JP2015137264A - 筋肉増強剤 - Google Patents

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【課題】本発明は、安全であり、萎縮などによりいったん減少した筋肉量を回復するのみならず、一般的なヒトやその他の動物の筋肉量を増大させることができる筋肉増強剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る筋肉増強剤は、リンゴ果実圧搾残滓およびローズマリー抽出物を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、安全に筋肉量を増大させることができる筋肉増強剤に関するものである。
加齢や運動不足あるいは運動の不能などの理由で歩行困難になる例は多い。また、筋肉量の減少によって発生する皺なども美容上の問題事項で、その解決策は知られていない。
戦後、生活環境や食事内容の変化により、日本は世界の長寿国に仲間入りができた。しかし高齢者の心身の活動の低下に由来する社会問題として、介護や医療のあり方が注目を浴びている。高齢に達するまで元気で、生活習慣病などにも罹らず最終臥床期間の短い生き方ができることは、皆の望むところである。
多細胞生物であるヒトの老化の最大の特徴として、まず細胞数の減少と細胞機能の低下が挙げられる。脳や心臓などの循環器系疾患で歩行が困難になると忽ち筋肉の委縮が誘発され、さらにQOL(Quality of Life)の悪化がみられる。
そこまでいかなくても、老化と共に腕や首筋、顔などの筋肉の委縮による皺やタルミなどは身近な問題である。しかしながら、筋肉の委縮を抑制したり筋肉の増加を具体的に裏付ける実用的な合成医薬品はみられない。
筋肉を増強するための化合物としては、従来、ステロイドホルモンがよく知られている。しかし、筋肉増強目的でステロイドホルモンを服用したスポーツ選手に循環器疾患など重篤な副作用が生じることも知られている。
一方、安全な筋肉増強剤も模索されている。例えば特許文献1には、リンゴ由来のポリフェノールを有効成分とするものであり、廃用性筋萎縮による筋線維タイプの遅筋型TypeIから速筋型TypeIIへの移行を阻止したり、廃用性筋萎縮を抑制すると同時に萎縮した筋肉の回復時における筋肉量の回復を促進する製剤が開示されている。
特開2006−328031号公報
上述したように、ステロイドホルモンなどとは異なる安全な筋肉増強剤が模索されており、リンゴ由来のポリフェノールを筋肉量の回復のために用いる特許文献1の技術も知られている。
しかし特許文献1の技術は、あくまで廃用性筋萎縮により萎縮した筋肉のタイプ移行を抑制したり筋肉量を増やすための技術であり、例えば、健常人における筋肉量を増やしたり、加齢による皺などに効果を示すかは不明である。実際、特許文献1に記載されている実験データは、ラットの後肢を懸垂することにより筋萎縮を生じさせたモデル動物によるもののみである。
以上の状況下、本発明は、安全であり、萎縮などによりいったん減少した筋肉量を回復するのみならず、一般的なヒトやその他の動物の筋肉量を増大させることができる筋肉増強剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。例えば、サンシュユの果実、ナツメの果実、ネズミモチの果実、女貞子や市販の乾燥果実など、漢方薬などの中からいわゆる強壮生薬や老化予防に有用として知られている天然物の粉末を通常の飼育用飼料に加えて動物実験を行ったが、芳しい結果は得られなかった。特に、リンゴ果実圧搾残滓のみでは健常な実験動物の筋肉量を増大させるには不十分であった。しかし、リンゴ果実圧搾残滓に加えてローズマリー抽出物を併用すれば、健常者や健常な実験動物の筋肉量を有意に増大できることを見出して、本発明を完成した。
本発明に係る筋肉増強剤は、リンゴ果実圧搾残滓およびローズマリー抽出物を含有することを特徴とする。
本発明の筋肉増強剤において、ローズマリー抽出物に対するリンゴ果実圧搾残滓の質量比は、5倍以上、15倍以下が好ましい。リンゴ果実圧搾残滓とローズマリー抽出物とをかかる割合で含む筋肉増強剤の効果は、本発明者の実験的知見により確認されている。
本発明に係る筋肉増強剤の有効成分の一つであるローズマリー抽出物としては、ローズマリーの葉に由来するもの、および、抽出溶媒としてC1-4アルコールを用いて抽出されたものが好ましい。かかるローズマリー抽出物を含む本発明の筋肉増強剤の効果は、本発明者の実験的知見により確認されている。
本発明に係る筋肉増強剤の投与量としては、1日当たり50mg/kg体重以上、200mg/kg体重以下が好ましい。健常なヒトに対する実験によれば、この範囲の投与量で筋肉量の明らかな増加が認められた。
本発明に係る筋肉増強剤は、食用にもされているリンゴと、ハーブティーやスパイスなどとして同じく食用にもされているローズマリー抽出物を有効成分とするので、毎日など恒常的な服用にも適する極めて安全なものである。また、本発明に係る筋肉増強剤は、例えば疾病や加齢などによる寝たきりの患者など筋肉の萎縮がみられる患者のみならず、健常なヒトやその他の動物の筋肉量を増大させることができる。さらには、筋肉量の減少を原因とする皺やタルミなどの改善も可能である。よって本発明に係る筋肉増強剤は、非常に実用的なものとして、産業上極めて有用である。
図1は、マウスを用いた筋肉増強作用試験における飼料と水の総摂取量および体重の変化を示すグラフである。(1)は水の総摂取量、(2)は飼料の総摂取量、(3)は体重の変化を示す。 図2は、マウスを用いた筋肉増強作用試験における各臓器の質量を示すグラフである。(1)は心臓の質量、(2)は肝臓の質量、(3)は腎臓の質重、(4)は肺の質量を示す。 図3は、マウスを用いた筋肉増強作用試験における各臓器の質量を示すグラフである。(1)は脾臓の質量、(2)は睾丸の質量を示す。 図4は、マウスを用いた筋肉増強作用試験における睾丸周囲の脂肪量を示すグラフである。図4中の「*」は、tテストによる有意差検定によりp<0.05で有意差が認められた場合を示す。 図5は、マウスを用いた筋肉増強作用試験における後肢筋肉量を示すグラフである。図5中の「*」は、tテストによる有意差検定によりp<0.05で有意差が認められる場合を示す。 図6は、ヒトに対する筋肉増強作用試験における脚部筋肉量点数の変化を示すグラフである。(1)は一般的な水溶性食物繊維であるイヌリンを服用した対照群の脚部筋肉量点数の変化を示し、(2)は本発明に係る筋肉増強剤を服用した群の脚部筋肉量点数の変化を示す。
本発明に係る筋肉増強剤は、有効成分として、リンゴ果実圧搾残滓およびローズマリー抽出物を含有することを特徴とする。
本発明に係る筋肉増強剤の有効成分の一つであるリンゴ果実圧搾残滓の原料であるリンゴは、特に制限されないが、例えば、より一般的に食用に付されている西洋リンゴ(Malus pumila)の果実のみならず、和リンゴ(Malus asiatica)の果実も用いることができる。また、使用するリンゴ果実の形態も特に制限されず、例えばカワ付きのまま用いることができるし、或いはカワを除去したもの、さらにカワと芯を除去したものなども用いることができる。
本発明において「リンゴ果実圧搾残滓」とは、リンゴを圧搾して果汁を除去した残り滓をいい、例えば、リンゴジュースの製造で得られる残り滓を利用することができる。その主要成分は、不溶性の食物繊維である。「食物繊維」とは、食物に含まれているものであり、ヒトの消化酵素で分解されない不消化性または難消化性の成分をいい、主に、植物食物や菌類植物の細胞壁を構成する多糖類からなるものいう。なお、リンゴ果実圧搾残滓は、リンゴファイバーやアップルファイバーの製品名で、乾燥物などとして市販されていることがある。
本発明におけるリンゴ果実圧搾残滓は、リンゴを圧搾して果汁を除去した残り滓であればよく、例えば、リンゴ由来の食物繊維の他に水分、タンパク質、脂質、ミネラル、糖類を含むものであってもよい。また、果汁を完全に除去することは難しいので、本発明で使用するリンゴ果実圧搾残滓に果汁の一部やその乾燥物が残留していてもよいものとする。本発明のリンゴ果実圧搾残滓は、筋肉量の増大作用が発揮される範囲で食物繊維成分を含んでいればよく、具体的には、20質量%以上の食物繊維を含んでいることが好ましい。当該割合としては、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。一方、当該割合の上限は特に制限されず、100質量%でもよいが、原料であるリンゴ果実から食物繊維のみを分離するのが技術的に難しく製造コストが過剰にかかるおそれもあり得、また、食物繊維以外の成分が筋肉増強作用の発揮に寄与している可能性もあるので、当該割合としては、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。
リンゴ果実圧搾残滓の製造方法は特に制限されないが、例えば、リンゴジュースの製造などのためにリンゴ果実を圧搾した残滓を用いることができる。さらに、当該残滓を乾燥し、水分量を4質量%以上、10質量%以下にしたものを用いてもよい。当該水分量は、例えば、常圧加熱乾燥法により測定することができる。
ローズマリー(Rosmarinus officinalis,シソ科)は小型の常緑灌木で、厚い芳香性のある葉を持つ高さ約2m程度のスパイス原料としてよく知られた植物である。地中海地方が原産とされ、アメリカ、イギリス、フランス、スペインなど世界中で栽培されている。ローズマリーに含まれる成分としては、油脂やフラボノイド類の他、フェノール性化合物、トリテルペノイド化合物など多くの成分の報告が知られている。また、その抽出物の胆汁管や小腸への作用や、冠動脈の血流増加作用なども報告されている。ヨーロッパの植物療法では、ローズマリーの葉は消化不良やリウマチ、循環器系疾患に外用もされている。浴用剤としても用いられている。食品では、アルコール飲料、焼き菓子、冷凍乳製品、肉や肉製品調味料、薬味、加工野菜、スナック菓子、グレービーソースなど、多方面で使用されている。また、ハーブティーとして健胃効果を期待して用いられている薬草でもある。中国では葉や枝の抽出物が頭痛にも用いられている。
ローズマリー抽出物の原料部位としては、葉および/または枝が好ましく、葉がより好ましい。また、ローズマリーは香りの強い油脂成分を含むので、原料としてローズマリーの葉などを直接用いると、得られる抽出物の香りが強く服用し難いものになる場合があり得る。よって、ローズマリー油を製造した後の残滓など、油脂成分を水蒸気蒸留などで除去した後の残滓を原料として用いてもよい。
抽出溶媒としては、水溶性有機溶媒および水と水溶性有機溶媒との混合溶媒が好ましい。水溶性有機溶媒は特に制限されず、例えば、リンゴ圧搾残滓との組合せで優れた筋肉増強作用を発揮できるローズマリー抽出物が得られるものを適宜選択すればよいが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノールのC1-4アルコール;ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどの水溶性エーテル系溶媒;ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどの水溶性アミド系溶媒;ジメチルスルホキシドなどの水溶性スルホキシド溶媒を挙げることができる。これらの中でも、安全性などの面からC1-4アルコールが好ましく、C1-2アルコールがより好ましく、エタノールがさらに好ましい。
水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いる場合、全体に対する水溶性有機溶媒の濃度は適宜調整すればよいが、例えば、50v/v%以上とすることができ、60v/v%以上が好ましく、70v/v%以上がより好ましく、80v/v%以上がさらに好ましく、90v/v%以上が特に好ましい。上限は特に制限されないが、例えば、99v/v%以下とすることができる。
抽出溶媒の使用量は特に制限されず、適宜調整すればよい。例えば、ローズマリーに対して、2質量倍以上、20質量倍以下程度とすることができる。当該割合としては、5質量倍以上が好ましく、7質量倍以上がより好ましく、また、15質量倍以下が好ましく、12質量倍以下がより好ましい。
抽出温度も適宜調整することができ、例えば、10℃以上、80℃以下とすることができる。なお、溶媒の沸点以上で抽出する場合には、抽出容器を密閉するか、加圧することが好ましい。また、抽出溶媒を加熱還流してもよい。さらに、抽出温度は段階的に変更してもよい。
抽出時間も適宜調整することができ、例えば、合計で1時間以上、50時間以下程度とすることができる。
抽出後の混合液は、そのまま用いることができるが、通常の後処理を行ってもよい。例えば、抽出残渣と抽出溶媒を濾過や遠心分離などにより分離したり、また、分離した抽出液を、加熱乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥などを適宜組み合わせて乾燥してもよい。なお、加熱により乾燥する場合には、有効成分が分解しないよう60℃以下、好ましくは50℃以下で、減圧しつつ濃縮することが好ましい。
得られたローズマリー抽出物は、特に油脂成分を除去しないまま抽出を行った場合には、主に油脂成分を除去するために部分精製してもよい。例えば、抽出液を濃縮したり、抽出液に貧溶媒を加えるなどして析出する不溶成分を濾別して洗浄すれば、主な油脂成分は常温で液体であるので除去することができる。
本発明におけるリンゴ果実圧搾残滓とローズマリー抽出物との割合は、筋肉量の増大作用が発揮される範囲で適宜調整すればよいが、例えば、ローズマリー抽出物に対するリンゴ果実圧搾残滓の質量比を5倍以上、15倍以下とすることができる。当該質量比としては、6倍以上が好ましく、7倍以上がより好ましく、8倍以上がさらに好ましく、また、14倍以下が好ましく、13倍以下がより好ましく、12倍以下がさらに好ましい。なお、上記質量比は、リンゴ果実圧搾残滓またはローズマリー抽出物の乾燥度合いにより変化するので、リンゴ果実圧搾残滓およびローズマリー抽出物の水分含量を5質量%以上、6質量%以下に調整した上で算出するものとする。
本発明に係る筋肉増強剤の剤形は特に問わない。例えば、リンゴ果実圧搾残滓とローズマリー抽出物の乾燥体を単に混合したものであってもよいし、リンゴ果実圧搾残滓とローズマリー抽出物が水に分散または溶解しているものであってもよい。また、ローズマリーの葉が入浴剤として用いられたり、ローズマリー由来の精油や抽出物が外用剤や、石鹸、化粧品などの香料として用いられることもあるが、後記の実施例のとおり本発明に係る筋肉増強剤は経口投与で高い効果を示し、また、摂取や服用のし易さからも、経口剤とすることが好ましい。
経口製剤としては、特に制限されないが、例えば、錠剤、散剤、カプセル剤、糖衣錠、顆粒剤などを挙げることができる。本発明に係る筋肉増強剤には、剤形に合わせ、薬学上許容される添加剤を用いてもよい。かかる添加剤としては、例えば、賦形剤、基剤、防腐剤、助剤、安定化剤、湿潤剤、pH調整剤、酸化防止剤、着色剤、甘味料などを挙げることができる。但し、本発明に係る筋肉増強剤の有効成分であるリンゴ果実圧搾残滓とローズマリー抽出物の乾燥体は、賦形剤などを添加しなくても造粒可能である。また、懸濁液を飲料にしてもよいし、一般的な食餌に添加してもよい。
本発明に係る筋肉増強剤は、ヒトに加えて、ヒト以外の動物にも投与可能である。例えば、ヒトと同様に加齢により運動が難しくなった愛玩動物の筋肉量の増加のためにも用いることができる。但し、好適にはヒトに対して用いる。
本発明に係る筋肉増強剤の投与頻度や投与量は、改善対象が深刻な筋肉量の低下であるか或いは単なる皺やタルミであるかや、患者の年齢、性別、状態などに応じて適宜調整すればよい。後記の実験データによれば、ヒトの体重(kg)当たり、1日約130mgの乾燥体投与で有意な筋肉量増大効果が確認された。かかる結果より、例えばヒトに対する投与量は、乾燥状態のリンゴ果実圧搾残滓−ローズマリー抽出物混合物で、1日当たり50mg/kg体重以上、200mg/kg体重以下程度とすることが好ましい。また、一日当たりの投与回数としては、1回以上、5回以下が好ましく、1回以上、3回以下がより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1:本発明に係る筋肉増強剤の調製
和リンゴ(Malus asiatica)および西洋リンゴ(Malus pumila)の果実を圧搾してリンゴジュースを製造する際に生じる圧搾残滓(株式会社秋田ニューバイオファームより恵与)を常圧下、90℃で3日間温風乾燥し、水分量を5〜6質量%の範囲に調整することによりリンゴ果実圧搾残滓を得た。
得られたリンゴ果実圧搾残滓の組成分析を、一般財団法人日本食品分析センターに依頼した。結果を表1に示す。
上記結果のとおり、得られたリンゴ果実圧搾残滓には食物繊維が約30質量%含まれていた。また、ペクチンが約10〜20質量%含まれていた。
また、健康食品素材として市販されている粉末状ローズマリー抽出物(サビンサジャパン・コーポレーション製,製品名「Rosemary extract」)を購入して用いた。当該抽出物は、溶媒としてエタノールを用いてローズマリー葉から加温抽出されたものであり、油脂成分が除去されたものである。
マウスを使った予備実験の結果、食餌内容や運動量などを特に指定や制限することなく飼育した場合には、リンゴ果実圧搾残滓:ローズマリー抽出物の混合割合が質量比で10:1の混合物が最も筋肉増量効果が優れていることが認められた。よって、上記リンゴ果実圧搾残滓とローズマリー抽出物を10:1(質量比)で混合した混合物を、以下の実験で用いた。
実施例2:実験動物を用いた筋肉増強作用試験
通常飼料(オリエンタル酵母社製,製品名「MF粉末」)に、上記リンゴ果実圧搾残滓−ローズマリー抽出物混合物を2質量%または10質量%添加し、混合した。また、比較のために、上記通常飼料に上記リンゴ果実圧搾残滓を10質量%添加混合した比較飼料も調製した。
体重20〜22gの雄性dd−Y系マウス(株式会社紀和実験動物研究所より入手)20匹を任意に5匹ずつ、通常飼料群(対照群)、検体2%添加群、検体10%添加群、比較飼料群に分け、それぞれ通常飼料、検体を2質量%添加した同通常飼料、検体を10質量%添加した同通常飼料、またはリンゴ果実圧搾残滓のみを10質量%添加した同通常飼料と水とを自由摂取させた。各マウスは、明暗12時間サイクル、温度22±1℃、湿度55〜65%の実験室で1匹ずつ個別に飼育した。実験開始から5週間目にマウスを屠殺し、各臓器の質量、睾丸周囲の脂肪量および後肢筋肉量を測定した。飼料と水の総摂取量および体重の変化を図1に、各臓器の質量を図2と図3に、睾丸周囲の脂肪量を図4に、後肢筋肉量を図5に示す。
図1のとおり、飼料の総摂取量、水の総摂取量、体重の変化において特に異常な個体はみられず、対照群、検体投与群、比較飼料投与群の間で有意な差は認められなかった。
各臓器の質量についても、図2と図3のとおり、特に異常な個体はみられず、対照群、検体投与群、比較飼料投与群の間で有意な差は認められなかった。なお、マウスの寿命を3年、ヒトの寿命を90年と仮定し、5週間にわたる連続投与をヒトに適用させた場合、本発明に係る筋肉増強剤は、少なくとも150週間(約2.8年間)摂取しても異常を生じない安全なものであると推定される。
睾丸周囲の脂肪量については、図4のとおり、本発明に係る筋肉増強剤を投与された群では、対照群に対して明らかに減少していた。特に本発明に係る筋肉増強剤を10質量%添加した飼料を摂取させた群では、tテストによる有意差検定でp<0.05で対照群に対する有意差が認められ、その平均脂肪量は対照群に比べて42%も減少した。
後肢筋肉量については、図5のとおり、本発明に係る筋肉増強剤を10質量%添加した飼料を摂取させた群では、tテストによる有意差検定でp<0.05で対照群に対する有意な筋肉増強作用が認められた。一方、リンゴ果実圧搾残滓のみを添加した飼料を摂取させた群では、その添加割合が10質量%であっても、筋肉増強作用は認められなかった。
以上の結果のとおり、本発明に係る筋肉増強剤を投与した場合には、通常飼料のみを摂取した対照群とリンゴ果実圧搾残滓のみが配合された飼料を摂取した比較飼料投与群に比べ、体重には相違が認められない一方で、脂肪量が低減され且つ筋肉量が増加した。かかる結果から、本発明に係る筋肉増強剤によれば、蓄積されている脂肪の代謝経路を変化させて筋肉量を増加させる遺伝子の発現が促進されることが考えられる。
実施例3:ヒトに対する筋肉増強作用試験
次に、ヒトでの実験で筋肉増強作用の有無を検討した。56〜78歳の被験者5名(男性2名,女性3名)に、上記実施例1と同様のリンゴ果実圧搾残滓:ローズマリー抽出物=10:1(質量比)の混合物2gを、1日3回食前に服用させた。また、対照として、別の48〜72歳の被検者5名(男性1名,女性4名)に、代表的な水溶性食物繊維であるイヌリンを同様に服用させた。試験期間中、被験者には特別な運動などをさせることはなく、また、上記の服用以外は食事内容を変化させることなく、試験開始以前と同様の生活をしてもらった。試験開始時と2ヶ月後、デュアル周波数体組成計(タニタ社製,DC−320)を用い、脚部筋肉量点数を測定した。対照群と本発明に係る筋肉増強剤の服用群における試験開始時と2ヶ月後の脚部筋肉量点数の変化を図6に示す。
図6の結果のとおり、特別な食事や運動などによらなくても、本発明に係る筋肉増強剤により、ヒトにおいても筋肉量を増加させる傾向のあることが実験的に証明された。

Claims (5)

  1. リンゴ果実圧搾残滓およびローズマリー抽出物を含有することを特徴とする筋肉増強剤。
  2. ローズマリー抽出物に対する質量比で5倍以上、15倍以下のリンゴ果実圧搾残滓を含む請求項1に記載の筋肉増強剤。
  3. ローズマリー抽出物が、ローズマリーの葉に由来するものである請求項1または2に記載の筋肉増強剤。
  4. ローズマリー抽出物が、抽出溶媒としてC1-4アルコールを用いて抽出されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の筋肉増強剤。
  5. 1日当たり50mg/kg体重以上、200mg/kg体重以下投与するものである請求項1〜4のいずれかに記載の筋肉増強剤。
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