼による運転領域として燃焼モードを切り替えるエンジンの開発が進められている。HCCI燃焼の排気ガス組成について本発明者らが調べたところ、その排気ガスには炭素数5の飽和炭化水素(n−ペンタン、i−ペンタン)やCOが大量に含まれていることが判明した。これは、燃料がガソリンであり、これを低温燃焼させることが原因であると考えられる。
このような飽和炭化水素は、HCCI燃焼エンジンの排気ガスほどではないものの、通常のストイキ近傍で燃焼させるエンジンの排気ガスにおいても含有されている。このため、通常のガソリンエンジンにおいて、エンジン始動時のような排気ガス温度が低温である場合には、上記触媒金属が未だ活性化していないので、上記飽和炭化水素が十分に酸化浄化されずに排出されてしまう。
上記飽和炭化水素を酸化させるための触媒として、アルミニウム(Al)/ケイ素(Si)原子比が5〜60のシリカ−アルミナに白金族金属が担持されてなる炭化水素燃焼用触媒が特許文献1に提示されている。特許文献1によると、上記触媒において白金族金属としてPdを担持した場合、飽和炭化水素であるプロパン(C)の燃焼に優れ、その用途としては、ボイラー、航空機用ジェットエンジン、自動車用ガスタービン、発電用ガスタービン等の触媒燃焼方式を利用した高温燃焼器に用いる触媒として好適であるとされている。
特開平5−309270号公報
しかしながら、特許文献1の触媒では、上記の通り、プロパンの燃焼に優れているものの、プロパンよりも炭素数が多く、燃焼され難いペンタン(C12)を効率良く燃焼できるかどうか明らかでない。また、自動車エンジンのように運転条件によって空燃比が大きく変化し、始動直後においては触媒温度が比較的低温である場合、触媒性能を十分に発揮できずに炭化水素を浄化し難いという問題もある。特に、上記HCCI燃焼時はリーン燃焼であるため、触媒金属としてPdを用いた場合、Pdが酸化状態で維持されて炭化水素の燃焼が十分にできない。また、排気ガス成分としては、上記飽和炭化水素以外に芳香族炭化水素や不飽和炭化水素も含まれており、さらに炭化水素以外に排気ガス成分としてCOやNOが含まれており、これらを効率良く浄化できるようにすることも重要である。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気ガス温度が低いガソリンエンジンにおいても飽和炭化水素を効率良く浄化できるようにすると共に、飽和炭化水素以外の芳香族炭化水素及び不飽和炭化水素等の他の排気ガス成分をも効率良く浄化できるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、本発明は、排気ガス浄化触媒装置において、触媒金属としてのPtをシリカ−アルミナに担持させ、これを含む第1触媒をエンジンの排気ポート内に配置した。
具体的に、本発明に係る排気ガス浄化触媒装置は、エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒装置であって、エンジンの排気ポート内に配置され、メタル担体上に触媒金属としてPtを含むPt含有触媒層が形成されてなる第1触媒と、第1触媒よりも排気ガス流れ方向下流側に配置された第2触媒とを備え、第1触媒におけるPtはサポート材としてのシリカ−アルミナに担持されていることを特徴とする。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置では、Ptを担持するサポート材としてシリカ−アルミナを用いており、シリカ−アルミナは、比表面積が大きく、担持されるPtの分散性を向上できる。さらに、シリカ−アルミナは、細孔径が小さいため、Ptを細孔内でなく、表面上に多く担持することができる。これらにより、Ptと飽和炭化水素を含む排気ガスとの接触性を向上できる。Ptは、飽和炭化水素の酸化浄化性能に優れており、このようなPtと飽和炭化水素を含む排気ガスとの接触性を向上することにより、飽和炭化水素を高効率で酸化浄化することが可能となる。また、Ptが担持されたシリカ−アルミナ(Pt担持シリカ−アルミナ)は、エンジンの燃焼室により近い排気ポート内に設けられた第1触媒に含有されており、比較的に早く昇温して触媒活性を上げることができる。このため、上記飽和炭化水素を効率良く酸化浄化することができる。また、Pt担持シリカ−アルミナは、特に炭素数5以上の飽和炭化水素の酸化浄化能に優れており、炭素数5以上の飽和炭化水素が酸化浄化されると、他のCOやトルエン等の排気ガス成分が酸化される場合よりも多くの生成熱が生じる。このため、第1触媒で生じた生成熱により、下流側に設けられた第2触媒の触媒温度を昇温できて触媒性能を十分に発揮させることが可能となる。すなわち、本発明に係る排気ガス浄化触媒装置によると、高効率で排気ガスを浄化することができる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置において、第1触媒よりも排気ガス流れ方向上流側における排気ポートには、断熱手段が設けられていることが好ましい。このとき、断熱手段としては、二重管構造及び低熱伝導材からなる断熱層のうち少なくとも一方を用いることができる。
このようにすると、エンジンから排出された排気ガスを、その温度を維持して第1触媒に流すことができるため、それらの触媒活性を効率良く向上することができる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置において、第1触媒は、触媒金属としてPdをさらに含むことが好ましい。
このようにすると、触媒金属としてのPdは低温における活性が高いため、エンジン開始直後における第1触媒の触媒活性を向上することができる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置において、第2触媒は、触媒金属としてPd及びRhを含むことが好ましい。
Rhはスチームリフォーミング反応に寄与し、この反応によりHが生成されるため、NOの還元浄化を促進でき、また、飽和炭化水素やその他の芳香族炭化水素及び不飽和炭化水素等のHC及びCOの部分酸化にも寄与する。一方、Pdは低温酸化能に優れており、Rhにより部分酸化された上記HC及びCOを高効率で酸化できる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置において、エンジンは、HCCI燃焼が可能なエンジンであることが好ましい。
上述の通り、HCCI燃焼の排気ガスには炭素数5の飽和炭化水素(n−ペンタン、i−ペンタン)が大量に含まれており、そのような飽和炭化水素の浄化能が高い本発明に係る排気ガス浄化触媒装置をHCCI燃焼が可能なエンジンに適用することで、排気ガスの浄化を高効率で行うことができる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒装置によると、Ptを担持するサポート材としてシリカ−アルミナを用いているため、Ptと飽和炭化水素を含む排気ガスとの接触性を向上できるので、飽和炭化水素を高効率で酸化浄化することが可能となる。さらに、Pt担持シリカ−アルミナを含む第1触媒がエンジン燃焼室に近い排気ポート内に設けられているため、第1触媒の触媒温度を上げるのに有利であり、触媒活性を向上するのに有利である。さらに、第1触媒の排気ガス方向下流側に第2触媒が設けているため、第1触媒による飽和炭化水素の酸化浄化により生じた生成熱によって、第2触媒の活性を効率良く向上することができる。
本発明の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置における、排気ポート部分を示す断面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置における第1触媒の斜視図であり、(b)は第1触媒の横断面の一部を示す拡大図である。 本発明の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置における第1触媒の触媒層構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置における第2触媒の触媒層構成を示す断面図である。 Pt担持シリカ−アルミナとPt担持γアルミナとに対して行ったX線回折(XRD)の結果を示すグラフ図である。 (a)及び(b)は、Pt担持シリカ−アルミナ及びPt担持γアルミナの細孔分布を示すグラフ図であり、(a)はエージング処理を行っていない場合を示し、(b)はエージング処理を行った場合を示している。 Pt担持シリカ−アルミナ及びPt担持γアルミナのC12浄化性能を示すグラフ図である。 実施例及び比較例のHC浄化率を示すグラフ図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでない。
図1は、本発明の実施形態に係る排気ガス浄化触媒装置1の構成を示しており、2はエンジンのシリンダヘッド、3はエンジンの排気ポート、4は排気ポートに接続された排気マニホールド、5は排気マニホールドの排気ガス流れ方向下流端に接続された排気管を示している。排気マニホールド4はフランジ部分4aを有し、フランジ部分4aがシリンダヘッド2に組み付けられている。また、10は排気ポート内に設けられた第1触媒、20は排気マニホールドの排気ガス流れ方向下流側に位置する集合部に設けられた第2触媒をそれぞれ示している。すなわち、排気ガス通路内において、排気ガス流れ方向上流側から下流側に向かって第1触媒10及び第2触媒20が順次配置されている。また、本実施形態において、排気ポート3の内壁及び排気マニホールド4の内壁には断熱手段30が設けられている。断熱手段30の詳細については後に説明する。なお、本実施形態におけるエンジンは、通常の点火プラグによるアシストで燃料を燃焼させる火花点火(Spark Ignition:SI)燃焼のみを行うものに限られない。この他に、例えばエンジンの低負荷側を予混合圧縮自己着火(Homogeneous Charge Compression Ignition:HCCI)燃焼による運転領域とし、高負荷側を上記点火プラグによるアシストで燃料を燃焼させる火花点火(Spark Ignition:SI)燃焼による運転領域として燃焼モードを切り替えるエンジンであってもよいし、低負荷から高負荷までの全域でHCCI燃焼を行うエンジンであってもよい。
本実施形態における第1触媒10が設けられた排気ポート3の構造について図2を参照しながら説明する。図2はエンジンの排気ポート3内を示す断面図である。なお、図2では、図の簡略化のために排気バルブの図示を省略している。
図2に示すように、本実施形態では、第1触媒10(詳細は後述する)が排気ポート3の排気ガス流れ方向下流端に設けられている。第1触媒10は、排気ポート3内に排気ガス流れ方向下流側から挿入された筒状の取付部材40に取り付けられている。取付部材40は、長手方向の一端部にフランジ部40aを有し、該フランジ部40aは取付部材40の径方向外側のみならず、内側にも拡大した形状となっている。このフランジ部40aが排気マニホールド4の排気ガス流れ方向上流側のフランジ部分4aと接続されている。第1触媒10は筒状の取付部材40内に挿入され、第1触媒10の外周面が取付部材40のフランジ部40aの内周面に溶接により接合されている。上記の通り、フランジ部40aは取付部材40の径方向外側のみならず、内側にも拡大した形状となっているため、第1触媒10とフランジ部40aとの接合部分以外における第1触媒10の外周面と取付部材40の内周面との間には間隙が形成されている。また、第1触媒10におけるフランジ部40aとの接合部分は、排気ガス流れ方向下流側の端部でなくてもよく、すなわち、第1触媒10が排気マニホールド4内にまで亘っていてもよい。排気ポート3の内周面には断熱手段30が設けられており、本実施形態では排気ポート3の内周面に断熱手段としてステンレス材からなる断熱二重管がシリンダヘッドに鋳込まれた状態で設けられている。この断熱二重管からなる断熱手段30の下流側端部は、取付部材40の上流側端部と当接している。これにより、エンジンから排出された排気ガスを、その温度を維持して第1触媒10に流すことができるため、第1触媒10の触媒活性を効率良く向上することができる。また、取付部材40及び排気マニホールド4も断熱二重管により構成されていることが好ましい。本実施形態では、断熱手段30として断熱二重管を用いたが、これに限られず、排気ガス通路壁の材料よりも熱伝導率が低い材料からなる断熱層であってもよい。断熱層の材料としては、例えばジルコニア等の無機酸化物の他に、Siを主体とするシリコーン樹脂やケイ酸ガラス等を用いることができる。
図3は第1触媒10の構成について示している。図3(a)は第1触媒10の斜視図であり、図3(b)は第1触媒10の横断面の一部を示す拡大図である。第1触媒10は、金属製のメタル担体11の排気ガス通路壁に触媒層12が配設されて構成されている。メタル担体11は、例えばステンレス製の平板11aと波板11bとが重ね合わされて渦巻き状に形成されたものをステンレス製の筒部材11cに挿入されてなる。これにより、平板11aと波板11bとの間に多数のセル通路(排気ガス通路)が形成されることとなる。なお、メタル担体11は、その表面を酸化処理した後に、触媒層12が設けられている。第2触媒20は、第1触媒10と比較して、触媒層12の構成成分及びサイズが異なるのみであり、他の構成は同一である。
<触媒層の構成>
次に、本実施形態の第1触媒10及び第2触媒20の触媒層構成について説明する。図4は第1触媒10の触媒層構成を示す断面図であり、図5は第2触媒20の触媒層構成を示す断面図である。
図4に示すように、第1触媒10では、メタル担体11の排気ガス通路壁(基材)上に触媒層としてPt含有触媒層13が設けられている。Pt含有触媒層13には、シリカ−アルミナにPtが担持されてなるPt担持シリカ−アルミナが含まれている。また、Pt含有触媒層13には、バインダーが含まれており、バインダー原料としては、例えば硝酸ジルコニルが用いられ得る。また、第1触媒10において、触媒金属としてPtの他にPdが含まれていてもよい。この場合、Pt含有触媒層13にPdが含まれていてもよいし、以下に説明するPd含有触媒層21をPt含有触媒層13とメタル担体11の排気ガス通路壁との間に設けて二層構造としてもよい。
一方、第2触媒20では、図5に示すようにメタル担体11の排気ガス通路壁(基材)上に、Pd含有触媒層(下層)21が形成され、該Pd含有触媒層21上、すなわち排気ガス通路側にRh含有触媒層(上層)22とが形成されている。
Pd含有触媒層21には、サポート材に担持された触媒金属としてのPdが含まれている。例えば、Pd含有触媒層21は、活性アルミナ(γアルミナ)にPdが担持されたPd担持アルミナ、並びにZr及びCeを含有するZrCe系複合酸化物にPdが担持されたPd担持ZrCe系複合酸化物を含む。さらに、Pd含有触媒層21は、酸素吸蔵放出能(OSC)を有するセリア等のOSC材を含んでいてもよい。また、Pd含有触媒層21には、バインダーが含まれており、バインダー原料としては、例えば硝酸ジルコニルが用いられ得る。
一方、Rh含有触媒層22は、サポート材に担持された触媒金属としてのRhが含まれている。また、Rh含有触媒層22には、例えば活性アルミナ(γアルミナ)にRhが担持されたRh担持アルミナ、及びZr及びCeを含有するZrCe系複合酸化物にRhが担持されたRh担持ZrCe系複合酸化物が含まれている。さらに、Rh含有触媒層22にもバインダーが含まれており、バインダー原料としては、例えば硝酸ジルコニルが用いられ得る。
ここでは、第2触媒20としてPd含有触媒層21とRh含有触媒層22との二層構造を含む構成について説明したが、Pd及びRhを含む一層の触媒層がメタル担体11の排気ガス通路壁上に形成された構成であっても構わない。
<触媒材の調製方法>
次に、上記の触媒層に含まれる触媒材の調製方法について説明する。
まず、Pd含有触媒層に含まれるPd担持ZrCe系複合酸化物の調製方法について説明する。ここでは、ZrCe系複合酸化物としてZrCeNd複合酸化物を用いた場合について説明する。ZrCeNd複合酸化物は共沈法を用いて調製できる。具体的に、硝酸セリウム6水和物、オキシ硝酸ジルコニウム溶液、硝酸ネオジム6水和物及びイオン交換水を混合してなる硝酸塩溶液に、28質量%アンモニア水の8倍希釈液を混合して中和することにより共沈物を得る。この共沈物を含む溶液を遠心分離器にかけて上澄み液を除去する(脱水)、そこにさらにイオン交換水を加えて撹拌する(水洗)、という操作を必要回数繰り返す。その後、共沈物を大気中において150℃程度で一昼夜乾燥し、粉砕した後、大気中において500℃程度で2時間焼成する。これにより、CeZrNd複合酸化物の粉末を得ることができる。また、得られたZrCeNd複合酸化物の粉末に対して、硝酸パラジウム水溶液を用いた蒸発乾固法を行うことによってZrCeNd複合酸化物にPdを担持できる。
具体的に、蒸発乾固法は、以下のようにして行うことができる。まず、ZrNdPr複合酸化物粒子材にイオン交換水を加えてスラリー状にし、それをスターラー等により十分に撹拌する。続いて、撹拌しながらそのスラリーに所定量のジニトロジアミンPd硝酸溶液を滴下し、十分に撹拌する。その後、加熱しながらさらに撹拌を続けて、水分を完全に蒸発させる。蒸発後、大気中において500℃程度で2時間焼成することにより、Pd担持ZrCeNd複合酸化物が得られる。このZrCe系複合酸化物は、Ndの他にLaやY等の希土類金属が添加されたものでもよい。
次に、Pd担持アルミナの調製方法について説明する。本実施形態では、熱安定性を向上させるために、アルミナとして例えば4質量%のLaを含有するLa含有アルミナを用いることができる。このLa含有アルミナに対して、上記と同様にジニトロジアミンPd硝酸溶液を用いた蒸発乾固法を行うことによって、Pd担持アルミナを得ることができる。
上記のようにして得られたPd担持ZrCeNd複合酸化物及びPd担持アルミナと、セリア及びZrCeNd複合酸化物等のOSC材とに、硝酸ジルコニル等のバインダー及びイオン交換水を加え、混合してスラリー状にする。このスラリーを担体上にコーティングし、150℃程度で乾燥させた後、500℃程度で2時間焼成することにより、担体上にPd含有触媒層を形成することができる。
次に、Rh含有触媒層に含まれるRhを含有する触媒成分の調製方法について説明する。まず、Rh担持ZrCe系複合酸化物としてのRh担持ZrCeNd複合酸化物の調製方法を説明する。Rh担持ZrCeNd複合酸化物は、上記のように調製したZrCeNd複合酸化物に対して硝酸ロジウム水溶液を用いて、上記と同様に蒸発乾固法を行うことにより得られる。
また、Rh担持アルミナも同様に、アルミナに対して硝酸ロジウム水溶液を用いて蒸発乾固法を行うことにより得られる。ここで、本実施形態においては、アルミナとして、上記と同様にLa含有アルミナを用いてもよいし、Zrを含むZr系複合酸化物を担持したLa含有アルミナであるZr−La含有アルミナを用いてもよい。
次に、Pt含有触媒層に含まれるPtを含有する触媒成分の調製方法について説明する。まず、Ptを担持するためのシリカ−アルミナの調製方法について説明する。所定量のアルミニウムアルコキシドとケイ素アルコキシドとをグリコールに懸濁し、その懸濁液に対して窒素等の不活性ガス雰囲気で200℃〜400℃程度の熱処理を2時間程度行う。その後、得られた反応物をメタノール等で洗浄し、乾燥した後、500℃〜1500℃程度で2時間焼成する。これにより、シリカ−アルミナを得ることができる。得られたシリカ−アルミナに対し、ジニトロジアミンPt硝酸溶液を用いて上記蒸発乾固法を行うことにより、Pt担持シリカ−アルミナを得ることができる。また、別の方法として、ゾルゲル法によりシリカ−アルミナを得て、これに上記蒸発乾固法でPtを担持させてもよい。
<シリカ−アルミナについて>
本実施形態では、上記のようにPtを担持するサポート材として、通常の活性アルミナ(γアルミナ)ではなく、シリカ−アルミナを用いている。本実施形態で用いられるシリカ−アルミナは、SiOとAlとが単に混合されたもの、或いはZSM−5に代表される10Å前後の特定の細孔径を有したゼオライトではなく、AlがSiにより修飾されたものであり、Si原子とAl原子とがO原子を介して結合している複合酸化物の状態である。ここで、本実施形態で用いられるPt担持シリカ−アルミナと、通常のγアルミナにPtが担持されたPt担持γアルミナに対してX線回折(XRD)を行って、それらの結晶構造を解析した結果を図6に示す。
図6に示すように、Pt担持γアルミナにおいては、複数のγアルミナに係るピーク(●で示している)が認められた。また、当然に、Pt担持γアルミナにおいて、SiOに係るピーク(◇で示している)は認められなかった。一方、Pt担持シリカ−アルミナにおいても、γアルミナに係る複数の大きいピークが認められ、SiOに係るピークは認められなかった。すなわち、シリカ−アルミナは、SiOの結晶構造を有しておらず、Al結晶構造中のOにSiが結合しており、Si原子がAl原子と共にO原子を共有するようにSi原子とAl原子とがO原子を介して結合している複合酸化物の状態となっていると考えられる。
なお、図6において、Pt担持シリカ−アルミナ(20)は、シリカ−アルミナ中にSiOが20重量%含まれているものであり、同様にPt担持シリカ−アルミナ(14)は、シリカ−アルミナ中にSiOが14重量%含まれているものであり、Pt担持シリカ−アルミナ(7)は、シリカ−アルミナ中にSiOが7重量%含まれているものである。但し、上記の通り、シリカ−アルミナ中にはSiとAlとが共有するOが含まれており、例えばPt担持シリカ−アルミナ(20)では、Alと共有するOを含めてSiOが20重量%含有されているものとする。Pt担持シリカ−アルミナ(20)、Pt担持シリカ−アルミナ(14)及びPt担持シリカ−アルミナ(7)を比較すると、それらの間で大きな差は認められなかった。また、本発明において、シリカ−アルミナ中に含有させるSiO量は特に限定しないが、30重量%程度になるとSiOの結晶相が単離することで比表面積の低下を招くおそれがあるので、30重量%未満が好ましく、20重量%以下であればより好ましい。
次に、上記のようなシリカ−アルミナを、Ptを担持するサポート材として用いる利点について以下に説明する。
まず、Pt担持シリカ−アルミナと、シリカを含まないPt担持γアルミナとの細孔分布及び比表面積を測定し、それらを比較した結果について説明する。ここでは、SiOが20重量%含まれているシリカ−アルミナにPtが0.5重量%担持されたPt担持シリカ−アルミナと、シリカを含まないγアルミナにPtが担持されたもの(Pt担持γアルミナ)との細孔分布を測定し、また、比表面積を測定した。なお、Pt担持シリカ−アルミナ及びPt担持γアルミナに対して、2%O、10%HO、Nガス雰囲気下で1000℃、24時間のエージング処理を行った場合と該処理を行わなかった場合のものに対してそれぞれ上記測定を行った。上記細孔分布の測定結果を図7(a)及び(b)に示す。なお、図7(a)は上記エージング処理を行っていない場合の結果を示し、図7(b)は上記エージング処理を行った場合の結果を示している。また、比表面積の測定結果を表1に示す。
図7(a)及び(b)に示すように、エージング処理を行った場合、及びエージング処理を行っていない場合のいずれの場合でも、Pt担持シリカ−アルミナでは10nm以下に最も大きいピークがあり、Pt担持γアルミナでは20nm〜30nm程度に最も大きいピークがある。すなわち、Pt担持γアルミナよりもPt担持シリカ−アルミナの方が、細孔径が小さい。本実施形態では、上述のジニトロジアミンPt硝酸溶液を用いた蒸発乾固法によりPtをサポート材に担持しており、この場合、担持されるPtの粒径は10nm程度となる。このため、Pt担持γアルミナでは、Pt粒子が細孔内に多く担持され、一方、Pt担持シリカ−アルミナでは、Pt粒子がシリカ−アルミナの細孔内でなく、表面上により多く担持され得る。このため、Pt担持シリカ−アルミナを用いると、Ptがシリカ−アルミナの表面上に多く存在するので、Ptと排気ガスとの接触性を向上することが可能となり、排気ガス中の飽和炭化水素の燃焼を高効率で行うことができることが示唆される。
また、表1に示すように、上記エージング処理を行った場合、及び行わなかった場合のいずれの場合においても、Pt担持γアルミナよりもPt担持シリカ−アルミナの方が、比表面積が高いことがわかる。このため、シリカ−アルミナにPtを担持する方が、Ptの分散性を向上できる。すなわち、Pt担持シリカ−アルミナを用いると、Ptと排気ガスとの接触性を向上することが可能となり、排気ガス中の飽和炭化水素の燃焼を高効率で行うことができることが示唆される。
次に、Pt担持シリカ−アルミナ及びPt担持γアルミナのペンタン(C12)の燃焼性能を測定し、それらを比較した。Pt担持シリカ−アルミナ及びPt担持γアルミナのペンタンの燃焼性能を測定するために、以下の試験を行った。
まず、担体として、セル壁の厚さが3.5milであり、1平方インチ当たりのセル数が600である担体容量25mlのコージェライト製六角セルハニカム担体(直径25.4mm、長さ50mm)に、上記Pt担持シリカ−アルミナ、及びPt担持γアルミナをそれぞれ設けた。具体的には、上記のようにPt担持シリカ−アルミナ及びPt担持γアルミナのそれぞれに、イオン交換水及びバインダーを加えて、得られたスラリーを上記担体にコーティングし、乾燥及び焼成することにより、それらを担体上に設けた。なお、サポート材であるシリカ−アルミナ又はγアルミナは、担体に100g/L(担体1L当たりの担持量、以下同じ。)設け、Ptは、それぞれ0.5g/L担持した。また、シリカ−アルミナにおけるSiOとAlとの重量比をSiO:Al=20:80とした。このようにして得られたハニカム触媒に対して、上記細孔分布の測定と同様のガス雰囲気下において900℃で50時間のエージング処理を行った後に、C12の浄化率を測定した。
この測定のために、まず、作製した各ハニカム触媒を、モデルガス流通反応装置に取り付け、ペンタン(イソペンタン)を含むモデルガスを導入した。モデルガスの組成は、イソペンタン(i−C12)が3000ppmC、COが1700ppm、Oが10.5%、COが13.9%、HOが10%、残部がNである。また、ガスの流量を26.1L/minとし、空間速度をSV=60000h−1とした。触媒に流入するモデル排気ガスの温度を常温から漸次上昇させていき、その触媒から流出するガスのC12の濃度変化を検出し、流出するC12量に基づいて、各ハニカム触媒のC12浄化率を測定した。この測定結果を図8に示す。
図8に示すように、ガス温度が500K程度まで上昇すると、Pt担持シリカ−アルミナがPt担持γアルミナよりも高いC12浄化率を示し、測定した750K程度までPt担持シリカ−アルミナの方が常に高いC12浄化率を示した。この結果から、シリカ−アルミナにPtを担持することにより、ペンタン等の飽和炭化水素をより高効率で浄化できることが示唆された。
次に、Ptを担持するシリカ−アルミナにおけるシリカ(SiO)とアルミナ(Al)との重量比と触媒性能との関係について検討するために、それらの重量比を変化させて、C12の浄化率を測定した。ここでは、C12浄化性能としてライトオフ温度(T50)の測定を行った。ライトオフ温度(T50)は、触媒に流入させるモデルガスの温度を常温から漸次上昇させていき、C12の浄化率が50%に達したときの触媒入口ガス温度である。モデルガスの組成は、上記試験と同一である。Ptを担持するシリカ−アルミナにおけるSiOの重量比を20重量%、10重量%又は5重量%とした。これら3種のPt担持シリカ−アルミナの他に、シリカ−アルミナでなくシリカにPtを担持したPt担持シリカについてもC12の浄化率(T50)を測定した。それらの測定結果を表2に示す。
表2に示すように、シリカ−アルミナにおいてSiOの含有量を20重量%とした場合が最もH12の浄化性能が高く、SiOの含有量を小さくするに従って、浄化性能も低減した。また、シリカ−アルミナでなくシリカにPtを担持した場合では、シリカ−アルミナにPtを担持したものと比較して、H12の浄化性能は明らかに低減した。このことから、Ptを担持するサポート材としてシリカ−アルミナを用いることで、H12を高効率で浄化できることがわかる。
以上のように、本実施形態に係る触媒によると、第1触媒10にPt含有触媒層13が設けられており、それらの中に含まれるシリカ−アルミナは比表面積が大きく、担持されたPtの分散性を向上でき、また、細孔径が小さいため、Ptを細孔内でなく、表面上に多く担持することができる。このため、Ptと飽和炭化水素を含む排気ガスとの接触性を向上できる。Ptは、飽和炭化水素の酸化浄化性能に優れており、このようなPtと飽和炭化水素を含む排気ガスとの接触性を向上することにより、飽和炭化水素を高効率で酸化浄化することが可能となる。
以下に、本発明に係る排気ガス浄化触媒装置を詳細に説明するための実施例を示す。本実施例では、エンジンベンチを用い、Pt担持シリカ−アルミナを含む第1触媒を排気ポート内に設け、Pd及びRhを含む第2触媒を排気マニホールドの下流端に設け、HC浄化率を測定した。また、比較例として、第1触媒においてPt担持シリカ−アルミナではなく、Pt担持シリカとPt担持アルミナとの混合物を用いた触媒装置を作製し、このHC浄化率を測定した。
具体的に、実施例1では、メタル担体(直径60mm、長さ100mm)に、Pt担持シリカ−アルミナを含むPt含有触媒層を形成して第1触媒を得た。Pt含有触媒層は、上記Pt含有触媒層の調製方法に従って作製した。なお、シリカ−アルミナにおけるSiOとAlとの重量比をSiO:Al=20:80とした。このシリカ−アルミナ粉末に対して5重量%のジニトロジアミンPt硝酸溶液を用いて蒸発乾固法によりPtを担持した。調製したPt担持シリカ−アルミナに、イオン交換水及びバインダーを加えて、得られたスラリーを上記メタル担体にコーティングし、その後、150℃で乾燥及び500℃で2時間焼成することにより、Pt含有触媒層を担体上に設けた。なお、担体には、100g/L(担体1L当たりの担持量)のPt担持シリカ−アルミナが含まれるようにPt含有触媒層を設けた。
また、第2触媒のPd含有触媒層及びRh含有触媒層は、上記Pd含有触媒層及びRh含有触媒層の調製方法に従って作製した。それらの触媒層の成分を表3に示す。なお、表3では、各成分量を担体1L当たりの量(g/L)で示している。
表3において、Pd含有触媒層におけるOSC材及びPd担持セリアのZrCeNd複合酸化物の組成は、ZrO:CeO:Nd=67:23:10(質量比)であり、Rh含有触媒層のRh担持セリアのZrCeNd複合酸化物の組成は、ZrO:CeO:Nd=80:10:10(質量比)である。なお、本実施例では、Pd及びRhの蒸発乾固法による担持は、450℃で乾燥及び焼成を行った。また、上記触媒材とイオン交換水とを混合して調製されたスラリーを担体にコーティングした後の乾燥及び焼成は、担体を常温から450℃になるまで一定の昇温速度で1.5時間かけて昇温し、その温度に2時間保持することにより行った。さらに、本実施例では、Pd含有触媒層及びRh含有触媒層が設けられた担体に酢酸バリウム水溶液を含浸した。含浸後、担体を常温から200℃まで略一定の昇温速度で1.5時間かけて昇温し、その温度に2時間保持(乾燥)した。その後、200℃から500℃まで略一定の昇温速度で4時間かけて昇温し、その温度に2時間保持し(焼成)した。
実施例2は、実施例1と比較して、第1触媒において担体の排気ガス通路壁とPt含有触媒層との間にPd含有触媒層を設けたことが異なる。Pd含有触媒層の触媒粉末は、アルミナ粉末に対して、2.5重量%のジニトロジアミンPd硝酸溶液を用いて蒸発乾固法によりPdを担持し、得られた粉末を150℃で乾燥し、500℃で2時間焼成することで得た。この触媒粉末を所定量のバインダーと混合し、触媒粉末量が40g/Lとなるように担体上にコーティングした後、150℃で乾燥し、500℃で2時間焼成することでPd含有触媒層を得た。このPd含有触媒層の上に上記Pt含有触媒層を形成することで二層構造の触媒層を得た。
一方、比較例1は、上記実施例1と比較して第2触媒の構成は同一であり、第1触媒の構成のみが異なる。また、比較例2は、上記実施例2と比較して第2触媒の構成は同一であり、第1触媒の構成のみが異なる。具体的に、比較例1及び比較例2において、第1触媒のPt含有触媒層には、Pt担持シリカ−アルミナの代わりにPt担持シリカとPt担持アルミナとが20:80(質量比)の割合で含有されている。Pt担持シリカは、シリカ粉末に対してジニトロジアミンPt硝酸溶液を用いて蒸発乾固法によりPtを担持して得た。また、Pt担持アルミナは、アルミナ粉末に対して5重量%のジニトロジアミンPt硝酸溶液を用いて蒸発乾固法によりPtを担持して得た。調製したPt担持シリカ及びPt担持アルミナを20:80の質量比で混合し、イオン交換水及びバインダーを加えて、得られたスラリーを上記メタル担体にコーティングし、その後、150℃で乾燥及び500℃で2時間焼成することにより、Pt含有触媒層を担体上に設けた。なお、担体には、100g/L(担体1L当たりの担持量)のPt担持シリカ及びPt担持アルミナが含まれるようにPt含有触媒層を設けた。
上記実施例1,2及び比較例1,2のそれぞれの第1触媒をエンジンベンチにおける排気ポートに取り付け、また、第2触媒を排気マニホールドの集合部に取り付け、エンジンを作動し、ガス温度が200℃及び250℃のときのHC浄化率を測定した。なお、それらの触媒に対しては、予め、Oが2%、HOが10%の雰囲気下において800℃で24時間のエージング処理を行った。また、ガス温度の測定は、排気ポート内の第1触媒の上流側5mmの位置の温度を測定した。200℃におけるエンジンの運転条件は、正味平均有効圧(Pe)を100kPa、エンジン回転数を1000rpmとし、250℃におけるエンジンの運転条件は、Peを200kPaとし、エンジン回転数を1000rpmとした。排気ガス温度が200℃及び250℃のときの、第1触媒の上流側における排気ガス中のHC濃度及び第2触媒の下流側における排気ガス中のHC濃度を測定し、HC浄化率を算出した。排気ガス温度が200℃及び250℃の際の、実施例1,2及び比較例1,2の触媒のHC浄化率の測定結果を図9に示す。
図9に示すように、実施例1,2の触媒と比較例1,2の触媒とのHC浄化率を比較すると、実施例1,2の触媒の方が、排気ガス温度が200℃及び250℃の両方の場合で、HC浄化率が高いことがわかる。これは、実施例1,2では第1触媒にPt担持シリカ−アルミナが含まれており、特に、n−ペンタンやi−ペンタン等の酸化浄化能が比較例1,2の触媒よりも高いためであると考えられる。さらに、n−ペンタンやi−ペンタン等の酸化による生成熱が下流側の第2触媒に流れて第2触媒の活性を向上するためであると考えられる。このように、Pt担持シリカ−アルミナを含む第1触媒を第2触媒の上流側に設けることで、HC等の排気ガス浄化性能を向上できることが示唆された。また、実施例1と実施例2とを比較すると、実施例2の方が、HC浄化率が高いことがわかる。これは、実施例2では第1触媒がPdを含んでおり、低温活性が高いため、実施例1よりもHC浄化率が高い結果になったと考えられる。
1 排気ガス浄化触媒装置
2 シリンダヘッド
3 排気ポート
4 排気マニホールド
5 排気管
10 第1触媒
11 メタル担体
12 触媒層
13 Pt含有触媒層
20 第2触媒
21 Pd含有触媒層
22 Rh含有触媒層
30 断熱手段
40 取付部材

Claims (6)

  1. エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒装置であって、
    前記エンジンの排気ポート内に配置され、メタル担体上に触媒金属としてPtを含むPt含有触媒層が形成されてなる第1触媒と、
    前記第1触媒よりも排気ガス流れ方向下流側に配置された第2触媒とを備え、
    前記第1触媒における前記Ptはサポート材としてのシリカ−アルミナに担持されていることを特徴とする排気ガス浄化触媒装置。
  2. 前記第1触媒よりも排気ガス流れ方向上流側における前記排気ポートには、断熱手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化触媒装置。
  3. 前記断熱手段は、二重管構造及び低熱伝導材からなる断熱層のうち少なくとも一方であることを特徴とする請求項2に記載の排気ガス浄化触媒装置。
  4. 前記第1触媒は、触媒金属としてPdをさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒装置。
  5. 前記第2触媒は、触媒金属としてPd及びRhを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒装置。
  6. 前記エンジンは、HCCI燃焼が可能なエンジンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒装置。
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