本発明について、さらに詳細を述べる。
本発明のストレッチ繊維製品は、ポリウレタン弾性繊維を含有するストレッチ繊維製品であって、該ポリウレタン弾性繊維が、ポリマーポリオールとジイソシアネートと鎖伸長剤とを出発物質とするポリウレタンと、環状オリゴ糖と、該環状オリゴ糖に包接されたゲスト分子とを含有し、前記環状オリゴ糖におけるゲスト分子の包接率が、0.1%以上20%以下である。かかる構成を採ることによって、優れた香気持続性を発現するものである。
本発明において、香気持続性とは、付与された香気が長時間持続することを表す。本発明のストレッチ繊維製品における香気持続性とは、洗濯時に付与された好ましい香気が、乾燥後約24時間以上経っても感知可能であり、より好ましくは、約72時間以上、さらに好ましくは約144時間以上経っても感知可能であることをいう。本発明のストレッチ繊維製品の香気が良好に感知されることの目安としては、例えば、下記の6段階臭気強度表示法(官能試験1)による評価が2.5以上、好ましくは3.0以上であることが挙げられる。また、下記の9段階快・不快度表示法(官能試験2)による評価としては、2以上であるものが好ましく、3以上であるものがより好ましい。
本発明に使用されるポリウレタン弾性繊維を構成するポリウレタンは、例えば、ポリオール、ジイソシアネート、ジアミンおよびジオール等から重合され得る構造を有するものであれば、特に限定されるものではない。また、その合成法も特に限定されるものではない。前記ポリウレタン弾性繊維は、例えば、ポリマージオール、ジイソシアネートおよび低分子量ジアミン等から重合されてなるポリウレタンウレア繊維であってもよく、また、ポリマージオール、ジイソシアネートおよび低分子量ジオール等から重合されてなるポリウレタン繊維(ポリウレタンウレタン繊維)であってもよい。さらに、鎖伸長剤として水酸基とアミノ基を分子内に有する化合物を使用したポリウレタンウレア繊維であってもよい。本発明の効果を妨げない範囲で3官能性以上の多官能性のグリコールやイソシアネート等が使用されることも好ましい。ポリマージオールはポリエーテル系、ポリエステル系ジオール、ポリカーボネートジオール等が好ましい。そして、特に溶解性の異なる、親水性香料および親油性香料を効率よく糸に付与する観点からポリエーテル系ジオールが使用されることが好ましい。
ポリエーテル系ポリオールとして、例えばポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールの誘導体、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略す)、テトラヒドロフラン(THF)および3−メチルテトラヒドロフランの共重合体である変性PTMG(以下、3M−PTMGと略する)、THFおよび2,3−ジメチルTHFの共重合体である変性PTMG、特許第2615131号公報等に開示される側鎖を両側に有するポリオール、THFとエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドが不規則に配列したランダム共重合体等が挙げられる。これらを2種以上混合もしくは共重合して用いてもよいが、糸の強伸度と回復力の観点からPTMG、3M−PTMG、この2種をブレンドしたポリオール等を用いることが好ましい。PTMG、3M−PTMG、もしくはこの2種をブレンドしたポリオール等に対して特性を損なわない程度に他のポリオールを混合もしくは共重合しても何ら構わない。親水性香料の受容のためにはエチレンオキシドを含有するグリコール等の使用が好まれ、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリエチレングリコールの誘導体等の含有が好適であり、親油性香料の受容、吸収のためにはポリプロピレングリコール、PTMG、3M−PTMG等の使用が好適である。
また、耐摩耗性や耐光性を得る観点からは、ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンポリオール、特開昭61−26612号公報等に開示されている側鎖を有するポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオールや、特公平2−289516号公報等に開示されているポリカーボネートポリオール等が好ましく使用される。
こうしたポリマーポリオールは単独で使用してもよいし、2種以上混合もしくは共重合して使用してもよい。
これらのポリマーポリオールの分子量は、糸にした際の伸度、強度、耐熱性等を得る観点から、数平均分子量が1000以上8000以下のものが好ましく、1800以上6000以下がより好ましい。この範囲の分子量のポリオールが使用されることにより、伸度、強度、弾性回復力、耐熱性に優れた弾性繊維を容易に得ることができる。なお、分子量はGPCで測定し、ポリスチレンにより換算する。
次に本発明に使用されるジイソシアネートとしては、芳香族、脂環族および脂肪族ジイソシアネート等を用いることが出来る。芳香族ジイソシアネートとして、例えばジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)、トリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環族、脂肪族ジイソシアネートとして、例えば、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(以下、H12MDIと称する。)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネートおよびオクタヒドロ1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのジイソシアネートのうち、繊維の強度や耐熱性等に優れることから芳香族ジイソシアネート等を用いることが好ましく、MDI等を用いることがさらに好ましい。MDIに対して他の1種または2種以上の芳香族ジイソシアネート等を混合して用いてもよい。
次に、本発明におけるポリウレタンを合成するにあたって用いられる鎖伸長剤としては、低分子量ジアミンおよび低分子量ジオールのうち少なくとも1種を使用するのも好ましい。なお、エタノールアミンのように、水酸基とアミノ基の両方を分子中に有するものであってもよい。
本発明におけるポリウレタンの出発物質として鎖伸長剤として好ましい低分子量ジアミンを挙げる。低分子量ジアミンを用いることにより、高い回復力を達成することが可能となると共に、生成したウレア基の強力な水素結合力により水親和性の香料類までも捕捉し易く、香気持続性に寄与することが可能となる。低分子量ジアミンとして、、例えばヒドラジン、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノ−2,2−ジメチルブタン、2,4−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサン、1,3−ペンタンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、ヘキサメチレンジアミン、1,3−シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミンおよびビス(4−アミノフェニル)ホスフィンオキシド等を挙げることができる。これらの中から1種もしくは2種以上を混合して使うことが可能である。かかる低分子量ジアミンにおいて好ましいのは炭素数が2から5のものであり、伸度および弾性回復性等に優れた繊維を製造するという観点からすると、エチレンジアミン等を用いることが特に好ましい。またエチレングリコール等の低分子量ジオール等を併用してもよい。これらの鎖伸長剤の他に、架橋構造を形成することのできるトリアミン化合物(例えばジエチレントリアミン等)等を、本発明の効果を失わない程度であれば併用してもよい。
本発明のポリウレタン弾性繊維の鎖伸長剤として好ましい低分子量ジオールとしては、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、1−メチル−1,2−エタンジオール等が代表的なものである。これらの中から1種または2種以上が使用されることが好ましい。特に好ましくはエチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオールである。これらを用いると、ジオール伸長のポリウレタンとしては耐熱性がより高くなり、また、より強度の高い糸を得ることができるため好ましい。
得られるポリウレタンの分子量を制御するために、ポリウレタンの重合時に末端封鎖剤を1種または2種以上混合して使用することも好ましい。末端封鎖剤は、通常、鎖伸長剤と混合して使用することができる。紡糸後の糸特性が安定することから鎖封鎖剤に対する鎖伸長剤のモル比は約10〜20の間であることが好ましい。より好ましくは約14〜18の間である。
かかる末端封鎖剤としては、ジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン等のモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノール等のモノオール、フェニルイソシアネート等のモノイソシアネート等が好ましい。
以上のようなポリマーポリオールとジイソシアネートと鎖伸長剤等を出発物質とするポリウレタンの重合方法は特に限定されるものではなく、溶融重合法、溶液重合法のいずれでもよく、他の方法でもよいが、より好ましいのは溶液重合法である。溶液重合法の場合には、ポリウレタン中にゲル等の異物の発生が少ないという利点がある。
溶液重合法を適用する場合、例えば、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびN−ンメチルピロリドン(NMP)等やこれらを主成分とする溶剤の中で、ポリマーポリオールとジイソシアネート、および鎖伸長剤等の原料を用い重合を行なうことによりポリウレタン紡糸原液を得ることができる。その重合条件についても特に限定されるものではなく、例えば溶剤中に各原料を投入して溶解させ、適度な温度に加熱し反応させるワンショット法、ポリマーポリオールとジイソシアネートとをまず無溶媒下で反応させてプレポリマーとし、しかる後に、該プレポリマーを溶剤に溶解、鎖伸長剤で鎖伸長反応させ、ポリウレタンを合成するプレポリマー法等が挙げられるが、好ましくはプレポリマー法である。
なお、かかるポリウレタンの重合に際し、アミン系触媒や有機金属触媒等の触媒を1種もしくは2種以上混合して使用することも好ましい。アミン系触媒としては、例えば、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル、N,N,N’,N’−ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルホリン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノールおよびトリエタノールアミン等が挙げられる。
また、有機金属触媒としては、オクタン酸スズ、二ラウリン酸ジブチルスズおよびオクタン酸鉛ジブチル等が挙げられる。
溶液重合法を適用する場合、得られたポリウレタン紡糸原液中のポリウレタンの濃度は、特に限定されるものではないが、ポリウレタンの分子量および溶液粘度、得られる繊維の伸縮特性から、約20〜60質量%の間であることが好ましい。より好ましくは約30〜50質量%の間であり、更に好ましくは約35〜45質量%の間である。
鎖伸長剤としてジアミンを用いる場合、得られたポリウレタン紡糸原液中、ポリウレタンのジアミンに由来する末端基濃度は、ポリウレタンに対して約5〜50meq/kgであることが好ましい。より好ましくは約10〜45meq/kgの間である。末端基濃度が約50meq/kgよりも高くなるとポリマーの分子量が小さく、応力、回復力が却って低くなり易いため、衣服等に用いるのに適さない繊維となるおそれがある。また、約5meq/kg未満であると分子量が高くなるため、一部がゲル化してしまい伸度、強度の低い部分が生じてしまい、品質が安定しない、溶液粘度の観点から濃度を高くすることが困難となり生産性が低下してしまうといった問題が生じやすい。
なお、鎖伸長剤としてジアミンを用いる場合にポリウレタンのジアミンに由来する末端基濃度を測定するには、例えば、次のように行うことができる。ポリウレタン紡糸原液にDMAcを加え、ポリウレタン濃度が約1.77質量%の溶液とする。そして、三菱化学(株)製自動滴定装置GT−100を用いて、p−トルエンスルホン酸(0.01N)で電位差滴定をして、第1級アミンと2級アミンとの含量合計(A)を求める。次いで、同様に調製したポリウレタン紡糸原液にサリチルアルデヒド(20%イソプロピルアルコール溶液)を添加して、第1級アミンと反応させた後、第2級アミンをp−トルエンスルホン酸(0.01N)で電位差滴定し、第2級アミン含量(B)を求める。次式によりジアミンに由来する末端基濃度を算出することができる。
本発明のストレッチ繊維製品に使用されるポリウレタン弾性繊維として特に好ましいのは、工程通過性も含め、実用上の問題がなく、かつ、高耐熱性に優れたものを得る観点から、ポリマージオールとジイソシアネートとを反応させて得られるものを含有し、かつ高温側の融点が約150℃以上300℃以下の範囲となるものである。ここで、高温側の融点とは、示差走査熱量計(DSC)で測定した際のポリウレタンまたはポリウレタンウレアのいわゆるハードセグメント結晶の融点に対応する。
さらに、香気持続性の観点から、本発明で使用されるポリウレタン弾性繊維におけるウレタン基濃度とウレア基濃度の合計は、好ましくは約0.5mol/kg以上5.0mol/kg以下、より好ましくは約1.0mol/kg以上4.5mol/kg以下である。該ウレタン基濃度およびウレア基濃度は、以下の式に従って求めることができる。
本発明のストレッチ繊維製品を構成するポリウレタン弾性繊維は、前述したポリウレタンと、環状オリゴ糖と、該環状オリゴ糖に包接されたゲスト分子とを含有し、前記環状オリゴ糖におけるゲスト分子の包接率が、0.1%以上20%以下である(以降、「環状オリゴ糖におけるゲスト分子の包接率」を単に「包接率」と記す場合もある)。
本発明において、環状オリゴ糖としては環状構造を有する糖分子やその誘導体であれば任意のものでよく、特に限定されるものではない。かかる環状オリゴ糖やその誘導体としては、例えば、α−シクロデキストリン、β―シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、マルトシルα−シクロデキストリン、マルトシルβ−シクロデキストリン、ジマルトシルα−シクロデキストリン、ジマルトシルβ−シクロデキストリン、メチルβ−シクロデキストリン、トリアセチルβ−シクロデキストリン、アセチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、モノクロロトリアジノβ−シクロデキストリン、altro−β―シクロデキストリン、6‐O‐(tert‐ブチルジメチルシリル)−α−シクロデキストリン、ヘプタキス−2−O−ベンジル−3−O−メチル−6−O−(tert‐ブチルジメチルシリル)−β−シクロデキストリン、6A−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]−6A−デオキシ−β−シクロデキストリンが挙げられる。環状オリゴ糖を修飾する官能基としても任意の官能基であればよく、特に限定されるものではない。かかる環状オリゴ糖を修飾する官能基としては、例えば、アルキル基、アシル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、アクリロイル基、ヒドロキシアセチル基、トリチル基、アミノ基、アジ基、トシル基が挙げられる。
本発明において、これら環状オリゴ糖を1種または2種以上混合して使用してもよい。多様な分子サイズの香料分子を包接し、徐放することで香気持続性が向上するという観点から、環状オリゴ糖を2種以上を混合して使用することがより好ましく、3種以上を混合して使用することがさらに好ましい。
環状オリゴ糖の含有率は、ポリウレタン弾性繊維全質量に対して合計で0.1質量%以上15質量%以下の範囲であることが好ましい。環状オリゴ糖の含有量が上記範囲内であれば、ポリウレタンに依存する強度をより確実に維持し、ストレッチ性に優れ、生地とした場合にも風合いに優れたものとなりやすい。
本発明において、ゲスト分子としては環状オリゴ糖と包接体を形成するものであれば任意のものでよく、特に限定されるものではない。本発明に用いるポリウレタン弾性繊維においては、包接率が0.1%以上20%以下であることが重要であるが、包接率をかかる範囲とするためには、ゲスト分子を包接した環状オリゴ糖をポリウレタン紡糸原液に含有させ紡糸中または紡糸後に環状オリゴ糖に包接されたゲスト分子を熱処理によって放出させるという方法が好ましく適用される。かかる方法を適用する観点から、ゲスト分子の気圧1.103×105Paにおける沸点、分解点、昇華点点のうち最も低い温度が40℃以上240℃以下であることが好ましい。該温度が240℃以下であれば、ゲスト分子を包接した環状オリゴ糖から紡糸時または紡糸後に容易にゲスト分子を放出させることができ、また、特に紡糸後のポリウレタン弾性繊維からのゲスト分子の放出が速やかであるため、得られたポリウレタン弾性繊維を使用したストレッチ繊維製品に熱処理を施すことによって、速やかにゲスト分子が放出されることで、環状オリゴ糖がより多くの香料分子を包接することができる様になる。かかる目的に特に好適に使用されるゲスト分子としては、分子中にアミノ基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、ニトリル基、スルホニル基、スルホ基、(亜)リン酸基、シリル基、ニトロ基、飽和/不飽和炭化水素基、芳香環、ハロゲン、エーテル結合、エステル結合等を有するものを挙げることができる。好ましくは一級/二級/三級/四級アミン化合物、一級/二級/三級アルコール、芳香族カルボン酸、エステル化合物であり、さらに好ましくは、エチレンジアミン、ジエチルアミン、ジエチレントリアミンである。
前記のゲスト分子を包接した環状オリゴ糖をポリウレタン紡糸原液に含有させ紡糸中または紡糸後に環状オリゴ糖に包接されたゲスト分子を熱処理によって放出させる方法において用いるゲスト分子を包接した環状オリゴ糖を得る方法としては、任意の方法が採用でき、特に限定されるものではない。その代表的な方法としては、撹拌による方法、飽和溶液による方法、混練法、凍結乾燥法、高圧処理による方法等各種の手段が採用できる。ポリウレタン弾性繊維への包接体の添加方法は、ポリウレタン弾性繊維を溶液重合により合成する場合、均一な添加を行う観点から、溶液にして添加することが好ましい。また、包接体を均一な溶液とすることが困難な場合は、ミリング処理等により包接体の均一な分散液とすることによって、包接体溶液を用いた場合と同様の効果が得られる。ここで添加される包接体の溶媒または分散媒は、ポリウレタン溶液への均一な添加を行う観点から、ポリウレタン溶液と同一の溶媒または分散媒を用いることが好ましい。また、包接体のポリウレタン溶液への添加の際には、後述する耐光剤、耐酸化防止剤等の薬剤や顔料等を同時に添加してもよい。
なお、ポリウレタン紡糸原液またはポリウレタン弾性繊維中における環状オリゴ糖とゲスト分子とが包接体を形成していることの確認方法としては、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)法、円二色性スペクトル、NMRスペクトル、示差走査熱分析(DSC)、X線結晶構造解析が挙げられる。ここで、確認は先に挙げたもの(HPLC)から適用し,その測定方法で測定できない場合に、次の測定方法(例えば先の測定方法がHPLCの場合は円二色性スペクトル)を適用するものとする。
さらに、本発明で使用されるポリウレタンには、後述の各種添加剤類を添加することが好ましい場合がある。
特に香気持続性を向上させる観点から、ポリウレタン弾性繊維を構成するウレタン基濃度とウレア基濃度の総計を調整するために第3級窒素含有ジオールおよび/または第3級窒素含有ジアミン並びにジイソシアネートを含有するポリウレタンおよび/またはポリウレタンウレア重合体を添加することが挙げられる。さらには、これらの重合体等にN,N−ジアルキルセミカルバジド末端基を持たせた重合体を添加することも挙げられる。第3級窒素を主鎖に有し、かつ末端にN,N−ジアルキルセミカルバジドを有する化合物は低濃度のN,N−ジアルキルセミカルバジドであっても染色時における高耐熱性を発揮することができ、未配合の場合より高強伸度なものにできる。
前記第3級窒素含有ジオールの好ましい具体的としては、例えば、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジプロパノールアミン、N−メチル−N,N−ジイソプロパノールアミン、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン、N−t−ブチル−N,N−ジエタノールアミン、N−オクタデカン−N,N−ジエタノールアミン、N−ベンジル−N,N−ジエタノールアミン、N−t−ブチル−N,N−ジイソプロパノールアミン等、およびビスヒドロキシエチルピペラジン、ビスヒドロキシイソプロピルピペラジン等のピペラジン誘導体等も使用することができる。この中で特に好ましいのはN−t−ブチル−N,N−ジエタノールアミンまたはN−ベンジル−N,N−ジエタノールアミン等である。
前記第3級窒素含有ジアミンの好ましい具体的としては、例えば、N−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、N−ブチル−アミノビス−プロピルアミン、N−メチル−アミノビス−エチルアミン、N−t−ブチル−アミノビス−プロピルアミン、ピペラジン−N,N’−ビス(3−アミノプロピル)およびピペラジン−N,N’−ビス(2−アミノエチル)等を使用することができる。この中で特に好ましいのは、N−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)またはピペラジン−N,N’−ビス(3−アミノプロピル)等である。
前述の第3級窒素含有ジオールおよび/または第3級窒素含有ジアミン並びにジイソシアネートを含有するポリウレタンおよび/またはポリウレタンウレア重合体におけるジイソシアネートの好ましい具体的としては、例えば、メチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、およびダイマー酸から誘導されるDDI等の脂肪族ジイソシアネート等を使用することができる。この中で特に好ましいのは、メチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)またはイソホロンジイソシアネート等である。
そして、ポリウレタンまたはポリウレタンウレアの末端基はセミカルバジド基を形成せしめたものも好ましい。ジイソシアネートと反応して末端セミカルバジド基とする場合は、置換ヒドラジン等が用いられるのが好ましい。置換ヒドラジンの好ましい具体的としては、例えば、N,N−ジメチルヒドラジン、N,N−ジエチルヒドラジン、N,N−ジプロピルヒドラジン、N,N−ジイソプロピルヒドラジン、N,N−ジブチルヒドラジン、N,N−ジイソブチルヒドラジン、N,N−ジヒドロキシエチルヒドラジンおよびN,N−ジヒドロキシイソプロピルヒドラジン等を使用することができる。この中で特に好ましいのは、N,N−ジメチルヒドラジンおよびN,N−ジヒドロキシエチルヒドラジン等である。
前述の第3級窒素含有ジオールおよび/または第3級窒素含有ジアミン並びにジイソシアネートを含有するポリウレタンおよび/またはポリウレタンウレア重合体として特に好ましいのは、N−t−ブチル−N,N−ジエタノールアミンとメチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)の反応によって生成せしめたポリウレタンまたはN−t−ブチル−N,N−ジエタノールアミン、メチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)の反応によって生成せしめたポリウレタンにN,N−ジメチルヒドラジンを末端に反応させたポリウレタン、およびN−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)とメチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)の反応によって生成せしめたポリウレア等である。N−t−ブチル−N,N−ジエタノールアミンとメチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)との反応比率は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、約1:1.05の反応によって生成せしめたものが好ましく、この場合、交互共重合体のウレタン基濃度とウレア基濃度の総計は約5.1mol/kgである。
さらに、香気持続性を向上させる観点から、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、炭酸カルシウム等の炭酸塩類も香料の吸収基材となり、有用に作用できる。
さらに、香気持続性を向上させる観点から、本発明で使用されるポリウレタン弾性繊維は、無機系化合物を含有することも好ましい。無機系化合物を含有する場合、特に、(i)層状結晶構造の無機系化合物(以降、「層状結晶構造の無機系化合物」を「層状無機系化合物」と記すこともある)、(ii)天然および合成ゼオライト、(iii)天然および合成ハイドロタルサイト、(iv)金属化合物、が好ましい。
(i)層状無機系化合物としては、例えば、層状無機系化合物およびその有機処理物が挙げられる。層状無機系化合物は、固体であってもよいし、流動性を有していてもよい。層状無機系化合物は、1種のみからなるものであってもよいし、2種以上を含むものであってもよい。層状無機系化合物を形成できる無機物としては、例えば、ケイ酸塩、粘土鉱物等が挙げられる。中でも、層状無機系化合物としては、層状の粘土鉱物が好ましい。層状の粘土鉱物としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、スチーブンサイト等のスメクタイト;バーミキュライト;ベントナイト;カネマイト、ケニアナイト、マカナイト等の層状ケイ酸ナトリウム等が挙げられる。このような層状の粘土鉱物は、天然の鉱物として産するものであってもよいし、化学合成法によって製造されたものであってもよい。
(ii)ゼオライトのは、無定形もしくは蜂の巣状の無数のミクロン細孔を有しており比表面積が大きい点に特長がある。このため水系洗濯工程では、水分がこの細孔中に吸い込まれ、さらに水分と同時に各種高揮発性、低分子量香料が吸い込まれる。
(iii)ハイドロタルサイト類化合物としては、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2OおよびMg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O等が好ましい。また、ハンタイトとハイドロマグネサイトの混合物であるMg2Ca(CO3)4およびMg4(CO3)4・Mg(OH)3・4H2Oの混合物も好ましい。
(iv)金属化合物ではCa、Mg、AlおよびBaからなる群より選ばれる金属の炭酸塩、酸化物、水酸化物、複合酸化物等が挙げられる。炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等が好ましい。酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等が好ましく、水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が好ましい。複合酸化物としては、MgO・Al2O3等が好ましい。
上記無機系化合物の中でも、特には、ハイドロタルサイト類化合物Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、ハンタイトとハイドロマグネサイトの混合物、複合酸化物MgO・Al2O3が好ましい。こうした無機系化合物を含有させることにより、香気持続性の効果をさらに高めることができる。
これら無機系化合物は、ポリウレタン弾性繊維のポリウレタン紡糸原液に配合されるので、紡糸安定性の観点から、平均粒径約2μm以下の微細な粉末であることが好ましく、平均粒径約1μm以下の微細な粉末であることがより好ましい。本発明において平均粒径とは、ふるい分け法によって測定した粒度分布の積算質量が50質量%に到達する粒径で定義される値を示す。また、これら無機系化合物の糸中への分散性をさらに向上させ、紡糸を安定化させる等の目的で、例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン酸エステル、ポリオール系有機物等の有機物、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、水ガラス、脂肪酸金属塩またはこれらの混合物等で表面処理された無機系化合物を用いることも好ましい。
各種添加剤類の添加方法としては、任意の方法が採用できる。その代表的な方法としては、スタティックミキサーによる方法、攪拌による方法、ホモミキサーによる方法、2軸押し出し機を用いる方法等各種の手段が採用できる。ここで、添加される各種添加剤類は、ポリウレタン弾性繊維を溶液重合により合成する場合、均一な添加を行う観点から、溶液にして添加することが好ましい。
なお、各種添加剤類のポリウレタン紡糸原液への添加により、添加後の混合溶液の溶液粘度が添加前のポリウレタン紡糸原液の粘度に比べ予想以上に高くなる現象が発生する場合がある。この現象を防止する観点から、ジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン等のモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノール等のモノオール、フェニルイソシアネート等のモノイソシアネート等の末端封鎖剤を1種または2種以上混合して使用することも好ましい。
さらに、本発明で使用されるポリウレタンには、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種安定剤や顔料等が含有されていてもよい。例えば、ジビニルベンゼンとp−クレゾールとの付加重合体(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2390)等の安定剤;耐光剤;酸化防止剤等として、いわゆるBHTや住友化学工業(株)製の“スミライザー” (登録商標)GA−80等をはじめとする両ヒンダードフェノール系薬剤;チバガイギー社製“チヌビン” (登録商標)等のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤;住友化学工業(株)製の“スミライザー” (登録商標)P−16等のリン系薬剤;各種のヒンダードアミン系薬剤;酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料;フッ素系樹脂粉体またはシリコーン系樹脂粉体;銀や亜鉛やこれらの化合物等を含む殺菌剤;消臭剤;シリコーン、鉱物油等の滑剤;硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタイおよびリン酸系等の各種の帯電防止剤等を添加してもよいし、またポリマーと反応させて存在させてもよい。抗菌剤としては、有機系・無機系等の各種抗菌剤が挙げられ、有機窒素硫黄系化合物、第4級アンモニウム系化合物、リン酸エステル系化合物および金属イオンを含有する無機系化合物等のいずれか1種以上よりなるものであることが好ましい。有機系抗菌剤としては、有機窒素硫黄系化合物、フェノール系化合物、有機錫化合物、有機銅化合物、有機銀化合物等の抗菌性金属イオンを有する有機抗菌剤、各種有機シリコーン系第4級アンモニウム塩、アルキルリン酸エステルの第4級アンモニウム塩(例えば、セチルジメチルアンモニウムクロライド等)、塩化ベンザルコニウム、アルキルアリールスルホネート、ハロフェノールおよび酢酸フェノール第二水銀等有機系抗菌剤、ポリフェノール類、キトサン等が挙げられる。また、消臭剤としては、ゼオライト、アパタイト(リン灰石)、活性炭、活性アルミナ、活性シリカゲル、ベントナイト、またはセピオライト等のセラミックス粉末、および絹繊維含有物等または鉄、銅等の金属塩並びにこれらの混合物等を挙げることができる。これらの消臭剤は、消臭作用のみならず吸湿作用をも兼ね備えているため、1成分でストレッチ繊維製品に脱臭、吸湿の両機能を付与することができる。そして、特に光や各種の酸化窒素等への耐久性をさらに高めるためには、例えば、日本ヒドラジン(株)製のHN−150等の酸化窒素捕捉剤、住友化学工業(株)製の“スミライザー” (登録商標)GA−80等の熱酸化安定剤、住友化学工業(株)製の“スミソーブ” (登録商標)300#622等の光安定剤等を含有させてもよい。
また、これら無機系添加剤を配合する場合には、その糸中への分散性を向上させ、紡糸を安定化させる等の目的で、例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオール系有機物等の有機物、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤またはこれらの混合物で表面処理された無機薬品を用いることも好ましい。
本発明において、ポリウレタン弾性繊維は公知である湿式紡糸法、溶融紡糸法、乾式紡糸法のいずれの方法でも紡糸することが可能であるが、生産性や得られる弾性繊維の特性の観点から、ポリウレタンを乾式もしくは溶融紡糸することが好ましい。そして、香気持続性の観点から乾式紡糸することがより好ましい。主要な香料類は親油性であり、乾式紡糸法によるポリウレタン繊維は繊維表面が親油性となること、さらには、乾式紡糸法によるポリウレタン繊維は単糸繊度を制御し易く、繊維表面積を制御し易いためである。
また、本発明に用いられるポリウレタン弾性繊維は、必要に応じて油剤等の処理剤を付与されていてもよい。処理剤は、例えば、オイリングローラー等によって塗布することができる。前記油剤としては、得られる繊維が香気持続性に優れるものとなることから、例えば、シリコーンおよび鉱物油等を用いることが好ましい。本発明のポリウレタン弾性繊維は、所望の香料成分を洗濯等の方法で後から吸収させ得ることに特徴を有するため、該香料成分の好ましい香気を阻害しないよう、香料成分を吸収させる前の状態では、他の香料成分を含有していないことが好ましい。
香料吸収の機能を有するポリウレタン弾性繊維と組み合わせることにより、ポリエステル繊維は、香料吸収、とりわけ、親油性香料の吸収を助け、香気持続性に有用に作用することから好ましい。かかるポリエステル繊維として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、またはエチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し成分とするもの(好ましくは繰り返し単位の約90モル%以上のもの)、ブチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し成分とするもの(好ましくは繰り返し単位の約90モル%以上のもの)等からなる繊維を好ましく用いることができる。中でも、エチレンテレフタレート単位が約90モル%以上繰り返し成分とするポリエステルからなる繊維が好ましく、エチレンテレフタレート単位が約95モル%以上繰り返し成分とするポリエステルからなる繊維であることがより好ましい。エチレンテレフタレート単位が約100モル%繰り返し成分とするポリエステル、すなわち、ポリエチレンテレフタレートからなる繊維であることはさらに好ましい。これらのポリエチレンテレフタレート系繊維は、良好な風合い、光沢を有し、またしわになりにくい等のイージーケア性があり、ストレッチ繊維製品を構成する繊維素材として好適である。また、ポリエチレンテレフタレート系繊維は、本発明で好ましく用いられるポリウレタンウレア繊維との組合せで用いる場合に好適であって、良好なストレッチ繊維製品とすることが可能である。
本発明において、ポリエステル繊維の断面形態は丸形、異形を問わない。また、吸水速乾性ポリエステル繊維糸等が好ましく用いられる。吸水速乾性のポリエステル繊維としては、中空繊維の壁面に更に小さな孔が多数設けられている繊維や、繊維表面等に多くの溝や孔等が設けられて、吸水性はこれら繊維自体の微小な孔、繊維表面の溝、繊維間、糸間の空隙に水分が吸収されるようにした異形断面形状の繊維等で、吸水速乾性繊維として各種市販されているものを用いることができる。例えば、吸水速乾性ポリエステル繊維としては、インビスタ社製“クールマックス” (登録商標)、東レ株式会社製“セオα” (登録商標)、帝人ファイバー株式会社製“ウエルキイ” (登録商標)、東洋紡績株式会社製“ドライファスト” (登録商標)、旭化成せんい株式会社製“テクノファイン” (登録商標)等が挙げられる。
吸水速乾性を付与するには、前述したようにポリエステル繊維やアクリル繊維等重合体自体として吸湿性の少ない素材を用い、中空繊維状にしてその壁面に更に小さな孔が多数設けられている繊維の形状にしたものや、繊維表面等に多くの溝や孔等が設けられて、吸水性はこれら繊維自体の微小な孔、繊維表面の溝、繊維間、糸間の空隙に水分が吸収されるようにした異形断面形状の繊維等、水分の入り込む微小な孔や空隙を設けたもの等が挙げられる。
また、必要に応じて帯電防止性の繊維として、ポリエステル導電性繊維等を用いてもよい。導電性繊維としては、導電性物質として例えばカーボンブラックを用いた複合ポリエステル繊維(例えばカネボウ合繊株式会社製“ベルトロン” (登録商標))、白色のヨウ化銅や金属複合酸化物(例えば、TiO2・SnO2・Sb2O2)を用いた複合ポリエステル繊維等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のストレッチ繊維製品に使用されるポリウレタン弾性繊維としては、例えば、織編物1g当たりの繊維表面積が約0.02m2以上0.2m2以下であるものが好ましく、約0.1m2以上0.2m2以下であるものがより好ましく、約0.12m2以上0.2m2以下であるものがさらに好ましい。また、本発明のポリウレタン弾性繊維としては、例えば、単繊維繊度が約3デシテックス(dtex)以上300デシテックス以下であるものが好ましく、10デシテックス以上150デシテックス以下であるものがさらに好ましい。このような繊維表面積および/または単繊維繊度を有するものは、軽快な香りをより長時間保持することができる。
さらに、本発明で用いるポリエステル繊維も前述ポリウレタン弾性繊維同様、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種安定剤や顔料等が含有されていてもよい。例えば、ジビニルベンゼンとp−クレゾールとの付加重合体(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2390)等の安定剤;t−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネ−ト)の反応によって生成せしめたポリウレタン(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2462);耐光剤;酸化防止剤等として、いわゆるBHTや住友化学工業(株)製の“スミライザー” (登録商標)GA−80等をはじめとする両ヒンダードフェノール系薬剤;チバガイギー社製“チヌビン” (登録商標)等のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤;住友化学工業(株)製の“スミライザー” (登録商標)P−16等のリン系薬剤;各種のヒンダードアミン系薬剤;酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料;フッ素系樹脂粉体またはシリコーン系樹脂粉体;ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸;また、銀や亜鉛やこれらの化合物等を含む殺菌剤;消臭剤;シリコーン、鉱物油等の滑剤;硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸系等の各種の帯電防止剤等を添加してもよいし、またポリマーと反応して存在させてもよい。そして、特に光や各種の酸化窒素等への耐久性をさらに高めるためには、酸化窒素捕捉剤、例えば日本ヒドラジン(株)製のHN−150、熱酸化安定剤、例えば、住友化学工業(株)製の“スミライザー” (登録商標)GA−80等、光安定剤、例えば、住友化学工業(株)製の“スミソーブ” (登録商標)300#622等の光安定剤等を含有させてもよい。
本発明のストレッチ繊維製品としては、以上のようなポリウレタン弾性繊維を用いて構成されたものが好ましい。かかるストレッチ繊維製品は、例えばポリエステル糸やナイロン糸等を混用した混用弾性ストレッチ繊維製品においても本発明の効果を発現することができる。
混用する場合における他の繊維としては、任意の繊維を用いることができ、特に限定されるものではない。すなわち、合成繊維としてはポリエステル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、フッ素系繊維などが挙げられる。ポリエステル系繊維としては、芳香族成分を含むポリエステル繊維や脂肪族系ポリエステル繊維が挙げられる。芳香族成分を含むポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートあるいはこれらと第三成分、例えば、イソフタル酸、イソフタル酸スルホネート、アジピン酸およびポリエチレングリコールなどが共重合またはブレンドしたものを例示することができる。また、脂肪族系ポリエステル繊維としては、ポリL乳酸、ポリD乳酸およびポリD、L乳酸からなるホモポリマー、またはポリ乳酸−グリコール酸共重合体なども含まれる。
混用する場合における合成繊維以外の繊維としては、ビスコースレーヨン、銅アンモニア法レーヨンポリノジック等の再生セルロース繊維、テンセル等の精製セルロース繊維、アセテート、ジアセテート等の半合成繊維、木綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、キチン・キトサン繊維、コラーゲン繊維などの再生繊維等が挙げられる。
混用する場合におけるこれら他の繊維は、単独あるいは2種以上を混合して上述のポリウレタンの弾性短繊維と混用することができる。なお、他の繊維については、短繊維、長繊維またはこれらを混合してもよい。
なお、本発明において、ポリウレタンの弾性繊維および混用される他の繊維の繊度、断面形状などは特に限定されるものではない。例えば、糸の断面形状は円形であってもよく、また扁平であってもよい。
本発明のストレッチ繊維製品は、前記ポリウレタン弾性繊維を含有し、例えば、前記ポリウレタン弾性繊維およびその他の繊維等から常法に従ってストレッチ繊維製品を製造することにより得られるものであってもよく、特に前記ポリウレタン弾性繊維を含む2種以上の繊維を含有することがさらに好ましい。本発明のストレッチ繊維製品は、織物、編物もしくは不織布のいずれであってもよい。例えば、ポリウレタン弾性繊維に合成繊維をカバーリングしてカバーリング繊維としてストレッチ繊維製品を得てもよいし、合成繊維にポリウレタン弾性繊維を裸糸(ベア)のまま織り・編みこんで交編織編地としてもよい。
ストレッチ繊維製品化する際に従来であれば、例えば44デシテックスの糸でなければ達成出来なかった着圧を、本発明において、ウレタン濃度および/またはウレア濃度の高いポリウレタン繊維を使用した場合、繊度が33デシテックス〜22デシテックス程度の繊維で達成することもできる。この場合、より薄く、より軽いストレッチ繊維製品で快適な着圧、フィット感を達成することが可能となり、ストレッチ繊維製品の薄地、軽量化が可能となることにより、衣服の着用感も改善することが可能となる。
混用ストレッチ繊維製品におけるポリウレタン弾性繊維の含有量は、相手糸や編組織、織組織によるが、布帛としての特性の観点から2質量%以上100質量%以下の範囲が好ましく、2質量%以上40質量%以下の範囲がより好ましい。かかる含有量であれば、締め付け感、フィット感に優れ、かつ、従来に比べて薄く、軽いストレッチ繊維製品とすることが可能である。
本発明のストレッチ繊維製品が織物の場合、ポリウレタン弾性繊維と他の繊維で製織されていることが好ましい。特に、前記ポリウレタン弾性繊維を含む2種以上が含有されることが好ましい。ポリウレタン弾性繊維を織物の組織は、平織、斜文織、朱子織等の三原組織、変化平織、変化斜文織、変化朱子織等の変化組織、蜂の巣織、模紗織、梨地織等の特別組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、風通織、袋織、二重ビロード等の二重織組織、ベルト織等の多層組織、たてビロード、タオル、シール、ベロア等のたてパイル織、別珍、よこビロード、ベルベット、コール天等のよこパイル織、絽、紗、紋紗等のからみ組織等が好ましい。
製織方法は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、有杼織機(フライシャットル織機等)または無杼織機(レピア織機、グリッパー織機、ウォータージェット織機、エアージェット織機等)等によって行われるのが好ましい。
また、本発明のストレッチ繊維製品が編物の場合も、ポリウレタン弾性繊維と他の繊維で製編されていることが好ましい。特に、前記ポリウレタン弾性繊維を含む2種以上が含有されることが好ましい。編物の種類は、よこ(緯)編物であってもよく、また、たて(経)編物等であってもよい。編物の組織は、よこ編は、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畦編、レース編および添毛等が好ましく、たて編は、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編およびジャカード編等が好ましい。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。
製編方法は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、丸編機、横編機、コットン式編機のような平型編機、トリコット編機、ラッシェル編機、ミラニーズ編機等によって行われるのが好ましい。
さらに、本発明のストレッチ繊維製品は、例えば、コート、着物、スーツ、ユニフォーム、セーター、スカート、スラックス、カーディガン、スポーツウェア、ドレスシャツ、カジュアルウェア等の外衣、タイツ、ストッキング、パンティストッキング、ソックス等の靴下類、パジャマ、ショーツ、ランジェリー、ファンデーション、ホージャリー等の下着類、シーツ、布団カバー、布団側地、毛布、枕カバー等の寝装具類、ソファーカバー、テーブルクロス等のインテリア類、および手袋、ネクタイ、スカーフ、ショール等の小物類等に対して用いられ、香料成分の放散の点で、特に、下着類、靴下類および寝装具類等に対して好適に用いられる。
本発明のストレッチ繊維製品としては、香気持続性の観点から、例えば、前記ポリウレタン弾性繊維を2質量%以上100質量%以下の範囲で含有するものが好ましく、約50〜100質量%含有するものがさらに好ましく、約80〜100質量%含有するものがさらに好ましい。特に、繊維成分がポリウレタン弾性繊維のみであるものが好ましい。
また、本発明のストレッチ繊維製品は、香気持続性が特に優れる点から、目付が80〜1000g/m2であることが好ましく、100〜500g/m2であることがより好ましく、100〜280g/m2であることがさらに好ましい。また、伸長率がタテ方向および/またはヨコ方向とも5%以上であることが好ましい。
本発明のストレッチ繊維製品は、それを構成するポリウレタン弾性繊維中に包接率0.1%以上20%以下の環状オリゴ糖を含有している。ポリウレタン弾性繊維の環状オリゴ糖を中のかかる包接率とするためには、例えばポリウレタン弾性繊維を紡糸するためのポリウレタン紡糸原液に、ゲスト分子が包接された環状オリゴ糖を含有させ、紡糸後のポリウレタン弾性繊維への熱処理またはポリウレタン弾性繊維をストレッチ繊維製品へとする過程にて熱処理することにより、該環状オリゴ糖に包接されたゲスト分子を放出させることで、ストレッチ繊維製品中の該ポリウレタン弾性繊維に含有されている環状オリゴ糖の包接率を0.1%以上20%以下とすることができる。包接率が20%より高い場合、該ストレッチ繊維製品を構成するポリウレタン弾性繊維中の環状オリゴ糖の内、包接体を形成していないものは香料分子を包接することが可能であるが、香料分子を効率的に徐放することができないため、香気持続性の乏しいものとなる。包接率の下限については、低ければ低いほどよいが、製造時に包接体の形成に用いたゲスト分子を完全に放出させることは困難であるため、生産性も考慮すると、0.1%程度である。
本発明における包接率とは、環状オリゴ糖がどの程度ゲスト分子を包接しているかを示す度合いであり、ポリウレタン紡糸原液またはポリウレタン弾性繊維またはストレッチ繊維製品中に存在する環状オリゴ糖の包接体数と環状オリゴ糖総数の割合を百分率で定義したものである。
なお、ゲスト分子1分子を環状オリゴ糖2分子以上で包接した包接体が確認される場合もあり、包接体形成におけるゲスト分子と環状オリゴ糖の割合はゲスト分子の個数:環状オリゴ糖の個数=1:1の関係に限定されない。かかる場合においても、包接率は環状オリゴ糖の数をベースに定義されることに変更はない。
本発明において、ストレッチ繊維製品に含まれる環状オリゴ糖の包接率を0.1%以上20%以下にするためには、ストレッチ繊維製品の製造過程で一回以上の熱処理過程を経ることが好ましい。本発明における熱処理を経る過程とは、紡糸により得られたポリウレタン弾性繊維に処理する過程、または、ポリウレタン弾性繊維からストレッチ繊維製品を得る過程のいずれにあってもよく、また両方の過程にあってもよい。
本発明における熱処理とは、50℃以上の雰囲気を1秒以上かけることであり、熱処理の種類としては乾熱または湿熱であってもよく、液中や不活性ガス雰囲気下での熱処理であってもよい。また、効率的に包接率20%以下の環状化合物を含有するストレッチ繊維製品を得るという観点から、該熱処理は60℃以上240℃以下の温度で、0.5分以上90分以下の時間であることが好ましい。
本発明のストレッチ繊維製品に付与し得る香料成分(以降、「本発明のストレッチ繊維製品に付与し得る香料成分」を「本発明における香料成分」と記すこともある)としては、高い香気持続性を示すことから、ウレア基やウレタン基と相互作用を持つ官能基を有することが好ましいが、ストレッチ繊維製品が香料成分を放散する観点から単純な炭化水素系化合物、含窒素系化合物、含硫黄系化合物等も好ましい。
本発明における香料成分としては、公知の香料成分等を広く用いることができ、様々な文献、例えば「パーヒューム・エンド・フレーバー・ケミカルズ(Perfume and Flavor Chemicals)(アロマ・ケミカルズ)」ステフェン・アークタンダー、Vol.Iand II(1994)、「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)等に記載されたものであってもよい。以下に香料の代表例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
アルコール系化合物としては、3−メチル−1−ペンタノール、ゲラニオール、セドロール、シトロネロール、ロジノール、ネロール、ジヒドロリナロール、リナロール、テトラヒドロリナロール、ジメチルオクタノール、テトラヒドロムゴール、ムゴール、ミルセノール、ジヒドロミルセノール、オシメノール、テトラヒドロミルセノール、ラバンジュロール、イソジヒドロラバンジュロール、ヒドロキシシトロネロール、ノナディル(6,8−ジメチル−2−ノナノール)、エチルリナロール、イソプレゴール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、テルピネオール−4、ペリラアルコール、4−ツヤノール、3−ツヤノール、ファルネソール、ネロリドール、α−ビサボロール、β−カリオフィレンアルコール、サンタロール、ベチベロール、セドレノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、パチュリアルコール、ジヒドロカルベオール、フィトール、イソフィトール、スクラレオール、カルベオール、メントール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、2−エチルヘキサノール、1−ノナノール、2−ノナノール、イソノニルアルコール(3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール)、1−デカノール、1−ウンデカノール、2−ウンデカノール、1−ドデカノール、プレノール(3−メチル−2−ブテン−1−オール)、2−メチル−3−ブテン−2−オール、β−ペンテノール(1−ペンテン−3−オール)、リーフアルコール(cis−3−ヘキセノール)、trans−2−ヘキセノール、trans−3−ヘキセノール、cis−4−ヘキセノール、2,4−ヘキサジエン−1−オール、マツタケオール(1−オクテン−3−オール)、cis−6−ノネノール、キュカンバーアルコール(2,6−ノナジエノール)、アンドロール(1−ノネン−3−オール)、ロザルバ(9−デセノール)、1−ウンデセノール、ウンデカベルトール(4−メチル−3−デセン−5−オール)、オシロール(3,7−ジメチル−7−メトキシ−2−オクタノール)、サンタリノール(2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール)、p,α−ジメチルベンジルアルコール、2,2,6−トリメチルシクロヘキシル−3−ヘキサノール、1,2−ペンタンジオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、β−フェニルエチルアルコール、スチラリルアルコール(1−フェニル−1−ヒドロキシエタン)、ヒドラトロパアルコール、メチルβ−フェニルエチルアルコール、α−プロピルフェニルエチルアルコール、バニリルアルコール、デカヒドロβ−ナフトール、フルフリルアルコール、3−メチル−1−フェニル−3−ペンタノール、アミルシンナミックアルコール、シンナミックアルコール、フェノキサノール(3−メチル−5−フェニルペンタノール)、1,2−ペンタンジオール、2−エチルヘキサノール、ジメトール(2,6−ジメチルヘプタノール)、3,6−ジメチル−3−オクタノール、コヒノール(3,4,5,6,6−ペンタメチル−2−ヘプタノール)、ブラハマノール(メチルトリメチルシクロペンテニルブタノール)、バクダノール(2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール)、サンダール(3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エン−イル)−ペンタン−2−オール)、サンダロール(3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エン−1−イル)ペンタン−2−オール)、シクロヘキシルエチルアルコール、アポパチョン(p−イソプロピルシクロヘキサノール)、フロラロール(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール)、パチョン(p−tert−ブチルシクロヘキサノール)、ベルドール(o−tert−ブチルシクロヘキサノール)、マイヨー(p−イソプロピルシクロヘキシルメタノール)、シクロメチレンシトロネロール、アンブリノール(2,5,5−トリメチル−オクタヒドロ−2−ナフトール)、メチルサンデフロール(5’or6’−メチルノルボルン−5’−エン−2−イル)−2−メチルペント−1−エン−3−オール)、チンベロール(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル−3−ヘキサノール)、ポリサントール(3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール)、ヒドロキシシトロネロール、ノナディル(6,8−ジメチル−2−ノナノール)、イソプレゴール、イソシクロゲラニオール、ミルテノール、ノポール(6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−2−エタノール)、ピノカルベオール、α−フェンキルアルコール、ボルネオール、イソボルネオール、パチョミント(2−(3,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イリデン)エタノール)、カメコール(トリメチルノルボルナンメタノール)、ジメチルサイクロモル、サンタレックスT(イソカンフィルシクロヘキサノール)、ゲラニルリナロール、クミンアルコール、2−メトキシフェニルエチルアルコール、フェノキシエチルアルコール(1−ヒドロキシ−2−フェノキシエタン)、α,α−ジメチルフェニルエチルアルコール、イソブチルベンジルカルビノール、p−メチルベンジルカルビノール、ヒドロシンナミックアルコール、センチフォール(1,1−ジメチル−3−フェニルプロパノール−1)、ミュゲットアルコール(2,2−ジメチル−3−フェニルプロパノール)、フェニルヘキサノール、デカヒドロβ−ナフトール、AR−1(3,6−ジメチルオクタン−3−オール)、アビトール(ヒドロアビエチルアルコール)、α−プロピルフェニルエチルアルコール、p−メチルジメチルベンジルカルビノール、ムゲタノール(1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)エタノール)、フロロール(2−イソブチル−4−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラン)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
フェノール系およびフェノールエーテル系化合物としては、アニソール、エストラゴール、チャビコール、アネトール、クレオゾール、カルバクロール、p−クレゾール、p−クレジルメチルエーテル、β−ナフトールメチルエーテル、β−ナフトールエチルエーテル、β−ナフトールイソブチルエーテル、ベラトロール(1,2−ジメトキシベンゼン)、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、カテコール、レゾルシノール、グアヤコール、バルスパイス(4−メチルグアヤコール)、4−エチルグアヤコール、オルシニル3(3−メトキシ−5−メチルフェノール)、チモール、メチルチモール、プロペニルグアエトール(trans−2−エトキシ−5−(1−プロペニル)−フェノール)、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、シリンゴール(2,6−ジメトキシフェノール)、ハイドロキノンジメチルエーテル、レゾルシンジメチルエーテル、オイゲノール、イソオイゲノール、ジヒドロオイゲノール、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノール、エチルイソオイゲノール、ベンジルオイゲノール、ベンジルイソオイゲノール、ジオスフェノール、ヒノキチオール、バニトロープ(1−エトキシ−2−ヒドロキシ−4−プロペニルベンゼン)、ショーガオール、ジンゲロール、アセチルオイゲノール、アセチルイソオイゲノールサフロール、イソサフロール、ジフェニルオキシド、ベチバーエーテル(tert−ブチルハイドロキノンジメチルエーテル)等が挙げられる。
アルデヒド系化合物としては、シトロネラール、シトラール、3,7−ジメチル−1−オクタナール、ヒドロキシシトロネラール、メトキシシトロネラール、ペリラアルデヒド、ミルテナール、カリオフィレンアルデヒド、n−ヘキサナール、2−メチルブタナール、イソバレルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、アセトアルデヒド、n−ヘプタナール、n−オクタナール、n−ノナナール、2−メチルオクタナール、3,5,5−トリメチルヘキサナール、1−デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、2−メチルデカナール、2−メチルウンデカナール、トリデカナール、テトラデカナール、2−ペンテナール、cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、trans−2−ヘプテナール、4−ヘプテナール、trans−2−オクテナール、trans−2−ノネナール、cis−6−ノネナール、メロナール(2,6−ジメチル−5−ヘプテナール)、trans−4−デセナール、cis−4−デセナール、trans−2−デセナール、グリナール(2,5,6−トリメチル−4−ヘプテナール)、10−ウンデセナール、trans−2−ウンデセナール、trans−2−ドデセナール、マンダリンアルデヒド(3−ドデセナール)、trans−2−トリデセナール、アドキサール(2,6,10−トリメチル−9−ウンデセン−1−アール)、2,4−ヘキサジエナール、2,4−ヘプタジエナール、2,4−オクタジエナール、2,4−ノナジエナール、2,6−ノナジエナール、2,4−デカジエナール、2,4−ウンデカジエナール、2,4−ドデカジエナール、ゲラルデヒド(5,9−ジメチル−4,8−デカジエナール)、トリメナール(3,7,9−トリメチル−2,6−デカジエン−1−アール)、オンシダール(2,6,10−トリメチル−5,9−ウンデカジエナール)、ベルガマール(α−メチレンシトロネラール)、カンフォレンアルデヒド、シクロシトラール、イソシクロシトラール、サフラナール(2,6,6−トリメチル−1,3−シクロヘキサジエン−1−カルボキシアルデヒド)、ミュゲアルデヒド(6,10−ジメチル−3−オキサ−9−ウンデセナール)、ゲラニルオキシアセトアルデヒド、トリプラール(ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド)、クリサンタール(3−プロピルビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−カルボキシアルデヒド)、センテナール(メトキシジシクロペンタジエンカルボキシアルデヒド)、デュピカール(4−トリシクロデシリデンブタナール)、4−(4−メチル−3−シクロヘキセニリデン−1)ペンタナール、マイラックアルデヒド(4(3)−(4−メチル−3−ペンテン−1−イル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、セトナール(トリメチルシクロヘキセンメチルブタナール)、イノナール(2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1(2)−シクロヘキセニル)−ブテナール)、テレストラール(4−シクロオクテン−1−カルボキシアルデヒド)、ベンズアルデヒド、p−トリルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、トリフェルナール(3−フェニルブタナール)、クミンアルデヒド、p−メチルフェニルアセトアルデヒド、p−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、ヒドラトロパアルデヒド、p−メチルヒドラトロパアルデヒド、p−イソプロピルヒドラトロパアルデヒド、フェニルプロピオンアルデヒド、β−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、ジャスモランジ(2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−プロパナール)、ブルジェオナール(p−tert−ブチルヒドロシンナミックアルデヒド)、シクラメンアルデヒド(2−メチル−3−(p−イソプロピルフェニル)−プロピオンアルデヒド)、フロラロゾン(p−エチル−α,α−ジメチルヒドロシンナミックアルデヒド)、スザラール(p−イソブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド)、シンナミックアルデヒド、サリチルアルデヒド、アニスアルデヒド、o−メトキシベンズアルデヒド、o−メトキシシンナミックアルデヒド、カントキサール(2−メチル−3−(p−メトキシフェニル)−プロパナール)、バニリン、エチルバニリン、メチルバニリン(3,4−ジメトキシベンズアルデヒド)、ヘリオトロピン、ヘリオナール(α−メチル−3,4−メチレンジオキシヒドロシンナミックアルデヒド)、フェノキシアセトアルデヒド、p−メチルフェノキシアセトアルデヒド、フルフラール、5−メチルフルフラール、5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール、フリルアクロレイン、リラール(4(3)−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、ベルンアルデヒド(1−メチル−4−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド)、ホモマイラックアルデヒド(1−メチル−4(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド)、ジュニパール(4(5)−ホルミル−7,7,9−トリメチルビシクロ[4.3.0]−ノネン)、ヴェルトラール(オクタヒドロ−4,7−メタノインデンカルボキシアルデヒド)、リリアール(p−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド)、メフラナール(3−メチル−5−フェニルバレラルデヒド)、エグランタール(4−メチル−2−フェニル−2−ペンテナール)、コカール(5−メチル−2−フェニル−2−ヘキセナール)、α−メチルシンナミックアルデヒド、α−ブチルシンナミックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、ホルミルエチルテトラメチルテトラリン(6−エチル−7−フォルミル−1,1,4,4−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)等が挙げられる。
アセタール系およびケタール系化合物としては、マグノラン(2,4−ジメチル−4,4a,5,9b−テトラヒドロインデノ[1.2d]−1,3−ジオキサン)、アントキサン(4−イソプロピル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン)、インドフロール(ジヒドロインデニル−2,4−ジオキサン)、ボアサンブレンフォルテ(ホルムアルデヒドシクロドデシルエチルアセタール)、アセトアルデヒドジエチルアセタール、リーフアセタール(アセトアルデヒドエチルヘキセニルアセタール)、アセトアルデヒドエチルヘキシルアセタール、シトロネリルメチルアセタール、エリンタール(アセトアルデヒドエチルリナリルアセタール)、ボナロックス(2,4−ジオキサン−3−メチル−7,10−メタノスピロ[5.5]ウンデカン)、エフェタール(アセトアルデヒドエチルフェニルアセタール)、アセトアルデヒドエチルイソオイゲニルアセタール、アセタールR(アセトアルデヒドフェニルエチルn−プロピルアセタール)、フロロパール(アセトアルデヒド2−フェニル−2,4−ペンタンジオールアセタール)、スピロフロール(3−エチル−2,4−ジオキサスピロ[5.5]ウンデセン−8−エン)、エチルジメチルジオキサスピロウンデセン、ヘルボキサン(2−ブチル−4,4,6−トリメチル−1,3−ジオキサン)、カラナール(2−(2,4−ジメチルシクロヘキ−3−セン−1−イル)−5−メチル−5(1−メチルプロピル)1,3−ジオキサン)、ヘキサナールジメチルアセタール、ヘキサナールジエチルアセタール、ヘキサナールプロピレングリコールアセタール、カロティン(4,7−ジヒドロ−2−(3−ペンタニル)−1,3−ジオキセピン)、2−ヘキセナールジエチルアセタール、cis−3−ヘキセナールジエチルアセタール、ヘプタナールジメチルアセタール、ヘプタナールジエチルアセタール、ヘプタナールエチレングリコールアセタール、2−ヘキシル−5−メチル−1,3−ジオキソラン、5−メチル−5−プロピル−2−(1−メチルブチル)−1,3−ジオキサン、オクタナールジメチルアセタール、オクタナールジエチルアセタール、ノナナールジメチルアセタール、ノナナールジエチルアセタール、デカナールジメチルアセタール、デカナールジエチルアセタール、2−メチルウンデカナールジメチルアセタール、ドデカナールジメチルアセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、シトラールプロピレングリコールアセタール、シトロネラールシクロモノグリコールアセタール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ヒドロキシシトロネラールジエチルアセタール、cis−3−ヘキセナールジエチルアセタール、ベンズアルデヒドジメチルアセタール、ベンズアルデヒドジエチルアセタール、ベンズアルデヒドプロピレングリコールアセタール、ベンズアルデヒドグリセリンアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドエチレングリコールアセタール、フェニルアセトアルデヒドジイソブチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドプロピレングリコールアセタール、フェニルアセトアルデヒド2,3−ブチレングリコールアセタール、フェニルアセトアルデヒドグリセリルアセタール、レセダボディ(フェニルアセトアルデヒド−2,4−ジヒドロキシ−2−メチルペンタンアセタール)、3−フェニルプロピオンアルデヒドジメチルアセタール、ヒドラトロパアルデヒドジメチルアセタール、ヒドラトロパアルデヒドエチレングリコールアセタール、オスミナールDMA(アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール)、オスミナールDEA(アミルシンナミックアルデヒドジエチルアセタール)、ヘリオトロピンジメチルアセタール、ヘリオトロピンジエチルアセタール、バニリンプロピレングリコールアセタール、ベルドキサン(2,2,5,5−テトラメチル−4−イソプロピル−1,3−ジオキサン)、アンバーセージ(4,7−ジヒドロ−2−イソペンチル−2−メチル−1,3−ジオキセピン)、アセトケタール(2,5,5−トリメチル−2−フェニル−1,3−ジオキサン)、ジャスモナン(2−ブチル−4−ジオキサスピロ[4.4]ノナノン)、フレイストン(エチル−2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−アセテート)、フルクトン(エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−アセテート)等が挙げられる。
ケトン系化合物としては、アセチルカリオフィレン、カルボン、プレゴン、ピペリテノン、ピペリトン、メントン、ショウ脳、オキソセドラン、イソロンギフォラノン、ヌートカトン、2−ヘプタノン、2−ペンタノン、3−ヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、2−ウンデカノン、2−トリデカノン、メチルイソプロピルケトン、エチルイソアミルケトン、メシチルオキシド、ブチリデンアセトン、メチルヘプタジエノン、メチルヘプテノン、ジメチルオクテノン、コアボン(4−メチレン−3,5,6,6−テトラメチル−2−ヘプタノン)、ゲラニルアセトン、ファルネシルアセトン、アセトイン、ブチロイン(5−ヒドロキシ−4−オクタノン)、メチルラベンダーケトン(3−ヒドロキシメチル−2−ノナン)、ジアセチル、2,3−ペンタジオン、2,3−ヘキサジオン、3,4−ヘキサジオン、2,3−ヘプタジオン、アセチルイソバレリル、アミルシクロペンタノン、アミルシクロペンテノン、2−シクロペンチルシクロペンタノン、ヘキシルシクロペンタノン、フルウラモン(2−n−ヘプチルシクロペンタノン)、cis−ジャスモン、ジヒドロジャスモン、イソジャスモン、トリメチルペンチルシクロペンタノン、セダモン(2−ブチリデン−3,5,5(3,3,5)−トリメチルシクロペンタノン)、サンデックス(3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−ペンテン−2−オン)、シクロテン、コロノール(3,5−ジメチル−1,2−シクロペンタジオン)、メチルコリロン(3,4−ジメチル1,2−シクロペンタジオン)、ベルドン(2−tert−ブチルシクロヘキサノン)、p−tert−ブチルシクロヘキサノン、ヘルバック(3,3−ジメチルシクロヘキシルメチルケトン)、フレスコメンテ(2−sec−ブチルシクロヘキサノン)、アルテモン(1−アセチル−3,3−ジメチル−1−シクロヘキセン)、セルリーケトン(3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセノン)、クリプトン(4−イソプロピル−2−シクロヘキサノン)、オリボン(p−tert−ペンチルシクロヘキサノン)、メチルシクロシトロン(2,3,5−トリメチル−4−シクロヘキセニル−1−メチルケトン)、ネロン(1−(p−メンテン−6−イル)−1−プロパン)、ベチバール(4−シクロヘキシル−4−メチル−2−ペンタノン)、ハバノール(2−(1−シクロヘキセン−1−イル)−シクロヘキサノン)、マルトール、エチルマルトール、オキサイドケトン(cis−2−アセトニル−4−メチル−テトラヒドロピラン)、エモキシフロン(5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2[5H]−フラノン)、ホモフロール(2−エチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−3[2H]−フラノン and 5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3[2H]−フラノン)、ソトロン(3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2[5H]−フラノン)、フラネオール(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3[2H]−フラノン)、アセチルジメチルフラン、フルフラールアセトン、2−アセチル−5−メチルフラン、2−アセチルフラン、メチルテトラヒドロフラノン、ジベンジルケトン、ベンゾフェノン、メチルナフチルケトン、4−ダマスコール(5−フェニル−5−メチル−3−ヘキサノン)、ベチコン(4−メチル−4−フェニル−2−ペンタノン)、α−メチルアニサルアセトン、ヘリオトロピルアセトン、アニシリデンアセトン、アニシルアセトン、p−メトキシフェニルアセトン、ラズベリーケトン(4−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン)、ラバンドゾン(3−メチル−4−フェニル−3−ブテン−2−オン)、ベンジリデンアセトン、p−メトキシアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、プロピオフェノン、アセトフェノン、ダマセノン、ダマスコン、イソダマスコン、α−ダイナスコン(1−(5,5−ジメチルシクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン)、イリトン(4−(2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン and 4−3,5,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン)、ヨノン、プソイドヨノン、メチルヨノン、メチルイリトン(3−メチル−4−(2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン)、シクロウッド(2,4−ジ−tert−ブチルシクロヘキサノン)、イロン、アリルヨノン、2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1,4−ジオン、カメクDH(2−アセチル−3,3−ジメチルノルボルナン)、フロレックス(6−エチリデンオクタヒドロ−5,8−メタノ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン)、プリカトン(4−メチルトリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカン−5−オン)、オキソセドラン、ベルトフィックス(9−アセチル−2,6,6,8−テトラメチルトリシクロ[5.3.11,7.01,5]−8−ウンデセン)、ベルベノン(4,6,6−トリメチル−(1R)−ビシクロヘプト−3−エン−2−オン)、フェンコン、カロン(7−メチル−3,5−ジヒドロ−2H−ベンゾジオキセピン−3−オン)、トリモフィックスO(2,6,10−トリメチル−1−アセチル−2,5,9−シクロドデカトリエン)、ビタライド(アセチルジメチルテトラヒドロベンツインダン)、エピトン(7(8)−アセチル−5−イソプロピル−2−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン)、アトリノン(4(5)−アセチル−7,7,9(7,7,9)−トリメチルビシクロ[4.3.0]−1−ノネン)、カシュメラン(6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン)、ムスコン(3−メチルシクロペンタデカノン−1)、ムセノンデルタ(3−メチルペンタデカ−4−エノン)、シベトン(シクロヘプタデカ−9−エン−1−オン)、エキザルトン(シクロペンタデカノン)、ムスクTM−II(シクロヘキサデセノン)、ファントリド(5−アセチル−1,1,2,3,3,6−ヘキサメチルインダン)、セレストリド(4−アセチル−6−tert−ブチル−1,1−ジメチルインダン)、トラセオライド(5−アセチル−3−イソプロピル−1,1,2,6−テトラメチルインダン)、トナリド(6−アセチル−1,1,2,4,4,7−ヘキサメチルテトラヒドロナフタレン)、ビタライド(アセチルジメチルテトラヒドロベンズインダン)、イソ・イー・スーパー(7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン)、ジヒドロカルボン、ジオスフェノール、ジンゲロン等が挙げられる。
エーテル系化合物としては、メチルヘキシルエーテル、デシルメチルエーテル、デシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シトロネリルエチルエーテル、ゲラニルエチルエーテル、α−テルピニルメチルエーテル、ハーバベルト(3,3,5−トリメチルシクロヘキシルエチルエーテル)、イソボルニルメチルエーテル、トリシクロデセニルメチルエーテル、イソプロキセン(2−エチリデン−6−イソプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン)、ジュニパローム(メトキシジメチルトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン)、シクロドデシルメチルエーテル、マドロックス(1−メチルシクロドデシルメチルエーテル)、フィゼオール(2−エトキシ−2,6,6−トリメチル−9−メチレンビシクロ[3.3.1]−ノナン)、セドランバー(セドロールメチルエーテル)、メチルベンジルエーテル、メチルフェニルエチルエーテル、エチル2−メトキシベンジルエーテル、アリルフェニルエチルエーテル、イソアミルベンジルエーテル、アンサー(イソアミルフェニルエチルエーテル)、ジャセン(2−メチル−2−ブテニルフェニルエチルエーテル)、ジベンジルエーテル、シクロヘキシルフェニルエーテル、ミロオキシド(オシメンエポキシド)、リモネンオキシド(p−メンタ−8−エン−1,2−エポキシド)、ルボフィクス(スピロ[1,4−メタノナフタレン−2(1H),2’−オキシラン],−3,4,4a,5,8,8a−ヘキサヒドロ−3’,7−ジメチル and スピロ[1,4−メタノナフタレン−2(1H),2’−オキシラン],−3,4,4a,5,8,8a−ヘキサヒドロ−3’,6−ジメチル)、トリメチルシクロドデカトリエンエポキシド、カリオフィレンオキシド、セドレンエポキシド、イソロンギフォレンエポキシド、リナロールオキシド、シトロオキシド(2,2−ジメチル−5(1−メチル−1−プロペニル)−テトラヒドロフラン)、ヘルボオキシド(5−イソプロペニル−2−メチル−2−ビニルテトラヒドロフラン)、ローズフラン(3−メチル−2−(3−メチル−2−ブテニル)−フラン)、ヘプタベルト(2−ヘプチルテトラヒドロフラン)、メントフラン、テアスピラン、オキシベット(2−オキサスピロ[4,7]ドデカン)、ムスコゲン(3−オキサビシクロ[10.3.0]−6−ペンタデセン)、シクランバー(13−オキサビシクロ[10.3.0]ペンタデカン)、アンブロキサン(デカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト[2.1−b]フラン)、グリサルバ(3a−エチルドデカヒドロ−6,6,9a−トリメチルナフト[2.1−b]フラン)、1,8−シネオール、1,4−シネオール、ガラクソリド(1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−γ−2−ベンゾピラン)、ローズオキシド、ネロールオキシド、リメトール(2,2,6−トリメチル−6−ビニルテトラヒドロピラン)、ジラン(2−ブチル−4,6−ジメチルジヒドロピラン)、ドレモックス(テトラヒドロ−4−メチル−2−フェニル−2H−ピラン)、ルボフロア(9−エチリデン−3−オキサトリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカン)、ヘキサヒドロインデノピラン等が挙げられる。
酸系化合物としては、ゲラン酸、酢酸、プロピオン酸、ピルビン酸、酪酸、イソ酪酸、2−メチル酪酸、2−エチル酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、2−メチル吉草酸、3−メチル吉草酸、ヘキサン酸、イソヘキサン酸、2−ヘキサン酸、4−ペンテン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、ヘプタン酸、2−メチルヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、2−デセン酸、ウンデシレン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アントラニル酸、オレイン酸、レブリン酸、乳酸、安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、3−フェニルプロピオン酸、バニリン酸、バリン、アビエチン酸、ソルビン酸等が挙げられる。
ラクトン系化合物としては、ペンタリド(シクロペンタデカノリド)、ハバノリド(オキサシクロヘキサデセン−2−オン)、アンブレットリド、シクロヘキサデカノリド、10−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘキサデカノリド、12−オキサヘキサデカノリド、エチレンドデカンジオエート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アンゲリカラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、ウイスキーラクトン(3−メチル−4−オクタノリド)、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、γ−ジャスモラクトン、ジャスミンラクトン、シスジャスモンラクトン、ラクトジャスモン(4−メチル−4−デカノリド)、ジャスモラクトン(テトラヒドロ−6−(3−ペンテニル)−2H−ピラン−2−オン)、メンタラクトン(3,6−ジメチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−2(4H)−ベンゾフラノン)、n−ブチルフタリド、プロピリデンフタリド、ブチリデンフタリド、δ−ヘキサラクトン、δ−オクタラクトン、トリバロン(4,6,6(4,4,6)−トリメチルテトラヒドロピラン−2−オン)、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−2−デセノラクトン、δ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、δ−トリデカラクトン、δ−テトラデカラクトン、ラクトスカトン(デカヒドロ−4,α−ヒドロキシ−2,8,8−トリメチルナフタリン−2−カルボキシアシッド−δ−ラクトン)、クマリン、ジヒドロクマリン、シクロヘキシルラクトン、6−メチルクマリン、ε−デカラクトン、ε−ドデカラクトン等が挙げられる。
エステル系化合物としては、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、ギ酸イソアミル、ギ酸ヘキシル、ギ酸cis−3−ヘキセニル、ギ酸オクチル、ギ酸リナリル、ギ酸シトロネリル、ギ酸ゲラニル、ギ酸ネリル、ギ酸ロジニル、ギ酸テルピニル、ギ酸セドリル、ギ酸カリオフェイレン、アフェルマート(α,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルフォーメート)、ギ酸オキシオクタリン、ギ酸ベンジル、ギ酸シンナミル、ギ酸フェニルエチル、ギ酸アニシル、ギ酸オイゲニル、ギ酸デカヒドロ−β−ナフチル酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸2−メチルブチル、酢酸イソアミル、酢酸アミル、酢酸プレニル、酢酸ヘキシル、酢酸cis−3−ヘキセニル、酢酸trans−2−ヘキセニル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸3−オクチル、酢酸オクテニル、酢酸ノニル、酢酸デシル、酢酸トリメチルヘキシル、酢酸デセニル、酢酸ノナンジオール、酢酸ドデシル、酢酸ジメチルウンデカジエニル、ジアセチル、ジアセチン、トリアセチン、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、アリルアミルグリコレート、酢酸オシメニル、酢酸ミルセニル、酢酸ジヒドロミルセニル、酢酸ジメチルオクタニル、酢酸リナリル、酢酸シトロネリル、酢酸ロジニル、酢酸ゲラニル、酢酸ネリル、酢酸テトラヒドロムゴール、酢酸エチルリナリル、酢酸ラバンジュリル、酢酸イソヒドロラバンジュリル、酢酸ネロリドール、酢酸カルビル、酢酸ジヒドロカルビル、酢酸ジヒドロクミニル、酢酸テルピニル、酢酸イソプレゴール、酢酸メンチル、酢酸シトリル、酢酸ミルテニル、酢酸ノピル、酢酸フェンキル、酢酸ボルニル、酢酸イソボルニル、酢酸セドリル、カリオフィレンアセテート、酢酸サンタリル、酢酸ベチベリル、酢酸グアヤック、シクロペンチリデン酢酸メチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸p−イソプロピルシクロヘキサニル、酢酸tert−アミルシクロヘキシル、酢酸ジヒドロテルピニル、酢酸シクロヘキシルエチル、フロラレート(酢酸2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニルメチル)、ロザムスク(酢酸α,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチル)、ベルテネックス(酢酸p−tert−ブチルシクロヘキシル)、ベルドックス(酢酸o−tert−ブチルシクロヘキシル)、酢酸1−エチニルシクロヘキシル、ジヒドロアンブレート(1−アセトキシ−2−sec−ブチル−1−ビニルシクロヘキサン)、酢酸ミラルディル(4(3)−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセニルメチルアセテート)、酢酸トリシクロデセニル、酢酸トリシクロデシル、酢酸ベンジル、酢酸p−クレジル、酢酸フェニルエチル、酢酸スチラリル、酢酸p−メチルベンジル、酢酸アニシル、酢酸ピペロニル、アセチルバニリン、ローズフェノン、酢酸ヒドラトロピル、酢酸2,4−ジメチルベンジル、酢酸シンナミル、酢酸フェニルプロピル、酢酸クミニル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、フェニルグリコールジアセテート、酢酸ジメチルフェニルエチルカルビニル、酢酸フェニルエチルメチルエチルカルビニル、ベチコールアセテート(4−メチル−4−フェニル−2−ペンチルアセテート)、酢酸α−アミルシンナミル、ジャスマロール(trans−デカヒドロ−β−ナフチルアセテート)、酢酸フルフリル、酢酸テトラヒドロフルフリル、ジャスマール(酢酸3−ペンチルテトラヒドロピラニル)、ジャスメリア(酢酸5−メチル−3−ブチルテトラヒドロピラニル)、アセト酢酸エチル、ジェッサーテ(2−ヘキシルアセト酢酸エチル)、ベンジルアセト酢酸エチル、シクロヘキシル酢酸アリル、シクロヘキセニル酢酸イソプロピル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸アリル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸cis−3−ヘキセニル、プロピオン酸trans−2−ヘキセニル、プロピオン酸デセニル、プロピオン酸リナリル、プロピオン酸シトロネリル、プロピオン酸ロジニル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸ネリル、プロピオン酸カルビル、プロピオン酸テルピニル、プロピオン酸メンチル、プロピオン酸ボルニル、プロピオン酸イソボルニル、プロピオン酸トリシクロデセニル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸スチラリル、プロピオン酸アニシル、プロピオン酸フェニルエチル、プロピオン酸シンナミル、プロピオン酸フェニルプロピル、プロピオン酸ジメチルベンジルカルビニル、プロピオン酸フェノキシエチル、プロピオン酸プロピレングリコールジプロピオネート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、ラブダナックス(3−ヒドロキシ−3フェニルプロピオン酸エチル)、フランプロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸アリル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸アミル、酪酸イソアミル、酪酸ヘキシル、酪酸ヘプチル、酪酸cis−3−ヘキセニル、酪酸trans−2−ヘキセニル、酪酸オクチル、プロピレングリコールジブチレート、酪酸リナリル、酪酸シトロネリル、酪酸ロジニル、酪酸ゲラニル、酪酸ネリル、酪酸テルピニル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ベンジル、酪酸シンナミル、酪酸フェニルエチル、酪酸ジメチルベンジルカルビニル、酪酸テトラヒドロフルフリル、酪酸サンタリル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、イソ酪酸イソプロピル、イソ酪酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、イソ酪酸イソアミル、イソ酪酸ヘキシル、イソ酪酸cis−3−ヘキセニル、イソ酪酸2,4−ヘキサジエニル、イソペンチレート(イソ酪酸1,3−ジメチル−3−ブテニル)、イソ酪酸オクチル、イソ酪酸リナリル、イソ酪酸シトロネリル、イソ酪酸ロジニル、イソ酪酸ゲラニル、イソ酪酸ネリル、イソ酪酸テルピニル、イソ酪酸トリシクロデセニル、イソ酪酸ベンジル、イソ酪酸p−クレジル、イソ酪酸シンナミル、イソ酪酸フェニルエチル、イソ酪酸フェニルプロピル、イソ酪酸スチラリル、イソ酪酸ジメチルカルビニル、イソ酪酸ジメチルフェニルエチルカルビニル、フロラノール(イソ酪酸フェノキシエチル)、イソ酪酸デカヒドロ−β−ナフチル、2−メチル酪酸メチル、2−メチル酪酸エチル、2−メチル酪酸−2メチルブチル、シドラン(2−メチル酪酸ヘキシル)、2−メチル酪酸cis−3−ヘキセニル、2−メチル酪酸ベンジル、2−メチル酪酸フェニルエチル、2−エチル酪酸アリル、
3−ヒドロキシ酪酸エチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸ブチル、吉草酸イソブチル、吉草酸アミル、吉草酸cis−3−ヘキセニル、吉草酸ベンジル、吉草酸フェニルエチル、吉草酸フルフリル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、イソ吉草酸イソプロピル、イソ吉草酸アリル、イソ吉草酸ブチル、イソ吉草酸イソブチル、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸アミル、イソ吉草酸2−メチルブチル、イソ吉草酸cis−3−ヘキセニル、イソ吉草酸ヘキシル、イソ吉草酸オクチル、イソ吉草酸リナリル、イソ吉草酸シトロネリル、イソ吉草酸ゲラニル、イソ吉草酸メンチル、イソ吉草酸テルピニル、イソ吉草酸シクロヘキシル、イソ吉草酸ベンジル、イソ吉草酸フェニルエチル、イソ吉草酸フェニルプロピル、イソ吉草酸シンナミル、マンザネート(2−メチル吉草酸エチル)、フェニルサリシレート、ペラナト(2−メチル吉草酸2−メチルペンチルエステル)、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸プロピル、ヘキサン酸イソプロピル、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸ブチル、ヘキサン酸イソブチル、ヘキサン酸アミル、ヘキサン酸イソアミル、ヘキサン酸ヘキシル、ヘキサン酸cis−3−ヘキセニル、ヘキサン酸trans−2−ヘキセニル、ヘキサン酸ヘプチル、ヘキサン酸リナリル、ヘキサン酸シトロネリル、ヘキサン酸ゲラニル、ヘキサン酸シトロネリル、ヘキサン酸ベンジル、イソヘキサン酸メチル、2−ヘキセン酸メチル、trans−2−ヘキセン酸エチル、3−ヘキセン酸メチル、3−ヘキセン酸エチル、3−ヒドロキシヘキサン酸メチル、3−ヒドロキシヘキサン酸エチル、2−エチルヘキサン酸エチル、メルサット(3,5,5−トリメチルヘキサン酸エチル)、ベリフロ(エチル6−アセトキシヘキサノエート)、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル、ヘプタン酸プロピル、ヘプタン酸アリル、ヘプタン酸オクチル、オクタン酸メチル、オクタン酸エチル、オクタン酸アミル、オクタン酸ブチル、オクタン酸プロピル、オクタン酸アリル、オクタン酸イソアミル、オクタン酸ヘキシル、オクタン酸ヘプチル、オクタン酸オクチル、オクタン酸リナリル、オクタン酸ベンジル、オクタン酸フェニルエチル、オクタン酸p−クレジル、2−オクテン酸エチル、ノナン酸メチル、ノナン酸エチル、ノナン酸フェニルエチル、ブーバルテート(2−ノネン酸メチル)、3−ノネン酸メチル、デカン酸メチル、デカン酸エチル、デカン酸イソプロピル、デカン酸ブチル、デカン酸イソアミル、2−デセン酸エチル、2,4−デカジエン酸エチル、2,4−デカジエン酸プロピル、ウンデシレン酸メチル、ウンデシレン酸ブチル、ウンデシレン酸イソアミル、ドデカン酸メチル、ドデカン酸エチル、ドデカン酸ブチル、ドデカン酸イソアミル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸イソプロピル、安息香酸アリル、安息香酸イソブチル、安息香酸イソアミル、安息香酸プレニル、安息香酸ヘキシル、安息香酸cis−3−ヘキセニル、安息香酸リナリル、安息香酸ゲラニル、安息香酸ベンジル、安息香酸フェニルエチル、安息香酸シンナミル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、o−メトキシ安息香酸メチル、o−メトキシ安息香酸エチル、チグリン酸エチル、チグリン酸ヘキシル、チグリン酸cis−3−ヘキセニル、チグリン酸シトロネリル、
チグリン酸ゲラニル、チグリン酸ベンジル、チグリン酸フェニルエチル、チグリン酸シンナミル、アンゲリカ酸メチル、アンゲリカ酸ブチル、アンゲリカ酸イソブチル、アンゲリカ酸イソアミル、アンゲリカ酸プレニル、アンゲリカ酸cis−3−ヘキセニル、アンゲリカ酸3−メチルペンチル、アンゲリカ酸フェニルエチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸フェニルエチル、クロトン酸エチル、クロトン酸イソブチル、クロトン酸シクロヘキシル、フルチナト(4−メチル−ペンタン−2−オール−クロトネート)、ピロプルナト(2−シクロペンチル−シクロペンチルクロトネート)、ダチラト(1−シクロヘキシルエチルクロトネート)、レブリン酸エチル、レブリン酸ブチル、レブリン酸イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸アミル、乳酸イソブチル、乳酸cis−3−ヘキセニル、ブチリル乳酸ブチル、ピルビン酸エチル、ゲラン酸メチル、ゲラン酸エチル、シクロゲラン酸メチル、シクロゲラン酸エチル、エチルメチルフェニルグリシデート、フルテート(エチルトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−2−イルカルボキシレート)、ジベスコン(エチル−2−エチル−6,6−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−カルボキシレート and エチル−2,3,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセンカルボキシレート)、エチルサフラネート(エチルデヒドロシクロゲラネート)、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シクロガルバネート(アリルシクロヘキシルオキシアセテート)、カリクソール(エチル−2−メチル−6−ペンチル−4−オキソシクロヘキシ−2−エンカルボキシレート)、タクリサーテ(メチル−1−メチル−3−シクロヘキセンカルボキシレート)、フロラメート(エチル−2−tert−ブチルシクロヘキシルカルボネート)、ジャスマシクレート(メチルシクロオクチルカルボネート)、マハゴネート(1−メチル−4−イソプロピル−2−カルボメトキシビシクロ[2.2.2]−オクト−5−エン)、ピバル酸フェニルエチル、ジャスモン酸メチル、ヘディオン(ジヒドロジャスモン酸メチル)、ベラモス(メチル−3,6−ジメチル−β−レゾルシレート)、フランカルボン酸メチル、フランカルボン酸エチル、フランアクリル酸プロピル、ヘプチンカルボン酸メチル、ヘプチンカルボン酸エチル、ヘプチンカルボン酸イソアミル、オクチンカルボン酸メチル、オクチンカルボン酸エチル、デシンカルボン酸メチル、グリコメル(3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)−3メチルオキシランカルボキシアシッドのメチルエステル)、フェニルグリシド酸メチル、フェニルグリシド酸エチル、アルデヒドC−16(3−メチル−3−フェニルグリシド酸エチル)、アルデヒドC−20(p−メチル−β−フェニルグリシド酸エチル)、メチルp−トリルグリシド酸エチル、シュウ酸エチルシトロネリル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジメチル、マロン酸ジエチル、酒石酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、セバチン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸イソプロピル、フェニル酢酸ブチル、フェニル酢酸プロピル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸ヘキシル、フェニル酢酸cis−3−ヘキセニル、フェニル酢酸シトロネリル、フェニル酢酸ロジニル、フェニル酢酸ゲラニル、フェニル酢酸メンチル、フェニル酢酸ベンジル、フェニル酢酸フェニルエチル、フェニル酢酸p−クレジル、フェニル酢酸オイゲニル、フェニル酢酸イソオイゲニル、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸プロピル、ケイ皮酸イソプロピル、ケイ皮酸アリル、ケイ皮酸イソブチル、ケイ皮酸イソアミル、ケイ皮酸リナリル、ケイ皮酸ベンジル、ケイ皮酸シンナミル、ケイ皮酸フェニルエチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸ブチル、サリチル酸イソブチル、サリチル酸アミル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸cis−3−ヘキセニル、サリチル酸シクロヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニルエチル、シクロピデン(メチルシクロペンチリデンアセテート)、アバリン(メチルアビエテート)、ハーコリン(メチルジヒドロアビエテート)、サリチル酸p−クレジル、フェノキシ酢酸アリル、フェニルプロピオン酸エチル、エチレンブラシレート、トリアセチン等が挙げられる。
含窒素系化合物としては、アントラニル酸メチル、アントラニル酸エチル、アントラニル酸ブチル、アントラニル酸cis−3−ヘキセニル、アントラニル酸フェニルエチル、アントラニル酸シンナミル、N−メチルアントラニル酸メチル、オーランチオール(ヒドロキシシトロネラール−メチルアンスラニレートのシッフベース)、メバントラール(メチルプロピルアセトアルデヒド−メチルアンスラニレートのシッフベース)、ジャスメンチン(α−アミルシンナミックアルデヒド−メチルアンスラニレートのシッフベース)、リガントラール(メチル−(3,5−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)メチレンアンスラニレート)、インドール、スカトール、クロナール(ドデカンニトリル)、タンジェニール(2−トリデセンニトリル)、シトラルバ(ゲラニルニトリル)、シトロネリルニトリル、レモニール(3,7−ジメチル−2,6−ノナジエニトリル)、クミニルニトリル、シンナマルバ(シンナミルニトリル)、トリメチルアミン、ピリジン、3−エチルピリジン、2−アセチルピリジン、3−アセチルピリジン、2−イソブチルピリジン、3−イソブチルピリジン、2−n−ペンチルピリジン、5−エチル−2−メチルピリジン、ニコチン酸メチル、4−(1,4,8−トリメチル−3,7−ノナジエニル)ピリジン、キノリン、イソキノリン、p−メチルキノリン、テトラヒドロ−p−メチルキノリン、6−イソプロピルキノリン、イソブチルキノリン、2−イソブチルキノリン、6−sec−ブチルキノリン、8−sec−ブチルキノリン、6(p)−tert−ブチルキノリン、2−tert−ブチルキノリン、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピラジン、2−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,6−ジメチルピラジン、2,3,5−トリメチルピラジン、2−エチルピラジン、2−エチル−3−メチルピラジン、2−エチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(3,6)−ジメチルピラジン、2,3−ジエチルピラジン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、テトラメチルピラジン、2−メチル−5−ビニルピラジン、メトキシピラジン、2−メトキシ−3−メチルピラジン、2−メトキシ−3−エチルピラジン、2−メトキシ−3−イソプロピルピラジン、2−イソブチル−3−メトキシピラジン、2−アセチルピラジン、2−アセチル−3−エチルピラジン、メチルチオメチルピラジン、コリロンピラジン(5−メチル−6,7−ジヒドロシクロペンタピラジン)、5−メチルキノキサリン、シクロヘキサピラジン(5,6,7,8−テトラヒドロキノキサリン)、1−メチルピロール、2−アセチルピロール、ピロリジン、インドレン(インドール−ヒドロキシシトロネラールのシッフベース)、2−メチルベンゾオキサゾール、デカヒドロシクロドデカオキサゾール、5−メチル−3−ヘプタノンオキシム、ブコキシム(ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オン,1,5−ジメチル−,オキシム)、ガルダマイド(N−メチル−N−フェニル−2−メチルブチルアミド)、ムスクキシロール、ムスクケトン、ムスクアンブレット、ムスクチベテン、モスケン、2,6−ルチジン、ピペリジン、2−(1,4,8−トリメチル−3,7−ノナジエニル)ピリジン、2−(2−ピネン−10−イルメチル)ピリジン、4−(2−ピネン−10−イソメチル)ピリジン、ピペリン、カプサイシン、ノナン酸バニリルアミド、キニーネ、ペリラルチン(L−ペリラアルデヒド α−アンチ−アルドオキシム)、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、2−イソブチルチアゾール等が挙げられる。
含硫黄系化合物としては、チアゾール、4−メチルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、トリメチルチアゾール、2−メチル−5−メトキシチアゾール、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、4−メチル−5−ビニルチアゾール、2−イソブチルチアゾール、スルフロール(4−メチル−5−チアゾールエタノール)、スルフリールアセテート(4−メチル−5−チアゾールエタノールアセテート)、2−アセチルチアゾール、5−アセチル−2,4−ジメチルチアゾール、ベンゾチアゾール、プロピルメルカプタン、硫化水素、イソプロピルメルカプタン、2−メチル−3−ブタンチオール、アリルメルカプタン、イソアミルメルカプタン、チオゲラニオール、リモネンチオール、スルフォックス(8−メルカプトメントン)フェニルメルカプタン、o−チオクレゾール、2−エチルチオフェノール、2−ナフチルメルカプタン、フルフリルメルカプタン、2−メチル−3−フランチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、メチルプロピルジスルフィド、メチルプロピルトリスルフィド、プロピルジスルフィド、ジプロピルトリスルフィド、ジアリルスルフィド、ジアリルジスルフィド、ジブチルスルフィド、メチオノール(3−(メチルチオ)−1−プロパノール)、3−メチルチオ−1−ヘキサノール、メチオナール(3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド)、ミントスルフィド、ジチオスピロフラン、フルフリルメチルスルフィド、2−メチル−5−メチルチオフラン、メチルフルフリルジスルフィド、フルフリルジスルフィド、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、3−チオフェンカルボキシアルデヒド、5−メチル−2−チオフェンカルボキシアルデヒド、テトラヒドロチオフェン−3−オン、トリチオアセトン、チオグリコール酸、メチルチオ酢酸メチル、メチルチオ酢酸エチル、2−メルカプトプロピオン酸、パイナップルメルカプタン(メチルメルカプトメチルプロピオネート)、3−メチルチオプロピオン酸エチル、チオ酢酸エチル、チオ酢酸フルフリル、チオプロピオン酸フルフリル、チオ酪酸メチル、メチルメタンチオスルフォネート、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸ベンジル、チアルジン(2,4,6−トリメチル−4,5−ジヒドロ−1,3,5−ジチアゾン)、オキサン(2−メチル−4−プロピル−1,3−オキサチアン)等が挙げられる。
天然系香料としては、アサフェチダレジノイド、アジョワンオイル、スターアニスオイル、アビエスオイル、アミリスオイル、アンブレットシードオイル、アンバーグリスチンキ、イランイランオイル、イランイランアブソリュート、イリスレジノイド、イリスアブソリュート、イリスオイル、ウィンターグリーンオイル、エレミオレオレジン、エレミレジノイドアブソリュート、エレミチンキ、オークモスコンクリート、オークモスアブソリュート、オークモスレジン、オークモスレジノイド、オコティアオイル、オスマンサスアブソリュート、オスマンサスコンクリート、オポパナックスレジノイド、オポパナックスアブソリュート、オポパナックスオイル、オリバナムレジノイド、オリバナムアブソリュート、オリバナムオイル、オールスパイスオイル、オリガナムオイル、オレガノオイル、オレガノオレオレジン、オレンジオイル、オレンジフラワーアブソリュート、オレンジフラワーコンクリート、カナンガオイル、ガージュンバルサム、ガージュンバルサムオイル、カスカリラバークオイル、カストリウムアブソリュート、カッシーアブソリュート、カッシーフラワーオイル、カッシアオイル、ガーデニアアブソリュート、カーネションアブソリュート、カブリューバオイル、カモミルオイル、カルダモンオイル、ガルバナムオイル、ガルバナムレジン、ガルバナムレジノイド、キャラウェーシードオイル、キャロットシードオイル、グァヤックウッドオイル、グァヤックレジン、グァヤックコンクリート、クスノキオイル、クベバオイル、クミンオイル、クミンアブソリュート、クミンオレオレジン、クラリセージオイル、グレープフルーツオイル、クローブオイル、コスタスオイル、コパイババルサム、コパイババルサムオイル、コパイババルサムレジン、コリアンダーオイル、サッサフラスオイル、サンダルウッドオイル、ジュネアブソリュート、シソオイル、シトロネラオイル、ジャスミンオイル、ジャスミンアブソリュート、ジャスミンコンクリート、ジュニパーベリーオイル、シベットアブソリュート、シベットチンキ、ジョンキルアブソリュート、アガーウッドオイル、ジンジャーオイル、シナモンオイル、シナモンバークオイル、シナモンリーフオイル、スギオイル、スチラックスオイル、スチラックスレジノイド、スペアミントオイル、セイボリーオイル、セージオイル、セダーオイル、セダーリーフオイル、ゼラニウムオイル、セロリーシードオイル、タイムオイル、タゲットオイル、タラゴンオイル、チュベローズアブソリュート、ディルオイル、ティーツリーオイル、トリーモスアブソリュート、トルーバルサム、ナツメッグオイル、ナルシサスアブソリュート、ネロリオイル、バイオレットリーフアブソリュート、パインオイル、パインニードルオイル、バジルオイル、パセリリーフオイル、パセリシードオイル、パセリハーブオイル、パチョリオイル、ハッカオイル、バニラアブソリュート、ハネーサックルアブソリュート、パルマローザオイル、バレリアンオイル、ビターオレンジオイル、ヒソップオイル、ヒバオイル、ヒヤシンスアブソリュート、フェンネルオイル、フィグアブソリュート、プチグレンオイル、ブッチョオイル、ベイオイル、ベチバーオイル、ペニーロイヤルオイル、ペッパーオイル、ペパーミントアブソリュート、ペパーミントオイル、ベルガモットオイル、ペルーバルサム、ベンゾインチンキ、ベンゾインレジノイド、ボアドローズオイル、ホウショウオイル、ホップオイル、ホップコンクリート、ホップアブソリュート、マージョラムオイル、マンダリンオイル、ミカンオイル、ミモザコンクリート、ミモザアブソリュート、ミモザオイル、ミルレジノイド、ミルアブソリュート、ミルオイル、ムスクアブソリュート、ムスクチンキ、ユーカリオイル、ユズオイル、ヨモギオイル、ライムオイル、ラブダナムオイル、ラブダナムレジノイド、ラベンダーオイル、ラベンダーアブソリュート、ラバンジンオイル、ラバンジンアブソリュート、リナロエオイル、レモンオイル、レモングラスオイル、ローズオイル、ローズアブソリュート、ローズコンクリート、ローズマリーオイル、ロベージオイル、ローレルオイル、ローレルリーフオイル、ワームウッドオイル、麝香、霊猫香、竜ぜん香、海狸香、ムスク・チバタ等が挙げられる。
炭化水素系化合物としては、オシメン、ジヒドロミルセン、ファルネセン、セドレン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ジペンテン、カンフェン、フェランドレン、テルピネン、3−カレン、テルピノーレン、ビサボレン、β−カリオフィレン、カジネン、バレンセン、ツヨプセン、グアイエン、アロオシメン、ミルセン、ロンギホレン、ベルドラシン(1,3,5−ウンデカトリエン)、p−サイメン、4−イソプロピル−1−メチル−2−プロペニルベンゼン、ジフェニル、ジフェニルメタン、オレンジテルペン、レモンテルペン、ベルガモットテルペン、ペパーミントテルペン、スペアミントテルペン、ライムテルペン、ベチバーテルペン、ローズワックス、ジャスミンワックス、リモネンダイマー、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン等が挙げられる。
更に、本発明における香料成分は、香料用溶剤を含有するものであってもよく、該香料用溶剤としては、水、アルコール類(エタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノ―ル、トリエチルシトレ―ト等)、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート)、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコールDPG−FC(ジプロピレングリコール)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト−5(1,2−ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA−2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA−4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。
上記溶剤のうちエタノール、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールDPG−FC(ジプロピレングリコール)、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の香料用溶剤が香気力価を調整する為に用いることができる。これら溶剤の使用量は、上記香料および該溶剤からなる香料組成物中に約0.1〜99質量%配合されるが、好ましくは、約1〜40質量%配合される。
本発明における香料成分を配合した洗剤、柔軟剤、香剤等には、前記香料成分が、通常、約0.00001〜50質量%配合されるが、好ましくは、約0.0001〜30質量%配合される。配合量が約0.00001質量%未満だと十分な香味が得られない場合があり、約50質量%を超えると香気が強すぎ、洗濯時の作業性を低下させてしまう場合がある。
本発明における香料成分としては、ストレッチ繊維製品に対し好ましい軽快な香りを付与する面からは、高揮発性のものが好ましく、特に、軽快な香りに好感をもたれ、さわやかな香りであるものが好ましい。そのような香料としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、リナロール、フェニルエチルアルコール、リモネン、ベンジルアセテート、シトロネロール、ゲラニオール、ターピネオール、ターピニルアセテート、オイゲノール、メチルジャスモネート、ベンジルアルコール、α−イオノン、β−イオノン、α−メチルイオノン、β−メチルイオノン等の合成香料が好ましく挙げられる。また天然香料としては、3mmHg前後,約32〜100℃の減圧蒸留で得られる留分が概ね本発明における香料成分に合致する。
高揮発性香料成分としては、例えば、アネトール、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、ギ酸ベンジル、酢酸イソボルニル、カンフェン、cis−シトラール(ネラール)、シトロネラール、シトロネロール、酢酸シトロネリル、p−クメン、デカナール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメチルフェニルカルビノール、オイカリプトール、ゲラニアール、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、ゲラニルニトリル、酢酸cis−3−ヘキセニル、ヒドロキシシトロネラール、d−リモネン、リナロール、リナロールオキシド、酢酸リナリル、プロピオン酸リナリル、アントラニル酸メチル、α−メチルヨノン、メチルノニルアセトアルデヒド、酢酸メチルフェニルカルビニル、酢酸ラエボ−メンチル、メントーン、イソメントーン、ミルセン、酢酸ミルセニル、ミルセノール、ネロール、酢酸ネリル、酢酸ノニル、フェニルエチルアルコール、α−ピネン、β−ピネン、γ−テルピネン、α−テルピネオール、β−テルピネオール、酢酸テルピニル、およびベルテネックス(酢酸p−t−ブチルシクロヘキシル)等が挙げられる。また、天然油で高揮発性香料成分を高割合で含有するものも好ましく挙げられ、例えば、ラバンジンは、主成分としてリナロール、酢酸リナリル、ゲラニオールおよびシトロネロールを含有し、好ましい。また、レモン油およびオレンジテルペンも、両方ともd−リモネンを、例えば約95%含有し、好ましい。
中揮発性香料成分としては、例えば、アミルケイ皮アルデヒド、サリチル酸イソアミル、β−カリオフィレン、セドレン、ケイ皮アルコール、クマリン、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、エチルバニリン、オイゲノール、イソオイゲノール、酢酸フロル、ヘリオトロピン、サリチル酸3−cis−ヘキセニル、サリチル酸ヘキシル、リリアール(p−t−ブチル−α−メチルヒドロケイ皮アルデヒド)、γ−メチルヨノン、ネロリドール、パッチュリアルコール、フェニルヘキサノール、β−セリネン、酢酸トリクロロメチルフェニルカルビニル、クエン酸トリエチル、バニリン、およびベラトルムアルデヒド等が挙げられる。シダー材テルペンは、主としてα−セドレン、β−セドレン、および他のC15H24セスキテルペンからなる。
低揮発性香料成分としては、例えば、ベンゾフェノン、サリチル酸ベンジル、エチレンブラシレート、ガラキソライド(1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−γ−2−ベンゾピラン)、ヘキシルケイ皮アルデヒド、リラール(4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−10−カルボキシアルデヒド)、メチルセドリロン、メチルジヒドロジャスモネート、メチル−β−ナフチルケトン、ムスクインダノン、ムスクケトン、ムスクチベテン、および酢酸フェニルエチルフェニル等が挙げられる。
本発明における香料成分としては、ストレッチ繊維製品に対し好ましい軽快な香りを付与することから沸点約250℃以下の化合物であることが好ましく、沸点約20℃以上200℃以下であるものを含有することがより好ましい。また、炭素数3以上15以下程度のものも好ましく、分子量50以上350以下程度のものも好ましい。特に、炭素数3以上5以下かつ分子量50以上350以下かつ沸点20℃以上200℃以下の香料成分が好ましい。そのような香料成分としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−イオノン、β−イオノン、リリアール等が挙げられる。前記沸点および分子量等は、例えば、前記の「パーヒューム・エンド・フレーバー・ケミカルズ(Perfume and Flavor Chemicals)(アロマ・ケミカルズ)」等、公知の文献に記載のものを参考にしてもよい。
前記洗濯用柔軟剤および洗剤等は、香料成分を含むものであれば特に限定されず、最初から香料成分を含むものであってもよく、市販の香剤等の香料成分を添加したものであってもよい。洗濯用柔軟剤および/または洗剤等に香料成分を添加する方法としては、特に限定されないが、例えば、洗濯用柔軟剤および/または洗剤等に予め混合して用いることができる。
本発明における洗濯用柔軟剤としては、衣料用洗濯柔軟剤組成物等、各種柔軟剤を適用することができ、特に限定されるものではないが、例えば、ワックスエマルジョン、両性界面活性剤系、カチオン性界面活性剤系、ノニオン界面活性剤系、油脂系および多価アルコール系の柔軟剤等を用いることができる。本発明の洗濯用柔軟剤は、水系洗濯用であってもよく、溶剤洗濯用であってもよい。
特にアミノ基含有シリコーン、オキシアルキレン基含有シリコーン、界面活性剤を含有するものを使用することが好ましい。界面活性剤としては、カルボン酸塩系のアニオン界面活性剤;スルホン酸塩系のアニオン界面活性剤;硫酸エステル塩系のアニオン界面活性剤;リン酸エステル塩系のアニオン界面活性剤(特にアルキルリン酸エステル塩)等のアニオン界面活性剤;ソルビタン脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノステアレート、ジエチレングリコールモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノオレート、プロピレングリコールモノステアレート等の多価アルコールモノ脂肪酸エステル;N−(3−オレイロキシ−2−ヒドロキシプロピル)ジエタノールアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビット蜜ロウ、ポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート、ポリオキシエチレングリセリルモノオレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等の非イオン系界面活性剤;第4級アンモニウム塩、アミン塩またはアミン等のカチオン界面活性剤;カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有する第2級若しくは第3級アミンの脂肪族誘導体;および複素環式第2級若しくは第3級アミンの脂肪族誘導体等の両性イオン界面活性剤等を挙げることができる。香気持続性の観点から、最も好ましい界面活性剤は、非イオン系界面活性剤である。
本発明における洗剤としては、衣料用洗剤組成物等、各種洗剤を適用することができ、特に限定されるものではないが、例えば、通常の粉体または液体の配合組成となる衣料用の洗剤組成物を用いることができ、好ましくは、非イオン系界面活性剤を含有する粉体または液体の洗剤組成物が挙げられる。本発明の洗剤は、水系洗濯用であってもよく、溶剤洗濯用であってもよい。
前記洗濯用柔軟剤および/または洗剤の香料成分を保持させる目的での前記ストレッチ繊維製品の使用も、本発明に包含される。本発明のストレッチ繊維製品は、前述のような好ましい形態をとることにより、前記洗濯用柔軟剤および/または洗剤に含有される好ましい香気を有する香料成分を、有効に保持することができ、その結果、好ましい香気が長時間持続する、香気持続性を示す。 前記ストレッチ繊維製品に対し、前記洗濯用柔軟剤および/または洗剤によって香気を付与する過程を有する、ストレッチ繊維製品の香気保持方法も、本発明に包含される。香気を付与する方法としては、洗濯によるものであれば特に限定されず、水系洗濯であっても、溶剤洗濯(ドライクリーニング)であってもよいが、各家庭で日常的に行われる面では、水系洗濯が好ましい。
前記洗濯とは、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、洗浄工程、すすぎ工程および乾燥工程を有していてもよく、前記洗浄工程および/またはすすぎ工程は、必要に応じ、複数回行ってもよい。乾燥方法としては、例えば、吊干し等による自然乾燥およびタンブラー乾燥等が挙げられる。前記水系洗濯としては、香料成分を含有する前記洗濯用柔軟剤および/または洗剤を用いるものであれば、特に限定されないが、洗濯機を用いてもよく、手洗いであってもよい。また、前記溶剤洗濯とは、水以外の溶剤を媒液とする洗浄法であり、前記溶剤としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、パラフィン、ナフテンおよび芳香族炭化水素等の石油系溶剤;並びにテトラクロロエチレン、ジクロロペンタフルオロプロパン等の合成溶剤等が挙げられる。前記洗濯に関し、温度、時間等の諸条件は、ストレッチ繊維製品の種類等によっても異なるが、適宜設定することができる。
また、洗濯により本発明のストレッチ繊維製品に香料成分を吸収させる場合、該香料成分は、洗剤に含まれていても、洗濯用柔軟剤に含まれていてもよく、その両方であってもよい。また、香料成分を含有する香剤を洗濯用柔軟剤および/または洗剤と併用する形態であってもよい。特に、洗濯時の最終すすぎ工程で香料成分を吸収させることが好ましく、この場合、前記洗濯用柔軟剤を含有するすすぎ水等を用いることが好ましい。また、香料成分が、前記洗濯用柔軟剤および/または洗剤に約0.0001〜1質量%配合されることが好ましく、約0.01〜0.5質量%配合されることがより好ましい。洗濯時間としては、特に限定されないが、例えば、数分間から乾燥工程を含めて約48時間であってもよく、数分間から乾燥工程を含めて約24時間であることが好ましい。
本発明で洗濯対象となるストレッチ繊維製品および該ストレッチ繊維製品を使用した衣料は、洗濯の対象となるものであれば、特に限定されるものではない。本発明の洗濯方法では、イオン性またはイオン交換性の官能基やそれを含む添加剤を含有する繊維への影響、すなわち、洗剤組成物によるイオン性またはイオン交換性能(イオン性香料の吸収能)の低下を防止するために、衣料用洗剤組成物中に含有せしめる界面活性剤としてHLB10〜17の非イオン系界面活性剤を用いることが好ましいものとなる。
非イオン系界面活性剤としては、例えば、直鎖状または分岐型のアルコールエトキシレートのエチレンオキシド付加体またはプロピレンオキシド付加体、あるいはエチレンオキシド・プロピレンオキシド付加体(ブロック体、ランダム体)等が挙げられる。
そのような非イオン系界面活性剤としては、例えば、炭素数6〜22、好ましくは、8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均3〜30モル、好ましくは7〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(またはアルケニル)エーテルが挙げられ、この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(またはアルケニン)エ−テルポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)フェニルエーテルが特に好ましい。また、長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した化合物、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、および炭素数6〜18の脂肪酸と、炭素数5〜6の単糖類またはそのモノアルキルエーテルとのエステル等から選ばれる糖エステル系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
また、その他に用いることができる非イオン系界面活性剤として、エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基を含有するものが好ましく、エチレンオキシドの平均付加モル数nが3〜20であり、n=0である未反応アルコールの量が10質量%以下で示される非イオン系界面活性剤、炭素数10〜16の第2級アルコールにエチレンオキシドを平均5〜15モル付加した化合物、最も短い分岐鎖の炭素数が5以下である総炭素数8〜22の分岐アルキル基またはアルケニル基を有する第1級アルコールにエチレンオキシドを平均5〜15モル付加した非イオン系界面活性剤が挙げられる。
更に用いることができる非イオン系界面活性剤として、脂肪酸エステルあるいは硬化ヒマシ油を基本骨格とするHLB10〜16の非イオン系界面活性剤が挙げられ、この界面活性剤は上記基本骨格に対して親水基が付加されたものであり、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノステプリン酸ポリエチレングリコール、イソステプリン酸ポリエチレングリコール、イソステプリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリシ酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ラフリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステプリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が用いられる。
本発明方法において、HLBが10〜17の範囲を外れる非イオン系界面活性剤では、各種汚れに対する洗浄効果が低下し、好ましくない。HL非イオン系界面活性剤の含有量は、好ましくは、洗剤組成物全量に対して、10〜60質量%である。なお、本発明方法に用いる衣料用洗剤組成物には、上記各種のHLB10〜17の非イオン系性界面活性剤の他、通常洗剤原料に配合されている成分、例えば、非晶質シリカ等の多孔質無機酸化粉体、モンモリロナイトやヘクトライト等の粘土化合物、アルミノ珪酸塩、炭酸ナトリウム等の無機質アルカリビルダー、蛍光剤、酵素、牛脂石鹸、粉砕助剤、流動性改善剤等を適宜配合することができる。
洗剤成分も柔軟剤成分も本件香気持続性への影響は小さいが、香気持続性を有効に発揮するためには洗剤成分は強いすすぎ工程や脱水でできるだけ除去することが好ましい。
本発明について実施例を用いてさらに詳細に説明する。
<包接体混合液の調製方法>
環状オリゴ糖の総数およびゲスト分子の総数が1対1(モル比)となるようにDMAc中で混合し、均一な溶液または均一な分散液となるまでDMAc混合液をホモジナイズした。包接体の濃度が35質量%となるようにDMAcで希釈し、表1に示す組み合わせの包接体混合液B(35質量%)を調製した。
なお、表中では“シクロデキストリン”を“CD”と略す。環状オリゴ糖には全て塩水港精糖(株)製のものを用い、ゲスト分子には全て東京化成(株)製のものを用いた。
<ストレッチ繊維製品の作製方法>
[1]官能評価用筒編地の作製
ポリウレタン弾性繊維を29ゲージ1口筒編機(ポリウレタン弾性繊維の回転送り出し装置付き)を用いて50%伸張状態で編成し、ポリウレタン弾性繊維100%からなる筒編地を作成した。サンプルの前後耳部は東レ(株)製ナイロンフィラメント(78デシテックス24フィラメント)を用いて少量つないで編成し、ほつれないようにして、これを官能評価用筒編地とした。
<包接率の算出方法>
[1]ストレッチ繊維製品中の環状オリゴ糖におけるゲスト分子の包接率
ストレッチ繊維製品中の環状オリゴ糖包接体の定量はHPLCにより行い、以下の方法により該繊維中の環状オリゴ糖におけるゲスト分子の包接率を導出した。
すなわち、溶媒に官能評価用筒編地を溶解させ包接率分析用希釈液を調製する。該希釈液をHPLCに注入し、示差屈折率検出器にて環状オリゴ糖の包接体を検出し、該包接体の画分を採集する。得られた包接体の画分から単位質量あたりの該繊維製品に含まれる包接体数を算出し、これを該筒編地中の包接体数(H2)(単位:mol/kg)とする。包接体数(H2)とポリウレタン紡糸溶液に含有させた環状オリゴ糖の単位質量あたりの数(H3)(単位:mol/kg)から、包接率を次式により求めた。なお、該包接率には小数点第1位以下を切り捨てた値を採用した。
<熱処理の方法>
官能評価用筒編地を伸張させない状態で、表2に従い乾熱または水中にて該筒編地に熱処理を施した。
<生地伸長性の判定>
温度23℃、湿度65RH%における官能評価用筒編地の伸び率S1(%)と、温度43℃、湿度65RH%における官能評価用筒編地の伸び率S2(%)を、JIS L 1096:1998 6.14.1に規定される伸縮織物の伸縮性のB法(定荷重法)により測定した。
官能評価用筒編地の生地伸長性の判定は、S1およびS2が共に20%以上であった場合を合格(表示○)、S1とS2の少なくともどちらか一方が20%未満であった場合を不合格(表示×)とした。
<伸長回復性の判定>
幅10cm×長さ10cmの官能評価用筒編地を準備する。該筒編地の一端を保持し、反対側に100gの荷重を掛け、1分間吊した後、伸長方向の長さAを測定する。さらに7.5kgの荷重を掛け、1時間吊した後に伸長方向の長さBを測定する。その後、7.5kgの荷重のみをはずし1時間後に伸長方向の長さCを測定する。以下の式から、伸長回復率を算出する。
伸長回復率(%)=〔(B−C)/(B−A)〕×100
官能評価用筒編地の伸長回復性の判定は、伸長回復率が90%以上であった場合を合格(表示◎)、伸長回復率が80%以上90%未満であった場合を合格(表示○)、伸長回復率が80%未満であった場合を不合格(表示×)とした。
<市販香料の付与方法>
市販の綿タオル(綿100質量%)10枚(質量1000±100g)、官能評価用筒編地2枚(合計質量400±40gに調整、洗濯物として官能評価用筒編地に香料含有柔軟剤を付与することに相当)および洗剤を、全自動洗濯機(東芝社製、「AW−80VC(WL)」)に投入し、水量を12Lに設定し、柔軟剤を柔軟剤ケースに入れ、お任せコ−スで洗浄(6分間)、すすぎ2回、脱水(6分間)を順次行う洗浄処理を行った。なお、洗濯に用いる水には、水道水を用いた。機能保持耐久試験として機能保持率を評価するために複数回洗濯する場合にはこの洗浄処理を所定回数繰り返した。洗浄処理後、相対湿度65%で、室温にて24時間の吊り干しにより、市販香料を付与した官能評価用筒編地を乾燥させた。
洗剤:JAFET標準洗剤(無香料)16mL、
レノアハピネスアロマジュエル ルビー(P&G社製の市販香料)5g
柔軟剤:なし
<官能評価方法>
[1]官能試験1(6段階臭気強度表示法)
臭気判定士5名が、以下に記載の6段階臭気強度に基づき、各香料付与試料の臭気を1刻みで評価し、各判定士の評価の平均値を採用した。平均値には小数点第2位以下を切り捨てた値を採用した。なお、本官能試験は、柔軟剤臭を嗅ぎ分けたものであり、前記臭気強度は、柔軟剤臭のみに関する強度である。評価は、乾燥72時間後時点、144時間後時点の2点で行った。
臭気強度
0: 無臭
1: やっと感知できるにおい
2: 何のにおいかがわかる弱いにおい
3: らくに感知できるにおい
4: 強いにおい
5: 強烈なにおい
[2]官能試験2(9段階快・不快度表示法)
ストレッチ繊維製品試料として洗浄処理50回実施後の香料付与ストレッチ繊維製品を用い、臭気判定士5名が、以下に記載の9段階快・不快度に基づき、各試料の臭気を1刻みで評価し、各判定士の評価の平均値を採用した。平均値には小数点第2位以下を切り捨てた値を採用した。また、臭いの質が具体的にどのようなものであるか評価した。なお、本官能試験は、香料付与試料の臭気全体に関するものであり、柔軟剤臭およびストレッチ繊維製品臭を含有する臭気が評価対象となっている。評価は、乾燥72時間後時点、144時間後時点の2点で行った。
快・不快度
+4: 極端に快
+3: 非常に快
+2: 快
+1: やや快
0: 快でも不快でもない
−1: やや不快
−2: 不快
−3: 非常に不快
−4: 極端に不快
[3]官能評価1
72時間後時点での官能試験1の結果において、判定として4以上を◎、3以上4未満を○、3未満を×と表記した。
[4]官能評価2
144時間後時点での官能試験1の結果において、判定として4以上を◎、3以上4未満を○、3未満を×と表記した。
[5]官能評価3
72時間後時点での官能試験2の結果において、判定として2以上を○、1以上2未満を△、1未満を×と表記した。
[6]官能評価4
144時間後時点での官能試験2の結果において、判定として2以上を○、1以上2未満を△、1未満を×と表記した。
[実施例1〜3]
分子量2100のPTMG、MDIおよび鎖伸長剤としてエチレングリコールおよび末端封鎖剤として1−ブタノールからなるポリウレタンウレタン重合体のDMAc溶液(35質量%)を常法により調製した。次に、酸化防止剤として、t−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネ−ト)の反応によって生成せしめたポリウレタン溶液(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2462)と、p−クレゾ−ルおよびジビニルベンゼンの重合体(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2390)とを2対1(質量比)で混合し、酸化防止剤DMAc溶液(濃度35質量%)を調整し、前記ポリウレタンウレタン重合体のDMAc溶液96質量%と酸化防止剤溶液4質量%を均一に混合し、ポリウレタン紡糸溶液A1とした。さらに、表1に従い環状オリゴ糖とゲスト分子の包接体混合溶液B1(35質量%)を調製した。
A1、B1をそれぞれ94.0質量%、6.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。
得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D1(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD1に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。 [実施例4]
表1に従い環状オリゴ糖とゲスト分子の包接体混合溶液B2(35質量%)を調製し、A1、B2をそれぞれ94.0質量%、6.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。
得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D2(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD2に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例5]
表1に従い環状オリゴ糖とゲスト分子の包接体混合溶液B3(35質量%)を調製し、A1、B3をそれぞれ94.0質量%、6.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。
得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D3(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD3に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例6]
A1、B1をそれぞれ98.0質量%、2.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。
得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D4(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD4に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例7〜9]
分子量1800のPTMG、MDIおよび鎖伸長剤としてエチレンジアミンおよび末端封鎖剤としてジエチルアミンからなるポリウレタンウレア重合体のDMAc溶液(35質量%)を常法により調製した。次に、酸化防止剤として、t−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネ−ト)の反応によって生成せしめたポリウレタン溶液(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2462)と、p−クレゾ−ルおよびジビニルベンゼンの重合体(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2390)とを2対1(質量比)で混合し、酸化防止剤DMAc溶液(濃度35質量%)を調整し、前記ポリウレタンウレア重合体のDMAc溶液96質量%と酸化防止剤溶液4質量%を均一に混合し、ポリウレタン紡糸溶液A2とした。
A2、B1をそれぞれ94.0質量%、6.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.2として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。
得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D5(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD5に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例10]
表1に従い環状オリゴ糖とゲスト分子の包接体混合溶液B4(35質量%)を調製し、A2、B4をそれぞれ94.0質量%、6.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.2として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。 得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D6(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD6に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例11]
A2、B3をそれぞれ94.0質量%、6.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.2として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。 得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D7(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD7に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例12]
A2、B1をそれぞれ90.0質量%、10.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.2として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。 得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D8(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD8に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例13]
実施例1で得た20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D9(ポリウレタン弾性繊維含有率4.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD9に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例14]
実施例7で得た22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D10(ポリウレタン弾性繊維含有率4.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD10に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例15]
実施例1で得た20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D11(ポリウレタン弾性繊維含有率18.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD11に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例16]
実施例7で得た22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D12(ポリウレタン弾性繊維含有率18.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD12に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例17]
実施例6で得た20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D13(ポリウレタン弾性繊維含有率39.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD13に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例18]
実施例12で得た22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D14(ポリウレタン弾性繊維含有率39.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD14に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例19]
表1に従い環状オリゴ糖とゲスト分子の包接体混合溶液B5(35質量%)を調製し、A1、B5をそれぞれ94.0質量%、6.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。 得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D15(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD15に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表
4に示す。
[実施例20]
表1に従い環状オリゴ糖とゲスト分子の包接体混合溶液B6(35質量%)を調製し、A2、B6をそれぞれ94.0質量%、6.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.2として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。 得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D16(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD16に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例21]
A1、B5をそれぞれ82.0質量%、18.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。 得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D17(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD17に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例22]
A2、B6をそれぞれ82.0質量%、18.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.2として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。
得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D18(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD18に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例23]
表1に従い環状オリゴ糖とゲスト分子の包接体混合溶液B7(35質量%)を調製し、A1、B7をそれぞれ82.0質量%、18.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。 得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D19(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD19に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例24]
表1に従い環状オリゴ糖とゲスト分子の包接体混合溶液B8(35質量%)を調製し、A2、B8をそれぞれ82.0質量%、18.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.2として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。
得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D20(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD20に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例25]
実施例23で得た20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D21(ポリウレタン弾性繊維含有率1.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD21に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例26]
実施例24で得た22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D22(ポリウレタン弾性繊維含有率1.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD22に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例27、29]
表1に従い環状オリゴ糖とゲスト分子の包接体混合溶液B9(35質量%)を調製し、A1、B9をそれぞれ82.0質量%、18.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。
得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D23(ポリウレタン弾性繊維含有率1.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD23に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[実施例28、30]
表1に従い環状オリゴ糖とゲスト分子の包接体混合溶液B10(35質量%)を調製し、A2、B10をそれぞれ82.0質量%、18.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これをゴデローラーと巻取機の速度比1.2として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻き取り、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。
得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D24(ポリウレタン弾性繊維含有率1.0%)とした。<熱処理の方法>の表2に従いD24に熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[比較例1]
A1を実施例1と同様に乾式紡糸し、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。
得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D25(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。D25に対して熱処理を施さず、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理を施さないまま<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[比較例2]
A2を実施例7と同様に乾式紡糸し、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。 得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D26(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。D26に対して熱処理を施さず、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理を施さないまま<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[比較例3]
実施例1に記載のD1対して熱処理を施さず、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理を施さないまま<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[比較例4]
実施例7に記載のD5対して熱処理を施さず、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理を施さないまま<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[比較例5]
包接体を形成させない環状オリゴ糖とDMAcの混合液として、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンを1対1対1(モル比)となるようにDMAc中で混合し、均一な分散液となるまでホモジナイズし、さらに総環状オリゴ糖の濃度が35質量%となるように希釈することで環状オリゴ糖混合液C1(35質量%)を調製した。
A1、C1をそれぞれ94.0質量%、6.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例1と同様に乾式紡糸し、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。
得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D27(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。D27に対して熱処理を施さず、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理を施さないまま<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[比較例6]
A2、C1をそれぞれ94.0質量%、6.0質量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例9と同様に乾式紡糸し、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。 得たポリウレタン弾性繊維を使用し、<ストレッチ繊維製品の作製方法>[1]に従って官能評価用筒編地D28(ポリウレタン弾性繊維含有率8.0%)とした。D28に対して熱処理を施さず、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理を施さないまま<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[比較例7]
比較5に記載のD27対し、<熱処理の方法>の表2に従い熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[比較例8]
比較6に記載のD28対し、<熱処理の方法>の表2に従い熱処理を施した後に、包接率の算出、生地伸長性および伸長回復性を判定した結果を表3に示す。さらに、熱処理の後に<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[比較例9]
ポリエチレンテレフタレート糸(以下、PETと略す)(44tex、36fil)のみを使用し、29ゲージ1口筒編機を用いて編成し、PET100%からなる官能評価用筒編地D29を得た。 D29に対し、<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験および官能評価を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[比較例10]
ウーリーナイロン糸(以下、Nylonと略す)(44tex、34fil)のみを使用し、29ゲージ1口筒編機を用いて編成し、Nylon100%からなる官能評価用筒編地D30を得た。
D30に対し、<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験を実施した。官能評価の結果を表4に示す。
[比較例11]
精錬を行ったコットン原綿繊維(インド綿)から豊田自動織機社製リング織精紡機を使用して、30番手英式綿番手の混紡糸を作成した。作成した混紡糸より29ゲージ1口筒編機を用いて編成し、コットン100%からなる官能評価用筒編地D31を得た。
D31に対し、<市販香料の付与方法>に従って市販香料の付与を行い、<官能評価方法>[1]〜[6]に記載の官能試験を実施した。官能評価の結果を表4に示す。